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 つつみしんやのひとりごと 
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2024.6.14

あかんな

小池都知事が、カイロ大学を卒業していようと
してなかろうと、私はどっちでも良いと思っている。
もっと言ってしまえば、学歴詐称をした人が、
政治家であっても、その人が政治家として
全うであれば、私個人は気にしない。
しかし、法律(公職選挙法)はそうではない。
だから、政治家は法律を守るべきだ。

11日、小池さんを若い頃から知る、
朝堂院大覚(ちょうどういんだいかく)という
人が記者会見をした。
その様子をYouTubeで観たけど
「小池百合子さんはカイロ大学を
卒業していない」と明言した。
小池さんの父親と関係のあった人で、
小池さんがカイロ大学を進級できず
やめたあと、援助した話などをリアルに語った。

小池さんが立候補を表明する前日のことだった。
これは波乱を呼ぶのではないかと思ったが、
テレビでは何も言わない。
四六時中テレビに噛り付いているわけではないけど、
テレビでは流れているのを観ていない。

はて?
あんなに明確に言ったのだから、
話題になってもおかしくないし、
「朝堂院さんの言っていることは、本当ですか?」
と小池さんに訊くのは必至だと思ったのだけど。

それとも朝堂院さんの言っていることって、
全くのでたらめなのか。
そんなに誰も相手にしないような人には
見えなかったんだけど。

そしたら、立候補表明の記者会見で、
小池さんに訊いた記者がいたんだね。
「昨日、朝堂院 大覚さんがね」と
その記者が話し出すと
小池さんはそれをさえぎるように
「ありがとうございました」と強制終了!
そのあとすぐに別の記者が、どうでも良い
服の色の質問に移った

いやいや、これはあかんやろ。
あからさまやん。

そして、記者会見は、一方的に終了。
テレビには流れないが、その記者会見後
知事が退席したあと、記者が
「きちっと記者会見を開いてください。
一部の記者に限定しないでください」
「知事、逃げないでください」と叫ぶが無視。
そのあとも「めちゃくちゃな会見」
「記者会見になってない」
「もう一回やり直そう」と、都の担当者に
「知事に交渉してきてください」と迫る映像もある。
が、知事が出て来なかったようだ。

都合の悪いことには答えない、という
姿勢が見え過ぎて呆れる。
テレビは、小池 VS 蓮舫の構図ばかり報道している。
なんか分かりやすい。
これはあかんで、というのが分かりやすい。

石丸さんの記者会見とは違いすぎる。





2024.6.13

全ては世代交代の時

東京都知事選が近い。
前回、前々回の都知事選で誰に投票したのか
覚えていない程度の都政への関心度だ。
威張って言うようなことではない。

もしかしたら、前回、前々回のどちらか、
あるいは両方に小池さんに投票したかも知れない。

正直、誰が都知事になっても大した違いはないので、
その時その時の印象で投票していたことを否めない。

が、今回は違う。
こんなに都知事選に興味を持ったことはなかった。
都知事選に限らず、国会議員の選挙でも
こんなに関心を持ったことはない。
選挙に行くのは、選挙権を得るために多くの
血が流されたことを思い、国民の義務を果たそうと
思うからであって、支持する政治家や政党が
あるからではなかった。

きっかけは、石丸伸二 元安芸高田市長の出現だ。
いつ頃からか、SNS に石丸市長の動画、
(それも短いやつ)が、目に付くようになった。
当初、石丸さんのことを快く感じていなかった。
なんだか、ずけずけとキツイことを言って、
炎上しているように見えたからだ。
何者か分からなかったんだ。

しかし、内容に耳を傾けると、印象が変わって行った。

まず、こんなに「発言の内容が分かる」政治家はいなかった。
話すとき「えーっと」とか「あー」とか言わない。
発言に濁り、迷いがない。
そして、言葉遣いは辛辣でも言っていることはご尤も。
それが私の彼への認識の変化の始まりだった。

岸田総理の答弁に限らず、
多くの大臣、議員の答弁にイライラしてきた。
なんで、はぐらかすねん。
なんで、質問に答えへんねん。
いや、あんな風でなければ政治家など
務まらないのだろうと諦めていた。
それが、政治家なのだと。

小池さんの記者会見を見ても、
何かスッキリしない。
この人も、なんで記者の質問に答えないんだろう、と思う。
都知事選に立候補した蓮舫さんは、
人の批判しかしていないように見える。
もちろん、そうではないだろう。
どこかで政策やビジョンも語っているのだろうと思う。
でも聞こえてこないんだ。
立候補の表明に人の批判は聞きたくないで。
あんたが、何を成そうとしているかを聞かせてくれ。

石丸さんは批判もあるけれど、
確実に彼の姿勢が伝わってきたんだ。
真面目で、真剣で、ブレないその姿勢が。

テレビでは、小池・蓮舫の話が多いけど、
ネットでチェックしていれば、テレビでは得られない
情報も簡単に手に入る時代だ。

石丸さんに対し、当然アンチな人もいる。
でも、そのアンチの評論を聞くと、なんだか古臭いか、
はなから批判(?)してるかにしか聞こえない。
「なるほど」とは思わせてくれないんだ。

一方で、その批判(ほとんど誹謗・中傷)に対する
石丸さんのコメントには、「なるほど」と共感できるんだ。

もう、日本は変わらなければならないと何年も
前から言われているのに、なんだか、
政治家を見ていると、国民として誇りを持てない。

でも、石丸さんなら何かやってくれそうな気がするんだ。
もちろん甘い期待という可能性だってあるけど、
他の人より、明らかに投票し甲斐があると思う。

安芸高田市の市議会の動画も合計すると
数時間分観たよ。
こんなに政治に関心を持ったのは、61歳で初めて。
それ自体、石丸さんの意図なんだと思う。

だから、都知事はぜひ石丸さんになってもらいたい。
みんなで石丸さんに投票しよう。

話は違うけど、東京都千代田区立麹町中学校が
ダンス部に対し、「ヒップホップ禁止令」を出したことが
問題になっている。

麹町中学校といえば、2014年に着任した工藤校長が
様々な改革を行ったことで、有名になった。
例えば、宿題や定期試験の廃止や
制服や体操着の着用自由化などだ。

しかし、工藤校長が2020年に退任後、2023年に
新たに着任した校長が、それらの改革を見直し始め、
24年度の新入生からは、標準服の着用が
復活したという。

新聞によると、PTAのひとりは
「他のクラスの教室には入らない、
登下校は届け出た通学路以外は通ってはダメ、
授業中、保健室の利用法など細かくルールを
定めて文書化するなど、学校主導で
生徒への指導強化が進んだ」と話しているという。

