2025年6月
感想・ご意見は→ shinya◇shin223.com
メールをくださる方は、上記アドレスの◇を@に変えて送ってください。(スパムメール対策)
2025.6.1
GRETCHEN PARLATO
& LIONEL LOUEKE
グレッチェン・パーラト&リオネル・ルエケ
リオネル・ルエケというアフリカ(ベナン)出身の
ギタリストを知ったのは、もう10年以上前だろう。
チック・コリアのバンドで聴いたか観たと思ていたが、
彼はチックとはやっていないようなので、
ハービー・ハンコックと勘違いしていたようだ。
リオネルのギター・プレイは独特なのだけど、
私の好みとは違ったので、アルバムを1枚
聴いただけでそれ以上は追いかけなかった。
先日、このデュオの公演があることを知った。
グレッチェン・パーラト&リオネル・ルエケ。
ギターとヴォーカルのデュオは私の大好物なので、
チェックしてみると、これが中々よろしい。
ぜひライヴを体験したいと思い、
2日間4回公演の最終公演を観てきた。
ライヴは、期待以上に素晴らしかった。
リオネルのギターを「好みではなかった」と
書いたけど、ファンになったよ。
今までのどんなデュオにも似ていない、
アフリカ的でもあり、ちょっとラテンっぽくもあり、
独特の世界、サウンド。
まずリズムが素晴らしい。
これは、リオネルがアフリカ人ということと
関係あるのだろうか。
ギター1本だけであんなに気持ちの良い
グルーヴが出せるんだよな。
リオネルは7弦ギターに、歌、ヴォイス・
パーカッション、ループを使っての演奏。
7弦なので低音も普通のギターより効いている。
グレッチェンは歌とパーカッション。
これが絶妙に混ざりあい、とてもふたりの演奏とは
思えないサウンドだった。
ふたりは、24年前にセロニアス・モンク・
インスティテュートの生徒同士として出会った。
互いを紹介するMCが、尊敬と愛が溢れていて、
聴いているだけで泣きたくなるほど感動的。
英語なので、正しく聞けているか怪しいのだけど。
ふたりとも相手を「人間じゃない。
他の惑星から来た」と言っていたよ。
そして、見た目は違う(白人と黒人)けれど、
私たちは「ブラザー&シスター」だと。
ラヴ&ピース。
ふたりとも、来日をとても楽しんだようで、
「帰りたくない」「またすぐ来る」と言っていたので、
ぜひ実現して欲しいな。
曲は、ほとんどこのデュオのための
オリジナルだと思うけど、1曲80年代のヒット曲
Klymaxx の『I Miss You』をカバーしているのが、
面白かった。
この曲、当時好きで、Klymaxx の来日公演も
観に行ったぐらいなんだけど、このふたりに
この曲は意外過ぎる。
リオネルのギターについても書いておこう。
ストラトシェイプだけど、見たことのないギター。
7弦で、サウンドはエレアコ。
ネット上では、色んなギターを弾いているリオネルの
姿を確認できるが、今日のギターは見つけられなった。
終演後、写真を撮ったけど、暗くてきれいに写っていない。
ペダル
[ MEMBERS ]
Gretchen Parlato (voice,per)
Lionel Loueke (g,voice,per)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
2025.6.3
26年と18年
26年。
昨日6月2日は、私たちの結婚記念日で、
入籍してから26年が経った。
18年。
このひとりごとは、2007年6月1日に
始めたので、18年が経った。
志ん朝は落語のマクラで言っている。
「光陰矢の如し。
どういう意味かと申しますと、
ああ、光陰は矢の如しだなぁと
いう意味です」
今年の12月で、私が東京に出てきて30年になる。
30年?
