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 2016年 MUSIC
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2016.1.4

新年早々の訃報

ナタリー・コール、
65歳での訃報である。
2015年12月31日(ロサンゼルス現地時間)、逝去。
う〜ん、ちょっと早いなぁ。

ナタリーは、ナット・キング・コールの実娘。
CD は、買ったことがあるけど、
ライヴは観たことがなかった。
最後の来日は、2014年11月だったようだが、
この来日時にも本人の体調不良のため、
東京ブルーノートでの公演が、
1日キャンセルになっている。

やっぱり、生きているうちに
観ておかんとな。
「生きているうち」というのは、
自分かアーティストか、両方ね。

R.I.P.
NATALIE COLE





2016.1.7

またハズレ

山下達郎のチケットが取れない。
達郎は、昨年10月から今年の4月までの
全国ツアーを展開中だが、このチケットが取れない。

今日、抽選結果の発表だった 2月26〜27日の
中野サンプラザホール公演は、
第1希望(27日)、第2希望(26日)ともハズレ。
前回のツアーから、数えるともう合計20回ぐらい
抽選に落ちている。

くじ運、悪いなぁ、オレ。

チケット代金は、8,800円。
もちろん、営利目的の転売は禁止されているけど、
ネット・オークションでは、2〜3万円で
取引されている。

3万円も出すぐらいなら、少々交通費がかかったって
かまわないと、東京、神奈川の公演に限らず、
埼玉や静岡の公演まで申し込んだが、
全て抽選に外れた。

残るチャンスは、2月のNHKホール公演か。
これが取れなかったら、オークションも
考えるしかないか。
う〜ん、観たいなぁ。





2016.1.8

THE GREATGUITARS
featuring MARTIN TAYLOR,
ULF WAKENIUS & KAZUMI WATANABE


2002〜03年ごろだったと思うけど、
たまたま聴いた JAZZ のコンピの中に
気持ちええギターの曲があった。
そのギターを弾いていたのが、
マーティン・テイラーだった。

その曲は、スムーズ・ジャズ系の曲だったけど、
マーティンの CD を買ってみると
ソロ・ギターが素晴らしいことを知った。
バラードなど 泣けるほどに美しい。

で、来日公演を観に行くようになった。
初めてナマで観たのは、2003年だった。

マーティンは、ソロ・ギターだけではなく、
ギター・デュオも 結構演っている。
今までに、マーティンと鈴木大介(2004年)、
マーティンと渡辺香津美(2005年)、
マーティンとウルフ・ワケーニウス (2011年)、
マーティンとミュリエル・アンダーソン(2012年)を
観ているが、マーティンのサイトを覗くと、
トミー・エマニュエルとの共演もあったようだ。
知らなかったが、CD(輸入盤のみ)も出ていた!
このデュオ、ぜひ、日本でも実現してほしいな。

2014年の来日時は、スケジュールが合わず、
残念ながら観られなかったのだが、
今回は、 「ザ・グレート・ギターズ」ということで
マーティン・テイラー、ウルフ・ワケーニウス、
渡辺香津美のトリオでの公演だ。

今日は、東京 3日間公演の初日。
その 2nd Show を観てきた。

まず、3人で登場。
トリオで 2曲演ったあと、
3通りの組み合わせのデュオで1曲ずつ。
そして、ソロを1曲ずつ演ったあと、
再びトリオで 1曲。
アンコールにもう 1曲トリオで。
合計10曲。

期待以上に良かった〜。
ギター・ラヴ満開です。

3人は、プレイはもちろん違うけど、
ギターの音色も全く違っていた。
マーティンは、ここんとこ使っている
ワンPUのフルアコ(韓国製?)。
香津美は、エイブリベラ。
ソロの 1曲だけ、アコギ(カオル・ギター?)。
ウルフは、ベネデットの Fホールのないシンライン。
音は、ウルフが一番太くてエレクトリック。
香津美のエイブリベラは、
アコースティックなエレキ音。
マーティンは、PU の音だけではなくギターの前に
マイクを立ててミックスしているせいもあるのだろう、
最もアコースティックな音だった。

ウルフを観るのは 2回目だったけど、
ギターの音も好きだったし、プレイも良かった。
実は、CD で聴くとウルフのプレイは、
あまり好きではなかったんやけど、
認識を改めます。

香津美は、ソロで演った "Milestones" が
素晴らしかったな。

マーティンは、2人を立てるためにか
ちょっと控え目な印象を受けた。

トリオの時、マーティンと香津美が演り出すと、
ウルフは全く弾かない場面が、何度かあったのだけど、
ウルフとマーティンがメインになった場面でも
香津美はずっと弾いていたのが、
対照的で興味深かった。

後半のトリオ曲では、
素晴らしくて泣きそうになった。
(ああ、金正恩も聴けばいいのに)って思った。
きっと核実験なんか止やめたくなるだろうに。


[ MEMBERS ]
Martin Taylor (g)
Ulf Wakenius (g)
渡辺香津美 (g)

[ Set List ]
1. (Trio)
2. (Trio)
3. (Ulf & Kazumi)
4. All The Things You Are (Martin & Kazumi)
5. Last train to Hauteville (Martin & Ulf)
6. True (Solo: Martin)
7. Milestones (Solo : Kazumi)
8. Smile 〜 Blues For O.P (Solo : Ulf)
9. I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free (Trio)
EC. Nuages (Trio)

@ Cotton Club

Set List 記憶に頼って書いたので、間違っているかも。
1曲目は、確かマーティンの曲だったと思う。
2曲目は、Blues だったが曲名がわからない。
3曲目、Ulf & Kazumi のデュオが何だったか思い出せない。

前の席に田辺充邦さん(ギタリスト)が座ってたし、
他にも見たことのあるギタリストが客席にいてた。




(2016.1.13 追記)
Ulf & Kazumi のデュオは、
"Four On Six" だった。





2016.1.9

CHEN MIN 〜風薫る夜に〜

まりあさんのライヴで何度か共演している
久保田安紀さんがピアノで出演するというので、
チェン・ミンのライヴを観てきた。

チェン・ミンは、今年で来日25年という
中国生まれの二胡(にこ)奏者。
私は知らなかったのだが、彼女の演奏は、
映画音楽やテレビ・ドラマの音楽で
知らないうちに耳にしていたようだ。
(例えば、映画『たそがれ清兵衛』のサントラなど。)

知らない方のために書いておくと、というか
私も名前ぐらいしか知らなかったので、
改めて調べてみたのだが、
二胡というのは、日本の胡弓に似た中国の弦楽器で、
歴史は古いようだが、現在の形になったのは、
比較的最近(1950〜80年代)のようだ。

音色は聞いたことがあったが、生演奏は初めて。
今日は最前列でだったので、その奏法も
間近で見ることができた。

ヴァイオリンのように弓で弦をこすって
音を出すのだが、弓の毛は 2本の弦の間を
通っている。
つまり、2本同時に鳴っているわけだが、
不思議と 1本の音にように聞こえる。
おそらく、2本の弦は同じ音に調弦されて
いるのだと思うが、そうだとすると微妙な
チューニングの違いが音にウネリとなって
現れるのだが、どうもそういう風には聞こえない。
と言っても、結構強烈なヴィブラートをかけて
弾いているので分かりにくいのかも知れない。
また、ヴァイオリンのように指板に弦を当てない。
ネックと弦は数センチ離れており、
指がスチール・ギターのスライド・バーのような
役目をする感じ。
それで、あの独特のポルタメントの音が出るわけだな。

そんなマニアックな、興味津々で鑑賞したライヴだった。

曲目は、『ノルウェーの森』(ビートルズ)で始まり、
チェン・ミンのオリジナル曲の他、クラシックの小曲や
来日した年、1991年のヒット曲メドレーとして、
『ラヴ・ストーリーは突然に』(小田和正)〜
『I LOVE YOU』(尾崎豊)〜
『どんなときも』(槇原敬之)。

お店が 阿木燿子&宇崎竜童 の経営ということで、
おふたりの山口百恵作品メドレー。
『夢先案内人』〜『プレイバック Part2』〜
『乙女座宮』。

ちょっとテンポを落とした『夢先案内人』が、
素晴らしく二胡の音色に合っていて、
まるで中国の曲かと思うアレンジに仕上がっていた。
もともと、『夢先案内人』や『乙女座宮』は、
山口百恵の中でも大好きな曲だったが、
改めて宇崎竜童メロディの素晴らしさも感じたね。

宇崎竜童、今年70歳やて。
1回、ナマで観たいなぁ。

お店は、ライブビストロということで
お料理もグッドでした。


[ MEMBERS ]
チェン・ミン / 二胡
久保田安紀 / ピアノ
高良久美子 / ヴィブラフォン, パーカッション, ピアニカ

@ November Eleventh (赤坂)
2nd Show








2016.1.11

デビッド・ボウイ 死去

デビッド・ボウイが亡くなった。
癌の闘病中だったらしい。
1月 8日が誕生日で 69歳になったばかりで、
同日にニュー・アルバムがリリースされた
ばかりだったようだ。
69歳かぁ。
う〜ん、若いなぁ。

私は、彼の音楽はほとんど知らない。
『ジギー・スターダスト』と、
大ヒットした『レッツ・ダンス』ぐらいしか
知らないのだけど、デビッドは、
『レッツ・ダンス』で、まだ無名だった
スティーヴィー・レイ・ヴォーンを
ギターに起用した。
(プロデューサーは、ナイル・ロジャース。)

スティーヴィーを世界に紹介したのは、
デビッドだったわけだが、スティーヴィーは、
自分の音楽が演りたくて、
デビッドのツアーのオファーを断ったと、
スティーヴィーの伝記で読んだ覚えがある。
今頃、あの世で再会してるでしょうか。
(『アンダー・プレッシャー』を一緒に作った)
フレディ・マーキュリーともね。

合掌。





2016.1.14

"BAND OF PLEASURE"
- Reunion -


もう観られないと思っていた
"バンド・オブ・プレジャー" 。

1990年代前半に活動した、
デヴィッド・T・ウォーカー、ジェームス・ギャドソン、
山岸潤史、続木徹、清水興による、日米混合バンドだ。

アルバムを3枚発表したあと、たぶん山岸さんが
ニュー・オリンズへ渡ったあたりで、
なんとなくフェイド・アウトしたように感じていた。

私はアルバムは 3枚とも持っているし、
大阪にいた頃、ライヴも2〜3回観た覚えがある。
初体験は、心斎橋のクラブ・クアトロだったように思う。

初めてデヴィッドのギターを生で聴いた衝撃は忘れられない。
それまでにも色んな人のレコードや CD で、
デヴィッドのプレイは耳にしており、
なんとなくワン・パターンな印象さえ持っていたのだが、
ライヴで聴いたデヴィッドのプレイは、
その既成概念をぶっ飛ばし、心の奥底に響き、
琴線に触れるどころか、鷲掴みにしてきたのだった。

それから、デヴィッドは自分のリーダーバンドや
誰かとの共演も含め、日本で毎年のようにライヴを
演るようになり、もう何度観たか覚えていないほどだ。

2012年3月に、山岸さん、続木さんがメンバーである
"CHICKENSHACK" のリユニオン・ライヴがあり、
その後も 13年6月、15年1月と 観ることができた。

また山岸さんと石やんのツイン・ギターだった伝説のバンド、
"SOOO BAAD REVUE" のリユニオン・ライヴも
14年7月に 観ることができた。
(残念ながら砂川さんはいなかったし、
そのあと、石やんも逝ってしもたけど。)

その他、憂歌団の再結成(これも島田さんがいないけど)
などもあり、再結成、リユニオン・ブームな感じに
"BAND OF PLEASURE" も演って欲しいなぁと
思っていたけど、メンバーがメンバーだけに
再演は難しいのだろうと思っていた。

が、ついにその日が来た。
夢が叶ったのである。
今日、東京ブルーノート 3日間公演の初日、
その2nd Show を観てきた。

1曲目、ややテンポを落とした『Double Deals』。
なんでもないギャドソンのシャッフルを
聴いているだけで泣けてきた。
今日は、ギャドソンにやられたなぁ。

そのほか、曲は、『Infrastructure』
『Teste Of Tokyo』『You Are My Sunshine』
『Brother Sunshine』『What's Going On』など。

『Teste Of Tokyo』は、ジェームスが、
マイルドセブンを吸って「Teste Of Tokyo」と
言ったことで出来たとか、CHICKENSHACK の
ナンバーである『Brother Sunshine』は、
続木さんがデヴィッドのことを想って書いたとか、
貴重な話も聞けた。

20年ぐらい前、ある人がこのバンドの演奏を聞いて
「平和やなぁ」ともらしたことがあった。
その人はもう逝ってしまったんやけど、
なんかその言葉がず〜っと耳に残っている。

日米混合バンド。
70数年前なら殺し合っていた国民同士が、
こんな平和な音楽を創り上げているのだ。
そして、20年経った今も全員元気で
いてくれていることに感謝感激だ。

あまりに素晴らしい上に、
山岸さんが「1部と2部は違う曲やってます」と
いうので、もっと聴きたくなった。
ちょうど、ブルーノートの会員のポイントが貯まり、
今日招待券をもらったので、
終演後その券で明後日の1部を予約してきたよ。


[ MEMBERS ]
David T. Walker (g)
山岸潤史 (g)
清水興 (b)
James Gadson (ds,vo)
続木徹 (key)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show




(2016.1.16 追記)
Blue Note のサイトに当日の Set List が
発表されたので転記しておく。

1. Double Deals
2. Overstanding Understanding
3. Brother Sunshine
4. Infrastructure
5. Taste Of Tokyo
6. Love Land
7. Marvin Gaye Medley
("Inner City Blues", "Mercy Mercy Me",
"What's Going On")
8. You Are My Sunshine
Ec. Soul Food Cafe





2016.1.16

"BAND OF PLEASURE"
- Reunion -  2回目


一昨日に続いて "バンド・オブ・プレジャー" の
ライヴに行ってきた。

一昨日、山岸さんが「1部と 2部で曲を変えてます」と
言っていたので今日は、1部に行ってみた。
1部は BOP 初期の曲ということで
全 9曲中 7曲が アルバム「Live at KIRIN Plaza」から。

いやぁ、今日も良かったなぁ。

Gladys Knight のカヴァー、
"Best Thing That Ever Happened To Me" の
BOP ヴァージョンは、大好きなので嬉しかった。
山岸さんがソロ・アルバム『My Pleasure』で
デヴィッド、ジェームスらとこの曲を
録音したことが、BOP の結成へと継っていったという。
トロトロのギタープレイが聴ける名曲だ。

一昨日には書かなかった、
デヴィッドのギターについても書いておこう。

デヴィッドは、ここんとこ10年ばかりは、
カラザースのギターを使っていたのだが、
今回のツアーでは、昨年完成したばかりの
新しいギターを使った。

バードランドを基にボディを 14インチと
小ぶりにまとめられたギターだ。
作ったのは、Michael Peters というビルダーで、
Michael の Facebook には、このギターのことを
「Custom 'Baby Byrd'」と書いてあった。


写真は David の Facebook から借用


ヘッドには「Peters」と「T」マークのインレイが
入れられ、ボディは、Royal Blue Sunburst という
爽やかな仕上げになっている。
90年代、Artex のデヴィッド・モデルの時も確か
ブルーだったので、ご本人はブルーが好きなんでしょね。

ニュー・ギターの詳しいスペックは下記。
(これも David の Facebook から)
Top Wood : Sitka Spruce (Hand carved)
Back / Side Wood : Western Flame Maple
Neck Wood : Eastern Flame Maple
Fingerboard : Ebony
Tailpiece & Pickup Rings : African Blackwood (Custom)
Bridge : Tunamatic
Headplate : Ebony
Pickups : Gibson Burstbucker
Ivoroid : Binding
Inlays : Mother of Pearl
Nut : Bone
Tuners : Grover
Scale : 24.0”
Body Width : 14.0”
Side Depth : 2.0”
Color : Royal Blue (Sunburst)


山岸さんは、一昨日同様
(たぶん)Fender のテレキャスター。
清水さんも、一昨日同様
(たぶん)Moon のジャズベ・タイプを使用。

それにしてもデヴィッド、
どうしてあんなトーンが出るんやろか。
ワン・アンド・オンリー、唯一無二である。
しかも楽器を変えても、明らかにデヴィッドと
分かるトーンなんである。
どうも右手、ピッキングに秘密があるようだが、
真似てみてもあんな風には鳴らない。


[ MEMBERS ]
David T. Walker (g)
山岸潤史 (g)
清水興 (b)
James Gadson (ds,vo)
続木徹 (key)

[ SET LIST ]
1. Double Deals
2. I Can See Clearly Now
3. Best Thing That Ever Happened To Me
4. Walk This Way
5. Long Distance Lover
6. Love Land
7. Y-Ence
8. You Are My Sunshine
Ec. Soul Food Cafe

@ Blue Note Tokyo
1st Show

また、演ってほしい。
必ず観に行きます。








2016.1.18

<文春トークライブ> Char
あるロックギタリストの足跡


文芸春秋社主催のトークライブに行ってきた。
主役は Char。

昨年11月、同社の週刊誌「週刊文春」の連載
「阿川佐和子のこの人に会いたい」に対談役として
Char が登場したので、その流れかも知れない。
その対談では、普段語られることのないお父さんの
話なんかも読めてなかなか興味深かった。

さて、今日のトークライブ、
会場は紀尾井町の紀尾井ホール。
普段はクラシック音楽専門のホールだ。

会場に入ると、ステージ上には Char の
ギターが並べられている。

エレキが 5本とアコギが 1本だ。
トークライブが始まって、まずはギターの紹介。
司会者の音楽ライター、神舘和典(こうだてかずのり)が
「彼らを紹介してください」というと、
Char が「彼女らだよ」と突っ込む。
そうやねん。
ギターは、彼ちゃうねん、彼女やねん。



右から、ナビゲイター(ESP)で作った
初めての Char モデル。

2本目は、見たことがなかったけど、
ドリームキャッチャーが埋め込まれているというギター。

3本目、エレキの真ん中は、Char 初のギター。
元は兄貴が弾いていたという何かのクーポン券を
集めて入手した国産ギターで、ヘッドには
「Beatles」と書かれた 50年前の国産品。

その隣は、Char のトレードマークともいえる、
フェンダー社のムスタング。
これが初めてのムスタングらしい。

エレキの最後は、1979年のフェンダー・
ストラトキャスターの25周年アニバーサリー・モデルの
ボディに赤のマッチングヘッドのネックを合わせたもの。
80年代に使っていたらしい。

その隣のアンプは、Char と同じ年 1955年製。
真ん中のアンプは、やや新しいと言っていた。
その隣のフェンダーらしきアンプは説明なし。

アコギの説明はなかったけど、これはもう、
Char ファンなら説明不要のヤマハ・カスタム・モデル。

トークは、知っている話もあったけど、
高校時代、スタジオの仕事をしていた話など、
貴重な話も聞て、面白かった。
高校生なのに、レコーディングの時、
大先輩のミュージシャンをクビにしたとか、
しなかったとか、本番前に弦を切られたりと
イジメにあったとかね。

今でも本当にギターが好きで、
いつも触っているんだろうな。
毎日のように新しいコード進行なんかを
考えているようだ。
孫と遊んでいて思いついたという
コード進行を披露してくれた。

演奏は、アコギでブルース。
ワンコーラスだけ『クロスロード』を歌って、
あとはアドリブ。

アンコールで『All Around Me』。

トークライブなんて、初めてだったようだが、
120分たっぷり、楽しかった。
司会者と、話があまりうまくかみ合っていなかったのは残念。
司会者は、音楽ライターだけに知識があるのは分かるが、
Char の話を聞き出すのにそんな知識はなくても良いだろう。
しゃべり専門の人を MC にして欲しかったな。





@ 紀尾井ホール





2016.1.19

グレン・フライ
Glenn Lewis Frey


今年に入ってまだ間がないが、ナタリー・コール(65歳)、
デビッド・ボウイ(69歳)に続いて、またも60代の訃報だ。

イーグルスの創設メンバーの一人、
グレン・フライ。
享年67歳。
1月18日、リウマチ性関節炎、大腸炎、
肺炎から生じる合併症で亡くなった。

イーグルスは、私の好きなバンドのひとつ。
私の中では、一番アメリカらしい、
ウエストコーストらしい、サウンドのバンドだ。
20代でロスへ行った時には、『ホテルカリフォルニア』の
ジャケットに写っているビバリーヒルズホテルの
写真を撮りに行った。



5年前、大震災の直前の3月5日、私の初めての
ドーム・コンサート体験が、イーグルスだった。
残念ながら、ドン・フェルダーは解雇された後で
グレン・フライ、ドン・ヘンリー、ジョー・ウォルシュ、
ティモシー・B・シュミットにサポート・メンバーという
メンツで28曲、2時間半以上に及ぶコンサートだった。

実質、グレンがリーダーだったようで、
残りのメンバー3人によるイーグルスというのは、
イメージしにくい。
もう、あのハーモニーを聴くことはないだろう。

出会いから45年、イーグルスの相棒(オリジナル・メンバー)で、
バンドとして難しい時も一緒に乗り越えてきたであろう
ドン・ヘンリーのコメントが辛い。

「彼がいない世界で前に進み続けるなんて、とても変な気がする。
でも、僕は毎日、彼が僕の人生にいたことを感謝し続ける。
安らかに眠れ、僕のブラザー。
君はやろうとしていたことをやり遂げた。
それ以上に多くのことも。」


イーグルスのアルバムの売り上げ枚数は、
1億5千万枚を超えるという。

また、70年代が遠のいた。

合掌。





2016.1.23

沖仁 con 渡辺香津美

昨年発売されたライヴ盤は素晴らしかったが、
またもや、沖&香津美のライヴの機会に恵まれた。
今日の会場は、初めて行く神奈川県立音楽堂。
クラシック向けのホールのようで、
とても音響が良いらしい。

宮城、北海道、そして今日の横浜と、
3公演のツアー最終日ということだったが、
このデュオを3公演しか演らないのは、
もったないなぁ。
全国に聴きたい人、いっぱいおるでしょうに。

さて、ライヴは『沖仁 con 渡辺香津美のテーマ』で
幕を開けた。
この曲、沖の作曲だが、始まった途端に
地中海へ連れて行かれるような感じなのだ。
そのほか、前述のアルバムからの選曲が中心で、
どうも香津美のニューアルバムに収録されていそうな
雰囲気の『フラメンコ・ブルー』という新曲や、
Birelli Lagrene の 『メイド・イン・フランス』も演奏された。

そして、もし、ジャンゴ・ラインハルトと
パコ・デ・ルシアがデュオをしたらという設定で
演奏されたのが、なんとピンクレディーの『UFO』!