なんやそれ。
時代を逆行してるで。

おまけに、ダンス部へのヒップホップの禁止だ。

麹町中ダンス部はここ数年、毎年5月の体育祭と
10月の文化祭でヒップホップダンスを披露してきた。
それを目指して、練習を重ねてきた生徒達が
いるにもかかわらず、学校側は、
「今年から体育祭でダンス部のヒップホップ発表の
場を設けない」ことを決定したんだと。
生徒から、生き生きさを奪うのが
教育と呼べるのだろうか。

校長の権限の大きさは、知っているけれど、
反対する先生いなかったのか。
いたけど、校長は耳を貸さないのか。

いずれにしろ、そんな時代遅れの校長は
即やめるべきだ。

60年前、ビートルズも不良と言われたけど、
今では教科書に載ってるで。

全ては、世代交代すべきなんだ。

ふだん、政治に関心が薄く、
政治的な発言なんて皆無な私が
そんな風に思うのでした。





2024.6.12

桂ざこば 死去

芸能人や著名人の訃報を知った時の私の反応だが、
全く気にならずに「へぇ、そうか」という程度のときと
思わず「えっ!」と声を上げてしまうときがある。
今日の訃報は、後者だった。

桂ざこば。
享年76歳。
ぜん息だったらしく、昨年秋から、
入退院を繰り返していたようだ。

東京の落語家を聴く機会が多く、
上方の落語家を聴く機会は少ないのだけど、
それでも、ざこば師匠の高座は、生で6回観た。
最後に観たのは、2019年2月24日。
桂米團治の「還暦&噺家生活四十周年記念
独演会」での「上燗屋」だった。

子供の頃、私は大阪在住だったから、
テレビでも馴染みがあった。
その頃は「ざこば」ではなく「朝丸」だったけど。
「動物いじめ」は小学校で流行ったなぁ。
そうそう「ウィークエンダー」にも出ていたなぁ。

私のざこば師匠の印象は、
情に厚くて、涙もろくて、器用でないけど、
まっすぐで、ストレートで、一生懸命。
ちょっと危なっかしい。
そして、師匠の米朝このことが大好きだった。
うーん、まだまだ、落語聴きたかったなぁ。
残念です。

合掌。


昨年12月には「アホの坂田」の坂田利夫、
先月は(芸人ちゃうけど)キダタロー、
漫才師の今くるよ、と大阪の重鎮が
続けて亡くなっている。
なんだかさびしくなるなぁ。





2024.6.7

市民ケーン
Citizen Kane




20世紀の名作映画ランキングで
必ずといって良いほど上位に出て来る
映画『市民ケーン』(1941年)。
オーソン・ウェルズの初監督、初主演作品だ。

タイトルは知っていたけど、観たことはなかった。
友人に感想を求められ、観たのだけど、
正直言ってそんなに面白いとも良いとも思えなかった。
これは、時代が大きいと思う。
80年以上前の作品だもの。

調べてみると、この映画ではそれまで誰も
やっていなかったような撮影や演出の手法が
取られており、それらが評価のひとつになっている。
それらは今では当たり前のようになっているものもあるんだ。
パンフォーカスや時間的配列の再構築などね。
それらを25歳のオーソン・ウェルズが
やってのけたということで、
また評価に加算されているように感じる。

確かにその功績はあるのだろうけど、
それは映画自体ではなく、付随する要素なので、
ただの観客には、あまり興味がないことかも知れない。
特に80年以上前だし。(2回目)

感想。
金と権力で世界をコントロールしようとする、
イタイ男の物語だと思った。
「いくらお金があっても権力があっても幸せではない」と
いうのは、もう語りつくされたテーマだろうけど、
人間の永遠のテーマだろうな。
主人公ケーンは、大金持ちだったけど、
さびしい男だった。
ケーンがあんな風になってしまったのは、
母親の愛情に飢えていた、とかいうことになるのだろうな。
子供の時に(ある意味)親に捨てられるのだから。
母親の愛は、お金では埋められないんだな。

妻を所有物として扱うなどそのゆがんだ愛情表現は、
今ではやばいほどの一昔前の男尊女卑の表現だ。

ケーンの最後の言葉が「薔薇のつぼみ」で、
その意味を解明しようと物語は進む。

以下ネタバレ。

エンディングで、「薔薇のつぼみ」は、子供の頃、
母親と別れる際に遊んでいた「そり」に
書かれた文字だと明かされる。
大富豪の心にあったのは幼い頃の母親との
想い出だった、という解釈も可能なのだが、
私はどうもピンとこない。
「薔薇のつぼみ=母親」とは思えないからだ。

気になるので調べてみると、
こういう記事を見つけた。

「『市民ケーン』は実在の人物がモデルになっています。
当時のアメリカの(悪名高い)メディア王、ハーストです。
『市民ケーン』にはダブルミーニングの仕掛けが
施されていて、謎の言葉「薔薇のつぼみ(rosebud)」は、
ハーストが愛人とHする際の口癖だったそうで
(つまり、「薔薇のつぼみ」は愛人の秘部を意味するわけです)、
監督のオーソン・ウェルズは、悪どいメディア王ハーストに対して、
こうした映画作品の形で意趣返しの反撃を行なったわけです。
この作品を観た観客は皆、「薔薇のつぼみ」の謎を
知りたがるという仕掛けです」


それは、分からんわぁ。

このモデルになったハーストとは、ひと悶着あったようで
上映妨害運動が展開されたようだ。
「薔薇のつぼみ」が、本当にハーストに関連してのこと
だったとしたら、そら怒るわな。
そういう意味では、オーソン・ウェルズは(内容も
作り方も)アグレッシヴだったんだろう。
ただ、私にはちょっと説明臭い作りに感じた。
今リメイクしたら、もっと面白く作られるだろうな。

内容とは関係ないけど、加齢のメイクはコントのようだ。
モノクロだから耐えられるけど。
オーソン・ウェルズが20代から50代までを演じていることを
評価している記事もあるけど、
まあ、80年前だからということで。

