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つつみしんやのひとりごと  落語 2013〜2014
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2013.3.25

桂歌丸 独演会

昨日は、落語を聴きに行って来た。

常々、落語や寄席を観に行きたいと

思っているのだが、中々行けない。

漫才のライヴは観に行ったことがあるが、

落語は、初めてだった。

いや、もしかしたら、子供の時に花月 (吉本) へ

行ったことがあるので、その時に落語も観ているかも

知れないが、覚えていない。

そういえば、小中の友達が高校・大学と

落ち研だったので彼の発表会 (?) は、

観に行った覚えがあるが、もう30年前のことだ。


さて、昨日の独演会、主役は 桂 歌丸だが、

他にも落語家が2人と プログラムには、

「俗曲」 と書かれていた、三味線の弾き語り (?)

&踊りの人が1人 出演。

落語は、もちろん全て面白かったが、

この俗曲の檜山うめ吉が良かった。

うめ吉という名だが、女性だ。

小唄や都々逸、初めて ええなと思った。

これも、私が年を取ってきたということなのか。

調べてみると、「俗曲」 というのは、芸の一つの分野のようだ。


歌丸の落語だが、76歳という高齢のためか、

時々流れが止まってしまうように感じたのは、気のせいか。

それでも、次回 (7月21日) の独演会のチケットの先行発売を

していたので、買ってしまったほど、面白かった。

歌丸といえば、今では笑点の司会者だが、

今年で48年になる、その長寿番組の第1回から

出演されているそうだ。

もちろん、現在の出演者で、第1回から出ている人は、

彼だけだ。

50年出たら、ギネスブックに載るだろうと、

冗談か本気か分からないようなことを

言っていたが、ぜひ、達成してほしい。


昨日のプログラム

一. 落語 「 転失気 」  瀧川鯉○
一. 落語 「 長 命 」   春風亭昇也
一. 落語 「 蒟蒻問答 」  桂 歌丸
  〜 お仲入り 〜
一.俗曲 〜 夜 桜 〜  檜山うめ吉
一.落語 「三遊亭圓朝 作 真景累ヶ淵 二、
     深見新五郎」  桂 歌丸





落語といえば、高校時代に一度だけ、

落語をしたことがある。

「粗忽長屋 (そこつながや)」 という演目を

前述の落ち研の友人に教えてもらって、

クラブの歓送迎会か何かのイベントで披露した。

もちろん、ネタは全て覚えてやった。

もう、忘れたけど。

昨年末、沖縄に行った際、飛行機の中で放送されてる

落語を聴いたら、その 「粗忽長屋」 だったので、

うれしくなって聴いた。

上方と江戸との違いか、私の記憶と幾分違ったけどね。


それにしても、先週は、韓国映画、歌舞伎、

JAZZ、落語と、芸と文化な一週間だった。

ありがたいことです。





2013.7.21

桂 歌丸 独演会 2回目

3月に 初めて 「桂 歌丸 独演会」 に行ったとき、

あまりに面白かったので、その場で先行発売していた、

次の 「桂 歌丸 独演会」 のチケットを購入した。

楽しみにしていたその日が、今日だった。

会場は、前回同様、横浜の関内ホール。

本日のプログラムは、下記。


一.落語 「 平林 」  三遊亭 小曲
一.落語 「 強情灸 」  桂 翔丸
一.落語 「 竹の水仙 」  桂 歌丸
 〜 仲入り 〜
一.音曲 松乃家 扇鶴
一.落語 「三遊亭圓朝 作
     真景累ヶ淵 三、豊志賀の死」 桂 歌丸


前回は、歌丸以外の落語も面白かったのだが、

今回の前座、三遊亭 小曲 (こまがり) は、ちょっと酷かった。

一度も笑えなかった。

こんな落語も珍しい。

若いようだったが、ああいう大きな舞台は、

初めてだったのかな?

2人目は、二ツ目に昇進したばかりだという 桂 翔丸。

こちらも、前座ほどではないが、

ちょっと微妙な落語で非常に残念。

3人目、いよいよ歌丸の登場。

名人と呼ばれた大工、左甚五郎の 「竹の水仙」 という

噺で、これが、感動するほど、素晴らしかった。

まず、歌丸が話し始めて、驚いたのが、その言葉の

聴き取り易さ。

前の2人は、何ヶ所も聴き取れないところがあったのに、

歌丸の言葉は、全部、すぅ〜っと入ってくる。

なんでしょう、この違い。

ホンマにビックリするほど、違った。

そして、仲入りのあとは、「音曲」 と書かれていた、

松乃家 扇鶴。

三味線を持って、漫談みたいなものを織り交ぜながら、

都々逸を歌う。

これが、独特の無力系で、おもろい!

そして、最後が本日メインの

「三遊亭圓朝 作 〜 真景累ヶ淵 三、豊志賀の死 〜」。

前回が、「真景累ヶ淵 二」 だったので、

その続きなのだが、前回を聴いていなくても

分かる話だ。(「二」 の時もそうだった。)

全く集中を切らすことなく、

中だるみすることもなく、約60分喋りっぱなし。

落語と言っても、ゲラゲラ笑える話ではなく、

怪談なのだが、いやぁ〜、すごかったね。

3月に行ったとき、

「76歳という高齢のためか、

時々流れが止まってしまうように感じたのは、気のせいか」

と、書いたけど、今日は一切そういうことはなかった。

まったくもって、素晴らしい。

来月で、77歳ということだが、最高の芸を

見せていただいた。

前回は、ひとりで行ったのだが、

今回は一緒に行った妻 も 大喜びで、

「次回も行きたい」 というほどだった。





2013.9.25

六代目 三遊亭円楽独演会

落語に目覚めたというほどではないが、

今年3度目となる落語独演会に行ってきた。

1度目2度目は、桂歌丸 独演会だったが、

今日は、三遊亭円楽 独演会。

会場は、文京シビック小ホール。

プログラムは下記。

一、トーク 三遊亭円楽×桂歌丸
一、落語「 強情灸 」 三遊亭楽大
一、落語「寝床」 三遊亭円楽
 〜 仲入り 〜
一、落語「後生鰻」 桂歌丸
一、落語「茶の湯」 三遊亭円楽

目当ての歌丸の演目は、プログラムには、

「おたのしみ」 と記載されており、

トークコーナーでも 「何をするか決めていない」 と

歌丸本人が言っていたが、本当だろうか。

で、やったのは、「後生鰻」 という演目。

歌丸は、2週間ほど前、具合が悪く病院に行ったら、

「入院するように」 と言われたのをけって、

仕事をしているようで、見るからに痩せていて

ちょっと心配。 (もともと痩せているけど)

歌丸の落語のあと、出てきた円楽が、

「皆さんは、ラッキーです。

歌丸の最後の落語を聴けたのですから」 と言って

笑いをとっていたが、いつまでもそのジョークが、

ジョークであって欲しいもんだ。

円楽の「寝床」「茶の湯」は、共通するものがあり、

まるで続きもののように話していた。

もう一人、三遊亭楽大。

身分でいうと 「二つ目」。

落語界では、「見習い」 → 「前座」 → 「二つ目」

→ 「真打」 と昇進 (?) していくようだが、

円楽、歌丸のお二人に比べると、

どうしても芸に未熟さが見えてしまう。

ほんの些細なことなのだが、隠せないのだな。

それだけ、芸が深いということだし、

「真打」 になるのが大変だということでもある。


来月は、上方落語。

笑福亭鶴瓶を聴きに行くぞ。





2013.10.30

笑福亭鶴瓶落語会

最近、落語が聞きたい私。

昨日は、赤坂ACTシアターへ、

笑福亭鶴瓶の独演会へ行ってきた。

発売からすぐに申し込んだおかげで、

前から3列目、ほぼ中央というラッキーな

席で観ることができた。

ACTシアターは、1300人収容できる、

そこそこ大きなホールなので、落語のような芸の場合、

演者の表情も観たいので、前の方の席というのは、重要だ。


18:30 に開演。

鶴瓶が登場し、約30分ほどフリートーク。

旬な 「半沢直樹」 ネタ、つい数時間前に起こった

エピソードなど、もう、これだけで十分おもろい。

そして、落語。

鶴瓶が真面目に落語をするのは、テレビで観たことが

あるような気もするが、確かではない。

鶴瓶の公式サイトには、

「演目 『お直し』 ほか一席」 となっているが、

本人の話によると、木梨 (憲武) に、もう1席やるように

言われ、増やしたそうな。

で、フリートークのあと、『悲しみよありがとう』、

『かんしゃく』、仲入りのあと、『お直し』。

いやぁ〜、思った以上に素晴らしかった。

あんなにテレビにも出ていて、いったい いつ稽古してるんやろ。

これがプロやな、と思た。

しかも。

この 笑福亭鶴瓶落語会、

仙台・東京・新潟・大阪・福岡の全国5都市、

合計12日のツアーで、東京は4日間あるのだが、

なんと毎日 ネタを変えるという。

スゴイなぁ。

ほんまにいつ稽古すんのやろ。

たぶん、いっつも稽古してるんやろな。

ブツブツ、小声で稽古してたら、

奥さんが 「変な声が聞こえる」 と言うたと

昨日も話していたもんな。

歌丸とは、全く芸風が違うが、どちらも素晴らしい。

もっと、ほかの落語家も観に行こう。





2013.12.10

落 語

最近、落語に はまっている。

今年は、4回 ナマの落語を聴きに行った。

来年は、もっと行きたいと思う。

普段は、そんなに観たり聴いたりする時間は

ないので、寝る前に布団に入り、一席、

DVD を観るか、iPod に入れたものを聴く程度だけど、

これが楽しい。

笑ってから寝るって、なんか、ええでしょ?

今のところ、桂歌丸、桂枝雀、三遊亭円楽 (五代目)

あたりを聴いているけど、もっと色んな人の落語を聴きたい。

例えば、聴いたことないねんけど、談志とかね。


大阪に住んでいたころは、テレビの枝雀寄せなんかは、

楽しみに観ていたけど、こんなに落語を聴きたいと

思ったのは人生で初めて。

どういうわけか、オチを聴いたあと

泣きそうになる落語がある。

なんで、泣きそうになるんか分からん。

どの落語でも、というわけではないねんけど。


昔、大学の落ち研にいた友人が、

「落語は祈りです」 と言うたんを思い出した。





2014.1.5

新春国立名人会

初めて 国立演芸場 に行ってきた。

国立演芸場は、半蔵門にある国立劇場に

併設されている客席300席の演芸場だ。

今日は、新春国立名人会。

これは 2日から7日まで開催されていて、

毎日入れ替えで9組の芸が観られるというもの。

今日の出演・演目は下記のとおり。

桂文治 (落語)「松山鏡」
やなぎ南玉 (曲独楽)
三笑亭夢之助 (落語)「弥次郎」
コントD51 (コント)
春風亭小柳枝 (落語)「時そば」
ー 仲入り ー
東京太・ゆめ子 (漫才)
雷門助六 (落語)「相撲風景」 、(かっぽれ)
松乃家扇鶴 (音曲)
桂歌丸 (落語)「紙入れ」


目当ては、トリの歌丸。

演目の 「紙入れ」とは、財布のことで、

世話になっている旦那のおかみさんと

出来てしまい、そのことが旦那に

バレそうになるというおはなし。

この噺は、先日、DVD で談志で聴き、

歌丸のものも CD で聴いていたけど、

やはりナマが一番だな。

今日、落語家は5人出たけど、

歌丸が一番聴きやすかったし、上手いと思った。

さすがは、落語芸術協会会長。

春風亭小柳枝は、初めて聴いたが、また聴きたいと思った。

歌丸と同じく、77歳なので、大ベテランだ。

テレビで顔を見る落語家しか知らないが、

素晴らしい落語家は他にもたくさんいるのだろうな。

もっと、観に行こう。



仲入り時の緞帳





2014.1.13

新春初笑い!!
桂歌丸・春風亭昇太 二人会


最近、落語に はまっている私。

またまた、聴きに行ってきた。

@ 練馬文化センター大ホール。

今回は、歌丸と昇太の二人会。

他にも若手の落語家1名と皿回したり傘の上で

色んなもの回したりする曲芸師が1名出演したが、

名前失念 (ネットの公演情報にも出ていない)。

順番は、歌丸が後だと思っていたら、

昇太が最後だった。

正月は、高座が多いらしく、

歌丸は、終わってすぐに他の演芸場へ

向かったらしい。

さて、今日の演目は、

歌丸が 「竹の水仙」。

昨年7月にも観たし、CD でも聴いているが、

非常に完成度の高い、一席だ。

昨年7月とオチが違ったのも興味深い。

昇太は、「二番煎じ」。

実は昨日、レンタルした DVD で 春風亭小柳枝の

「二番煎じ」 を観たところだったのだが、

全く違う芸風のため、その違いも楽しめた。

昇太の落語は、元気があって良い。

マクラも、面白かった。





2014.1.31

笑福亭松喬

ほとんど毎日のように落語を聴いている。

多い日には、5〜6席も聴いてしまう。

最近は、音楽を聴いているより落語を聴いている方が多い。

どうしよう。

って、どうもせんでええねんけど。


東西問わず、色んな人の落語を聴き始めると、

同じネタでも演る噺家によって、個性が出るし、

東西で話が微妙に違うのもまた楽しい。

先日レンタルしたDVDに笑福亭松喬 (しょきょう) の

『禁酒関所』 が収められていた。

2003年5月2日、大阪サンケイホールでの収録。

松喬のことは、なんとなく子供の頃、

テレビで見たような気もするが、その程度の記憶で、

顔を見せられても名前も言えなかっただろう。

で、その 『禁酒関所』 が最高だった。

もう名人だと思った。

松喬は、笑福亭松鶴 (6代目) の弟子。

仁鶴、鶴光、鶴瓶などとは兄弟弟子にあたる人だ。

これは、他の噺も聴きたいと調べてみてショック!