アンコールは、予想通り『スペイン』。
アドリブ部分が、ちょっと短く
(あれ、軽く終わるんかな?)と思っていると
エンディング部で2人とも客席に降りての演奏。
たっぷり盛り上げて、最後の最後2〜3小節で、
香津美のギターの音が出なくなるという
アクシデント。
これは、惜しかったなぁ。

ギターは、沖は持ち替えもあったけど、
全曲フラメンコ・ギターで、
香津美はほとんどの曲をカオル・ギター(たぶん)。
これが とてもふくよかで良い音がするのだ。
数曲でクラシック・ギターと、エレキはヒストリーの
香津美モデルを『フラメンコ・ブルー』と
『スペイン』で使用。


[ MEMBERS ]
沖仁(gt)
渡辺香津美(gt)

@ 神奈川県立音楽堂

[ Set List ]
1. 沖仁 con 渡辺香津美のテーマ
2. リベルタンゴ
3. ラ・ジュビア・リンピア・エル・アイレ(グアヒーラ)
4. パトリシアの恋
5. フラメンコ・ブルー
6. ?
7. アントニオ
8. メイド・イン・フランス
9. パポ・フラード
10. UFO
11. キャラバン
12. 地中海の舞踏
13. スカボロ・フェア
Ec. スペイン

6曲目はスペインの作曲家の小曲だった。








2016.1.26

The Colonel & The Governor

"The Colonel & The Governor" というのは、
トミー・エマニュエルとマーティン・テイラーの
ギター・デュオ・アルバムのタイトル。
「大佐と長官」と言った意味だろうか。

先日、その来日公演を観たばかりの
マーティンだが、2013年にトミーとの
デュオ・CD を出していることを
先日まで 知らなかった。

で、すぐに注文。
(輸入盤しか出ておりません。)

ギターの魔術師 トミー・エマニュエル は、
2013年にそのライヴを初めて体験し、ブッ飛んだ。
そのトミーが、マーティンとデュオだ。
面白くないわけはないと思っていたが、
CD を聴いて、のけぞったね。

予想&期待をはるかに超える内容だ。
マーティンは、色んなギタリストとデュオ・ライヴを
演っているけど、ギタリストとのデュオで
まる1枚CDを作ったのは、スティーヴ・ハウとの
『Masterpiece Guitars』だけ。(と思う)
そのアルバムは、スコット・チナリーという
ギター収集家の総額数億円というギターを弾くという
企画物的な側面もあった。

ライヴをしても中々、アルバムを作ろうというところまで
発展しないのではないかと思うのだが、
トミーとの演奏を CD にしたのは、聴いて納得。

ゴキゲンなトミーのプレイにマーティンも
触発されているかのように感じるのは私だけだろうか。
演奏には、二人の声や、思わず歌い出してしまう
トミーのスキャットなども入っており、
ギター好きには、たまらん出来となっております。

で、この CD、名義が、
Tommy Emmanuel, cgp
Martin Taylor, MBE
となっている。
マーティンの「MBE」は、ビートルズのメンバーも
授与された大英帝国勲章。
トミーの「cgp」は調べてみると、
なんとチェット・アトキンスから授かった、
Certified Guitar Player(通称C.G.P)のことだった。
トミーは、チェット本人から
「間違いなく、この地球上で最高のギタリストの1人」と
評されたらしい。

ああ、このデュオをなんとしてもライヴで観たい!

超オススメです。







2016.2.2

デニ・チェン

デニス・チェンバース(56歳)は、アメリカのジャズ、
フュージョン、ファンク、ラテン系の黒人ドラマー。
私が好きなドラマーの一人だ。

2014年3月、NIACINで観た時はどうもなかったけど、
その3ヶ月後、6月に Mike Stern Band で来日した時には、
あまりの激やせに違う人かと思ったほどだった。
もしかしたら、もう長くないんじゃないかと
縁起でもないことを思ったほどだった。

その翌月の7月にスペインでサンタナのライブ中に倒れ、
緊急手術を受けたようだ。
肝臓の病気だったらしいが、その後 療養し、
昨年の春ごろには復帰したようだ。
良かった。良かった。
で、この 5月には来日する。

それもなんと、
"Victor Wooten featuring Dennis Chambers"。
ヴィクター・ウッテンとデ二・チェン!
これは、観なあかんやろ。


まだ、ぽっちゃりしていた頃のデニスのドラムソロ。
(2011年)





2016.2.6

ノーマン・ブラウン
NORMAN BROWN


CD は、数枚持っているけど、
ライヴは観たことのなかったノーマン・ブラウン。

ブルーノートで、ミュージック・チャージ半額の
キャンペーンをやっていたので、観に行ってきた。
ノーマン・ブラウンというと、
割とソフトなスムース・ジャズの印象を
持っていたけど、ライヴはとんでもなく
エネルギッシュで、ソウルフルなステージだった。
そう、ジャズというよりは、ソウルな感じ。
あらためて彼の経歴を読んでみると
モータウンのジャズ・レーベルで
デビューしてるねんね。
なるほど、そのソウルな感じも納得。
メンバーは全員黒人。

お得意のギターとのユニゾン・スキャットは
もちろん、歌も『ホワッツ・ゴーング・オン』など
数曲で披露。

ギターは、アイバニーズのジョージ・ベンソン・モデルの
印象だったけど、見たこともないギターだった。
多分、セミアコだろうが、Fホールはなく、
ピック・アップは1つなのに、スイッチが2つ、
コントロールが4つ付いていた。
もしかしたら、ピエゾとか埋め込んであるのでしょうか?
トップの仕上げも空に雲が散っているような
見たことのない色でした。
結構、強いピッキングで弾いてたけど、
アンコール含めて一度もチューニングしなかった。
メーカーは不明。
アンプは、フェンダーとメサ・ブギーと
2台並べてた。

ノーマンは 52歳。
汗びっしょりで、激しくギターを弾く姿には、
時折ロック・スピリッツさえ感じた。
そして、楽しそう。
東京は10年ぶりだそうだが、ホントに嬉しそうでした。


[ MEMBERS ]
Norman Brown (vo, g)
Rob McDonald (b)
Keith Williams (ds)
Gail Jhonson (key)

@ Blue Note Tokyo




追記(2016.2.11)
2月6日 2nd Show Set List
(ブルーノートのウェブサイトより転記)

1. Take Me There
2. West Coast Coolin'
3. Rain ~ Night Drive Medley
4. What'S Going On
5. After The Storm Medley
6. Angel
7. Guitar Story
8. Just Between Us
9. Better Days Ahead
10. Lydian
11. That's The Way Love Goes

5曲目の "After The Storm Medley" の後半では、
The Isley Brothers の "For The Love Of You" が
インストで演奏された。
ええ感じやったなぁ。





2016.2.8

<文春トークライブ>
上原ひろみ
世界を駆けるピアニスト


文春トークライブ。
先月は、Char のトークライブに行ったが、
今日は、新譜『SPARK』が発売されたばかりの上原ひろみだ。

「上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト」として、
4枚目となるアルバム『SPARK』。
1枚目が出た時には、このプロジェクトが
まさかこんなに続くとは思っていなかったけど、
うれしい誤算だった。

さて、今日のトークライヴ、
司会者は先月の Char の時と同じ 音楽ライター。
前回は、イマイチな司会・進行だったので、
今日はどうかな〜と思っていたが、
前回より酷い司会で途中でマジで腹が立ってしまった。

喋りすぎなのである。
お前の話はどうでもええっちゅうねん!
途中で「司会者しゃべりすぎ〜!」って
本気で言おうかどうしょうか迷ったほどだった。
質問の中身もイマイチやし。

まあ、そんなことに反応してしまい、
ピアノ演奏になっても、腹立ちが収まらず、
音楽に集中できない自分を
情けなく観察したのでありました。
まだまだ修行が足りませぬ。
それだけ楽しみにしてたっちゅうことでもあるねんけど。

司会者のことは置いといて、
上原の話は素晴らしかったなぁ。

バークリーに留学中の話も興味深かったけど、
この話が一番やったな。
世界中を演奏して回っていて、
日本人としての価値観、倫理観などが通じないことがある。
用意しておいてくれと依頼しておいた機材が
揃っていないこともある。
その現場で、リハーサルから本番まで数時間、
初対面の大勢の人たちと仕事をするわけだが、
彼らが全力で仕事をしないのは、
全て自分の責任だという。
その初対面のスタッフに
「この人のために全力を尽くそう・尽くしたい」と
思ってもらえる自分でいることを
上原は自分に課している。
スタッフが手を抜いたり、全力で仕事をしていないのは、
自分が、そのスペースを提供しているからだ。
最高の音楽を観客に届けるために、
一切の妥協を許さない姿勢がそこにある。
目的は、ただその一点で、全くブレることはない。

例えば、頼んでおいた機材が揃えられなかったとき、
相手は、「一生懸命やったけど、ダメだった」と言う。
その時に相手の目を見て、こう言うそうだ。
「私は間違いは許すけど、嘘は許さない」と。
その時に、相手が本当にベストを尽くしたのかどうかは、
自ずと分かるのだろう。

そして、公演が終わると全てのスタッフとハグをし、
その仕事を完了し、次の機会のための人間関係を築く。

結局。
ピアノを弾くことにだけ全力、なんてことはないのだ。
生きること全てが音楽に通じ、その全てにベストを尽くしているから、
いや、命を懸けているから、彼女のピアノは世界に届くのだろう。

バークリーに留学したのは、作編曲を学ぶため。
英語が必要なので、英会話教室に通うけど、家の近所。
なぜなら、往復に時間を使ってピアノのレッスン時間が
減るのがいやだから。
同じ理由でバイト先も家の近所。
あ、これは食事付きというのも要件。

目的・目標があって、そのために最も無駄のない
効果的な行動の連続が、今の彼女を作ったのだと思う。

今日のトークライヴ、打ち合わせの段階で、司会者は
「命懸けでやってください」と上原に何度も言われたそうだ。


ー ピアノ・ソロ演奏曲 ー
「トムとジェリー」「Old Castle」
「What Will Be, Will Be」「Wake Up And Dream」
などアンコールを含め 6曲。

@ 紀尾井ホール




モーリス・ホワイト 逝く

アース・ウインド&ファイアー(EW&F)のヴォーカル、
モーリス・ホワイトが、2月 3日に亡くなった。
報道によると、死因は明かされていないが、
20年以上パーキンソン病を患っていたらしい。
享年74歳。

私は、1988年に一度だけEW&F を観た。
(6月5日 @大阪城ホール)
メンバーの登場の仕方が、
マジック仕立ての演出でいきなり度肝を抜かれた。
普段、ライヴやコンサートでは、
リズムに乗って自然に身体が動くのだが、
その時は、あまりに凄いステージに
空いた口がふさがらないような感じで
ただただじっとステージを見つめていたような
覚えがある。

数多いライヴ体験の中で、
明確に記憶に刻まれるステージだった。

合掌。





2016.2.14

ROBERTA GAMBARINI
ロバータ・ガンバリーニ
- St. Valentine's Day Special Live -


2012年、2014年に続いて、3度目となる
ロバータ・ガンバリーニ。
過去2回は、一人で聴きに行ったのだが、
今日は、バレンタイン・デイということで、
妻を連れてのライヴ鑑賞となった。

"St. Valentine's Day Special Live" といっても、
スペシャル・ディナーを予約していない客にとっては、
別にいつものライヴと同じちゃうんか、と思っていたら、
まあ、いつも通りのライヴだった。
ヴァレンタイン限定カクテルとかあったけど。

リッチな歌のトーン、究極のピアニシモ、
ジョイを感じる歌声は、やはり何度聴いても良い。
ピアノに音を貰わず、いきなり歌い出せる音感や
口ラッパ・アドリブも素晴らしい。

ロバートは、イタリア人だけどジャズの多くは、
英語で歌う。
今日は、"Chega De Saudade" では、(たぶん)ポルトガル語、
ラテンの曲(曲名不明)では、(メキシコの作曲家の曲と
言っていたので、たぶん)スペイン語で歌った。

そう言えば、ロバートは曲を紹介する時に
よく作曲家の名前を言う。
全曲ではないけど。
こんなに作曲家を紹介する人を知らないので、
印象に残った。

曲は、上記の他、"So In Love"
"Without Song" "Never Let Me Go" など。
"My Funny Valentine" は、ベタすぎて
演らないのかと思っていたら、
アンコールで演りました。
もう1曲続けて "Fly Me To The Moon"。


[ MEMBER ]
Roberta Gambarini (vo)
Justin Robinson (sax)
Sullivan Fortner (p)
Ameen Saleem (b)
Jeremy Clemons (ds)

@ Cotton Club
1st show







2016.2.19

JOHN TROPEA BAND
featuring STEVE GADD, RANDY BRECKER,
RUSTY CLOUD, NEIL JASON, "BLUE" LOU MARINI,
LARRY FARRELL & RONNIE CUBER


ジョン・トロペイのライヴを観るのは、
今日で確か4回目だと思うが、
前回が2010年1月だったので、なんと6年ぶりになる。
そんなに経っているとは、ちょっとビックリ。

今回は、ホーンを4人従えてのファンキー・バンド。
ホーン4人中、ホーンに詳しくない私でも
知っているメンバーが 3人。
知らなかったのは、トロンボーンのラリー・ファレルだけ。
ほかの 3人(ランディ・ブレッカー、ルー・マリーニ、
ロニー・キューバー)に関しては、ライヴで観るのも
初めてではない強者ぞろい。

そして、前回は、ドラムにクリント・デギャノン、
ベースにアンソニー・ジャクソンだったが、
今回のドラムは、4月にはエリック・クラプトン・バンドで
再び来日するんちゃうかと思う、スティーヴ・ガッド。
ベースは、ブレッカー・ブラザーズなんかで演っていた
ニール・ジェイソン。(多分初めて観るように思う。)

そんな豪華メンバーということもあってか、
今日のブルーノートは、満席。
客席には、ムッシュかまやつ、(たぶん)沼澤尚、
デヴィッド・マシューズの姿も見えた。

さて、演奏は最新アルバム『Gotcha Rhythm Right Here』の
収録曲を中心に、数曲以前のレパートリーからも演奏。
今日が初日ということもあってか、私が観たのは
2部だったが、途中「あれ?」という場面もあったが、
ルー・マリーニがホーンのリーダーのようで、
ジョンとのパートナーシップも感じられた。

印象に残ったのは、『Bikini Beach』と、
きょうのハイライトではなかったかと思える
マーヴィン・ゲイの『Let's Get It On』。

今日とはちょっとメンバーが違うけど、
2013年のライヴを見つけたので、
興味のある方はどうぞ。

John Tropea Band performing "Let's Get It On"

でも、これを聴くと、ガッドの凄さがよく分かる。
今日の後半の盛り上がりは、
こんなもんちゃうかったもん。

ジョンのギターは、いつものギブソンではなくて、
なんと、アイバニーズのジョージ・ベンソン・モデル。
私の席からは、ちょっと距離があったので、
確認できなかったが、あのシェイプ、
あのヘッド、あのロゴの感じは、
ほぼ間違いなくジョージ・ベンソン・モデルだと思う。
(間違ってたらゴメン。)
私は、あのジョンの(バードランドに
L-5 のネックを付けたような)特注 L-5 Thinline が
好きだったので、ちょっと意外でした。

ジョンって、ジャズ・ギタリストの中でも、
なんというか素直な演奏というか、ストレートというか、
ああ、R&B 好きなんやね、って分かるねんなぁ。

それと、今日はガッドを観ていて、
(この人、初めてナマで観たの、もう30年ぐらい
前やん)と思ったら、なんか70歳になっても、
こんなパワフルな演奏聴かせてくれていることに、
グッときてしもた。


[ MEMBERS ]
John Tropea (g)
Randy Brecker (tp)
Steve Gadd (ds)
Rusty Cloud (Hammond B3)
Neil Jason (b)
"Blue" Lou Marini (sax)
Larry Farrell (tb)
Ronnie Cuber (bs)

@ Blue Note
2nd Show




ちなみに ジョン・トロペイは、来月も
THE "ORIGINAL" BLUES BROTHERS BAND の
一員として来日する。
この "ORIGINAL" と付けるところが、
なんかちょっと辛いなぁ。
ホンマのオリジナル・メンバーって、
もう、スティーヴ・クロッパーと、
ルー・マリーニくらいちゃうやろか。
そう、ルーも一緒に来ます。


(2016.5.26 追記)
ブルーノートのサイトに当日のセットリストが
発表されていたので、記しておく。

[ 2月19日 2nd Show Set List ]
1. SOUL SURFIN'
2. HIP TO THE HIPS
3. BIKINI BEACH
4. 7TH AVENUE SOUTH
5. LET'S GET IT ON
6. PANDORA'S BOX
7. GOTCHA RHYTHM RIGHT HERE PART 1
EC. 7TH HEAVEN





2016.2.25

ダイアナ・クラール
Diana Krall


「死ぬまでに観ておきたいアーティスト・シリーズ」
昨夜は、現在のジャズ・ヴォーカルの女王、
ダイアナ・クラールを観てきた。

なんと2005年以来、実に11年ぶりの来日。
4度目の来日のようだが、私は初体験でした。

昨日は、東京3回、大阪1回の全4回来日公演の初日。
会場は、昭和女子大学 人見記念講堂で、
S席 15,000円という大人な値段。
4月のエリック・クラプトン(13,500円)より高い。

ダイアナの最新アルバムは、
昨年リリースされた巨匠 デイヴィッド・フォスター、
プロデュースのアルバム『ウォールフラワー』。
1年前、そのアルバムについてのエントリーで、
「ああ、ライヴで聴きたい」と書いたのだが、
今回のツアーは、「WALLFLOWER WORLD TOUR」と
いうことなので、それが実現したと、発売と同時に
飛びついたため、結構、良い席で観ることができた。

さて、初めて見るダイアナ。
1964年生まれなので、妻と同じ年だ。
写真や映像から、なんとなく大柄な女性を
イメージしていたが、黒いドレスにブロンドの髪が
シックにオシャレという感じで、
さほど大きな人という風には感じなかった。

メンバーは、ダイアナ(Vo&Pf)に加えて、
ギター、フィドル、キーボード、ベース、ドラムス
の合計6人。
ギターの Anthony Wilson は、
フルアコ、ソリッド、アコギを使い分け、
ええ職人ぶりを見せてくれた。
フィドルの Stuart Duncan は、曲によっては
ギターも演奏。

サックスなどホーンを入れないのは、
ダイアナはギターが好きなのではないかと、
勝手に想像しているのだが、どうだろう。

演奏曲は、ナット・キング・コールの曲(曲名
MC で言うてるんやろけど、不明)とか
『So Nice』『Quiet Nights』『Temptation』など。

途中でピアノ弾き語りで3曲。
『The Look of Love』『Angel Eyes』、
あれ?『Quiet Nights』もピアノ弾き語りやったかな?

先程も書いたように「ウォールフラワー・ツアー」ということで、
アルバム『Wallflower』からの曲を期待していたのだけど、
『California Dreamin'』『Wallflower』
『Desperado』(アンコールの1曲目)の3曲のみ。
『ウォールフラワー』は、追加発売された曲も合わせると
20曲あるので、全曲聴きたかったぐらいなのに、
ちょっと残念やったなぁ。
『I"m Not In Love』や『I Can't Tell You Why』
『Everybody's Talkin'』も聴きたかったなぁ。

でも、あのアルバムは企画モノという位置づけで、
やはりダイアナは、ジャズ・シンガーなんでしょうね。

アンコールを入れて、約115分。
今度は、小さいジャズ・クラブで聴きたいな。

ダイアナは、カナダ出身。
2003年、イギリスのロック・ミュージシャン、
エルヴィス・コステロと結婚。
双子の子供がいるらしい。
なんか、MC で子供の話とかちょろっとしてたみたいやけど、
残念ながら、聞き取れませんでした。


[ MEMBERS ]
Diana Krall (vo,pf)
Anthony Wilson (g)
Dennis Crouch (b)
Stuart Duncan (vln,g)
Karriem Riggins (dr)
Patrick Warren (key)

(上記メンバーは某サイトに「〜だと思う」と
書かれていたものなので、100% 確実ではないかも。)

@ 昭和女子大学 人見記念講堂







2016.2.28

原田真二

原田真二。
1977年10月、18才でデビューした、
シンガー・ソングライターだ。
デビュー曲『てぃーんず  ぶるーす』に続き、
翌月に『キャンディ』、その翌月に『シャドー・ボクサー』と
3か月連続でシングルを発売し、
3曲全てがベスト10入り。
翌年2月に発売されたファースト・アルバム
"Feel Happy" は、オリコン初の初登場1位を獲得した。
10代ソロ歌手で初めて武道館公演をした人でもある。
そういう、歴史に名を残しているアーティストで、
当時、Char、世良公則と合わせて、
「ロック御三家」などと呼ばれていた。

2歳上の私の姉が原田真二のファンで、
デビュー時のシングル3枚はもちろん、
その後のシングルも数枚、
アルバムもセカンド・アルバムまでは
姉が買ってきていたので、私も聴いていた。

そして、私がプロのロック・コンサートというものを
初めて体験したアーティストが
この原田真二なのである。

あれは高校1年が終わった春休み。(1979年)
姉が私の分もコンサートのチケットを買ってくれた。
初めて行く、大阪フェスティバルホールでの
コンサート。
入場の際に並んでいるのが、
ほとんど女子中高生ばかりで、
ちょっと恥ずかしかった覚えがある。

私は、特に原田真二のファンというわけではなかったが、
大きなホールでのロック・バンドのコンサートは
刺激的だった。
なにしろ、初体験やからね。

その時のチケット


いろいろ調べてみると、その時のメンバーは、
(多分やけど)下記の面々のようだ。

青山徹(ギター)
柴田義也(キーボード)
古田たかし(ドラムス)
関雅夫(ベース)

彼らに加えて、原田真二がピアノもギターも弾く。
彼は、マルチ・プレイヤーだ。
ギターが青山徹というのは、なんとなく覚えてるねんけど、
ドラムスが "しーたか" だったとはね。
(古田たかしはここ数年の Char バンドのドラムス。)

90年代中頃、私は日本の歌謡曲やニューミュージックなどの
懐メロ専門のバーで働いていたので、
『てぃーんず  ぶるーす』など、初期のヒット・シングル曲は、
その頃にも聴いていたはずだが、あまり覚えがない。

先日、ふと思いつき原田真二のアルバムを
レンタルして聴いてみた。

シングル曲でない曲を聴くのは
おそらく、30年以上ぶりだ。
驚くことに気に入っていたギター・ソロは、
聴きながら合わせて歌えるほどに覚えていた。
若い時に身体に入ったものって、
ホンマに残ってるんやなぁと改めて思ったのであった。

それにしても、この人のデビューから2〜3年の
才能の開花の仕方はすごいもんがある。
姉が詳しかったので聞いた覚えがあるが、
あの当時(1977〜79年)、
メンタル・トレーニングとかしていたらしい。

今 聴いても、素晴らしい楽曲です。

1978年 武道館での "タイム・トラベル"





2016.3.3

N.Y.を熱狂させる奇跡のピアニスト
西川悟平 ライブ・イン・ジャパン


先日、著書『7本指のピアニスト』を読み衝撃を受けた
ピアニスト 西川悟平 のライブに行ってきた。



チケットの購入は、2月の半ばだったにもかかわらず、
前から6列目のセンターブロックという
良い席で聴くことができた。

会場は、築地にある浜離宮朝日ホール。
550席ほどのクラシック用のホールだ。
お客さんの入は、6〜7割といった感じだろうか。

入口で配られたプログラムには、
8曲の曲名が書かれていたが、それを見て
(少ないんちゃう?)と思った。
いや、少ないというより「短い」というべきか。

蓋を開けてみると、1曲演奏する事に
悟平がトークをするという、
トーク&ライヴの形で進んでいった。
正味80分ほどのプログラムだったが、
半分はトークだったわけだ。

ピアノ演奏は、指が7本とかそんなことは、
聴いていても分からない。
というか、指の数など音楽にはどうでも良いことだ。

ディストニア(筋肉が固まるという病気)を克服しての
演奏のためか、時折、怪しいタッチに聞こえた所も
あったのだが、この人の演奏には、
そんなことは問題ではない、何かを感じた。

それが何なのか一生懸命聞き取ろうとしたが、
最後まで分からなかった。
「勢い」とか「力強さ」とか、そういうものではない。
「ピュア」とか「イノセント」とかそういうものでもない。
技術や理屈を超越した「何か」。
そんなに感動している感じではないのに
不思議と勝手に涙が流れてきた。
全曲良かったけど、ベートーヴェンの『悲愴』が
一番印象的だった。

トークは、『7本指のピアニスト』に書かれていたことも
多かったが、本人の口から語られると、
読書にはない臨場感を感じ、面白かった。

昨年といったか一昨年といったか、ニューヨークで
(彼はニューヨーク在住)夜中に家に2人組強盗に入られたが、
色々話して、強盗にピアノを弾いて聞かせ、
お茶を出し、話し込み、最後にはハグをして見送ったという。

また、リハビリし復活後に開いたリサイタルの売上を
喉から手が出るほど欲しかったけど、
「この金をディストニアの治療の研究に使ってください」と
全部医者のところに持って行き、
「その代わり、二度と患者に向かって
『治らない』などと言わないで欲しい」
と言ったそうだ。
その後、悟平はアメリカのメディカル誌の
表紙になったという。
なんというキャラクターの凄さよ。

今回のリサイタルは、今日と明日の 2days。
本人が最後に言っていた。

今日のお客さん、一人一人が僕の夢でした。
高校生の時、東京のホールでリサイタルができるとは
思っていませんでした。
指が動かなくなった時も、思っていませんでした。
でも、昨年、本を出してから、少しづつ日本で
演奏する機会が増えてきて、東京でこんな立派な
ホールでのリサイタルが実現しました。
今日、僕の夢が叶いました。
ありがとうございました。

そんな内容だった。

そうか、今日が東京デビューだったのか、と
逆に驚いてしまった。

普通のクラシック・ピアニストにできない、
演奏とトークというスタイルで、
これからも活動していって欲しいと思った。
今日は、まだ未完成な感じがあったけど、
トークがもう少し磨かれれば、
もっと面白い、凄いショーになると思うな。
それに、選曲にポップスを混ぜるのは、
私のような聴衆には嬉しいことです。


【 Set list 】
1.松藤由里:プレリュード イ短調
2.ブルグミュラー:ゴンドラの船頭歌
3.ポンセ:インテルメッツォ
4.松藤由里:G. N. ファンタジー
5.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」 2楽章
6.サルトーリ:タイム・トゥ・セイ・グッバイ
7.モリコーネ:ニュー・シネマ・パラダイス
8.いつか王子様が
9.プーランク:即興曲 15番
EC.ホール・ニュー・ワールド

『ニュー・シネマ・パラダイス』で、弦楽四重奏者が登場。
4人の美女だ。
『いつか王子様が』は、弦楽四重奏のみの演奏。
悟平のリクエストらしい。
アンコール『ホール・ニュー・ワールド』で
再び弦楽四重奏との演奏。
悟平のアレンジで、今日が初演とのこと。


ピアノは、オーストリア、ウィーンの名器
ベーゼンドルファー。
見るからに風格のある美しいピアノだった。
プログラムにグランド・ピアノの広告が
載っていたけど、「\21,000,000(税抜)」って
書いてあったぜ。
おまけに「椅子別売」とも!

