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つつみしんやのひとりごと 2010年 9月
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2010.9.1

遺書

今 敏 (こん さとし) さんという、漫画家・アニメ監督が亡くなった。

1963年生まれというから、私と同世代。

8月24日に46歳で逝った。

私は、この人のことを知らなかったし、

作品も観たことがない。

あるサイトで、彼が自分のサイトに最後のメッセージを

「さようなら」 というタイトルで 残しているのを知った。

日付は、8月25日になっているから、

亡くなる前に書いて、死んだらアップするように

準備していたんだろうな。(当たり前か)

5月に癌を告知されてから、3ヶ月あまりの命。

自分だったら、こんな風に生きられるだろうか、

最後にこんな文章を残せるだろうか、と

考えさせられた。

こういう文章 (遺書?) に 「素晴らしい」 というのは、

適切かどうか分からないが、素晴らしい、と思った。
   ↓
   
今 敏 2010年8月25日(水曜日) さようなら




ペルシャ猫を誰も知らない

映画サービスデーなので 1000円で鑑賞。

渋谷のユーロスペースという 小さな映画館だったせいか、

満席で立ち見が出ていた。

私は、上映15分前に劇場に着いたのだが、

整理番号が 87番だった。

なんとか座れたが、後で座席数を確認したら、92席だった。


さて、この作品のこと、私は知らなかった。

数日前、「ひとりごと」 の読者の方が、メールを下さったのだが、

そこに この映画を観たことが書かれていた。

特に私に薦めている風な内容でもなかったのだが、

何やら気になった私は、観に行くことに。

調べてみると、東京でたった1館でしか上映していない。

いわゆる単館ロードショー。


舞台は、イランの大都市テヘラン。

西洋文化の規制厳しいイランでは、CD を出すのも

コンサートを開くのも、役所の許可がいる。

無許可でやると、逮捕されるのだ。

音楽をやりたいのに自由に出来ない主人公2人は、

国を出て ロンドンに行きたいが、パスポートやビザを

取るのもままならない。

秘密にコンサートを開いて、資金を作り、

国外脱出を目論むストーリーで、

出演するミュージシャンは、ほとんどが実在とのこと。

主役のミュージシャン2人も、この映画撮影終了4時間後、

イランを離れたという。

そんな映画なので、この作品自体も無許可で撮影されたらしい。

当然、監督もイランにはいられなくなったそうだ。

ハッピーエンドではないが、

私は、観終わった後、自由への 「祈り」 を感じた。

明らかに体制批判なのだが。

過去、日本にも表現の自由がなかった時代があった。

自由とは、なんと素晴らしいことか。

21世紀に表現の自由のない国は、北朝鮮ぐらいだと思っていたが、

世界は広いのだな。

(私が、イスラム圏のことを何も知らないだけなのだが。)

そして、自由を縛るものが、本来、人を救うべき宗教だというのが悲しいね。


ペルシャ猫を誰も知らない 公式サイト


★★★★☆





2010.9.2

ブログをやる訳

最近、友人Kが、(ブログをやろうかなと思ってる) と言い出した。

試しに、ミクシィの日記を始めたようだ。

私の場合、この 「ひとりごと」 は、やっていて結構 楽しい。

それは、自分以外の読者がいて、その読者から

メールが着たときなど、予想もしない喜びがあるのは

もちろんのことだが、例え誰も読んでいなくても

いいと思える。

自分のためだけで人に読ませないんだったら、

ノートに書く日記と同じじゃないか、と思うかも

知れないが、それは違う。

ネットに出すということは、不特定多数の人に

読まれることを前提として、文章を書くわけだから、

誰にも読ませない日記とは、根本的に文章に向かう

スタンスが違う。

そして、3年しかやっていないのに

3年前の自分の記事を読み、

(ああ、こんなこと考えてたんや) と、

自分の人生を振り返るネタになったりする。

別に 人生振り返らなくてもいいんだけど、

“自分好き” の人には、良いでしょ?


もう2年ぐらい前かな、たまたま

父より息子への手紙 というブログを発見した。

この方は、2006年に5歳と3歳の息子に伝えたいことを

手紙にするという形で、ブログを始められた。

始められたいきさつは、

「お父さんは、なぜ手紙を書こうと思ったのか?」

に書かれている。

週に2回の更新と決め、今日で413通目の手紙だ。

たまに読むのだが、これが良い話が多い。

412通目の 「ありがとうの反対は何?」 なんて、

ホント、素晴らしい。

息子たちが、大きくなった時、どんな気持ちで

これらを読むんだろうか。


もう一つ、私がほぼ毎日読んでいるサイトが、

何度も紹介している、これ


ある意味、私が手本にしたサイト。

彼は、すごく忙しい仕事をなさっているようなのだが、

毎日毎日、サイトを更新し、本も出版している。

常々、(なんで、そんなこと出来るんやろか) と不思議だったが、

最近、その答えを書いておられた。


特別なイベントのない、なにげない日常こそ、

「リアルな今」、その 「リアルな今」 を残しておきたい、

というくだりには、うならされた。

そして、やはり、子供へ向けたメッセージであることも書いておられる。

娘が40歳になった時に、父親が40歳の時に 考えていたことが、

役に立つかも、と。


子供がいれば、それも モチベーションになるよね。

そんなこと思うと、友人Kにも娘、息子がいるので

ブログを始めるのは、良いことだな、と思ったのであった。

彼が、子供に向けて書くかどうかは別としても、

子供が大きくなって読むことが出来たら、それはそれで、

ステキなことだと思う。

ただ、いわゆるブログは、サイトの管理を自分で出来ないので

何十年後まで、残っているかどうかが不安。

コピー取っとけばいいんだけど、

やっぱり、ネット上にある方がいいよね。





2010.9.4

東京JAZZ

東京JAZZ (国際フォーラム・ホールA) へ行ってきた。

東京JAZZ は、2002年から続いている

JAZZ コンサートのイベント。

この数年は、国際フォーラム・ホールA で開催されている。

1階の広場でもライヴが行われ、たくさんの屋台が出ていて、

お祭りのようだ。

私は、05年、07年、09年と過去3度行ったことがある。

07年、09年は、チケットを入手した時期が遅く、

2階席 (国際フォーラム・ホールA) の後ろの方だったが、

今日は、1階の前から6列目。

端の方だったが、それでも2階席よりはずっと良い。

東京JAZZ は、土日は、昼の部、夜の部がある。

今日は、昼の部に行ってきた。

テーマは、「GROOVE」。

出演は、

1.Chris Minh Doky & The Nomads
  featuring Dean Brown, George Whitty, Tom Brechtlein

2.Marcus Miller with NHK交響楽団
 Featuring Roberta Flack and Christian Scott
  Conducted by Damon Gupton

