LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS


 つつみしんやのひとりごと  2017年 10月
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2017.10.1

明とのライヴ (その2)

6月25日に続いて、明とのライヴ、その2。
ありがたいことに
今回もたくさんのお客さんにお出で頂き、
満席大盛況のライヴとなりました。
お出で下さった皆さん、ありがとうございました。

昨日は、ちょっとブルーな感じのことも
書いたのだけど、
やっぱり ライヴほど楽しいものはないな。
しかも、今回は私のオリジナル曲を
明に歌ってもらうという光栄・贅沢も頂いた。
「Stay With Me Tonight」という
ちょっと切ないラヴソングで、
私の20代最後の失恋を歌ったものだ。

今から、20年以上前、大阪でバンドを
演っていたころは、無謀にも自分で
ヴォーカルをとったこともあった。
その後、女性ヴオーカルとのデュオユニットでも
レパートリーにしたこともあった。
その後、長い間演奏の機会がなかったが、
自分でも大変お気に入りの1曲なのだ。

今回、明の歌でまるで別の曲のように
よみがえった。
演者によって、楽曲が様々に変化することは、
十分に知っていたつもりだったが、
自分の曲がこうなると、リスナーとして
感じていることと体験のレベルが違う。
音楽って面白いなぁ。
改めてしみじみ。

私のギタープレイは、毎度のこと、
反省点も多い。
これは 一生の課題だろう。
引き続き、練習あるのみだ。

明とのライヴ、好評につき、
なんと3回目が決まった。
詳細は、近日中に発表します!


シャウトする明と譜面を見入る私


[ SETLIST ]
- 1st show -
1. Come Together
2. Change The World
3. 永遠に
4. 猫の街 (明オリジナル)
5. All Around Me
6. パレード
- 2nd show -
1. Voices
2. STAY TUNE
3. Moon River
4. 気絶するほど悩ましい
5. Stay with Me Tonight(つつみオリジナル)
6. 接吻
- EC -
1. Desperado
2. Moanin’

[ MEMBERS ]
和田明 (vo, gt, cajon)
つつみしんや (gt)

@ bar dAZE(原宿)





2017.10.3

Jeff Golub

ギタリストの Jeff Golub が、
2015年 1月 1日に亡くなっていた。
今日まで全く知らなかった・・・。



Jeff Golub のことは、
1997年のアルバム『Nightlife』で
好きになった。
当時は、しょっちゅう渋谷のタワーレコードで
試聴しては、CD を購入していたので、
Jeff Golub のこともたぶん、そんな感じで
知ったんだと思う。

それからは、新しいアルバムが出るたびに
買っていて、私のライブラリーには、
11枚の Jeff のアルバムが並んでいる。

Billboard LIVE や Blue Note で
アンケートに答える時、
「観たいアーティストは誰ですか?」という
質問に必ず「Jeff Golub」と書いてきた。

でも、日本ではそんなに有名でもないし、
Jeff のリーダーバンドでの来日は、
叶わなかった。

Jeff は、Rod Stewart のバンドにいたので、
もしかしたら、1990年代の Rod の来日時には、
一緒に来ていたのかもしれない。
Rod は、90年代に2度来日しているが、
残念ながら、私は観に行っていない。

2004年の Royal Albert Hall での
Rod のライヴ DVD で、
Jeff を観たときのことをここに書いた。
残念ながら、ナマで観られることはもうない。

Jeff は、2011年から視神経の病気で視力を失い始め、
2012年には地下鉄の線路に落ちたこともあったようだ。
2014年に進行性核上性麻痺という難病に
診断されたらしい。

病気のことも知らなかった。
最後のアルバム『The Vault』は、
2015年 5月に iTunes でダウンロード
購入しているが、この時、すでに
亡くなっていたのだ。
享年59歳。
若過ぎるよ。
残念です。

合掌。


Rod Stewart - Sailing
前述の Royal Albert Hall でのライヴです。
間奏とエンディングで、
Jeff のエモーショナルなソロが聴けます。
Yes, I can hear you.

Studio Jams #38 - "The Chicken"
こちらは、Victor Bailey らとのセッション。

Avenue Blue - ALWAYS THERE feat Jeff Golub
私が、Jeff を好きになったアルバムから
"Always There"。


* * * * *

今日は、Tom Petty の訃報が流れた。
Tom Petty のことは、名前と顔は知っていたけど、
音楽はたぶんちゃんと聴いたことがない。
なので、何も書けないのだけど、
1週間前までツアーをしていたらしく、
急死だったようだ。
享年66歳。
若いなぁ。
合掌。





2017.10.4

Jeff Golub 続

昨日のエントリーで、
3年近くも前に Jeff Golub(ギタリスト)が、
亡くなっていたことを知らなかったと書いた。
彼が、2011年から視力を失い始めていたことも
知らなかった。

昨夜 書いたあと、アルバムを聴き直したり、
ウェブサイトをチェックしたりしていて、
気付いたことがあった。
なんというか、自分の注意力のなさが
情けないようなことなのだが。

Jeff の2013年のアルバム『Train Keeps A Rolling』。
このアルバムのジャケットの写真。



Jeff は、サングラスをかけ、盲導犬を連れている。
いや、アルバム購入当時は、ただの犬だと思っていて、
盲導犬とは私は気が付いていなかった。
まさか視力を失っているなんて思いもしないから。

自分の迂闊さにあきれてしまうが、
この写真を見た時に、言葉にならぬほどの
小さな違和感を感じた記憶はある。
それは、それまでの Jeff のアルバムの
ジャケットとは、印象が違っていたからだ。
それまでは、ちょっとオシャレな
感じの写真が多かった。
たとえば。



とか



『Train Keeps A Rolling』のジャケットには
こういったオシャレ感やラグジュアリー感はない。
ブルース寄りな作品なので、
そんな風には しなかったのかなと、
漠然と思ったような気もする。

このアルバムは、彼が視力を失ってから
レコーディングされていたことが、
その言葉にならない程度に感じ取った
違いだったんだ。
そんな大きな違いに気が付かなかったのかと
と思うと言葉がない。

彼のウェブサイト には、
Luke(盲導犬の名前のようだ)と歩く
写真もアップされていた。

『Train Keeps A Rolling』のジャケットを見て
盲導犬と気がついた、 Jeff のファンと思われる人の
スムースジャズを紹介しているブログには、
失明後の事故のことやアルバムの楽曲、
メンバーのことが書かれている。

Jeff のファンを自称しておきながら、
何も気が付いていなかった自分が情けない。

死ぬまでに観ておきたいアーティスト・リストから、
Jeff Golub の名前は、消さなければならなくなった。
大変 残念で、ホントに悲しいです。

そして、Jeff の音楽は、ずっと聴き続けます。





2017.10.5

Jeff Golub 続の続

昨日、一昨日と好きだったギタリスト、
Jeff Golub が亡くなったことについて書いた。

今日も Jeff の音楽を聴いた。
以前に聴いていた時よりも
彼の音楽が、ギタープレイが、
美しいと感じるのは、どういうわけだろう。

落ち着いて、Jeff のサイトを見直してみると
「WHAT'S NEW」ページに
彼が亡くなる1ヶ月半前、2014年11月15日付で
「Jeff, Audrey, Chris and Matthew」の名義
(Jeff と家族)で、Jeff の病状等についての
メッセージがあった。

英語なのでの細かいニュアンスまでは、
読みとれないのだが、
その1年前に、健康上の理由で、
Jeff は活動を休止したこと、
PSP と呼ばれる難病にかかっていること、
話すことも困難であることなどが書かれている。
そして、Jeff はメッセージを読んで聞かされるのが
好きなのでぜひメッセージを送ってくださいとも。

おそらくは、視力を失ってから、
特に、活動を休止せざるを得なくなってから
亡くなるまでの1年数カ月は、深刻で、
想像を絶する状態だったのだと思う。

私は彼が亡くなって、
3年近くも経ってから、このこと知った。
これだけ情報があふれているのに
自分が知りたかった情報は、
常にアンテナを張り巡らし
積極的に求めていないと、
入ってこないんだと痛感している。

彼の生前に
私がそれらの情報を知っていたとして、
何も出来ることはないのだけど、
せめて祈ることはできただろう。

改めて、ゆっくり Jeff のサイトを見ていくと、
ディナーに出かけるのが趣味で
鮨が大好きだったとか、
野菜が苦手(特にカリフラワー)だったとか、
最後に観た良い映画が『Little Miss Sunshine』であった
(2006年4月16日時点)とか、
初めてプレイヤーではなく
人としての彼に親近感を感じた。

そして彼は、自分のことを
「視力に頼らない数少ない職業についており、
視力を失ったことは、
自分を "better artist" にした」
と語っている。

2012年9月に地下鉄の線路に落ちた事故は、
生命に関わる大きな出来ことで、
2013年のアルバム『Train Keeps A Rolling』の
制作に大きな影響を及ぼしたようだ。


誰しも必ず死ぬ。
死ぬことは悪いことではないのだが、
やはり、50代は早すぎる。
子供たちは まだティーンのようだ。
悲しみは大きい。
Jeff の「死」に対して、
この「悲しい」って感情が、
「生」きているって証拠なんだろう。