今日は、カメラ(NHKのようだったが不確実)が
入っていたので、何か番組になるのかもしれない。





2016.3.7

TOTO

TOTOのコンサートは、高校生の時(1980年)に
その初来日公演を観て以来、1982年の2回目の
来日公演を観、その次はなんと29年開いて 2011年、
そして、前回 2014年と観てきた。
今日は、2年ぶり 5回目となるコンサートに
行ってきた。

初来日は36年も前で、それから今までに
ドラムのジェフ・ポーカロの死もあったし、
昨年3月15日には、ALSで闘病中だった
マイク・ポーカロが他界するという
悲しいこともあった。
そんなことを乗り越えての来日公演。

前回 2014年の公演ではドラムが、
サイモン・フィリップスからキース・カーロックへの
交替があったが、今回もサポート・メンバーの
交替があった。
今回のドラムは、シャノン・フォレスト。

そして、長らくサポートをしていたベースの
ネイザン・イーストに代わって、リ一ランド・ス力ラ一。
この人のこと知らなかったけど、
ハゲ頭にあごヒゲが胸まであって、一見、
ZZ Top かと思うような出で立ちだったが、
68歳で、CS&N や ジェームス・テイラーから
リタ・クーリッジ や ロッド・スチュワートの
レコーディングを支えてきた超ベテランだった。

そして、パーカッションにこれまた見たことのある
レニ一・力ストロ。
見たことあるはずや。
共演歴は、Rolling Stones、Elton John、U2、Joe Sample、
Boz Scaggs、George Benson、Red Hot Chilli Peppers、
Noel Gallagher、Maroon5、The Eagles、Fleetwood Mac、
Justin Beiber、Tom Petty、Rod Stewart、Bette Midler、
Joe Cocker、Ricky Lee Jones、Stevie Wonder、
Quincy Jones…もうええか。
この人、なんでも奥さんが日本人のようだ。

そんなメンバーに支えられての TOTO。



この写真のとおり、TOTO のメンバーは、
スティーヴ・ルカサー、デヴィッド・ペイチ、
スティーヴ・ポー力ロ、ジョセフ・ウィリアムスの
4人なのだ。

しかし、私にとっての TOTO は、
ジョセフ加入前、1982年頃までなのだな。
なので、今日は、TOTO がもう別のバンドに
なってしまったような複雑な思いを抱きながらの
鑑賞となった。
前回だって、そんなに変われへんねんけどね。

まあ、何事も無常。
過去のメンバーに捕われているより、
今、目の前のメンバーの演奏を楽しめばええねんけど、
色々思い入れがあったりするわけですわ。

演奏は、新旧 織り交ぜてのセットリスト。
古い曲しか曲名が分からないのだけど、
特に良かったのは、"I Won't Hold You Back" と
"Georgy Porgy"。
名曲ですな。
そのほか、"Hold The Line"、"I'll Supply The Love"
と 1st アルバムからの曲が嬉しい。
4th アルバムからは "Afraid Of Love"、"Rosanna"。
アンコールで、何かの曲からメドレーで
"Goodbye Elenore"。
最後は、"Africa" だぁ〜!




[ MEMBERS ]
STEVE LUKATHER/スティーヴ・ルカサー(Vo/G)
DAVID PAICH/デヴィッド・ペイチ(Vo/Key)
STEVE PORCARO/スティーヴ・ポー力ロ(Key/Vo)
JOSEPH WILLIAMS/ジョセフ・ウィリアムス(Vo)
LELAND SKLAR/リ一ランド・ス力ラ一(B)
LENNY CASTRO/レニ一・力ストロ(Per)
JENNY DOUGLAS/ジェニー・ダグラス(Cho)
MABVUTO CARPENTER/マーブット・カーペンター(Cho)
SHANNON FORREST/シャノン・フォレスト(Dr)

@ 日本武道館

[ TOTO 来日ツアー日程 ]
3月3日:宮城 仙台サンプラザホール
3月4日:神奈川 パシフィコ横浜
3月7日:東京 日本武道館
3月9日:福岡 Zepp FUKUOKA
3月10日:広島 広島上野学園ホール
3月12日:大阪 あましんアルカイックホール【追加公演】
3月14日:大阪 フェスティバルホール
3月15日:愛知 名古屋市公会堂





2016.3.9

ジョージ・マーティン死去
George Martin, Beatles Producer, Has Died


ビートルズを見出したプロデューサー、
ジョージ・マーティンが亡くなった。(3月8日)
間違いなく音楽の歴史を変えた一人である。
享年90歳。

彼を偲んで、1998年にリリースされた
ビートルズのトリビュート盤 "In My Life" を
久しぶりに CD 棚から取り出した。

このアルバムは、ジョージ・マーティン名義で
彼のラスト・プロデュース作として 出されたものだが、
いわゆるコンピレーション盤で
ロビン・ウィリアムス&ボビー・マクファーリン、
ジェフ・ベック、フィル・コリンズ、セリーヌ・ディオン、
ジム・キャリー、ジョン・ウィリアムスなど
そうそうたるメンバーが参加している。

しばらく聴いていなかったが、ジェフ・べックの
"A Day In The Life" と ショーン・コネリーが
詞を朗読する激渋 "In My Life" は、
非常に印象に残っているトラックだ。

私の認識が間違っていなければ、ジェフ・ベックの
"A Day In The Life" は、後々の本人のライヴ盤にも
収録されているが、このアルバムが最初の収録だと思う。
初めて聴いたとき、ビートルズのそれとは別の曲として
生まれ変わったようで "A Day In The Life" のメロディの美しさに
改めて驚き、とてもインパクトがあったのを覚えている。
この曲の(展開部までの)メロディーは、
いつ聴いても私をノスタルジックにする特別なラインだ。

アルバムを聴きなおしてみると
極上のビートルズ・カバー集となっており、
この機会に i-Pod へ入れることにした。
全曲が誰もが知る有名曲ではないあたりにも
きっとジョージのこだわりがあるのだろうな。
ロック、ポップスのアーティストだけではなく、
映画音楽の巨匠 ジョン・ウィリアムスや
ロビン・ウィリアムス、ジム・キャリーが
入っているあたりにも、
彼のプロデューサーとしての幅広さを感じる。
余談だが、先日観た TOTO のヴォーカル、
ジョセフ・ウィリアムズは、ジョン・ウィリアムスの息子だ。

アルバム、ラストの "In My Life" 。
ショーン・コネリーの声を聴きながら、最後の歌詞
"In my life I love you more" は、
ジョージが音楽のことを言っているように
聞こえて泣けました。

ビートルズとジョージ・マーティンの
偉大さに尊敬と憧憬を感じるとともに
素晴らしい音楽を残してくれたことに感謝です。

合掌。




"In My Life" 収録曲
1. Come Together / Robin Williams & Bobby McFerrin
2. A Hard Day's Night / Goldie Hawn
3. A Day In The Life / Jeff Beck
4. Here There & Everywhere / Celine Dion
5. Because / Vanessa-Mae
6. I Am The Walrus / Jim Carrey
7. Here Comes The Sun / John Williams
8. Being For The Benefit Of Mr. Kite / Billy Connolly
9. The Pepperland Suite / George Martin
10. Golden Slumbers, Carry That Weight, The End / Phil Collins
11. Friends And Lovers / George Martinn
12.In My Life / Sean Connery


このアルバム、昼間に Amazon を覗いた時には、
新品が1万円以上はしていたけど、
中古盤が1,500円ぐらいから数枚出品されていた。
今(21:30)見ると、なんと中古は売り切れ、
新品 1枚だけになり、24,000円に値上がりしてます!
ひぇ〜!





2016.3.11

THE MICHAEL LANDAU GROUP
with special guest KIRK FLETCHER


今夜は、マイケル・ランドウです。
昨年9月、スティーヴ・ガッド・バンドの一員として
来日した際、東京JAZZ でそのプレイを聴いたが、
15年ぐらい前に渋谷のライヴハウスで
一度観たことがあるので、今日で通算3度目となる。

ギタリスト、マイケル・ランドウ。
なんでもスティーヴ・ルカサーの後任として19歳で
ボズ・スキャッグスのバンドに参加したのが、
キャリアのスタートのようだが、
ルカサーに世界で5本の指に入るギタリストと
言わせるほどのプレイヤー。

先日 YouTube で見つけた James Taylor の
バック・バンドを務めるマイケル。
 ↓
Up On The Roof (live)

ランドウ、職人ですなぁ。
ガッド、ジミー・ジョンソンの姿も見える。
最高のバンドやな。

今日は、東京コットン・クラブ 4日間公演の初日。
その 2nd ショーだ。
今回は、「マイケル・ランドウ・グループ・ウィズ・
スペシャル・ゲスト・カーク・フレッチャー」という
名義で、マイケルのギター・トリオに
カーク・フレッチャーというブルース・ギタリストを
迎えてのクァルテット。

カーク・フレッチャーのことは、今回初めて知った。
ブルース・ギタリストで、YouTube でチェックすると
歌も歌っているようだが、今日はギター演奏のみだった。
ギターは、クリーム色のストラトキャスター(メーカー未確認)。
サブでフロントに P-90 タイプの PU の着いた
サンバーストのテレキャスターがあったが、使わず。
こちらはヘッドの形状から Fender ではないようだった。

マイケルのギターは、2ハムのストラトキャスターで
多分去年の東京JAZZ の時と同じだと思う。
指先と手元と足元の微妙なヴォリュームとトーンの
コントロールにより、1本でどんなサウンドでも
出してしまえる感じ。
ジェフ・ベックとはまた違う ストラト・マスターやな。
素晴らしい表現力です。
今日は、歌も唄ったけどそれもええ感じ。
途中、カーク・フレッチャーがいったん引っ込んで、
マイケルのトリオだけで2曲(だったと思う)演奏。

アンコールには、太ったおばちゃん(おねえさん?)が
Vocal で登場。
紹介したんでしょうけど、誰か分からず。


[ MEMBERS ]
Michael Landau (g)
Kirk Fletcher (g)
Reggie Hamilton (b)
Gary Novak (ds)

@ Cotton Club
2nd Show




マイケル・ランドウ @ Baked Potato

ここでは、3S のストラトを弾いてます。
ベースは、エイブラハム・ラボリエル。
残念ながら、曲の途中で切れますが。

スティーヴィー・レイヴォーンの名曲 "Lenny" を弾く
カーク・フレッチャーを発見。
同じく @ Baked Potato

Kirk Fletcher - Lenny -
ベースは、トラヴィス・カールトン(ラリー・カールトンの息子)。





2016.3.13

松原正樹

ギターマガジンの今月発売号を読むまで、
知らなかったのだが、2月8日に
松原正樹が亡くなっていた。
享年61歳。
癌だった。

松原正樹と言っても読者の皆さんには、
ピンと来ない方も多いかもしれないが、
私と同年代、いやもっと若くても、
この人のギター・プレイを聞いたことのない
日本人はいないだろう。

松任谷由実、松田聖子、近藤真彦、さだまさし、
ハイ・ファイ・セット、山口百恵、松山千春、
キャンディーズ、中森明菜、小泉今日子などなど
誰もが聴いたことのある、あのヒット曲のギターが
松原正樹だったのだ。
これ とか これ(2分10秒〜) を聴いてみて。

今までにレコーディングした曲は、1万曲を超えるという。
特に70〜80年代のヒット曲の多くが松原の仕事で、
日本のポップスを支えた仕事人なのだ。

スタジオ・ミュージシャンとしてだけではなく、
自らのアルバムも24枚リリース。
私も若い頃、『SNIPER』(1983年)というアルバムは、
スコア(楽譜)まで買って聴いていた覚えがある。

また、"PARACHUTE" というスタジオ・ミュージシャンの
集合バンドも演っていた。
2014年、リユニオン・ライヴを演ったのは、
知っていたが、観に行かなかった。
やっぱり、観とかなあかんなぁ。

昨年 5月に癌がわかり、7月に出演予定だった
"FUSION FESTIVAL in Tokyo Vol.2" が
鈴木茂に交代となった。

報道によると「一時は食事がとれるほど
症状が改善したが、先月18日に入院、
激痛緩和の治療を続けていた」とある。

とてもキラキラしたギター・ソロのサウンド、
キャッチーなフレーズは、永遠に聴き続けられるだろう。

合掌。



キース・エマーソン


もう一人、訃報(多いなぁ、この頃)。
来月、来日予定だったキース・エマーソンが、
10日に亡くなった。
報道には「エマーソンさんの頭部には
銃で撃たれた痕があり、現場の状況などから
自殺の可能性もあるとみて調べています」とあった。

私は特にファンというわけでもなく、
来月のライヴも予定に入れていいなかったのだが、
やはり残念だ。

キース・エマーソンは、70年代のプログレ・バンド、
エマーソン、レイク&パーマー(ELP)のキーボード奏者。
享年71歳。

合掌。





2016.3.27

森 恵

昨年、YouTube をチェックしていて、
偶然見つけたシンガー、森 恵。
たまにテレビにも出演しているようだが、
私は見たことがなかった。

彼女は日本人で初めて、アメリカの
ギルド・ギターズとエンドース契約を結んだ人。
ギルドの大きな Dタイプのギターも
弾いているが、あれは女性では大変だろうと
思うが、ストレスを感じさせない。

YouTube で聴けるのは、多くの J-Pop のカバーだが、
一度ナマで聴いてみたいと思い、ライヴに行ってきた。

会場は、EX THEATER(六本木)。
お客さんは、おじさんが多い。
おじさんが聴きたくなる音楽ということか。

インディーズ・デビューから10年、
今年31歳ということだが、あどけない印象を受ける
衣装に、どことなく垢抜けしない感じが、
おじさんの応援心を煽るのかもしれない。

1曲目から、多くの人が立ち上がったのが、
彼女を「応援しています」のメッセージに感じた。
そして、彼女もそれに答えるように、
一生懸命のステージだ。
私としては、前半よりも途中、客を座らせての
しっとりコーナーが良かったな。

カヴァーは、松原みきの『真夜中のドア Stay With Me』と
アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のオープニング、
『残酷な天使のテーゼ』の2曲のみだった。
オリジナルは全く知らんので、
もう少し、カヴァーを聴きたかったな。

バンドは、ギター×2、キーボード、べース、ドラムの
クインテット。
それに森がギターを弾く。
YouTube を見てアコギのバッキングは
結構弾けると思っていたけど、
エレキのソロは、練習中です、
みたいな感じだった。


MY COUNTRY ROAD CONCERT 2016
-続いて行く鮮やかな旅路-


@ EX THEATER ROPPONGI





2016.3.28

フレディもしくは三教街

中学生の頃は、レコードをたくさん買う
小遣いなどなかったので「エアーチェック」をしたものだ。
エアーチェックというのは、ラジオを録音すること。
FM ラジオから流れる音楽を、
カセットテープに録音し、聴いたものだ。

当時は、「FM レコパル」「FM ファン」「週刊 FM」など
FM の番組ガイド雑誌も数誌売られており、
丁寧に番組中にかかる曲名まで記載されていたので、
目当ての曲は、前もって録音の準備をしたのだった。

時代は変わり、今ではラジオで音楽を入手する
人などいないだろう。
エアーチェックという言葉も
何十年も聞いていない。

さて、中学の時にエアーチェックで録音した曲の一つに
さだまさしが初期に組んでいた
フォーク・デュオ、グレープで出した
『フレディもしくは三教街』という曲があった。

グレープは『精霊流し』のイメージが強く、なんとなく
「暗い」という印象で当時そんなに好きではなかったが、
この『フレディもしくは三教街』は、
とても印象的な曲で、当時、繰り返し聴いた覚えがある。

ただ、中学生の私には歌詞の意味が全くわからなかった。
「揚子江」という言葉が出てくるので、
なんとなく中国のことを歌っているのだろうとは、
思っていたけど、「フレディ」という中国人らしからぬ
名前の人が登場するし、「三教街」「ハンカオ」
「フランス租界」「ヘイゼルウッド」など
知らない地名や言葉が登場するので、
全く意味がわからなかった。
元来(今でも)、私は音楽はサウンドで聴く方なので、
その意味を解読しようなんて、思ったこともなかった。
それでも、とにかく、この曲は、
中学生の私の心理に深く刻まれた。
不思議な異国情緒とともに。

先日、深夜にさだまさしがテレビに出ているのを観て、
この曲のことを思い出した。
(そういえば、『フレディもしくは三教街』って
どういう歌やったんやろう)と、気になり出した。

曲の解説は、ここここ に詳しくあるので、
詳細は書かないけど、簡単にまとめると、
とても素敵だが、とても悲しいロマンスを通した
反戦歌だったのだった。

確かに歌詞には「あなたさえも奪ったのは
燃え上がる紅い炎の中を飛び交う戦闘機」という
言葉が出てくるのだが、中学生の私は、
「なんでいきなり戦闘機が出てくるんやろ?」ぐらいの
軽さで、全く想像力に欠けていたのです。(恥)

この曲は、さだまさしが母の若い頃の思い出話を
モチーフに作ったという。
今さらだが、その想像&創造力の素晴らしさに、
一流のアーティストたる所以を感じずにはいられず、
凄い才能やと改めて思ったのでした。





2016.4.1

TEDESCHI TRUCKS BAND
テデスキ・トラックス・バンド




楽しみにしていた テデスキ・トラックス・バンド(TTB)、
2年ぶりの来日である。
2年前は、渋谷公会堂、人見記念講堂の 2公演を
観に行ったが、今回は武道館ということで、
東京公演も一夜のみ。
それ以外は、3月30日の名古屋公演(名古屋市公会堂)、
昨日31日の大阪公演(オリックス劇場)と
全部で三夜のみの貴重な公演だ。

今年発売されたニュー・アルバム『Let Me Get By』は、
まるで何十年も聴き続けていたかのような感じがするほど
私の身体に馴染んでしまった。

そんなニューアルバムからの曲も楽しみな今日の公演。
オッパイがあふれそうな、お色気たっぷりのドレスで
登場のスーザンに対して、地味〜な いで立ちのデレク。
「世界一ギターが上手い夫婦」と言われる夫婦だ。

1曲目は、ニューアルバムからと思いきや、
『Made Up Mind』。
1曲目から、アリーナは総立ちだ。
その他、『I Pity The Fool』『Anyhow』
『Sky Is Crying』『Midnight In Harlem』
『Crying Over You』など。
ほとんど知っている曲だったが、
2〜3曲知らない曲もあった。
勉強不足です。

あい変わらずのデレクの神業スライド。
そして、聴くたびにソウルフルに、
なっていくスーザンのヴォーカル。
アンコールを入れて、135分。
堪能しました。




[ MEMBERS ]
Derek Trucks/デレク・トラックス(G.)
Susan Tedeschi/スーザン・テデスキ(G. & Vo.)
Kofi Burbridge/コフィ・バーブリッジ(Key. & Fl.)
Tyler Greenwell/タイラー・グリーンウェル(Dr. & Per.)
J.J. Johnson/J.J.ジョンソン(Dr. & Per.)
Tim Lefebvre/ティム・ ルフェーヴル(B.)
Mike Mattison/マイク・マティソン(Harmony Vo.)
Mark Rivers/マーク・リバーズ(Harmony Vo.)
Kebbi Williams/ケビ・ウィリアムズ(Sax.)
Elizabeth Lea/エリザベス・レア(Tb.)
Ephraim Owens/エフライム・オーウェンズ(Tp.)
Alecia Chakour/アリシア・シャコール(Harmony Vo.)

