LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS


 つつみしんやのひとりごと  2018年 7月
    感想・ご意見は→ shinya◇shin223.com
    メールをくださる方は、上記アドレスの◇を@に変えて送ってください。(スパムメール対策)   


2018.7.1

3周年 13周年 100回目 1冊目

昨日は妻達の社団法人アイアイ・アソシエイツの
3周年と株式会社アイプラス13周年記念のイベントが、
東京国際フォーラムの会議室で行われ、
100名余りの方が集まった。

そのイベントは、コミュニティサロンと呼ばれる
毎月1回開催されているイベントの
記念すべき、100回目でもあった。
参加者には、7月20日に書店に並ぶ、
妻の本『超解釈 サルトルの教え』の
特別に1冊ずつ配られ、
前日の夜にあわててサインを考え、
練習していた妻のプチサイン会もあった。

私は、例年通り記録係(カメラマン)として参加。
帰ってみたら、二次会まで合わせて
約1000枚撮影してたよ。



写真は、実際に手にした書籍。
2〜3年前から妻は「本を書く」とは
言っていたが、実際にそれが自費出版ではなく、
大手の出版社(光文社)から出版されるに至るには、
多くの人との出会いやサポートがあったわけだ。
昨日は、光文社の編集長も来られ、
インタビューもあり、興味深い話が聴けた。

16年前、昨日の会場でもあった
東京国際フォーラムで行われた、
あるプログラムに妻は参加し、
その時「個の発展 120万人」という
インスピレーションを得たらしい。
(ちなみに私は、その会場にスタッフとして
いましたが何も覚えていない。)
それから16年。
そのビジョンに向かい着実に前進し続けてきた結果が、
昨日のイベントで表わされていたと思う。



本の出版に合わせて、サルトル塾なるものも
始めるらしい。

サルトル塾





2018.7.2

訃報 桂歌丸

最後に観た高座は、昨年11月 5日の
横浜は関内ホールの
「関内寄席 桂歌丸落語会
〜 桂歌丸が認めた若手噺家との共演会 〜 」
だった。
酸素吸入器を付けての高座でありながら、
声だけ聴いていると、全くそんなこと
感じさせない、噺家魂を感じる高座だった。
演目は、「ねずみ」一席のみ。
もう、二席演れる身体ではなかったんだ。

思えば、私が落語にハマるきっかけは、
なんとなく行きたいなと思っていた、
落語会に初めて行った、
関内ホールでの「桂歌丸 独演会」。
2013年だから、もう5年前の3月のこと。
その時の演目は、「蒟蒻問答」と
「三遊亭圓朝 作 真景累ヶ淵 二、深見新五郎」。

余りの素晴らしさに感動し、それ以降の
「真景累ヶ淵」は、最終の7話まで
毎回、足を運んだ。

数えてみると、聴きに行った歌丸師匠の高座は、
2013年3月から2017年11月まで、
4年半の間に 14回に及ぶ。
そのうち、10回が独演会的な落語会だった。

そして、落語にハマった私は、
この5年間あまりで144回の落語会に行き、
CD や DVD で聴いた落語を合わせると、
2000席近い落語を聴いた。
それなりの落語ファンだと思うが、
まだまだ知らないこともある。

初めて行った落語会がつまらなかったら、
ここまで落語にハマることもなかっただろう。
そういう意味でも、最初の落語会が
歌丸師匠で良かったと思う。

最後の高座は、今年4月19日の国立演芸場での
「小間物屋政談」だったようだ。
酸素吸入器をつけながらも、
生涯噺家を貫かれた歌丸師匠。
感謝です。
ゆっくりお休みください。

合掌。





2018.7.3

幕の内弁当

人生には「明と暗」がある。
「明と暗」でピンと来なければ、表と裏、
プラスとマイナス、光と影、陰と陽、
ポジとネガ、ダークサイドとライトサイド、
ダウンサイドとアップサイドでも良い。

私たちは「明」は欲しいが、
「暗」は好ましくなく、排除しようとする。

ところが、お日様が当たれば、
必ず日影が出来る。
日影を作らずに日向を作ることは出来ない。
昼があれば、夜もある。
昼が好きだから、夜は要らないと
いうわけにはいかない。

仕事でも家庭でも、人生全般において、
欲しくないことを排除しようとし、
人生をコントロールしようとし始めると、
やがて限界が訪れる。

例えば、経営者が気に入らない社員を
クビにし続けていたら、その会社の
発展はないだろう。

自分の思い通りでないからと、
家族の批判ばかりしていたら、
円満で幸福な家庭はないだろう。

そんなことは、分かっている。
しかし、分かってはいても、
人生の「暗」は欲しくなく、
ついつい、抵抗してしまう。

今、妻が仕事にしてる講座を受けているが、
それは20回の講座で、早くも先日11回目が
終わった。
ちょうど今扱っているトピックが、
「暗」なので、そういうことばかりが
目につくというか、意識に上る。

講座は、自分の「個」を発展させる目的だ。
自分の「個」が発展する時、
「明」だけが発展するものと思っていたが、
そうではないようだ。
考えてみれば、そりゃそうだ。
「個」は「明」も「暗」も含んでの「個」だ。
片方だけ発展するなどという
いびつなことは起こらない。

両親を観ていると80歳を過ぎて、
今まで抑えつけていた「暗」が吹出して
しまったようで、どうにもしんどい状況が
起きている。
それは、父母の「暗」であると同時に
私の、私達家族の「暗」でもある。

では、その欲しくないけど存在し続ける
「暗・陰・ダークサイド・ダウンサイド」と
どう付き合って行くのか。
どう付き合っていけば、自分はその「暗」を
含んでもなお、幸福に生きられるのか。

答えは、いともシンプルだ。

包含、許容。

言葉にすれば、そんな簡単な言葉になるが、
これが、大変にチャレンジングで、
それが出来ないがために、
世の中では、たびたび殺人事件にまで発展する。

先日、一緒に講座を受けている N 氏から、
この「暗の包含」をとても上手く、
言い表した言葉を聴いた。
N 氏が敬愛する K さんから言われた言葉で、
私もその K さんを知っているので、
大変に K さんらしい表現で気に入ったので、
ここに書いておくことにした。

---------------------------------
人生に好ましい事ばかり望むのは
幕の内弁当を頼んでおきながら
漬物がキライだから
代わりに卵焼きをもう一切れ入れてくれと
言う客ぐらい滑稽だよ
好きなおかずも
どうでもいいおかずも
全部で幕の内弁当であり
それが人生だよ
全部平らげて
味わい尽くしてやんなよ
---------------------------------

「人生は幕の内弁当、好きなおかずも
嫌いなおかずもあるよ」と言うだけなら
感動しなかったかもしれないけど、
最後の
「全部平らげて味わい尽くしてやんなよ」
にやられたね。

おぅ、全部平らげて味わってやろうじぇねえか。
って気になるよ。

大阪弁でもう一度。

よっしゃ、全部食べて味わったろやないか。





2018.7.4

13年 と 衛藤

妻と妻の相棒のU子さんとが
始めた会社が、6月で13周年を迎えた。
13年かぁ〜。
あっという間やなぁ。

毎年6月は、会社が続いているお祝いで、
ご馳走を食べに行っているのだが、
今年は都合で今日になってしまった。
先月初めて行ってファンになった
蒲田の日本料理「衛藤」へ。

月が変わったせいか、嬉しいことに
メニューがほとんど(もしかしたら全部)
違っていた。
どの料理も素晴らしかった。
特に印象に残ったのは、
アワビのから揚げ!絶品!

写真は、撮るつもりはなかったけど、
鮎の塩焼きは思わず撮りたくなった。



8匹(4人分)の鮎が まるで
泳いでいるかのように盛り付けられて登場。

1匹のアップ


シメのご飯。
おかずは天然ウナギのかば焼き!