音楽は偉大だ。
再生するたびに、死んでしまった人が、
そこでギターを弾いてくれている。





2017.10.6

迷惑メール

今朝、PCを開けると「Apple からの領収書です」と
いう件名のメールを受信した。

Apple社の iTunes Store で音楽をダウンロード購入すると
数日後に「Apple からの領収書です」という
メールが送られてくるので、昨日、購入した音楽データの
領収書だと思って見てみると、購入した覚えのない
商品名(「モバイル・レジェンド:Bang bang」という
ゲーム)が記載されていた。
金額は、3,600円。

もし、間違って請求されたのなら、
Apple に届ける必要がある。
メールには、
「この購入を承認していない場合は、をご覧ください。
iTunes支払いキャンセルフォーム 」とリンクが
張られている。
「承認していない場合は、をご覧ください」
よく読むと変だ。

これはもしかしたら、フィッシングメールかもしれないと
過去に受信した、Apple からの本物のメールと
見比べてみた。

かなり、似せてあるが、Apple のリンゴマークの
位置がちょっと違っていたり、
正規のメールには、請求先として
私の氏名、住所が記載されているのに
その怪しいメールは、請求先が
「Iphone6s」となっていたり、微妙に違う。
そして、発信元のメールアドレスも違っていた。
偽物と断定して間違いないと思ったが、
念のため「Apple からの領収書です」と入れて
ググってみると、このフィッシングメールに関する
注意喚起の記事がいくつもヒットした。

フィッシングメールとは気付かずに
買った覚えがないので、キャンセルしようと
リンクの張られたニセ Apple サイトに
アカウント情報を入れてしまうとアウトだ。

私は、何度も本物メールを受信していたので
偽物メールに違和感を感じたが、
あまり、見慣れていない人なら疑問を持たずに
クリックし、指示通りにアカウント情報を
入れてしまうかもしれない。

偽サイトにアクセスしようとすると
セキュリティが万全のブラウザでは、
「詐欺Webサイトの警告」が出るようだが、
スマホなど iOS では、そこまで対応が
ついてきていないようで注意が必要だ。

皆さんも気をつけてね。
詳しくは「Apple からの領収書です」で検索を。

また、先日、仕事中に受信したメールには
「請求書」という件名で、添付がされていて
メール本文には「遅くなりました。
ご確認ください」というような文が
記載されており思わず、クリックしそうになった。
これらには、本文に送り主の名前がなく、
不自然さ満載なので、すぐにそれと分かるが、
ぼやっとしていたら、無意識に
クリックしてしまいそうだ。
必ず、誰から送られてきたのか確認し、
心当たりがないメールの添付は開けてはならない。





2017.10.7

秋の空

一昨日の東京の夕方の空。



調べてみると、巻積雲(けんせきうん)と
いうようで、いわし雲とか、
うろこ雲とも言われるようだ。

実際には、こんな色ではなかったのだけど、
RAW現像で、ちょっとドラマチックに
色付けしてみた。

水面が波打っているようにも見える。

こちらは、モノクロで仕上げてみた。



これはこれで ちょっと幻想的。
少し見えている建物は、
恵比寿プライムスクウェア。

写真をクリックすると拡大されるので
見てみてください。





2017.10.8

オットー・ネーベル展
OTTO NEBEL


Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷)で
昨日から開催されている
「オットー・ネーベル展」に行ってきた。



オットー・ネーベル(1892-1973)という
画家のことは、このたび初めて知った。
ドイツ生まれだが、1933年にナチスからの
芸術家に対する迫害から逃れるために
スイスに亡命した。
その後、1952年になってやっとスイスの市民権を
獲得している。

ネットでこの展覧会のことを知り、
作品数枚を一目見て、これはナマで観たいと思った。
今回の展覧会は、日本初の回顧展ということだ。







ご覧のようにとてもポップな印象で、
絵画というよりは、イラストとか
デザイン画のようだ。

展覧会では、いくつかの時期に分けて、
作品が展示されていたが、
私は1930年代にイタリアへ滞在していたころの
色彩とタッチが好きだ。



『イタリアのカラー・アトラス(色彩地図帳)』と
呼ばれるスケッチブックには、
その街々の色彩をネーベルが感じたままに
言ってみれば、色の見本帳のようにまとめたもの。
作品として、作ったものではないのだろうが、
これがまた素晴らしい。



チラシやポスターに使われているこの
カラー・アトラスは、ネアーペル(ナポリ)の
11月の空と地中海の青を表している。

こちらはポンペイ。



ネーベルが影響を受けたという、
パウル・クレーや友人であった
ワリシ―・カンディンスキーの作品も
同時に展示されていた。
作風が似ていないこともないが、絵のタッチは、
全くネーベルの方に深みがあると思った。
それは、物凄く時間のかかる、
繊細な描き方をしているからだろう。
ネーベル自身が自分の作品リストを
細かく整理していることからも
その細かい几帳面な性格がうかがい知れる。

私が気に入った、1930年代の作品は、
すでに描かれてから、80年の時を
経ているわけだ。
勝手な想像だが、もしかしたら描かれた直後は、
もっと鮮やかな色を放っていたような
気がするのだがどうだろう。




ナミヤ雑貨店の奇蹟


東野圭吾の小説を映画化した『ナミヤ雑貨店の奇蹟』。
山田涼介 主演。
その他の出演は、西田敏行、尾野真千子、
林遣都、萩原聖人、小林薫、成海璃子、吉行和子ら。

東野圭吾の小説ということで、
泣かされるんだろうと思っていたら、
少しは泣けたけど、
思っていたほどではなかったな。

悩み相談と回答の手紙が32年前と現在を
行ったり来たりするという、
タイムスリップもの。
その設定だけで、すでにファンタジーなので
細かいことを突っ込んではいけない。
「いけない」というか、
細かいことを突っ込んでいては、
この映画は楽しめないだろう。

オトナのおとぎ話として、
良い物語だとは思うのだが、前半
ちょっとだけ冗長に感じたのは残念。

あと、ファンタジーな設定は気にならないが、
林遣都演じるミュージシャン志望の松岡が、
8年経っても自作の曲に歌詞を付けておらず、
人前で「ななな〜」とスキャットで
歌ってしまうことだけは、
私もアマチュアとはいえ、
音楽を演っているものとして、
ちょっと許容できなかった。
それは、あかんやろ。

結局、その何年後かに 別の人がその曲に
歌詞を付けて、歌うシーンが出てくるので
歌詞が付いていないという状況が必要なのは
分かったが、それならそれで、
もうひとひねり欲しいなと思った。
(一緒に観た妻は全く気にならなかったそうだが。)

その曲が山下達郎の『REBORN』。
これ、シングルCD 発売と同時に買いました。
ちょっと『蒼氓』を思い出すような重厚な曲調。
なんと、通算50枚目のシングル。

劇中では、松岡が鼻歌で歌う(作曲中?)シーン、
松岡がハーモニカで演奏するシーン、
松岡がギターを弾きながら「ななな〜」で歌うシーン、
それを聴いたセリが、1回でメロディを覚え
やはり「ななな〜」で歌うシーン、数年後、
歌手になったセリ(門脇麦)がライヴで歌うシーン、
そして、エンドロールで達郎氏の歌と
何度も流れる。

達郎氏のインタビューで
映画に合う曲を作るのが大変だったと
いうような記事を読んだような記憶が
あるのだが、まあ凄い曲です。

「REBORN」(セリver.)

おそらく私が不満に感じた部分は、
原作を読めば気にならないのだろうな。
2時間に収めるためには、
どうしても説明不足になる部分が出てきてしまう。
人によって、それぞれ引っかかる場所が違うので
作る側としては、全ての観客を納得させることなど
そもそも不可能なのだし、それを目指すのも
意味のないことだろう。

全体としては良い作品だと思うし、
よく知らなかった若い山田涼介という
ジャニーズのタレントの演技が、
中々どうして素晴らしいと思えたのも
新発見で良かった。
ただ、この人、顔が美し過ぎるなぁ。


★★★★▲




ロイ・エアーズ
"King of The Vibes" Roy Ayers


Billboard Live TOKYO に行くと
なるべくアンケートに答えるようにしている。
アンケートに答えた人に抽選で、
ライブの招待券が当たるのだ。
今までに数回当選した覚えがあるが、
先日、久しぶりにその招待券が送られてきた。
で、今日はそのライヴに行ってきた。

ヴィブラフォン奏者のロイ・エアーズ。
実は、この人のことを知らなかった。
ヴィブラフォンとあるので、
インストのジャズかと思っていた。
予習のためにと CDをレンタルして聴いてみると、
インストもあるけど、歌入りの曲が多く
ジャズというより、ファンクというか
リズム&ブルース。

今日の実際のライヴでは、歌も歌うけど、
それぞれのソロがたっぷりで、時間にすれば
1曲10分以上で長いものは20分ぐらい
演っていたと思う。
紹介文に「ジャズとファンクを融合させた」と
あったけど、まさにそんな感じ。

3曲目だったと思うけど、ロイが
「クコ!クコ!」と誰かを呼んでいる。
何だろうと思っていたら、
「TOKU!」と言いながら、TOKU が登場。
「クコ」ではなく「クト」って呼んでたのね。
間違っていたのか、ジョークなのかは不明。