上記は、昨年ウドーが発表したものなので、
このメンバーだったかどうかは未確認。

@ 日本武道館





2016.4.13

ERIC CLAPTON
エリック・クラプトン


2014年2月、最後かもしれないという
来日公演を観た。
昨年5月には、大規模なワールドツアーは
引退すると宣言したファイナル公演が、
ロンドンのロイヤル・アルバートホールで
行われた。

しかし、日本贔屓のエリックは、
今年も来日してくれた。
4月13日、15日、16日、18日、19日の
東京(武道館)の 5公演のみ。



今日は、その初日。
でも。
なんだろう。
一昨年の落涙コンサートに比べて、
この不完全燃焼感。

選曲のせいか、時間が短かったからか、
メンバーのせいか、座席が悪かったからか、
いや違う。
何か分からない。
変な言い方だが、僕のクラプトンではなかった、
そんな感じだ。

観客から大きな声援は飛んでいたけど、
本編最後の曲『Cocaine』でも
アリーナの客が立ち上がっていなかったことが、
なんとなく象徴的な気がする。

最後かもしれないと、今週土曜日16日の
チケットも買っているので、
その日に期待しよう。

曲目は、ゆったりめのブルースに始まり、
"Key to the Highway" "Hoochie Coochie Man"
"Crossroads" "Wonderful Tonight"
"I Shot The Sheriff" "Circus"
"Nobody Knows You When You're Down and Out"
"Cocaine" など。
"Layla" なし、"Tears In Heaven" なしは、
別に構わないし、70歳を過ぎたエリックに
多くを求めてはいけないようにも思うのだけど、
アンディやポールの歌を聴きたいわけでは
ないねんな。
それと、途中の若手のゲストは誰だったんだろう。

[ MEMBERS ]
ERIC CLAPTON(G. / Vo.)
ANDY FAIRWEATHER-LOW(G. / Vo.)
PAUL CARRACK(Key. / Vo.)
HENRY SPINETTI(Dr.)
CHRIS STAINTON(Key.)
DAVE BRONZE(B.)
DIRK POWELL(Banjo / Vl.)
MICHELLE JOHN(Backing Vo.)
SHARON WHITE(Backing Vo.)

@ 武道館

上記メンバーは、昨年11月発表のメンバーなので、
全員この通りだったか分からないが、
多分、この通りだったように思う。
ダーク・パウエルは、バンジョー、ヴァイオリンと
なっているが、この人はマルチ・プレイヤーのようで、
演奏したのは、バンドネオン、アコーディオン、
ギター、マンドリンだった。

エリックのコンサートは、1985年に初めて観て以来、
13回目か14回目だと思う。



と、ここまで書いて、ネットをチェックしたら、
セットリストをアップしている人がいたので転記。
若手のゲストは、エド・シーランという人だった。

1. Somebody's Knocking
2. Key to the Highway
3. Hoochie Coochie Man
4. Next Time You See Me (Paul Carrack on Vocal)
5. I Shot the Sheriff
6. Circus Left Town
7. Nobody Knows You When You're Down and Out
8. I Dreamed I Saw St. Augustine
9. I Will Be There (with Ed Sheeran)
10. Cypress Grove (with Ed Sheeran)
11. Sunshine State (by Dirk Powell)
12. Gin House (by Andy Fairweather Low)
13. Wonderful Tonight
14. Crossroads
15. Little Queen of Spades
16. Cocaine
En. High Time We Went (Paul Carrack on Vocal)








2016.4.16

ERIC CLAPTON Again
エリック・クラプトン 再び

一昨々日(さきおととい)13日に続いて
今回の来日2度目の公演に行ってきた。
(公演は5回公演の3回目。)

一昨々日は、不完全燃焼だったと書いたが、
今日は、満足のある公演だった。
曲目は、(順番は一部違ったけど)同じなのに。

私はライヴやコンサートに行くと
たいていの場合、自然にリズムに反応して身体が動く。
今日は、その反応があったけど、
一昨昨日は、全くと言って良いほど
身体が動かなかったように思う。

何が違うのか明確ではないが、
エリックの歌もギター・プレイも
一昨々日より切れているように感じた。
やはり、初日にはナーバスな要素が
あったのかもしれない。
それプラス、ふと思ったのは、
座席のせいもあったのかもしれない。
一昨々日は、1階スタンド席の最後列で、
2回スタンド席が視界を邪魔しており、
閉塞感があったのは否めないのだった。

次回の来日公演があるのかどうかは、
分からないけど、今日は今のエリックを
受け入れることができて、良かったと思う。

一昨々日同様、エリックのズボンは、
アディダスのジャージでした。


[ MEMBERS ]
ERIC CLAPTON(G. / Vo.)
ANDY FAIRWEATHER-LOW(G. / Vo.)
PAUL CARRACK(Key. / Vo.)
HENRY SPINETTI(Dr.)
CHRIS STAINTON(Key.)
DAVE BRONZE(B.)
DIRK POWELL(Banjo / Vl.)
MICHELLE JOHN(Backing Vo.)
SHARON WHITE(Backing Vo.)

@ 武道館

[ SETLIST ]
1. Somebody's Knocking
2. Key to the Highway
3. Hoochie Coochie Man
4. Next Time You See Me (Paul Carrack on Vocal)
5. I Shot the Sheriff
6. Circus Left Town
7. I Dreamed I Saw St. Augustine
8. Nobody Knows You When You're Down and Out
9. I Will Be There
10. Cypress Grove
11. Sunshine State (by Dirk Powell)
12. Gin House (by Andy Fairweather Low)
13. Wonderful Tonight
14. Crossroads
15. Little Queen of Spades
16. Cocaine
En. High Time We Went (Paul Carrack on Vocal)

今日は、若手ゲストはなし。

「満足のある公演」とは書いたけど、
アンコールがエリックの曲ではないことは
やはり不満ですな。







2016.4.22

ERIC CLAPTON
CELEBRATES THE 200TH SHOWS


19日(火)が最終公演だったエリック・クラプトン。
もう帰国したのでしょうか。
日本のどこかでのんびり過ごしているのでしょうか。

今回の来日で、私は 5公演中 2回観に行ったけど、
5回とも観に行った人のサイトによると、
5公演ともセットリストは、(多少順番が
違ったけど)同じだったようだ。

もう、来ないのかな。
日本にだけは、また来てくれるのかな。
来るたびに、公演回数は減っていくのかな。
これだけは、分からんけど、
これが最後だとは思いたくないなぁ。
こんなこと書いてたら、
なんか、泣けてきてしもたぞ。

さて、気を取り直して。
前回 2014年 2月の来日は、
1974年の初来日から数えて20回目の来日で、
200回目の日本での公演を迎えた。
私が観た 2月21日は、202回目だったのだけど、
招聘元であるウドー音楽事務所の社長(?)が、
200回目の公演のお祝いと感謝に
ストラトキャスターの形をした楯を贈り、
感謝の辞を述べる動画を発見した。
エリックの家族(娘たち)もいる。
娘が「皆、なんで拍手してるのかと思った」って
言うのが、お父さんの偉大さを分かっていないようで
微笑ましい。

Eric Clapton and his daughters 2014 in Japan
(celebrates the 200th shows with his family)






2016.4.23

プリンス 死去

4月21日(現地時間)、米ミネソタ州の自宅兼スタジオで
プリンスが亡くなった。
57歳だった。
若いなぁ。

死因は、まだはっきりとはしていないようだが、
自殺の様子はなく、重篤な病気でもなかったようだ。
近いうちになんらかの発表があるだろう。

私は、プリンスの曲はたくさん知らないのだけど、
『パープル・レイン』は、ギター・デュオで
何度かライヴでも演奏したことがある。

合掌。





2016.5.3

Victor Wooten
featuring Dennis Chambers & Bob Franceschini


一昨日から今日まで、2泊3日で庄内へ
旅行に行っていた。
ゆっくり夜の便で戻ってきたいところだったが、
どうしても観たいライヴがあったので、
早い便で戻るプランを立てた。
そのライヴというのは、これだ。

ヴィクター・ウッテン
featuring
デニス・チェンバース & ボブ・フランチェスチーニ

ヴィクター・ウッテンをライヴで観るのは、
たぶん6回目だと思うが、毎回毎回、
その魔術のようなベース・プレイに
驚きと感動の連続だ。
昨年は、初めてマイク・スターン・バンドで来日したが、
今回はヴィクターがリーダーだ。

ベース の ヴィクター・ウッテンに
ドラム が デニス・チェンバースという組み合わせの
スペシャル・セッション。
そこにサックスの ボブ・フランチェスチーニ。
ボブは、マイク・スターン・バンドで
何度も来日しているサックス奏者。

デニス・チェンバースは、一昨年6月、
マイク・スターン・バンドで来日した時には、
違う人かと思うほどの激やせで、マジで心配した。
その後、ライヴ中に倒れたらしいが、
昨年春頃には復活したようだ。
今日見る限りは、体重もほとんど以前のように
戻ったんちゃうかと思うほどで、安心しました。

さて、ライヴは1曲目から、デニ・チェンの
スリップ・ビートが炸裂。
スリップ・ビートというのは、進行中のビートと
違うビートで演奏することで、リズムがずれた
(スリップした)ように聞こえる、
言わばリズム遊びのようなものだが、
遊びなどとは言ってられない世界が
ステージ上で繰り広げられる。

ヴィクターとボブは、ビートを守ってリフを
演奏し続けるのだが、そこにデニ・チェンが、
(何をすんねん)というリズムを絡ませてくる。
デニ・チェンは、一体、どうやってリズムを
取っているのだろうか、ちゃんともとのビートを
分かった上で、スリップさせているのは
間違いない。
いい加減なことをしたら、あんな風に
ビシッとアタマで戻って来られないだろう。
ある曲では、見事にリズムを行ったり来たり
させて見せてくれた。
スゴイです。

途中で、ヴィクターとボブが、
とうとうリズムを見失ってしまった
(ように見えた)場面も。

ヴィクターのベース・プレイも
毎度のことながら、強烈。
それを難しいこと演っている風ではない風に
演ります。
一体、どんな練習をしたらあんな風に
弾けるようになるんでしょか。
いやいや、分かっても練習しませんが。

ベースとドラムとサックスという、
変わった編成で、いわゆるコード楽器
(キーボードやギター)がいないにも関わらず、
全くハーモニーの不足を感じないのは、
ヴィクターのプレイが、通常のベースラインを
弾くだけではなく、コードを鳴らしたり、
ルーパーを使ったりと一人何役も兼ねての
プレイであるからで、逆にキーボードや
ギターがいないおかげで、
彼のプレイの醍醐味が楽しめたと思う。

アンコールを入れて、1時間50分は演った。
最後には、スタンディング・オベーション。
素晴らしかった。
こんなライヴが、一晩だけなんてもったいない。
たぶん満席だったと思う。
観れてラッキーでした。





2016.5.7

チック・コリア&小曽根真
ピアノ・デュオ プレイズ・アコースティック
Japan Tour in 2016


チック・コリア&と小曽根真のピアノ・デュオ、
全国10ヶ所の "Japan Tour"、その初日、
横須賀芸術劇場まで行ってきた。

横須賀芸術劇場は、初めてだったけど、
良いホールだった。
バルコニー席が丸く配置されていて、
ロイヤル・アルバート・ホールを
思わせるような造り(行ったことなけど)。





予定開始時刻を少し過ぎて、
客席後方扉から2人が登場した。
予想外の登場に会場が沸く。
客席を通ってステージに上がると、挨拶。
チックが喋ると、小曽根さんが通訳する。
チックが小曽根さんのことを「Genius」と
言った部分は、自分の口からは言いにくかったのか
訳さなかったけど。

1曲目は、 Improvisation(即興)。
チックが弾き始めると、それに答えるように
小曽根さんが絡み始め、まるで1人で弾いているかの
ような演奏になる。

タイトルの通り、アコースティックな
コンサートで、ピアノは生音のみ。
(録音用のマイクは立てられていた。)

普段、電気で増幅された演奏ばかり聴いているので、
演奏が始まってすぐは、音量にちょっと
物足りなさを感じたのだが、不思議なもので
すぐにその音量がちょうど良い大きさに
感じられるようになった。

演奏は、途中20分の休憩、アンコール(1曲)を
含んで 2時間20〜30分ほどだっただろうか。

あんまり有名な曲はやらず、
スタンダードは『Someone to Watch Over Me』と
アンコールで演った曲(聞いたことあるけど曲名不明)
ぐらいかな。

このデュオのためにチックが書いたという
新曲2曲(ツアー初日なのでワールドプレミアだ)も
演奏された。
1曲は、『スパニッシュ・ソング』(と言ったように
思う)、もう1曲は、『コトリア』。
これは、大曽根真(まこと)の「コト」と
チック・コリアの「リア」を取ったもので、
「小鳥屋じゃないです」と笑いを取っていた。

それから、チックが 1983年に
フリードリヒ・グルダという
ピアニストとの録音を残している
『Fantasy for Two Pianos』という曲。
小曽根さんとは初なので、小曽根さんは
「気分は、ワールドプレミア」と言ってました。

MC で、小曽根さんがチックのことを
「本当に自由で、絶対リハーサル通りやらない」
「こんなに集中力のいるコンサートはない」
なんて言っていたけど、そうやろな。
まるで、打合せされていたかのように
聞こえる部分もたぶんホンマに即興なんやろな。

アンコールは、『Spain』かなとも思ったけど、
上原ひろみとのデュオで演ってるし、
それはないわな。

厳密には2台のピアノの音色は違うはずだが、
私は聞き分けられるほどの耳は持っていない。
それでも、チックが弾いたのと同じフレーズを
小曽根さんが追いかけて弾いた時などには、
2人のタッチの違いが聞こえてきて興味深かった。

小曽根さんとチックのピアノ・デュオは、
1996年の共演時にその話が始まったという。
なんと20年越しの実現だったのだ。

[ MEMBERS ]
チック・コリア (pf)
小曽根真 (pf)

@ 横須賀芸術劇場



ところで、会場の横須賀芸術劇場は、
京急線の汐入駅の駅前にある。
三浦半島の真ん中辺りなのだが、
思ったより近く、
自宅からでも 1時間と少しで行ける。

汐入駅は、アメリカ海軍横須賀基地に近く、
コンサート終了後、付近を歩くと、
遠くに空母が見えた。



自衛隊のものかアメリカ軍のものか
遠くで確認できなかったけど。

「YOKOSUKA軍港めぐり」という
クルーズを発見したが、残念ながら、
16時が最終便で終わっていた。
またの機会に訪れてみたい。
海軍カレーも食べてみたいし。





2016.5.9

ダイアン・バーチ
DIANE BIRCH
〜NOUS tour 2016〜


ダイアン・バーチっていう シンガー・ソングライター、
全く知らなかったんだが、
ビルボードライブの招待券を頂いたので、
聴きに行ってきた。

明日が元々の公演日で、今日は「追加公演」と
なっているのだが、明日のチケットが
売り切れているわけではないようだ。
なんで追加公演なんやろか。

「キャロル・キングら往年の名シンガーを
彷彿させる歌声」という謳い文句で
紹介されていたので期待して会場へ足を運んだ。

ステージ中央にピアノが配置されている。
どうやら、ピアノを弾きながら歌うようだ。
そう言えば、英語には「弾き語り」に
あたる単語ないと、最近、何かで読んだ。

それはさておき、1曲目からマイナー調の曲。
確かに70年代を感じないこともない曲。
2曲目以降もマイナーな曲が続く。
「暗い」というほどではないけど、
なんとなく若い女の子がワンルームで
膝を抱えて一人で聴いているような、
そんな印象の曲が多かった。

途中でちょっと明るめの曲もあったけど、
全編通して、マイナーな印象。
彼女の歌は、黒くないけど、
ちょっと R&B っぽい匂いのする曲が良かった。

ダイアンの曲は、1曲も知らないので、
知っていたのは、カヴァーで演った
Sade の "Smooth Operator" だけ。

ヴォーカルにエフェクターを使って、
要所要所に、ハーモニーを付けていた。
少し不自然な感じもないではないが、
コーラスを雇う余裕がないバンド、
あるいは雇うほどコーラス・パートがない
バンドには、ありがたいテクノロジーだろう。
でも、何かを得たと同時に
何かを失ってるような気がしてならなかった。

バンドは全員男性で、歌のサポートに徹した
控え目な印象の演奏。
ギタリストは、サックスも吹く。
いや、サックスの曲の方が多かったかもしれないので、
サックス・プレイヤーがギターも弾いたと
言った方が正しいのかも知れない。

途中、ダイアンのピアノ&ヴォーカルと
サックスのデュオで数曲。
アンコールは、ピアノ弾き語りで
誰かのカバーのようだったけど、
知らない曲だった。


[ MEMBERS ]
ダイアン・バーチ / Diane Birch (Vo, Pf)
エリヤ・ライヒェン / Eliyah Reichen (Key)
スチュアート・マシューマン / Stuart Matthewman (Gt, Sax)
マーティン・シュトゥンプフ / Martin Stumpf (B)
ヤニス・ゲルラッハ / Janis Gorlich (Drs)

@ Billboard LIVE Tokyo
2nd Stage





2016.5.12

The Modulations
モジュレーションズ


普段、ラジオを聴くことは滅多にないのだが、
先日、庄内旅行中、車の中で FM山形で、
TOKYO-FM 系の番組『サンデー・ソングブック』を
聴いていた。
『サンデー〜』は、日曜日の午後2時から
やっている山下達郎が個人コレクションから
楽曲を流すという番組で、今までも数回、
旅行中にカーラジオで聴いたことのある番組だ。

ちょうど、ゴールデン・ウィーク中だったので、
タイトルに「Golden」という単語が含まれる
曲をかけていて、聞いたことのない
「モジュレーションズ」というグループの
曲がかかった。

いわゆるフィリー・ソウル(フィラデルフィル・ソウル)の
グループで、独特のトロトロ感がたまらず、
「これ、CD欲しい」と思ったのだった。

曲名までは、覚えられなかったが、
あとで調べてみると、かかっていたのは、
1975年の "IT'S ROUGH OUT HERE" という
アルバムに収録されている
"Worth YOur Weight In Gold" という曲だった。
ところが、CD はすでに廃番になっているようで、
中古盤しか出回っておらず、Amazon で
これが 3,800円〜9,000円ほどとやや高い。

探していると 2,790円で新品を扱っている店が
あったので、注文するも数日後には、
メーカー在庫切れでキャンセルされる始末。

こうなると絶対欲しい。
でも 3,800円は出したくない。

オークションで検索すると中古盤が
即決価格2,000円で出品されていたので、
迷わず落札。


IT'S ROUGH OUT HERE

聴いてみると、隠れた名盤と言われるだけあって、
中々良いです。
ストリングスやホーンの入ったフィリー・ソウルの
ゴージャス&メローなサウンドがたまりません。
この "The Modulations" というグル―プ、
この1枚しかアルバムを出していない。
こういう知る人ぞ知るというええ音楽に
出会ったときは、嬉しいもんです。
やっぱり、70年代の音楽はええなぁ。

で、The Modulations のことを
あれこれ調べているうちに、
な、なんと、iTunes で、アルバムが 1,600円で
ダウンロードできることを発見!
ショック!
大体、こうやって 音源を探すときは、
iTunes もチェックするんやけど、
今回、iTunes は見落としていたのだった。

ちなみに The Modulations というのは、
4人組ヴォーカル・グループなのだが、
このアルバムは、MFSBと呼ばれる、
フィラデルフィアのスタジオ・ミューシャンの
バンドがバックを務めている。
MFSB は、「Mother Father Sister Brother」の略。
この演奏が、また良いんだわ。
特にベース!
たまらんグルーヴでっせ。

それにしても、家に居ながら机に向かって、
中古CD を探したり、ダウンロードしたりと
便利な時代になったなぁ、ほんま。
30年前なら、電車賃使って中古レコード屋さん
歩いて回って探してたで。





2016.5.13

八神純子
with 後藤次利 “The Night Flight 3”
feat. 村上“ポンタ”秀一、佐藤準
Special support 松野 "Kay-Ta" 啓太


「死ぬまでに観ておきたいアーティスト」
今夜は、八神純子である。
そうあの『想い出のスクリーン』『みずいろの雨』
『ポーラー・スター』『パープルタウン』の。

先月のライヴで『思い出は美しすぎて』を
カバーしたこともあるが、ちょっと前に
八神純子のコンサートを観てきた友人から、
若い時と比べて声が全く衰えておらず、
素晴らしかったというような感想を聞き、
これは一度は観ておかねばと思い立った。
それで「死ぬまでに観ておきたいアーティスト」に
急遽、名前を連ねたのだった。

「死ぬまでに観ておきたいアーティスト」というのは、
「私が死ぬまで」と「アーティストが死ぬまで」の
両方の意味で、音楽ファンとして、
一度はライヴを体験しとかなあかんやろ、という
コンセプトで私が勝手に作った、
ライヴを体験したいアーティストのリスト。

このことを意識しだしてから、以前だったら、
観に行こうと思わなかったアーティストや、
観たいけど迷っていたアーティストを迷わず
積極的に観に行くようになった。

ジョニー・ウインター、ヘレン・メリル、
ジャクソン・ブラウン、サム・ムーア
レオ・セイヤー、ダイアナ・クラール、
渡辺真知子、沢田研二、八代亜紀などが
観に行ったそのリストの一部だが、
実際にジョニー・ウインターは、
私が観た日本公演の3ヶ月後に急逝した。

八神純子に話を戻そう。
彼女は、一時期 活動を休止してたのだが、
2011年に活動を再開した。
今年発売されたニューアルバム
『There You Are』を聴いたが、
確かに あの頃の声と変わっていないように感じた。

2014年にもクラブ・ツアーを行った。
メンバーは、今日のメンツとギターが違うだけ。
その時のギターは、松原正樹だったけど、
彼も今年の2月に逝ってしもた。
そのツアーの最終日の模様は、
『The Night Flight』というライヴ盤になっている。

翌2015年にも「The Night Flight 2」として
クラブ・ツアーは行われ(Gtは、松原正樹が体調不良のため
松野啓太がピンチヒッターで出演)、今年が
「The Night Flight 3」というわけだ。

ずい分、前書きが長くなってしもた。
今日はそのツアー、東京3デイズの3日目、
その2ndステージを観てきた。
(ツアーは、このあと名古屋2デイズ、
大阪3デイズと続く。)

ライヴを観て分かったのは、
「The Night Flight」というライヴのタイトルには、
飛行機に乗って、世界のあちこちを行くという
意味があるようだった。

1曲目は、新しいアレンジの『水色の雨』。
続いて、八神が16歳の時に作り、
ポプコンに出場したという『雨の日のひとりごと』。
続いて「キューバへ行きます」と言って
始まったラテン・アレンジのナンバー(曲名不明)。

この「The Night Flight」ツアーでは、
自身の曲の新しいアレンジと、カバー曲というのが
コンセプトのようで、カバーは、
ユーリズミックスの『Here Comes The Rain Again』、
映画音楽から『シェルブールの雨傘』、
ジミー・クリフの『I Can See Clearly Now』、
プリンスを偲んで『Purple Rain』が演奏された。
今回のテーマは「雨」だったそうだ。

オリジナルは、前述の曲の他、『思い出は美しすぎて』、
ロック調の『思い出のスクリーン』、
ギターの裏打ちがハマった『パープルタウン』、
本編最後が『夜間飛行』。

アンコールは、1曲目に演ったのとは
違うアレンジで『水色の雨』。
そして、最後にピアノの弾き語りで
ニュー・アルバムから『月に書いたラブレター』。

彼女は、今年58歳になったのだが、
生で聞いたその声は、35年前の張りと艶は
失われておらず、声量もたっぷりで
しんどいと感じるところは、全くなく
素晴らしいと思った。

途中 MC で、「今年は悲しいことが2つあった」と。
先に書いた松原正樹の他界と
もう一つは、プリンスの他界。

プリンスのファンだったのかと思いきや、
『パープルタウン』のことを間違って、
いろんな人に「『パープル・レイン』好きです」って
言われるので、プリンスを身近に感じるように
なったという話だった。
その流れで『パープレ・レイン』。
これが、また素晴しかったね。
欲を言えば、後半もっと盛り上がって
欲しかったけどな。

バンドは、もう大ベテランの人たち。
「八神純子 with 後藤次利」という名義なのは、
ベースの後藤次利が、アレンジを
担当しているからのようだった。
ドラムは、ポンタ。
キーボードは、Char とも演っている佐藤準。