また行きたい。





2018.7.5

超解釈 サルトルの教え
人類最強の哲学者に学ぶ「自分の本質」のつくり方


7月20日に妻の本が書店に並ぶ。
タイトルは、『超解釈 サルトルの教え
人類最強の哲学者に学ぶ「自分の本質」のつくり方』。



先日、一足先に入手したので読んだ。
ゲラの段階で一度読んだので2回目だけど、
ゲラの時はまだまだ未完成だったので、
完成品を読むのが楽しみだった。

内容は、サルトル先生に色んな人が
人生を習いに来る、7つのストーリー。

父親とうまく行かない21歳の大学生、
金欠の若いビジネスマン、
業績不振に悩む居酒屋店長、
人生を迷う20代女性、
起業を考えている30代男性、
部下のミスに悩む中間管理職の男性、
甲子園を目指す高校野球部員、
彼らが抱える悩みや問題の本質を
サルトル先生が問答であぶり出し、
解消し、前進へと導く。
基本になるのは、サルトルの哲学だ。

サブタイトルに「超解釈」と
付くように妻の独自の視点もあるのだろが、
サルトルの哲学は、大変にシンプルで
力強い哲学だ。
ちゃんと勉強をしたことがないので
詳しいことは分からないけど、
少なくともこの本に書いてあることは、
誰にでも分かるだろうし、実践可能だろう。

私は、実際に妻の講座に来て、
「人生が変わった」という人を何人も
知っている。
この本を読んだだけで、人生が楽になるほど
世の中は甘くないかもしれないけど、
一つでも、気付きがあり、
「自分を創る」「未来を創る」、
そのきっかけになればと思う。

これから数か月間、妻はこの本を持って、
北海道から九州・沖縄まで
全国を「個の発展」を説いて周るそうです。


それにしても、よく本を出版するところまで
来たもんだと感心しております。
私の20〜30代前半の頃の夢は、
プロ・ミュージシャンになって、
CD を出して、映画に出て、本を出版して、
と思ってましたが、今のところ、
何も実現していません。(無理)
でも、妻が有名人になったら、暴露本
「不思議な妻」を書こうと思います。





2018.7.6

MICHEL LEGRAND TRIO
ミシェル・ルグラン・トリオ


勉強不足でした。
今年86歳になった、ミシェル・ルグラン。
映画音楽の人だと思っていたら、
マイルス、コルトレーン、サラ・ヴォ―ン
オスカー・ピーターソンらと共演歴のある
ジャズ・ピアニストでもあったのね。

そのミシェル・ルグランの5年ぶりの来日公演。
ブルーノート東京の30周年記念公演でもあり、
日仏交流160周年ということもあってか、
在日フランス大使館が後援し、
ローラン・ピック駐日フランス大使が、
ブルーノートのサイトにコメントを
公開するまでの力の入れよう。
公演は、昨日から4日連続8公演。
86歳ですぜ。

実は私は、ミシェルのファンと
いうわけでもなく、今日のライヴも
行くつもりではなかった。
ひと月ほど前にブル―ノートの
ポイントが貯まり、招待券をもらったので、
その有効期限内で観るとしたら、これだな、
と選んだのが、ミシェル・ルグラン・トリオ。

選んで大正解。
「死ぬまでに観たいアーティスト・リスト」には、
入っていなかったけど、
「死ぬまでに観られて良かったアーティスト・
リスト」(今日、作った)に入ったよ。

東京は、天気が良くなかったのに満席で
日本での人気の高さに、ちょっと驚いた。
って、私がよく知らなかっただけやねんけど。

ミシェル・ルグランというと
『シェルブールの雨傘』が一番有名で
日本人でも多くの人が題名が分からなくても
聞いたことがあると思う。

それ以外にも今日、メロディは知っているけど、
題名が分からないというレベルの曲を聴いて、
「へぇ、これも、これもミシェル・ルグランの
作曲だったの?」と、その人気の高さも
納得でした。
『風のささやき/The Windmills Of Your Mind』
『おもいでの夏/The Summer of '42』
どちらも映画音楽で、私ぐらいの年代なら
おそらく多くの人が、聴き覚えがあると思う。

そして、一番ビックリは、
私が大好きで、もう、何度も何度も演奏してきた
『Watch What Happens』。
これもミシェル・ルグランだった。
どこかで何かの映画の曲というのは、
読んだ覚えがあったけど、作曲家までは
きっちり覚えてなかった。
もう、今日で覚えたぞ。

「I had a dream」というフランス語なまりの
英語で始まった語り付きの演奏。
『Watch What Happens』から始まり、
色んなジャズ・ピアニストのスタイルで
弾いたのだけど、語りの意味が分からず、
非常に残念。
私のヒアリングが、間違っていなければ、
どうも、子供の頃にピアニストに
なりたくて、どうのこうの、
大きな男、デューク・エリントンに
会って、どうのこうのと
『Take The A Train』を演奏。
ファッツ・ドミノやアート・テイタムとか
カウント・ベイシーなど
色んなピアニストが出てきた。
ああ、意味知りたい。
CD か DVD 出ないかな。
あ、YouTube にあるかもな。
探してみよう。

『シェルブールの雨傘』は、
シンプルにイメージ通りに始まり、
どんどんとリズムが、チェンジしていく。
4ビート(ミシェルは『ハイ・ソサエティ』と
声をかけたように聞こえた)、続いて
ワルツ、ボサノバ、タンゴ、ニューオリンズ風、
そして最後はロシア風。

これは、先日 YouTube で見つけた。
面白いです。

MICHEL LEGRAND
- I WILL WAIT FOR YOU - LES PARAPLUIES DE CHERBOURG


この動画で、ボサノバの時に弾くフレーズが、
私には同じミシェルでも
ミシェル・ペトルチアーニの
フレイズに聞こえた。
考えてみれば、同じフランス人だし、
ペトルチアーニの方が、(生きていたとしても)
ずい分若いわけだから、ペトルチアーニが
ルグランの影響を受けていたとしても、
全く不思議ではないな、と思った。
私が知らないだけで、そのフレイズは、
ジャズ・ピアノでは一般的なのかもしれないし。

この動画は、2001年の演奏で、
メンバーもミシェル以外は違う。
今のトリオでも何度も演ってそうだけど、
なんというか、新鮮に演奏している感じだった。
それはライヴ全般にも言えた。
例えば1曲目は、テーマに複雑なリズムの
キメがあるブルースだったのだけど、
キメが決まり、曲が終わった時に
ミシェルは、ドラムマーに向かって
親指を立てた。
また、ベースをフューチャーした曲では、
終わった時にベーシストに向かって
ガッツ・ポーズをして見せた。
終わりのテーマをルバートでベースが
メロディを弾いている時、
いきなり違う曲を始めたのかと
思うような、違うキーのコードを
ミシェルが弾いた。
その時、ベーシストがちょっと
驚いたような表情を見せた。
でも、ベーシストはすぐに理解したように
弾き始めた。
ミシェルが転調し違うキーを弾いたのだ。
その後も数回、キーを変えた。
ベーシストはそのたびに対応して弾いた。
こんなこと、事前に打ち合わせをせずに
やるだろうかと思うのだが、
あの表情からは、予定調和の匂いがしない。
想像だけど、かなり、その場その場で
創っているんじゃないだろうか。
だから、ガッツポーズだったんじゃないかと思った。

もちろん、ジャズはそういう音楽だけど、
今日のドラムのセバスティアン・デ・クロムは、
ミシェルの正面に向かい合って、
ず〜っとミシェルの顔を見ながら叩いていた。
あんな風にピアノに寄り添い、反応する
ドラマーは、もしかしたら初めてかも知れない。
なにしろ、ミシェルは、シンコぺの合図を
眉毛の動きで出しているようにさえ見えたもんね。
ただ、リズムに合わせて眉毛が
動いていただけかもしれんけど。
とにかく、セバスティアンの表情を観ていても
その場その場でミシェルの意図を汲んで
創り上げているように見えたよ。
でなければ、あんなに真剣にピアニストの
顔を見ていないだろうと思う。

マイルスの曲と言って(言ったと思う)
バラードとロック調の2曲を演ったけど、
そのロック調の曲のドラムが特に素晴らしかった。
(曲名の紹介があったけど失念)

1曲終わるごとのミシェルの
嬉しそうな感じも印象的だった。
いいなぁ、86歳であんな風に音楽していたい。
5年前の来日時のインタビューで
頭の中で切れ目なくメロディが鳴り続けていると
答えたという。(こちら参照
スゴイ。


[ MEMBERS ]
Michel Legrand / ミシェル・ルグラン (p)
Geoff Gascoyne / ジェフ・ガスコイン (b)
Sebastiaan De Krom / セバスティアン・デ・クロム (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd show




ここまで書いておきながら、
肝心の映画『シェルブールの雨傘』や
『おもいでの夏』を観ていないのは、
いかがなものかと思ったので、
やっぱり観なきゃね。

今日もミシェルは、少し歌ったし、
ピアノに合わせてスキャットもした。
そんなシンガー、ミシェル・ルグランの
若い頃(53年前)の動画を発見!