そういえば、最近聴いた渡辺貞夫さんの
『At Montreux Jazz Festival』という
1970年のライヴ・アルバム。
冒頭、司会者が 貞夫さんを紹介するのに
「サダオ・ワナタベ」とハッキリ言っている。

それはさておき、サプライズゲストで、
TOKU を迎えて、
"Everybody Loves the Sunshine"。

TOKUは、もう1曲参加。
アンコールはなく、終わりは
ちょっと尻切れトンボ的に感じたが、
とても気持ちの良いグルーヴで、
ゴキゲンでした。
約75分ぐらい。


[ MEMBERS ]
Roy Ayers (Vo, Vib)
Everett Freeman (Key)
Trevor Allen (B)
Christopher De Carmine (Drs)

@ Billboard Live TOKYO
2nd show







2017.10.10

池上線フリー乗車デー

昨日のお昼前のこと。
出かけようと駅に向かうと
戸越銀座商店街が(デモ行進か?)と
思うほど人が多かった。
(本当に何かのデモ行進だと思った。)

何ごとかと思うと、
昨日は 10月9日(トーキューね)で
東急電鉄の「開通90周年記念イベント」と
いうことで、池上線全線が1日乗り降り自由
(無料)になっていたのだった。
沿線の商店街などでは、数々のイベントなども
催されていたようで、その影響で多くの人が
池上線沿線を訪れていたようだ。

「沿線地域の活性化」が目的らしく、
「電車を1日無料で利用できる取り組みは、
首都圏の鉄道会社で初」ということらしい。

いくらか料金を支払えば、1日乗り放題というのは
あったが、無料というのは確かに聞いたことがない。

これは想像だけど、
地下鉄など他社との相互乗り入れの問題などから、
池上線以外では、実現が難しかったんではないだろうか。
それに、池上線であの混雑だとすると
田園都市線や東横線では、
とんでもないことになりそうだ。
先日、三軒茶屋へ行くのに、久しぶりに
田園都市線を利用したが、
帰宅ラッシュ時だったので、
もの凄い混みようだった。
池上線は、普段でもあそこまで混んでいない。

さて昨日、駅改札では、「1日フリー乗車券」を
配っていたのだが、間抜けな私は、
それをもらわずに自分のパスモで
電車に乗ってしまった。
(この頃は、車で通勤することが多く、定期券を
買っていないので、乗るたびに料金がかかる。)

五反田駅では、JR乗換もあり、
改札でスムーズに人が流れず、
ホームに人があふれていた。



帰りは、フリー乗車券をもらいました。



124円のことだけど、せっかくだからね。




ユリゴコロ

吉高由里子、松坂桃李、松山ケンイチらの
出演する映画『ユリゴコロ』。
原作は、沼田まほかるのミステリー小説。
2012年に大藪春彦賞を受賞、
本屋大賞にもノミネートされたというので、
原作はきっと面白いに違いない。
さて、映画はどうか。

う〜ん、面白くないわけではないのだけど、
設定が異常なので、登場人物の誰にも
感情移入や共感がしづらかった。

そんなに何人も人を殺しておきながら、
警察に捕まらないというのも無理があるが、
まあそこはフィクションなので、目を瞑ろう。

でも、最大の突っ込みどころは、
(ここからネタばれ注意)
女一人でヤクザ数人をどうやって
殺したのかってとこでしょう。
しかも銃器は使わず、刃物で殺したみたい。
誰か殺し屋を雇ったのかも知れないけど、
それもちょっと無理があるもんなあ。
いくら殺人鬼といえども、
男数人を刃物で一気にやるのは、
いくらなんでもなぁ、という感じ。

あと、亮介(松坂桃李)が、
恋人を奪ったヤクザを
やたらと殺したがるのだけど、殺してしもたら、
大好きな恋人と一緒にいられなくなるのに、
そんな判断力もなくなっているのか、
ちょっとそこも解せないな。

このへんは、原作読んでみんと分からんな。

あと、リストカットのシーンは、
グロテスクとは言わないけど、
あんまり見ていられない。

良かったのは、殺人鬼・美紗子を演じる吉高由里子。
この人の(主役じゃない)出演作、
何本か観ているけど、あんまり印象に残っていない。
例えば『重力ピエロ』『探偵はBARにいる』
『ロボジー』『真夏の方程式』など。
本作は主演ということもあるけど、
記憶に残ると思う。

共感は出来ないけど、
数年間幸せだった美紗子が、
過去の過ち(自分の異常さ)のため、
その幸せを失うことになってしまうのは、
不憫だった。


★★★★☆




ドリーム
HIDDEN FIGURES


黒人差別を描いた映画は、
今までも数本観てきたけど、
『ドリーム』は、『42〜世界を変えた男〜』
『ザ・ダイバー』などと同様に
黒人で初めて何かを成し遂げた人達の
実話に基づく映画。

邦題は『ドリーム』だけど、
原題は『HIDDEN FIGURES』。
「FIGURE」には色んな意味があるが、
この場合は「隠された人物たち(の功績)」
といった意味だろうか。

ウィキペディアによると、
当初、日本語題は『ドリーム 私たちのアポロ計画』と
していたのだが、実際には「アポロ計画」の
話ではなく「マーキュリー計画」を扱った作品で
そのことの批判が SNS上で相次ぎ、
20世紀フォックスは日本語題を『ドリーム』に
変更した経緯が記されている。

『ドリーム』にしても、
『HIDDEN FIGURES』のような深みなく
まだやや安易な印象を持ってしまうのは
日本人としては残念やね。

さて本作は、まだまだ黒人差別が横行していた
1960年代初頭のアメリカ、NASAが舞台。
そこで、能力があるのに認められずに、
不平等な扱いを受けていた
黒人女性スタッフが、
アメリカ初の有人宇宙飛行計画を
支えていたという物語。

ウィキペディアには、「史実との相違点」という
項目が書かれている。
映画をよりドラマチックにするためか、
史実より大げさに描かれている部分が
何か所か あるようだ。
それって、どうなんだろうと思ったけど、
製作者側にすれば、演出の一部なのだろうか。
でもまあ、当時、実際に街中のトイレやバスの座席が
白人用と黒人用は分けられていたわけだし、
日本人には想像できないような
ひどいことがあったことは間違いないのだろう。

こういう作品を観ると、
世界を変えてきたのは、
一部の人たちの「信念」「勇気」「正義」
「決断」そして「行動」なのだと思いいる。

以下、ネタばれ。
次のシーンが印象的で好き。

キャサリン(タラジ・P・ヘンソン)が、
上司に「どうして席からいなくなるのか」と訊ねられ、
建物内に黒人用のトイレがなく、
遠くまでいかなければならないことを
半ばキレ気味に訴えるシーン。

それを受けて、本部長(ちょっと腹の出てきた
ケビン・コスナー)が、トイレの
「有色人種用」の看板を取り壊すシーン。

エンジニアを目指すメアリー(ジャネール・モネイ)が、
白人専用の学校で講義を受ける許可を
裁判所に申請し、判事にその前例を
作るよう説得するシーン。

キャサリンが重要な会議に入れてもらい、
その場で誰も出来ない計算をして見せるシーン。

そして、宇宙飛行士のジョン・グレンが、
「キャサリンが間違いないと言うなら飛ぶ」というシーン。

そんな風に、この映画には
印象に残るシーンがいっぱいあったね。

このグレンが乗ったマーキュリー・アトラス6号が
宇宙へ飛んだのは、1962年2月20日。
私がまだ生まれる前のことなのだ。


★★★★★





2017.10.11

小曽根真ワークショップ
自分で見つける音楽 Vol.5


小曽根さんのワークショップ
「自分で見つける音楽」。
今年で4年連続参加だ。
毎回、ためになる、深い話が聴けるので、
とても楽しみにしている。

今回も、深かったなぁ。
ブルーノート(ブルースに使われる音)の
意味とか、興味深かったね。
リズムに関する話など、
昨年も聴いた話もあるのだけど、
1年も経っていると全く新しく、
また違うレベルで入ってくる。

また「身体は食べ物を糧にし、
心は芸術を糧にする」
(言い回しはちょっと違うけど
そんな内容だった)
なんて言葉とか、どっかで使いたいよな。

質疑応答コーナーでは、
「アドリブの時、何を考えているのですか?」
「トーンが変わる時、何を考えているのですか?」
といった「何を考えてる?」質問が
相次いだのだけど、答えは
「何も考えていない。」
そうでしょう。
さんざん練習したら、本番では
心の赴くままに、周りの音と対話しながら、
ダンスしながら、ただ音楽を楽しむのみでしょう。

また、「どうしたら、そんな風に弾けるように
なるのですか?」という質問。
答えは「ただ(練習を)やるだけ。」
そうでしょう。
それしかないでしょう。

と、分かった風に聴きながら、
中身の伴っていない自分に気づいた。

小曽根さんの話を聴いていると、
自分なんぞ、もう55歳だというのに、
音楽の入り口に立っただけじゃないか、
どーすんねん、こんなん、
死ぬまでにホンマの演奏なんかできるように
なれへんぞ、とマジで焦りが出てきた。
ひぇ〜。