ギターの 松野 "Kay-Ta" 啓太 のことは
知らんかったけど、ええプレイしてたね。
調べてみると、バークリーを出たあと、
LA で活動している人のようで、
なんでも 2013年度の “ラテングラミーアワード
最優秀新人賞” に彼のバンドがノミネートされたという
実績の持ち主らしい。
ギターは、エレガットとテレキャス。

ええライヴでした。
昨年の「The Night Flight 2」のライヴが
カバー曲(Sade の "Smooth Operator" )の
権利関係の手続きで遅くなったけど、
ようやく配信が開始されるということなので、
今年のライヴもリリースされるかもな。


[ MEMBERS ]
八神純子 (vo, pf)
後藤次利 (b)
佐藤準 (key)
松野 "Kay-Ta" 啓太 (gt)
村上“ポンタ”秀一 (drs)

@ ビルボードライブ東京







2016.5.16

ロック・スターの住む街

私が Char のファンだということは
ここに何度も書いた。
コンサートのレポートや、CD の感想、
ギターの Char モデルを買ったことなど色々ね。

Char が 品川区戸越在住だということは、
以前から知っていたのが、それで私が、
今の家(戸越の隣町・最寄駅は戸越銀座駅)に
引っ越してきたわけではない。

20年以上前、まだ私が大阪に住んでいた頃に、
Char の口から「戸越」という地名を初めて聞いて
覚えたのだが、それが、上京して3度目の引越しで
偶然ここに越してくることになったのだった。

以前、戸越に住んでいたという人から、
戸越銀座商店街を奥さんと歩く Char を
見かけたことがあると聞いたことがあったし、
ここに住んでからも、近くのメシ屋で見かけたとか、
地元の人からは「チャーちゃん」と
呼ばれていることを聞いたりはしたのだが、
ここに越してきて、もうすぐ7年になるのに、
私は一度もお会いすることがなかった。

それが、である。

今日、仕事が終わってまっすぐ家に帰ろうと、
駅から商店街を歩いていると、
前から歩いてくるではないか!
チャ、Char さんが!(急に「さん」付け。)
横に女性がいるのは分かるが、
私は Char さんから目を離すことができず、
それが奥さんなのかどうかを見る余裕がない。

私は口の中で「ちゃーさん」と言いながら
(声が出ていない)近づき、握手のために
右手を差し出した。
Char さんは、私の手をしっかりと握り、
笑顔で「お帰り」と言ってくれた。

何か言おうとするのだが、とっさのことで
私はとうとう一言も発することができなかった。
情けない。

その後、小一時間、落ち着かなかったので、
よほど興奮してしまっていたらしい。

それにしても、何も言えなかったのは、
不甲斐ないなぁ。

Char は、来月で デビュー40周年で、
その全国ツアーの最終日(6月26日)の
チケットは入手済みである。





2016.5.17

ANDY McKEE
アンディ・マッキー


この動画を見て欲しい。



(この曲、4年前にも別の動画でリンクして
紹介したことあんねんけど。)
なんでこんなこと 出来るんすか!
なんでこんなこと 思いつくんすか!
そんな演奏だが、10年前にアップされて、
視聴回数が 5,400万回 を超えとります。

この20年ぐらいでアコギの世界は、
大きく変わったんちゃうかなぁ、
マイケル・ヘッジスという人の影響が
大きいと思うねんけど、マイケルは、
97年に交通事故で死んでしまいました。
なんと43歳という若さで。

今日は、17歳の時にそのマイケル・ヘッジスのCDを聴いて
アコースティック・ギタリストになることを
決意したというアンディ・マッキーを観てきた。

なんというか、スゴイです。
パーフェクトなテクニックに、美しい音楽。

パッと見は、怖そうな人かと思いきや、
とっても愛嬌のある笑顔で、時々ひょうきんな
表情も見せるし、何より演奏を聴いて、
彼は繊細で温厚な人なんだろうと思ってしまった。

(私のリスニングが間違っていなければ)
13歳の時にギターを買ってくれたダディへ捧げた曲、
娘を亡くした友人に捧げた曲、
別れた彼女に書いたけど、別れたので
彼女の名前がタイトルだったけど、タイトルを
"She" に変えたという曲など、
いずれも、繊細で美しい音楽だった。

また、マイケルのことも言うてた。
それまでは、メタリカやアイアン・メイデンを
弾いていたのに、マイケル・ヘッジスを聴いて
人生が変わった、と。

マイケルの曲を2曲演ったけど、
90年代のニューエイジって感じがして、
私はアンディのオリジナル曲の方が、
好きだと思った。

あと「80年代のロックが好きなんだ」と言って
演ったのが TOTO の "Africa"。→ これ

チューニングをいくつも使い分けていたけど、
よく混乱せずに弾けるもんです。

えらいでかいボディのギターやなと思ったら、
バリトン・ギターだった。
アコギをタッピングすると、どうしても音の線が
細くなって、私はあまり好きではないのだが、
バリトン・ギターのおかげで、そういうことも
感じなかった。

途中2曲、ハープギターを演奏。
ハープ・ギターというのは、ノーマルな6弦ギターと
ベース弦6本が一体になったギター。
ベース部には指板がなく、6つの決まった音しか
出せない。
ギターに6弦のハープがくっついている感じ。
これ

アンコールを入れて、75分。
上に紹介した "Drifting" が聴けなかったのは残念。
トミー・エマニュエルとは違うアコギの世界。
また観たい。


[ MEMBER ]
Andy McKee (g)

@ Cotton Club
2nd SHOW







2016.5.18

JOHN PATITUCCI
"THE ELECTRIC GUITAR QUARTET"

featuring ADAM ROGERS, STEVE CARDENAS
& BRIAN BLADE


今夜のライヴは、
ジョン・パティトゥッチが、ギタリスト2人、
アダム・ロジャースとスティーヴ・カーデナスを
従えた、“エレクトリック・ギター・カルテット” 。
ジャズでは、この編成は珍しい。
昨年も同じメンバーで来日してるけど、
ノーチェックだった。

ジョン・パティトゥッチって、もしかしたら
30年ぐらい前に大阪の「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」で
チック・コリア・エレクトリック・バンドで観た以来かなぁ。
そういう昔の記憶はあるけど、この10年ぐらいは
年取ってきて覚えられなくなってきたのと、
観るライブの数が増えたので、
よほどインパクトがないと覚えてられへん。
なので、もしかしたら、
観たけど覚えてないだけかもしれん。

そんなことはさておき、今日のライヴ。
ジョンは、ヤマハのセミ・ホローの6弦と
同じくヤマハの5弦を曲によって持ち替えていた。
6弦は、普通のエレベより弦長が長いように
見えたけど どうなんやろ。
ストラップ両肩にかけてたから、重たいんやろな。

ギターは、2人ともギブソンの ES-335。
アンプは、2人ともフェンダー。
たぶん、デラ・リヴァ。

同じギターなので、トーンも似ていたけど、
やはり弾く人によって個性が出るもんです。

私は、どちらかというとスティーヴの方が好きやな。
スティーヴの方が、ちょっとロックっぽいというか、
ジャズっぽくない感じがした。

曲は、ウェイン・ショーターの曲や
ポール・チェンバースの曲など、
ジャズらしい曲だけではなく、
意外や R&B っぽい曲も演った。
ウィルソン・ピケットが歌った
ボビー・ウーマックの "I'm In Love" と
もう1曲 R&B っぽいのがあった。
それから、ジョン・レノンの "Jealous Guy"。
これも R&B っぽくて良かった。
このメンバーで CD も1枚出しているのだが、
"Jealous Guy" が入っているなら
買おうと思ったけど、残念ながら入ってなかった。

ドラムのブライアン・ブレイドは、
ホントに楽しそうに幸せそうに演奏する人。
ジョンとスティーヴも楽しそう。
でもアダムは、ほとんど笑顔のない人やね。
始終 難しい顔して弾いてた。



[ MEMBERS ]
John Patitucci / ジョン・パティトゥッチ (b)
Adam Rogers / アダム・ロジャース (g)
Steve Cardenas / スティーヴ・カーディナス (g)
Brian Blade / ブライアン・ブレイド (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd SHOW


(2016.5.26 追記)
ブルーノートのサイトに当日のセットリストが
発表されていたので、記しておく。

[ 5月18日 2nd Show Set List ]
1. THE WATCHMAN
2. BAND OF BROTHERS
3. EASE IT
4. I'M IN LOVE
5. VALENTINE
6. JEALOUS GUY
7. DO YOU?
EC. HOUSE OF JADE




ロック・スターの住む街 2


一昨日、近所で Char さんに会ったと書いたけど、
今日は、これまた近所で Char さんの息子で
ミュージシャンの JESSE (ジェシー)を見かけた。
これも初めてのこと。
娘(Char さんのお孫さんね)と一緒だった。
近所に住んでいるんかね。





2016.5.20

渡辺香津美 ギター生活45周年祭
- Guitar is Beautiful Special -



香津美のギター生活45周年記念ライヴに行ってきた。
センターブロックの11列目で、オペラグラスを
持参したけど不要なくらいにええ席だった。

先日、ギタリスト11人を招き、それぞれとのデュオを
収録したアルバム『Guitar is Beautiful KW45』が
リリースされた。
今日のライヴでは、そのギタリスト11人のうち、
Char、Lee Ritenour、Mike Stern の3人を除く
8人に加えて、紅一点、クラシック界から
村治佳織 が参加。
彼女、初めてテレビで観たときは、
高校生だったけど、もう38歳!
ええ女になったよなぁ。

さて、ライヴは、香津美の高校生時代の演奏の
ビデオや「ブラタモリ」風に渋谷の街を
歩くビデオなどが流れたあと、第一部が始まった。

まずは、ジャズ・フュー ジョン・コーナーと
いうことで、下記メンバーによる演奏。

渡辺香津美 (g)
笹路正徳 (pf, key)
高水健司 (eb)
井上陽介 (b)
オラシオ・”エル・ネグロ”・エルナンデス (drs)
ヤヒロトモヒロ (perc)
菊地成孔 (sax)
本田雅人 (sax)
(曲によってメンバーの入替りあり。)

オラシオは、今日のためだけに来日した模様。
曲目は、『遠州つばめ返し』『Milestones』
『Havana』など。

15分の休憩を挟んで、
『Guitar is Beautiful KW45』の世界を
上記バンド・メンバーも加えての演奏。

ゲスト・ギタリストは、下記の9名。

三浦拓也 from DEPAPEPE (g)
伊藤ゴロー (g)
村治佳織 (g)
井上銘 (g)
生形真一 from Nothing's Carved In Stone (g)
沖仁 (g)
SUGIZO (g)
高田漣 (g, vo)
押尾コータロー (g)

アルバムでは、完全なギター・デュオだったが、
バンドが入ることで世界が広がった感じがした。
特に沖との『Flamenco Blue』が良かったな。

サプライズ・ゲストありとのことだったので、
アルバムに参加していた Char かも、
でも、Char は明日、高知やから無理かなぁ、
まさか、リー・リトナーやマイク・スターンはないやろし、
なんて考えて楽しみにしていたら、May J でした。
曲は、『Someday My Prince Will Come』。

本編ラストは、押尾コータローとの『Bolero』。
その後半、ゲストのギタリストが少しずつステージに
出てきて最後に10人のギタリストが
ステージいっぱいに並ぶという圧巻な演出だったが、
いかんせん演奏が長過ぎるように感じたな。
ここでは、ちょっと白けてしまったんよ。
あの『Bolero』のメロディの繰り返しが長すぎてね。

曲が終わるといったん幕が閉まり、
アンコールで『UNICORN』。
そして、最後に再びギタリスト10人が並び、
アルバム最後の曲『Island-Hop』。
この曲で短いソロを全メンバーでまわしたのだが、
ここで感極まってウルウルしてしまった。
素晴らしいのです。
メンバー全員17人のソロまわしが。

ひとりひとり全員が誰かと競うでもなく、
威張るでもなく、媚びるでもなく、
ただ自分であることを楽器で表現している、
それが素晴らしくて感動してしもたのだった。

休憩を挟んで3時間15分の長いライヴだった。
盛り沢山な豪華なライヴで楽しかったけど、
残念なのは、PA(音響)のバランスが
悪い曲が多かったこと。
2部では、1曲ごとにメンバーが入替るので、
どうしても流れがいちいち止まってしまう感は
否めなかったが、まあ裏方さんは大変だったでしょうね。
途中、村治佳織のギターの音が出ないという
トラブルがあって、やり直すという場面も
あったけど、それもライヴならでは。
村治といえば、最後の『Island-Hop』では、
なんと立ってエレキ・ギター(ヒストリーの
香津美モデル)でソロを弾いたよ。

香津美のギターは、ポール・リード・スミス、
アレンビック、コリングスのセミアコ、
ヒストリーの香津美モデル、ウェストヴィル、
オベイションの12弦、エレアコ(カオルギター?)、
エレガットなど。

そして、ロビーにはレスポール・スペシャルや
スタインバーガー、アダマスなどが展示されていた。




[ MEMBERS ]

渡辺香津美 (g)
伊藤ゴロー (g)
井上銘 (g)
生形真一 from Nothing's Carved In Stone (g)
沖仁 (g)
押尾コータロー (g)
SUGIZO (g)
高田漣 (g, vo)
三浦拓也 from DEPAPEPE (g)
村治佳織 (g)
笹路正徳 (pf, key)
高水健司 (eb)
オラシオ・”エル・ネグロ”・エルナンデス (drs)
菊地成孔 (sax)
本田雅人 (sax)
井上陽介 (b)
ヤヒロトモヒロ (perc)
May J (vo)

@ Bunkamura オーチャードホール



香津美 人形





2016.5.24

冨田 勲

ネットでたまたま「冨田勲 追悼」という言葉を見て、
「えっ?」と思った。
知らなかったけど、
冨田勲が5月5日に亡くなっていた。

冨田勲といえば、『ジャングル大帝』である。
あの壮大な音楽は、手塚治虫の絵と相まって
当時3〜4歳だった子供の私に、見たこともない
アフリカ(もちろん当時は、アフリカなんて
区別はなかったけど)の大きさを感じさせた。

しかし、3歳児が冨田勲という名前を覚えた
わけではない。

それから約10年後、冨田は『月の光』
『展覧会の絵』『惑星』などを、
シンセサイザーだけで演奏したレコードを発表した。

当時 私は中学生。
友人の Y 君は変わったやつで、
これらのレコードを全部買って聴いていただけでなく、
楽器演奏などできないのに、ついには、
シンセサイザー「ムーグ」を購入した。

当時のシンセサイザーは、モノフォニックといって、
音が同時に1つしか出ない。
ピアノやオルガンのように和音は弾けなかったのだ。
Y 君が買ったシンセサイザーは、
確か鍵盤は2オクターブほどしかなかったように思うが、
いっぱいつまみがやレバーが付いていて、
それらを触ると面白いように色んな音が出て、
Y 君と遊びで作ったラジオドラマの効果音などに
活用した覚えがある。

私の記憶が間違っていなければ、
Y 君が買ったシンセサイザーは、
ムーグの中で一番小さな安いものだったが、
それでも当時で10万円以上したような気がする。
今から40年前の10万円だから、かなり高価だろう。

今では、数万円も出せば、
当時からは信じられないような音の出る、
もちろん同時にたくさんの音の出せる、
シンセサイザーが玩具のように売られている。

日本にシンセサイザーというものを
広めたという意味では、冨田勲の功績は
スゴイものがあると思う。

私は、 Y 君の影響でシンセサイザーを知り、
実際に触り、そして、冨田勲の名前を知り、
彼の音楽も聴いた。
『惑星』なんて、オーケストラによる演奏より先に
冨田勲のシンセサイザーで聴いたのだ。

その後、何かの機会に冨田勲が
『ジャングル大帝』の音楽を
担当していたことを知った。
あの印象的な『ジャングル大帝』の音楽が
冨田勲の手によるものと知って、
なぜか私の中の彼の代表曲になってしまったのだ。

調べてみると冨田は、『ジャングル大帝』だけではなく、
『ビッグ X』『リボンの騎士』『キャプテンウルトラ』など
多くのテレビ番組の音楽を手掛けており、
私は子供のころ、知らないうちに彼の音楽を
繰り返し聴いていたことになる。
つまり、冨田勲の音楽は、私の世代の日本人の
心の奥底にしっかりと染みついているように思うのだ。

1974年、米RCAよりリリースされたアルバム『月の光』は、
ビルボード・クラシカル・チャート第1位となり、
日本人として初めてグラミー賞4部門にノミネートされた。

興味深いのは、この作品を日本のレコード会社に持ち込んだところ、
「クラシックでもポピュラー・ミュージックでもなく
レコード店の棚に置く場所がない」などの営業的な理由で
断られたというのだ。
その結果、米RCAからのデビューとなり、
ビルボード全米クラシカル・チャートで第2位に
ランクインした。

日本には逆輸入という形で広まったのだが、
結果的には、アメリカで評価を受けたおかげで
冨田の名前は世界的になった。

もし、日本のレコード会社がすぐに
冨田のレコードを売りに出していたら、
当時それほどの注目を浴びなかったかもしれないし、
世界に名前が出るのももっと遅れたかもしれない。
そう思うと、何が作用してどうなるのか、
ホントに分からないもんだなと思う。


享年84歳。
新作の制作中だったという。

合掌。


11月に予定されていた
「冨田勲 生誕85周年記念 新作世界初演
冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』」
という公演は、タイトルを
「冨田勲 追悼特別公演 冨田勲×初音ミク
『ドクター・コッペリウス』」
と変更し、予定通り上演されるようだ。
85歳の冨田が何をやりたかったのか、
この耳で確かめに行くことにした。




PAT METHENY
with ANTONIO SANCHEZ,
LINDA OH & GWILYM SIMCOCK


7年ぶりに パット・メセニー を観てきた。
この7年間にも数回来日しているけど、
観に行かなかった。
メンバーは、ドラムのアントニオ・サンチェス以外は
入れ替わっており、この新メンバーでは、
ワールド・プレミアということだ。

前回7年前は、あまりのスキのない、その完成度に
スリリングさを感じられなかったような記憶がある。
その日のエントリーには、
「音楽を聴いているというより、完成された現代アートを
観ているような不思議な気分」と書いているが、
これは良い意味で書いたのではなかった。

しか〜し。
今日のライヴは、素晴らしかった。
何度、ウルウルしたか分からない。
最後には、スタンディング・オベイションである。

まず1曲目、パットが一人で、
ピカソ・ギターで演奏。
ピカソ・ギターというのは、先日、アンディ・マッキーが
弾いていたハープ・ギターのえげつないやつと
言いましょうか、弦が42本あるらしいのだが、
よくこれを弾こうと思うもんやね。



作ったのは、カナダのリンダ・マザーという
女流ビルダー。
動画や写真で見たことはあったけど、
生の演奏を聴くのは初めてだった。

今日演った曲とは違うけど、
演奏はこんなんです

2曲目からバンド。
パットのギターは、チャーリー・クリスチャン・
ピックアップが一発ついたフルアコで、
アイバニーズではなく、ギブソンでもなさそう。
残念ながら、ヘッドのロゴが読み取れなかった。
途中で、1曲、オベイションのエレ・ガットを使用。

ベースは、マレーシアとオーストラリアの血を引くという
女流ベーシスト、リンダ・オウ。
見た目、日本人みたいです。

ピアノ、キーボードは、
イギリス人のグウィリム・シムコック。

ドラムは、昨年観た映画『バードマン』のサントラで
グラミー賞を獲ったアントニオ・サンチェス。

今回のブルーノートは5日間公演で、今日は最終日。
観たのは2部ということは、10回公演の
最終回だったわけで、そういうことも関係あるのかないのか、
アップの曲は、躍動感、臨場感、緊張感、疾走感に溢れ、
スローの曲は、琴線を震わせる演奏。
特に『Travels』は、ホントに素晴らしかった。

70分ほど演ったので、これが最後かと思いきや、
ベースとのデュオ『How Insensitive』、
ピアノとのデュオ『Phase Dance』
ドラムとのデュオ(曲名不明)と続く。
ドラムとのデュオがこれまた凄かったね。
途中で、シンセ・ギターに持ち替えての演奏。

アンコールは、再び、エレガットでソロ。

私は、それほど熱心なパットのファンでもなく、
曲もたくさん知らないのだが、
今日のライヴは、本当に行って良かったと思った。

明日25日は、新宿文化センターで公演あり。



[ MEMBERS ]
Pat Metheny / パット・メセニー (g)
Antonio Sanchez / アントニオ・サンチェス (ds)
Linda Oh / リンダ・オウ (b)
Gwilym Simcock / グウィリム・シムコック (p,key)

@ Blue Note Tokyo
2nd SHOW


インターネット早期予約特典プレゼントのマグカップ






2016.6.2

MIKE STERN TRIO
with special guest
KAZUMI WATANABE


夕食後、春秋からブラブラ歩いてブルーノートへ。
今夜は、もう何度観に行ったか分からないほど
観ているマイク・スターン。
今回は渡辺香津美とのツイン・ギターだ。

ドラムは先月、ヴィクター・ウッテンとの
素晴らしいセッションを聴かせてくれた
デニス・チェンバース!