昨年7月30日、肝臓がんの為に死去していた。

62歳・・・。

う〜む、またもや60代か。

ライヴで観たかったな。


こうなってくると、もうなんでも観ておきたくなってくる。

落語だろうと音楽だろうと、この人もあの人も、ほんで自分も、

いつこの世から居なくなってしまうのか、分からないのだから。

これが最後の機会かもしれないのだから。

そんなわけで、次々とコンサートや高座のチケットを

購入してしまっている。(汗)

なにしろ、人差し指で 「プチッ」 だけで、

チケットが買えてしまうのだ。

昔は、チケット発売日にウドー音楽事務所まで行って

並んで買うたで。

便利な時代になったなぁ。


笑福亭松喬に興味にある方は、YouTube で

いくつか聴けまっせ。





2014.2.4

桂 ざこば

死んでしもた枝雀の落語を聴いていると、

高座で、たぶん ざこば の後に登場したのだろう、

弟弟子のざこばのことを少し語る音源がある。

「ざこばの落語は泣ける」 と。

私は、米朝一門では枝雀もざこばも南光も好きだ。

それぞれに味があるが、ざこばは 独特やね。

なんか、あの危うさがいい。

生身の人間丸出しな感じで好きやなぁ。

私が子供のころは、桂朝丸いうて、

「動物いじめ」 とかやっとったなぁ。

おもろがって、小学生の時、真似しとったけど、

「動物いじめ」 は、その後、動物愛護団体からクレームが付いた。

そのうち、ぜひ、ナマで観たい。


桂ざこば号泣 「たかじん ありがとうな」追悼番組で


さんま御殿 桂ざこば親子


やしきたかじんがハンバーガーを食べないワケ
(番外編:たかじんの話に泣くざこば)





2014.2.18

落語で学ぶ古い日本語

この頃、落語をよく聴くようになったことは、

何度か書いた。

結局、育ちなのだろうか、どうも東京落語より、

上方落語の方が好きだ。

やっぱり、一番の要因は 「言葉」 だろうな。

でも、どちらも面白いことには変わりないので、

上方落語しか聴かないなどとは、言うつもりはない。


さて、古典落語には今は使われなくなった、

古い言葉が いくつも出てくる。

以下は、上方落語に出てくる言葉だが、

中には東京落語にも出てくるものもあるかもしれない。

たとえば、「悋気の独楽 (りんきのこま)」 と

いう演目がある。

「悋気 (りんき)」 とは、嫉妬・やきもちのことで、

「嫉妬深い」 ことを 「えらく悋気強い」 などと言ったりする。

「悋気」 という言葉は、落語を聴いていると

ちょくちょく登場する。

また 「胴乱の幸助 (どうらんのこうすけ)」 と

いう演目がある。

この「胴乱」 とは、革製の方形をした小袋のことで、

薬など小物を入れたようだが、この場合は財布を指す。

幸助は、ケンカ仲裁が趣味の人だが、

財布を出して酒を飲ませて、ケンカを収めることから、

そう呼ばれるようだ。

「紙入れ」 という落語もあるが、

この 「紙入れ」 も財布のこと。

そのほか、「口入屋」 とは、

平たく言えば職業紹介所。

女中さんたちの仕事の世話をする店のことだ。

「宿替え」は、引越。

「カンテキ」は、七輪。

「がまん」は、入れ墨

「子供」 は、丁稚。

「なぶっとたらあかんで!」 なんてセリフがあるが、

この 「なぶる」 は、「おちょくる」 「からかう」 という意味だ。

東京では 「妾 (めかけ)」 というが、

上方では 「てかけ」 という。

漢字では、「手掛け」 または、「手懸け」 と書くようだ。

誰かのマクラで、「目をかけるか、手をかけるかの違いで

やることは一緒です」 というのが あったな。


落語を通じて、そういう古い日本語を学べるのも

また一興だ。





2014.2.20

上方落語で学ぼう 大阪弁

上方落語を聴いていると、子供の頃、よく聞いていたけど、

今では全く聞かなくなった(東京在住なので当たり前や)

大阪弁が出てくる。

私は、いわゆる 「河内 (かわち)」 で育った。

小学校6年間は毎年、運動会のたびに

全校生徒で 「河内音頭」 を踊ったものだ。

(その頃は、日本中の小学生が河内音頭を

踊っているものと思い込んでいた。)

同級生には、おじいちゃんに習ったのだろうか、

河内音頭をフルコーラス (結構長い) 歌えるやつもいた。

彼なんかは、きっと先祖代々、河内の人なのだろう。

東京の人は、「かわち」 という時、

「か」 にアクセントを置くだろうが、

大阪弁では、ノンアクセントだ。

つまり、今の若者が 「パンツ」 (ズボンのこと) や

「カレシ (彼氏)」 と言うのと同じアクセントだ。


それは、さておき。

私の両親は、2人とも 元々大阪人ではないので、

ディープな大阪弁は、家の中では使われていなかったのだが、

友達んちへ行くと、そこの両親や、おじいちゃん、

おばあちゃん、それに友達自身も、我が家では使わないような

ディープな大阪弁を使っていた覚えがる。

そんなディープな大阪弁が、

上方落語には当たり前のように登場する。

たとえば、「いぬ」 という言葉。

子供の頃、友達と遊んでいると、その友達が、

「もう、いぬわ」 と言う。

これは 「もう、帰るわ」 という意味だ。

遅くまで、友達んちで遊んでいると、

そこの家の人に、「そろそろ、いにや (帰りや)」 と

言われたりする。

過去形はどうなるかというと、「いんだ」 となる。

「あいつ、もうとっくに いによったで」 てな具合だ。

(訳:あの方、もうとっくにお帰りになられましたわよ)


「ほたえる」 という言葉も、落語に出てくる。

「ほたえる」 は、「ふざける」 「騒ぐ」 「暴れる」 と

いったような意味。

家の中でふざけて暴れていると、家の人に

「ほらほら、そんなとこで、ほたえなさんな」

「ほたえとったら、あかんがな」

「ほたえんな、ちゅうとるやろぅ!」 と

注意されるわけだ。

そのほか、赤ちゃんのことを 「やぁーこ」 と言ったり、

落語を聴くことは、私にとって、大変ノスタルジックな

言葉に出会える機会でもあるのだ。


さて、大阪人は その言葉が 大阪の方言だと知らず、

全国的に通じると思っていることが多々あるようだ。

なので、大阪以外の人と話して通じないことに、

ショックを受けることも少なくない。

関西のお笑い芸人の全国進出で、

最近はそういうことも減ってきたかもしれないけど。

例えば、「これ、なおしといて」 は、

「これを しまっておいてください」 という意味だし、

「これ、ほっといて」 は、「これ、捨てておいてください」

という意味だ。

そういえば、「モータープール」 が通じなくて ビックリしたなぁ。

「モータープール」 は、「駐車場」のことやねんけど、

一体、何語なんやろね。


そういう方言は、通じないことを知らないので、

意外と気にならないのだが、固有名詞は、

私は大阪育ちなので分かるが、東京や地方の人が、

上方落語を聴いたときに 分からんのちゃうかと

余計な心配をしてしまう。

「高津 (こうづ) さん」

「生玉 (いくたま) さん」

「住吉さん」

「天王寺さん」。

全部、人の名前ではない。

「高津さん」 は高津神社、

「生玉さん」 は生玉神社、

「住吉さん」 は住吉大社、

「天王寺さん」 は四天王寺のことだ。

住吉大社、四天王寺は割と有名かもしれないが、

高津神社 と 生玉神社は、あまり知られていないだろう。

この2つの神社は、私が大阪にいた若い頃の

行動範囲内にあったので、親近感がある神社だ。

この4つの神社、お寺は度々、上方落語に

登場するので、ぜひ この機会に 学んでおこう。





2012.2.22

笑福亭松喬
ひとり舞台
ファイナル


笑福亭松喬という素晴らしい落語家を知ったが、

すでに他界していたということは、ここ に書いた。

どうしても、松喬の落語を観たくて、

「笑福亭松喬 ひとり舞台 ファイナル」 という

DVD 6枚組を購入した。

これは、2011年12月6日から11日の

大阪・ABCホールにおける松喬の6日間公演を

収録したもの。

松喬は、51歳から60歳までの10年間、

「松喬ひとり舞台」 という独演会を開催した。

本人曰く、60歳が落語家のピークだとして、

60歳のその年、「ひとり舞台 ファイナル」 という

タイトルで6日間公演を行った。

その公演のパンフレットには、

「ファイナルは終わりではない。

 始まりだ。」 と書かれていたらしいが、

残念ながら、松喬はまるでその 「ファイナル」 という

言葉の呪いにかかったかのように 2013年に 他界した。

「ひとり舞台 ファイナル」 は、1日2席、

6日間で12席を演じたのだが、DVD には、

その12席が収録されてる。

「はてなの茶碗」 「質屋蔵」 「天王寺詣り」

「三十石船」 「花筏」 「百年目」 「首提灯」

「帯久」 「二人癖」 「らくだ」 「へっつい幽霊」

「ねずみ穴」 の12席。

2週間ほどかけて、全12席を観た。

全部 良かったが、特に 「帯久」 と

「ねずみ穴」 には、感動したね。

落語って、笑わせるだけじゃなく、

人情噺なら涙も誘う。

いやぁ、素晴らしかった。

これからも、繰り返し観ることでしょう。





2014.3.2

渋谷に福きたる
SPECIAL 2014


「渋谷に福きたる」 という落語会に行ってきた。

この会は、渋谷の文化総合センター大和田、

さくらホールと伝承ホールという2つのホールで、

昨日今日の2日間、合計8公演、総勢18名の

落語家が出演する言わば落語フェスティバル。

同じ建物の中にある2つのホールで、

時間をずらして開催することにより、

その気になれば 8公演全てを

観ることができる。(そんな人おるんやろか)

私が観てきたのは、「古典モダニズム」 という

公演名で、出演者が 桃月庵白酒 と 立川志らく。

実は、東京の噺家は笑点に出てくるような

有名な人しか知らず、この2人のことも

知らなかった。

ひと月半ほど前だったか、落語会のチケットを

取ろうと探していて、この会を見つけ、

なんとなく面白そうだと感じたこの公演を選んだ。



最初に出演者2人によるフリートーク。

これが、色んな師匠の話が出てくるのだが、

東京の師匠はホントに知らないので、

お客さんは笑っているけれども、

私は笑えないという状態だった。

仕方ない。

これから、少しずつ学んでいくしかない。


さて、出演者の一人、桃月庵白酒は、

調べてみると、五街道雲助の弟子。

師匠の名前を聞いても知らねえんだから、

どうしょうもねえわな。(東京落語風)

もう一人、立川志らくは、ちょっと聞けば、

私でも談志の弟子だろうということが

分かるくらい 談志っぽいところがあった。

実際、何度か談志のモノマネが入ったが、

これがまた似ている。

談志がそうであったように、

この人も多少 毒のある人だ。

場合によっては、笑えないところもある。

そこが笑えないと、好きにはなれないだろうし、

そこを笑えない奴は、シャレの分からない

奴ということになるのかも知れない。

私には、ちょっとキツイしゃれもあったが、

この人の落語はまた聴いてみたい。

白酒もまた聴きたいと思うし

今日は、ええ噺を聴けました。


演目は下記。

おしゃべり (志らく&白酒)
一、喧嘩長屋 (白酒)
一、やかん (志らく)
 〜 仲入り 〜
一、明烏 (白酒)
一、親子酒 (志らく)

4席とも初めて聴いた噺で、

「明烏」 「親子酒」 が良かった。







2014.3.3

青春の上方落語

落語を聴いていると、色んなことに興味が広がってゆく。

例えば古い日本語・大阪弁だったり、

落語という芸の背景だったり、

誰が誰の師匠・弟子だということだったり。

私が聴くのは ライヴでは東京の落語が多いが、

CD や DVD では、上方落語の方が多い。

まあ、東京で上方落語の高座は少ないから

そうなってしまうわな。


先日、Amazon で、「青春の上方落語」 という

本を見つけたので、買って読んだ。

面白くて、ほとんど一気に読み終えた。

今では師匠と呼ばれる6人の噺家 (笑福亭鶴瓶、

桂南光、桂文珍、桂ざこば、桂福団治、

笑福亭仁鶴) の弟子時代の話をまとめたもの。

これが、面白い。

今でこそ、上方には240人もの噺家がいるらしいが、

彼らが弟子入りした当時 (40〜50年前) は、

大阪には20人ほどしか噺家がおらず、

昭和初期から戦後しばらくは、

上方落語は滅亡の危機にあったようだ。

「上方落語四天王」 と呼ばれた、

笑福亭松鶴 (6代目)、桂米朝 (3代目)、

桂文枝 (5代目)、桂春団治 (3代目) の4人が、

上方落語を絶やすまいと努力をされ、

今のように多くの噺家が誕生するに至ったわけだ。

この本に登場する6人は、南光を除いて、

その四天王の弟子だ。

鶴瓶と仁鶴の師匠は 松鶴、文珍の師匠は 文枝、

ざこばの師匠は 米朝、福団治の師匠は 春団治だ。

そして、南光の師匠は 米朝の弟子であった 桂枝雀だ。


師匠それぞれの個性があり、弟子にもそれぞれ

個性があり、面白く読めた。

今とは違い、師匠の家に住み込む内弟子という時代。

その師匠の家だって、大きくない。

文珍など、夜中にトイレに行くのに、

師匠と師匠の奥さんの寝ている枕元を

通らなければならなかったという。

そういう暮らしの中で、噺家にとって重要な、

空気を読む、人の心を察するというようなことを

身につけていったんやね。

師匠の方も大変やったやろけど。


師匠と弟子という特別な関係は、

親子とは違う特別な絆があるようで、

そのようなものを持たない私には、

その関係が羨ましくもあり、

また、芸の世界の厳しさを思うと、

とてもじゃないが、自分には弟子は務まらないな、

などと思いながら、またこれで落語が好きになったのでした。


昨日、笑福亭鶴瓶の4月に行われる 「鶴瓶噺2014」 の

チケットの発売日 (午前10時〜) だった。

東京は、世田谷パブリックシアターと

EX Theater Roppongi と合わせて

7日間公演なのだが、お昼過ぎに思い出して、

慌てて見たみたら、全席 売り切れてた。

残念。

「鶴瓶噺」 というのは、古典落語ではなく、

鶴瓶のトークを落語にしたものらしい。

おもろいやろな。





2014.3.23

桂歌丸 独演会 3回目

昨年3月、7月に続いて、桂歌丸の独演会に行ってきた。

会場は、横浜の関内ホール 大ホール。

歌丸は、横浜出身なので、地元なのだ。

前座、二つ目の落語のあと、いったん幕が下り、

直ぐに上がると歌丸が座っていた。

「あれ?」 と思ったら、歌丸本人から 腰が悪く歩けないので、

幕を下ろさせてもらったとの説明があった。

話し口調はしっかりしていたが、前々から、

腰だの足だのが悪いという話は聞いていたので、心配だ。


本日のプログラムは下記。

一.落語 「だくだく」 桂竹のこ
一.落語 「道具屋」 三遊亭遊里
一.落語 「小間物屋政談 」 桂 歌丸
〜 仲入り 〜
一.動物ものまね 江戸屋まねき猫
一.落語 「三遊亭圓朝 作 真景累ヶ淵 四、勘蔵の死」 桂 歌丸