@ 東京文化会館 小ホール




小曽根真 ワークショップ [関連エントリー]
2014.12.9  自分で見つける音楽 Vol.2
2015.10.21 自分で見つける音楽 Vol.3
2016.9.21  自分で見つける音楽 Vol.4





2017.10.14

A Musicares Tribute To Carole King

アメリカには、グラミー賞が主催する
「ミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤー」
というのがあって、過去には、
ブライアン・ウィルソン、ジェームス・テイラー、
ドン・ヘンリー、アレサ・フランクリン、
ポール・マッカートニー、
ブルース・スプリングスティーンなどが
受賞している。

2014年には、キャロル・キングが受賞し、
2014年1月24日にLAで 記念ライヴが開催された。
その模様を収録したDVD
『A Musicares Tribute To Carol King』を観た。

色んなアーティストが、キャロルの作った曲を
1曲ずつ歌うという贅沢なライヴ。
知らないアーティストも多かったけど、
皆 アメリカでは有名な人たちなんだろう。
後半は、キャロル自身がステージに上がり、
ジェイムス・テイラーと数曲演奏。

ジェイムス・テイラー以外にも
私も知っている有名どころは、
スティーヴン・タイラー、レディー・ガガ 、
ジェイソン・ムラーズ、アリシア・キーズ、
グロリア・エステファン、トム・スコットなど。

ドキュメンタリー映画
『バックコーラスの歌姫 (ディーバ) たち』

登場したバック・シンガーたち
(メリー・クレイトン、リサ・フィッシャー、
ダーレン・ラヴ、ジュディス・ヒル)が歌う、
"Way Over Yonder" が圧巻。

"A Natural Woman" は、
アレサ・フランクリンに登場してほしかったけど、
アリシア・キーズが歌った。

"Up On The Roof" は、ジェイムス・テイラー。
ですよねって感じ。

全編、素晴らしい内容でした。
夜遅くに観始めたけど、
始まって数曲で、たまらなくなって
ワインを開けたよ。

ソング・ライターとしての夢は、
素晴らしいシンガーに自分の作った歌を
歌ってもらうことと ご本人も言っている
通りだと思うが、キャロルは、
本当にその夢を実現した一人やね。

8月に The Carole King Musical "BEAUTIFUL" を
観た
こともあって、キャロルのことを
ちょっとだけ詳しくなったこともあるけど、
ますますキャロルのこと好きになった
ライヴ DVD でした。

内容とは関係ないけど、
会場にはトム・ハンクスの姿も見えた。
また、ピアノがメイン・ステージの黒と
レディ・ガガが "You’ve Got A Friend " を
弾き語りをした白と2台映るが2台とも
ヤマハというのも日本人としては嬉しいね。





先日、キャロルの最新アルバム
『TAPESTRY: LIVE IN HYDE PARK』を
聴いたけど、それも素晴らしかった。
名作『つづれおり』の全曲再現ライヴと
いうことなのだが、これがアメリカではなく、
ロンドン(ハイド・パーク)だというのも
興味深い。








2017.10.15

高中正義
SUPER LIVE 2017 “渚・モデラート”


日比谷野音へ行ってきた。
高中のライヴ。
天気予報では1日中雨。
雨天決行のライヴなので、
雨の中観るのはイヤだったけど仕方がない。

大阪城の野音や、大阪万博あとの公園、
そして東京日比谷の野音など、
今までに十数回は野外コンサートを
体験してきたけど、雨がっぱを着ての
コンサートは人生初めてだったような気がする。

十分に間に合うように家を出たのに、
駅でうんこをしたり、雨がっぱを着たり
していたら、1曲目に間に合わなかった。
こんな日に限って、時間キッチリに始めよる。

コンサート中、雨は、比較的小降りで、
短時間あがったりもしながらも、
基本的に ずっと降っていた。
まあ、じゃじゃ降りでなかっただけましか。

でも、立ち見のお客さんも大勢いて、
雨だから行くの止めようなんて
お客さんは、一人もいなかったんじゃないかな。
ファンって、ありがたいね。
私が言うことちゃうけど。

コンサートは、毎度の高中ワールド。
ギターは、今日はストラトはなしで、
ブルーのSG(YAMAHA)と濃いめの
ブルー(模様入り)のSG(YAMAHA)。
(たぶん)2本のみ。
雨のせいか、時折機材の不調を感じたのは残念。
これでは、ライヴ盤には出来ないだろうって感じ。

思いのほか、小島さんのソロが多かったのは
嬉しかったな。
高中が「天才ピアニスト」と呼んでいたもんね。
「以前は、竹中と演っていたけど、
今日は高中です」って。
「竹中」というのは、Char のことね。
高中の音楽には、JAZZ や Blues の匂いが
ほとんどないのだけど、小島さんのピアノは、
完全に JAZZ なので、小島さんのソロの時だけ
別世界のようでした。

曲は、『渚モデラート』『Blue Lagoon』
『Ready To Fly』『Just The Two Of Us』
(Grover Washington, Jr)など。
知らないのも数曲あったけど、
大体は知っていた。
でも、タイトル言えないの。

そして、大好きな『EARLY BIRD』。
この曲、全編ちゃんと弾けないくせに、
高校卒業後の春のライヴで、演ったなぁ。
よく、あんなレベルで人前で演奏したもんだ。

アンコールは、メドレーで
『YOU CAN NEVER COME TO THIS PLACE』
から『黒船』。
間に、もう1曲入っていたのかも知れない。

そのあと、高中一人残って、
ギタレレ的なミニギターでアコースティックに
色々混ぜながらビートルズメドレー。

『渚モデラート』を聴きながら、
(ああ、この人の音楽は私の青春の
1ページだ)などとしみじみ思いながら、
たくさん聴きに行きたい音楽が増えすぎて、
時間とお金がいくらあっても足りない昨今、
やはりせめて年に一度はコンサートに
足を運ぼうなんて思ったのでした。


ところで、コンサートとは直接関係ないのだけどひと言。
チケットを購入した「ぴあ」の履歴を観てみると、
今日のチケットは先行抽選で、5月の末に申し込み。
6月7日に当選が確定している。
4ヶ月も前に買ったのだ。
一般発売の前の抽選だというのに、座席が後ろから
3列目(前から31列目)というのは、不満だな。

全体からの抽選で席は選ばれているのだろうが、
早くから申し込み、特別販売手数料(514円)を
プラスされて高いチケット代を払っているのだから、
良い席から順番に振り分けて欲しいもんだ。
でもこれは、購入のチャンスが増えることに
支払う手数料と解釈するのが正しいようで、
早めに買ったから、良い席を振り分けるという気は、
販売側にはないようだ。
でも、後ろから3列目も最前列と同じ料金って
不公平やなぁ。
まあ、たまに前の方が当たることもあるので
それでバランスとれてると考えるのが大人かな。


[ MEMBERS ]
高中正義 (Gt)
斉藤ノヴ (Perc)
岡沢章 (B)
宮崎まさひろ (Drs)
小島良喜 (Key)
大島俊一 (Key&Sax)
AMAZONS/斉藤久美・大滝裕子・吉川智子(Cho)

@ 日比谷野外音楽堂





[ 高中正義 関連エントリー ]
2011.5.1 ギター・マガジン・フェスティバル
2011.9.24 高中正義 “デビュー40周年” ツアー
2012.9.8 Horizon Dream
2013.7.25 Horizon Dream 再発!
2014.10.11 GONTITI ダブル還暦フェスティバル
2015.10.1 高中正義 渋谷公会堂 FINAL
2016.6.4 高中正義


(2017.10.18 追記)
ネットにセットリストを発見。転記。
[ SETLIST ]
1. Maria Erena
2. Sambadouro
3. 渚 モデラート
4. Bay Street Fix
5. Two Of Us
6. Blue Curacao
7. Blue Lagoon
8. Saudade
9. Early Bird
10. Narkissos
11. Dancin' In Jamaica
12. エピダウロスの風
13. Jungle Jane
14. Shake It
15. An Insatiable High
16. Tropic Birds
17. Ready To Fly
EC.
18. Medley
  You Can Never Come To This Place

  
〜 珊瑚礁の妖精 〜 獅子座流星群 〜
  黒船嘉永6年6月4日
19. ukulele(6弦) solo





2017.10.16

便利さと失われるもの

自転車や歩行者が誤って高速道路に進入する
トラブルがこの数年増加しているという 記事 を読んだ。

そう聞いて、認知症の高齢者などによる誤侵入
だろうと思ったら、そればかりではない。
2011〜16年度の合計数を年代別に見ると
最も多いのは20代だというのだ。
記事によると
20代 3345件、70代 3101件、60代 1649件、
10代 1580件、30代 1542件 ということだ。

なんで20代が?と思ったら、原因(の一部)は
スマホのナビアプリだという。

車を運転していて、ナビに案内されたら、
思わず誤侵入してしまうのも、
あり得ないことではないと思ったけど、
歩いていて、または 自転車で、
高速道路に侵入するだろうか。

記事によると「(誤侵入の)半数は歩行者で、
原付きバイクが約3割、自転車が約2割を占める」
とある。
半数が歩行者・・・。

いくら、ナビが示したとしても
歩いていたら、気が付きそうに思うのだが、
それだけ、スマホに頼りすぎているということなのか、
注意力が低下しているということなのか、
理解に苦しむ。