そしてベースは、アゼルバイジャン(どこ?)出身の
テイマー・フェル。
この人は、初めて。

ブルーノート3日間公演の初日。
初日ということもあってか、なんとなく
ハプニングっぽい場面もあったけど、
素晴らしい演奏だった。

香津美と演るとマイクの右脳的というか
エモーショナルというかナチュラルな
プレイが際立った。
マイクのギターは、いつものヤマハ。
衣装は、いつもの黒の長袖Tシャツ。

香津美は、自分のレパートリーではない曲と
いうこともあるだろうけど、マイクに比べて
やや左脳的なプレイの印象。
笑いながら演奏するマイクと比して、
余裕のない感じが否めない。
これは、2013年のリー・リトナーとの
セッションでも感じたことだが、
仕方のないことなんだろう。
それでも、要所要所でトリッキーな
フレイズを連発し、会場を沸かせていた。
ギターは、PRS のシングル・カッタウェイ、
トレモロ付きと、同じく PRS のホロウボディ。

ベースのテイマー・フェルは、
見た目、おとなしそうな印象で
プレイも出しゃばる感じではないが、
グイグイと押し出されるグルーヴと
高速ツーフィンガーのソロは、魅力的だった。
6弦ベース。

ドラムのデニ・チェン。
今日も涼しい顔で、ワケのわからない
スリップ・ビートを叩きだしてた。
マイクのプレイに反応するその早さと、
歌心に感銘。

曲は、"You Never Know" "That's All It Is"
"One Liners" "What Might Have Been" など。
1曲、ギターデュオのみで スタンダードの
演奏があったのだけど、あれ、
"Like Someone In Love" だったかなぁ(自信なし)。
アンコールは、ジミヘンのブルース "Red House"。
マイクは、ヴォーカルも演りました。


[ MEMBERS ]
Mike Stern (g)
渡辺香津美 (g)
Dennis Chambers (ds)
Teymur Phell (b)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show



アゼルバイジャンは、イランの北、
カスピ海に面した国だった。


(2016.6.3 追記)
ブルーノートのウェブサイトに
セットリストが発表された。

― 2nd Show Set List ―
1. ONE LINERS
2. YOU NEVER KNOW
3. THAT'S ALL IT IS
4. WHAT MIGHT HAVE BEEN
5. CHROMAZONE
EC. RED HOUSE

私が本文で "Like Someone In Love" を
演ったと書いているが、記載されていない。
"What Might Have Been" のイントロ的な
演奏だったからだろうか。





2016.6.4

高中正義
Masayoshi Takanaka


初めて観たのは、1981年の大阪府立体育館での
公演だったので、もう35年前になる。
すごいなぁ、35年かぁ。
その時のサポートギターは、是方博邦だったなぁ。

2011年5月にギター・マガジン・フェスティバルで
久しぶりにライヴを観て感動し、
その年9月の日比谷野音、昨年の渋公を観に行った。
その高中をクラブで 観られるなんて、
嬉しいなぁと思って、行ってきました。
@ビルボードライブ東京。

今日は、クラブということでお酒も入っているからやろか、
今まで高中のコンサートで一番、野次(?)声援が
多かったように思う。
もう憂歌団かいうぐらいの、野次・声援だった。
ギターだけで、これだけ客を沸かせられるのは、
この人だけちゃうかね。

クラブ公演なので、時間はホール・コンサートより
短めだけど、ええライヴで凄く楽しめた。
この人の曲はやっぱりええなぁ。
メロディが、分かりやすくて耳に残るんやな。

曲は、"Star Wars Samba" に始まり、
"Mambo No.5" "憧れのセーシェル諸島"
"Blue Lagoon" "Alone" "Ready To Fly"
"Wood-Chopper's Ball" "Finger Dancin'"
"You can never come to this place" など。

ギターは、フェンダーのストラト(サンバースト)、
最近入手したらしい、パール・トップのゼマティス。
ヤマハの SG をブルーのと、濃いブルーに模様の
入ったのと2本。

"憧れのセーシェル諸島" の小島さん(Key)の
ソロが良かった。
10年ぐらい前、小島さんのピアノトリオ、コジカナツルを
数回観に行ったけど、最近はやってないのかなぁ。
また観たいなぁ。


[ MEMBERS ]
高中正義(Gt)
斉藤ノヴ(Perc)
宮崎まさひろ(Drs)
小島良喜(Key)
青柳誠(Keyd)
岡沢章(B)
稲葉ナルヒ(Gt)

@ Billboard Live Tokyo
2nd Show



高中、(香津美と同じく)今年デビュー45周年です。






2016.6.16

シャルル・アズナヴール
Charles Aznavour
最後の日本ツアー 2016

シャルル・アズナヴールは、フランスの歌手。
1946年にエディット・ピアフに認められ、
本格的に歌手活動を開始したという彼は、
今年92歳になった。

昨年11月、ZAZ の来日公演は観たけど、
私はシャンソンは ほとんど知らない。
シャルル・アズナヴールのことも、
最近 偶然知ったぐらいなのだ。
(エルヴィス・コステロが歌っていた『She』は、
シャルル・アズナヴールのカバーだった。)

YouTube で昨年のコンサートを観て、
90歳を超えているとは思えない、
その姿と力強い歌声に圧倒された。

そのシャルルが、92歳で「最後の日本ツアー」と
銘打って来日するので、これは観ておかねばと
思ったら、チケットが 16,500円!

大分迷ったが、もし観なかったら
「行けばよかった」と公開するなと思ったので、
観に行くことにした。

13日に大阪フェスティバルホール、そして、
昨日今日と東京 NHKホールの公演で、
今日、その日本最後の公演を観てきた。
(本当にもう来日することがなければだけど。)

NHKホール は、初体験。
大晦日の紅白歌合戦を生放送してるホールだ。
キャパは、3,600人ということだが、
今日は3階には客が入っていなかったので、
2,400〜2,500人ぐらいの入りだろうか。

ナマで観たシャルルは、背筋もピンと伸び、
とてもじゃないが92歳には見えない。
20歳若く言っても通るだろう。
そして、歌声は、50代、60代だと言っても
疑われないだろう。
最後の日本ツアーということだが、
いやいや、まだまだやれまっせ、という感じだ。
黒いスーツに黒いシャツ。
立っていると見えないが、ディレクター・チェアに
座ると真っ赤な靴下が見える。
上着を脱ぐと、赤いサスペンダー。
ああ、これ、日本人やったらアウトやろな、という
ダンディなファッション。

シャルルの曲は、間奏なんてほとんどなくて、
全く歌が中心。
1曲1曲は短く、サクサクと進んでいく。
声には、微塵も年齢を感じさせない。
ロングトーンだって、平気だ。

MC はフランス語と英語が混ざっていた。
英語で話すのは、フランス語が分かる日本人が
少ないからという配慮だろうか。
でも、フランス語でも笑いをとっていたので、
フランス語が分かるお客さんもある程度いたんだろう。
どこの国の人かは分からないけど、
外人(欧米人)のお客さんも結構見かけた。

歌には語りのような部分も多く、MC だけではなく、
ああ、フランス語が分かれば
どんなに素晴らしいだろうと、思ったね。

『She』ともう 1曲だけだったかな、
英語だったのは。
予習として、ベスト盤を数回聴いて行ったけど、
私は曲目が言えるレベルではない。

イントロが始まると、拍手が起こる曲が
多かったので、熱心なファンが多いんだな〜と感じた。

バンドは、Gt、Key × 3人、Ba、
Drs、Cho × 2人という8人。
演奏も音量も上品で、歌を聴かせることに
徹したコンサートだった。

アンコールはなしで、約100分弱。
最後の曲では、ファンが花束やプレゼントを持って、
ステージの前に押しかけ、日本最後のコンサートが
終わることを惜しんだ。

歌よりシャルルの存在そのものに
感動させられた感じで、その最後の曲では、
ファンというわけではない私でも涙が出てきた。
やっぱり、行って良かった。








2016.6.26

CHAR 2016 TOUR
Vol.24 ツアーファイナル


Char のデビュー40周年となるツアーは、
全国各地で 24公演行われた。
今日は、2日間の渋谷オーチャードホールでの
ファイナル公演、その最終日だった。

Char は、今年 61際。
1976年『Navy Blue』でデビュー。
『気絶するほど悩ましい』『闘牛士』『逆光線』などの
ヒット曲で、当時はテレビにもよく出ていたが、
私がファンになったのは、もう少しあとで 86〜87年頃から。
『PLANT BLEND』という Pink Cloud の
アルバムをレンタルしたのがきっかけだったように思う。
89年のヒット曲『All Around Me』は、
カセットテープに入れ、車の中で運転中に
一緒に歌えるまで繰り返し聴き、
ついにはテープが切れた思い出がある。
その頃から、Pink Cloud、BAHO、PSYCHEDELIX、
Solo と、もう数え切れないほど ライヴに足を運んだ。
96年には、20周年記念の武道館公演にも行ったが、
とてもあれから20年も経ったとは思えないなぁ。
そんな Char さんのデビュー40周年公演だ。

開演直前のステージ


定刻の17:00を少し過ぎて、メンバーの登場。
1曲目は、前述した『All Around Me』だ。
『Head Song』『I'm Just Like You』など、
5〜6曲演奏後、ステージ上にギターアンプが、
セットされる。
お、ゲストの登場か、誰やろ?と
思っていると、半ズボン姿の佐橋(佳幸)さんが
赤いストラトを持って登場。
曲は、昨年の Char 還暦記念アルバムに
佐橋さんが書いた『Still Standing』。
1曲で佐橋さんが引っ込むと、
続いて、佐藤タイジの登場。
曲は、『Hold On I'm Coming』に続いて
タイジが還暦記念アルバムに提供した
『悪魔との契約満了』。
そして、タイジの曲を 1曲。
ギターは、レスポール。
昨年の還暦コンサートでも感じたけど、
この人のカッティングは、凄いね。

ゲストは、この 2人だけだったけど、
サプライズでした。

Char のギターは、バーガンディミストの
ストラトをメインに、数曲で、ムスタング
「Free Spirits」「Pinkloud」を使用。
『Wondering Again』では、ゴールドトップの
レスポール(p-90のやつね)を使用。

曲は、前述のほかに
『Navy Blue』(なんとオリジナル・ヴァージョンで
ドラムを叩いていたのは、今日のドラマーでもある
古田たかしだった!)『逆光線』『Anytime』
『Tokyo Night』『ニッポンChar, Char, Char』
『Shinin' You Shinin' Day』『闘牛士』
『Smocky』など(順番めちゃくちゃ)。

アンコールは、佐橋さんを交えて『Happiness』。
Char は、石やんの緑色のテレキャス。
続いて、タイジをステージに呼び、『からまわり』。
最後は 4人で『Apple Juice』。

2時間45分ぐらいかな。
休憩なしでたっぷりと、楽しめました。
演奏後は、大勢のファンがステージ前に押しかけ、
プレゼントの手渡しタイム。
幸せそうな Char さんを見ると
どういうわけか、ウルウルしてしまった。



[ MEMBERS ]
Char(Gt, Vo)
kyOn(Key, Cho)
澤田浩史(Ba, Cho)
古田たかし(Dr, Cho)
Guest:
佐橋佳幸(Gt, Cho)
佐藤タイジ(Gt, Vo)

@ Bunkamura オーチャードホール


大江戸線の六本木駅構内に貼られていたポスター。
(5月9日撮影)









2016.6.27

The EXP Series #06
石若駿クリーンナップ・トリオ
meets KURT ROSENWINKEL


いやいや、素晴らしいライヴだった。
何度もゾクゾクする瞬間があり、
何度もウルウルする瞬間があった。

タイトルの「The EXP Series」というのは、
「シーンを牽引していく可能性を秘めたアーティスト達を
ブルーノート東京が紹介していく企画」ということらしい。
今日のリーダー、石若駿は、1992年生まれ。
10歳でハービー・ハンコックに才能を認められ、
15歳で日野皓正グループに参加したというとんでもない
経歴の持ち主で、昨年、東京藝術大学打楽器科を
トップの成績で卒業したということだ

その石若のトリオ、ギターは井上銘。
何度かここで彼のことは書いたので、
覚えている方もおられるかも知れない。
1991年生まれなので、やっと25歳か。
高校生の頃の彼は、私も通っていたジャズ・ギター
教室の一番若い生徒で、なおかつ一番上手だった。
その銘君、先日は渡辺香津美の
ギター生活45周年記念ライヴにも
ゲストで登場していたが、なんと今日は、
カート・ローゼンウィンケル と共演!
ひぇ〜!
小沼ようすけや渡辺香津美とのデュオでも
大変なことなのに、カートですぜ。

この若いトリオは、カートを迎えるには
十分な実力の持ち主3人で、言うことなし。
ドラムの石若を観たのは、初めてだったが、
素晴らしいね。
ドラムソロで、ウルウルくることは、
ホントに珍しいねんけど、ええドラムでした。
カートに触発され、食らいついていく銘君も
良かった。
ベースの須川崇志は、1982年生まれということで、
他の2人よりはややベテラン。
激しいウォーキングが心地よい。
カートという起爆剤のおかげで
3人のケミストリーにマジックが起こったって感じ。

石若、銘君の MC が対照的で面白かった。
石若は、カートと演れることが嬉しくて嬉しくて、
今日も楽しくてハッピーでしょうがないといった感じ。
一方、銘君は、半年前にこの企画が決まって以来、
ずっと胃が痛かったそうな。
自分が一番憧れていたヒーローとの共演。
どんな心持ちか想像を絶します。

今日は、会場に銘君のご両親の姿もあった。
息子が、カートと共演しているのを観るのは、
どんなお気持ちでしょう。
これも想像を絶します。

カートのギターは、最近出たウェストヴィルの
ダブル・カッタウェイのシグネチャーモデル。
銘君のギターも同じくウェストヴィルのセミアコ。
トーンは、銘君の方がギターっぽい音で、
カートは、セッティングなのでしょうか、
あまりギターっぽくない角の取れた音色。
時々、シンセ?と思うような音も使ってた。

ウェストヴィルというギターは、渋谷にある
ウォーキンというギター専門店のブランド。
店主が西村さんなので、”Westville” ね。
そんな日本製のギターをカートが気に入り、
シグネチャーモデルまでに発展したようだ。

今日は、カートが帽子を被っていなかった。
初めてです。



[ MEMBERS ]
石若駿 / Shun Ishiwaka (ds)
カート・ローゼンウィンケル / Kurt Rosenwinkel (g)
井上銘 / May Inoue (g)
須川崇志 / Takashi Sugawa (b)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show

ブルーノートには珍しく、
若いお客さんが多かったなぁ。


---(2016.7.7 追記)---
BN の Live Reports サイトに Set List が
発表されていたので、転記しておこう。

6月27日 2nd Show Set List
1. Cleanup
2. Taiji Song
3. Waltz Step
4. The Boomers
5. When Sunny Gets Blue
6. Untitled No.1
7. Big Sac
EC. Evidence





2016.6.28

Q U E E N

先日、こんな内容のチラシを手に入れた。

フレディ・マーキュリー生誕70年、没後25年
31年ぶりの日本武道館公演が決定!
クィーン+アダム・ランバート


クィーンのことは、ここに書いた覚えが
あんまりないのだけど、高校時代は、
友人の影響もあって、結構、聴いていた。

1979年4月の大阪フェスティバルホールでの
来日公演には、その友人と 2人で観に行ったものだ。
そのあとに発売された LP2枚組のライブ・アルバム、
『LIVE KILLERS』のジャケットそのままの
大掛かりな照明が、天井から下りてきて、
コンサートが終了するという演出で、
高校生だった私は、度肝を抜かれた覚えがある。



しかし、1991年、フレディ・マーキュリーが
45歳という若さで、亡くなってからは、
私の中では、クィーンは終わっていた。
クィーンにフレディ以外のボーカルなど
考えられるはずがない。
ローリング・ストーンズのボーカルが、
ミック以外考えられないのと同じことだ。

そんなわけで、冒頭に書いたチラシを手にしても、
私の心は、動かなかった。
でも、ちょっとだけ(どんなんかな?)と
スケベ心が出てきたので、チェックしてみた。

で、この動画観て、認識を改めた。
クィーンの中でも一番好きな曲『Somebody To Love』
夜中に観ながら、思わず「イェ〜」って、
声出してしもたで。

アダム・ランバートは、フレディの代わりではないのだ。
クィーンの新しいボーカルなのだな。

これは行かなあかんというわけで、
先行抽選に申し込んだところ、見事当選。
9月23日、武道館だ!


クイーン+アダム・ランバート日本公演決定!





2016.6.29

マイ・ワンダフル・ライフ

一昨日の「石若駿クリーンナップ・トリオ
+カート・ローゼンウィンケル」のライヴで、
一番印象に残った曲が、"Waltz Step" という
初めて聴く、非常に美しいメロディの曲だった。
石若の紹介によると、すでに亡くなった
ドラマー富樫(とがし)雅彦の曲ということだった。

富樫雅彦については、何も知らなかったが、
調べてみると、2007年に67歳で亡くなっている。
もともとジャズ・ドラマーだったのが、
29歳の時、事故で下半身が使えなくなった。
ドラマーが足を使えないのは致命的だ。
だが彼は再起し、その後はパーカッショニストとして
活動したようだ。

ウィキペディアには、「富樫の浮気が原因で背後から
妻にナイフで刺され脊椎を損傷し下半身不随」とある。
激しい人生を送られた人のようだ。

その "Waltz Step" の収録されている CD が、
なかなか見つからなくて、やっと見つけたのがこれ。



マイ・ワンダフル・ライフ 富樫雅彦バラード・コレクション

このアルバムは、富樫の死後、彼と親交の深かった
ミュージシャン、佐藤允彦、渡辺貞夫、日野皓正、
峰厚介、山下洋輔 がソロまたはデュオで吹込んだもの。

早速、注文し届いたものを聴いているが、
件の "Waltz Step" だけではなく、他の曲も良い。
富樫の美しいメロディを素晴らしいミュージシャンが、
心を込めて演奏した、そんなアルバムだ。

妻に刺された男が書いた "My Wonderful Life"。
それがこの上なく美しく、涙腺を緩ませるのは、
どういうことだろう。





2016.7.4

渡辺貞夫 SADAO WATANABE
with GILAD HEKSELMAN,
BEN WILLIAMS & ULYSSES OWENS Jr.


昨年 6月、82歳の貞夫さんの演奏を聴いて、
その全く年齢を感じさせない、
立ち振る舞い、演奏にビビった覚えがある。
あれから 1年、今日は 83歳の貞夫さんの
ステージを聴きに行ってきた。

メンバーは、ベースのベン・ウィリアムス、
ドラムスのユリシス・オーエンス・ジュニアは、
昨年と同じ。
ピアノのケニー・バロンに代わって、
今回はギターのギラッド・ヘクセルマン。
ギラッドのことは知らなかったが、イスラエル出身で、
ポスト・カート・ローゼンウィンケルとの声も
高いとのことで楽しみにしていた。
貞夫さんとは、初共演ということだ。

あいにく、JR山手線(外回り)が、どこかの駅で
列車のガラスが割れたとかで、30分近く止まっており、
ブルーノートに着いた時には、1曲目が始まっていた。

今回のブルーノート公演は、4日間 8ステージ。
今日は、その最終日、そして 2nd Show なので、
疲れもあったかもしれないが、
至福の時とも言える、素晴らしい演奏だった。

このメンバーは、大正解。
ベンとユリシーズの素晴らしさは、昨年体験済みだが、
ギターのギラッド・ヘクセルマンが、期待以上。
こんなに美しいギターは、初めてではないかと
思うのほどのトーン、フレイズ。
バラードなんて、バッキングなのに
聞き惚れてしまうほど。
また、軽く歪ませてハードに弾いたり、
ディレイをかけたり、エフェクトも使用。
ポスト・カート・ローゼンウィンケルというのも
頷けるプレイだった。
ギターは、メーカー不明のフルアコ。
ヘッドには「V」の文字が見えたけど詳細不明。

そして、4人が楽しそう。
貞夫さんにすれば、(ご本人も言ってたけど)
孫のような世代の 3人(80年代生まれ)。
その年齢を超えた、インプロヴィゼーションの妙が
たまらない。

曲は、貞夫さんのオリジナル
"I Miss You When I Think Of You" などの他、
Charlie Mariano の "Bye Bye Babe"、
スタンダードは、"Moose the Mooche"、
"My Foolish Heart"、"Chega De Saudage"
そして、引っ込まずに「アンコールです」と言って
"花は咲く" 〜 "Smile"。
「花は咲く」は、東日本大震災のあと復興支援ソングとして
作られ、NHK で繰り返し流れていたあの曲。
このメンバーが演ると、ビックリするほど JAZZでした。
この曲を選んだ、貞夫さんの心がなんというか
言葉に出来ないけど、グッときます。

一旦引っ込んで、再度アンコールで 1曲。
全部で 90分ぐらいかな。
素晴らしかった。
このメンバーでまた観たいな。
ギラッドは、彼のリーダー・ライヴも是非
体験したい。

[ MEMBERS ]
Sadao Watanabe / 渡辺貞夫 (sax)
Gilad Hekselman / ギラッド・ヘクセルマン (g)
Ben Williams / ベン・ウィリアムス (b)
Ulysses Owens Jr. / ユリシス・オーエンス・ジュニア (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show







2016.7.12

参拾萬円

昨年のポール・マッカートニー武道館公演のSS席は、
100,000円だった。
10万円のSS席以外に8万円(S席)、
6万円(A席)、4万円(B席)の席があったが、
確かすぐに売りきれたんじゃなかったかな。
B席ってたぶん結構観にくい席だろうけど、
それでも 4万円というのはスゴイ。

ちなみに私が行った東京ドーム公演は、
S席 18,000円だった。
ステージまで100m以上あったけど。

チケットの高額化の背景には、
コンサートに足を運ぶ年齢層が、
それなりになり、18,000円のチケットでも
売れるようになったということもあるのだろう。

そんな中、二度見するような金額のチケットが
売りだされた。

11月11日に両国国技館で開催される、
「クラシック ロック アワード2016 +ライヴ パフォーマンス」。
(THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016 + LIVE PERFORMANCE)


クラシック ロック アワードは、
クラシック・ロック・ロール・オブ・オナーとして、
2005年から続いているイベント。
ロンドンで開催されていたようだが、
10周年の2014年には、カリフォルニアで開催された。
今年「クラシック ロック アワード」として
初めて日本で開催される。

そのチケット代が、ちょっとえげつない。

「パーソナル・スポンサーシップ・パッケージ」という
クラシック・ロックを応援している人向けの席は、
アリーナ前列 5列目以内保証で、サウンドチェックから
観られるとか色々な特典が付いて、
なんと 300,000円(税込)!
もちろん、1名分の値段やで。

次が、「プラチナ・VIPパッケージ」という
アリーナ良席保証、サウンドチェック鑑賞と
ちょっと特典が付いたチケットが、150,000円(税込)。

それから、アリーナ席保証の「ゴールド・VIPパッケージ」が
60,000円(税込)。

一般席は、18,000円(税込)。

それにしても、
30万円のイベントって、一体、誰が出るの?って思うよね。
現在発表されている出演者は、下記の面々。
(まだ増えるのかもしれない。)

ジェフ・ベック
ジョー・ウォルシュ
チープ・トリック
リッチー・サンボラ
オリアンティ
スロット・マシーン

私としては、ジェフとジョーとチープ・トリックが
観られるのなら、18,000円はまあしゃーないな、
という感じ。

それにオリアンティも観てみたいし。
オリアンティは、マイケル・ジャクソンの
『This Is It』で有名になったあの女性ギタリストね。

まあ、18,000円の席は、東京ドーム同様に
きっと満足のいく席ではないでしょけど。

アワードなので、授賞式とかスピーチとか
やるのかもしれないな。
そうすると、パフォーマンスの時間は短いのかもね。

それにしても、
30万円の席は、何席売り出され、
どんな人が買うんやろな〜。





2016.7.15

西藤ヒロノブ &
Double Rainbow = 小沼ようすけ×宮本貴奈
スペシャルユニット


Motion Blue のウェブサイトには、
「一夜限りのスペシャル・ユニット」と書いてあったが、
来週末、宮崎で行われるジャズ・フェス
「UMK SEAGAIA Jam Night 2016」に
このメンツで出演するようで、
その時だけではもったいないので、
横浜でも演ろうということになったと、
小沼ようすけが、MC で言うてました。

西藤(さいとう)ヒロノブ のことは、
名前程度しか知らなかったけど、
基本的に ギター・デュオ 好きなので、
観に行くことにした。
それに、入替え制でないライヴだったしね。

まず、西藤がギタレレのような
小さい6弦エレアコで、トリオで演奏。
そして、Double Rainbow の2人
(小沼ようすけ、宮本貴奈)を招き入れ、
5人の演奏となった。

休憩を挟んで、正味130〜140分ほど
演っただろうか。
今日は、私の調子がイマイチで、
眠いやら、だるいやらで、
あまり楽しめなかった。

小沼は、赤い Gibson ES-275。
最近はこれを持っている写真をよく目にするから、
メインに使っているのだろうか。
あと、メーカー不詳のエレガット。
以前使っていた Taylor ではなかった。
指弾きのスピードが
かなりアップしているように感じた。

西藤は、前述のミニギター(?)の他に、
たいへん渋い色の Gibson ES-335 と、
ヤマハのエレガット。

それぞれのオリジナル曲が多かったのだが、
アンコールで演った "Moose the Mooche" が
良かったな。

[ MEMBERS ]
西藤ヒロノブ (g)
小沼ようすけ (g)
宮本貴奈 (p)
グレッグ・リー (b)
高橋信之介 (ds)

@ Motion Blue (横浜)







2016.7.25

“ 石田長生展 ハッピネス!! ”



今日 7月25日は、昨年 7月 8日に
逝ってしもた 石やんの誕生日。
生きてたら、64歳やった。

その石やんの64回目の誕生日に
縁の深いアーティスト達が集うという
ライヴに行ってきた。

いやいや スゴイ ライヴでした。
@ GARDEN(下北沢)

4年前の 石やんの還暦記念ライヴ で、
Char と キー坊(上田正樹)の共演は、
あんまりないだろうと書いたけど、
再び実現してしもた。

その還暦ライヴは立ち見だったけど、
今回も私は立ち見で、開演前から入れると
約 4時間、同じところに立ちっぱなしで、
ずい分疲れたけど、演奏中は
そんなこと気にならない濃いい内容だった。
何度もウルウルしてしもたし。

当初、発表されていた出演者は下記。

Char(Gt,Vo)
上田正樹(Vo)
金子マリ(Vo)
三宅伸治(Gt,Vo)
よもぎ(本夛マキ&はせがわかおり)(Gt,Vo)
松永希 (Vo)
Mac 清水(Perc)
古田たかし(Drs)
澤田浩史(B)

上記メンバーに加えて、冒頭の挨拶とアンコールに
SOOO BAAD REVUE のヴォーカル、
北京一の登場。
そして、サプライズ・ゲストとして、
山崎まさよし と 佐藤タイジ。

石やんは、皆に愛されてたんやなぁって
思えるええライヴだった。
今日の Char のソロはキレキレだったし、
あい変わらず、キー坊の歌は凄かったし。

石やんが死んでから、Char が コンサートで、
石やんの「ハッピネス」を歌うようになった。
今日は、色んな石やんのエピソードも聞けたけど、
Char にとっては、BAHO の相方以上の
存在やったんやなと思った。
マリちゃんが、「親友」って言うたら、
Char は、「ただのコンビの相方です」って
言うてたけど。

石やんもきっと喜んでると思うな。

途中、休憩を挟んで、3時間25分ぐらいかな。
ビデオ撮ってたようなので、もしかしたら、
DVD 出るかもね。

曲は、『Crazy Love』『Brothers and Sisters』
『真夜中の歌姫』『Hallelujah I Love Her So』
『Help』『ラジカセ』『ニッポンChar,Char,Char』
『最後の本音』『The Weight』『ハピネス』などなど。


会場に掲げられた石やんの写真


展示されていた石やんのギター
Ovation Adamas と Navigator の石田長生モデル


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昨年、石やんが亡くなった日と
その 8日後に書いたエントリー。
2015.7.8 と 2015.7.16

7月16日のエントリーに
「アマゾン検索してみると、
『Ohh!!!』の中古CDが、
21,000円(!)で1枚だけ出品されている」
と書いている。
2、3日前にチェックしてみると、
15,461円で 1枚だけ出品されていた。
う〜ん、欲しいのは山々だが
買う気にならない値段だ。

楽天で「ボイス・アンド・リズム」で
検索するも何も引っかからない。

ヤフオクに出品されていないかと
見てみると、1枚5,000円で出品されていて、
すでに一人が入札している。
その時点で、残り時間は19時間だった。
その人がいくらまで出す気で入札しているか
分からないが、勝負する気にはなれなかった。

なんだかんだと検索しているうちに
YouTubeで全曲聴けることを発見。

ボイス&リズム〜Ohh!!!