前座の桂竹のこは、まあまあ面白かったが、

二つ目の三遊亭遊里がいけない。

昨年7月の同独演会で、「 平林 」 を演じた三遊亭小曲が、

二つ目に昇進し名前が変わっていたのだ。

その7月にも

 一度も笑えなかった。
 こんな落語も珍しい。

と書いたのだが、今回はそこまで酷くはなかったものの、

1〜2回クスリと笑ったぐらいで、基本的に

笑えなかった。

「道具屋」 なんて、結構面白い演目だと思うのだが、

何が欠けているのだろうか。

前座の竹のこの方が、よほど面白かった。

本人も受けていないことに自覚があるとは

思うのだが、もっと精進して欲しいもんだ。


動物ものまねの江戸屋まねき猫は、動物のものまねなんて、

大して面白くもないだろうと思っていたら、

良い意味で大きく期待を裏切られ、素晴らしい芸だった。

「枕草子」 の春夏秋冬をそれぞれ季節の鳥や虫の鳴き声で、

表すという風情のある出し物。

目を閉じれば本当にその光景が浮かぶような、

ものまねだった。


歌丸は、1席目が「小間物屋政談」。

初めて聴いた噺だったが、素晴しかった。

あいかわらず、非常に聴きやすい。

そして、明治期に三遊亭圓朝によって創作された、

「真景累ヶ淵 (しんけいかさねがふち)」 という

怪談話がメインの演目なのだが、この噺、昨年3月が、

「二」、7月が 「三」 で、今回が 「四」 と

続いているのだ。

もう半年以上前に聴いたので、前回のストーリーなど

覚えていないのだが、それでも歌丸の語りの素晴らしさに

引き込まれた。

「真景累ヶ淵 」 は、次回の独演会

(7月13日、既にチケット入手済) の 「五」 へと続く。


歌丸師匠、まだまだ素晴らしい噺を

聴かせていただきたい。





2014.3.24

上方落語で学ぼう 大阪弁 その2
「おっけぇ、はばかりさん」


若かった頃、桂枝雀が落語の中で言う、

「おっけぇ、はばかりさん」、「おっけぇ、ありがと」の

「おっけぇ」 が、「OK」 に聞こえた。

落語は、昔の話なのに 「OK」 ってなんでやろ?

と思っていた。

そのうち、「おおきに」 が変化して

「おっけぇ」 に 聞こえていることに気づいた。

続く 「はばかりさん」 には、どういうわけか、

疑問を持たなかったのだが、最近、気になりだして

調べてみた。

「おおきに」 がお礼の言葉ということからも分かる通り、

「おっけぇ、はばかりさん」 という言葉が出てくる

シチュエーションは、お礼を言う場面だ。

「はばかり」 というと、まず便所のことが浮かぶ。

それは、「人目を憚 (はばか) る」 が語源らしいが、

お礼の時の 「はばかりさん」 は、便所とは関係ない。

ちなみ落語では、便所のことを 「手水 (ちょうず)」 と

言うが、これは大阪弁では ないようだ。

辞書によると 「はばかりさん」 は、

他人の手数をわずらわせた時などに使う言葉。
おそれいります。ご苦労さま。


とある。

つまり、「おっけぇ、はばかりさん」 は、

「ありがとう。ご苦労さま」 というような意味なのだな。

丁寧に言うと 「はばかりさま」。


標題には、「大阪弁」 と書いたが、

「はばかりさん」 を京都弁と書いている記述も発見した。

上方落語には、京都が舞台になっているものもあり、

私には、大阪弁か京言葉か区別のつかないものもある。

そのへんは、ええかげんなので ここで ことわっておく。





2014.3.27

枝雀らくごの舞台裏

小佐田定雄 著 「枝雀らくごの舞台裏」 を読んだ。

著者の 小佐田定雄 は、落語作家。

1977年の 「幽霊の辻」 が作家の始まりで、

当時は、サラリーマンだったらしい。

これまでに書いた新作落語は、200を超えるという。

本書は、枝雀のファンならたまらない話が満載だ。

著者は、枝雀の弟子ではないが、

そばにいた人の一人なのだ。

楽屋で、飲み屋で、普段の枝雀がどんな人であったかを

知るのは楽しい。そして、切ない。

生きていれば、今年75歳で、

まだまだ現役で笑わせてくれたことと思う。


本書の中で印象的な話を二つ。

枝雀が、自ら命を絶ったあと、立川談志が著者に

「おれに助けることはできなかったのか?」 と

訊いたそうだ。

その時、著者はこう答えたとある。

「無理やったと思います。

家元 (談志のこと) は、悪いことが起こったら、

全部ひとのせいにしはるでしょう。

枝雀さんは全部自分が悪いと思わはります。

多分、お互いに理解し合うことは無理やったと

思います。」

ずいぶんと辛辣な物言いだが、その時談志は、

「『ウー、そうかもしれねえ』 と

少し笑ってくださった」 とある。


もう一つは、芸についての枝雀の言葉。

「噺が口を離れて口先三寸のところで

しゃべれなければなりません。

自分の口に付いているというのは、

まだまだ台詞に念を残して、頭で考えながら

しゃべっているからなんですね。

念を残している間は、なにかアクシデントがあると、

つい我に返ってしまい、間違えたり、

絶句したりするんです。

噺が口から離れていると、例えば頭の中で

全く別のことを考えていても噺が勝手に出てくるんです。

それが完全にできるようになってから、

今度は自分の意志で 『念 (気持ち)』 を

入れてやろうと思うところだけに念を入れて演じると、

話全体がプラスになることはあっても

マイナスになることはありません。」

ちょっと長い引用になったが、深い話だ。

「例えば頭の中で全く別のことを考えていても〜」

というくだりで、以前、誰かに聞いた、

小説を読みながらピアノを弾くピアニストの話を

思い出した。

バーかラウンジのピアノ弾きで、

どうせ誰も真剣には聴いていない BGM なので、

読書しながら、演奏していたというのだ。

枝雀の言いたいこととは、ずれるだろうが、

いずれにしろ、マスターするとそんなことが出来るらしい。

完全に自分のものにするというのは、

自分のエゴを離れて芸がある、そういうことなのだろうな。





2014.4.3

@横浜にぎわい座
お笑いぱっちり倶楽部寄席


昨日、初めて横浜にぎわい座へ 寄席を聴きに行ってきた。

桂歌丸師匠と漫才のナイツが出るというので、

昨日のチケットを買ったのだが、

歌丸師匠は 3月29日から入院しているらしく、

残念ながら 昨日は休演だった。

病名は、アナウンスがあったけど、覚えられなかった。

(あんまり聞いたことのない病名だったってことね。)

病気の他に、肋骨が折れているようなことも言うてた。

先日の独演会でも 「歩けない」 と言っていたので心配だ。


プログラムは下記。

開口一番 (落語) 前座 (名前失念)
動物ものまね  江戸家まねき猫
落語  三笑亭夢太朗
漫才  ナイツ
落語  三遊亭圓輔
〜 お仲入り 〜
座談会 (写真解説)
太神楽曲芸  ボンボンブラザーズ
落語  三笑亭茶楽
奇術  北見マキ
歌謡漫才 東京ボーイズ


前座は、プログラムに名前が書かれへんねんな。

前座の演目は、「つる」 だった。

何人かの噺家の 「つる」 を聴いたけど、

(この噺、なんで選ぶんやろ) って思うぐらい

私には面白くない。

でも、古典として、しかも東京でも上方でも、

ずっと演る人がいてるというのは、

なんか魅力があんのんやろな。

私には分からんけど。


江戸家まねき猫は、先日も観たが、違うネタだった。

ちょっと時間が短かったな。

もうちょっと観たかった。

彼女、おじいちゃんが初代猫八、

お父さんが二代目猫八、お兄ちゃんが三代目猫八という

生粋の動物声帯模写の家系なのだった。

おじいちゃんは、100年前にはもう動物ものまねを

していたというから、凄いね。


目当てのナイツは、やっぱり面白かった。

ナイツの漫才は、YouTube で 結構 観ているのだけど、

ナマはやっぱりええな。

テレビで観るより長いのがええね。


落語は、3人ともベテランで、

安心して聴けたし、面白かった。

三笑亭夢太朗は、マクラだけで終わったような感じ。

三遊亭圓輔は、82歳!

演目は、タイトルが分からないが、

気の長い人と気の短い人の噺。

三笑亭茶楽の演目は、「持参金」。

この人は、71歳。

やっぱり、長いことやっている人の芸は、

味わいがあるね。


タイトルにある 「お笑いぱっちり倶楽部」 は、

なんのことかいな、と思ってたら、落語家・芸人らで

構成する写真同好会があり、その会の名前だそうな。

昨日は、その会のメンバーによる高座だったわけだ。

(歌丸師匠は、倶楽部の会長。)

プログラムにある座談会は、メンバーの撮影した写真を

スライドで見ながら、解説するという内容だった。

申し訳ないが、あんまりおもろない。


歌丸師匠が休演のため、代わりに

東京ボーイズの歌謡漫才だった。

この人たち、結成50周年だという。

テレビには合わない、ゆるい芸が、

なんとも言えない味で、楽しめた。


仲入りを入れて、2時間45分。

正味2時間半はあったな。

椅子があんまりよろしくないのか、

仲入りのときも席を立たんかったら、

終わりごろには、めちゃくちゃお尻が痛かった。

でも、また行きたい。





2014.4.4

歌丸師匠 入院の件

一昨日 (2日)の横浜にぎわい座での寄席は、

出演予定だった 桂歌丸師匠が入院されたということで、

休演だった。

その時のアナウンスで、

「マスコミ発表は、4日ですが・・・」 という

ことわりがあった。

マスコミで全国的に発表するには、

何かと段取りがあるということなのだろうか。

今日、その4日で、確かに発表されていた。

日テレ・ニュースにはこうある。

関係者によれば歌丸は、3月20日に大阪から帰宅中に
新幹線の座席でせき込み、胸が急に痛くなったという。
その後も我慢して仕事を続けていたが、
29日に病院に行ったところ 「慢性閉塞性肺疾患」 と
「左側肋骨の骨折」 と診断され入院した。



私が独演会に行ったのは、23日。

ということは、あの時点ですでに 肋骨が折れていたということか!

あの日、師匠は歩けないということで、

舞台までの出入りの際は、どん帳が下りるという

珍しい状況だった。

おそらく、誰かに抱えられたり、車いすだったりするのを

観客には見せたくなかったのだろう。

それにしても、しゃべりに関しては、

全く何の問題もなく、具合が悪いなどとは

微塵も感じさせない素晴らしい落語であった。

改めて、そのすさまじいまでのプロ根性を

感じ入ったのであります。





2014.4.15

桂文珍
立川志の輔


落語を積極的に聴きだして数ヶ月。

少しずつだが、CDやDVDで、色んな噺家を聴いてきた。

数にすればまだまだ少ないが、

高座にも足を運び、好きというか自分に合う噺家、

ちょっと合わないな、という噺家も分かってきた。

高座で聴くのは良いが、夜寝る前にCDで聴くのは、

しんどい噺家とかね。

演目にもよるかもしれないけど。


最近のお気に入りは、上方では桂文珍。

文珍は、5代目桂文枝の弟子。

枝雀、松喬 亡き後、上方でおもろいのは、

文珍、鶴瓶、南光あたりかな。

6代目文枝 (元 三枝) は、今度、聴きに行くんやけどね。


前にも書いたが、私は大阪育ちのせいか、

どうも上方落語の方が好きなのだが、

最近、(CDで) 聴いた 東京落語で

面白かった噺家を 3人 紹介。


三遊亭小遊三。

笑点でしか知らなかったが、この人も上手いねぇ。


春風亭小朝。

人気があるのが、分かる。

まだ一席しか聴いていないけど、

これまた上手くて、そして上品。

独演会のチケット取ったよ。


最後に、立川志の輔。

ペヤングソースやきそばの志の輔だ。

昨年、鶴瓶の落語を聴きに行った時に、

ちらっと、志の輔の話が出た。

何でも年間に、もの凄い数の高座をこなしていて、

大人気だというので気になっていたのだ。

それで聴いてみたら、めちゃくちゃおもろい。

YouTube で、20年前の映像を観ても面白い。

私としては今のところ、東京の噺家では一番やね。

師匠の談志は、私にはちょっと合わなかったのだけど、

この人はいい。

ぜひ、ナマで聴きたい!





2014.4.19

三田落語会 昼席
春風亭正朝
春風亭一之輔

今日は、昼間、落語を聴きに行ってきた。

@ 仏教伝道センタービル 8階大ホール (東京都 三田)

出演は、春風亭正朝、春風亭一之輔。

二人とも聴くのは初めて。

春風亭正朝は、昭和28年生まれ。

師匠は5代目春風亭柳朝。

小朝は、兄弟子にあたる。

春風亭一之輔は、昭和53年生まれ。

師匠は春風亭一朝。

正朝のことは知らなかったが、

一之輔は なんとなく気になっていたのだ。


【 本日の番組 】

一、古今亭半輔 (前座) 「黄金の大黒」
一、春風亭一之輔 「雛鍔 (ひなつば)」
一、春風亭正朝 「淀五郎」
〜 仲入り 〜
一、春風亭正朝 「普段の袴」
一、春風亭一之輔 「宿屋の仇討」