まじか。
ああ、光陰矢の如し。
2025.6.4
ミハイル・プレトニョフ
ピアノ・リサイタル
本日は、クラシック・ピアノの鑑賞。
ミハイル・プレトニョフ (Mikhail Pletnev) は、
ロシアのピアニスト、指揮者で作曲家でもある。
1957年生まれの68歳。
何か無性にクラシックを聴きたい、
ベートーヴェンを聴きたい、と思って
公演を探していて今日のリサイタルを見つけた。
発売後まもなくチケットを購入したので
サントリーホールの3列目という良い席だったよ。
選曲が良かったなぁ。
上原ひろみもカヴァー(?)していた『悲愴』。
そして、マーカス・ミラーもカヴァー(?)していた、
『月光』だもの。
『悲愴』は、ベートーヴェンが難聴を自覚した
1798年に作曲されたもので、「pathetique」は
「深い悲しみ」という意味。
日本語では「悲愴」と訳されている。
第1楽章の出だしは、悲しみに打ちひしがれた感が
あるのだけれど、全体を通して聴くと絶望感より
なぜか希望を感じるのは、ベートーヴェンが
希望を失わなかったということの表れだろうか。
後半のグリーグの『抒情小品集』は、
3分程度の小品を16曲連続で。
45分ほどあったかな。
色んなタイプの曲が聴けて面白かった。
ミハイル・プレトニョフの演奏は、
ちょっと期待していたものとは違って、
私には何かが物足りない感じだった。
それは何かと探りながらの鑑賞になった。
「物足りない」と書いたけれど、それは情熱や
力強さといったものかもしれない。
期待が大きすぎたのかも知れない。
もちろん技術や演奏は一流だ。
物足りないなんて感じるのは、
彼のエネルギーのことなのか
ヴァイヴのことなのか、私との相性なのか、
聴きながら色々探ったいたら、あることに気付いた。
ピアノのトーン。
ピアノは、日本のカワイの「Shigeru Kawai」グランドピアノ。
ピアニストとしては、一時は引退までしたミハイルが
再び活動を再開させたのは、このピアノとの出会いだったらしい。
つまり、ミハイルはこのピアノが好きなんだな。
私には、どうもクリアさに欠けるような感じがして、
好みではなかったんだ。
それが物足りなさと どう関係があるのかは
分からないのだけど。
ただ終わった後の観客の反応を見ると
素晴らしい演奏であったことに疑いはない。
立ち上がって拍手している観客も少なくなかった。
そうすると私の感想は、単にミハイルの解釈や演奏が
高尚過ぎて、付いて行けなかっただけという可能性も
大いにある。
[ プログラム ]
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調Op. 13 『悲愴』
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調Op. 27-2『月光』
グリーグ:『抒情小品集』より
◆「祖国の歌」 Op.12-8
◆「子守歌」 Op.38-1
◆「蝶々」 Op.43-1
◆「エレジー」 Op.38-6
◆「メロディー」Op.38-3
◆「小鳥」 Op.43-4
◆「小川」 Op.62-4
◆「郷愁」 Op.57-6
◆「即興的ワルツ」 Op.47-1
◆「おばあさんのメヌエット」 Op.68-2
◆「過ぎ去った日々」 Op.57-1
◆「夏の夕べ」 Op.71-2
◆「スケルツォ」 Op.54-5
◆「孤独なさすらい人」 Op.43-2
◆「ノクターン」 Op.54-4
◆「小妖精」 Op.71-3
@ サントリーホール
2025.6.6
昨日のカツ丼超えた
昼休みの終わり頃、ランチを終え、
会社に戻るであろうすれ違いざまのサラリーマンの会話。
A 「いやぁ、うまかったなぁ。昨日のカツ丼もおいしかったけどね。」
B 「昨日のカツ丼超えちゃった?」
A 「昨日のカツ丼超えたよ=」
えー?
昨日も今日も、どこで食べてきたん?
2025.6.8
落語ドマーニ2025 夜の部
喬太郎・白酒・兼好、この三人の落語会
「落語ドマーニ 2025 夜の部」に行ってきた。
開口一番は、柳家しろ八による「転失気」。
続く喬太郎のマクラ、
そして「すなっくらんどぞめき」が凄かった。
「二階ぞめき」という古典落語がある。
とあるお店(たな)の若旦那が、
吉原に入りびたりで、父親に叱られる。
若旦那は、吉原が家にあれば良いと思い、
家の二階に吉原を作ってしまうという噺。
そのパロディで、池袋にばかり行っている若旦那が
ついには家の二階に「すなっくらんど」を
作ってしまうというシュールな噺。
「すなっくらんど」は、以前池袋に実在した
今でいうフードコート的な立ち喰い屋台が
集結した駅地下のエリア。
けして池袋を良いようには言わないのだけど、
池袋愛に溢れた喬太郎なのだ。
そして、白酒は古典で「抜け雀」。
休憩を挟んで、兼好の「猫の災難」。
もう安定の芸です。
ところで、落語とは関係ないが、
会場の大手町三井ホールは、
2年前にも同じ落語ドマーニで訪れたことがある。
その時にも思ったことだが、会場入り口に
貼ってある座席案内図が大変分かりにくい!