あと、タイトルがなんで「市民(Citizen)」なんだろうな。


★★★☆☆





2024.6.6

ブランクーシ 本質を象る



昨年8月、東京は京橋にある
アーティゾン美術館で、
「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開」
という展覧会を観た。
抽象絵画を中心にした展覧会だったのだけど、
その展覧会で私が一番気に入ったものが、
コンスタンティン・ブランクーシ(1876-1957)という
ルーマニア出身の彫刻家の『The Kiss(接吻)』だった。





そのブランクーシの展覧会が、同じアーティゾン美術館で
開催されているので、観に行ってきた。
ブランクーシの創作活動の全体を美術館で
紹介するのは、日本では初めてだという。

展覧会のタイトルは、
「ブランクーシ 本質を象る」
「象る」が読めなくて、調べたよ。
「かたどる」と読むんだな。

「本質を象る」とはどういうことなんだろう。
そもそも、「本質」とはなんぞや。
以前、写真を撮るときに土門拳の影響で
「本質を撮るってどういうことやろ?」と
自分に問いかけながら撮影していた時期があった。
いや、今でも基本的に頭の隅にそのことは
いつも意識している。
で、本質が撮れているかと訊かれれば、
今のところ「分からない」と答えるしかない。
ということは、本質なぞ撮れていないのだろう。

絵画や彫刻の場合、おそらく、そのものの本質を
抽出すれば、非常に単純な線や形であっても
観る人にそれが何か伝わるのではないかと考えている。
写真の場合は、もっと難しいけど。

展覧会のチラシやウェブサイトには
ブランクーシ自身の言葉だと思われる
「真なるものとは、外面的な形ではなく、
観念、つまり事物の本質である」という言葉がある。

この言葉は、「本質」というのは、
その物体側にあるものではなく、
「観念」、つまり観ている側の心(頭)にあると
言っているようにも受取れる。

またブランクーシは、
「単純さとは美術における目標ではない。
対象の真の意味に迫ろうとすることで
単純さに到達するのである」という言葉も残している。

これは、前述のように、余計なものを削ぎ落していき、
最後に残ったものがそのものの「本質」と
言っているように受取れる。

私は『The Kiss』のようなブランクーシの作品が
多く観られると期待して展覧会に臨んだのだが、
『The Kiss』のようなテイストの作品は他にはなく、
ブランクーシの目指した(?)極度に単純化された
作品が中心だった。
(彫刻作品は 約20点、絵画、写真を加えて約90点。)

こういうのね。



私は『The Kiss』(1910年以降)は、
十分に愛し合う男女の本質を表していると思うのだが、
その後、1920年代の作品を観ると、
もっとシンボル化されたような作品が多かった。
あまりに単純化され、何か分からなんだ。

例えばこれは1924年(1972年鋳造)の
『The Cock(雄鶏)』という作品だが、
私にはもう鶏には見えない。



こちらは彫刻ではないが、1930年の『Bird(鳥)』



鳥? ちょっと無理がないか。
「船」なら分からなくもないが。

かろうじて『Torso of a Young Man
(若い男のトルソ)』は、男性性器を
表しているんだろうと思ったけど、それとて
作品名を見てからのこと。
(「トルソ」は、人間の胴体のこと。)



真ん中が、『若い男のトルソ』

そんなわけで私の「本質とはなんぞや?」の
探求は続くのだった。




石橋財団コレクション選
特集コーナー展示 清水多嘉示




「ブランクーシ 本質を象る」と同時開催で
「石橋財団コレクション選
特集コーナー展示 清水多嘉示」が開催中だった。

清水多嘉示(しみずたかし)(1897-1981)の
ことはこの度初めて知った。
画家を志してフランスへ留学した清水は、
パリでアントワーヌ・ブールデル(フランスの
彫刻家)の作品と出会い、彫刻に目覚めた。
そして、絵画と彫刻の二刀流で成功を収めた。

絵画の方は、マティスやセザンヌにも影響を
受けたようだ。

清水多嘉示 『ギターと少女』(1925年頃)



アンリ・マティス 『オダリスク』(1926年)



アンリ・マティス 『樹間の憩い』(1923年)



そして、マティスの影響を超えての作品。
清水多嘉示 『憩いの読書』(1928年)



フランス留学最後の年に描かれたものらしい。
これがなんだかとても良かった。


「材料の相違はあっても、エレメント(要素・本質)に
於いては絵も彫刻も同じである。
粘土を手にすると、絵筆をもつのとは、いささかも変わりはない」


この清水の言葉が解説にも使われていたのだが、
ネットでその前半部分も見つけたので、貼り付けておく。
こちらのサイトから拝借した。)

一体世間では、絵の仕事と彫刻の仕事を別物のように
考えたり、『絵は分かるが、彫刻はどうも』という人に
会ったりして、こちらがまごつく事がしばしばある。
造形芸術はいうまでもなく、形(フォルム)で内容を表現する。
従って芸術作品に於ける形(フォルム)は、
自然の表面の形ではなく、物の本体を的確に
形に置き換えたものでなくてはならない。
(芸術は精神世界を離れては成り立たない。)
絵だけなら分かると言うのは、絵の色彩に幻惑されて居て、
本当は何も分かっていないと言える。
つまり材料の相違はあっても、エレメント(要素・本質)に
於いては絵も彫刻も同じである。
粘土を手にすると、絵筆をもつのとは、いささかも変わりはない。

清水多嘉示 -ブ-ルデル解説より-



ここでも
芸術作品に於ける形(フォルム)は、
自然の表面の形ではなく、物の本体を的確に
形に置き換えたもの
」などという謎めいた表現が
本質についても触れているように思う。

それにしても、美術館は やはり平日の日中が空いていて良い。




ありふれた教室

Das Lehrerzimmer




ドイツ映画『ありふれた教室』を観てきた。
アカデミー賞国際長編映画賞に『パーフェクトデイズ』、
『関心領域』とともにノミネートされていた作品だ。
(受賞は『関心領域』)

主人公は、中学1年生のクラスの担任、
仕事熱心な若手教師カーラ・ノヴァク。
校内で多発する盗難事件をきっかけに
カーラは、犯人に罠をかける。
このことが明るみに出て、学校は予想も
つかない事態に陥っていく。

ちょっと息が詰まるような場面もある。
サスペンス映画ではないけど、先が読めず
「結末どうなるんやろ?」と思っていたら……

ここからネタバレ。

事件は、解決しないまま終わる。
「うーん、そこで終わるかぁ」という感じだったけど、
薄っぺらく解決するよりは、この方が良い。
ここまでこじれたら、ハッピーエンドとかないやろし。