正朝、一之輔 ふたりとも上手くて面白かった。

安心して聴けた。

大変満足。

「宿屋の仇討」 は、上方では 「宿屋仇」 という演目で

枝雀や文珍のを聴いたことがあったが、

ほかの噺は、知らないものばかりだったので、

より楽しめた。

特に一之輔の「雛鍔」、正朝の「淀五郎」 が良かった。


毎度のことながら、前座と真打の差は、

大きいなぁ。

今日の前座、半輔は、二つ目に昇進が決まっているそうで、

けっして、下手なわけでもなのだが、

何かが違うねんなぁ。

まあ、今の真打の方々もそういうところを

通ってきたわけやろうけど。


この三田落語会、2ヶ月に1度開かれているようで、

今日が31回目だった。

今日は、昼席を観てきたが、同日に夜席もある。

家から会場まで30分もかからずに行けるので、

うれしい。

また行こう。

それに過去の高座を iTunes で配信している。

面白かったら、もう一度聴けるわけだ。

2ネタで900円。

これは、いい企画やね。





2014.4.27

桂文枝 独演会

昨年、落語に目覚めてから、10回ほど

落語会や寄席に足を運んだが、上方落語は、

笑福亭鶴瓶を観ただけで、

もっと観たいねんけど、中々機会がなかった。

で、今日は上方落語です。

一昨年、「文枝」 を襲名した、

三枝改め 六代目桂文枝 独演会に行ってきた。

会場は、有楽町の よみうりホール。


五代目文枝も好きな噺家の一人だが、

六代目文枝は、三枝時代の新作落語を

4席 (CDで) 聞いただけだった。

面白いのだが、文珍や志の輔ほどのインパクトを

受けず、それ以上に食指が動かずだった。

でも、一度はナマで聴いてみたいと思っていたのだ。

今日は、11:30からと14:30からと、

2回公演だったが、11:30からの部に行った。

さすがは、東京でも大人気のようで、盛況だった。

プログラムは下記。

一、桂三語 「狸賽 (たぬさい)」
一、桂三幸 「筍」
一、桂三風 「ハンカチ」
一、桂文枝 「宿題」
 〜 仲入り 〜
一、桂文枝 「友よ」


文枝師匠以外に弟子が3人出演。

若い順、つまりキャリアの浅い順なのだろうが、

これが見事に後になるほど 順々に面白くなっていく。

一番に演じた三語が、いけないわけではないのだが、

どういうわけか 笑えない。

二番目の三幸で、ちょっと笑えて、

三番目の三風は、もう充分に面白かった。

ちなみに上方には、前座や真打という区別はない。

あるのは、内弟子期間中かどうかということで、

その期間が終わることを「年季が明ける」 というらしい。

今日の弟子3人は、江戸風に言ってみれば、

前座、二つ目、真打といったところだろう。

文枝師匠は、さすがに大爆笑を取ってた。

観客の笑い声で、文枝の声が聞こえないこともあるくらいだった。

襲名披露で全国 (パリまで行ったって言うてた) を

1年8カ月 (と言うたと思う) かけて 周っていたらしい。

69歳での襲名は、何かと大変だっただろうな。

三枝の名前で46年も来たわけやからね。

文枝師匠は、新作 (= 創作落語) ばかりやる人で、

古典は、(たぶん) やっていないと思う。

今日の2席も 新作。

「友よ」 は、古希を迎えてから創ったそうだ。

75歳の親友2人の物語で、結構面白かった。

小学6年生の息子の算数の宿題に父親が取り組む

「宿題」 も、「つるかめ算」 とか出てきて かなり受けた。

やっぱり、CDで聴くより、ライヴやな。

また、観に行きたいと思ったもん。

ちょっと残念なのは、私が子供に勉強を教えている影響か、

必要以上に算数の問題を真剣に聞き取り過ぎて、

たぶん聞き流していたら気がつかない、

師匠のミス (3つ) に気付いてしまったこと。

それらが完璧やったら、良かったのになぁ。

(例えば、「60引いたら」 というのを

「6引いたら」 と言うたり、落語的には

どうでもええミス。)


三風 の演じた 「ハンカチ」 という噺も

結構、面白くてええ噺やった。

文枝師匠の作かなと、調べてみたら、

2009年の 「第2回上方落語台本大賞」 の

優秀賞作品で、作者は、お笑いコンビ 「2丁拳銃」 の

小堀裕之ということだった。





2014.4.29

桂文珍 大東京独演会

一昨日の 六代目桂文枝 独演会 に続いて、

またもや上方落語を聴いてきた。

@ 国立劇場 小劇場

どうやら、毎年春に東京で行われている

独演会のようで、今年が 「vol.7」 とある。

今年は、27日から 今日まで3日間、

それぞれ昼夜公演の計6回。

その千秋楽を観てきた。



文珍は、好きな噺家の一人だが、

ナマで聴くのは初めて。

チケットをとったのが遅くて、

一番後ろの列だったが、小劇場なので、

そんなに舞台は遠くない。

この公演は、

「ネタのオートクチュール  リクエスト寄せ」 と

題し、当日、入場したお客さんからリクエストの

多かった演目を演じるというもの。

入場時に30〜40演目の書かれた紙が配られる。

聴きたい演目に3つまで 丸をつけて、

開演5分前までに提出するのだ。

人気のある演目は、決まってくるだろうから、

上位の演目を演るとは限らないようで、

今日も、上位1位2位ではない、演目が選ばれた。

私が 丸を付けた演目が選ばれなかったのは、

残念だが、上位に入っていたので人気の演目のようだ。


今日の番組は、下記。

一、桂 楽珍 「蒟蒻問答」
一、桂 文珍 「地獄八景亡者戯」
一、ナポレオンズ (マジック)
一、桂 文珍 「心中恋電脳」
〜 仲入り 〜
一、桂 文珍 「御血脈」


楽珍の落語の前に、割烹着を着た文珍が登場。

割烹着は、この時期なので、

理化学研究所の小保方さんのパロディ。

挨拶のあと、観客数人に直接リクエストを訊き、

演目を決定。

もう、すでに決めて出てきたのか、ホンマに

あの場で決めているのかは不明。


「地獄八景亡者戯 (じごくばっけいもうじゃのたわむれ) 」 は、

米朝師匠が有名で、全部やると 60分かかる。

舞台は地獄への道中、登場人物は、死んだ人たちというお噺。

全編やると長いので、30分ぐらいで切り上げた。

「心中恋電脳 (しんじゅうこいバーチャル) 」 は、

文珍の創作。

会社で PC をやらされるようになった、お父さんの物語。

PC を触ったことのない人には、

笑えないかも知れないと思うのだが、

結構、大爆笑だった。

「御血脈 (おけちみゃく) 」 のみ 初めて聴く演目だったが、

これもどういうわけか地獄の話。

2つ目の 「心中恋電脳」 も オチが、

「地獄じゃ〜」 という言葉なので、

今日は、地獄三昧となった。


1回の公演で3席、それを昼夜2回で1日6席、

3日連続で合計18席。

これは、結構ハードだろう。

今年で66歳になる文珍。

これからますます円熟した芸を聴かせて欲しい。





2014.5.2

落語の面白さ

落語の深さ・面白さを知れる動画を紹介。





なるほどねぇ〜って話でしょ。

ちなみに、驚いたことに 志の輔と昇太、

同期だそうです。

志の輔は、昇太より年上だが大学卒業後、

サラリーマンを経ての入門なので、同期なのだな。

なので、昇太は志の輔にタメ口だそうです。

それにしても、志の輔さん、

よく噺家になってくれました。

聴けば聴くほど、サイコーです。

「ためしてガッテン」 や 「ペヤングソース焼きそば」 の

CM で、志の輔のことを知ってたけど、

落語を聴いたことなかったから、正直、この前まで、

こんなに素晴らしい噺家やということ、知らんかったよ。





2014.5.17

朝日名人会

桂歌丸師匠を目当てにチケットを取った、

今日の 朝日名人会 @ 有楽町 朝日ホール。

今月9日の時点で、歌丸師匠の体調不良による

休演を知らせるメールが届いた。

歌丸師匠の休演に当たったのは、

先月2日の横浜にぎわい座に続いて2度目だ。

横浜にぎわい座の時は、チケットの払い戻しも

可能だったような記憶があるが、

今回は払い戻しは なし。

その代わり、一席の予定だった柳家花緑が、

歌丸師匠の代打として、二席を演じた。

行ってみて分かったのだが、

朝日名人会というのは、今日が139回 目で

今までにここで演じられた高座が、たくさんCDに

なっており、歌丸師匠や文珍、志の輔など、

私がCDで聴いてきた噺は、この 「朝日名人会」 の

ものが多かったのだった。


さて、本日の番組は下記。

一、「寿限無」 入船亭ゆう京 (前座)
一、「磯の鮑」 柳亭小痴楽 (二つ目)
一、「安兵衛狐」 金原亭馬生
一、「竹の水仙」 柳家花緑
〜 仲入り 〜
一、「ちりとてちん」 柳家花緑
一、「髪結新三(下)」 五街道雲助

今日、聴いた噺家は全員初めて。

演目は、最後の 「髪結新三」 以外は、

聴いたことがある。


まず、前座の 「寿限無」。

これは、将来のためにお客さんが練習に

付き合っているようなもので、まあ面白くはない。

でも、皆、前座を通って上手くなっていくのだから、

真打で笑わせてもらう分、

前座にも付き合う必要があるのだろうな。


二つ目の柳亭小痴楽。

名前も知らなかったし、期待もしていなかったが、

結構、面白かった。

ちなみに父親は、5代目柳亭痴楽とのこと。

まだ26歳だが、10年目。

高校中退して弟子入りしただけのことはある。

将来有望だと思う。


3人目は、金原亭馬生、64歳。

11代目だという、由緒ある名前。

安定した芸風。


そして、仲入り前の 「竹の水仙」 が、

歌丸師匠が演じる予定だった演目。

「竹の水仙」 は、歌丸師匠が有名なので、

さぞ、やりにくかっただろうと思うが、

花緑のそれは、歌丸師匠とは全く別のテイストで、

爆笑もんだった。

花緑のことは 名前と顔は知っていたが、

落語を聴くのは初めてだった。

ちょっと志の輔にも通じる笑いで、

私は好きだな。

また聴きたい噺家。


仲入りをはさんで、再び花緑。

「ちりとてちん」 は上方の桂南光のものを

聴いたことがある。

上方とは、少し話が違うのだが、

ストーリーは南光の方が、面白いし自然やな。


トリは、五街道雲助。

今日聴いた印象は、この人は正統派。

今日の噺は、滑稽噺ではなく、

人情噺とも違うので、なんというのか

分からないが、お芝居の様な噺。

(芝居噺というのかな?)

上手なのは分かるが、笑える噺ではなく、

淡々と進むので、私の好きなタイプではなかったな。


ところで、歌丸師匠は大丈夫なのだろうか。

7月の独演会のチケットを入手済みなので、

早く復活されることをお祈りする。





2014.5.24

最近のお気に入り

桂よね吉 独演会


積極的に落語を聴くようになって、

半年ぐらいでしょうか。

数えてみたら、レンタルしたCDの合計が

130枚ほどになっておりました。

上方と東京と合わせると噺家の数は、

700人と聞いたことがありますので、

まだまだ知らない噺家さんも多いのでございますが、

最近、気に入ってよく聴いているのは、

立川志の輔、春風亭一之輔、柳家さん喬、

柳家喬太郎 あたりでございます。

一之輔、喬太郎は、落語会のチケットも入手済みでございますが、

志の輔師匠のチケットは中々手に入りません。

先日、1枚オークションに出ておりました。

元々3100円のチケットですので、4000円ぐらいまでならと、

ウォッチしておりましたら、8500円で落札されました。

もっとも、8500円が最低落札価格という、

「出品者さん、ちょっと 欲張りすぎじゃござんせんか」

と言いたくなるオークションでございました。


先日、二席ナマで聴いた柳家花緑も、これからもっと

聴いてみたい噺家ですし、名前はよく見かけますが、

まだ聴いたことのない、噺家さんも何人かいらっしゃいますので、

これは、当分、飽きることはなさそうだと、

楽しみにしております。

聴くだけではなく、そのうち、うちの妻をネタに一席作れたらな、

などと夢は広がるのでございます。


さて、本日は、上方落語でございます。

桂よね吉という、米朝一門、故 桂吉朝のお弟子さんの

独演会でございました。

会場は、渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール。

最近、江戸の落語を よく聴くようになりまして、

たまには、上方落語を聴いておきませんと

大阪弁を忘れてしまいそうなのでございます。(うそ)

どういうわけでございましょうか、

着物を着たご婦人が何人もいらっしゃいました。


本日のプログラムは、下記のとおりでございます。

桂二乗 「天狗さし」
桂よね吉 「愛宕山」
〜 仲入り 〜
桂あさ吉 「鯛」
桂よね吉 「子別れ」

思っていた以上に面白く、楽しませていただきました。

よね吉は、「愛宕山」 の前にたっぷりと長いマクラ。

仲入り後のあさ吉によりますと、1時間10分も

話したそうで、自分の時間が短くなったと

申しておりました。

このあさ吉でございますが、若手かと思いましたら、

よね吉の兄弟子と聞いてビックリ。

中々のキャラクターでございました。

演目の 「鯛」 は、六代目 桂文枝 師匠に

稽古してもらったとのことでした。

よね吉の 「子別れ」 は、しんみり聴ける、

子はかすがいというお噺。

大変満足な高座でございました。


よね吉の師匠の吉朝 (三代目 米朝の弟子) は、

DVDで 「子ほめ」 を観たことがございます。

それは、一度 胃がんの手術を受け、復帰したあとの

ものでございましたが、残念ながら再発し、

2005年に亡くなりました。

50歳という若さでございました。





2014.6.4

立川生志 落語会
ひとりブタ


今日は、国立演芸場へ落語会に行ってきた。

立川生志 (たてかわしょうし) 落語会。

「ひとりブタ」 というタイトルが付いているが、

このブタは、生志が太っているから、

そのまま 「ブタ」 のことなんだろうか。

それとも、「独演会 = ひとり舞台」 の

「舞台」 のことなんだろうか。

それはさておき、

立川生志は、1963年生まれとあるから、

最近のお気に入りの 柳家喬太郎と同じ年で

私とは1歳違いの同年代だ。

ポッチャリしているせいか、若く見えて、

どことなく 若ノ花を思い出させる顔だ。

生志は、立川談志の弟子。

落語は聴いたことがなかったが、

今日は、ゲストが桂南光なので、

本当は、そっちが目当てだった。

南光をナマで聴けるのは、

東京ではあんまり機会がないのでね。


演目は下記。

「看板のピン」 立川生志
「厩火事」 立川生志
「胴切り」 桂南光
ー 仲入り ー
「百年目」 立川生志


前座は なし。

生志が最初にやった 「看板のピン」 は、

ふだん前座が やるような演目だとのことだったが

初めて聴いた。


「厩 (うまや) 火事」 は、怠け者の亭主と、

髪結いを仕事にしている妻、おさきの物語。

2人の間には、喧嘩が絶えない。

今日も亭主は、おさきに 「イモ女」 と言い、

おさきは、亭主に 「サカナちゃん」 と言い合いをしたのだ。

おさきは亭主の本心を知るために 転んだふりをして、

亭主が大事にしている 瀬戸物を割る。

おさきが転んだとき、亭主は 瀬戸物の心配ではなく、

「ケガはなかったか? 大丈夫か?」 と

おさきの体を気遣う。

おさきは、「(瀬戸物ではなく) 私のことを

心配してくれるのかい」 と感動する。

それを聞いた亭主は、

「当たり前だ。お前が怪我でもしたら、

明日から遊んで酒が呑めねえ」 と言うのが 通常のオチだ。

ところが、今日は違った。

「お前さん、そんなに私のことを心配してくれるのかい?」

「あたりめぇじゃねえか」

「『怪我でもされたら明日から遊んで酒が呑めねえ』 って

言うんじゃないだろうね」

と、おさきが先に そのオチを言ってしまう。

(ええ?どうやって終わるんやろ?) と思って

聞いていると、

「そんなこと言うわけ ねえじゃねえか」

「でも、大事な瀬戸物を 割っちまったよ」

「そんなものは また買えばいい」

「私は、イモ女だよ」

「オレはサカナちゃんだ。

サカナだけに、恋女房だ」

っていうオチで、ただの怠け者の亭主の噺が、

ホンマもんの女房想いの亭主の噺になっていた。

軽く感動。

ええねぇ、こういう意表を突くアレンジは、

どんどんやって欲しいな。


南光は、上方らしいお噺をということで、「胴切り」。

もう、めちゃくちゃナンセンスな

B級なストーリーやねんけど、

これは、枝雀師匠のCDを聞いたことがある。

まあ、好き嫌いは分かれるやろな。

南光も面白かったけど、この噺は演者を選ぶやろな。

南光は、髪の毛多い人やなぁと思ってたけど、

大分薄くなってたね。(落語と関係ないけど)