Nana Mouskouri & Michel Legrand - Quand on s'aime (1965)



(2018.7.18 追記)
ブルーノートの LIVE REPORTS より

[SETLIST] 2018 7.6 FRI. 1st & 2nd
1. Ray Blues
2. Once Upon A Summertime
3. You Must Believe In Spring
4. What Are You Doing The Rest Of Your Life
5. Family Fugue
6. Dingo Lament
7. Dingo Rock
8. Les Pianistes De Jazz
9. Les Parapluies De Cherbourg
Ec. The Windmills Of Your Mind

本文中に書いたマイルスの曲は、
「Dingo Lament」と「Dingo Rock」。
これは、映画『Dingo』からの曲で
マイルス自身もトランペッター役で
出演していた映画らしい。
8曲目「Les Pianistes De Jazz」が、
物まね入りの「Watch What Happens」かな。




7人死刑執行

いきなり、ドキッとするような
タイトルを書いてしまった。
オウム真理教による一連の事件で
死刑が確定していた松本智津夫(麻原彰晃)を
含む7人の死刑囚の死刑が今日、執行された。

オウムがらみの事件は、
地下鉄サリン事件、松本サリン事件、
坂本堤弁護士一家殺害事件ぐらいしか
覚えていなかったのだけど、
昼間のニュースで、上川陽子法務大臣が
読み上げる7人の罪状を聞いていて、
そんなにたくさん(13件)酷いことを
したのかと改めてことの重大さを感じた。
サリンの2つの事件だけで、
死者は21人、負傷者は6300人以上だという。

彼らは、重大で深刻な罪を犯したけど、
同じ日に7人もの執行というのは、
過去にはないらしい。
今日は、日本の歴史に残る日だろう。
そう思うと何か書いておかねば、と思うのだが
問題が大きく、深すぎて、
何を書いてよいのか分からない。

いくつかのニュースを読んでいると、
こういうのもあった。

オウム死刑囚「7人執行」で法務省は「何を隠した」のか





2017.7.8

父 米寿

昭和5年7月7日生まれの父は、
88歳になった。

昨日、米寿の祝いに大阪まで行ってきた。
(最近は、大阪に「帰る」という感じが
しなくなって「行ってきた」と書いてしまう。)
お祝いは、家族8人で、甥(父の孫ね)が
勤めるイタリア料理店で。
甥は仕事なので、飲み食いは7人だけど。

父と母2人合わせて、170歳を超えたけど、
お陰様で深刻な病気もなく健在だ。
時々は夫婦喧嘩もあるみたいだけど、
結婚して、59年になる。

ここ数年思うのは、父の変わりよう。
昨日も「ここまで来られたのは、
母のおかげだ」と家族の前で
母に礼を言っていた。
いや、以前は礼を言わなかった人と
いうわけではないが、
以前とは何かが違っていて、礼に限らず、
こんなこと言う人だったかな、と
思うこともしばしば。
それは、父が年を取ったということも
もちろんあるのだろうけど、
考えてみればと父のことを、
私はほとんど知らないんだ。
子供の頃から、父に何かを
反対された覚えはない。
母は、(それが母親というものだろうし、
心配してくれていたからだろうけど)
何かと口うるさかった覚えがあるが、
父は、ホントに何も言わない人だった。
「勉強しなさい」なんてもちろん言われた
覚えはないし、私が学校を出て就職しなくても、
「仕事に就け」と言われた覚えはない。
今、気が付いたけど、
なぜ、何も言わないのかも聞いたことがない。

母は、父に不満があるようで、今でも
「話を聞いてくれない」だの
「会話ができない」だのと言う。
しかし、父から母への不満を聞いたことはない。
いや、母のことに限らず、仕事だろうが
世間だろうが、何かへの不満や愚痴を
聞いたことがない。
時に自分の中で何かを抑えつけて
溜めているのではないかと心配になるほどだ。

そして、母は父が「話を聞いてくれない」と
言うけれど、周りから見ても、父が母の全てを
受け入れているのが分かる。
頑固で、融通の利かない困ったところも
ある人だが、私は父に見習うべきところも多い。



孫夫婦にプレゼントされた米寿祝の
黄色いちゃんちゃんこ(鶴と亀甲柄)と
大黒頭巾を身に付けた父。


来年、両親は結婚60周年(ダイアモンド婚式)。
そして、再来年は、父の卒寿、姉の還暦と続く、
そのうち(あと4年)で、なんと私が
還暦を迎え、その翌年は、母が米寿だ。
まあ、全て、生きていればの話だけどね。





2018.7.9

シェルブールの雨傘
Les Parapluies de Cherbourg


先日、ミシェル・ルグランのライヴを観て
映画『シェルブールの雨傘』を
観なきゃと思った。
便利な時代になったもんで、今では
DVD や Blu-ray を借りなくても、
ストリーミングのレンタルがある。
タブレットを使って、
週末の大阪往復の新幹線の中で観たよ。
Amazon Prime で、400円。

感想。
ストーリー自体は、なんてことのない映画。
「悲恋映画の傑作」ということだが、
私には、そこまでの物語とは思えない。
だって、17歳の娘が、彼氏が2年間の
兵役に行っているのを寂しくて待てず、
彼の子供を身ごもっているにもかかわらず、
金持ちの男に求婚されたら、
結婚してしまうというストーリーだもの。
戦争によって、一時離れ離れになるけど、
彼は生きているし、手紙も来るのに。
「なんだかなぁ」って感じ。

でも、本作が大ヒットしたのは、
喋るセリフが一切なく、全編、歌という
ミュージカルということと、
その音楽の素晴らしさ、そして
若かりし頃のカトリーヌ・ドヌーヴの
美しさだろうな。
残念ながら、カトリーヌ・ドヌーヴは、
金持ちの男と結婚するとなったとたん、
観ていて、かわいくなくなるんだけど。
(これは、男の気持ちでしょう。)

喋るセリフがない完全なミュージカルと
いうのは、この時代(1964年)には、
画期的なことであったようだ。
そしてやはり、音楽は素晴らしい。
主題曲『シェルブールの雨傘』の
切ないメロディ、そして、
繰り返し色んな歌詞で登場する
『Watch What Happens』。

ただ、深刻なシーンでもセリフが歌なので、
ミュージカル好きな人でないと、
ちょっとしんどいかな。
私には、間が抜けたように感じる
シーンもあったし、もともとミュージカル
ファンでもないので、全編歌にする
必然性も分からないです。

カトリーヌ・ドヌーヴにしろ、
他のキャストにしろ、歌っているのは、
本職の歌手らしく、つまりは、
出演者の声は、この映画では聴けない。
はっきりしたメロディがあるような
ないようなシーンも多く、
吹替えの作業は大変だっただろうなと
余計なことを思いながら観た。

あと、色がきれい。
フランス人は、本当に家の壁を
こんな色にしているんだろうか。
日本人の感覚では、ちょっと
落ち着かない気がしないでもないが、
色使いやデザインは、さすがフランスという感じ。
50年以上前の作品なのにこの美しい色合いは、
おそらく、デジタルリマスターなんだろう。

カトリーヌ・ドヌーヴは、
映画の前半では、17歳の役だが、
ちょっと大人っぽくて17歳には見えないな。
実際撮影時は、19〜20歳だっただろう。
エレン・ファーマーという女優も
出演しているが、この人も美しい。

シェルブールは、フランス北西部の港町の名前。

オープニングの傘の映像は、
Saul Leiter を思い出した。


★★★▲☆





2018.7.10

壊れてしもた

冷蔵庫が壊れた。
昨夜遅くから、キッチンのどこかで時々、
「カチッ」という聞きなれない音がしていた。
気になったけど、夜遅かったので、
原因を突き止める気にならず、そのまま寝た。
たぶん、その時点で壊れていたんだと思う。

今日、帰宅して、冷蔵庫を開けると、
冷えていない時のあの独特の臭い。
そして、冷凍庫・・・。

今、セブンイレブンでは、700円以上買うと
アイスクリームや缶コーヒーなどが当たる、
ハズレなしのくじを引かせてくれる。
先日、セブンイレブンで14,000円の支払いをした。
弁当やジュースをそんなに買ったわけではない。
コンビニ引取りで買ったものの 支払いだった。

それで、20枚のくじを引いて、
10枚以上、色々なアイスが当たった。
いくつかは食べたけど、
冷凍庫にはそのアイスクリームが
まだまだ残っていた上に、
そのくじの前に買ってあった未開封の箱入りの
「ガリガリ君ソーダ(7本入り)」も入っていた。