何より、教師という仕事の難しさを痛感した。
そして、「正義」の難しさも。
国民性の違いもあるだろうから、
同じシチュエーションでも、日本なら違う展開に
なるような気もする。
(こんなにややこしくならないような気がするが、
それは甘い考えか。)

これも所謂オープンエンディングなので、
観客各々に、あの結末の先を考えるよう
問題提起されているように感じた。

主役ノヴァクを演じるレオニー・ベネシュが良い。
ちょっと『トーク・トゥ・ハー』に出ていたスペインの
レオノール・ワトリングを思い出した。美人。
生徒オスカー役のレオナルト・シュテットニッシュも
素晴らしい。
本作がデビュー作とのことだが、表情だけでも素晴らしい。

なお邦題は『ありふれた教室』だが、
原題は「職員室」の意。


★★★★▲


2022年製作/99分/G/ドイツ
原題:Das Lehrerzimmer
劇場公開日:2024年5月17日





2024.6.5

JOHN SCOFIELD TRIO



久しぶりの ジョン・スコ。
調べてみると2019年以来 4年ぶり。
2012年、2015年、2019年とブルーノート東京
公演の最終日 2nd show を観たのだが、
今日もブルーノート東京 3日間6公演の
最終ショー(満席)を観てきた。
なんだか最終ショーだと、メンバーも
「これで終わりだ」と思い、特別な何かが
起こるような気がするんだ。
そんなのないかも知れないけど。

ジョン・スコは、72歳。
ギターは、ブラックのアイバニーズ。
メンバーは、ビル・スチュワート(Dr)と
ヴィセンテ・アーチャー(B)。
2019年の来日には、"COMBO 66" という
バンド名義だった。
今回のトリオにジェラルド・クレイトン(Key )が
加わると "COMBO 66" となるわけだ。

ジョン・スコは以前にも2時間近く演った
覚えがあるけど、今日もアンコールを入れて、
1時間50分近かった。
ブルーノートで、2部あるのにこんなに演るのは
ジョン・スコぐらいしか知らないよ。
もちろん1部では、そんなに長くできないだろう。
だから、これは2部ならではだな。

今日は、スイッチが5つぐらい並んだペダルを踏むのに、
スイッチの感覚が狭くて隣のスイッチも触ってしまうからか、
そのペダルを踏むときだけ、右足の靴を脱いで、
靴下になって踏んでたのが面白かった。
そのペダルは、ループやリバースのディレイ音に使ってた。
後ろの方の席だったら、足元は見えなかっただろうな。

激しいのや速いのも良かったけど、印象に残ったのは、
昨年亡くなった米国のピアニスト・コンポーザー、
Carla Bley の『Lawns(ランス)』。
アンコールで演った、やはり Carla Bley の
『Ida Lupino(アイダ・ルピノ)』。
この2曲は、とても美しく、良かった。
Carla Bley って名前しか知らなくて、
ちゃんと聴いたことがなかったんだけど、
これを機会に聴こうと思ったよ。
その他で曲名が分かるのは『TV Band』、
『Mo Green』、『Stairway To The Stars』。
アンコールの2曲目は、『Blue Monk』。


[ MEMBERS ]
John Scofield (g)
Vicente Archer (b)
Bill Stewart (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd show





2024.6.4

Bernard Purdie
バーナード・パーディ




レジェンド、バーナード・パーディのライヴを観てきた。
誕生日は、1939年6月11日 とあるので、
来週でなんと85歳である。
共演したアーティストは、アレサ・フランクリン、
ニーナ・シモン、ホール&オーツ、スティーリー・ダン、
ジェームス・ブラウン、マイルス・デイヴィス、
B.B.キング、アル・クーパー、ジョー・コッカー、
トッド・ラングレン、ジェフ・ベックなど
「地球上で最も多くのレコーディングに参加したドラマー」
とも言われているバーナード・パーディなのだが、
私はナマで観るのは初めて。

今回の来日は、東京2日、横浜、大阪、
計4日8公演。

女性に付き添われてゆっくり登場したパーディ。
その女性は、大阪出身でニューヨークで活動する
ピアニスト、信実美穂(のぶさねみほ)さんだった。
他のメンバーも見るからにベテランという人ばかり。
ヴォーカルとハープに、ロブ・パパロッジィ。
ギターは、ジョージ・ナーハ。
ベースに、ダン・ブーン。

1曲目は、ビートルズの "Ticket to Ride"。
その他 曲名が分かるものは、
"Comin' Home Baby"、"The Chicken"、
"Feels Like Rain" (John Hiatt) 、
"What a Wonderful World" など。
アンコールは、スティーリー・ダンの "Home at Last"。

"Ticket to Ride"は、歌ではなくハープで。
"The Chicken" は、ハイパーな演奏をたくさん聴いて
しまったせいか、テンポもゆったり目だったせいか、
ベーシストのせいか、やや緩い印象だった。

ギターのジョージ・ナーハは地味目な演奏ながら、
うーむ、と聴かせるソロ。
バーナードのドラムは、音楽的。
当たり前だけど。
リズムが気持ち良いのはもちろん、
歌心があるというのかな。
グルーヴ・マスターの印象があるけど、
なんだかこの人の人気の高さが分かるような気がする。
ずっと歌詞かドラムのフレイズを口ずさみながら
叩いていたよ。
演奏を聴いていると85歳なんて思えない。

たぶん、最後の来日になるだろうな。
観られて良かった。


[ MEMBERS ]
Bernard Purdie / バーナード・パーディ (Dr)
Rob Paparozzi / ロブ・パパロッジィ (Vo, Harp)
Miho Nobuzane / ノブザネ ミホ (Pf)
George Naha / ジョージ・ナーハ (G)
Dan Boone / ダン・ブーン (B)

@ Billboard Live横浜
2nd show


****** ****** ******

Tighten Up (Coolin’ 'n Groovin’)

こちらは、1993年に奇跡のメンバーで行われた
日本でのライヴの模様。
これは、DVD として発売されており、
デヴィッド・T・ウォーカーが参加しているので、
私も所有しているが、最高である。
ライヴに行かなかった(知らなかった)ことが悔やまれる。
("Tighten Up" は、Archie Bell & the Drells のカヴァー。
オリジナルは、1968年のリリース。YMO もカヴァーしている。)