3.Maceo Parker

4.Larry Carlton & 松本孝弘


私の目当ては、マーカス・ミラー、オーケストラとの共演。

そう、今年発売されたCD 『A Night in Monte Carlo』 の

再演だ。

こんな機会は、そうそうないだろう。

まず、オーケストラだけで 1曲演奏。

演奏が、始まると何か違和感が・・・。

スピーカーから、音が出ているのだ。

通常、クラシックのコンサートだとオーケストラの音は、

マイクを通さず、ナマだ。

しかし、今日は JAZZ BAND との共演だ。

しかも、5000人入る大きなホール。

オーケストラも音量を増幅しないと、いけないわけだ。

ところが、2曲目マーカスらが登場し、一緒に演奏し始めると、

どうも、オケの音が小さい。

せっかくのマーカスとのユニゾンのフレーズなども迫力が半減。

これは、ちょっと惜しかったけど、演奏は、素晴らしかった。

ステージの左右の大きなモニターに、ステージ上が

映し出されていたので、オーケストラの人たちの表情もよく見えた。

Alex Han (saxophone) の強烈なソロを

ある人は驚いたように、ある人はあきれたように

見つめていたのが、面白かった。

「Featuring Roberta Flack and Christian Scott」 と

なっていたが、Roberta Flack は、1曲 「Prelude To A Kiss」 を

歌っただけ。

Christian Scott (trumpet) は、途中で登場してから最後まで出演。

それにしても マーカスはスゴイ。

あんなことを実現してしまうなんて。

自分でも 「クレイジーだと思う」 って言ってたけど。

休憩時間にサイン会やってたので、思わず Tシャツを購入。

“SHIN” と書いてもらった。

ミーハーです。

マーカス・ミラー直筆サイン入り


Chris Minh Doky も、Maceo Parker も良かったが、

Larry Carlton & 松本孝弘 は、残念ながら、

この2人が一緒にやる意味が あまり感じられなかった。


東京JAZZ は、NHK BS とかで放映するようなアナウンスをしてたけど、

まだ、ネットでは発表されていない様子。

たぶんダイジェストだと思うけど、興味のある人は、チェック!


明日は、夜の部に行きます!





2010.9.5

Halie Loren

私は、JAZZ を聴くが、ギター関連ものが多く、

ヴォーカルものを聴く割合は、それほど多くない。

そんな私が、先日、久しぶりに行った渋谷のタワーレコードで

見つけた 1枚、Halie Loren という女性ヴォーカルの

「They Oughta White a Song. / 青い影」 が気に入っている。

この人のこと、全く知らなかった。

タワーレコードのギフト券をもらったので、

何か1枚選ぼうと 数十枚試聴して選んだ1枚。

なんでも、タワレコでは、輸入版を入荷しては売り切れ、

入荷しては売り切れを繰り返していたようで、

ようやく発売された日本盤ということだ。

(日本盤には、ボーナストラック4曲!)

「枯葉」、「サマータイム」、「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」 などの

スタンダードから、彼女のオリジナル、そして、プロコムハルムの

「青い影」 や、オーティスの 「ドック・オブ・ザ・ベイ」 、

なんと、U2 や キンクス なんかもやっている。

24歳って書いてあったけど、中々 渋いです。

そして、バックの演奏もよろしい。







2010.9.6

東京JAZZ その2

昨夜は、有楽町にある東京国際フォーラム・ホールA へ、

東京JAZZ へ行って来た。(夜の部)

今年は、一昨日の昼の部に続き、2回目。

昨夜のテーマは、“JAZZ STREAM”。

出演は、

Special Opening : Han Bennink

1.Joshua Redman Trio
  with Matt Penman and Gregory Hutchinson

2.KAZUMI WATANABE TOCHIKA 2010
  featuring TOCHIKA ALL STARS
  (Warren Bernhardt, Omar Hakim, Mike Mainieri
   and Marcus Miller)

3.Jazz Crusaders
  featuring Joe Sample, Wayne Henderson,
  special guest Gerald Albright


お目当ては、“渡辺香津美 TOCHIKA 2010”!

1980年に NY で録音され、リリースされたアルバム、

『TOCHIKA』 のレコーディング・メンバーによる

30年ぶりの共演だ!

なんと、Bass に、マーカス・ミラー!

(正確には、『TOCHIKA』 では、ドラムはオマー・ハキムではなく、

スティーブ・ジョーダン と ピーター・アースキン。

ベースも マーカス以外に、トニー・レビンも参加。

マーカス & スティーブ と トニー & ピーター の2つの

リズム隊を 曲によって使い分けている。)

『TOCHIKA』 は、日本のフュージョンを代表するアルバム。

私は、そんなに 渡辺香津美ファンというわけではなかったが、

高校3年の文化祭では、後輩ギタリストのリクエストで、

『TOCHIKA』 に収録されている 『MANHATTAN FLU DANCE』 を

演奏したので 思い出があるのだ。

『TOCHIKA』 といえば、マクセル (maxell) のCMに

『ユニコーン』 という曲が 使われたので、

ジャズ・ファンでなくても 覚えている方もいるだろう。

そんなわけで、おじさんにはたまらないメンバーによるライヴ。

実際、昨夜の1曲目、アルバムでも1曲目を飾る

『LIQUID FINGER』 が始まると、

場内 「うおぉぉ〜」 というおっさんの歓声!

ライブ中、何度も何度も、「うおぉぉ〜」。

黄色い声ならぬ、おっさんの歓声!

演奏が、またスゴイ!

完全に降りてきてたね。

音楽の神が。

涙出てきたもん。

ああ、ホント行って良かった。

DVD 出ないかな。

そうそう、NHK FM で生放送したようだった。

誰か録音してない?

10月に NHK で TV 放映するようなので要チェック。


東京JAZZ、今年のトリは、“Jazz Crusaders”。

8月に入って、ウィルトン・フェルダー (sax) が急病のため、

来られなくなった。

代わりに スペシャルゲストとして、ジェラルド・アルブライドが

来日メンバーに。

クルセイダーズは、2年前、JVC Jazz Festival で来日した時にも

観ているが、その時とは、ジョー・サンプル 以外全員違うメンバー。

クルセイダーズは、ジョー・サンプル (pf)、

ウィルトン・フェルダー (sax)、ウェイン・ヘンダーソン (tb)、

スティックス・フーパー (dr) の4人が、高校の同級生で始めたバンド。

1st レコーディングが、1961年というから、来年で50年だ。

2年前には、来日しなかった ウェイン・ヘンダーソンが

今回は一緒に来たものの、ウィルトン・フェルダーが

欠席になってしまった。

(2年前は、ウィルトン・フェルダーは来日。)

メンバーの出入りはあるものの高校時代から、

50年演奏しているって、どんなんやろ?