つまり、普段になく、最高に冷凍庫の中が
充実していたのだ。
冷凍庫を開けると、コンビニの
アイスコーナーのようで、
どれを食べようかと選ぶのも楽しい
この数日だった。
それなのに・・・。
こんな時に限って・・・。

ガリガリ君は融けるとジュースのように
液体になるんだね、グスン。

そういうわけで、ネットで新しい冷蔵庫を発注。
でも、我が家は数日間、冷蔵庫なしの
暮らしを送ることになった。
夏なのに。

考えてみれば、壊れた冷蔵庫は、
結婚前に買ったもので、
ちょうど20年使ったことになる。
寿命ですな。

おかげで、冷蔵庫の中の整理ができた。
引越しの時、一度整理をして、
まだ半年しか経っていないのに、
結構、汚いし、捨てるもんもあった。

ちなみに「冷蔵庫 寿命」でググってみて、
いくつかの記事を読んだところ、
もちろんモノによるだろうが、
大体、10年のようだったので、
20年使ったということは、
長持ちした方なんだろう。

今年は、テレビも洗濯機も買い換えた。
そういう時期なのかもな。





2018.7.11

幸福は筋肉だ
サムライ・ギタリスト


最近、毎日読んでいる JAZZ GUITAR BLOG
先日、samuraiguitarist なる人の動画が
紹介されていた。
それは、ギター演奏の動画ではなく、
「単なるギタリスト以上の人間になろう
(Be More Than Just A Guitarist)」という
テーマで5分ほど語っている動画だった。
英語なので、聞いても分からないけど、
JAZZ GUITAR BLOG に一部、
訳が書かれていて、つまりは、
「ギター以外にも何か充足感の得られる
ものを持とう」というような内容らしい。
でないと、ギターしかやっていないと
ギターで行き詰った時、どうしようもない
精神状態になるからだ。

で、そのことを「幸福とは筋肉であり、
他の全てと同様に鍛えていく必要があるものだ
(happiness is a muscle that like anything
else needs to be worked)」とまとめているらしい。
JAZZ GUITAR BLOG の記事

なるほど、「幸福を鍛える」という
発想は非常に面白い。
普段から幸福を鍛えていれば、
多少のブレイクダウンがあっても、
へっこんだり落ち込んだりせずに
済むかもしれない。

で、この samuraiguitarist、動画(演奏)を
いくつか観てみたがとても良い。
特にこの "While My Guitar Gently Weeps"
(ビートルズのカバー)は、素晴らしい。
ストラトキャスター1本のソロ・ギターは、
音色的に難しいと思っていたのだけど、
そんな既成概念は、簡単にぶっ壊されました。

5本のギターを同時に演奏する、
この『エリーゼのために』も、発想が面白い。
やろうとは思わないけどね。

一度に8つ(ハーモニカ、キーボード、
ウクレレ3台、ベース、ドラム、タンバリン)を
演奏するこの動画を観ると、
かなり、器用な人であることが分かる。
(ウクレレが3台なのは、それぞれ開放で違う
コードがなるようチューニングしているため。)

日の丸を頭に巻いていたり、
動画の終わりに合掌してお辞儀をしたり、
サムライと名乗ったり、かなり、
日本に傾倒している印象だけど、
カナダ人で、Steve-san Onotera という名前。
日系人なのかな。





2018.7.15

山本時嗣プロデュース!
「超解釈サルトルの教え」出版記念!

「今」を生きたい人のための「集中力」を
一瞬で高める サルトルのFOCUS SHOW


7月20日の発売に先立ち、
昨日、大阪・梅田の蔦屋書店で
妻の本の出版記念イベントがあり、
先週の父の米寿祝に続き、
2週連ちゃんで大阪に行ってきた。



4年ほど前、妻の講座に参加していた、
Tさんという方が、妻に出版を勧めたそうだ。
その頃、妻は本を出す気などなかったのだけど、
Tさんは、妻に山本時嗣(ときおみ)さんという
作家プロデューサーを紹介した。
山本さんは、10万部のベストセラーや
ロングセラーとなる作品を
多数プロデュースされている人で、
ご自身も『日本一幸せな大富豪』という
本を出されている。

それから、4年かかって、ついに
本が世の中に出ることになった。

昨日のイベントは、その山本さんの
イベントでもあったのだ。
大阪だけではなく、兵庫、愛知、岐阜、
東京から、87人もの人が集まり、
満席のイベントとなった。

山本さんと妻のクロストークと、
質疑応答で2時間強。
私は、例によって写真撮影係。
妻の話を聴いている方々の表情を見ながら、
内心「おもしろくないんじゃないか」
「たいくつなんじゃないか」と
心配したが、終わってからの評判は上々で、
サイン・タイムには多くの人が並んで、
妻のサインをもらっていた。
来てくれた私の友人たちも良かったと
言ってくれたので、一安心(なんで俺が?)。

イベント後の懇親会にも50名以上の方が
参加し、こちらも盛り上がり、
私は久しぶりに会った、友人3人と
2次会でまた盛り上がったのでした。






ジュラシック・ワールド/炎の王国

JURASSIC WORLD: FALLEN KINGDOM


映画『ジュラシック・パーク』は、
もう25年も前の映画なのだな。
ちょっとびっくり。

それから、数えてシリーズ5作目となる
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』。
年とともにこの手の映画には、
どんどん興味がなくなり、
観るつもりではなかったけど、
時間つぶしに映画館に行ったら、
本作が、ちょうど良い時間だったので、
まあたまにはいいかと観てみることにした。

娯楽映画であるだけでなく、
遺伝子操作生命をもてあそぶ人類への
警告というテーマも十分に伝わってくるのだが、
中盤の火山爆発あたりがピークで、
後半は、ちょっと飽きてしまった。
悪者は恐竜に殺され、
何があっても主人公たちは死なないという
予定調和に もう驚きはなく、
ストーリーは意外性に欠ける。

ただ、恐竜、CGは迫力あります。
その技術の進歩は、本当に素晴らしい。

そして、「続編があります」的な
エンディングを見る限り、
まだまだシリーズは続きそう。


★★★☆☆





2018.7.16

HALIE LOREN
ヘイリー・ロレン


昨夜は、ヘイリー・ローレンのライヴ。
前回の観たライヴが いつだったのかと
見てみて驚いた。
2013年7月20日、もう5年も前だったのか。

昨夜のヘイリーの話では、
今回が10回目の来日で、
コットン・クラブの公演は8回目だという。
まだ34歳だから、10回の来日は、
多い方じゃないだろうか。
それだけ、日本での人気があるんだろう。
今回もコットン・クラブ(東京)で4日間
7公演、Billboard LIVE(大阪)と
ブルー・ノート(名古屋)で
それぞれ1日2公演が行なわれる。

5年前のライヴのレビューには、
「あどけない」という表現を使っているが、
さすがに30歳を超えたからだろうか、
あどけないとは感じなかったけど、
何かが(良い意味で)あか抜けていない
感じがした。
「オレゴンに在住」と言ったと思うけど、
ニューヨーク(都会)在住じゃないことと、
そのあか抜けない感は関係あるのかもな。

私がこの人を好きなのは、
あまりジャズジャズしていなからだ。
「ジャズジャズしていない」なんて
変な表現だけど。
今日もノラ・ジョーンズ、キャロル・キング、
プロコムハルムからボブ・マーリーなど
多彩なカヴァーを聴かせてくれた。
ヘイリーを好きになったきっかけの
『青い影(A Whiter Shade Of Pale)』が
聴けて満足です。
ニュー・アルバムからも数曲演奏。

バンドも良かったな。
歌伴に徹しており、派手ではないけど、
後半に進むにつれて、バンド感も
感じられて好印象。
特にピアノの Matt Treder は、
他の3人がクールに演奏するのに比べて、
とっても嬉しそうに演奏するのが
印象的だった。
この人は、2013年の来日も一緒だった人。
ずっと演ってるのかもな。
ベーシストとドラマー(女性)は、
初来日とのこと。


[ SETLIST ](たぶんです。)
1. L-O-V-E
2. Don't Know Why
3. How To Dismantle A Life
4. ?
5. It Don't Mean A Thing
6. I Feel The Earth Move
7. Painter's Song
8. Waiting In Vain
9. A Whiter Shade Of Pale
10. Fly Me To The Moon
11. Wisdom
12. Wild Birds
13. Bye Bye Blackbird
14. Blue Skies
EC. Sway (Quien Sera)

[ MEMBERS ]
Halie Loren (vo)
Matt Treder (p,key)
William Seiji Marsh (g)
Sean Peterson (b)
Susan Lucia (ds)