Bernard Purdie (d)
Chuck Rainey (b)
David T.Walker (g)
Sonny Phillips (org)
Bill Bivens (ts)
Virgil Jones (tp)
Pancho Morales (conga)
Lou Donaldoson (as)

ちなみにギターは、コーネル・デュプリーの予定だったが、
来日直前に体調不良でキャンセル。
急遽、デヴィッドが トラとして参加したのだ。

このライヴ映像を観ると、バーナードがぐいぐい
リーダーシップを取っている感じだけど、
今日の MC は、全部ロブ・パパロッジィ。
6月2日の東京公演1日目では、はじめに
バーナードが挨拶をしたようだけど、
今日はひと言も話さず。
セットリストも決まっていなかったようで、
ロブが指示を出しているように見えた。





2024.6.2

2 5 年

今日は、結婚記念日。
銀婚式だ。
もう25年も経ったの?
そう思わずにはいられない。

これからの25年は長いように思うのだけど。
過ぎ去った25年は、あっという間だ。
歳と共に時間が過ぎるスピードが増している。
これから残りの人生は、瞬く間なんだろうな。

銀婚式には、「25年という年月を経ることで、
いぶし銀のような美しさを醸し出す夫婦」という
意味があるらしい。
醸し出しているやろか?
いぶし銀のような美しさ。

今日は結婚記念日であると同時に、
妻の誕生日で、彼女は60歳になった。
忘れないように、妻の誕生日に入籍したんだ。
まだ妻と個人的に知り合う前、
初めて彼女を見かけたときのことを
覚えているが、私が30歳になるかならないかの
頃で、彼女は 27歳か28歳だっただろう。
その時は、お互い大勢の中の一人で、
言葉も交わしていない。
あの時は、まさか結婚するなんて、
微塵も想像できなかっただろう。

人生は、不思議いっぱいだな。

25年だからと、特にどうということはないのだけど、
妻の明るい性格のおかげで、
結婚以来変わらず、楽しくやれている。
知的な話から、バカ話まで、何でも話せて、
そしてふたりとも健康で、楽しい日々は何よりだと思う。
世の中には不仲な夫婦もいることを思うと
私はラッキーだと思う。
たまに腹も立つし、ケンカもするけど。

あと何年続くか(生きるか)分からないけど、
このまま終わりまで続けばよいと思う。
でも、どちらかが先に逝く日が来るんだな。
まだ、想像できないし、したくないけど。

*** *** *** ***

この「ひとりごと」は、スタートして17年が経った。
始めたときは、何年やろうと思わないで始めたけど、
まさか17年も続けられるとは思わなかった。
18年目に突入だ!




自意識(アイデンティティ)と創り出す思考

ロバート・フリッツ、ウェイン・S・アンダーセン (著)




「IDENTITY(アイデンティティ)」を「自意識」と
訳すのが、適切なのかどうかは少し疑問が
あるのだけど、著者が言いたいことは分かる。
「自意識」に「アイデンティティ」とルビを振っている箇所と
振っていない箇所があるのは、意図的なのかどうか
書いてないので不明だけど、それも気になる。

時々「自己肯定感」「自己イメージ
が低いと良くない、
自分が自分をどう思っているかが、重要だという話を聞く。
だから「自己肯定感」を上げようというわけだ。
「自己肯定感」は、「自己承認」でも
同じような意味だろう。

しかし、著者は、自分のことが好きか嫌いかと、
人生で何を成し遂げるかは関係ない、と説く。
自分を嫌いなら嫌いで良い、と。
そのことよりも、人生で大切なことは、
「何を成し遂げたいか」だと。

そして、むしろ自意識が高い方が、
自分に優しく出来ないとも。
自分を「まだまだだ」と思っている人は、
自分にムチを打ち続けるだろう。
成果を出しても「まだ足りない」というわけだ。

著者の指摘のように、何かを成し遂げようとするとき、
その目標にフォーカスするのではなく、
自分自身に注意があることが私にも多々ある。
私の場合、それは演奏であったり、
写真撮影のとき、顕著に発現する。
演奏時の自分の心理は、とても興味深い。
良い音楽を創り出すことよりも、自分を良く
見せることにエネルギーを使っているなんて、
しょっちゅうだ。
音楽も写真も趣味で、仕事じゃないのが微妙だけど。

もちろん、(もう退職したけど)仕事上でも
「良く思われたい」とか「出来ると思われたい」とか、
自動的に出て来た覚えはある。
でも、アイデンティティが脅かされるほどの
場面はなかったような気がするな。
覚えていないだけかも知れないけど。
演奏時の邪念は、本当に音楽の邪魔だ。

いずれにしろ、自分をどう思っているかは、
人生では確かにあまり重要ではない。

なぜ、人は自意識に囚われてしまうか、
どういう仕組みになっているかを
この本では構造力学という観点から説いている。
一度読んだだけでは、十分に理解したとは
言えないので、この構造の部分だけでも
もう一度読み直して、自分のモノにしたいと思う。

途中、ちょっと中だるみ感があったけど、
後半持ち直した感じ。
書いてあること、全てに同意はしないけど、
役立つ部分も多いと思う。

ちなみにオビに「自分が何者かなんて関係ない」という
文言があるが、これは哲学で問う「自分は誰か」とは、
レイヤーが違う。
オビに書かれている「自分」は、
「自分が自分のことをどう思っているか」のことであり、
哲学の方は、「自ら創作する、投企する自分」のことだ。


★★★★☆





2024.5.30

流浪の月



広瀬すず、松坂桃李 主演の映画『流浪の月』。
劇場公開された時に賛否があって、
気になっていたのに見損ねていた作品だ。

監督は、『フラガール』『悪人』『怒り』など記憶に
残る作品が多い李相日(リ・サンイル)。
原作は、本屋大賞受賞した凪良ゆうの小説。

これは、また難しいテーマの作品だ。
これを純愛と観るか、異常愛と観るかは
個人の感性と価値観に因るだろう。

以下、ネタバレ含む。

家に帰りたくない少女・更紗(さら)を
自宅に招き入れた若者・文(ふみ)。
その時点で、文は社会からは誘拐犯になってしまう。
更紗が家に帰ると、ある被害に遭うことから
守っていたとしてもだ。
文は更紗を、誘拐したわけではないが、
当然家族からは捜索願が出されるわけで、
いつか見つかってしまう。

十数年後、更紗と文は偶然再会する。
その時、更紗には結婚を前提に同棲している
彼氏・亮がいるのだが、この亮という男が
とことんイタイやつで、見ていられない。
演じるのは、横浜流星。
中々のイタイ男を演じております。