昨夜、ウェインは、ジョーを 「my sweet heart」 と

冗談交じりに紹介していた。

そして、(英語のため) あんまり意味がよく分からなかったけど、

ウィルトン・フェルダーの話をしてから、演奏した曲、

(聴いたことあるけど、曲名不明) では、これまた 泣けました。

ウェインも、立っては演奏できないようで、

終演後のあいさつ時にも立たなかった。

元気に演奏を続けて欲しいもんだ。

そういうわけで、今年の東京JAZZ も終わったが、

(来年は、昼夜昼夜、全部観たろか!) って思うぐらい、良かった。

6月ごろ チケット発売だけど、出演者が 8月になって

決まったりするので、良席とるためには、

出演者が確定していない時点で、チケット買わなあかんから、

ちょっと困るよね。





2010.9.7

「ストレス減った?」

3ヶ月に一度、歯科で定期的に検診を受けている。

治療しなければならない歯は ないのだが、

そうやって、歯をメンテナンスしている人とそうでない人の

歳を取ってからの自分の歯の数が 全然違うらしい。

悪く (痛く) なってから 歯医者に行くのは、

手遅れというわけだ。

さて、昨日は、3ヶ月ぶりの検診。

歯垢取りが いつもより短時間やな、と思っていたら、

歯を見た先生がこう言った。

「ストレス減りましたか?」

どうも、歯垢のつき方も以前ほどひどくなく、

歯ぐきはいつも赤く炎症気味なのに、赤くなく、

ずい分改善されているようなのだ。

原因はストレスの減少だと思ったらしい。

以前と今回と変わったこと、変えたことといえば、

食生活、グリーンスムージーしか思い当たらない。

(最近は、昼食をグリーンスムージーにしている。)

が、ホントにグリーンスムージーで、そんなことが

改善されるの?

もしそうだとしたら、スゴイな。

でも、癌を克服しただの、アトピーが治っただの、

様々なことが起こっているようだから、

それぐらい不思議でもないか。





2010.9.7

Marcus Miller Larry Graham

今日は、六本木 ビルボードライヴ へ マーカス・ミラーを

観に行ってきた。

先週の土日の 東京JAZZ に続いて、なんと、

4日間で 3度目のマーカス!

我ながら、すご。

土曜日は、NHK交響楽団、Roberta Flack、

Christian Scott との共演、

日曜日は、渡辺香津美 との共演、

そして、今夜の共演相手は、

ラリー・グラハム だぁ!

なんと、世界初共演!

いやぁ〜、凄かった & 面白かった。

3曲、マーカス・バンドのみの演奏の後、

マーカスが、「みんな準備は いいかい?次のレベルへ行くよ」 と

ラリーを紹介。

私は以前、レコードで ラリーの演奏を聴いたことはあるが、

ファンというわけでもないので、彼の音楽に詳しくないし、

ライヴは初めて。

(どんなん なるんやろ) と 思てたら、

ラリーが登場したとたん、世界が一変。

今まで、貫禄たっぷりに見えていたマーカスが、

まるで 少年のように見えてしまった。

それもそのはず、ラリーは、今年64歳。

マーカスの得意とする スラップ奏法の創始者で、

マーカスから見れば、大大、大先輩。

ラリー登場で、いきなり会場はファンクの嵐、興奮のるつぼ。

もちろん、それまでもマーカス・バンドは、十分ファンキーだったのだが、

正に違う次元へ行った感じ。

曲が終わって、マーカスがひと言。

「な、違うレベルに行くって言うたやろ?」 (もちろん英語で)

超ファンキーにステップを踏みながら、弾く元祖チョッパーは、

コメディアン的要素もあり、大笑い。

マーカスとのスラップのユニゾン、しまいには、

2人で会場を歩きながらの演奏。

最後は、『リリース・ユアセルフ』 で、今度は、バンド全員で

会場を練り歩き、そのまま 控え室へ。

鳴り止まぬ手拍子で、マーカス・バンドのみ再登場。

『カム・トゥギャザー』 でアンコール。

いやぁ、強烈なライヴだった。

マーカスも めちゃくちゃ楽しそうだった。


メンバー :
Marcus Miller (Bass)
Federico Gonzalez Pena (Keyboards)
Alex Han (Saxophone)
Sean Jones (Trumpet)
Louis Cato (Drums)
special guest Larry Graham (Bass)







2010.9.12



昨日今日と、私の住む戸越銀座では、祭りだ。

このあたりは、丁目ごとにあるのだろうか。

あちこちで神輿を見かけた。

(もしかしたら、同じ神輿だった可能性もあるけど。)

子供の神輿もあるのだが、

写真は、戸越銀座商店街を通過中の大人の神輿。



ご覧のように、神輿が通る時、

神輿とそれを担ぐ人たち、交通整理の警官、見物客で

いっぱいで、商店街は人が歩くことも出来ない状態。

写真では伝わらないだろうが、結構な迫力だ。

祭といえば、一年に一度の祭りのために生きているような

男たちもいると聞いたことがある。

神輿を担ぐ姿って、なんとなく、カッコいいよな。

私も、子供の頃は、神輿を引いた覚えがある。

子供用の、担ぐのではなく、ロープで引っ張るタイプなので

あんまりカッコよくなかったが。





2010.9.13

ベスト・キッド

昨日は、レイトショーで映画 『ベスト・キッド』 (日本語吹替版) を鑑賞。

『ベスト・キッド』 は、1984年の同名映画のリメイク。

原題は、『THE KARATE KID』。

オリジナル版では空手だったが、本作は、空手ではなく、

カンフーの映画なのに 原題が 『カラテ・キッド』 なのは,

オリジナル版を尊重してのことかな。


さて、本作、主演は、ウィル・スミスの息子 ジェイデン・スミス と

ジャッキー・チェン。

ジェイデン・スミス は、2006年の 『幸せのちから』 で、

父親 ウィル・スミスとの共演で映画デビュー。

あの頃に比べるとずい分、大きくなった感じがした。(当たり前か)

きっと、本作での演技の素晴らしさと、ルックスの良さで、

一段と人気が出たことだろう。

ホントに素晴らしい。

この映画の撮影時には、まだ11歳。

ジャッキーは、ちょっと地味な役ということもあったけど、

年とったなぁ、って感じ。

登場からしばらく、菅総理に見えて仕方なかった。(似てるよね)


ストーリーは、いじめられっ子のドレ(ジェイデン・スミス) が、

ハン (ジャッキー・チェン) にカンフーを習い、

カンフー大会で、いじめっ子 チョン をやっつけるという、

分かりやす〜い物語。

ストーリーは分かっているのに、140分を飽きさせない展開。

中国の素晴らしい景色と、ドレのカンフーが、

段々と様になって行く、その成長振りも見物。

気になったのは、悪役達。

こんな根性悪いスポーツ選手や先生、おるか?