マクラでしてた、南光襲名時の談志師匠のエピソードが

面白かった。


最後は、生志の 「百年目」。

真面目で通っている番頭が、酔っ払って、

ハメを外して遊んでいるところを

主人に見つかってしまうというお噺。

これは、米朝と松喬で聴いたことがあったが、

今日のは、後半の主人の番頭への承認が素晴らしく、

思わず泣いてしもた。

これ、こんな人情噺やったんかと再認識。


楽しかったですが、マナーについてひとこと。

携帯電話は、電源を切りましょう。

今日、一席の間に2回も客の携帯電話が鳴った。

しかも、同一人物。

私の2列前の客だったので、間違いない。

ビックリやね。

本人 慌てているから、これまた 中々 音止められへんねんな。

どういうことでしょね、2回も鳴らすって。


さて、明日は いよいよ志の輔です。





2014.6.5

立川志の輔 独演会

2日連チャンの落語会。

今日は、行きたかった志の輔の落語を聴きに

やっと 行ってきた。

@ 銀座ブロッサム中央会館。

志の輔の落語会は、大人気なので、

この公演もチケットはすぐに売切れていた。

私は、オークションで入手しただのが、

思ったより安く落札できた。

というのも、オークションに入札する人も

ペアで行きたい人が多いのだろう、

2枚で出品されているものは、競争率が高い。

ちょっと良い席になると、1枚あたり、

7000円以上で落札されていた。

(元々は4100円のチケット)

その傾向が分かったので、

1枚だけ出品されているものを狙ったら、

私以外誰も入札してこず、スタートの価格、

5000円で落札したのだ。

しかも、11列目と まあまあええ席。

4100円出して、後ろの方の席になるのなら、

ちょっとプラスしても、良い席で観たいな。


さて、本日の演目は下記。

「牛ほめ」 立川志の太郎(前座)
「たがや」 立川志の彦(二つ目)
「買い物ぶぎ」 立川志の輔
〜 仲入り 〜
「抜け雀」 立川志の輔


期待通り、志の輔は素晴らしかった。

チケットがすぐに売り切れるのも頷ける。

マクラで聴ける話も興味深い。

独演会はええな。

マクラもたっぷり聴けるから。

「買い物ぶぎ」 は 志の輔の創作、

「抜け雀」 は 古典。

どちらも、ホントに面白く素晴らしかった。

この人の落語は、何度でも観たい。





2014.6.7

春風亭小朝 独演会

今週は、4日間に3回の落語会という

落語ウィークになってしまった。

今日はその3日目、春風亭小朝 独演会。

@ 関内ホール (横浜)。

小朝の落語をナマで聴くのは初めてなので、

あいにくの雨の中、楽しみに出かけた。

演目は下記。

一、「蛇含草」 春風亭ぴっかり (二つ目)
一、「死神」 春風亭小朝
 〜 仲入り 〜
一、「読書の時間」 津軽三味線 林家ひろ木 (二つ目)
一、「荒大名の茶の湯」 春風亭小朝
一、「宿屋の富」 春風亭小朝


小朝の弟子の女性噺家、ぴっかりの後、

いったんどん帳が下りた。

真っ暗の中、照明が点くと、いつの間にかどん帳は

上がっていて、小朝が既に座っていた。

マクラなしで、いきなり 「死神」 が始まった。

志の輔の 「死神」 を聞いたことがあったが、

演出もオチも違っていて これまた面白かった。

仲入りをはさんで、林家木久扇の弟子、ひろ木は、

独特のゆるキャラで、憎めない印象。

2席続けての小朝は流石。

「荒大名の茶の湯」 は初めて聴いた演目だったが、

加藤清正ら武将が7人登場する爆笑噺。

終演後、ロビーには 「茶の湯」 と張り出されていたが、

「茶の湯」 は、全然違う演目や。

主催者側が 演目 間違うたらあかんやろ。

「宿屋の富」 は、上方では 「高津の富」 という、

宿屋の客が、今で言う宝くじに当たってしまうという噺。

当たりくじ番号と自分の番号を読み比べ、

同じ番号を読みながら、中々当たっていることに

気がつかない様子がこの噺の一番の見所。


マクラでは、小朝が 明智光秀役で現在出演中の大河ドラマ、

「軍師官兵」 の話から、「わびさび」 の言葉の説明まで、

ふだん聞けない興味深い話が聞けた。

やっぱり、音楽も落語もナマが一番やな。





2014.6.21

チケット争奪戦 1時間

9月に赤坂ACTシアターで行われる、

「笑福亭鶴瓶落語会」 4日間の先行予約の受付が

今朝10時から始まった。

実は、来月も鶴瓶師匠の落語を聴きに行くのだが、

昨年10月の独演会が面白かったのと、

他の噺家と違い、師匠の噺はCDやDVDに

なっておらず、ナマでしか聴く機会がないため、

チケットを取ることにした。

この予約は、電話でしか受け付けておらず、

中々電話がつながらないだろうことは、

容易に想像できた。

10時3秒前にかけてみた。

すると、すでに話中。

それから、リダイヤルの連続。

結果、電話がつながったのはちょうど11時00分。

それまで1時間、ずっと電話をかけ続けたのだ。(ヒマか)

iPhone には、電話がかかってきたり、

かけたりした履歴が残る。

何回かけたか、電話番号の横に ( ) 書きで

出るのだが、(100) までしか表示されない。

100回かけた時には、

履歴はその電話番号1行だけの表示になった。



念のため電話番号下3桁は隠しています。
「11:00」は最後にかけた(電話がつながった)時刻。


こんな状態 見たの 初めてや。

100回目が10時20分ぐらい だったので、

11時までかけつづけたということは、

300回はかけたっちゅうことやな。

一体、何人のオペレーターが

電話を受けているのか知らんけど、

このシステム、なんとかならんかな。

21世紀やねんから。

まあ、ネット受付にすると、

ネットを使えない人たちを排除することになるから、

電話にしてるのかも知れんけど。

粘ったかいがあって、

前から7列目のセンターブロックが取れた。

けど、去年は、前から3列目やってんけどな。


電話をしながら、ネットで同じく10時受付開始の

志の輔師匠の落語会の予約も実行。(忙しぃ)

これまた、人気の独演会だ。

電話をかけながら、PCでネットに接続。

やはり、そのネット販売サイトも混んでいる。

7日間公演で土曜日を取ろうとしたら、

1回目、エラーになった。(混んでるためね)

もう一度、日を選ぶページに戻ったら、

なんとその日は 売り切れ。

発売開始から 2分もかかってないで。

慌ててスケジュール帳を確認し、別の日をなんとかゲット。

ふぅ〜、危ない、危ない。

これきっと、転売目的で取ってる連中もおるんやろな。





2014.6.26

スクリーンで観る高座
シネマ落語

落語研究会 昭和の名人 七
古今亭志ん朝独演会

落語にハマって約1年。

一時期は、江戸落語より上方落語の方が、

自分には合っていると思っていたが、

最近はそうでもない。

この頃 聴いているのは、江戸落語の方が多い。

さて今日は、2001年に63歳で 他界し、

今年13回忌を迎えた 古今亭志ん朝の落語を

映画で観てきた。(@ 銀座 東劇)

数か月前までは、志ん朝の名前さえ知らないほどだったが、

落語を聴きだすと避けては通れない名人の一人だ。

(そういう噺家が、東京には何人もいる。)

志ん朝の落語は、CDで何席か聴いたことがあったが、

映像で観るのは初めて。

この映画は、「落語研究会」 というテレビ番組の映像から

昭和の名人の芸を映画館で楽しもうというシリーズで、

その第7弾となるようだ。

演目は、「居残り佐平次」 「宗aの滝」 「愛宕山」 で、

それぞれ、78年、86年、87年の収録だから、

志ん朝が、40代のときの映像だ。

78年と86年を見比べると、8年経っているからか、

見た目にも変化があり、芸風も少しだが変化しているように

感じられる。

志ん朝が上手いというのは、CDを聴いて分かっていたが、

やはり映像を伴うと、その印象は音声だけのときよりも

より明確になる。

最近購入した志の輔のDVDの不必要なカメラ・ワークには

イライラさせられたが、映像が昭和なだけに

カメラは、たまに控えめに動くけど、ほとんど動きまへん。

落語は、その方が良いのだ。

「居残り佐平次」 は、三遊亭圓生 (六代目) で、

「愛宕山」 は、米朝ほか数人の口演 (ともにCD) を

聴いたことがあったが、「宗aの滝」 は、初めて聴いた。

3席とも流石で、始まると一気に噺に 引き込まれた。

「宗aの滝」 は、これがまたええ噺で、

最後には泣いてしもたよ。

名人と言われているのやから当然やけど、上手いね。

「宗aの滝」 が、これまた 「名人」 の噺で、

マクラでは、志ん朝の名人に対する考えが聴けて面白い。

志ん朝のDVD、欲しなってしもた。


ちなみにこの 映画館 (東劇) では、歌舞伎の映画も

上映している。

予告編を観たら、これも観たくなった。





2014.6.28

春風亭一之輔
「寄席の世界・落語と寄席囃子」


今年4月に三田落語会で初めて聴き、

好きになった、春風亭一之輔。

特にその日初めて聴いた 「雛鍔 (ひなつば)」 が

良かったのだ。

ある程度の数、落語を聴いて気づいたことがある。

その演目を初めて聴いた時が、私にとっての

その演目の基準になるということだ。

面白ければ面白いほど、素晴らしければ素晴らしいほど、

その傾向は強い。

逆に対して面白くなければ、記憶に残らないので、

基準にはならない。

例えば、「雛鍔」 を例に取ると、

その日の一之輔の 「雛鍔」 が素晴らしかったため、

それが基準になってしまい、その後、他の噺家の 「雛鍔」 を聴くと、

無意識に あの日の一之輔の 『雛鍔』 と比較してしまうのだ。

で、やっかいなことに、別の機会に本人の口演を聴いても、

(初めて聴いた時の方が、インパクトがあるので)

「あ〜、あの時の方が良かったなぁ」 なんてことになる。

これは、実際の出来とは関係ない、私の勝手な受け取り方だ。

そして、ナマで聴いたときに限らず、

CDやDVDでも、このやっかいな基準になることがある。

でも、そんなにインパクトのある高座は、

そうそうあるわけではないので、そういう風に思える

高座を聴けたというのは幸せなことだとも思う。

ほとんどは、その時、それなりに笑って、

しばらくたつと、忘れてしまうからね。


さて、そんなお気に入りの一之輔。

昨日は、会社の近所にある G−Callサロンでの落語会。

ここは、たまにライヴなどのイベントを催していて、

何度か足を運んだことがある小さな会場だ。

今回は、ただ落語を聴くという企画ではなく、

「寄席の世界・落語と寄席囃子」 と称し、

三味線の恩田えり師匠を迎え、

出囃子 (噺家登場のお囃子) や、

地囃子 (BGM的お囃子)などの 解説、実演も聴けた。

恩田えり 「師匠」 と書いたが、40代の女性で、

独特のキャラの方で、トークも面白かった。

彼女は、落語協会に属しているらしいが、

落語協会には、2百数十人の真打と二つ目がいるらしい。

前座の出囃子は共通なのだが、二つ目になると

自分の出囃子を決めることができるらしい。

彼女は、その2百数十人全員の出囃子

(一人もダブらない) が頭に入っていて、

楽譜も何も見ずに演奏することができる。

客席からリクエストをとって、何人かの噺家の出囃子を演奏したが、

「桂枝雀師匠」 というリクエストにも答えていた。

これはスゴイ。

覚えているのは、たぶん2百数十人どころではないと思う。

もう一つ驚いたのは、その出囃子の三味線に合わせて

一之輔が太鼓を叩くのだが、これがまた素晴らしい。

どんな出囃子にも合わせて太鼓を叩けるのだ。

一之輔いわく、太鼓は前座時代に、

みっちりと修行させられたらしい。

それにしても、リズム感というか、

多少の音楽的素養がなければ、あんな風に

太鼓は叩けないだろう。

噺家になるには、そんな才能も求められるのだな。

普段、スポットの当たらない、貴重な部分を

観ることができて良かった。


さて、落語は、2席。

「かぼちゃ屋」 と 「青菜」。

一之輔は、子供や与太郎を演じた時の表情がいい。

「青菜」 は何人もの噺家で聴いたが、

彼独特の演出が入っており、面白かった。


2012年3月 21人抜きの抜擢で真打昇進。

現在、36歳。





2014.6.29

桂米團治 独演会
米團治の母逝く


桂米團治 (55歳) の師匠は、

父でもある人間国宝の 3代目 桂米朝 (88歳)。

その米朝の師匠は、4代目米團治であったが、

米朝は5代目米團治を継がず、

息子の小米朝が 2008年、5代目 米團治 を

襲名した。

今日は、その桂米團治の独演会に行ってきた。

会場は、銀座ブロッサム中央会館。

小米朝時代の落語をCDで聴いたことはあったが、

米團治としての落語を聴くのは、初めてだった。


本日の番組は下記。

一、 「七度狐」 桂 米輝
一、 「地獄八景亡者戯 (前半)」 桂 米團治
一、 「上燗屋」 桂 ひろば
一、 「鹿政談」 桂 米團治
〜 中入り 〜
一、 「三十石 夢の通い路」 桂 米團治