結局、世間(社会)は、更紗と文のことを
色眼鏡でしか観ることができない。
何も分かることができない。
警察は、市民を守っているつもりで、
実は酷いことをしていると、分からない。
否、そう言い切ってしまうのも、どうかなと
立ち止まる必要があるようにも思う。

時には「善悪」さえ、心もとないんだ。

その背景には、文が病気であることが最後に明かされる。
ここには、身体の問題と心(精神)の問題と
ふたつあると思うのだけど、文はずっとそのことで悩み続けていた。
そこで、それまで散りばめられていた伏線が回収されていく。
「誘拐犯にされるより、人に知られたくないこと」は何か。
母親に「僕の事も出来損ないだと思っているの?」と
迫ったのは何故か。
その難しい役を松坂桃李が、演じる。
『空白』でもそうだったけど、この人こういう精神的に
追い詰められた役のイメージ付いてしまいそう。

広瀬すずちゃん、いつまでも子供だと思っていたら
いつのまにか、濡れ場(というほどでもないけど)を
演じる大人になっていただんだね。
おじさん、ショックだったよ……(なんで?)

最後に更紗と文は一緒にいることを選択する。
世間からどんな目で見られようとも、
それが、ふたりの一番の望みなんだ。
きっと前途多難だろうけど、互いを理解し合える
唯一の存在と一緒にいられることは、
祝福したいと思った。


★★★★☆


2022年製作/150分/G/日本
劇場公開日:2022年5月13日

Amazon Prime Video で鑑賞





2024.5.29

渡辺貞夫 meets 海野雅威トリオ
プレイ・スタンダーズ




今月二度目の渡辺貞夫さん。
貞夫さんが MCで「僕はゲストなんですけど」と
言っていた。
元々は海野さんのトリオに貞夫さんがゲストと
いうことだったのかも知れないけど、
ライヴは貞夫さんのバックを
海野トリオが務めたという感じだった。
演奏でも MC でも完全に貞夫さんのライヴだった。
海野さんは、ひとことも喋らず。
でも海野さんは、とても嬉しそうにされていたので、
良かったんだと思う。

ジャズ・ピアニストの海野さんのことは、
2020年のニューヨークでの暴行事件で知った。
彼は日本で活動後、2008年28歳で渡米し、
ニューヨークでゼロからスタートし、かなり認められる
存在になっていた。
2016年には、ロイ・ハーグローヴのバンドに
日本人初のメンバーとして迎えられた。

2020年の事件は、コロナ禍、ニューヨークで
アジア人だということで(中国人だと思われた可能性もある)
暴行を受けたらしい。
骨折を伴う大怪我で、二度とピアノが弾けないかも
知れないほどだったという。
私のように海野さんのことをこの事件で知った
音楽ファンも少なくないだろう。
なんとも皮肉なもんだ。

そんな海野さんのピアノを聴くのは初めてだった。
海野さんのピアノは優しく、変な表現だが
礼儀正しく、それでいてたくさんの曲のフレーズが
散りばめられ、聴いていて楽しかった。
怪我から完全に復帰を果たし、こうして日本でも
ライヴができるようになって本当に良かった。
ベースとドラムのおふたりも良かった。
貞夫さん(91歳!)も、元気そうで何より。
時々、曲名が出て来なかったりしたけど、
そんなん60歳でもあるからな。
演奏は、今日もパワフルだった。
今夜は「プレイ・スタンダード」ということで、
『I'll Remember April』、
3拍子で『Body And Soul』、
『The Shadow Of Your Smile』など。
アンコールは、海野さんとのデュオで、いつもの
『Carinhoso』。
とてもピースフルなライヴでした。


[ MEMBERS ]
渡辺貞夫 (as)
海野雅威 (pf)
吉田豊 (ba)
海野俊輔 (ds)

[ SETLIST ]
1. LAURA
2. I'LL REMEMBER APRIL
3. TADD'S DELIGHT
4. OLD FOLKS
5. LAMENT
6. BODY AND SOUL
7. EU SEI QUE VOU TE AMAR
8. THE SHADOW OF YOUR SMILE
9. I CONCENTRATE ON YOU
10. PARKER'S MOOD
11. LIFE IS ALL LIKE THAT
EC. CARINHOSO (pfとデュオ)
LiveFans のサイトより)


[ 関連記事 ]
暴行事件に関する記事
2020/10/27 東洋経済オンライン





2024.5.28

スターダイナ―でバイトしてたよね?

今から30年ぐらい前、まだ私が大阪に住んでいた頃、
大阪ミナミの桜川に「スターダイナー」という
ライヴハウスがあった。
そこでは、何度もライヴをやらせていただいて
お世話になった覚えがある。

当時、私は自分のインスト曲を中心に演るバンドの
ほかに、セッション的なバンドにも参加していた。
バンド名も忘れたけど、男性と女性のツインボーカルで、
中々カッコよかったんだ。
私の記憶が間違っていなければ、
女性ヴォーカルの彼女は、前述のスターダイナ―で
アルバイトをしていたと思う。
私は彼女の歌が良いと思ったので、
ギターとのデュオをやりたかった。
もしかしたら、1曲2曲、何かのライヴの折に
演ったような気もするが確かでない。
店の常連のおっさんが、彼女の歌を気に入っていて
私にその良さを力説していた覚えもある。

そのバンドのことも、彼女のこともすっかり
忘れていたのだけど、ある YouTube 動画で
彼女が歌っているのを見つけた。

それは、ギターの村山義光さんとのデュオだった。
村山さんのことは、ギターの馬場孝喜さん繋がりで
知ったのだけど、凄いギタリストなんだ。
もう村山さんとデュオでライヴをやっている時点で
彼女の歌も凄いということなんだ。

彼女は、2021年にピアノとデュオの CD "We Are Here" を
発表していたんだけど、すでに売り切れていた。
なんとか中古を見つけて購入。
ピアノは、荒武裕一朗さん。
これが素晴らしかった。

あれから30年、ジャズ・シンガーとしての
彼女の成長と成熟に唸らされたよ。
彼女は、私のことはきっと覚えていないだろうけどね。

と、ここまで書いて、ちょっと不安になった。
人違いだったらどうしよう……(汗)
ご本人に会うことがあったら、訊きたい。
「スターダイナ―でバイトしてたよね?」

小柳淳子 "We Are Here"