見事に憎たらしく描かれているので、感情移入もしやすいけどね。

(選手は悪くなく、先生の指導が悪いという風に描かれてる。)

エンドロールでの NG 集はなかったけど、

ジェイデン・スミス と悪役子役たちが

楽しそうに一緒に写っている写真が出てきて、

(あ、そうか、これ映画やもんな) と、

いじめたりしてるのは、映画の中のことだと

当たり前のことを確認して、一安心。


オリジナル版では、主役のダニエルがミヤギという老人に

空手を習う。

ところが、車にワックスをかけたり、塀のペンキを塗らされたり、

床のヤスリかけをやらされたりと、一向に空手を教えてくれない。

ダニエルは 「ええかげん、空手を教えてよ!」 と怒り出す。

ところが、その一連の作業の動きが全て、空手の動きの

基本になっていて、ダニエルは、知らないうちに空手の技を

身につけているという展開だった。

この映画は、あるセミナーで 「コーチする」 ということを

説明するサンプルに使われていた。

「コーチング」 とは、やっている時は、何のことだか分からないが、

言われたとおりやっていると 実践 (実戦) に役に立つ、

というわけだ。

オリジナル版では、(なんでこんなことばっかりやらされるんだ) って

いうシーンが結構長く、正に 「コーチング」 の話だったが、

本作では、その部分は 少し影をひそめていた。

その分、人間描写が丁寧だったように思う。

大人も子供も楽しめて、単純明快で 力の湧く映画。

今さら、カンフーは出来ないけど、

太極拳とか習おうかなと安易に思ってしまった。


★★★★☆





2010.9.14

よい夫

結婚している男性の方、

あなたは、よい夫ですか?

いきなり、ドキッとする (?) 質問でしょ。

昨日たまたま、ネットで 「よい夫全国統一摸試」 というのを

見つけた。

13問の質問に答え、結婚年数、年齢を加味した結果、

あなたのよい夫としてのランキングと偏差値が出されるというもの。

まあ、お遊びなのだが、一応、自分のことを

「そこそこよい夫でしょ」 と自負しているので、試しにやってみた。

結果、14,885人中 4,040位、偏差値 55.13。

同年齢では、387人中 77位。

う〜む、悪い夫ではないのだろうが、平凡。

全く そこそこ。

悪くない成績なのだが、大したことない。

まあ、そんなもんか。

「よい夫ドリル」 「よい夫検定」 もある。

両方やってみたけど、ドリルも面白いぞ。

興味のある人はどうぞ

ちなみにこれ、ジュエリー屋のコンテンツです。





2010.9.16

宮野弘紀 スーパーギター トリオ

今日は、あいにくの雨だったが、新宿の Jazz Live Spot、

SOMEDAY へ、「宮野弘紀スーパーギター トリオ」を聴きに

行ってきた。

メンバーは、ギタリストが3人。

 宮野弘紀 (gt)
 HARU 高内 (gt)
 馬場孝喜 (gt)

馬場さんは、何度も聴きに行っている大好きなギタリスト。

宮野さんは、CD での演奏は聴いたことがあるが、

ライヴは、初めて。

HARUさんは、CD での演奏はもちろん、

一度、ナマでも聴いたことがある。

新宿 SOMEAY へは、初めて行ったのだが、

100人以上入る中規模のハコで PA (音響) などにも

拘りの見られる店。

(これぐらいのハコで満席でやりたいなぁ) と思うような店だ。

さて、今日の3人、エレキではなく3人ともスチール弦のフラットトップだ。

宮野さん、馬場さんは、Ovation、HARUさんは、ラリビー。

ラリビーは、豪華なインレイとバインディングだったから、

結構な高級機種だろうな。

スチール弦 3人でどんな曲やるのかな、と思っていたら、

1部、1曲目は、『Hearts and Flowers』 という、ジョン・マクラフリンが

演っていた曲。

ジョン・マクラフリンか〜全然知らんな〜と思っていたら、

2曲目もジョン・マクラフリンが演っていたという

『Goodbye Pork-Pie Hat』。

でも、これは、Jeff Beck も演っていたので知っているぞ。

3〜5曲目はそれぞれのオリジナル曲を1曲ずつ演って終了。

2部は、まず3組のデュオでの演奏。

宮野+馬場 『シロッコ』 (宮野オリジナル)

宮野+HARU 『ノルウェーの森』 (ビートルズ)

馬場+HARU 『In A Sentimental Mood』 (スタンダード)

4曲目、3人で 『California Nights』 (Wes)

5曲目、『クレシェンド』 (宮野オリジナル)

そして、アンコールに 『Blue in Green』 (Miles)。

個人的には、1部より2部の方が良かった。

宮野さんは、ウネウネとギターを弾く人。

アメリカというよりは、何かよく分からないけど、

ヨーロッパを感じさせる人。

スパニッシュな感じが多かったから ということだけでなくね。

それでいて、弾いてる姿が侍っぽく見えたり、

琵琶法師に見えたりした。

琵琶法師なんて見たことないのに不思議。

3人とも、ギターのチューニングを全音下げていたらしく、

そのせいか、ややダークな音色の印象。

これも、ジョン・マクラフリンがやっていたらしい。

MC で、宮野さんが 「ギタートリオはやりたくないんだけど」 と

言ってたけど、ホント難しいだろうな。

2人で世界が出来上がってしまうから、3人目のいる所が

あんまりない。

ガンガン弾くタイプの曲なら、まだいいけど、

しっとりした曲とか、ホント、センスいるだろうな。


関係ないけど、HARU さんが、松坂慶子のダンナだって

今日初めて知った。





2010.9.18

ねぶた祭り

家の近所でねぶた祭りが見られるとは、知らなかった。

私の自宅からは、

戸越銀座商店街

武蔵小山パルム商店街

中延商店街(なかのぶスキップロード)

と、3つの商店街へ歩いて数分で、アクセスできる。

便利でしょ。

さて、今日は、夕食を食べに妻とぶらりと中延へ出かけた。

すると商店街で目の前から、太鼓の音とともに

ねぶたがやってくるではないか。

帰ってから調べて分かったことだが、

この中延ねぶた祭りは、2年に一度行われていて、

今年で11回目ということだ。

しかも、開催は今日1日で、時間も午後5時〜8時と短い。

大小いくつかのねぶたが商店街を練り歩くようだが、

青森県黒石市から運ばれてくるねぶたもあるようだ。

3つのねぶたを見たが、その一つがこれ。



中々、華やかで美しい。





2010.9.19

死を見つめて生きるために

2005年の1月にお世話になっていた人が死んだ。

47歳だった。

普通、「亡くなった」 と書く所だと知っていて、

抵抗がありながら、「死んだ」 と書いた。

そのわけは、先ほど 読み終えた本

「死を見つめて生きるために (ジョゼフ・シャープ著)」 に

書かれている。

この本は、その人が死んだ数ヵ月後に

「死」 について 学びたいと思い、

もう一冊、「死ぬ瞬間 (エリザベス・キューブラー・ロス著)」

とともに購入した。

だが、2冊とも、5年間、1行も読むことなく本棚に飾られていた。

昨年の引越し時に処分することも出来たが、

なんとなく、持ち続けていた本だ。

数日前、突然この本が目に入り、読み始めた。

素晴らしい本だった。

どうして、この本を見つけたのかも覚えていないが、

おそらく 「死」 というキーワードで見つけたんだろう。

著者のジョゼフは、自らエイズで死の宣告を受けており、

病院で末期患者のための牧師をつとめている。

と言っても、出版から10年経った今、彼が生きているのかどうかも

分からない。

(検索してみたが、日本語では見つけられなかった。)

「死」 と聞くと、皆さんは何を思い、何を感じるだろうか?