通常、案内図の上がステージになるように
座席表が書かれているのだが、
ここのは、どういうわけか座席表の下が
ステージになっている。
おまけに「ステージ」と書かれている文字が
注意しないと読めないほど読みにくい。
多くの人が、無意識に上をステージだと思い込み、
自分の座席を確かめる。
会場に入ると、そこに自分の席がない。
ということが起こる。
通常、会場には後ろ側から入るので、
ステージが前にあるのだから、
座席表はステージを上にする方が見易いと
思うのだが、なぜこんなことになっているのだろう。
今日も私の前の席の人(女性)が、
ご主人らしき男性が遅れて会場に入ってきたので、
一生懸命に手を振るのだが、ご主人は気が付かない。
席を探しているが見つけられず、
一旦会場の外に出て行った。
おそらく座席表を確かめにいったのだろうが、
ステージが下になっていることに気が付かない限り、
その座席表は役に立たない。
案の定、戻ってきたご主人は的外れな方向に
歩いていくのだが、当然自分の席がない。
とうとう会場のスタッフに訊いて案内してもらってた。
まあ、多くの人はちゃんと自分の席に着いて
いるのだから、問題ないといえば問題ないのだけど、
始めて来た時に私も混乱したことを思い出したよ。
あれは、不親切だわ。
きっと苦情もあるだろうに2年前と変わっていない。
誰も言わないのかな。
[ 演 目 ]
「転失気」 柳家しろ八(前座)
「すなっくらんどぞめき」 柳家喬太郎
「抜け雀」 桃月庵白酒
--- 仲入 ---
「猫の災難」 三遊亭兼好
@ 大手町三井ホール
2025.6.9
CAMILA MEZA
presents "Portal"
チリ出身のアーティスト、カミラ・メサのライヴに行ってきた。
6年ぶりだったのだけど、もの凄く良かった。
空席が目だっていたので日本での知名度や
人気はまだまだなのかも知れない。
音楽好きなのに、こんなに素晴らしい音楽を
知らない人がいるのは勿体ないと思ったほど。
これはライヴで観る価値があるよ。
このたびリリースされたニューアルバム『ポータル』は
前作から6年ぶりで、来日公演も6年ぶり。
アルバムは未聴でライヴに臨んだのだが、
たぶん全曲ニューアルバムからだったのではないかと思う。
曲も演奏も歌も全てが素晴らしかった。
まずバンドが良い。
ベーシストのいないカルテットで
ピアノとキーボードのガディ・レハヴィ、
キーボードとコーラスのアレハンドラ・ウィリアムス・
マネリ、ドラムのオフリ・ネヘミヤ。
キーボードがふたりいるおかげで
ベーシストの不在を全く感じず。
全員素晴らしいプレイヤーだったが、ドラムの
オフリ・ネヘミヤ(名前を覚えられそうにない)は
イスラエル出身の今年で 31歳の若者。
私が知らなかっただけで、バークリーの学生時代から
すでに天才ドラマーとして注目されており、
在学中にはベーシストのアヴィシャイ・コーエン
(イスラエルを代表するベーシスト)と共演している。
カミラのニューアルバムのレコーディング・メンバーでもある。
ピアニストのガディ・レハヴィもニューアルバムの
レコーディング・メンバーでもある。
キーボードとコーラスのアレハンドラ・ウィリアムス・
マネリ(名前覚えられそうにない その2)は美しい声で
カミラとの素晴らしいハーモニーを何度も聴かせてくれた。
2日間4回公演のラストショーだったのだけど、
カミラは、とても日本がお気に入りのようで
「他の国では言わないけれど、間違いなく
日本が一番好き」と言っていた。
彼女の英語は、全部は分からないけれど
比較的聞き取りやすいんだ。
「明日、帰るんだけど、あと3日ぐらいやりたい」
「必ずまた来る。10月に決まっているの」とか。
曲の解説とかになるとちょっと聞き取るの難しいね。
多くのアーティストが、ブルーノート東京を
「世界で一番のクラブだ」と誉めるのだけど、
カミラの言葉からもそれを感じた。
たぶん もの凄いおもてなし、心遣いを受けるんだろうな。
音楽の方はというと、6年前のライブの感想に
「どんな音楽か、誤解を恐れず表現するなら、
ベッカ・スティーブンスと
エスペランサ・スポルディングと
シルビア・ペレス・クルスを混ぜて、
ちょっとパット・メセニー・エッセンスを