@ Cotton Club Tokyo
2nd show







2018.7.17

Lurid Sunset
燃えるように真っ赤な夕焼け




今日の夕焼け。
19:09、i-Phone で撮影。
撮って出し(編集していない)です。
凄い色やね。





2018.7.18

サルトル先生の答え と 木村先生

明後日 発売となる妻の著書、
『超解釈 サルトルの教え』

内容は、サルトル先生に色んな人が
人生を習いに来るという
7つのストーリーから成る。

出版社の人が考えたのだろうか、
誰が考えたのか知らないのだけど、
本の帯には「過去は消していい。
今、この瞬間だけを見つめろ!」とあり、
その下に小さな字で
「あなたの人生を根本から変える7つの授業」
とある。

そして、妻は実際に「サルトル塾」と称して
7つの授業を開講することになった。

先日の大阪梅田の蔦谷書店での講演会では、
そのデモンストレーションともいえる、
質疑応答が行われた。

80数名の参加者がいらしたわけだが、
皆さん、まだ本を手にしたばかりで、
読んでいないので、それほど積極的に
質問があったわけではないけど、
数人の方から質問があった。

妻に言わすと、答えられない質問はないという。
ある意味でこれは特殊な能力だろう。
もちろん、出てきた妻の回答に誰もが納得し、
問題が解消するわけではないだろうが、
私自身が、考えあぐねている時に妻に相談をして、
思いもつかない答えを何度も
もらったことがあるのは事実だし、
公の場でもそんな回答をする妻を見てきた。

さて、先日の質疑応答では、
30代だろうかある男性がこんな質問をした。

「好きなことを仕事にした方がいいのか、
好きではないことを仕事にして、
プライベートを充実させた方が良いのか
迷っています。
どちらが良いのでしょうか?」

私の頭の中では、
「そんなん自分で決めぇや。
答えなんかないで」とか
「好きなことが仕事になるなら、
仕事にしたらええのに。
何ぜいたく言うてるんやろ」
という反応が起きていた。

で、サルトル先生になりきった妻はなんと答えたか。

曰く
「どちらでも良いです。
どちらでも同じことです。」

好きなことを「仕事」にしたら、
好きではないこともやらなければならなくなる。
だから、同じことですと。

私の中にはない、答えだった。

私は、好きな音楽を仕事に出来なかった人だが、
十分に趣味で音楽を楽しんでおり、
そのことに何の疑問も不満もない。
しかし、それを「同じこと」と考えたことは、
今まで一度もなかった。

サルトル先生の教えは、
「自分が誰として生きるか」を
創りだすことである。
自分は誰なのかが重要なのであって、
何をしているかは、重要でない。

その観点から人生を見てみると、
「自分は誰であるのか」が、
その人が幸福か不幸かさえも
決定しているように見えてくる。


話は変わるが、3年前に『みんなの学校』という
ドキュメンタリー映画を妻と観た。
大阪市立の大空小学校で、不登校ゼロを目指し、
実際に不登校児がゼロだという学校で、
その教育の姿勢は、感動的でもあり、
木村校長のぶれない信念にも、
尊敬の念を抱いた覚えがある。
その映画にいたく共感した妻は、
自分たちで自主上映会を開いたほどだった。

あれから、3年。
その木村元校長に妻が会ってきた。
妻の仲間が、あるイベントで木村先生を見かけ、
声をかけたのがきっかけで、
直接お会いする機会にまで発展したのだという。
こういう風に希望や願望を現実化するのは、
彼女には、珍しいことではない。

木村先生は、今は大空小学校の校長を辞され、
日本全国はもちろん海外にまで、講演に出かけられ、
大変多忙にされているということだ。

妻が聞いてきた、木村先生の話がまたスゴイ。

木村先生は、大空小学校を辞められてから、
一度も訪れていないのだという。
もう、後任の先生に任せたのだから、
その人たちを信頼し、ご自分は次のヴィジョンに
向かって、生きておられるということなのだろう。

小市民の私なら、自分が作り上げた校風が
ちゃんと守られているかどうか気になって仕方がなく、
しょっちゅう様子を観に行ってしまいそうだが、
さすがは大きな人はそんなことはしないのだな。

そして、映画公開に先立ちテレビで
大空小学校のことが報道された後には、
全国各地から、支援を必要とする子どもたちが
数多く、校区内へと引っ越したらしいが、
木村先生は、「大空小学校を特別にしないで欲しい」
と言われたそうだ。
なるほど、全国の全ての小学校が大空小学校のようで
あれば、日本から不登校はなくなるわけだ。

そして、不登校がなくなるだけではなく、
日本の未来が変わるのだと思う。


みんなの学校





2018.7.19

Laguna Moon 13年目

ギターとフルートのデュオ、
Laguna Moon は、今年で13年目。
ここ数年は毎年、春ごろから秋口まで、
練習をするプロジェクトになっている。

今年もすでに6回、毎回2時間ほどの
2人のセッションを行なった。
ここのところ、アントニオ・カルロス・ジョビンの
曲ばかりに取り組んでいる。

ジョビンには、"The Girl From Ipanem",
"Wave", "Corcovado", "Chega de Saudade",
"One Note Samba", "Desafinado" など
有名曲が多いが、全く聞いたこともないような
曲をフルートの梅林さんが見つけてきて、
演ってみるのだが、やはり有名曲の方が、
良く出来ている曲が多い。
それでもやっぱり、ジョビンの曲には
ユニークなものが多いと思う。

ほとんど毎回のように、初見で知らない曲に
取り組むのだが、この初回の演奏が
とても面白い。
聴いたことのない音楽を自分が演奏しながら
初めて聴くという、音楽を演らない人には、
体験し得ない体験なのだ。
そして、お手本がないので、
全くのその場で自分のアイディアと勘で
演奏することになる。
それは、人に聴かせられるレベルでは
ないのかもしれないけど、
演っている本人たちは、大変楽しいことなのだ。





2018.7.20

Eric Clapton "Life in 12 Bars"
ポスター公開


11月に公開予定のエリック・クラプトンの
ドキュメンタリー映画『Life in 12 Bars』の
ポスターが公開された。
サントラにも使われている、
エリックがギターを弾きながら、
のけぞっている写真だ。



70年代だろう。
ギターは、ブラッキー。
何の曲の演奏中なのだろうか。
見ようによっては、
「ああ、肩凝った」という
タイトルにもなりそうやけど・・・。


[ 関連エントリー ]
2018.6.3 Eric Clapton Life in 12 Bars
2018.6.21 Life in 12 Bars





2018.7.22

ジャズ・セッション

昨日は、ベースの A ちゃんの誘いで
青山のシーバードというお店で
月一で行われているらしい、
JBジャズ・セッションに行ってきた。

ジャズのセッションなんて、
10年ぶりくらいだろうか。

ホストのJBさんの素晴らしいマネージで
どんどんメンバーが入れ替わり、
次々と色んな曲が演奏され、
あっという間の4時間半でした。
私も(覚えてないけど)10曲近く
参加したでしょうか。

参加者は、かなりのツワモノから
中級者まで色々。
もろ初心者はいなかったな。

やっぱり4ビートは、難しい。
私が一番ジャズから遠い演奏を
していたと思う。
今度行くときは、せめて数曲は、
練習・準備してから行きたい。




SUNSET


今日は、妻と千葉方面へドライヴ。
19時頃、買い物に立ち寄ったお店の
駐車場できれいな夕焼けを見た。



数分後、お店から出てくると
ガラッと色が変わって違う趣に。



Natural Art。
自然の不思議ですな。

(下の写真は、上の写真の7分後です。)




2018.7.23

Early Color / Saul Leiter と
Amazon.com での買い物
その5


やっと届いた。
入手するまで一年以上かかったよ。
ソール・ライターの写真集『Early Color』。

昨年5月28日にアマゾンで注文したけど、
半年以上経っても入荷がないので、
12月にキャンセルをし、アメリカの
Amazon.com で注文するも、
これまた入荷がなく、4月に気が付くと
自動的にキャンセル扱いになっていた。
再度 注文をして、ようやく10日ほど前に
「your package will arrive:
Monday, July 30」というメールが
届いていたのだけど、予定より1週間早く
今日、届いたというわけ。

アメリカの Amazon.com での買い物は、
初めてだったけど無事に届いて一安心。
考えてみれば、日本のアマゾン(マーケット
プレイス)にも外国の業者が出品していて、
アメリカだのドイツだのから、何度も
CD を買っているので、大したことでは
ないのだけど、購入時の手続きが
全部英語というのは、慣れていないと
やはりちょっと 緊張感があるねんな。