ジョゼフは、私たちは、「死につつある」 と書いている。

不治の病に侵されたり、余命数ヶ月の宣告を受けなくても、

生まれた時から、ずっと、「死につつある」 のだと。

だが、私たちは、「生」 と 「死」 を分けて生きている。

ずっ〜と 「生」 で、いつか、遠い未来、最後に 「死」 が

あるもんだと思って生きている。

「死」 は、敗北であり、終わりであり、忌まわしく、

避けるべきものとして生きている。

(5年間、この本を読まなかったのは、正に避けてきたと言える。)

でも、実際は、いつも 「死につつある」。

「いつか」 ではなく、「いつも」 死 と隣り合わせにいる。

そのことは、概念では 分かっていても、

いつも 「死」 とともには 生きていない。

今の自分と 「死」 は、全く関係がないかのように生きている。

日々、死を、死につつあることを、意識して生きることは、

今を豊かに生きることに他ならない。

では、どうすれば 「死」 を意識して生きることができるのか。

本書には、そのための実習がいくつか紹介されている。

その一つが、禁句とされている 「死ぬ」 という言葉を

意識的に使ってみることなのだ。

英語でもやはり、「died」 は、直接的過ぎるので、

「passed away」 と 婉曲的に言うようだが、

それは、「死」 を否定し、避けている証拠。

意識的に 「死ぬ」 「死んだ」 という言葉を使うことによって

自分にどんな反応、抵抗、感情が起こるのかを観察してみる。

どれくらい、避けているかを観察してみることが、

まず必要なようだ。

なんで、わざわざ 「死」 と親密になるのか?

人は、必ず死ぬ。

そして、自分以外の愛する人の死を経験し、

自分も死ぬ。

死ぬのが自分であれ、家族や友人であれ、

死ぬ前に正直に死と向き合い、分かち合わなければ、

相手とも自分とも 本当の親密さは生まれない。


非常に共感できる本だった。

一回 読んだだけで、理解したとは言い難いし、

多少、抵抗のある箇所もあった。

読んでいる最中は、分からなかったが、

その抵抗は、「死」 を怖れているからに他ならない。

「死ぬ」 というのは、「無常」 ということだ。

ブッダの教えに通じる部分も多い。


素晴らしい内容の本なのに、今では絶版になり、

文庫本化もされていないのは、タイトルのせいで、

あんまり売れなかったんだろうな。

「死を見つめて生きるために」 (原題 : LIVING OUR DYING )

これじゃ、限られた人しか手に取らないだろう。

でも、人が手に取りやすいように、タイトルを婉曲的な表現にすると、

内容と矛盾するもんな。

難しい所だ。


新品は、入手不可だが、中古本なら入手できる。
  ↓
「死を見つめて生きるために 」


確かに、

人生は、見渡せば 「生」 と 「死」 の繰り返しだらけだ。

人間のことだけじゃなく、

す べ て 。





2010.9.19

優しい子よ

連休の予定がキャンセルになり、夜更かしをして読書。

大崎善生 著 「優しい子よ」 を読んだ。


私は、ブログや雑誌などで書評を読み、

興味を持った本は、とりあえず Amazon の ショッピング・カートに

保存することにしている。

カートには、CD と本 合わせて、50〜60の候補が

常にある状態。

結局、買わずにカートから削除するものもある。

「優しい子よ」 は、数年前にカートに保存したのだが、

つい先日、ようやく購入した。

どこで、見つけたのかも覚えている。

いつも読んでいるサイトのこのエントリーだ。

なんと 2006年07月15日 とあるから、

4年も前に 読みたいな、と思った本なのだ。


4つの短編小説が収められていて、

奇しくも テーマは、生と死 だ。

(「奇しくも」 と書いたのは、その前に読んだ本が、

「死」 を扱っていたから。)

さて、タイトルにもなっている 「優しい子よ」。

読み始めて数ページ、物語が展開する前に、もう泣いてしまった。

重い病気の少年から主人公 「私」 の妻へ、手紙が届くのだが

その手紙がなんとも無垢で、泣かせる。

私は、著者のことを全く知らなかったので、

(よく、こんな手紙書けるな、この人、凄いな) と思っていたら、

なんと、実話だった。

つまり、本当にその少年が書いた手紙だったわけだ。

残りの短編も、実在した 萩元晴彦 というテレビ・プロデューサーの

話2編と、著者自身に子供が誕生する話で、全部、私小説。

全部良い話。

特に1話目が、強烈で感涙必至。


少年の無垢な手紙を読んで思い出したことがある。

私は、音響の専門学校に通ったのだが、

そこで文章表現という授業があった。

名前は忘れたが、放送作家の方が先生だった。

ある日の授業で、先生が小学4年生 (だったと思う)の

女の子の新聞への投書を読んだ。

内容は、全く覚えていないが、先生が

「とにかく純粋で素晴らしくて、思わず泣いてしまった」 と

紹介したことは覚えている。

そして、読み始めた先生 (たぶん40歳代) は、

数行読んだだけで、嗚咽もらし始めた。

それが、突然、口に手をあてて 「う゛ぇ〜ぇ〜」 という感じで、

ちょっとビックリだった。

私を含め聞いている生徒 (18〜19歳) は、

先生が何で泣いているのか、

どこがそれほど泣くほどのことなのか理解できずに、

困ってしまった。

でも、純粋さが分かるには、純粋でない必要があるんだと

この歳になれば分かる。





2010.9.20

特価新本

昨日、購入から5年を経て読んだと書いた

「死を見つめて生きるために」

気になったので、Amzon で購入履歴を調べてみると、

注文日は、「2005/6/1」 とあった。

(Amazon では、会員登録していると、過去10年間の

購入履歴を見ることができる。スゴイ。)

何が気になったのかというと、

なんとなく、新品なのに安く買ったような記憶があるので、

それを確かめたくなったのだ。

履歴を見ると、やはり、税込み2730円のところ、

1092円で購入していた。

(ちなみに、 E・キューブラー・ロスの 「死ぬ瞬間」 と

同時に購入していることも確認できた。

こちらは、定価で。)