会場で配られた番組表には、

米輝、ひろばと2人演じた後、

米團治の登場となっていたが、

米輝が終ると米團治が登場した。

(あれ? ひろばは休演になったのかな?) と

思っていると、私は知らなかったのだが、

一昨日、米團治の母、つまりは米朝夫人が

亡くなったとのことだった。

それで、今日の独演会は中止なのかと、

会場にもたくさんの問い合わせの電話があったらしく

そんなこんなで、挨拶に出てきたというのだ。

一昨日はお通夜、昨日が葬儀だったらしく、

この2日間に済ませなければ、スケジュールが詰まっていて

10日先になってしまうので、

全てを済ませての本日の公演であったようだ。

もちろん、芸人であるから、

悲しい様子などかけらも見せず、

母が死のうが何が起ころうが、

笑って高座に上がるその姿に

芸の世界の厳しさと プロ根性を見たのでした。

昨日は大阪岸和田で出番があり、

「ただ今、母の葬儀の真っ最中です」 というと、

会場が拍手喝采で盛り上がり、

改めて大阪の客の凄さを見たと言うてました。

帰ってきて調べたところ、亡くなったお母さんは88歳。

3年ほど入院生活だったらしい。

そのお母さん (中川絹子さん) は、

米朝師匠と結婚する前は、

大阪松竹少女歌劇団(現 OSK日本歌劇団) で

活躍していたらしい。


今日は、挨拶するために登場し、

予定になかった一席を演じた。

何にしようかと考え、母が死んでしもたんで、

「地獄八景亡者戯」 を選ぶあたりが、噺家やね。

「地獄八景亡者戯」 はあの世の噺で、

登場人物は、死んだ人々とえんま様や鬼。

全部演ると1時間あるので、今日はその前半部分だけ。

かなり米團治流にアレンジされていて、

面白かった。

あの世の劇場で踊る母を見つけ、

「おかぁさ〜ん!」 と叫んだところで終わるという、

なんかちょっと うるっと来てしまう終わり方やった。

合掌。


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2014.7.5

ヤマキ つるべ寄席 〜若手台頭〜

昨年10月以来となる鶴瓶師匠の落語会に行ってきた。

@ 紀伊國屋サザンシアター (新宿 or 代々木)

本日の番組は下記。

一、 笑福亭瓶二 「看板のピン」
一、 桃月庵白酒 「松曳き(まつひき)」
一、 笑福亭鶴瓶 「ALWAYS -お母ちゃんの笑顔-」
〜 仲入り 〜
一、 桂春蝶 「地獄八景亡者戯 (前半)」
一、 笑福亭鶴瓶 「たちぎれ線香」

笑福亭瓶二は、鶴瓶師匠の弟子。

続いての 桃月庵白酒 だけが、江戸落語。

「松曳き」 という演目は初めて聴いたが、

粗忽なお殿様と家臣の噺で面白かった。

鶴瓶師匠の一席目は、自身の母とのことを描いた

「ALWAYS - お母ちゃんの笑顔 -」。

どこまで、ほんまか分からへんけど、ある程度は

実話なんやろう。

師匠の人生もおもろいし、このおかんもホンマもんやな。

仲入りをはさんで、桂春蝶。

そう言えば、子供の頃、桂春蝶という噺家を

テレビでよく見たが、忘れていた。

今日の春蝶は、その息子で 3代目となる。

1993年、父の2代目春蝶が亡くなったあと、

父の師匠である春団治師匠に弟子入りした。

つまり、父とは兄弟弟子になるわけだ。

演目は、先週、米團治でも聴いた 「地獄八景亡者戯」。

この演目はあの世の噺だが、

亡き父、2代目春蝶を登場させたり、

かなりアレンジされており、面白かった。

最後は、鶴瓶師匠の 「たちぎれ線香」。

江戸落語では 「たちきり」 と呼ばれる演目で、

上方でも 「立切れ」 と言うこともある。

この演目は、5代目文枝やさん喬など数人の

口演をCDで聴いたが、ちょっとつらい、

哀しい、笑えないお噺。


マクラでは、「一本立ちする」 の語源も聴けた。

昔、お茶屋で芸者遊びをする時、線香でその時間を

測った。

芸者には、見習い (半玉・はんぎょく) 期間があって、

その期間は、ギャラも安い。

で、芸者として一人前になると、

線香で測って、言わば時間給をもらえるようになるので、

一人前になることを、線香を立てるところから、

「一本立ちする」 というようになったそうな。

中々、興味深かったね。


それにしても、

昨年の独演会の時も書いたが、

鶴瓶師匠は、一体いつ稽古してるんやろな。


ヤマキがスポンサーなので、帰りに だしとふりかけを

お土産にもらったよ。








2014.7.13

桂歌丸 独演会 4回目

昨年3月に初めて行った横浜の関内ホール、

関内寄席の 「桂歌丸 独演会」。

昨年7月、今年3月と毎回通うようになり、

今日で4回目だ。

今年は、歌丸師匠の入院があり、

4月2日の横浜にぎわい座と5月17日の朝日名人会、

2回の休演にも当たったのだが、

今日は、元気に高座に上がられた。

元気といっても、歩くことは困難らしく、

出番前にはいったん緞帳をおろし、

座ってから緞帳が上がるというのは、3月と同じ。

声を聴いている限り、そんな体調とは思えぬ芸なのだが、

見た感じは、ひと回り小さくなったように思えた。


本日の番組は、下記。

一.落語 「ちりとてちん」 桂竹のこ
一.落語 「磯の鮑」 柳亭小痴楽
一.落語 「つる」 桂 歌丸

〜 仲入り 〜

一.大神楽 鏡味味千代
一.落語 「三遊亭圓朝 作
真景累ヶ淵 五、お累の自害」 桂 歌丸


竹のこは、前回の歌丸師匠の独演会に続き、2回目。

小痴楽は、5月の朝日名人会で観た時と同じ 「磯の鮑」。

面白い噺だが、どうせなら違う演目を聴きたかったな。

歌丸師匠の一席目は、「つる」。

これ、前に面白くない演目だと書いたことがあるが、

歌丸師匠が演るとさすがに少し噺に深みが出た感じが

したものの、やっぱりおもろないな。

次の大神楽というのは、あごに棒を乗っけて、

その上に茶碗やら何やらを載せたり、

傘の上でマリを回したりする曲芸。

息を呑む本当に見事な曲芸もあって楽しめた。


落語の最後は、「真景累ヶ淵」 の第5話。

50分、一時も切れない集中。

スゴイね。

この話、間が何ヶ月も空いて聴いているので、

私の中でストーリーが繋がっていないのだけど、

一話一話独立して聴ける話になっている。

でも、機会があれば一気に全部聴きたいな。

どうも、全部で7話か8話ありそうなので、

一気に聴くのは大変やろうけど、

DVDで、老後の楽しみに。





2014.7.26

にっかん飛切落語会

昨日は、日比谷公園近くのイイノホールへ、

「にっかん飛切落語会」 という落語会に行ってきた。

イイノホールは、初めて行ったのだが、

とてもきれいな良いホールだった。

この 「にっかん飛切落語会」 は、

日刊スポーツ新聞社が主催で、一時中断されたものの

今年40年目、昨日が第352夜という

歴史のある落語会。

若手2人とベテラン真打2人が出演する。

観客の投票制で、若手の中から年間で、奨励賞、

努力賞などが決められるしくみだ。

林家たい平、春風亭昇太、立川談春、

立川志の輔、三遊亭小遊三、春風亭小朝など、

現在活躍している真打に過去の受賞者も多い。


昨日の出演・番組は、下記。

(開口一番) 瀧川 鯉津 「動物園」
入船亭扇辰  「一眼国」
柳亭小痴楽 「湯屋番」
〜 仲入り 〜
三遊亭天どん 「たらちね」
立川志の輔 「抜け雀」


若手の出演者は、年間で6人が決まっており、

その中から昨日の出演は、柳亭小痴楽と三遊亭天どん。

小痴楽には、縁があるのかこれで3回目。

まだ25歳だが、私は好きな芸風で、将来有望。

3回ナマで聴いてマクラが全部同じだったので、

違うマクラも聴きたいな。


三遊亭天どんは、昨年9月真打になったばかりで

若手といっても42歳。

真打になったら、名前が変わると思っていたのに、

変わらずこのままずっと 天どんだと嘆いていました。

ちょっとゆるいキャラで私は好きだな。

演目の 「たらちね」 は、長屋の八五郎のところに

言葉が丁寧すぎて何を言っているか分からない嫁が

嫁いでくるという噺。

上方では、「延陽伯 (えんようはく)」 という題だ。

天どんは、これを大幅にアレンジ。

嫁はハーフという設定で、言葉が丁寧なだけでなく、

英語混じりのめちゃくちゃな言葉なのだ。

面白かったけど、ちょっとやり過ぎ感もなきにしもあらず。


ベテラン2人は、入船亭扇辰 (せんたつ) と立川志の輔。

入船亭扇辰は、初めてだったけど、ほかの演目も聴いてみたい。

トリは、お目当ての志の輔師匠。

それまでの出演者も面白く、ダメなわけではないのだけど、

オーラ、風格、笑いの量、噺への引き込まれ具合、

そんな色々が違いすぎるね。

改めてびっくり。

演目は 「抜け雀」 で、先月行った独演会と同じだったが、

それでも、全く飽きることなく新しく笑えるのは、

志の輔師匠が、新しく演じているからに他ならない。

同じ演目を演じても、前座が面白くないのは、

練習したものを高座で 「再現している」 からだと思う。

聴いていて本当に面白かったり、感動したりするのは、

練習したものの再現ではなく、

本番で新たにクリエイトしているからなのだと思う。

落語に限ったことでなく、演技でも音楽でもね。


来週も、志の輔師匠聴きに行きます。





2014.7.27

噺家デビュー

あまりにも落語ばっかり聴いているせいか、

噺家になって、高座デビューした夢を見た。

落語をした、ということになっていて、

落語をしている場面は、夢にはなかった。

で、夢の中で自分が何の演目を演じたかが思い出せず、

「あれ?ホンマにオレ、演ったんかなぁ?

夢やったんかなぁ?」 と言う。

で、ちょっと考えて思い出すのだが、

今は覚えていない。

どうせなら夢なら、高座で演じている自分を見てみたい。





2014.7.28

志の輔らくご in 下北沢
本多劇場プロデュース
「牡丹灯籠」2014

いやいや素晴らしかった。

志の輔師匠の 「牡丹灯籠」。

演出、音楽、口演、構成、何もかも素晴らしかった。

今年で6年目だということだが、

これは劇場から、「毎年 演ってください」 って

言われるでしょう。

今日は、7日間公演の初日だった。

休憩を入れて、2時間半の予定が、

終わった時には、2時間50分を超えていた。

終わってから、「初日なので、喋りすぎました。

明日から20分短くします」 と言っていたけど、

全く長いと感じなかったし、初日だったおかげで

20分多くたっぷり聴けた今日のお客さんは、

ラッキーだと思う。


さて、「牡丹灯籠」。

「四谷怪談」「番町皿屋敷」 と並んで、

日本の有名な怪談話の一つだが、

ほかの2つに比べて、知っていることが少ない。

例えば 「四谷〜」 なら、目の上に大きな傷を作った

お岩さんが幽霊だということは知っているし、

「番町〜」 なら、名前は忘れたけど、女の幽霊が

お皿の枚数を数えるということぐらいは、

子供の頃から知っていた。

でも、「牡丹灯籠」 はタイトルは知っているが

中身を全く知らなかった。

今日の志の輔師匠の解説で知ったのだが、

「牡丹灯籠」 は、江戸時代末期から明治の落語家、

三遊亭圓朝の作で、彼は15日間かけて語ったという。

1日2時間としても30時間の大作だ。

録音なんてなかったその時代、その時の圓朝の口演が、

速記として残されていたので、

今だに語り続けられているという名作なのだ。

「牡丹灯籠」 は、歌舞伎や映画にもなっているが、

昨年、歌舞伎で観た 「怪談乳房榎」 も、

歌丸師匠の独演会で何度か聴いた 「真景累ヶ淵」 も

圓朝の作だったのだ。

「牡丹燈籠」 のことは、知らなかったと書いたが、

この1年ほど、落語を聴くようになって、

「御札はがし」 と 「栗橋宿」 は聴いていた。

これらは、その長い 「牡丹灯籠」 の一部を

抜粋したもので、今もよく演じられる演目のようだ。


「牡丹灯籠」 全体は、実はたくさんの登場人物が、

絶妙な縁で絡み合っている、怪談あり、仇討ちあり、

親子の再開ありの盛りだくさんな物語。

今日の 「志の輔版 牡丹灯籠」 では、

30時間分の物語を2時間半ほどに凝縮。

1部では、ボードに名札を貼り、登場人物の

人間関係とストーリーを解説。

これで1時間ほど。

休憩を挟んで2部では、座布団に座っての

物語の後半を落語で90分ほど。

正にたっぷり、でした。

今年で6年目だが、毎回やる度に

新しい発見があるという。

来年は、本多劇場 (下北沢) が2週間取ってあるとか。

これは来年もぜひ聴きに行きたい。


落語の終わりで、憂歌団の 「胸が痛い」 が流れ、

舞台が暗転になる演出も 良かった。

「牡丹灯籠」 に憂歌団。

こんな組み合わせ、思い付けそうにない。








2014.8.2

桂雀々独演会 「夏の陣」

雀々の独演家に行ってきた。

@ 国立演芸場。

雀々は、故桂枝雀の弟子。

ゲストは、三遊亭円楽。

番組は下記。

一、「対談」 三遊亭円楽・桂雀々
一、「蛇含草」 桂雀々
一、「船徳」 三遊亭円楽
〜 仲入り 〜
一、「茶漬け幽霊」 桂雀々

雀々の落語をナマで聴くのは初めてだったが、

身振り手振りとか、所々に師匠枝雀が見えたね。

雀々の芸風は、好きやな。

なんか熱い。

一生懸命やってる感があると、

ちょっと うっとおしく感じるもんやけど、

彼はそんなことないねんな。

最後の演目 「茶漬け幽霊」 は東京では、

「三年目」 と言い、どちらかというと

夫婦愛を描いた人情噺らしいが、

上方では、幽霊が 「夜が怖い」 と言う

サゲになっている。








2014.8.4

立川生志 落語会
ひとりブタ

2回目

前回、6月の 「ひとりブタ」 で初めて聴いた、

立川生志 (たてかわしょうし) の落語会に

また行ってきた。

@ 国立演芸場。

前回は、ゲストの桂南光 目当てだったが、

今回も実はゲストの笑福亭鶴瓶師匠が目当て。

本日の演目。

「お菊の皿」 立川生志
「癇癪」 笑福亭鶴瓶
ー 仲入り ー
「柳田格之進」 立川生志

「お菊の皿」 は、番町皿屋敷のお笑い版。

前回の 「厩 (うまや) 火事」 も生志流のアレンジが

されていたが、「お菊の皿」 でも幽霊のお菊が、

コマーシャルに出演するなど、独自のアレンジが

されていた。

鶴瓶師匠の 「癇癪」 は、昨年も聴いたが、

松鶴師匠への愛が感じられる演目だ。

最後の 「柳田格之進」 は、初めて聴いた。

たっぷり1時間の人情噺だが、素晴しかった。

ちょっと哀しいエンディングだったのだが、

調べてみるとハッピーエンド・ヴァージョンも

あるようだ。

今度は、ハッピーエンドで聴きたい。





2014.8.8

大手町落語会
@ 日経ホール


先日、雀々の独演会で彼が言っていた。

「東西合わせると、現在770人ほどの噺家がいるが、

一般に顔と名前が一致しているのは、

『笑点』に出演している7人と、『新婚さんいらっしゃい』、

『家族に乾杯』、そして 『ためしてガッテン』 の

10人ぐらいでしょ」 と。

確かにその10人は、全国的に有名やろな。

でも、もうちょっとおるやろ。

上方やったら、仁鶴、鶴光、ざこば、南光、文珍、

八方、きん枝、雀々、小枝・・・

ああ、大事な人忘れてた、米朝! (もう引退したけど)