さて、写真集『Early Color』。
イメージしていたよりやや小さめ
(21cm四方ぐらい)。
昨年6月、Bunkamura ザ・ミュージアムで
観た日
のエントリーには、その色合いにも
感動したと書いているのだが、写真集の方は、
ノスタルジックな色合いというよりも
やや色あせた、という印象で、残念ながら
展覧会で観たほどの感動はなかった。
印刷のせいなのかなぁ。
まぁ、それでも一杯やりながら、
じっくり観るにはいいけどね。

例えば、表紙のこの写真。



推測するに、屋内からカーテンかブラインドと
窓枠(?)の隙間から見える街の様子を
写したものだと思われるが、非常に大胆な構図で、
私なら、まず、この状況で写真を撮ろうと
思わないだろう。
(今なら、ソールの影響でアイディアが
浮かびそうだけど。)
しかし、この写真が大変想像力を駆り立てる。
色んなストーリーが思い浮かぶのだ。
ソール・ライターには、こういう
写真がたくさんあり、それが彼の魅力の
ひとつでもある。

ところで4月に見た時に『Early Color』は、
アマゾンでは新品が 38,000円だったけど、
今日見てみると、9,500円でした。
ちょっと落ち着いてきたね。
私が買ったのは、Amazon.com で
31.65 ドル+送料 7.98 ドル=39.63 ドルで、
カード会社からの請求額は、
4,530円(1ドル=114.3円)でした。


[ 関連エントリー ]
2017.5.28 写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと
2017.6.4 ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展
2017.12.11 Early Color / Saul Leiter と Amazon.com での買い物
2017.12.22 Early Color / Saul Leiter と Amazon.com での買い物 その2
2018. 1.10 Early Color / Saul Leiter と Amazon.com での買い物 その3
2018. 4. 3  Early Color / Saul Leiter と Amazon.com での買い物 その4





2018.7.24

ブリグズビー・ベア
BRIGSBY BEAR


映画『ブリグズビー・ベア』を観てきた。
以下、ネタバレです。

赤ん坊の時に誘拐されて、25年間、
その誘拐犯夫婦に地下シェルターで
育てられたジェームスが、
警察に助け出される。

ジェームスにとっては、最初、
助け出されたという意味も分からないのだが、
本当の両親のもとに戻り、
新しい生活がスタートする。

ジェームスは、育ての父(誘拐犯)が
作った「ブリグズビー・ベア」という
ビデオを観て育った。
その数、VHSテープで25巻・全736話。
チープな作りの SF 番組のビデオなのだが、
そこには色んなメッセージが込められていた。

シャバに出たジェームスは、
そのビデオは、育ての父が作っていたもので、
世の中には出回っていないことを知る。
そこでジェームスは続編を作ろうと思い立つ。
その映画作りを通して、社会復帰というのか
社会参画というのか、再生をしていくと
いうようなストーリー。
後半、不覚にも数回泣いてしまった。

悪人が登場しない。
といっても、ジェームスを誘拐した夫婦は、
悪いことをしたのは間違いないのだけど、
歪んでいるとはいえ、根っからのワルではなく、
ジェームスを愛情いっぱいに育てたのは分かる。
その証拠が、「ブリグズビー・ベア」の
ビデオ製作だ。
本作は、ファンタジーなので
将来、どうするつもりだったんだろうなんて、
シリアスな疑問は置いといてね。
あと、精神科医(カウンセラー?)も
悪人ではないのだけど、ジェームスにとっては、
良き理解者とはいえず、医者がこんな風では
困るなぁという存在。

監禁・洗脳からの再生の物語なのだが、
深刻なドラマではない。
それは、脚本と主演を担当した、
カイル・ムーニーがコメディアンだと
いうことが大きいのだろう。

何よりも、ジェームスがポジティヴで、
ピュアなことが、本作の肝だと思う。
そして、家族と友人の存在が大きい。

誘拐犯が子供のために作った、
「ブリグズビー・ベア」を
誘拐された子供が(大人になって)完結させて、
社会復帰を遂げる。
不思議なストーリーだが、
流れる涙に心を洗われる感じでした。


★★★★★




テイク・エブリィ・ウェーブ

TAKE EVERY WAVE: THE LIFE OF LAIRD HAMILTON


サーフィンの革命児とも言われる、
レイアード・ハミルトンというプロ・サーファーの
ドキュメンタリー映画『テイク・エブリィ・ウェーブ』。

なんで、サーフィンの映画なんか観るのかって、
それはキミあれだよ、
ボクが昔サーファーだったからだよ。
(嘘)

さて、このレイアード・ハミルトンという人、
とんでもない人です。
英仏海峡をパドリング(手漕ぎ)で横断したり、
地中海ではなんとかいう島から島の
70キロを(70キロと知らず)やはり
パドリングで横断したりした人。
命知らずのサーフィン・バカですね(尊敬込めて)。

で、本作を観るまで知らなかったけど、
この人が考案したトウインサーフィンで、
より大きな波に乗れるようになった。
普通は、サーフボードに乗って
パドリングで沖まで出て、波に乗るのだけど、
それだと限界がある。
で、トウインというのは、ジェットスキーで
沖まで引っ張っていってもらって、
普通では乗られなかった1キロ以上沖の
大きな波に乗るのだ。

これを考案した当初は、自分たちだけで、
楽しんでいたのだけど、経済的に
困った彼らは、このサーフィンを
撮影して売り出すのね。
すると、そのポイントに人が殺到して
大変なことになってしまう。

そんな紆余曲折も描きながら、
ラストでは、タヒチで誰も乗ったことのない、
ビッグウェイヴにめっちゃ長いこと乗ります。
ご本人が達成感で泣くほどの。
私もまさかサーフィンの映像で
落涙するとは思わなかった。
それほど、素晴らしい。
こんなことが出来るのかと、
サーフィンの既成概念が壊されました。

あと「フォイルサーフィン」というのも
初めて知った。
普通のサーフボードの下に、水中翼が
付いていて、波の上を飛んでいるようにも
見えるサーフィン。
言葉では説明が難しいので、
興味のある人は、下記にレイアード・ハミルトンの
写真と動画があります。

海上飛行するサーフボード 次世代サーフィン
『フォイルサーフィン』


タイトルは「全部の波に乗れ」ってことやね。


★★★★▲


映画とは、関係ないけど。
19〜20歳の頃、本当に何度かサーフィンに
行ったことがある。
今から、考えるとゾッとする。
だって、私、ろくに泳げないのに、
台風の来ている海に入ったりしていた。
若いって、アホです。





2018.7.25

Early Color / Saul Leiter

1年以上かかって、ようやく手に入れた
ソール・ライターの写真集『Early Color』。
一昨日は、写真の色にちょっと不満を
書いたけど、ゆっくり見直してみて、
「やっぱりええなぁ〜。好きやなぁ」と
思ったのでした。
ほとんどの写真は、1950年代に撮られたもの。

なんで、こんなもんが写真(作品)に
なるんやという、なんでもない光景の数々。
それは、撮影者の視点に他ならないのだと思う。

「重要なのは、どこである、何である、ではなく、
どのようにそれを見るかということだ」
(It is not where it is or what it is that matters
but how you see it.)
ソールの残した言葉だ。
コンテクスト(context)というやつですな。
「どこである、何である」は、コンテンツ。
「どのように見る(撮る)」かが、コンテクスト。
とすると、カメラを構えた時の、
撮影者のコンテクストが、作品の質を
決定するということでもある。
何気なく、または、やみくもにシャッターを
切れば良いというわけではない。
そこには、撮影者として「確立した自分」が
必要なのだな。

私は、街中でカメラを構えた時、
邪魔だと思うものが良くある。
電信柱だったり、電線だったり、
道行く車だったりり歩行者だったり。
でも、ソールには余計なもんは
なかったんちゃうかと、思う。
何もかもが写真のテーマになりうるし、
小道具にもなりうる、そんな感じなのだ。

説明臭くないのもいい。
雨傘を撮りたかったら、傘全部を
構図の中に入れたくなるのだけど、
端っこにちょっと写っているだけで良いのだ。


Red Umbrella(1957年)

う〜む、である。
赤い傘を持つのが、若いべっぴんさんだと
瞬時に想像してしまう。
この人の顔を見たい、と思ってしまう。

もう1枚好きな写真。


Canopy(1958年)