私も車の運転にナビに頼るようになってしまい、
すっかり地図を読む能力が
失われてしまったように感じる。
いや、地図を読む能力だけではなく、
運転中のドライバーの勘のようなものも。

便利になると引き換えに
人間は色んな力を失っている。

先日、30代後半男性の話を聞いたが、
彼は、女性とデートするのに着ていく服装まで
検索した結果(ジーパンはNGとか
襟のあるシャツを着て行けとか)に
振りまわされているように私には見えた。
最初のデートでは、彼女と向かい合って
座ってはいけないとか、ネットに書かれた
そういうことをまるで真実であるかのように
信じているように見えた。

経験が少なく、
「どうしていいいのか分からない」
というのは、分かる。
しかし、「検索」というツールを手に入れた私たちは、
安易に正解を求めるようになった。
もともと失敗が怖かったところに、
すぐ答えが見られるようになってしまったのだ。

本当は、答えなんかないのだけど。

そういう私も何かをググらない日はないほど、
検索する人になってしまった。

便利になると引き換えに
人間は何かを失っている。





2017.10.17

JACKSON BROWNE
ジャクソン・ブラウン


2015年、初めてジャクソン・ブラウンの
コンサートに行った。
もう2年半も前なのだな。
その日のエントリーには、
「予想をはるかに超えて良かった」と
書いている。
良いライヴだった証拠に
そのジャパン・ツアーは、
ライヴ CD となって先日リリースされた。

そのジャクソンが、8度目の来日。
今年はデビュー45周年。
今日は、今回のジャパン・ツアー、
6公演の初日に行ってきた。

バンドメンバーは、前回と同じ。
(バック・コーラスの2人は未確認。)
ギターの2人、グレッグ・リーズと
ヴァル・マッカラムが良い。
特にグレッグ・リーズが素晴らしい。
ペダル・スティールもこなすグレッグ・リーズの
ことは、ジャクソンのウェブサイトでは
「the acclaimed multi-instrumentalist」
(絶賛されたマルチ・プレイヤー)と
紹介されていた人。

1曲目は、知らない曲で、演奏後、
先日亡くなったトム・ペティの話をしたので、
もしかしたら、トムの曲かなと思ったら、
やはりそうだった。
「今日のライヴは、トムに捧げます」と
言っていた(と思う)。

一昨年同様、この人の歌は心の奥に届くと感じたね。
聴きたい音楽が多すぎて、一人のアーティストを
深く掘り下げることが出来ないのが歯がゆいが、
時間があれば、ゆっくり歌詞の意味も
調べながら聴きたい音楽です。

前回もそうだったのかも知れないけど、
CD で聴くよりたっぷりギターソロがあり、
ギターファンには嬉しいライヴだった。
それに、ジャクソンだけでも10本以上の
ギターを持ちかえており、3人合わせると
20数本のギターが弾かれたと思う。
また、ジャクソンのギターが
マーティンとか分かりやすいものもあるけど、
見たこともないモノが多い。
極めてビザールっぽいギターなどね。
ギターマガジンさん、ぜひ取材してください。

1曲終わるたびに、次の曲をリクエストする声が
客席から大声で飛び交うのは前回同様。
今日も、リクエストに応えるため、
ギターを持ち替えるシーンが何度かあった。
素晴らしいエンタテイナーですな。

20分ほどの休憩を入れて、
2時間45分ほどのショー。
来年で70歳とは思えない
パフォーマンスでした。





[ SETLIST ] (setlist.fm より)
1. The Waiting (Tom Petty and the Heartbreakers cover)
2. Some Bridges
3. The Long Way Around
4. Rock Me on the Water
5. Looking East
6. Farther On (by request)
7. These Days
8. Just Say Yeah
9. Your Bright Baby Blues
〜 休憩 〜
10. Something Fine
11. Lawyers, Guns and Money (Warren Zevon cover)
12. The Naked Ride Home
13. Fountain of Sorrow
14. Lives in the Balance
15. Call It a Loan (by request)
16. Love Needs a Heart (by request)
17. The Barricades of Heaven
18. The Pretender
19. Doctor My Eyes
20. Running on Empty
Encore:
21. Somebody's Baby (by request)
22. Take It Easy

[ MEMBERS ]
Jackson Brown (vocal, guitar)
Bob Glaub (bass)
Mauricio Lewak (drums)
Val McCallum (guitar)
Alethea Mills (vocal)
Chavonne Stewart (vocal)
Jeff Young (keyboards)
Greg Leisz (guitar, lap steel, pedal steel)

@ Bunkamuraオーチャードホール


Jackson Browne October 2017 Japan Tour
10月17日(火) Bunkamuraオーチャードホール (東京)
10月18日(水) Bunkamuraオーチャードホール (東京)
10月19日(木) Bunkamuraオーチャードホール (東京・追加公演)
10月21日(土) Zepp Nagoya (名古屋)
10月23日(月) オリックス劇場 (大阪)
10月24日(火) 広島文化学園HBGホール (広島)





2017.10.18

2017 落語一之輔・四夜 第一夜

2014年10月31日、そうとは知らずに聴きに行った
一之輔の落語会が、1年目は一夜、
2年目は二夜、3年目は三夜、と増えていき
5年目には、五夜の公演を行い、
5年合計で十五夜になるという乙な企画だった。

1年目に居合わせたのも何かの縁だろう、
どうせなら十五夜全部聴いてやろう!と
思った私は、一昨年は二夜、昨年は三夜と
今までに3年かけて六夜の公演全てを聴いてきた。

そして、4年目の今年は四夜。
4日連続なのだ。

なぜ、十五夜全部聴きたいと思ったかというと、
この公演には、毎夜「ネタおろし」があるのだ。
「ネタおろし」というのは、初演のこと。
初めて人前でその演目を演る場にいれるなんて
一度しかない貴重なチャンスだろ。

今年は予め下記の演目が発表されていた。

第一夜 「猫の災難」他
第二夜 「文違い」他
第三夜 「心眼」他
第四夜 「二番煎じ」他

「各夜共に、ネタおろし有り!」と
書かれていたので、この四席がネタおろしと
いう意味だと思うのだが、そうだとすると
へぇ〜「二番煎じ」、
まだ演ってなかったんやと意外。

前置きが長くなった。
今日はその「落語一之輔・四夜」の「第一夜」。

開口一番は、小朝の弟子、春風亭ぴっかり☆。
3年前に一度だけ高座を観たことが
あるのだが、その時は彼女のある発言に
ひっかかり、どうも好きになれなかった。
3年間できっと 揉まれたんだろう。
ずい分と落語も上手くなったように感じた。
可愛らしい若い女の子という印象だったが、
調べてみると、36歳。
「入ってきた時(25歳)は可愛かった」と
一之輔が、言うのも仕方がない年齢に
なったということか。

一之輔の一席目は、「代書屋」。
代書屋と履歴書の代書を依頼してきた男
(一之輔バージョンでは 中村吉衛門)の
ギャップが激しく、この温度差が面白い。
続けて、ちょっと短めの「子別れ」。

仲入りのあと、「おしどり」という夫婦漫才。
この人達のことは知らなかったけど、
大阪の横山ホットブラザーズの弟子だという。
横山ホットブラザーズと言っても
東京の人は、ほとんど知らんのやろうな。
この漫才が面白かった。
旦那は、針金細工芸。
嫁さんは、アコーディオンを弾きながら、
シャンソン(?)を唄う。
内容はバカバカしいのだが、ちょっと感動した。
寄席で、また観たい。

そして、ラストはネタおろしの「猫の災難」。
あんまり大ネタとは呼べない演目だと思うけど、
所々に一之輔アレンジが見られて面白かった。

全体的に一時期よりも落ち着いてきたというか、
暴走することがなかった感じがする。
まあ、演目によるかもしれないので、
明日以降どうだか分かりませんが。

一之輔は、夏に通風を発症したらしいけど、
ヒザだったためか思っていたより痛くなく、
医者には通風と言われたけど、
本人は通風かどうか疑っているとのこと。
ヒザの方が痛そうだけどなぁ。

毎年、カメラが入っていたのは気付いていたけど、
上手くいけば、十五夜終わったら DVD に
なるかも知れないということだ。
5年間の変化やマクラでの時代の変化も
楽しめるだろうから、ぜひ実現してほしい。


開演前


[ 演 目 ]
「権助提灯」 春風亭ぴっかり☆
「代書屋」 春風亭一之輔
「子別れ」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「音曲漫才」 おしどり
「猫の災難」 春風亭一之輔

@ よみうり大手町ホール





2017.10.19

2017 落語一之輔・四夜 第二夜

5年連続落語会、その4年目は四夜連続。
今夜はその第二夜。
昨日は4列目だったけど、今日は最前列の端っこ。



ステージに向かって一番右端だったおかげで
下手の舞台袖が見えた。
お囃子の三味線を弾いているのが見えたよ。
本当に舞台のすぐそばで演奏してるんやね。

開口一番は、立川こはるの「道灌」。
この人は数回観ているけど、中性的なのか
女性が演じているという感じがあまりなく、
落語的には良いと思う。
そういえば、昨日のぴっかりも
権助や旦那様を演じていて
あまり違和感を感じなかったな。
聴く側(私)の変化だろうか、
演じる側の進化だろうか。