2〜3滴垂らした感じです」
と書いたが、今日はギターを聴いていて
カート・ローゼンウィンケルのエッセンスも感じた。
そして、カミラ独自の世界を発展、確立し続けていると。
6年前に「カミラの音楽を聴くと、もうジャズとか
ジャンルを言うのが、時代遅れな感じがしてくる」
と書いたけれど、今日もそれは感じた。
部分的に切り取るとプログレッシヴ・ロックだったり、
ジャズだったり、ニューエイジのようだったり、
聖歌のようだったりと、ボーダレスな音楽のようでいて、
どの瞬間も「カミラ・メサ」という世界なのだ。
アーティストにとっては自分の名前がジャンルのように
語られることが最高だと私は思っているが
カミラはその域にいると思うね。
カミラは、この6年間にパンデミックと出産を経験した。
そのことと関係あるのかないのか、彼女の音楽は
より世界の調和を目指しているように感じた。
そして、聴いていると私の創作意欲が増してくる。
アイディアが次々浮かんでくる。
なんて刺激的なんでしょう!
カミラのギターは、Sadowsky、
Thinline の(たぶん)フルアコ。
ジャズギタリストは、比較的じっとして弾く人が多いが、
彼女は弾いている時のアクションが、
全身で弾いているように感じられエネルギッシュだ。
ギターも素晴らしいが、歌というか声のコントロールも
素晴らしい。
『Transmutacion』という曲の出だしが、
「この電車」という歌詞だったので、一瞬
「日本語?」って思ったけど、空耳アワーだったわ。
帰宅後、アルバムを聴いてみると、
ライヴならではのアレンジがされていたのが分かり
これまた評価がアップ。
[ MEMBERS ]
Camila Meza / カミラ・メサ (g,vo)
Gadi Lehavi / ガディ・レハヴィ (p,key)
Alejandra Williams-Maneri /
アレハンドラ・ウィリアムス・マネリ (key, back vo)
Ofri Nehemya / オフリ・ネヘミヤ (ds)
@Blue Note Tokyo
2nd show
2025.6.12
クレジットカードが不正使用された!
先日、夜中にカード会社から メールが届いた。
内容は、私のクレジットカードが不正使用された疑いが
あるので、利用を一旦停止したというものだった。
クレジットカード会社のサイトにログインすると、
覚えのない利用があり、心当たりがあるかどうかを質問された。
心当たりがないと応えると、カードは完全に使えなくなった。
(新しい番号のカードが発行されることになった。)
続けて、そのサイトにログインするための
IDとパスワードも変更する様に促された。
翌日、カード会社から電話があり、再度確認されたが、
海外のサイトで数回同じ金額の使用と、
キャンセルがあったらしい。
金額は、念の為ここには書かないけど、
これで何買えるねん?というぐらい少ない金額だった。
それでも、複数回利用するからだろうか、
海外での利用だからだろうか、監視しているシステムは、
すぐに何かが怪しいと反応するんだから、そこは優秀だと思う。
電話で担当者に尋ねられたけど、
私は怪しいメールの URL をクリックして、
カード番号などを打ち込むようなことは絶対にしない。
正式なメールだったとしても、少しでも疑いがあれば、
わざわざブラウザから検索してそのサイトに行くか
自分のブックマークからアクセスすることにしている。
殆どのスパムメールは見分けられる自信がある。
ホンモノやろかと迷った時は、そのメールの件名などで
検索することにしている。
そういうのは、今まで100%偽物であった。
そこまで慎重なのは、今から17年前に
やはりカードの不正使用に遭ったからだ。
(その時のエントリー 2008.3.29)
この時は、後日某店舗からの情報漏洩があり、
不正使用されたことが分かった。
カード会社がすぐに不正使用だと
見つけてくれたので、幸い私に被害はなかった。
その情報が漏れた店舗は、それから数年間
クレジットカードが使用出来なくなり不便だったが、
今ではその辺のサイトよりも支払い方法の選択肢は多くなった。
事件のおかげで、セキュリティにはかなり神経を
使っていることと思う。
今回、不正使用されたカードは、私が日常メインで