なんで安かったのかは、覚えていなかったが、

新品なのに半額以下で購入したその本には、

底に赤く ○に 「B」 というスタンプが押されている。

これが、安かったことと関係あるんだろうと、調べてみると、

本の底の5ミリ丸の朱印 (○にB) は、出版社 (又は問屋) が

「新本特価」 の印として押印したものだと分かった。

「新本」 とは 「古本」 とは違って一度も消費者に

購入されていない本という意味だ。

昔、LPレコード (輸入盤) にジャケットの一部に切り目を入れて、

カットアウト盤 と称して、安く売っていたものがあった。

この切り目は、たくさん作り過ぎたための売れ残りなどを

「新品だけど安く売っていますよ」 という目印のようなものであり、

また、傷を付けることで安くしているんだと 解釈できた。

どうも 「新本特価」 はLPレコードの 「カットアウト盤」 のような

もののようだ。

車でも ディーラーで試乗用に使われただけで、未販売のものを

「新古車」 と呼んで売ってるよね。


そういうわけで、「死を見つめて生きるために」 は、

安かったのだが、これ、ホントに売れなかったんだろうな。

その要因が、タイトルのせいだとしたら、皮肉なことだ。

良い本なのに。





2010.9.20

キャタピラー

寺島しのぶが、第60回ベルリン国際映画祭で

最優秀女優賞を受賞した作品。

海外で評価されたその演技を観てみたいと思いつつ、

テーマが重く、観て楽しい映画では ないことが 分かっていたので、

観るのを躊躇していた。

太平戦争で、両手両足を失ない、聴覚も失い、話すことも

できない身体になって帰ってきた夫と妻の物語。

もう、そう聞いただけで、観る気は失せる。

反戦映画は観なくても、私は充分反戦派だし。

でも、一昨夜読んだ本 (死を見つめて生きるために) のせいか、

突然、観ようという気になって 昨日 観てきた。

(人生、欲しくないことも勝手に起きてくるんだから、

わざわざ、欲しくない感情を味わうためにお金を払って

映画館に行く必要ないやん) と、思っていたのが、

観たくない、人間のダークサイドも味わおう、と

思ったのである。(昨日はね。)


戦地で勇敢に戦い、四肢を失くし、顔は焼けただれ、

生きた軍神様と言われ、勲章を3つももらって帰宅した夫。

その姿を見た時に、妻は、「いやぁ〜!ちがう〜!」 と

家を飛び出す。

一度は、夫に殺意を持つが、その運命 (?) を受け入れ、

軍神様である夫の世話をする。

食欲と性欲だけの夫の世話を。

何度も何度も映し出される昭和天皇、皇后の写真と

何度も何度も出てくる 「お国のため」 という言葉。

軍神様である夫の世話をするのもお国のため、というわけだ。

そして、何度も何度も出てくるセックスのシーン。

妻の心境が、色々変わっていく様が興味深い。

そして、「軍神って何なのよ!」 という寺島のセリフが、印象的。

そのひと言がこの映画の主題ではないか、と思うぐらい。


低予算で作られたとか、寺島のヌードのこととか、

ベルリン国際映画祭の最優秀女優賞を受賞は、

日本人では35年ぶりだとか、寺島の母親、富司純子が、

その銀熊賞のトロフィーを見て号泣したとか、

話題に事欠かないが、そういうこと抜きにしても、

(いい意味で) えげつない 作品だ。

タイトルの 「キャタピラー」 は、芋虫の意味。

それにしても、この作品、なんで1300円なんだろ。


★★★★☆


反戦映画を作らなくてよい時代が来ることを望む。





2010.9.21

ジョニーは戦場へ行った

一昨日 観た映画 「キャタピラー」 、

四肢を失くして 戦場から帰還という設定は、

ドルトン・トランボの 「ジョニーは戦場へ行った」 と

江戸川乱歩の 「芋虫」 も同じで、

「キャタピラー」 は、それら2作品に触発されたものらしい。

乱歩の 「芋虫」 は未読なのでなんとも言えないが、

「ジョニーは〜」 は、映画も観たし 原作も読んだ。

中学生の時だったと思うが、高校生になっていたかも知れない。

もう30年以上前のことだが、とても怖かった覚えがある。

そのことが、この歳になって、映画 「キャタピラー」 を

観ることを躊躇させたことは否めない。

そんなに怖かったのに、映画と原作、両方を

体験しているのが不思議だ。

何か分からないが、強烈に惹かれた何かがあったんだろう。

もう、記憶が曖昧で、どちらが先だったか、

分からないのだが、映画より原作の方が、

怖かったような気がする。

映画は、テレビで観たのかも知れないし、

自宅の近くにあった高校の文化祭で、

上映することを知って、観に行ったような気もする。

戦争で、手足を失って帰ってくるという設定は同じでも

「キャタピラー」 とは、全く違う内容だ。

「ジョニーは〜」 は、第一次世界大戦で負傷し、

両手両足、そして、視覚、嗅覚、聴覚、そして、

あごも失い (話すことが出来ない)、帰還した若者の物語。

コミュニケーションの手段がないジョニーを、

医者は、意識もないと決め付けてしまう。

だが、ジョニーには意識があった。

なんとかして、自分の意志を伝えようと、

首を動かして モールス信号を使うことを思いつく。

だが、首を動かすジョニーを見て医者は、

発作が起きたと思い、鎮静剤を打ち寝かせてしまう。

音もない、光もない、声も出せない、体も動かせない、

そんな状態で生き続け、自分で命を絶つことも出来ない、

それがいつまで続くか分からない、

そんな設定が怖くてしょうがなかった。

しかも、原作のあとがきに、実際にその状態で戦場から帰還し、

15年間生きた兵士がいたことが書かれていたのである。


「ジョニーは戦場へ行った」 は、1939年に発表された小説だが、

第二次世界大戦中 と 朝鮮戦争時、絶版になっているらしい。

反戦的な内容が 「反政府文学」 と判断されて。

「絶版」 と書いたが、事実上 「発禁」 だったようだ。

実際、著者 ドルトン・トランボ は1947年に 共産主義者の

レッテルを貼られ、逮捕、禁固刑に処されている。

今回、このエントリーを書くために色々調べていて、

一番驚いたことは、「ローマの休日」 の作者が、

別の人の名前でクレジットされているが、

実は、ドルトン・トランボ だったということ。

彼は、映画の脚本家として脚光を浴びていたが、

逮捕、刑期終了後、事実上映画界から追放され、

偽名を使って仕事をしていたというのだ。

もうひとつ驚いたのは、映画 「パピヨン」 も

彼の脚本だったということ。

私は、「パピヨン」 (スティーヴ・マックィーン主演) が

好きで数回、観ている。

(この 「パピヨン」 も実話。)