一之輔の一席目は「浮世床」。
この噺にはいくつかのパートがあるのだが、
今日は本読みのくだり。
終演後のロビーに演目が貼り出されるのだが、
「浮世床〜本」と書かれていた。
意外や、一之輔の「浮世床」は初めて。
一之輔らしいアレンジ。

続けて「鼠穴」。
これも一之輔で聴くのは初。
竹次郎が兄貴に10年前に借りた三文を
返しに行ったシーンはちょっと泣ける。

仲入りのあと、寒空はだか という人の漫談。
これまた面白い。
よくこんなネタ思いつくなあ。
昨日のおしどりに続いて、寄席でまた観たい。

トリは、ネタおろしの「文違い」。
柳家さん喬師匠の音源を一度聴いたことがあっただけで
オチまでは覚えていなかった。
男と女の騙しあいの噺。
ちょい渋い演目。

今日は、三席とも一之輔で聴くのが
初めてだったので、とても満足。
一席目のマクラでは、談志や松山千春の
モノマネが飛び出すなど楽しめたし。

明日は第三夜です。




[ 演 目 ]
「道灌」 立川こはる
「浮世床〜本」 春風亭一之輔
「鼠穴」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「漫談」 寒空はだか
「文違い」 春風亭一之輔

@ よみうり大手町ホール





2017.10.20

2017 落語一之輔・四夜 第三夜

春風亭一之輔 落語 四夜連続公演、
今夜はその第三夜。
前から2列目の中央。
凄く良い席。



私は、一之輔の独演会に20回以上足を運んだが、
そのうち、4分の3は一之輔が三席演っている。
独演会で二席しか演らない噺家が多い中、
以前、一之輔は、主役が三席演らないと
独演会じゃないでしょというようなことを言っていた。
ファンにとっては、嬉しいことだが
本人は合計で90〜100分 口演することになる。
この3日間は、浅草演芸ホールの昼の部に
出演した後の独演会のようで、
一日に四席 演っていることになる。
凄いなあ。

さて、第三夜。
今日の開口一番は、春風亭正太郎。
「五目講釈」というちょっと珍しい演目。
これ、難しそうだもんな。

一之輔は、「普段の袴」と「藪入り」。
どちらも CD では一之輔の口演を聴いたことが
あったが、ライヴは初めて。
これまた嬉しいね。

休憩の後、三遊亭小円歌(女性)。
今年4月に亡くなった圓歌師匠のお弟子さん。
落語ではなく、三味線漫談。
いいなぁ、都々逸。
あんなの弾き語りできるようになりたいもんだ。
またこの人、独特の色気がある。
11月には、二代目 立花家橘之助
(たちばなや きつのすけ)を襲名するそうだが、
この名前は、80年以上空いていたそうだ。

トリは、一之輔の「心眼」。
あんまり演る人がいないのだろうか、
三喬師匠のを CD で聴いたことがあっただけだ。
今日の一之輔のマクラによると、
目の見えない人の噺なので、
客席にそういう方がいると、
演者は避けるらしい。
でも、目の見えない人は、
目の見えない人の噺を聴きたいらしい。

梅喜(ばいき)という、目が不自由なあんまが、
薬師様に日参して、21日目に目が開く。
自分に尽くしてくれた女房が不細工だと聞いて、
家にも帰らず、芸者の小春と一緒になろうとするが、
実は目が開いたのは夢だったという噺。
聴きようによっては、大変深い、
人間の業を描いた 聴きごたえのある噺だ。

小円歌さんが、「じじい」と言っていた通り、
一之輔の芸は、もう円熟の域に達していると思う。
まだ39歳だけど。
「普段の袴」の侍、道具屋の旦那、八五郎、大家さん、
「藪入り」の父親、母親、せがれの亀吉、
「心眼」の梅喜、女房のお竹、上総屋のだんな、
芸者 小春、と今日は11人の主要な登場人物を
演じたわけだが、全ての人が素晴らしい。

貫禄のある武士、落ち着いた旦那、あわて者、
子を思う親、泣きじゃくる子供、
めくら、亭主想いの女房、いい女(芸者)など
まったくその人なのである。

無邪気な眼差し、粗忽者の表情はもちろん
素晴らしいが、時に見せる慈悲深い眼差しが
怖いほど奥深い時がある。


[ 演 目 ]
「五目講釈」 春風亭正太郎
「普段の袴」 春風亭一之輔
「藪入り」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「三味線漫談」 三遊亭小円歌
「心眼」 春風亭一之輔

@ よみうり大手町ホール





2017.10.21

2017 落語一之輔・四夜 第四夜

2014年の4月に初めて 一之輔の高座を観た。
演目は「雛鍔 (ひなつば)」だった。
数えてみると、一之輔の高座は
今日で40回目だった。
この3年間は、月1回のペースで、
観ていることになる。
これは他の落語家より断然多い。
昨日も少し書いたけど、
39歳にして 円熟ともいえる芸と
その芸風が私のツボにハマったのだな。

さて、四日連続公演の第四夜。
今夜は13列目。



開口一番は、一之輔の弟弟子にあたる
春風亭朝之助の「つぼ算」。
この人は初めてだった。

一之輔の一席目は、「鈴ヶ森」。
泥棒の親分と間抜けな新米が、
鈴ヶ森へ追い剥ぎをしにいくという
バカバカしいお噺。
やはり一之輔アレンジが効いていて
独特な世界が展開される。
続いて「千早ふる」。
これも同様、一之輔ワールドだ。

仲入りを挟んで、奇術。
マジックとは言わない。
寄席では「奇術」なのだな。
これが、また面白かった。

寄席へ行くと噺家一人一人の持ち時間が
短い上、落語以外の出し物があるので
落語だけを聴きたい私としては、
ちょっと寄席を敬遠していた部分も
あるのだけど、この4日間の色物は、
全て面白かった。
もちろん、一之輔チョイスだろうから
面白くないわけはないのだけど、
ちょっと寄席へ行きたくなったよ。

トリは、ネタおろし「二番煎じ」。
江戸時代、町内の旦那衆が火の用心の
見回りをしていたようだ。
前半は、その見回り中の噺、
後半は、見回りの合間に番小屋で酒を飲む噺。
酒を飲んで獅子鍋をつっついていると
お役人がやってくる。
酒を飲んでいたことがばれると
お咎めを受けることになる。
酒ではなく、煎じ薬だとごまかすが、
役人は自分にも煎じ薬を飲ませりと言い出す。
「なかなか良い煎じ薬だ。
もう一杯くれ」と言う役人に
全部飲まれてはたまらんと思った旦那衆は、
「もう煎じ薬は、なくなりました」と言うと
「ならば、町内をひと回りしてくるから、
その間に二番を煎じておけ」というオチ。
初演だからか、そんなにアレンジは
感じなかった。
これから、進化してくのだろうな。

昨日までの3日間は、トリの落語が終わると
どん帳が下りて終演だったが、
楽日の今日はどん帳は下りず。
最後に挨拶をして終わった。

ご本人は、体調不良(声の調子が良くないこと)を
詫びていたけど、全くそんなことを感じさせない
素晴らしい4日間でした。
ここまで来たら、来年の五夜も聴くぞ!


[ 演 目 ]
「つぼ算」 春風亭朝之助
「鈴ヶ森」 春風亭一之輔
「千早ふる」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「奇術」 伊藤夢葉
「二番煎じ」 春風亭一之輔

@ よみうり大手町ホール




[ 関連エントリー]
2014 落語一之輔・一夜
2015 落語一之輔・二夜
2016 落語一之輔・三夜
2017 落語一之輔・四夜





2017.10.23

でかい・・・

1985年12月、クリスマス・シーズンに
ニューヨークを訪れた。
そこで観た光景は、当時の私の常識の枠を超えた、
アメリカのスケールの大きさを象徴していた。

こんなもんにリボンかけるのか・・・。


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2017.10.24

社長トリオ
南博(pf) 斉藤社長良一(gt) 水谷浩章(b)


夏に南博というジャズ・ピアニストが書いた本を2冊読んだ。
『白鍵と黒鍵の間に ジャズピアニスト・エレジー銀座編』
『鍵盤上のU.S.A. ジャズピアニスト・エレジー アメリカ編』

2冊とも南氏の若い頃の体験を書いた自伝的エッセイだ。
面白かったので、ライヴにも行きたいと思っていが、
中々行けず、ようやく今日観に行ってきた。
会場は、初めて行く下北沢の「APOLLO」というハコ。

メンバーは、南博 (piano)、水谷浩章 (contrabass)、
斉藤’’社長’’良一 (guitar)。
ギターの斉藤さんの名前が気になるよね。
推測するにミュージシャン以外に何か
社長業をされているのかな、と思ったけど、
メンバー紹介時の話によると
そういうわけでもなさそうだった。
水谷さんは、何度かライヴで観ているベーシスト。

南氏のウェブサイトのスケジュールには、
こんなコメントが。
「まずは社長のギターを聴きにきて下さい。
天才です。これだけジャンル破りながら、
ジャズギターそのものを表現するギターサウンドに、
ヴェテラン水谷がそのサウンドを支え、
私もその間で暴れようかな。
間近で聴ける面白ワールドです」

確かに社長のギターは、ジャンルレスな演奏。
同様にやんちゃに攻める南氏のピアノ。
それをある意味ひたすらたんたんと支える水谷さんの
ベースワークにちょっと感動すら覚えた。

全体的なサウンドは、アヴァンギャルドな印象。
南氏の美しいピアノを期待していた私には、
思っていた世界と違ったけど、
それはそれで楽しかった。
ただ、ああいう世界は、聴いている側より
断然 演っている方が楽しいのよね。

そんなわけで、今日のところは
1st Showだけ楽しんだ。

[ MEMBERS ]
斉藤’’社長’’良一(G)
水谷浩章(B)
南博(P)

@ APOLLO(下北沢)








2017.10.26

分かりやすいのか?