タイトルの意味は「テント」みたいなもんだと思う。
この構図、大胆で素晴らしいよね。


Saul Leiter Foundation





2018.7.26

「雲助の弟子でござる」

今日の落語会は、五街道雲助の弟子である、
桃月庵白酒、隅田川馬石、蜃気楼龍玉の
三人会「雲助の弟子でござる」。

この一門は、とてもユニークで、
亭号が皆バラバラ。
亭号というのは、落語家の苗字にあたる部分。
五街道雲助の師匠は、金原亭馬生なのだが、
金原亭ではなく、五街道を名乗り、
弟子たちもそれぞれ、亭号が違うのだ。

白酒と馬石は、私のお気に入りの落語家だが、
龍玉は、今日が初めてだった。

開口一番は、白酒の弟子、ひしもちの「子ほめ」。

続いて、3人の中では、一番兄弟子の白酒。
演目は「お茶くみ」。
吉原ネタだが、珍しい。
初めて聴いたと思う。

馬石は「湯屋番」。
かなり面白かった。
馬石の若旦那サイコ―。

仲入りを挟んで、龍玉。
演目が「牡丹灯籠・栗橋宿」だから、
笑う噺ではないかったけど、
この人もいいねぇ。
数回、かんだのが非常に惜しい。
見た目は、遠目にはちょっとショーケンに
似ていなくもない感じ。
伴蔵(ともぞう)の時と、
お峰(おみね)の時との対比というのか、
入れ替わりが、素晴らしいと思った。
他の噺も聴いてみたい。


[ 演 目 ]
「子ほめ」 桃月庵ひしもち
「お茶くみ」 桃月庵白酒
「湯屋番」 隅田川馬石
〜 仲入り 〜
「牡丹灯籠・栗橋宿」 蜃気楼龍玉

@ 深川江戸資料館(清澄白河)







2018.7.28

2年連続出場

今年の高校野球は第100回ということで、
特別な節目でもあり、記念大会となっている。

昨年、妻たちの講座をメンタル・トレーニング
として取り入れた茨城県の土浦日大高校野球部。
31年ぶりの甲子園出場だったのだが、
なんと今年も先日の県大会で優勝し、
甲子園出場を決めた。
2年連続出場である。

今年もその講座を取り入れての県大会優勝だ。
その講座をやった球児たちの変化は
素晴らしいらしい。
もちろん、もともと強いチームだったのだと思う。
でも、野球が上手いだけでは、試合には勝てない。
それは野球に限らず、技術や根性ではない、
ある分野(見えない力)が関わってくる。

土浦日大高校野球部の監督と妻の対談を載せた
小冊子がある。
昨年、県大会で勝ち進めた背景と
甲子園の一回戦で負けた背景を
監督が語っているのだが、非常に興味深い。
それは、前述したように技術の差ではない。
精神論に近いようだが、精神論でもない。
おそらく多くの人は、
注意を払ってこなかった分野のことだと思う。

今年の甲子園では、ぜひ勝ち進んで欲しいな。




サルトルの進撃

妻の本『超解釈 サルトルの教え』の発売から
一週間が経った。

発売日(7月20日)に都内の某大手書店を
覗いてみた。
発売日なので、新刊コーナーに置いてあるのかと
思ったら、店内奥の方の哲学のコーナーに
ひっそりと5冊置かれていた。
無名な著者の本を5冊も置いているのは、
多い方かもしれないが、
いかんせん哲学のコーナーでは、
一般の人の目につきにくい。
タイトルに「サルトル」が付くせいで、
哲学コーナーに置かれたんだろう。
内容は、哲学書というよりは、
もっと一般的なのになと思った。

あれから、一週間、昨日その書店を
再び訪れてみると、なんと
「新刊・話題の本」のコーナーに12冊も
置かれているではないか。
どういうことだろう。
もしかして、話題になっているのだろうか。

ついでに哲学コーナーに行ってみると、
その手前の「人文・思想」コーナーの入り口に
平積みで7冊、「哲学」コーナーに5冊、
合計で3か所に分けて24冊も置かれていた。







なんとなく、本が主張をして、
店内奥の哲学コーナーから、
人目に付く所に出てきた感じがしないでもない。

なんでも、都内では売り切れていて、
取り寄せに2週間かかると言われた書店もあるらしい。

ある店では、24冊積まれ、
ある店では、取り寄せに2週間。
書店業界のことが分からないので、
これはどういうことなのか良く分からない。

今のことろ、アマゾンでは品薄になっている
様子はないが、アマゾンで売切れになったり、
増刷の知らせが入れば、
本当にそこそこ売れているということなのだろうと
思っているが、そんなに甘くはないよね。

先週末に数軒の本屋を覗いたが、
お店によって、置いてあるコーナーは、
まちまちだった。
哲学コーナーだったり、ビジネス書や
自己啓発本などが置いてあるコーナーだったり。
ジャンル分けというのは、
大きくは分けられるけど、音楽と一緒で、
細かく分けるのは難しいよね。

ところで、本屋さんへ行くと
「人文書」と書かれているコーナーがある。
今まで特に気に留めていなかったのだけど、
「人文書」って何だろうと疑問になったので
調べてみた。

日本著作販促センターのサイトには、
こう書かれている。

哲学・思想、宗教、心理、教育、社会、歴史の
六つの大ジャンルに属する本が、
「人文書」とされてきた。


なるほど、そういう分野の総称なのだな。





2018.7.28

NORAH JONES
Live at Ronnie Scott's


昨年4月、武道館での公演を観て、
「小さなクラブで観てみたいなぁ」と
書いた、ノラ・ジョーンズ。

昨年9月25〜26日に
ロンドンの老舗ジャズ・クラブ、
ロニー・スコッツ(Ronnie Scott's)で
行なわれたライヴを Blu-ray で鑑賞した。

ロニー・スコッツといえば、
ジェフ・ベックもライヴ盤を出してたけど、
もともとはジャズ・クラブで、
1959年に開業したという、
半世紀以上の歴史のあるクラブだという。

さて、ノラのライヴ。
ベースにクリストファー・トーマス、
ドラムにブライアン・ブレイドという
バリバリのメンバー。

なんと、昨年12月にオーチャードホールで観た、
渡辺貞夫さんの『Re-Bop Night』のメンバーだ。
あの時は、ピアノにサイラス・チェスナットが
加わったカルテットだったけど、
クリストファー・トーマスと
ブライアン・ブレイドは、
アルバム『Re-Bop』の
レコーディング・メンバーでもあった。

渡辺貞夫さんとノラ・ジョーンズという
接点がなさそうな2人のベースとドラムが
同じというのも面白い。

ノラのバンドには、ギターがいるという
印象が強かったし、自身もギターを弾くが、
このライヴでは、全曲ピアノのみで、
ボーナス映像のインタビューでは、
最近はピアノを弾くのが楽しいと
語っている。

ブライアン・ブレイドは、
2016年5月の「JOHN PATITUCCI
"THE ELECTRIC GUITAR QUARTET"」

昨年の貞夫さんと二度ライヴで観ているが、
この Blu-ray で改めて凄さが分かった。
ノラの曲は、スイングより8ビートが多いが、
ロック・ドラマーには中々こんな繊細な
8ビートを叩ける人は少ないんじゃないかと思う。
一音一音、物凄い集中から生み出されている感じ。

クリストファー・トーマスは、
コントラバスだけではなく、
エレクトリック(Fender Jazz Bass)も演奏。
私のテレビでは、エレクトリックの方が、
音がハッキリ聞こえるのだけど、
ちゃんとしたスピーカーで聴いて(観て)みたい。
"Nightingale" では、アルコ(弓弾き)で
始めたクリストファーだが、歌が始まったにも
関わらず演奏をやめてしまう。
うまく行かなかったんだろう。
「違う感じで」と言って仕切り直し。
これも凄い。
ノラが止めるなら分かるけど、
普通、ベーシストは始めたらやめられへんで。
自由であると同時に、音楽に責任を
取っているということだろう。
妥協はしない。

そして、このことから分かるように、
彼らは、全て練習・準備した通りではなく
その場その場で音楽を創り上げているのだな。
いちいち、終わり方も素晴らしいよ。

最後になったけど、
ノラの歌もピアノも素晴らしい。
ピアノはご本人がインタビューで、
語っている通り、楽しいのだろう。
ノラの歌伴をさせたら、当然ノラが
世界一だろうしね。
見た目にも少し貫禄が出てきたね。
この収録の時点では、38歳か。
ちなみにピアノは、YAMAHA。
日本人としては、嬉しいね。