うわぁ〜めっちゃ、懐かしい〜!

でも、CD 欲しいなと、
試しに楽天で今度は、「Ohh!!!」と
入れてみると、なんと、ヒット!
しかも 1,610円!!!
アマゾンで、同じく中古が 15,461円で
出品されているものがですぜ。

迷わず即 購入。
ラッキ〜!





2016.7.29

Marlena Shaw
LAST TOUR IN JAPAN

featuring
Chuck Rainey, David T. Walker,
Larry Nash, Harvey Mason
“Who Is This Bitch Anyway?


いよいよ、最後と宣言された
マリーナ・ショウの日本ツアー。

1975年の名盤、“Who Is This Bitch Anyway?” の
リユニオンとして、2009年にこのメンバーによる
来日が実現した。
その時は、見逃してしまったが、
翌年、再び来日してくれたので
観に行ったときのエントリーがこれ。

2010.7.26
予想以上に「ファンキーで、ゴージャスで、
リッチで、メロー」だったと書いている。
もう 6年も前になるのか、と ちょっとびっくり。

その後も、毎年のように来日していたが、
今回でマリーナ・ショウの来日は、
ラストとなるようで、
当然このリユニオンも見納めとなる。
これは行っとかなアカンで、ということで、
行ってきました。

6年前に見たときも、マリーナは杖をついて
登場した記憶があるのだが、
今回も杖をついての登場。
いや、杖は持ってはいたけど、
つかずに歩いてステージに上がり、
腰掛けると、スタッフに杖を渡した。
思っていたより、元気そう。

6年前同様、演奏がスタートしたとたんに
やられた感じ。
もう、泣きそう。
なんでしよう、これ。
予想外、そして、再び 期待以上。
2曲演奏後、マリーナとハーヴィーのトークに突入。
そう、" Street Walking' Woman" です。
ああ、英語が分からないのが悔しい。
そして、"Rose Marie (Mon Cherie)"、
ラリーとデヴィッドのソロをたっぷりフィーチャーした
”Feel Like Makin' Love" 。
続いて、
"What a Wonderful World"
"Mercy, Mercy, Mercy"
"Everyday I Have The Blues" など。
ラストは、"Loving You Was Like A Party"。
アンコールはなし。
というか、アンコールがどうのこうのと
言った後に始めたので、
「これがアンコールです」と言ったのかも。

途中、マリーナの長めの MC で、
殆んど意味分からんのやけど、どうも、
「私は無理やいうたのに、いけるいける
言われて、宮崎(シーガイアで行われた
"UMK SEAGAIA JamNight2016" )と
大阪と回ってきて、もう Too much やわぁ」
っていうようなこと(多分)言うてて、
それ聴いてても、泣けてきた。

演奏終了後、メンバーがステージから降りるのに
こんなに時間がかかるのも珍しいと思った。
お客さんが皆、彼らとの別れを
惜しんでいるのだ。
友人だって家族だって、
これが最後で二度と会えないと分かっていれば、
それは特別な時間となるだろう
このメンバーが揃うのは、最後なのだから
名残惜しいのは当然だ。

事故や病気で亡くなり、
二度と会えなくなるのも辛いものだが、
まだ生きているうちに
今生の別れを告げられるのは、
それはそれで、かなり辛く悲しいものだ。

マリーナは、今年の 9月で 74歳。
デイヴィッド・T・ウォーカーは75歳、
チャック・レイニーは76歳、
ハーヴィー・メイソンは69歳。
ラリー・ナッシュは、何歳か分からないのだけど、
大体似たような年齢だ。

超ベテランを通り越して、
まさにレジェンド達の演奏。
ステージが終了した時に聞こえた、
近くの席に座っていた客の
「さ、帰ろ。思い残すことはない」
という言葉が、とても印象的だった。


[ MEMBERS ]
マリーナ・ショウ / Marlena Shaw(Vo)
チャック・レイニー / Chuck Rainey(B)
デヴィッド・T.ウォーカー / David T. Walker(Gt)
ラリー・ナッシュ / Larry Nash(Key)
ハーヴィー・メイソン / Harvey Mason(Dr)

@ Billboard LIVE Tokyo
1st Show








2016.8.3

BOBBI BOYLE
ボビイ・ボイル


先日、時間つぶしに寄った CD ショップで、
ボビイ・ボイルというシンガーの CD を試聴した。
以前は、しょっちゅう CD屋さんで
試聴して知らない音楽を仕入れていたもんだが、
最近はもっぱらネットで試聴することが多く、
現場(実店舗)で試聴することが
すっかり減ってしまった。

さて、ボビイ・ボイル。
1960年代後半のシンガーだが、
名前さえ全く聞いたこともなかった。
試聴してみると中々良いではないか。
ジャズのコーナーに置いてあったので、
ジャズ・シンガーなのだろうが、
選曲がビートルズ、キャロル・キング、
バート・バカラックと結構ポップ。
こういうサウンドは、サロン・ジャズとか
ソフト・ロックというようだ。

1967年発表の "A DAY IN THE LIFE" と 1970年の
"SINGS" (こちらは、世界初CD化だそう)、
2枚とも試聴したのだが、全部聴くまでもなく、
数秒聴いただけで、購入決定。

A DAY IN THE LIFE


1曲目 "Up Up and Away" (フィフス・ディメンション)も
軽快で良いし、大好きな "A Day in The Life"(ビートルズ)を
ファンキーに決めているのも良い。
ボーナストラックで収録されている
"Everybody's Talkin'"(ニルソンが有名)もグッド。

SINGS


アルバム・タイトル通り、"歌って" おります。
前作 "A DAY IN THE LIFE" に比べ、
"Something"(ビートルズ)、
"I'll Never Fall In Love Again"(カーペンターズが有名)など、
しっとり聴かせる曲が多くこちらも良い。

アルバムの紹介文に
「『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』に続きよりポップに、
そしてより深化した早すぎたヴォーカル名盤が
遂に世界初CD化」とあったのだけど、
確かに今聴いても全く古臭く感じることがない。
50年近く前のアルバムなのに。
「早すぎたヴォーカル名盤」も頷ける表現だ。

上のジャケットを見ると、おばちゃんかとも
思ったのだが、内ジャケットを見てみると。



ひぇ〜、キュートなオネエチャンではないか。
ちょっとググってみたが、
現在どうしているかなどの情報は見当たらなかった。
どうも、"SINGS" が 最後のアルバムのようだ。
今、どうしてはるんやろなぁ。
生きてはったら、ええ おばあちゃんやろなぁ。





2016.8.5

Shanti's Summer Beer Party Live!!

ちょっと久しぶりな感じの SHANTI のライヴ。
前回はいつ観に行ったかなと調べてみると、
昨年10月のミューザ川崎シンフォニーホール以来だった。
昨年は、それ以外に2月(Cotton Club)、
7月(中目黒 楽屋)、9月(六本木アルフィー)と
合計4回も観に行っていたので、
ちょっと久しぶりな感じがしたけど、
1年も開いてなかった。

今回は、ギター、キーボードとのトリオ。
ギターの HANK西山 は何度も観ているけど、
キーボードの 小林岳五郎 は、初めて。
今日の会場である BAR RHODES の
店名にもなっている Fender Rhodes
(エレクトリック・ピアノ)のサウンドが
非常に心地良かった。
最前列だったので、本体スピーカーからの
音をダイレクトに感じることができた。
(スピーカまで 50〜60cm。)

SHANTI は、あい変わらず美しく、
オジさんには眩しすぎる。
曲は、"Morning In Rio"、
"Candy"、"Sunshine"、"Yuyake"、
"Saving All My Love For You"、
"Down Town" など。



[ MEMBERS ]
SHANTI (vo)
小林岳五郎 (keys)
HANK西山 (gt)

@ 渋谷 BAR RHODES
2nd Show





2016.8.12

ニッキ・パロット
Nicki Parrott


先日は、ボビイ・ボイル という女性シンガーのことを
書いたけど、今日は、ニッキ・パロットを紹介しよう。
この人のことも先日知ったばかりで、
ご本人のサイトを見て、
6月に来日していたことを知った。
知ってたら、観に行ったのになぁ。

ニッキ・パロットは、オーストラリア出身の
ベーシスト&シンガー。
ピアノやギターを演奏しながら歌う人は多いけど、
彼女はウッド・ベースを弾きながら歌う。
歌は素直な感じで聴きやすい。
ベース・ソロでユニゾンでスキャットもする。
ウッド・ベースを弾きながら歌う姿が良いねぇ。

YouTube で検索するといっぱい出てくるので
興味のある人はチェックして欲しい。

ジョニー・ナッシュの『I Can See Clearly Now』
トリオでレゲエ調で演っていたり、
同じトリオで演る『Beyond The Sea』も良い。
レスポールとも演っている(レスの90歳の誕生日?)。

最新アルバムは、カーペンターズのカヴァー集。

オーストラリア出身の女性ベーシストといえば、
タル・ウィルケンフェルドが思い浮かぶけど、
彼女も最近ベース弾きながら歌ってる。
ただの偶然でしょうが。





2016.8.16

ニコール・ヘンリー
NICOLE HENRY


コットン・クラブからは、毎年8月、
誕生月のご招待を頂いている。
今年は、ニコール・ヘンリーのライヴに行ってきた。

ニコール・ヘンリーのことは、
知らなかったのだけど、ライヴの解説のよると、
「今回のツアーは、ニコールが選び抜いた
『Feeling Good (気分の良い) 』楽曲で」
「ボサ・ノヴァの定番から極めつけの
ジャズ・ナンバーまで」とあるので、
これは良さそうだと行ってきた。

私が知らなかっただけで、
結構人気があるようで、思っていた以上に
お客さんが入っていた。

演奏・歌は、JAZZ というよりは R&B 。
まあ、JAZZ と R&B の境界なんて、
あってないようなものだけど、
いわゆる "JAZZ" という感じではなく、
ブルースや、ビル・ウィザースの曲(曲名不明)や
スティーヴィー・ワンダー(Overjoyed)の
カバーなど。
ボサノヴァというかブラジルモノは、
"Manha de Carnaval" (カーニバルの朝)
1曲のみ。

「一番好きなジャズの曲」と言って
歌ったのは、ピアノとのデュオのバラードで
聞いたことあるけど、曲名不明。

アンコールは、ナンシー・ウィルソンに
捧げると言って、ナンシーが60年代(?)に
歌ったバラード。
これも曲名不明。
あいかわらず、英語のリスニングがダメです。

歌は、正統派の黒人シンガーの流れをしっかり
受け継いでいる感じで良い。
勝手な想像だが、育ちの良い人なんだろうな。
ロングトーンも披露していたけど、
ここぞという時、もうちょっとパンチがあると、
もっと好きやなぁ。

ギターは、渋いブルーのテレキャスターで
甘いトーンを出していた。
よく見えなかったけど、たぶん、
Fender ではないようだった。

[ MEMBERS ]
Nicole Henry (vo)
Peter Wallace (p)
Aaron Lebos (g)
Eric England (b)
David Chiverton (ds)

@ Cotton Club
1st Show







2016.8.18

The Best Of Ishiyan

昨年7月8日、62歳で逝ってしもた、
ギタリストの石やん。
その石やんの2枚組ベスト盤が、
Char のプロデュースでリリースされた。
届いたばかりのその CD を聴いてみる。

ええ選曲や。
もっと入れて欲しかった曲もあるけど、
そんなこと言うてたら、2枚に収まれへんもんな。

嬉しかったのは、未発表音源の4曲。
そのうちの1曲は、2014年7月24日に観に行った、
ソー・バッド・レビューの再結成ギグの演奏。
そのライヴが、石やんを観た最後になった。
また、Char の還暦記念アルバムに石やんが
書き下ろした『ニッポンChar,Char,Char』の
石やんヴァージョンも収録。
その『ニッポンChar,Char,Char』の
レコーディング風景の動画ダウンロード権が
オマケで付いてきた。

改めて。
聴けば聴くほど、この人の音楽性は独特。
決して上手いとは言えないヴォーカル、
やっぱり大阪人やなぁと思う歌詞、
独特のタイム感のギター、
それらが変に中毒性があるねんな。

それにしても。
もう1年以上経ってしもたんやなぁ・・・。





【石やん関連エントリー】

2012.7.25
石田長生 “Kanreki" Birthday Special LIVE!!

2014.7.24
ソー・バッド・レビュー 奇跡の再結成復活ギグ

2015.7.8
石やん、死んでしもた

2015.7.16
略して「ボイス」

2016.7.25
石田長生展 ハッピネス!!


こうやって並べてみると全部7月や。
誕生日が 7月25日やったから、還暦ライヴと
先日の石田長生展は、分かるけど、
ソー・バッド・レビューの再結成ギグも、
命日も7月やねんな。





2016.8.20

上原ひろみ
The Trio Project


上原ひろみ ザ・トリオプロジェクトは、
上原ひろみ (p)、アンソニー・ジャクソン (b)、
サイモン・フィリップス (ds) の
世界最強トリオだ。

ニューアルバム「SPARK」の
ワールド・ツアー中の
その上原ひろみ ザ・トリオプロジェクト。
11月の後半からは日本ツアーで、
12月には、東京国際フォーラムで、
3日間連続のコンサートがある。

クジ運の悪い私は、チケットの抽選に、
3日とも申し込んだら、
なんと3日とも当選してしもた。
どうしようか迷ったけど、
せっかくなので、3日とも行くことにした。
彼らは、9月4日の Tokyo Jazz にも
出演予定でそのチケットも取っていたので
今年は4度観ることができると、
楽しみに思っていた。

ところが、7月の終わりごろ、
アンソニー・ジャクソンの具合が悪くて、
Blue Note New Yorkでは、急遽、
ゲストを呼んだり、ソロ・ライヴに変更したり
しているという情報が入った。

う〜ん、心配だが 12月には復帰してくれているよう
祈るしかないな、と思っていた。

一昨日、久しぶりに Tokyo Jazz のサイトを
覗いてみてビックリ!
こんなお知らせが!

9月4日(日)夜公演に出演予定の
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト
feat.アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップスの
アンソニー・ジャクソンとサイモン・フィリップスが
健康上の理由により出演できなくなりました。
ザ・トリオ・プロジェクトを楽しみにされていた
ファンの皆様にお詫び申し上げます。
代替として上原ひろみとミシェル・カミロ(ピアノ)による
共演を予定しております。


ぐぅわぁ〜!
サイモンまで具合が悪なってしもたんか!

上原の謝罪コメントもアップされている。
ショックで残念ではあるが、
一番辛いのは、誰より上原自身だろう。
ここは、彼女を応援するのがファンの勤めだ。
一日も早く、2人が回復し、
12月には3人揃って素晴らしい演奏を
聴かせてもらえるよう、祈ることにしよう。


そういうわけで、来月の Tokyo Jazz は、
2014年の Tokyo Jazz 以来2年ぶりとなる、
ミシェル・カミロと上原ひろみの
ピアノ・デュオです。
これはこれで、聴き応えのあるデュオです。





2016.8.21

パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト
PACO DE LUCIA : LA BUSQUEDA


2014年、66歳で亡くなったスペインのギタリスト、
パコ・デ・ルシアのドキュメンタリー映画を
観てきた。

スペインといえば、フラメンコ。
石を投げればギタリストに当たるというほど、
ギターを弾く人が多いらしい。
そんなスペインで パコ は、フラメンコに
革命をもたらしたと言われている人だ。

私はフラメンコには全く詳しくなく、
フラメンコ(スペイン)のギタリストと訊かれても、
パコとトマティートの2人しか名前が出ない程度だ。
(あと、数年前に日本人フラメンコ・ギタリスト、
沖仁を知ったけど。)

言ってみれば、そんな私のレベルでも、
パコの名前は知っているし、
演奏も音源や映像で聴いたことがある。

というのも、1979年に パコは、
ジョン・マクラフリン、ラリー・コリエルとの3人で、
ギター3本だけのツアーを行った。
その後、ラリーに代わって アル・ディ・メオラ が
参加した スーパー・ギター・トリオ は、
ジャズ、フュージョン・ギター好きなら、
誰もが一度は耳にしたであろう演奏なのだ。

私も若い頃、その演奏をテレビで観て、
パコのピックを使わない指弾きによる早弾きに
ブッ飛んだ覚えがあるが、
その頃は、ただテクニックに驚いただけで、
それ以上、パコの音楽を理解することはなかった。

さて、本作では、子供の頃、
ギターを初めて弾く前から、
パコが天才的な才能を持っていたことを示す
エピソードに始まり、
おそらくは中学生程度の年齢で、
アメリカのツアー(フラメンコ・ダンサーの
伴奏)に行った話、
パコが自分の音楽を始めるやいなや、
保守的なフラメンコ・ファンや評論家に
批判され、異端児扱いされた話、
売れてからのパコの苦悩、などなど、
本人や周辺の人々による貴重な証言が聞ける。

中でも、ジョン・マクラフリン、
ラリー・コリエルとのトリオでは、
パコが、ジャズ・ギタリストに
コンプレックスを持っていたというのは
驚きだった。
あんな風に弾けるギタリストは、
ジャズ界にはいなかっただろうに。

パコは、ジョンやラリーに
「どうやって、アドリブを弾けばいい?」と
真顔で質問していたというから、
これまた驚きだ。
ジョンやラリーも最初は、
冗談だと思って取り合わなかった。

「一人でもやりたいことが多くて、退屈することがない。
ギタリストは、皆いかれている」というパコの言葉は、
ギタリストという人種を言い表していると思う。
ギター弾きの端くれの私でさえ、
一人で退屈することはない。

映画のタイトルは、邦題の方には、
「灼熱のギタリスト」という副題が付いているが、
原題のスペイン語の「LA BUSQUEDA」は、
「追求」「探求」「探索」と言った意味のようだ。

監督の クーロ・サンチェスは、パコの実の息子で、
パコの音楽探求と、息子にとっての父、
パコ・デ・ルシア の人物探求と両方の意味が
あるように感じた。

ジョン・マクラフリン、ラリー・コリエル以外にも
カルロス・サンタナ、チック・コリアなども
インタビューに登場する。

演奏シーンも素晴らしく、つくづく
ああ、一度は、ライヴを体験しておくべきだった、
と思った。

パコは、2014年2月26日、滞在先のメキシコで
心臓発作により急死。
エンディングは、カット・アウトですか。


★★★★★


本作、公開の数ヶ月前に知って、
ずっと楽しみにしていた。
フラメンコ・ファンでなくとも、
ギター好きなら必見だと思っていたのだ。
7/23 (土) に公開され、すぐに観に行ったのだが、
これまた強烈な睡魔にやられ、気絶状態で、
半分ほどしか、観られなかった。
そう、本作を観るのは、今日で2回目だったのだ。

そういえば、ずいぶん前だが、
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』も
1回目は寝てしまい、2回観に行ったし、
2013年の『シュガーマン』に至っては、
2回目も爆睡し、3回観に行った。
2014年の『バックコーラスの歌姫 (ディーバ) たち』も
同様の理由で2回観に行った。

これらは、全て音楽に関するドキュメンタリー映画で、
私は、観たくてしょうがないのに、
睡魔で 起きていられない状態になるのです。
なんでやろ。
困ったもんや。
ドキュメンタリー以外の映画では、
滅多にそういうことないねんけど。

今日は、万全の状態で観に行ったので、
最初から最後まで " 覚醒 " して観たよ。


渋谷 ル・シネマで 9月2日迄上映中。
パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト 公式サイト





2016.8.23

トゥーツ・シールマンス
Toots Thielemans


訃報です。
ハーモニカ奏者の
トゥーツ・シールマンスが
8月22日、亡くなりました。
祖国ベルギーで入院中だったようです。
94歳。

彼の代表曲である、"Bluesette" は、
何度も演奏しました。
美しい曲です。

一度だけ、2005年にライヴを観ました。
その時は、82歳でした。


Toots Thielemans - Bluesette

86〜87歳でしょうか。
素晴らしいです。

合掌。





2016.8.28

JOYCE MORENO & IVAN LINS
- A Tribute to Rio by 2 Cariocas -


昨年11月24日、"Lee Ritenour & Friends" という
名義のライヴ(@ Blue Note Tokyo)で、
初めてイヴァン・リンスを観た。
その時のエントリーに
「イヴァンは、4曲だけだったけど、
もっと聴きたいと思った」と書いた。
そのイヴァンが、今年はジョイス・モレーノと
やってきた。
ギターは、一度は観たいと思っていた、
レオナルド・ アムエドだ。
これは、良い機会だと観に行ってきた。