明治通りを歩いていて、標識を見つけた。



写真の通り、日本語表記「明治通り」の下に
英語表記で「Meiji-dori Ave.」とある。
これは、ちょっとおかしくないか?

「Ave.」は「Avenue」の略で、
「通り」という意味だ。
とすると、「Meiji-dori Ave.」は訳すと
「明治通り通り」ということになる。

なんでこんなことになっているか、
ちょっと調べてみた。

どうも、「Meiji-dori」だけでは、
外国人には理解しにくいという意見が
あったようで、数年前から、
国(国土交通省)が、
「観光立国の実現に向け、
道路案内標識が外国人旅行者にも
分かりやすいものとなるよう」との
取り組みを始めたのが理由のようだ。

それにしても、
「Meiji-dori Ave.」には疑問が残る。
仮に「Meiji-dori」とだけ表示されていたとしても
その標識の前に立てば、この広い道路の名前が
「Meiji-dori」というんだろうということぐらい
どんな国の人でも想像がつくんじゃないだろうか。
想像がつかなかったとしても
わけや意味の分からないことも含めて、
外国旅行の醍醐味だろう。
それに「dori」が「avenue」や「street」の
意味だと知ることも観光の一部じゃないだろうか。

思うに、駅のホームの表示など、
日本ぐらい、複数の言語で表記されている国が
他にあるのだろうか。

私は常々、日本はなんて親切な国だろうと
思うと同時に、何か日本が国ごと外国人観光客に
迎合しているような違和感を覚えている。

それは、 パリやローマに行って、
街の中の色んな標識が
日本語でも書かれていたら、
興ざめだなと思うからでもある。

そんなことをするより、中学高校6年間で、
もっと英語が話せるような教育をした方が
良いように思う。
まあ、今は私の中高時代と違って、
英語教育も改善されているだろうし、
英語は身近なものになっているのだろうけど、
だからといって、高校を卒業したらある程度
英会話能力が付いているとは思えない。

話がそれてきた。
道路標識の話に戻ろう。

この件で、調べていると
東京都足立区のサイトの「区長のあだちな毎日」
「道路名称の英語表記が変わります」と
いうのを見つけた。
そこには、国の方針に合わせ道路案内標識の
英語表記を行って行く旨が書かれ、続けて
こう記されている。

「電大通り」の英語表記が「Dendai-Dori St.」、
「綾瀬川通り」が「Ayasegawa River−Dori St.」
と表記されます。
日本人的な感覚から言うと、川とRiver、通りとStが
ダブっていて少々不思議な気もします。


「綾瀬川川通り通り」である。
まったくナンセンスだ。
これは、区長の言葉として書かれてあるのだが、
「不思議」ではなく「不自然」だし「不合理」だ。

もし、日本人に分かりやすいようにと、現地に
「ハドソン・リバー川」「ニュー・ヨーク・シティ市」
「ゴールデン・ゲート・ブリッジ橋」と
書かれていたならどうだろう。

英語表記があるから(分かりやすいから)
観光客が集まるのではないと思うのだが、
これが日本の「おもてなし」なのか。





2017.10.27

庚申橋西は?

昨日は「明治通り」の英語表記についての
疑問を書いた。
今日、渋谷区内のある交差点で
信号待ちをしていて、
その交差点名標識が目に入った。



「庚申橋西(こうしんばしにし)」。
昨日のことがあったので、
その下の英語表記に注意が行った。
「Koshin Bridge W.」とある。

あれ?
おかしいぞ。
昨日書いた、足立区の
「Ayasegawa River - Dori St.」と
同様に考えるなら、ここは
「Koshinbashi Bridge - Nishi W.」と
書かないといけないよね。

渋谷区は、まだそこまで
手が回っていないということか、
担当者が躊躇しているのか(まさかね)、
どういうことなんだろうな。





2017.10.27

ダンケルク
DUNKIRK


映画『ダンケルク』。
クリストファー・ノーラン監督作品だし、
評価もそれなりに高いようなので
気にはなっていたけれども、
どうも だんだんと戦争映画を
観るのがしんどくなってきたので、
ずっと迷っていた。
9月9日の公開だったので、
そろそろ上映も終わりそうなので
やっぱり観ておこうと、観てきた。

私は、この映画で「ダンケルク」のことを知った。
以前 読んだレビューに
「歴史的事実なので結末は
分かっているけど〜」というものがあった。
が、私は、結末を知らずに観た。
もしかしたら、ヨーロッパ、特に
イギリスやフランスでは、
「ダンケルク」のことは、
日本の太平洋戦争における沖縄戦や硫黄島、
ミッドウェー海戦や東京大空襲などと同様に
有名な出来事なのかも知れない。

私同様、「ダンケルク」を知らない人のために
書いておくと、「ダンケルク」というのは、
ドーバー海峡のやや東に位置する
フランス北部の海岸に面する街の名前。

このダンケルクでドイツ軍に包囲された連合軍は、
撤退を余儀なくされた。
つまり、この映画は戦争映画でありながら、
戦うのではなく、撤退する映画なのだ。

ダンケルクには、40万の連合軍がいたが、
それをどうやって撤退させるか。
そこまでドイツ軍は来ている。
海から、撤退するしかないのだが、
船が全然足りないのだ。

この映画の特徴は、
普通の映画のように主人公らしき人が
いるわけではない。
最初から最後まで、出ている兵士はいるものの
名前さえ覚えられない程度だ。

私が感じたのは、あえて主人公といえば、
スピットファイア(英軍の戦闘機)と
そのパイロットだ。
しかし、本当の主人公は、
ダンケルクの海岸であり、
救出を待つ兵士であり、
救出に向かう民間船であり、
前述のパイロットであり・・・
つまり、登場する者 全てなのだな。

ストーリーで映画を描いているのではなく、
実際に戦場にいるかのような
臨場感で話が進んでいくものだから、
どこから敵弾が飛んでくるか分からなかったり、
船とともに沈没しそうになったり、
海面が油で燃えていて、海に潜っていたりと、
観ていて結構しんどいです。
途中で「あっ!」とか声出してしまいました。

最後の数分間は、涙が流れたのだが、
それは、あの場に及んでも味方のために
命を懸け続けるパイロットへの感動であったり、
兵士を救うために繰り出した民間の
船の多さだったり、
英軍は撤退したけど、仏軍はまだ残っているからと
自らもダンケルクに残る将校の心意気であったり、
そういう極限状態での人間の尊厳みたいな
ものに感動したのだと思うのだけど、
そこんとこを描くのに、
戦争がというわけではないのだけど
ちょっと何かが美化されているような複雑な
思いも同時にあった。

にしても、こういう凄いことが
あったことをこの年まで知らなかったことも
ちょっと勉強不足な感が否めない。
まあ、あの戦争のこと、
知らないことの方が多いのだろうけど。

反戦映画というイメージではなく、
ただ淡々とダンケルクで起こったであろうことを
描いているのだけど、十分に
戦争の無意味さと惨たらしさは伝わってきます。

民間船の船長ミスター・ドーソン役の
マーク・ライランスが、『善き人のためのソナタ』に
出ていた ウルリッヒ・ミューエに見えて、
へぇ〜この人、ドイツ人役も
イギリス人役も演るんやと思ったら、別人でした。
勘違い。
(マーク・ライランスは、
『ブリッジ・オブ・スパイ』の
ソ連のスパイ役の人。)


★★★★▲





2017.10.28

最近のお気に入り

20〜30代の頃は、
まるで永遠に人生が続くかのように
生きていたような気がする。
もちろん、人生は有限だということは、
知っていたのだけれど、
実感がないというのか
自分の人生にも
終わりがあることが
リアルではなかったような気がする。
周りに若くして亡くなる人が
ほとんどいなかったことも、
生命の儚さを身近に感じなかった理由の
一つかも知れない。

55歳ともなると、
残りの人生について
考えるようになるものなのだな。
あと何年元気でいられるか分からないが、
やりたいことと、残りの時間が
合わなくなってくる。
といっても、休みの日には
相変らず何もせずダラダラと
時を過ごしてしまうことも多いのだが。

若い頃から、大型のレコード店や書店に
行くと度々感じていたことがある。
ここにあるレコードのうち、
生きている間にどれだけ聴けるんだろう。
ここにある書物のうち、
生きている間にどれだけ読めるんだろう。