2024.5.27

QUEEN
ROCK MONTREAL




1981年11月24、25日に クイーンが、
カナダ・モントリオールで行ったコンサートを
収録したライヴ・ムービーを観てきた。

これはすでに映像作品として出回っているもので、
DVDなどでも入手可能なのだが、
IMAX 用にデジタル・リマスターされたというので、
この機会に大きなスクリーンで観ておこうと思った。

T・ジョイ・プリンス品川の IMAX 劇場は、
大きな劇場で、300席あるのだけれど、
今日の上映時の観客は、15人ぐらい。
1日1回の上映で、300人の会場に
客が10数人というのは、ビジネス的に
大丈夫なんだろうか? と余計な心配をしてしまう。
でも、本作2月に公開されたものの、
再上映だと知って、それで少なかったのかということにした。

私は、高校生の時、1979年のジャパンツアーを
大阪フェスティバルホールで観たのだけど、
本ライヴ・ムービーは、1981年ということで
その2年後だが、大がかりな照明は、
1979年のときより進化しているように感じた。
映画『未知との遭遇』を思い出したよ。

モントリオール公演は、1981年11月24、25日
だったのだけど、フレディ・マーキュリーの命日は、
1991年11月24日なので、ちょうど10年前の
映像なんだ。

それにしても、誰にも似ていない、誰々っぽくない、
このクィーンというバンドの個性と素晴らしさを再認識したよ。
『Crazy Little Thing Called Love』なんかを
聴くと、もちろん曲のルーツが分かるんだけど、
それでも個性的だ。
この曲で、ブライアン・メイは、テレキャスターを
弾いたのに、「いつものオリジナルギターと
音一緒やん」と、笑ってしまった。
何を弾いても、ブライアンの音になるのだな。

4人のバンドなので、一人欠けても
そのバンドには、ならないのは承知の上だけど、
今日はロジャー・テイラーの存在の大きさを感じた。
どうしても、フレディやブライアンにスポットが
当たりがちだと思うけど、クィーンにとって
ロジャーの存在は大きかったと感じた。

そういえば、2016年に「QUEEN+Adam Lambert」の
来日公演を観たけど、ロジャーは現役で来日したけど、
ジョン・ディーコンは、ずっと前に引退したみたいだ。

個人的なハイライトは、やはり大好きな
『Somebody To Love』、
それから『Killer Queen』、
『We Are The Champions』、
そして、『Bohemian Rhapsody』のテープによる
間奏後の演奏再開は、やはりゾクゾクする。

IMAX だから料金が、2,700円だったんだけど、
迫力はさて置いてあまり音質の良さは感じなかった。
IMAX 用にリマスターしてるとのことだったけど、
もう40年以上も前の録音なので限界があるのだろうか。
それとも「12 チャンネルのサラウンド サウンド」なんてものに
してしまったせいなのだろうか。
でも、ライブの熱さは、十分に伝わる映像だった。


[SETLIST]
We Will Rock You (Fast Version)
Let Me Entertain You
Play The Game
Somebody To Love
Killer Queen
I’m In Love With My Car
Get Down Make Love
Save Me
Now I’m Here
Dragon Attack
Love Of My Life
Under Pressure
Keep Yourself Alive
Drum and Tympani Solo
Guitar Solo
Crazy Little Thing Called Love
Jailhouse Rock
Bohemian Rhapsody
Tie Your Mother Down
Another One Bites The Dust
Sheer Heart Attack
We Will Rock You
We Are The Champions


あの劇場は、スクリーンが大き過ぎるので、
真ん中より後ろの席で観ないとしんどいね。




関心領域

The Zone of Interest




予告編を観て、なんだか怖そうな映画だと
興味を持っていた『関心領域』。
原題は、『The Zone of Interest』。
「関心領域」とは中々の訳だ。(上から)

と思っていたら、映画の解説にこんなことが。

「タイトルの『The Zone of Interest(関心領域)』は、
第2次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・
オシフィエンチム郊外にあるアウシュビッツ
強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの
地域を表現するために使った言葉」

以下、ネタバレ含む。

アウシュビッツ収容所の隣で暮らすドイツ人家族。
予告編を観て、彼らが、塀を隔てた向こう側で
行われていることに全く無関心でいる
映画なのだろうと、想像した。
そして、塀の向こうで行われている歴史に残る
残虐な行為に どこかで気付き、家族たちは
恐ろしくなるのか、どうにかなるのだろうと
予想したが、全く違った。

何も起こらないんだ。

アウシュビッツ収容所の所長ルドルフ・ヘスと
その妻、5人の子供たちと家政婦は、
収容所の隣で、幸せそうに暮らす。
が、塀の向こうから、時折、怒号や悲鳴とも
とれる人の声、銃声、そして不気味な物音が聞こえ、
煙突からの煙と炎が上がる。

きっとそのうち、収容所のえげつない場面が、
出て来るんだろうと思っていたけど、
収容所の中は全く映らないんだ。
音と煙だけ。
そして、たぶん臭い。
収容所の中のことは、観客に委ねられているんだ。

これは、ある種のホラー映画だと思った。

登場人物、つまりルドルフの家族や家政婦は、
収容所からの音や声、煙突の煙に
ひと言も言及しない。
ルドルフは昇進するんだけど、
彼の仕事は、ホロコーストの遂行なんだ。
そして、出世して転勤になるんだけど、
妻は、収容所の隣の暮らしを気に入っており、
夫に付いて行かないんだ。
そう、現代でも転勤族あるあるの単身赴任。
ホロコーストの裏側で、全く何でもない、
日常がくり広げられており、その二つには
接点が見えないという恐ろしさ。

妻の母親が、会いに来るのだが、
数日後に突然いなくなる。
彼女は塀の向こうの異常さを
感じたのではないだろうかと思った。

後半、現在のアウシュビッツ収容所(博物館)の
シークエンスが挿入されるのだが、
その直前にヘスが吐くのがなんとも気持ち悪い。

しかし、あの無関心な家族を誰も責めることは出来ないだろう。
観終えてから、あれは、自分自身なんだと思い、
もう一度、気持ち悪くなった。

ヘス役は、クリスティアン・フリーデルというドイツの役者。
妻役は『落下の解剖学』のザンドラ・ヒュラーだ。
監督は英国のジョナサン・グレイザー。
音響も不気味で凄い(効果的)なと思ったら、
アカデミー賞で、国際長編映画賞と音響賞を受賞していた。
(その他3部門でもノミネート。他にもたくさん受賞。)