東京やったら、小朝、正蔵 (こぶ平)・・・

やっぱり東京の人、あんまり知らんなぁ。


この1年半ぐらい、落語をよく聴くようになって、

それまで名前も知らなかった噺家を何人も知った。

上に書いたのは、落語に凝りだす前から知っていた噺家だが、

今年になって知った噺家でぜひナマで聴きたいと

思っていた人に 柳家さん喬 と 柳家喬太郎 がいた。

なかなか機会がなかったのだが、

ようやく聴きに行くことができた。

しかも、2人同時に観られるというラッキーな落語会だった。

本日の演目は下記。

「代脈」 入船亭小辰
「棒鱈 (ぼうだら)」 柳亭左龍
「任侠流山動物園」 柳家喬太郎
〜 仲入り 〜
「目黒のさんま」 入船亭扇辰
「死神」 柳家さん喬

目当ての喬太郎の 「任侠流山動物園」 は、

白鳥作って言うてたけど、おもろかったね。

やっぱり、この人は良い。

伝統的な古典落語を聴きたい人には、

もしかしたら 不評かもしれないけど、私は好きやな。

さん喬の 「死神」 は、サゲが知っていたのと

違った。

この人は、(たぶん) 正統派なので、

このサゲがオーソドックスなのかも知れない。

噺家によって、ちょっとずつ噺が違うというのは、

聴手には楽しみなことだ。





2014.8.27

柳の家の三人会

「柳の家の三人会」 という落語会に行ってきた。

タイトルのとおり、柳家の噺家の落語会。

好きな喬太郎と花緑に、一度聴きたいと思っていた

三三 (さんざ) が出演するので、これはチャンスと。

会場は、町田市民ホール。

出演と演目は下記。

柳家緑君 「権助魚」
柳家喬太郎 「抜け雀」
〜 仲入り 〜
柳家三三 「締め込み」
柳家花緑 「妾馬」


柳家緑君 (ろっくん) は、花緑の弟子で二つ目。

喬太郎の 「抜け雀」 は、志の輔、歌丸、志ん朝で

聴いたことがあるが、落語ってホンマに噺家によって

違うのが面白い。

同じストーリーなのに、登場人物が違う人に

なるねんな。

三三の 「締め込み」 は初めて聴いた演目。

三三はまだ40歳やけど、年齢以上の貫禄を感じたね。

また聴きたい噺家。

花緑の 「妾馬」 は別名 「八五郎出世」。

この噺も好きやなぁ。








2014.8.28

立川志の輔 独演会

昨日、今日、明日と3日連続の落語会だ。

チケットは一度に取ったわけではなく、

別々の時に取るので、観たい気持ちが先行しており、

取る時には 連日になることなど お構いなしだが、

実際、行く段になると結構ハードだ。

ま、幸せだが。

今日は、大好きな志の輔師匠 (4度目!)。

いやいや、やはり素晴らしい。

感動すら覚えたね。

志の輔師匠は2席。

「みどりの窓口」 と 「新・八五郎出世」。

「みどりの窓口」 は、CDで聴いて、

志の輔師匠を好きになるきっかけの演目だったので、

ナマで聴けたのはうれしかった。

CDより進化してたし。

「新・八五郎出世」 は、昨日、柳家花緑で

聴いた 「妾馬」 と同じ演目。

昨日、「この噺も好きやなぁ」 と書いてたら、

2日続けて聴けるとはね。

同じ演目を聴いても、演者が違うと

違う物語のように聴けるのは楽しい。

演目に 「新」 を付けているのは、志の輔師匠の

アレンジがたっぷり入っているからだろう。

これも、CD で聴いてはいたが、

ナマで聴くとやはり違うね。

主役の八五郎の妹や母親への思いも

感動的なのだが、そのストーリーではなく、

違う何かに触れたようで感動してしまった。

音楽のライヴでも、落語の高座でも

何回に一回、そういうのがあるねんけど、

今日のは間違いなくそういう高座でした。

前座と二つ目は、6月に行った志の輔独演会と

同じ2人。

志の彦のマクラ (弟子入りまでのエピソード) が

面白かった。


本日の番組
立川志の太郎 「子ほめ」
立川志の彦 「かぼちゃ屋」
立川志の輔 「みどりの窓口」
〜 仲入り 〜
松永鉄九郎 長唄三味線
立川志の輔 「新・八五郎出世」

@ 練馬文化センター 大ホール。


明日は、小朝です。





2014.8.30

春風亭小朝 独演会 2回目

3日連続落語会、3日目 (昨日) は 「春風亭小朝 独演会」。

小朝師匠の独演会は、6月以来2回目だ。

噺家は一人一人独特なのだけど、

小朝師匠の落語世界は、多くの噺家とは

何かが大きく違う。

それが何だか言葉にできないのだけど。


さて、前回も楽しんだ覚えがあるが、今回も素晴らしかった。

演目は、「荒茶」 「代書屋」 「男の花道」。

「荒茶」は、6月にも聴いた。

面白い噺だが、いまだに他の噺家では聴いたことがない。

あの時は、「荒大名の茶の湯」 と書いたが、

江戸落語では 「荒茶」 と呼ぶようだ。


「代書屋」は、上方落語の演目なので、

枝雀、小米朝、春団治などで聴いたことがある。

東京の人が演る 「代書屋」 は初めて聴いたが、

さすがは小朝師匠、独自のアレンジで

上方とは違う滑稽さがあった。


最後の 「男の花道」。

初めて聴いたが、歌舞伎役者と医者の

男と男の約束を描いた人情噺。

これは、ええ噺やなぁ。

ちょっとイヤな奴として登場する侍も最後には

ええ男になるという、悪人がいないのも良いし、

江戸の人たちの人情にも泣ける。

現代には、ない話やなぁ・・・。


仲入り後の林家ひろ木は、6月の小朝独演会にも

出演していた。(演目、津軽三味線は同じ)


昨年3月、初めて落語会 (桂歌丸独演会) に行って以来、

この1年半ほどの間に、30回の落語会・寄席に行った。

最初の頃は、面白くない前座の落語がイヤだったが、

今、名人と呼ばれる師匠たちにも前座時代があったことを

思うと、この面白くない前座の中から、20年後、

30年後の名人が生まれると思うようになり、

前座や二つ目への見方も変わってきた。

面白くないことに変わりはないが、

以前のように不満に感じることはなくなってきた。

落語への関わり方が変わってきたんか、

大げさに言うと落語愛みたいなものが生まれてきたんやろか。


【演 目】
春風亭ぽん吉 「元犬」
春風亭小朝 「荒茶」
春風亭小朝 「代書屋」
〜 仲入り 〜
林家ひろ木 「読書の時間」
       〜津軽三味線
春風亭小朝 「男の花道」

@ きゅりあん (品川区立総合区民会館) 大ホール








2014.9.4

笑福亭鶴瓶落語会

鶴瓶師匠の独演会は、これで3回目。

今日は、昨年10月にも行った、

赤坂ACTシアターでの 「笑福亭鶴瓶落語会」 だ。

東京4日間、大阪4日間、新潟2日間、

福島、岩手と12日ある公演の初日。

独演会といっても前座やゲストが登場するものが多い中、

この 「笑福亭鶴瓶落語会」 は、鶴瓶師匠ご本人のみの

出演で、まさにたっぷりと鶴瓶ワールドを

楽しむことができる。

まずは、30分ほどフリートーク。

よくもまあ、こんなにおもろいことが、

次々に起こるなぁというような師匠の日常なのだが、

よくよく聴いていると、それ程のことでもないことを

面白おかしく語ることができるのだな。

奥さんのエピソードを聴いていて、

妻のおもろい話だったら、私も負けないと

思ってしまった。


落語の方は、古典を3席。

かわいい女、愛しい女、もう一つ何の女だったか

失念したが、女の噺を3席と始まった。

まずは、「転宅」。

これは初めて聴いた。

これが、何の女といったか思い出せない。

2席目は 「三年目」。

別名 「茶漬け幽霊」。

これは、先月、桂雀々でも聴いたネタ。

かわいい女の噺やね。

3席目は 「たちぎれ線香」。

7月の 「つるべ寄せ」 でも聴いたが、

これは、愛しい女の噺。


女の噺と書いたが、主人公は3席とも男。

その男の相手の女が、それぞれかわいい女だったり

愛しい女だったりするわけだ。


それにしても、テレビにあれだけ出て、

映画にも出て、一体いつ稽古するんやろな。


【 演 目 】
フリートーク
「転宅」
「三年目」
〜 仲入り 〜
「たちぎれ線香」

@ 赤坂 ACTシアター





2014.9.11

春風亭一之輔 独演会

春風亭一之輔は、2012年3月、

21人抜きの抜擢で真打に昇進した。

私は、彼の落語をナマで聴くのは、4回目だが、

初めて聴いた時 (演目は 「雛鍔」) にファンになった。

ところで、この 「何人抜きで真打昇進」 という表現だが、

自分より先に弟子入りした諸先輩を抜いての昇進なのだろうと

思っていたが、調べてみると、どうもその噺家が

所属している団体の中だけの話らしい。

日本には、落語協会、落語芸術協会、立川流、

圓楽一門会、そして大阪に上方落語協会があるが、

この 「何人抜き」 に 他の団体に所属する先輩は、

数えないようだ。

一之輔は、落語協会所属。

ちなみに落語協会の最高記録は、1980年の

春風亭小朝、36人抜きというのがあるらしい。

1994年に、柳家花緑が31人抜き。

(彼は、その時22歳で、戦後の落語会最年少の真打昇進。)

今年、人間国宝に選ばれた柳家小三治が、1969年に

17人抜き。

そうそう簡単に真打になれるわけではないようなので、

一之輔の21人抜きの凄さがうかがえる。


さて、今日は 「J亭落語会 月替り独演会、

喜怒愛楽シリーズ・怒 春風亭一之輔 独演会」。

前座は、林家木久扇の弟子、林家けい木。

「悋気のスマホ」 という若者らしい演目だったが、

噺の筋では、悋気していたのは、スマホではなく

ガラ携やってんけどな。

二つ目は、立川談春の弟子、立川こはる。

女流噺家だが、中性的な感じが私は好きだな。

噺も中々のもん。

で、一之輔。

3席聴けたけど、「堀の内」 と 「お見立て」 は、

初めて聴いた演目だった。

聞いたことのない噺はうれしいね。

こんだけ落語を聴いていると、

だんだん、減ってきただろうけど。

3席とも面白かったねぇ。

やっぱり、一之輔、ええなぁ。

「怒」 がテーマだったので、全ての演目に

怒るシーンがあったけど、一番そのテーマらしい

噺は、「笠碁」 やなぁ。

碁好きの意地っ張りのおっさん、2人の噺。

この2人、年齢は分からんねんけど、

お店 (たな) のだんさんという設定で、

孫もいるので、私のメージとしては、60歳ぐらいかな。

子供の頃からの友達で、今では囲碁友達。

怒って喧嘩すんねんけど、最後には仲直りするという、

ちょっとええ噺。


【 演 目 】
「悋気のスマホ」 林家けい木
「堀の内」 春風亭一之輔
「笠碁」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「目黒のさんま」 立川こはる
「お見立て」 春風亭一之輔

@ JTアートホール アフィニス





2014.9.13

よってたかって秋らくご2014
 21世紀スペシャル寄席 昼の部

一之輔や喬太郎が、時々、白鳥という噺家の名前を

出すのだが、そのたびに客席に笑いが起こっていた。

あんまり、良い場面でその名前は使われないのだけど、

(いったい、白鳥というのはどんな噺家やろ?) と

思っていたら、やっと (ナマで) 聴くことが出来た。

今日は喬太郎以外、初めての噺家で、楽しめました。


【 演 目 】
前座(名前失念) 「金明竹」
三遊亭兼好 「看板のピン」
柳家喬太郎 「紙入れ」
〜 仲入り 〜
春風亭百栄 「お血脈」
三遊亭白鳥 「牡丹の怪」

@ よみうりホール


前座は名前を忘れたけど、演目は 「金名竹」。

真打4人は、それぞれホントに個性的。

兼好が一番、まともな感じで、

あとの3人は、アバンギャルド。

喬太郎は、「紙入れ」。

おかみさんが、下品に色っぽい。

古典をやっても、もう古典に非ず。

マクラも面白かった。

期待を裏切れへんね。

百栄も、これまたユニーク。

私と同じ年 (52歳) で、32歳の時に

春風亭栄枝に 入門したという。

白鳥の 「牡丹の怪」 は、圓朝作の 「牡丹燈籠」 のパロディ。

内容はもう、はちゃめちゃなのだが、面白かった。

名前を出されると笑われる意味もなんとなく分かった。

談志師匠が、白鳥の新作落語を聴いて激怒したなど、

エピソードには事欠かないようだが、さもあらん。

好き嫌いの分かれる噺家だろう。

正当な落語を好きな人には、耐えられないかもね。

ちょっとやりすぎ感もあるが、私は結構好きだな。








2014.9.23

特撰花形落語会
林家たい平・柳家喬太郎
二人会


今日は、秋分の日ですか。

落語を聴くにはピッタリですな。(意味不明)