「自分の人生にも終わりがあることが
リアルではなかったような気がする」と
書いたけれども、欲張りな私は
そんなことは考えていたんだな。
自分の人生に限りがあることと
リアルにシンクしてたわけじゃないけど。

今までに知っている音楽だけでも、
一生かかってゆっくりじっくり聴くには、
時間が足りないのに
いまだに新しい音楽を求め続けている。
自分が知らないだけで、
まだまだもっといい音楽が
あるような気がして。
それは、古いものも新しいものも含めて。

最近は、古いもので言えば、渡辺貞夫さんの
70年代のものを聴いてみたり、
先日観に行った ジャクソン・ブラウンの
まだ聴いていなかったアルバムを
聴いてみたり。
急に 山中千尋 が聴きたくなって
片っ端からレンタルしたり。
PC に取り込まれていく音楽の数は、
膨大に増えていく毎日だ。

おまけに アマゾンのプライム会員に
なったおかげで、(ほぼ)無料で
100万曲の音楽が聴ける環境にある。
こんなに音楽を安売りして
ミュージシャンの経済は
大丈夫なのだろうかと、
恩恵に与りながら
心配をするという変な状態だ。

新しいアーティストで
最近知って気に入った人が、
大比良瑞希(おおひらみずき)と ハナレグミ。
どちらも車に乗っていて、
カーラジオから流れてきて知った。
この「ラジオから流れてくる」という出会いは、
音楽との関わりの原点のようで凄く良い。

大比良瑞希 は、『アロエの花』という曲だった。
イントロのギター、1小節で
「ああ、これ好き」と分かる。
でも、たまにそう思っても、
そのあとの展開で裏切られることもある。
この曲は、裏切られなかった。

彼女は、以前はバンドで活動していて、
2015年にソロ活動を開始したということで
新人というわけではないが、
名前も知らなかった。

もう一人、ハナレグミ。
この人は、名前は見たことがあったし、
歌声も聞いていた。
昨年観た映画『海よりもまだ深く』で
主題歌『深呼吸』を歌っていた人だ。
あの曲も十分印象的だったのに、
なぜかチェックしなかったのだな。
それが、先日ラジオから流れてきた
『家族の風景』にやられた。

おそらく20〜30代の音楽ファンなら、
ハナレグミを知らない人はいないのだろうけど、
私は、あんまり J-Pop に
注意を払っていないので
ちゃんと聴く機会がなかった。

で、その『家族の風景』以外にも
その時ラジオから数曲流れたのだけど、
全部良かったので、
一気に好きになってしまった。

ハナレグミは、私より一回りしたの42歳。
1997年に「SUPER BUTTER DOG」という
バンドでメジャー・デビューしているが、
このバンドのことは知らなかった。

歌詞が素晴らしく、
声が優しくて、
聴いていると泣きたくなってくる。


ハナレグミ - おあいこ 【MUSIC VIDEO】
抱きしめるふりして
抱きしめてもらってた
愛するふりして
愛してもらってた
僕がそう伝えると
君も同じだと言った
おあいこだよなんて
君は僕にそう言った
ずるい ずるい ずるい
ずるい ずるい ずるい
僕はずるい ずるいよ


Sunday Monday / 大比良瑞希


大比良瑞希つながりで、
ついでにこいつらもゴキゲン!
LUCKY TAPES - パレード


私が音楽を始めた頃は、
その多くが洋楽に憧れていた。
もちろん拓郎や陽水に憧れて
音楽を始めた人もいるけど、
ロックに関しては、
完全に洋楽志向だった。
最近の若手ミュージシャンの中には、
洋楽を通っていない人達が
いると聞いたが、
それは、洋楽を聴かなくてもいいぐらい
カッコいい日本の音楽が
増えてきたからだと思う。

30年前には「ポンニチくさい」という表現が
あったけど、もう死語かも知れない。
LUCKY TAPES なんか聴くと
ホントにカッコ良くて シャレオツだ。
ヴォーカルにもうちょいパンチが欲しいけど。





2017.10.29

女神の見えざる手
MISS SLOANE


オリンピックの招致活動で
「ロビー活動」という言葉を知ったけど、
世の中にはそのロビー活動を仕事にしている
「ロビイスト」なる人たちがいる。

映画『女神の見えざる手』は、
敏腕女性ロビイスト、スローンを
主役にした社会派サスペンス。

奇しくも今月初め、アメリカ・ラスベガスで
59人が犠牲となる銃乱射事件が発生したのだが、
映画では、銃規制の法案をめぐっての
ロビー活動が舞台となる。

見ごたえのある、充実の映画だった。
前半、テンポの速さにストーリーに
付いていけるか不安になったけど、
途中から完全に引き込まれてしまったね。

敏腕ロビイスト、スローンを演じるのは
ジェシカ・チャステイン。
『オデッセイ』や『インターステラー』などに
出演していた人だが、
あんまり印象は残っていない。
本作で記憶に残るだろう。

勝つことに執着し、
勝つために手段を選ばず、
時には周りの人を傷つけても、
突き進んでいく。
まるで冷血人間のように。
本人の「境界線が分からなくなる」という
セリフがあるが、結果へのコミットだけは、
揺るぎない。
だからこそ得られる信頼とともに、
そのやり方に味方にも疑問も持たれてしまう。

最後に この人の本物さというか、
その大きさというか、
誤解を恐れずいえば、化け物具合が分かる。
言い換えれば、めちゃくちゃカッコいいのである。
私の人生には、絶対ないことだけど、
こんな人を敵にまわすことはごめんだな。

結末が分かった上で、
もう一度細かい点に注意しながら観たいと思う。

原題は『MISS SLOANE』。
邦題『女神の見えざる手』はいただけないね。

それにしても、ロビー活動って、
本当にあんな風なのかね。


★★★★★




彼女がその名を知らない鳥たち


蒼井優、阿部サダヲ主演の
映画『彼女がその名を知らない鳥たち』。
原作は、先日観た映画『ユリゴコロ』と
同じ沼田まほかるの小説。

映画の宣伝コピーには、
「共感度ゼロの最低な女と男が辿りつく
"究極の愛" とは ――
このラストは、あなたの恋愛観を変える」
とある。
「恋愛観を変える」は50を過ぎたおっさんには
いささか大げさだが、
「共感度ゼロの最低な女と男」は、確かに。
1人の女と3人の男が登場するが、
この4人の誰にも感情移入、共感が出来ない。

前半は、十和子(蒼井優)の夫(同居人?)
陣治(阿部サダヲ)に対するあまりに酷い
態度に嫌悪感を持つどころか、
コメディのように見えて
何度か笑ってしまった。

十和子の昔の男、黒崎(竹野内豊)が
またどうしようもない、しょうもない男なのだが、
十和子は、いまだにこの黒崎のことが
忘れられない。

そして十和子は、偶然出会った妻子持ちの
水島(松坂桃李)と軽々と関係を持ち
惹かれていく。
この水島も ろくでもない男。

陣治は、十和子のことが心配で心配で、
まるでストーカーのように後をつける。
浮気をする十和子にやめるようには言うが、
怒りは見せない。

前半、十和子に虫けらのように
扱われる陣治が、本当にダメな男にしか
見えないのだが、最後には観客は、
陣治の十和子への想いに降伏するしかない。

「あなたはこれを愛と呼べるか」というのが、
本作のもう一つのコピーにあるのだが、
愛する者のために自分を差し出すことを
「愛」と呼ぶなら、陣治は、どこまでも
十和子を愛していたと言えると思う。

ラストに、十和子と陣治に出会いからの
歴史を見せられ、
それまで感情移入できなかった
陣治に切なさを感じてしまう。
上手い演出だ。

物語は、ちょっと現実離れしている点もあるけど、
ひとつのラヴ・ストーリーとしてはありだな。


★★★★☆





201710.31

日本の接客

先日は、外国人に分かりやすくしようとするあまり、
日本人には分かりにくくなっている
道路案内標識について書いた

今日は、日本の接客について書きたい。
スーパーで1リットルの牛乳の紙パックを購入した。
レジが空いていたので、レジ係の人が
袋に入れてくれた。
その時、
「牛乳を横に倒してもよろしいでしょうか?」
と訊かれた。
ほかにも買ったものがあったので、
レジ袋の中で 牛乳パックを横に倒し、
その上に入れる方が安定していて良いとの
判断だったんだろう。
私は「はい」と答えた後、
そのレジ係にこう訊いてみた。
「わざわざ訊かれるということは、
こんなことで怒るお客さんがいるのですか?」
レジ係は、ベテラン風の女性だったが、
こう答えてくれた。
「いえ、(牛乳を倒すことを)嫌なお客様も
いらっしゃるかもしれませんので。」

なるほど。
確かに「牛乳を倒さないで」というお客さんが
いないとは限らない。
ほとんどいないと思うけど。

たぶんだけど、世界中でこんなことを
レジ係が客に訊く国は日本ぐらいでは
ないだろうか。
これが世界の人が感心する、
日本の接客、おもてなしなのだろうと思う。

そう思う一方で、
ちょっと気を使い過ぎな感じが
しないでもない。



ひとりごと