使っていたもので、光熱費や電話代、サブスクなど
様々な料金もそのカードで決済していた。
カード利用が停止されたので、それらを全て
別のカードに変更しなければならなかった。
17年前も同じことを書いていたが、あの頃より
カード決済が増えており、これが結構な手間だった。
例えば、簡単にマイページの様なところでカードの変更が
できるものは良いが、中には郵送で変更用紙を
取り寄せなければならないものもあった。
また、水道料金など普段ウェブで何かすることがない様な
支払いは、新たに登録が必要だったりと、
とにかくこれだけで数時間費やしたと思う。
便利なのに、何かあると不便なのは、
21世紀になっても変わらない。
いや、便利になった分、何かがあったら弱いね。
停電とかネットが繋がらないとかいうことになると、
色んなことが止まってしまう。
これって、どうなんやろな。
地震とか災害の度にとりあげられるけど、
喉元過ぎればなんとやら。
しかし、どこでカード情報が漏れるのだろう。
前述の通り、メインで使っていたので、使用頻度は高い。
中にはセキュリティの甘いサイトもあるのだろうか。
まさか実店舗で番号を盗まれていることはないと思いたい。
最近はセキュリティが厳しくなってきて、
ネットで買い物するにも携帯電話に送られてくる番号を
入力しなければ、決済が完了しない店舗が増えてきた。
その度に面倒くさいと思うけど、
自分を守るためだから仕方がないよね。
皆さんも気をつけてね。
2025.6.14
VINCENT GARCIA
今月21日にコリー・ウォン(Cory Wong)の
ライヴを観に行く予定がある。
コリーと共演している動画を観て、ベーシスト、
ヴィンセン・ガルシアのことを知った。
ツーフィンガー(人差し指と中指)で、
超高速のグルーヴあるフレーズを弾くベーシストだ。
そのヴィンセン・ガルシアのリーダーライブ
(初来日)があったので、観に行って来た。
開演前、ステージには、ベース・アンプと
ドラム・セットしか見えず、もしかして2人で演るのかと
思ったけど、蓋を開けてみるとベース、ドラムにギター、
テナーサックス、トランペットとクインテット。
1曲目『サムスカンク・ファンク』に始まり、
アンコール3曲含めて約75分ぐらいかな。
75分のライヴでベーシストが出した音数としては
トップクラスだろう。
ヴィンセンは、YAMAHAのベース。
時々、スラップも演るけど、マーカスのような
音ではなく、ちょっと私の好みのトーンではなかった。
あんなに動き回るベーシストもいないだろうと
いうほどのアクションで、表情や観客の
煽り方も含めて、とてもエンタテイメントな
ステージだったと思う。
観客にも唄わせるなど、観客の巻き込み方も良かった。
ギターの Andoni Narvaez は、Suhr の
ストラト・タイプを使用。
私の席からは、ギターアンプは見えなかったので
ラインで出してるんだろう。
ドラマーがイヤモニだったのは、
時々、シーケンサーの音も出ていたので、
クリックも聴いているんだろう。
結構キメが多いにも関わらず、ドラマー以外は
譜面を置いていなかった。
ドラマーが見ていたのは、タブレットなので、
譜面かどうかも分からないんだけど。
まあ譜面を見ながら演る音楽でもないか。
ずっとノリノリの曲が続き、これはスローなしかと
思ったら、途中でソロ・ベースのコーナーがあり、
そこで少しクールダウン。
「現行モダン・ジャズ&ファンクの俊英」などと
呼ばれるヴィンセンだが、音楽は、部分的には
ハードロックの様だったりもする。
「ファンキー」という言葉は元々「臭い」という意味
だったと、随分と前に何かで読んだ覚えがあるが、
ホンマやろか。
「ファンク」が、黒人だけのものではなくなって
何十年か経った様な気がする。
今日の5人は全員白人の様だ。
まあ黒人のファンクとは何か違うような気もするけど。
コリー・ウォンもそうだけど、こういうインストに
人気があるのは、ギター弾きとしては嬉しい。
(タイプは違うが、最近知った「クルアンビン
/Khruangbin」、米国テキサス州ヒューストン出身の
ギタートリオもお勧めだよ。)
ヴィンセン・ガルシアは、スペイン出身で、
アメリカ人とは違う雰囲気を持つ。