それにしても、こんなクラブ
(ブルーノート東京より狭いようだ)で
ノラを観られた人は、幸せやなぁ。
お客さんは、大人のオジサン、オバサンが
多いようやけど、ミュージック・チャージが
いくらだったかのかも気になるところ。





ボーナス映像に、ライヴ当日ライヴ前の
インタビューが付いている。
インタビュアーのオジサンは何者か知らないけど、
ノラの口から、アレサ・フランクリンの名前が
出たところで、「(歌い方を)アレサに
近づけようとは思わないか?」と訊く。
答えはもちろん「ノー」だけど、
なんてくだらない失礼な質問をする人だろうと
思った。
アーティストにする質問じゃないよね。





2018.7.29

Kingトリオ
和田明 (vo) 井上銘 (gt) 山本連 (b)


渋谷の バールRHODES は、
5周年だそうで、その記念ライヴだと
思って行ったら、なんと今日が最後で
閉店されるということで、ビックリ。
それで、ウェブサイトに8月の
ライヴ・スケジュールが書いていなかったわけだ。
よく読むと、7月で閉店と書いてあったのだけど、
気が付かなかった。
今までに2〜3回しか行ってないけど、
バールRHODES は、料理が美味しくて、
結構 好きだったので残念。

さて今日は、16時開演とちょっと早目のライヴ。
キング・トリオのライヴを観るのは、
1月の Motion Blue でのバンド・セットも
入れると4回目になる。
ヴォーカルの 和田明 はもちろん、
ギターの 井上銘、ベースの 山本連、
3人とも好きなプレイヤーなので、
聴いていて 楽しくないわけがない。

今日は、半分ぐらいの曲で、
明もギターを弾いたので、
より表現の世界が広がった感じだ。

曲は、
"My Ever Changing Moods"、"猫の街"、
"Day By Day"、"Dindi"、"This Masquerade"
"Love For Sale"、"My Foolish Heart"
"Shibuya Night (さかいゆう)"、"Voices (Char)"、
"銀河鉄道999 (ゴダイゴ)"、"小瓶の中の平和"、
"深海魚"、"True Colors (Cyndi Lauper)" など。
"大好き(岡村靖之)" と "俺のパンクロック" は、
2部の冒頭に弾き語りで。

彼らは、J-POP から、ROCK、POPS、JAZZ まで
なんでも行けてしまう。
"銀河鉄道999" は、Swing で演ったのだけど、
もともと JAZZ の曲かと思うほどの演奏だった。
そういえば、"My Ever Changing Moods" も
Swing で演ってるけど、
これ、元々 スタイルカウンシルの曲や。
いわゆるカバーという感じではなく、
そんな風に曲を新しく、生まれ変わらせることが
出来ると 演っていても 楽しいやろな。

小さなハコで濃密な感じ、
とっても贅沢な刺激的な時間でした。



[ MEMBERS ]
和田明 (vo&gt)
井上銘 (gt)
山本連 (b)

@ バール RHODES(渋谷)







2018.7.30

クイーン伝記映画
『ボヘミアン・ラプソディ』


先日、映画館で『ボヘミアン・ラプソディ』の
予告編を観た。
『ボヘミアン・ラプソディ』は、
言わずと知れたイギリスのロック・バンド
"QUEEN" の大ヒット曲。

フレディ・マーキュリーが死んでしもて、
もう27年!(そんなに経つか!)
そのクィーンの伝記映画が、11月に公開される。

11月は、Eric Clapton のドキュメンタリー映画
『Life in 12 Bars』も公開されるので、
ロック映画祭りになりそうだ。(おおげさ)

フレディー・マーキュリーを演じるのは、
ラミ・マレックという人で、
予告編を観る限り、ええ感じで似てるのだ!
他のメンバーも似てる人を採用したみたい。
これは、楽しみだぞ。


映画『ボヘミアン・ラプソディ』予告編




変わりゆく音楽


音楽の価値は、変わらないと思うのだけど、
音楽の値段は、どんどん安くなる傾向にある。

40年前、LPレコードは1枚2,500円だった。
今では、今では月額980円で、4,000万曲以上が
聴き放題。
アマゾンの提供するサービス、
Amazon Music Unlimited だ。
私は、CD を買ったり、
ダウンロード購入したり
または レンタルしたりして、
自分のライブラリーが増えて行くのに
楽しみを感じる人なので、
こういうサービスには、
食指が動かなかったのだけど、
先日、期間限定で「4か月間99円」という
キャンペーンをやっていたので、
試しに申し込んでみた。
4か月経過すれば、月額980円(または
年額7,800円)が発生するが、
使わなければ、いつでも解約すれば
良いと思ったのだ。

しかし、これは凄いわ。
もうホンマに CD 買わんでええねんもん。
持っていない CD を簡単に聴くことができる。
発売されて間もないものもある。

例えば、ネットで Rafi Muhammad
(ラフィ・ムハンマド)という
インドネシアの若手ドラマーの記事を読んだ。
現在21歳、10歳の時にハーヴィー・メイソンの
プロデュースでデビューしたという天才だという。
YouTube でも演奏は聴けるだろうけど、
Amazon Music Unlimited で検索してみると、
ちゃんと最新アルバム『Transition』がヒット。
その場で、全曲聴くことが出来る。
試聴ではなくて、最初から最後まで。

もちろん、なんでもかんでもあるわけでは
ないのだろうけど。
知識では分かってたけど、
実際使ってみると、これで月額980円
(年払いなら月当たり650円)は
安いと言わざるを得ないだろう。
CD 1枚より安いねんから。

不足と言えば、ストリーミングで
聴いているだけで、実際にデータを
ダウンロードしたわけではないので、
i-Pod やトレーニング用の MP3のプレイヤーに
入れられないことと、歌詞カードや
ライナーノーツが読めないことぐらいか。
それだって、どうしても欲しければ、
今まで通り購入すれば良いことだ。

ああ、あと、スマホでいつも聴くと、
たぶん通信量のマックスを使いきって
しまうだろうということかな。
家や会社の PC でつないで聴くならば
その心配もない。

まあ、えらい時代になったなぁ。
20世紀が懐かしい。
LP レコード買ってきたら、
溝が減るからと、カセットテープに
録音して聴いていた時代は、
今の若者には、もう化石みたいな
大昔の話やろう。

しかし、心配もある。
こんなに音楽が安いと、
ミュージシャンの収入が
減るのではないかということだ。

CD の売上げが下がり、多くのミュージシャンは、
ライヴを中心に活動することになっただろうが、
やればやっただけ、お客さんが入るという
質の物でもない。
特にジャズでは良い音楽を演っていても、
お客さんが入っていなくて、
ガラガラのライヴも珍しくない。
収入が原因とは言い切れないけど
ミュージシャンから足を洗う人もいる。

音楽が手軽になったのは良いが、
他の問題が起きてくるのだ。

冒頭に「音楽の価値は、変わらないと思う」と書いた。
それは、私個人にとっての「想い」の部分だけで
もしかしたら、値段だけではなく、
その価値というか 人にとっての音楽という
存在も変わりゆくものなのかも知れない。


ところで
Rafi Muhammad の『Transition』、
ラップの曲はしんどいけど、他は良いです。
9月に来日公演あり!





2018.7.31

Bohemian Rhapsody

昨日は、クィーンの映画
『ボヘミアン・ラプソディ』のことを書いたけど、
YouTube で素晴らしい『ボヘミアン・ラプソディ』の
カヴァーを見つけた。
最高ですよ。
感動的で、最後に爆笑。
クィーン愛にあふれています。

Bohemian Rhapsody

この人たち、演奏の腕も高いし、センスも良い。
こちらは、『スター・ウォーズ・メドレー』。

"Star Wars Medley"

頭のファンファーレ部分が素晴らしいね。


ちなみに、彼らは「Melodica Men」と
名乗っているけど、「メロディカ」は、
鍵盤ハーモニカの商品の名前。
ヤマハは「ピアニカ」、
鈴木楽器は「メロディオン」、
ホーナー(ドイツの楽器メーカー)は、
「メロディカ」と呼んでいる。


『ボヘミアン・ラプソディ』といえば、
以前も紹介したことがあるけど、
ジェイク・シマブクロの
ウクレレ・ソロも素晴らしい。

Jake Shimabukuro - "Bohemian Rhapsody" - TED (2010)

4本の弦、限られた音域の中で、
よくもまあこれだけ表現できたものです。
TED ってスピーチだけやなくて、
こういうのもやってるんやね。



ひとりごと