というわけで、本日の落語会は、

「林家たい平・柳家喬太郎 二人会」。

会場は、サンパール荒川 大ホール。

行ったことのない、日比谷線の三ノ輪という駅で

降りたら、めちゃくちゃ渋い所でした。

開口一番は、正蔵の弟子、なな子の 「平林」。

この演目が、「つる」 と並んで面白くない。

気の毒なくらい。

それとも、演る人が演れば面白いのだろうか。

とはいうものの、笑っている人もいるので、

私には面白くない、ということであって、

この演目自体が面白くないわけでは ないのだな。

お目当ての喬太郎は 「小言幸兵衛」。

これ、DVDを持っているので、

できれば違う演目を聴きたかったけど、

ナマで聴くとやっぱり面白いね。

仲入り後、たい平の弟子のあずみの三味線漫談。

そして、トリがたい平の 「抜け雀」。

7月には志の輔、8月には喬太郎で聴いた演目。

やはり、少しずつ違っていて面白かった。


【演 目】
「平林」 林家なな子(前座)
「小言幸兵衛」 柳家喬太郎
〜 仲入り 〜
(三味線漫談) 林家あずみ
「抜け雀」 林家たい平

@ サンパール荒川 大ホール 








2014.9.26

にっかん飛切落語会 第353夜

7月以来2度目の 「にっかん飛切落語会」。

【 演 目 】
三遊亭楽天 「子ほめ」 (前座)
柳家家禄 「厩火事」
柳亭小痴楽 「巌流島」
〜 仲入り 〜
桂宮治 「妾馬」
春風亭昇太 「花筏」

@イイノホール


前座の三遊亭楽天は、若くないなと思って

調べてみたら、今年39歳。

37歳になる年に圓楽師匠に弟子入りしたようだ。

すごいなぁ。


今日一番面白かったのは、春風亭昇太。

マクラも面白かったし、

「花筏」 も、かなり面白かったね。

大満足。

そして、初めて聴いた 桂宮治 の 「妾馬」 も良かった。

この演目は、「八五郎出世」 という別名もあって、

滑稽さと人情 (家族愛) と両方ある、

私の大好きな噺の一つ。

何人もの噺家のヴァージョンを聴いたが、

今日の宮治のも良かった。

柳亭小痴楽も面白かったけど、今日は後に出た、

宮治と昇太の印象が勝ってしまったな。

今日の出演者の中では、柳家花緑は

やや地味な印象になってしまった。

小痴楽と宮治は二ツ目だが、真打に近いと感じたね。





2014.10.13

志の輔旅まくら

落語を良く聴くようになって1年半ぐらい。

好きな噺家もずいぶん増えた。

好きなミュージシャンが沢山いるように

噺家も順位はつけにくいのだが、

一人選ぶとしたら、立川志の輔師匠だろう。

人気の高さも納得の面白さだ。

その志の輔師匠のまくらをまとめた本、

「志の輔旅まくら」 を読んだ。

「まくら」 というのは、噺家が落語の前に喋る

フリートークのようなもので、小噺をしたりしながら、

その日のお客さんの傾向を読み、

演目を決めるというものだ。

この本は、1992年から2001年の

旅に関するまくらだけを集めたもの。

キューバ、インド、北朝鮮、トルコ、エジプトなど

色んな国に旅をされた時のエピソードだ。

話すと面白くても 文字にすると面白くなくなったり

するものだが、さすがに読んでも面白いのには驚いた。

まるで、志の輔師匠の声が聞こえてくようで、

かなり笑えた。

キューバに行きたくなったもん。


2003年の発売で、今では中古本しか手に入らないが、

嬉しいことに安く流通してる。

アマゾンでは 1円 (+送料) なんてのもあるくらいだが、

あんまり安いと傷んでいるかもしれないので

私は300円のを買ったよ。


★★★★★





2014.11.1

春風亭一之輔 独演会
2014 落語一之輔 一夜


昨日は、ひと月ぶりに落語を聴きに行った。

会場は、よみうり大手町ホール。

今年オープンしたらしい新しいホールで、

キャパは、500人程度。

見るからにクラシック音楽用に作られたような

ホールだが、各席には簡易のデスクも備えられており、

コンサート以外にも使えるようになっている。


さて、この 春風亭一之輔 独演会は、

5年間やる予定だという。

今年は一夜だけだが、来年は二夜、再来年は三夜と

一夜ずつ増やしていくと5年でちょうど十五夜になる

企画のようだ。


一之輔のことは、今年4月に 「雛鍔 (ひなつば)」 を

聴いて、ファンになって以来、昨日で3回目の独演会。

この人は奇才だな、やっぱり。

21人抜きの真打昇進も納得だ。

「文七元結 (ぶんしちもっとい)」 は好きな人情話だが、

意外なことにナマで聴くのは初めてだった。

一之輔が一席目のマクラで 「文七元結」 を

やりたくないようなことを言っていたのは、

難しいということなのだろうか。

もしかしたら、あまり好んで演られないのかもしれない。

江戸っ子の、ええ噺やねんけど。


仲入りのあとは、

落語ではなく林家正楽という人の紙切り。

地味な演芸のようだが、

芸自体はホントに素晴しい。

作品が出来上がるたびに会場からは、

「おおぉぉ〜」 という声がもれる。

下書きもなく、ハサミだけを使って

あれだけのものを数分のうちに切るのは、

芸術だと思う。

あんなもん、練習で身につくものではないだろう。


【演 目】
「附子(ぶす)」 三笑亭夢吉 (二つ目)
「蝦蟇 (がま) の油」 春風亭一之輔
「青菜」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
(紙切り) 林家正楽
「文七元結」 春風亭一之輔

@ よみうり大手町ホール


(追記)
一之輔が 「文七元結」 を嫌がっていたわけは、
この日が初演だったからのようだ。





2014.11.9

春風亭小朝と清水ミチコの大演芸会
〜 落語とピアノバラエティー


これは面白そうだと思って、

大分前に チケットを取ったけど、

会場が サンシティ越谷市民ホール という

埼玉県のホールだった。

といっても、電車に揺られるのは

50数分のことで大して遠くもないねんけど。


小朝の落語は、3度目だったが

清水ミチコのステージは初めて。

たまにテレビで見ると面白いので、

舞台なら、テレビで見られない芸も

楽しめるだろうと期待。


まずは、春風亭ぽん吉 (前座) が、落語

「真田小僧 (さなだこぞう)」 を一席。

続いて小朝が、登場。

面白いけど、マクラ長いなぁと思っていたら、

それが 「越路吹雪物語」 という演目だった。

越路吹雪のことは、ほとんど知らなかったが、

彼女の歌を聴きたくなるような噺だった。

途中で 「愛の讃歌」 を流したり、

照明を変えたり、演出も憎いが

何より彼の話術の高さを感じた。

前座くんは、10分か15分ほどの演目の間に

これでもかというほど、かんでいたけど、

小朝は、水が流れるがごとく話していく。


15分休憩を挟んで、清水ミチコ ショー。

ステージ真ん中にピアノを置いて、

モノマネの弾き語り。

いやぁ、面白かった。

歌もピアノも上手い。

モノマネ100人やりますと言ってたけど、

100人はやってないかな。

某女優の音程を外す歌真似や、

森山良子など大爆笑だった。

それに、井上陽水、忌野清志郎、

美輪明宏、秋川雅史 など男性の声も出せる。

芸達者やなぁ。

休憩を抜くと、前座を含めて

正味95分ほどのショーで、

ちょっと物足りない気はしたけど

(小朝をもう1席聴きたかった)

十分、笑いました。





2014.11.14

春風亭一之輔 落語会

職場の近くの G-Call Club サロンでの落語会。

出演は、春風亭一之輔。

先月も一之輔の独演会に行ったが、

今日は今年5回目で、最もナマで観ている噺家だ。

それぐらい好きということね。

今日は、小さな会場の上に前から2列目で聴いた。

ほんの3〜4mほどの距離。

こんなに近くで聴くのは初めて。

今週あたりから放映されているユニクロの

テレビ・コマーシャルに出演されているらしく、

一席目のマクラでは、そのCMにまつわる裏話。

「そんな話、していいの?」 という話も。

これは、一之輔に限ったことではないのだけど、

噺家って、結構きわどい話をするのね。

そんなこと言うて、ええのかなぁと思うような。

でも、たぶんやけど・・・、

噺家って、もしかしたら、何言うても

許されるんちゃうかと最近思てんねん。

「えっ〜!そんなん冗談に決まってますやん!」 って

言えば許されるんちゃうかと。


さて今日の演目は、「短命」 と 「寝床」 の2席。

「短命」 は、誰のを聴いて知ってたのか思い出せないが、

「寝床」 は、CDや高座で、それこそたくさんの人のを聴いた。

それだけ、人気のある演目なのかもしれない。

それにしても、やはり面白い。

好きやなぁ、この人の落語。

まだ36歳なのだけど。

ウェブサイトの自己紹介によると、

初高座が2001年7月21日、

鈴本演芸場で 演目が 「子ほめ」 とある。

もし、映像があるならぜひ観てみたいが、

こういう人は、最初から上手かったんちゃうかな。

美空ひばりやスティービー・ワンダーが、

子供の頃から歌が上手かったように。





2014.11.23

落語立川流創立30周年
特別公演 談志まつり 2014


一昨日から今日まで3日間、

「落語立川流創立30周年 特別公演

談志まつり2014」 が、有楽町のよみうりホールで

開催された。

21日金曜日は夜のみの公演だったが、

昨日今日は昼夜2公演、3日間で合計5公演。

毎回出演者も違い、サブ・タイトルも違う。

私が観に行った今日の夜の部、つまり最終公演は、

「談志の遺言」〜俺を超えて行け〜

というサブ・タイトルだった。

私は落語好きだが、実は談志師匠のことが

あまり好きではない。

あれだけの人だから、素晴らしいのだろうと、

何回か CD を聴いたり、DVD を観たりしたが、

どうも私には楽しめなかった。

ここで批判する気はないので、

何がダメかは書かないけど、

簡単に言うと、周波数が合わないのだな。

ただ、落語自体はホントに上手いと思う。

その私がなぜに 「談志まつり」 なのかということだが、

談志師匠の弟子、志の輔師匠が大大大好きなのだ。

この人の落語は、ほんとに楽しめて

今年は独演会に3回行ったほど 大好きだ。

今日はその志の輔師匠が出演するので、

チケットを取ったというわけ。

「まつり」 ということで、立川流一門の人が

大勢出演した。

噺家6人の他、談志師匠に気に入られていたという、

スタンダップコメディの松元ヒロ (政治批判ネタで

面白かった) や トーク・コーナーのゲストなど、

まつりにふさわしい盛り沢山な内容だった。

お目当ての志の輔師匠の演目は、「新・八五郎出世」。

私の大好きな演目のひとつだ。

大勢出演したので、志の輔師匠のマクラが

ほとんどなかったのは残念だったが、

初めての噺家を何人も聴けたのは良かった。

印象に残ったのは、立川キウイ。

16年も前座だったというが、

全てが芸の肥やしかネタになるのが

芸人の世界だな、と思った。


【演 目】
一、「はじめてのお弔い」 立川志の八
一、「大安売り」 立川らく里
一、「反対俥 ー 談笑追善バージョン ー」 立川キウイ
一、「がまの油」 立川談笑
〜 仲入り 〜
一、トーク (ミッキー・カーティス、山藤章二、
   吉川潮、高田文夫、立川談笑)
一、「夢金」 立川ぜん馬
一、スタンダップコメディ 松元ヒロ
一、「新・八五郎出世」 立川志の輔





2014.12.14

志の輔 人気 恐るべし

落語をよく聴くようになって1年あまり。

好きな噺家は何人もいるのだが、

「一番好きな噺家は?」 と訊かれれば

迷わず 「立川志の輔」 と答えるね。


志の輔師匠の落語会は、いつもチケットが

ソールドアウトなのだが、

今年は独演会を含め、なんと5回も

志の輔師匠の落語をナマで聴くことができた。

何度でも聴きたい噺家なのだ。


毎年1月には

「パルコが1ヶ月らくごになる」 という

謳い文句で 渋谷のパルコで、

1ヶ月間の独演会が開催される。

来月の 「志の輔らくご in PARCO 2015」 は、

10年目だという。

絶対に観に行きたいので、先日、受付があった

チケットぴあの先行抽選に申し込んだが、落選。

そして、今朝の10時が一般発売の開始だった。

10時前にはパソコンの前に座り、

時計の秒針とにらめっこしながら、

10時ちょうどにぴあの販売サイトに

アクセスすると、

「アクセスが集中しています」 と

いきなりエラー。

もう一度、読み込むとなんとか表示された。

希望の日を選んで、次へ進もうとすると、

「ご希望のお席を用意できませんでした」

と表示された。

この間、ほんの数十秒。

慌てて別の日を取ろうとしたが、

結局、それも間に合わず、1分数十秒のあいだに

22公演全てが売り切れたのだった。

まいったな。

オークションで取るしかないかなぁ。

高くつくけど。





2014.12.28

夢の三競演 2014
〜 三枚看板・大看板・金看板 〜


桂文珍・桂南光・笑福亭鶴瓶、

この3人が、大阪で2004年から

10年間続けてきた3人会が、

「夢の三競演」 だ。

今年、11年目にしてついに

東京での公演が実現した。

と言うても、大阪でそんなんやっとったんも

知らんかってんけど。

この3人の落語が同時に聴けるんやったら、

迷わず行くでしょ。

というわけで、昨日は赤坂ACTシアターへ

行ってきた。

今年の落語納めですわ。

幕があくと、3人が並んで座っており、

まずは 口上 ですな。

それから、開口一番は亡き吉朝の弟子、吉坊。

見た目はえらい若う見えるけど、

実際は33歳。

噺家としても15年目で、安定した落語でした。

そして、3人の落語です。

鶴瓶師匠の 「琵琶を弾く観音像」 は、

ご自身とマネージャーとの実際 (?) の

話を基にした落語。

この人の日常は、ホンマに色んなことが

起こるんやね。

南光師匠は、古典の 「はてなの茶碗」 で、

比較的、オーソドックスに来ましたね。

文珍師匠の「御血脈」 も古典やねんけど、

この人はアレンジしてくんねぇ。

3人ともおもろかったです。

満足。


【演 目】
一、 口上 桂文珍・桂南光・笑福亭鶴瓶
一、 開口一番 「元犬」 桂吉坊
一、 「琵琶を弾く観音像」 笑福亭鶴瓶
一、 「はてなの茶碗」 桂南光
〜 仲入り 〜
一、 「御血脈」 桂文珍

@ 赤坂ACTシアター




昨年、落語に目覚めて、聴きに行くように

なったんやけど、今年はなんと36回も

落語会や寄席に足を運んだ。

自分でも よう行ったなぁと思う。

「落語会や寄席」 って書いたけど、

ほとんどが落語会。

寄席は、落語の時間が短いし、

あんまりおもろない漫才とかも出てくるんで、

たっぷり落語を聴くとなると、

やはり落語会が良いのだ。



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