MC の英語もかなりスペイン訛りで聞き取りにくい。
ネイティヴの英語でも聞き取れないんだけどね。
アンコールの最後には、スタッフがスマホを持って
ステージ上がり、演奏するメンバーや
盛り上がる観客を撮影していた。
日本公演は、東京・大阪・横浜の
3日間3公演あるが、今日はその初日。
「ジャパンでもこんなに盛り上がったぜ!」と
SNSに投稿されるのかも知れない。
アンコールまで、観客は座っていたのだけど、
こんな音楽を座って聴いていられるのは、
日本人ぐらいかもな。
[ MEMBERS ]
Vincen Garcia (Ba)
Andoni Narvaez (Gt)
Manu Pardo (Tp)
David Cases (Sax)
Jorge Tortosa Ramos (Dr)
@ Billboard Live Tokyo
2nd show
[ 関連動画 ]
来日メンバーと同じ面子でのライヴ
ALT-F4 | VINCEN GARCIA | [LIVE]
コリー・ウォンとのライヴ
"Lunchtime" Live in London
2025.6.15
渡辺貞夫 カルテット 2025
昨年12月以来、半年ぶりの渡辺貞夫さんのライヴ。
今回は、埼玉県の深谷市民文化会館まで行ってきた。
貞夫さんも深谷は初とのこと。
貞夫さんは、1933年生まれなので、私の両親と
同年代(父 1930年生まれ、母 1935年生まれ)。
自分の両親を見ていても、妻の両親を見ていても、
85歳を過ぎると会うたびに衰えていくのを
感じずにはいられなかった。
しかし、年に数回ライヴで観る貞夫さんは、
今年92歳になったが、5年前から変わっていない様に見える。
もちろんご高齢なので、曲名を忘れたりすることも
あるのだけど、立ち振る舞い、演奏に関しては衰えを感じない。
曲によっては、ご本人は満足のいかないプレイだったのかなと、
その表情から感じることはあるけれど、両親達のことを思うと、
とても92歳とは考えられない演奏だった。
今日は、日曜日ということもあり、15時開演だったので、
アンコールを終えた時でもまだ17時頃だったのだけれど、
最後にマイクで「おやすみなさい!」と言って、
ちょっと笑いを取っていたのはご愛嬌です。
途中、2部の2曲目で貞夫さんが、自分の音を
上げるように手振りで合図した。
貞夫さんはモニターの音を上げて欲しかったのだと
私は思ったのだけど、すぐにフロント・スピーカーから
出ているサックスの音が大きくなった。
ちょっと極端に。
するとハウリだした。
たぶん、ステージ上のモニターの音量も上がっていただろう。
貞夫さんが厳しい(ように私には見えた)表情で
PA(音響)の方を何度も見る。
しかし、事態はすぐには収まらず、その曲が終わる頃まで
ハウっていたように感じた。
その時以外は、問題なかったのだけど、
あれは良くなかったな。
まあライヴならではだけど。
グループは、今月はこのあと、四国や中国地方を周る。
回数はそんなに多くはないもの、12月まで
全国をツアーする92歳なのだった。
[ MEMBERS ]
渡辺貞夫(Sax)
小野塚晃(p)
三嶋大輝(b)
竹村一哲(ds)
@ 深谷市民文化会館
[ SETLIST ]
1. Peace (H.Silver)
2. Groovin' High (D.Gillespie)
3. Laura
4. Tree Tops
5. I Fall In Love Too Easily
6. 3:10 BLUES (B.Strayhorn)
7. Lopin'
8. Stella By Starlight (V.Young)
(休憩)
9. A Felicidade
10. Quilombo
11. Passo De Doria
12. Waiting Song
13. Samba Em Preludio (B.Powell)
14. Mais Um Adeus (Toquinho)
15. Samba Da Volta (Toquinho)
16. Fire Fly
17. Tadd'S Delight
18. Life Is All Like That
EC. Carinhoso [渡辺貞夫, 小野塚晃Duo]