残酷なシーンが一切ないのに、怖いという映画。
これが人間の本性なのかもな。
結末を知った上で、もう一度観たい。


★★★★★


2023年製作/105分/G/アメリカ・イギリス・ポーランド合作
原題:The Zone of Interest
劇場公開日:2024年5月24日





2024.5.25

ミッシング



『空白』『ヒメアノ~ル』の吉田恵輔監督作品と
聞いて、きっと感情が揺さぶられる、
激しい映画なんだろうと覚悟して鑑賞した。

主演は、子供が行方不明になった母親・
沙織里を演じる石原さとみ。
そのストレスから、壊れていく様が、
観ていてしんどいほどの迫真の演技だ。
今まで数本彼女の出演作を観たけれど、
これまでとは違う次元で本格派女優の
仲間入りだと思った。
インタビューで観たが、私生活でも母親に
なったことが演技に大きな力になっていると思う。

その夫役には、青木崇高。
石原さとみが強烈過ぎるので、やや印象が薄まるが、
とても良い味を出している。
特にラストシーンは良い。

これまた難しい役、沙織里の弟・圭吾を
演じるのが森優作。
この人のことは、知らなかったけど
これで覚えたよ。

地方テレビ曲の記者・砂田に中村倫也。
何を放送すべきなのかを考え、
とても人間らしいのだけど、
それでは放送局では出世しないんだな。
テレビ報道による悪影響について、刑事に
「お前らが面白がって放送するからだ!」
と言われ、砂田は
「面白がってない。事実を報道しているだけだ」
と答える。
それに対する刑事の言葉が印象的だ。
「その事実が(大衆は)面白いんだよ」

以下、ネタバレ含む。

結局、行方不明の子供は見つからない。
死体でも見つからないでの、生きてるかどうかも
わからないまま映画は終わる。

上映後、劇場から出る際、観客の
「見つかるか見つからないか、はっきりして欲しい」
「もやもやする」
という声が聞こえて来た。
いずれも若い人だった。

それを聞いて、私は事件が解決しなかったことに
不満がないことに気付いた。
私も20代なら不満に感じたのかも知れない。
この映画は、ミステリーでもなければ、
クライム・サスペンスでもない。
もし、子供が見つかれば、ハッピーエンドだ。
事件が解決し、観た人には「そのこと」になってしまうだろう。
殺されていたという結末にしても
「幼女行方不明事件」の映画になってしまう。
本作のテーマは、そこじゃない。

子供がいなくなった母親の、夫婦の苦悩。
報道のあり方、SNSに現れる人間の悪性。
偏った報道に簡単に洗脳される市井の人々。
報道って何?
テレビって何?
その事実、放送する意味があるの?
SNS って何?
そんな問いかけを私たちに投げかけていると思う。

観ててしんどい映画だが、
人間というものを描いている点では
凄い作品だと思う。
変なツッコミ所もない。

『空白』も最後に救いがあって良かったけど、
本作でも 人間の醜さ弱さを散々暴いたあとに、
人間であることの救いと光を見せてくれる。
これは好きだな。

監督作品は、『空白』「ヒメアノ~ル』
『純喫茶磯辺』の3本しか観ていないけれど、
他の作品も観てみたくなった。
本作では、脚本も吉田恵輔。


★★★★★


2024年製作/119分/G/日本
劇場公開日:2024年5月17日





ボブ・マーリー:ONE LOVE

Bob Marley : One Love




伝説のレゲエミュージシャン、ボブ・マーリーの
伝記映画。
ボブ・マーリーといえば、今年3月に
『ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ
レゲエ・サンプラッシュ』という、
ボブ・マーリーのジャマイカでのラスト・ライヴ
映像を含むドキュメンタリー映画を観た。
その映画の中で、ジャマイカのある男たちが、
エレキギターやシンセサイザーを使う演奏を
「金儲けだ」と批判していた。
しかし、本作『ボブ・マーリー:ONE LOVE』を
観ると、ボブが純粋に平和のためにレゲエを
広げようとしていたように描かれている。

こういう成功したアーティストの映画の
ほとんどが、有名になったあと、
ドラッグ、アルコール、そして女性問題で
苦しむというのがパターンなんだけど、
ボブにはなかったね。
ドラッグに関しては、最初からハッパは
吸いまくっているし、女性問題に関しては、
パリで夫婦げんかになるシーンがあるけど、
それほど大事件でもない。

まあ、本作は息子のジギー・マーリーが
プロデューサーとして名を連ねているので、
そんな影響もあるのかも知れない。

私は、ボブが白人とのハーフだったことさえ
知らなかった。
本作では、リタ・マーリー(ボブの妻)が
どんな人だったのか描かれていたのは良かった。

それにしても、この映画を理解するには、
ジャマイカの歴史、ラスタファリ、
エチオピア皇帝ハイレ=セラシエなどの
知識がないと、ダメですわ。
ただ音楽好きなだけでは、無理。
『エクソダス』が生まれるくだりなんかは
音楽ファンは嬉しいけどね。

ボブを演じた、キングズリー・ベン=アディルは、
イギリスの俳優。
実際のボブより男前で清潔感があって、
ちょっと作り物っぽいのは残念。
それを思うと、『ボヘミアンラプソディー』の
ラミ・マレックはハマり役だったな。


★★★★☆


2024年製作/108分/PG12/アメリカ
原題:Bob Marley: One Love
監督:レイナルド・マーカス・グリーン
劇場公開日:2024年5月17日





2024.5.20

カレーはスポーツだ! #74
エビカレー / ルーキー(不動前)
★★★★▲




久しぶり(約1年ぶり)のルーキー。
数ヶ月前、続けて休業していたので、
もしかしたら閉めちゃったのかと心配していた。
先日、営業しているのを確認したので、
久しぶりに行って来たよ。

今回は、エビカレー(900円)に
季節の野菜トッピング(250円)、
合計1,150円なり。

カレーは、ココナッツミルクの入った、
クリーミーでありながら、爽やかな辛さ。
旨いです。
そして、毎回驚くのだけど、
「野菜トッピング」のコスパが素晴らしい。
ナス、ピーマン、パプリカ、カボチャ、
ズッキーニ、カブ、スナップエンドウ、
ブロッコリーが、ゴロゴロ入って
250円(税込)なのだ。
お値打ちあり。




shinya◇shin223.com
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 ひとりごと