さて、「ジョニーは戦場へ行った」 の原題は、

「Johnny Got His Gun」 。

直訳すると 「ジョニーは銃を取った」。

これは、第一次世界大戦時の志願兵募集の宣伝文句、

「ジョニーよ、銃を取れ(Johnny Get Your Gun)」 への

痛烈な皮肉ということだ。

「ジョニーは銃を取った」 にしても、日本では皮肉にならないから、

邦題は、「ジョニーは戦場へ行った」 に したんだろうか。

「ジョニーは〜」 は、ベトナム戦争中、1971年トランボ自らが

メガホンを取って、映画化した。

その時代に、よく、公開できたよね。

海外では評価されたものの、

アメリカでは ヒットしなかったらしい。


観たことも 読んだことも、一生忘れない

インパクトのある作品だ。


「ジョニーは戦場へ行った」 原作

「ジョニーは戦場へ行った」 DVD





2010.9.22

劇団一の会

今日は、「劇団一の会」 の公演に行ってきた。

『オガマルン』 というタイトルのお芝居。

「一の会」 の公演は、2年ぶり3度目。

3度とも友人 K彦 に誘われて。

行くと面白いので、年に数回 案内のハガキが届くたびに

行きたいな、と思うのだが、これが、中々行かないのだな。

今回の演目『オガマルン』 は、ある南の島での夏の数日間の物語。

何ってことはないのだが、良い。

テーマがあるのかどうかも 私には分からないのだが、

めちゃくちゃ深いんちゃうか、と思う場面もあった。

劇団の人たちって大変だな、と思うと同時に

一度やってみたい気もする。

きっと やらないけど。





2010.9.23

本日は、映画 2本立て。

新しい人生のはじめかた

ダスティン・ホフマン と エマ・トンプソン 主演の

大人のラヴ・ストーリー。

原題は、「LAST CHANCE HARVEY」。

CM 音楽家の ハーヴェイ (ダスティン・ホフマン) は、

あんまり人生がうまく行っていない。

ほとんど人生諦めて、楽に生きることを選んでいた

ケイト (エマ・トンプソン) は、婚期を逃した (たぶん) 40代 。

この2人が偶然出会う。

オヤジに ラスト・チャンスがめぐってくるのだ。

舞台は、ロンドン。

ロンドンって 日が長いねんな。

何時間経っても日が暮れない。

(いつまで夕方やねん) と思てたら、

挙句の果てに薄明るいまま、夜が明けてしまう。

そんなに緯度高かったっけ、と地図を見てみると、

確かに、北海道よりずっと北だ。

(それ、おかしくない?) と 突っ込みたいところもあったけど、

細かいことは、良いことにして、

新しい人生に踏み出す勇気に拍手。

それにしても、ダスティン・ホフマン 年取ったなぁ。

72歳 (撮影時) やて。


★★★★☆




マイ・ブラザー

今日の目当ては、実はこちらの映画。

原題は、「BROTHERS」 だから、

邦題の 「私の弟 (兄貴)」 ではなく、

「兄弟」 ってことなんだな。

2人の娘と美人で評判の妻 グレースを残し、

米軍大尉 サム は、戦地アフガニスタンへ。

そして、グレースのもとに戦死の知らせが届く。

グレースは、サムの弟 トミーと支えあいながら、

新しい人生を生きようとする。

そんな時、サムが生きて帰ってくる。

だが、帰国した彼は別人のように変わっていた。


兄 サムに トビー・マグワイア、

弟 トミーに ジェイク・ギレンホール 、

サムの妻 グレースに ナタリー・ポートマン、と

豪華キャスト。

兄役 トビー・マグワイア がスゴイ。

自宅では、ちょっとひ弱な印象さえ抱かせる

優しいパパ。

戦地では、たくましい兵士。

帰国時には、戦場での悲惨さを物語る激やせぶり。

もう、「スパイダーマン」 の お兄ちゃんじゃありません。

弟役 ジェイク・ギレンホール。

この人、割りと好きなんだな。

ちょうど、数日前、ジェイクが出てる作品の中でも

作品的にも一番好きな 「ムーンライト・マイル」 の

DVD (中古品) を送料込みで550円で発見し、

注文したところだった。

なんと 「ムーンライト・マイル」 には、ダスティ・ホフマンも

出演している。

面白い偶然やな。

そして、妻役 ナタリー・ポートマン。

あの 「レオン」 の マチルダね。

劇中、何度も 「美人」 と言われるのだが、

確かに美人で 魅力的。

それに娘役の子役2人も素晴らしい。

特にお姉ちゃんの方!


さて、作品は 反戦映画 であり、

人間の愛と苦悩の物語。

「ある愛の風景」 という デンマーク映画のリメイクらしいが、

オリジナル版も ぜひ観たい。

アフガニスタンの悲惨なシーンと、父親を失ったものの

叔父トミー と無邪気に遊ぶ娘達の姿が交互に

映し出される。

その地獄と平和のギャップがすさまじい。

戦争は狂気だ。

サムの苦悩を思うとやりきれないが、

最悪の結末にならずに、最後のシーンで、

わずかでも癒しと希望があり、救われる。

良い映画です。


★★★★★





2010.9.24

悪 人

モントリオール世界映画祭で 深津絵里 が

女優賞を受賞した映画 「悪人」。

評判もそこそこ良さそうなので、

ちょっと期待しすぎて 観てしまった。

良い映画だったが、感想をひと言でまとめると、

「惜しい。きっと、原作はもっと良いのだろうな。」 って感じ。

(実際、原作はいくつもの賞をとっている。)

出会い系サイトで知り合った2人が、実際に会って、

急激に親密になるくだりの描写に、

(ここんとこ、原作読むと良く分かるんやろな) と

不満を感じながら、(後半、盛り返してくれよ〜) と

さらなる期待を上乗せしての鑑賞。

後半、ええシーン (泣けるよ) もあったけど、

やや、不完全燃焼。

鑑賞後、一緒に観た妻に その話をすると、

「2人は、メールのやり取りをした後に初めて会ったのだから、

会う前に (メールで) 人間関係が出来てたんだと思うよ」 と言われ、

確かにそれを臭わせるシーンがあったため、何故か、悔しい思い。


女優賞の深津も良かったが、私としては、妻夫木が良かった。

なんとなく、育ちの良い坊ちゃん的な印象があったのだが、

本作では、そのイメージを脱していたね。

あと、岡田将生 もイヤな役で、脱アイドルな感じ。

自己中でイヤな女を演じる 満島ひかり もホンマにイヤでよろしい。

樹木希林、 柄本明、宮崎美子ら、脇役のベテラン陣がまた良い。

後半の柄本明のセリフが良い。

  あんた、大切な人はおるね?
  その人の幸せな様子を思うだけで、
  自分までうれしくなってくるような人は。


  (続きは、映画館で。)


ネットのレビューで、九州の田舎住まいの30代の独身女性が、

物凄く映画に共感しているのを読んだ。

彼女は、深津演じる光代と同じように

  毎日自分自身の存在意義を探して、
  もがきながらも徐々に諦めつつ生活しています。


と書いている。そして、

  毎日の生活に割と満足している人の心には
  届きにくい映画なのかもしれません。
  なぜなら、出会い系サイトという世間的には
  出否定されている方法で会った2人がこんなにも
  惹かれあうことの意味がわからないと思うからです。


と、田舎暮らしの閉塞感を書いている。

例えば、妻夫木演じる祐一は長崎の漁村に住んでいるが、

  祐一がわざわざ福岡・佐賀と遠くの女性に会いに
  行くのは地元だとすぐにばれてしまう恐れがあるから。
  もしくは知り合いかもしれないから。
  祐一のナイーブな性格が伺えた。


と書いていたのを読んで (もしかしたら原作に

書いてあるのかも知れないけど)

これは、その “田舎暮らしの閉塞感” を知っているのと

知らないのとでは、主人公たちの心理の理解度、

共感度が違うな、と 思ったのであった。

そのレビューはこちら


★★★★☆


悪人って、何だろ?





2010.9.25

ついに 購入!

ずい分前から、一眼レフカメラが欲しいと思っていたが、

結構な お値段の上、買っても、重いとか面倒だと言って

結局コンパクトデジカメばっかり使うことになるんじゃないか、

という心配もあり、先延ばしにしてきた。

時々、思い出してはネットで調べたりしていて、

少しずつ、値段は下がってきている感はあったものの、

もう一つ背中を押してくれる何かが欠けていたのだ。

どの機種が使いやすいとか、そういう知識もないので、

特に欲しい機種やブランドもない。

ただ、漠然と 一眼レフで 色々撮ってみたいという願望があるだけ。

それは、初心者だから仕方がない。


数日前、また何気なく検索していて、価格.com で、

初心者向けの Nikon D3000 とレンズのセットを

某量販店で 安く売っているとの情報を発見。

レビューを読んでみると、その機種は評判も中々。

メーカー直販サイトで、チェックしてみると、

レンズセットは見つからなかったが、

カメラ本体の価格が、54,800円、

セットのレンズが、単体で29,400円、計84,200円。

それがその量販店では、なんと、数量限定で 27,800円!

数年前に買ったコンパクトデジカメがそれぐらいだったぞ。

価格.com でも 平均 43,000円ぐらいしている。

価格.com のクチコミには、

「展示品在庫と書いてあるけど無傷でした」 とある。

大体、展示品在庫がそんなに何台も あるのもおかしい。

まだ在庫があるかどうかも分からないから、

とにかく行ってみようと、その翌日、その量販店へ。

確かに 「展示品在庫10台のみ」 というポップが

ディスプレイされている。

(私が買うと同時にそのポップは、はずされた。)

店員に、「展示品ってこれですか?」 と、

展示されているものを指差して聞くと、

「いえ、違います。(お買い上げになる) 商品はこれではなく、

他店から来たものです」 と言う。

(そんなめんどくさいことするかな、展示品なら その店で

安く売ればええやんか) と思いながら、

「見せてください」 と言い、見せてもらうと、

(これ、絶対、展示品とちゃうで) というぐらいきれい。

本体の中袋に多少しわがあったものの、レンズは、

明らかに未開封。

「これ、本当に展示品だったんですか?」 と突っ込むと、

「他店から来たので、詳しいことは分からないですけど、

展示品と書かないと ×△%$・・・」

と何やら、歯切れが悪い。

D3000 は昨年発売の機種で、先週 その後継機種と思われる

D3100 が発売されたので、在庫処分のための口実かも知れない。

でもそれなら、「展示品」 て書かなくても良さそうなのに、

何か業界的な事情でもあるのだろうか。

もしかしたら、D3000 は、まだ現行商品なので、

その辺に訳があるのかも知れない。

ちなみに、新製品 D3100 のレンズセットは、

価格.com で、63,084円〜81,143円。

メーカー直販サイトで74,800円。

去年のモデルと 機能的にはそんなに変わらないだろうから、

やっぱり、27,800円は安かったな。

でも、SDカード、液晶保護シール、カメラケースなど、

本体以外に結構かかるのだった。

買ってきた後で、色々調べているうちに もう1本レンズを購入。

結局、27,800円 どころでは済まなかったが、良しとしよう。


そのうち良い写真が撮れたら、ここで発表するので

乞うご期待!





2010.9.26

食べて、祈って、恋をして

映画を観る前にチラッとネット上の評判を見たら、

あまりよろしくない。

おかげで、過度な期待をすることなく観る事ができた。

予告編を観ると、何やら良さそうな感じがするもんね。

ニューヨークに住むジャーナリストのリズ (ジュリア・ロバーツ) が、

離婚と失恋を経て、旅に出る物語。

何が、評価を下げているか、簡単だ。

リズに共感できないのだ。

まず、映画を観る殆どの人は、仕事を休んで1年間、

イタリア〜インド〜バリを 旅することなどできない。

そして、一番、評価を下げているであろう理由は、

彼女の苦悩が何か分からないのだ。

仕事もあり、お金もあり、友達もいて、家もあり、ダンナもいて、

何が苦しいのかが充分に描かれていないのだ。

原作は、ベストセラー (全世界で700万部売れた) ということだから、

素晴らしいのだろうな。

残念。

映画としては、イマイチでも、ジュリア・ロバーツは

魅力的だし、イタリアの料理はおいしそうだし、

楽しめる所はある。


★★★☆☆


ちなみに本作、著者の自伝的小説ということだが、

その著者 エリザベス・ギルバート のスピーチを 以前にここで紹介した。

まだ観ていない人は、この機会にどうぞ。
  ↓
エリザベス・ギルバート "創造性をはぐくむには"





2010.9.27

リー・リトナー

これまた、好きなギタリスト。

今日は、ブルーノートで彼のギタリスト生活50周年の

記念来日ライヴ。

昨年は、楽器店主催のギター・セミナーと

東京JAZZ にでの 神保彰バンドのゲストとして観たが、

もうかれこれ5〜6回は、ライヴに足を運んだだろうか。

本日のメンバーは、

 Lee Ritenour (g)
 Larry Goldings (org&key)
 Melvin Lee Davis (b)
 Sonny Emory (ds)

ベースのメルヴィン以外は、知らなかったのだが、

キーボードのラリー・ゴールディングスは、

メイシオ・パーカー、ジョン・スコフィールド、

ジェームズ・テイラーなどと共演しているらしい。

ピアニカ による 「IN A SENTIMENTAL MOOD」 が、

美しく印象的だった。

ドラムのソニー・エモリーは、若手かなと思ってたら、なんと、

“アース、ウィンド&ファイアー” のメンバーだったというから驚き。

なるほど、蛍光スティックを使った派手な超絶ドラムソロは、

それならうなづける。

リトナーは、1曲目大好きな 「CAPTAIN CARIBE」 から、

リトナー・スマイル。

毎回思うけど、この人ホントに幸せそうにギターを弾く。

今日、2回 とちったの分かったけど、それでも笑ってるもんね。

ギターは、 Gibson を2本使用。

L−5 と チェリーサンバーストの レスポール

雑誌のインタビューに 書いてあったのだが、

彼が Gibson に1959年製 レスポール のリイシューモデルを注文して、

数ヶ月経った去年の1月9日に届いたそうだ。

なんと、その日に レスポールは、亡くなったそうな。

(解説)
 赤字の レスポール は、ギターの名前。
 青字の レスポール は、ギタリストであり、そのギターを作った人物。

もしかしたら、今日弾いていたのが、その レスポール なのかも。



ひとりごと  ひとりごと