と言っても、私はブラジル音楽に詳しくない。
ブラジルのミュージシャン、アーティストの
名前も数人しか言えない。
ジャズの人が演るボサノヴァの曲は、
少しは知っているけど、本場モンはそんなに
聴いていないのだ。
お勉強用にジョビンを軽く聴いたのと、
トニーニョ・オルタぐらいかな。
あ、2006年にジョアン・ジルベルトは、
観に行ったな。
そんな私でも、イヴァンやジョイスの
名前ぐらいは知っていた。
そして、昨年、イヴァンをリーのライヴで
初めて観たわけだ。

今日は、3日間公演の2日目。
2nd Show だったが、ほとんど満席状態で、
2人の人気の高さがわかる。

まず、イヴァンとレオナルドと2人で、
4〜5曲演っただろうか。
レオナルドがめちゃ上手い!
想像以上。
動画で見たよりも実物は、めっちゃ男前。
髪の毛を短かくして、精悍な感じ。
ギターは、Sadowsky の黒いセミホロウ。
私の持っているのと色違いのモデルだ。
私のは日本製だけど、
もしかしたらレオのは、サドウスキー本人が
作ったのかもな。

イヴァンの歌も素晴らしい。
昨年、もっと聴きたいと思ったわけだ。
なんというか、ピース&ジョイな歌声。

そして、ジョイスと他のバンド・メンバーが登場。
ジョイスは、ちょっと神秘的な、
スピリチュアルな雰囲気の人で、
歌がまた素晴らしかった。

正直に書くと、今までも少しは、
ブラジルモノを聴いてはいたけど、
それほど良さが分からなかったのね。
でも、今日は分かった。
彼らの人気の高さにも納得。
これは、ええライヴに当たったよ。
知ってる曲("Favela"とか)は、少なかったけど、
めちゃくちゃ良かった。
明日もあるので、観に行きたいぐらい。

アンコールは、"Chega De Saudade"。
ジョイスが、メジャー部分を観客に
歌わせようとしたら、
大勢の人が歌ったのには、ビックリ。
ポルトガル語やで。
"Chega De Saudade" は、
言ってみれば、ボサノヴァのスタンダードやけど、
ポルトガル語の歌詞を覚えている人が、
そんなにおるとはね。

ジョイスもイヴァンも、リオ・デ・ジャネイロ出身。
タイトルには、"A Tribute to Rio by 2 Cariocas" と
付いているが、「カリオカ」とは、
リオ・デ・ジャネイロ出身者のこと。
でもジョイスは、バンドメンバー全員を
「カリオカ」と紹介してたよ。
ピアノのエリオを、
「カリオカ、フロム・ニューヨーク」とかね。

今のところ、アマゾン(日本)でも売っていない
レオナルドの新譜(?)を売っていたので購入。

[ MEMBERS ]
Ivan Lins (vo, keys) イヴァン・リンス
Joyce Moreno (vo,g) ジョイス・モレーノ
Leonardo Amuedo (g) レオナルド・ アムエド
Helio Alves (p) エリオ・アルヴェス
Rodolfo Stroeter (b) ロドルフォ・ストロエテール
Tutty Moreno (ds) トゥチ・モレーノ


@ Blue Note Tokyo
2nd Show







2016.8.31

Cissy Houston
シシー・ヒューストン


Cissy Houston というシンガーがいる。
2012年に他界した Whitney Houston のおかんだ。

1980年代の始め頃、確か 3枚1000円のセールで、
ただ黒人というだけで選んだ LP レコードが、
Cissy の「CISSY HOUSTON」だった。
そのレコードは、私の愛聴盤になった。
Whitney がデビューする前のことだ。

この「CISSY HOUSTON」は、
CD 化されておらず、
今はレコード・プレーヤーを持っていないので、
仕方なくヘタったカセット・テープを
MP3 に変換してたまに聴いていた。

以前、同様に若い頃の愛聴盤だった Roger Voudouris の
レコードが CD 化されていることを知り、
入手したことを書いたエントリーに、
Cissy の「CISSY HOUSTON」という
1977年のアルバムを是非 CD にして欲しい、と書いた。
その時点では、まだ CD になっていなかったのだ。

私の願いが通じたのか、2013年に
CD 化(どうも UK 盤のようだ)されていたことを
発見し、その輸入盤を即、注文した。
やっと、CD で聴ける。

特に エルトン・ジョンの "Your Song" は、
数あるカヴァーの中で、私のフェイバリットだ。

あらためてミュージシャンのクレジットを見てみると、
リチャード・ティー、コーネル・デュープリー、
ジェフ・ミロノフ、スティーヴ・ジョーダン、
ウィル・リーらが参加している。

おまけに YouTube で 1977年の ライヴ映像 を発見!
アルバム収録曲の
"Make It Easy On Yourself"
"Morning Much Better"
"Tomorrow" の 3曲だ。
ええわぁ〜。







2016.9.3

15th TOKYO JAZZ FESTIVAL
JAZZ SUPREME

Sep. 3 (Sat) Evening Open 16:30 / Start 17:30


今年で15回目となる "TOKYO JAZZ FESTIVAL"。
今までに、2005年(第4回)、2007年(第6回)、
そして、2009年(第8回)からは毎年、
観に行くようになった。

ホール(2006年からは東京国際フォーラム)では、
2日にわたり、昼夜合計4公演が行われる。
今年は、今日の夜の部と
明日の昼夜両方を鑑賞することにした。
2日間どっぷりとジャズ漬けというわけだ。

まず、"JAZZ SUPREME" と名付けられれた
今日の夜の部。

目当ては、パット・メセニー&クリスチャン・マクブライド。
5月にブルーノートで観たアントニオ・サンチェスらとの
公演があまりにも素晴らしかった上、
クリスチャン・マクブライドとのデュオなんて、
そうそう観られるものではないだろうと思い、
楽しみにしていたのだが、なんと2曲目
"Gentle Rain" でまさかの激睡魔!
その後、ほとんど夢心地というか気絶状態。
アンコールでやっと目が覚めた。
全部で70分以上演ったと思うのだが、
1時間は、まともに聴けなかったということか。
なんちゅうことや。
しかし、幸いにも明後日のブルーノート単独公演も
チケットを取っているのだ〜。

パットのギターは、たぶん5月と同じだと思う。
チャーリー・クリスチャン・ ピックアップが
一発ついたフルアコ。
かなりアコースティックな音色に感じた。
ヘッドの形状は、ギブソンそのものだが、
ヘッドにチューナーを取り付けており、
そのグリップ部分が、ヘッドのロゴを
隠してしまっていて、確認ができなかった。
そのフルアコ以外にオベイションのエレ・ガット、
スチール弦のエレ・アコ(メーカー不明)を使用。
写真は、開演前のステージ上のその3本。



2番手、アロルド・ロペス・ヌッサ のことは、
知らなかったが、キューバの若手ピアニストで、
Buena Vista Social Club のボーカリスト
Omara Portuondo のツアーにも
参加していたことがあるようだ。
ピアノ・トリオだったが、いわゆるジャズっぽくなくて、
キューバだけにラテン的で時にはロックのようでもあり、
ダンサブルで、とても楽しめた。

ベースの アルネ・ワデ は、アフリカのセネガル出身。
ボディに「conbe」と書かれた5弦ベースを弾いていたが、
指がめちゃくちゃ長い。
他の2人が汗だくなのに、この人だけ
ほとんど汗をかいていなかった。
長袖着ているのに不思議なほど。

ドラムの ルイ・アドリアン・ロペス・ヌッサ は、
アロルドの弟。
確かに顔も似ている。
途中、兄貴とピアノの連弾を1曲。
ピアノの腕もかなりと見た。

聴きながら、キューバに行ってみたくなった。
このトリオなら、是非、クラブでも観たいな。

そしてトリは、ナベサダ、83歳。
7月4日にブルーノート公演を観たが、
今日も変わらず元気そうで、楽しそうに吹いていた。
"BEBOP NIGHT" ということだったが、
このメンバーは、今夜だけのようだ。
ピアノの ビリー・チャイルズ とは、
昨日、初対面だったそうな。
60分弱だっただろうか、ちょっと短い感じ。
もう少し聴きたかったな。





[ 出 演 ]
1. Pat Metheny & Christian McBride
パット・メセニー(g)
クリスチャン・マクブライド(b)

2. Harold Lopez Nussa
アロルド・ロペス・ヌッサ(p)、
ルイ・アドリアン・ロペス・ヌッサ(ds)、
アルネ・ワデ(b, vo)

3. 渡辺貞夫 BEBOP NIGHT
featuring
ウォレス・ルーニー (tp)
ビリー・チャイルズ (p)
ジェフ“テイン”ワッツ (ds)
ベン・ウィリアムス (b)

@ 東京国際フォーラム HALL A







2016.9.4

15th TOKYO JAZZ FESTIVAL
CELEBRATION

Sep. 4 (Sun) Daytime Open 11:30 / Start 12:30


TOKYO JAZZ、2日目 昼の部のテーマは、
"CELEBRATION"。
石若駿、寺久保エレナ、大林武司、粟谷巧の
10年ぶりとなるカルテット再結成、
渡辺香津美のデビュー45周年、
「セルジオ・メンデス & ブラジル’66」そして
「マシュ・ケ・ナダ」の世界的大ヒットから
50年目ということで、"CELEBRATION"。

今日は1日通し券なので、
夜の部も同じ席なのだが、
11列目の中央というええ席だった。

トップ・バッターは、
今年6月に Kurt Rosenwinkel(g)との
共演で素晴らしいドラミングを体験した
石若駿(ds)のカルテット。
そこにヒノテルが特別参加だ。

このカルテットは、10年前に結成したグループ、
「カルテット67」の再結成で、「67」というのは、
結成当時の4人の年齢の合計だという。
平均、16.75歳でっせ。
当時、石若はまだ13歳!

1曲目は、石若の "Cleanup"。
2曲目、ピアノの大林武司のオリジナルに続いて、
サックスの寺久保エレナをフューチャーして
"My Ideal"。
サックスのソロは、この曲が一番良かったが、
もうちょっと はち切れてもええと思ったな。

続いて、日野皓正の登場。
流石の存在感です。
曲は、ヒノテルの作曲による "Erena" と "Syun"。

4人とももちろん上手いのだが、
やはり、石若のドラミングが一番光っており、
24歳にして、自分のリーダーバンドで、
東京JAZZ 出演も納得の腕前だった。

そして次は、ギター・デュオでは今一番面白い、
渡辺香津美 & 沖仁。

まず、ギター2人にパーカッション2人の
4人での演奏。
パーカッショニストは、ヤヒロトモヒロ と
スペシャル・ゲストとして、
ミノ・シネル(Mino Cinelu)。
ミノ・シネルは、フランス出身で、
マイルス・デイビスやウェザー・リポートと
演っていた人。
見た目がカッコ良いです。

曲は、"Havana"、"地中海の舞踏" に続いて、
ミノ・シネルのパーカッション・ソロ。
続いて "Scarborough Fair"。

キーボード 笹路正徳、ベース 高水健司 が登場し、
6人で "Milestones"。
ラストは、"Unicorn" をルンバで。

香津美のギターは、PRS のセミアコと
カオル・ギター。
PRS の音は、ちょっとウォームすぎるかな。
Collings の方が、合ってるような気がした。

このデュオは、入れてもパーカッションまでで、
バンドで演らない方が、より面白いと思った。
やっぱり、バンドで演るとなると
決め事が増えるからだろうかね。

昼の部 最後は、初体験のセルジオ・メンデス。
私が生まれる前から、活動している
75歳のブラジルの大物。
死ぬまでに観ておきたいアーティストの一人。
代表曲「マシュ・ケ・ナダ(Mas Que Nada)」は、
誰でも聞いたことがあるだろう。
(オリジナルは、ジョルジ・ベンという人らしい。)

曲は、"Waters of March"、"She's A Carioca"、
"The Girl From Ipanema "、"The Look of Love"、
"One-Note Samba"、"Agua De Beber"、
"The Fool On The Hill" など、
ヒット・パレードのようだった。
アンコールで "Mas que Nada"。
ここでやっとお客さんが立ったけど、
ブラジルやったら1曲目から踊ってるんやろなぁ。
もう1曲アンコールがあって、その時には、
ミノ・シネルも登場し、パーカッションを叩いた。
なんか、最後には感動してしもた。

バンドは、セルジオを入れて 総勢9人。
ブラジル人ばかりではなく、
アメリカ人も数人含まれていた。
数曲でアメリカ人ラッパーが登場したが、
私としては、純粋なブラジル音楽を聴きたいので
ラッパーは余計に感じたのは、残念。


[ 出 演 ]
1. 石若駿 PROJECT 67
石若駿(ds)
粟谷巧(b)
大林武司(p)
寺久保エレナ(sax)
日野皓正(tp)

2. 渡辺香津美 & 沖仁
渡辺香津美(g)
沖仁(g)
  KW45 TOKYO JAZZ SPECIAL BAND
笹路正徳(key)
高水健司(b)
ヤヒロトモヒロ(perc)
スペシャルゲスト:ミノ・シネル(perc)

3. Sergio Mendes
セルジオ・メンデス(vo, key)
グラシーナ・レポラス(vo)
ケイティー・ハンプトン(vo)
エイチツーオー(rapper)
スコット・マヨ(key, sax, fl)
クレベール・ホルヘ(g)
アンドレ・デ・サンタナ(b)
ギビ(perc)
レオナード・コスタ(dr)

@ 東京国際フォーラム HALL A




15th TOKYO JAZZ FESTIVAL
JAZZ IS HERE

Sep. 4 (Sun) Evening Open 16:30 / Start 17:30


さて、夜の部。

トップは、「fox capture plan」という日本人
ピアノ・トリオ。
紹介文に「現代版ジャズ・ロックをコンセプトとして
結成」とあったのだが、あんまりジャズっぽくなく、
インスト・ミュージックという印象だった。
昨日はこの時間に激睡魔に襲われたが、
今日もどういうわけか、
昨日ほどではなかったけど、眠気が・・・。
そのせいもあるのかもしれないけど、
激しい演奏の割には、聴いていて
なぜか熱くなれなかった。
演奏が熱いというよりは、
音量だけが上がっているような印象で、
私にはピンと来なかった。
ベースは、ウッドのサイレントを使ってたけど、
音楽的にはエレベの方が合ってると思うな。

続いて、Kenny Barron のピアノ・トリオ。
おんなじ楽器編成でも、こんなにちゃうかと
思うほど別世界。
ケニーは、昨年6月のナベサダ以来2度目。

"Shuffle Boil"、"Bud Like" とニューアルバムから
2曲演ったあと、3曲目で
グレッチェン・パーラト(Vo)が登場。
この人の声が、また優しい。
歌入りを2曲演ったあと、
"Nightfall" という切ないバラードを。
最後にグレッチェンを交えて "Cook's Bay"。

ドラマーのジョナサン・ブレイクは、
その見かけによらず(失礼)、繊細でありながら
自由で歌心のあるプレイ。
ケニー・バロンは、音色が美しい。
ベースは、NY 在住の日本人、北川潔。

良質で上品でジェントルなジャズを
聴いたという体験だった。
今度は、クラブで聴きたい。

さて、今年の東京JAZZ、
最後は Michel Camilo × Hiromi Uehara。

当初の予定では、
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト だったのだが、
残念ながら、アンソニー・ジャクソンと
サイモン・フィリップスが健康上の理由により
キャンセルとなり、8月10日の時点で、
代替え公演の発表があった。
ザ・トリオ・プロジェクトを観たかったので、
残念ではあるが、一番辛いのは、上原本人だろう。
ミシェルとのデュオは、2014年の
東京JAZZ で観ているが、
ザ・トリオ・プロジェクトとは違う
聴き応えのあるプロジェクトだ。

ステージには、YAMAHAのピアノ2台が、
向い合わせに置かれ、見つめ合うように
演奏が始まった。

曲が始まるまでのイントロ部分は、
おそらく即興だろう。
ミシェルが語りかけると、上原が答える。
2人のフレーズが途切れなくつながると、
1人で弾いているかのように錯覚しそうだが、
注意深く耳を傾けると、
2人の音色には、微妙に違いがある。
上原のコロコロ転がるような丸い音色に比べ、
ミシェルは心もち硬い、乾いた男性的なトーンだ。
曲は、"Caravan"、"Take the A Train" など。

2人の超絶技巧で奏でられた
極上のピアノ・ミュージックは、
スタンディング・オベイションで幕を閉じた。
これ、DVD にしたらええのにな。

ミシェル・カミロは、今日のこの1時間ほどの
デュオのためだけに来日。
それはそれでスゴイことやと思う。

東京JAZZ としては、今夜は「JAZZ IS HERE」と
称して、3組のタイプの異なるピアノ・トリオを
登場させたかったんやな。

12月の東京フォーラム公演には、
アンソニーとサイモンが復活していることを祈ろう。

1日通しで鑑賞したのは、初めてだった。
もっと疲れるかと思ったけど、
あっという間に終わったし、疲れもない。
まあ、座って音楽聴いてるだけやねんから、
疲れるわけないわな。
夏の野外フェスなんかだと、陽に当たって
体力消耗するかもしれんけど、
空調の効いた屋内コンサートやからな。
考えたら、疲れるわけないやん。
こんな感じやったら、来年は出場者によっては、
2日間とも1日通しもありかな、と思ったのでした。

来年の東京JAZZは、渋谷で開催ということだが、
どのホールでやるんやろな。


[ 出 演 ]
1. fox capture plan
岸本亮(p)
カワイヒデヒロ(b)
井上司(ds)

2. Kenny Barron Trio with special guest Gretchen Parlato
ケニー・バロン(p)
グレッチェン・パーラト(vo)
北川潔(b)
ジョナサン・ブレイク(ds)

3. Michel Camilo × Hiromi Uehara
ミシェル・カミロ(p)
上原ひろみ(p)

@ 東京国際フォーラム HALL A





2016.9.7

Pat Metheny
& Christian McBride


土曜日、TOKYO JAZZ FES. で激睡魔に襲われ、
ほとんどまともに聴けなかった、
Pat Metheny & Christian McBride のデュオ。
月曜日(9月5日)は、そのブルーノート公演に
気合を入れて行ってきた。

彼らは、土曜日に TOKYO JAZZ FES. で演奏し、
日曜月曜の2日間4公演だけ、
ブルーノートに出演ということで、
当然ソールドアウトだった。
このデュオなら、1週間やったって
ソールドアウトだろう。

その2日目の 2nd Show、
つまりは最終公演を観てきたのだ。

やはり、東京国際フォーラムの A ホールの
ような大きな会場より、200〜300人クラスの
ジャズ・クラブで観る方が断然良い。
チケット代は、高くなるけど仕方がない。

ギターは、TOKYO JAZZ FES. と同じ3本。
曲は、聞いたことのある曲もあったけど、
タイトルは、"Gentle Rain" ぐらいしか言えない。
そういえば、TOKYO JAZZ FES. では、
"JAMES" を演ったのだけど、
この日は、演らなかった。

パットは、下を向いて一心にギターを弾く感じで、
演奏中、クリスチャンとアイコンタクトを
とるような場面はなかった。
あのレベルになると、顔を見合わせる必要も
ないということか。

素晴らしい演奏で、なんというか、
贅沢で特別な時間という感じだった。
ライヴ CD 出れば良いのになぁ。


[ MEMBERS ]
Pat Metheny (g)
Christian McBride (b)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show








2016.9.11

年下の男の子

数ヶ月前に買ったオムニバス CD に
原田知世が歌う "Don't Know Why" が
収録されていた。
作者の Jesse Harris とデュエットしており、
これが良い。

今まで、原田知世の歌をまともに聴いたことは
なかったが、この "Don't Know Why" の入っている
原田知世のオリジナル・アルバム『恋愛小説』
聴いてみたら、中々良いではないか。
洋楽のカヴァー・アルバムなのだが、
歌声も選曲もアレンジも良い。
プロデュース、アレンジは、伊藤ゴロー。
この人の名前、よく見かけるようになったなぁ。

それで、今年発売されたカヴァー・アルバム第2弾、
『恋愛小説2~若葉のころ』を聴いてみた。
今度は、J-POP のカヴァーだ。
10曲全部、知っている曲。

今度は、アレンジにちょっと好き嫌いが別れた。

文句なしに秀逸だと思ったのは、
キャンディーズの『年下の男の子』。
これは、ええなぁ〜。
虚を突かれたっちゅう感じ。

それから、竹内まりやの『September』や
ユーミンの『やさしさに包まれたなら』も
好きやなぁ。
このへんは、割と素直なアレンジやけど。

残念だったのは、
太田裕美の『木綿のハンカチーフ』、
山口百恵の『夢先案内人』、
松田聖子の『SWEET MEMORIES』。
特に『夢先案内人』は、好きな曲でも
あるのだが、原曲の良さが失われているように
感じ残念(個人の感想です)。

時に、やっつけ仕事のようなカヴァー・アルバムも
耳にしたことがある中では、
十分にええアルバムやと思うけど、
カヴァーというのは、原曲の良さを生かしつつ、
そこにオリジナリティを打ち出していかな
あかんから、難しいのは難しいねんな。


『恋愛小説2~若葉のころ』収録曲
01. September (竹内まりや)
02. やさしさに包まれたなら (荒井由実)
03. 秘密の花園 (松田聖子)
04. 木綿のハンカチーフ (太田裕美)
05. キャンディ (原田真二)
06. 年下の男の子 (キャンディーズ)
07. 異邦人 (久保田早紀)
08. 夏に恋する女たち (大貫妙子)
09. 夢先案内人 (山口百恵)
10. SWEET MEMORIES (松田聖子)





2016.9.12

LEE RITENOUR
リー・リトナー


もう10年以上、ほとんど毎年観に行っている
リー・リトナー。
昨年は イヴァン・リンス(vo,key)、
一昨年は 神保彰 (ds)、寺井尚子(vln)、
その前の年は 渡辺香津美(gt)と、
この3年はゲストを向かえての公演だった。

今年は、昨日、
" SIX STRING THEORY COMPETITION " と
いうことで、コンペティション を勝ち抜いた、
世界から集まった若いミュージシャンと
リーとの公演が行われ、今日から3日間は、
リー名義のリーダー・ライヴが行われる。

今日からのメンバーは、キーボードに
ベネズエラ出身のオトマロ・ルイーズ。
初めて聴く人だったが、本人のピアノの作品を
聴いてみたいと思う演奏だった。

ベースは、アドリアン・フェロー。
フランス人。
5弦ベースを2フィンガーはもちろん、
4フィンガーでも弾く。
めちゃ早い。
一部では「ジャコの再来」とまで
言われているようだ。

ドラムスは、昨年同様リーの息子、
ウェスリー・リトナー。
昨年「数曲でドラムがちょっとうるさく感じた」と
書いているけど、今回もまず1曲目で
「ドラム、やかましい!」と思ってしまった。
2曲目はそうでもなかったけど、3曲目以降も
曲によって、所々でうるさく感じた。
音量か、音色か、タイムか、なんや分からんけど、
うるさく感じた。
他のお客さんに
「ドラム、うるさくないですか?」って
聞いてみたいほど。
でも、もしバンドメンバーを含む全員が、
あのプレイをうるさいと感じるなら、
彼はきっと採用されないだろうから、
私との相性が悪いんやろな。
それにしても、今まで色んなドラマーを
聴いているけど、珍しい現象や。
来年も、ウェスリーを連れて来るんやったら、
観に行くの考えよっと思ったほどでした。

演奏曲は、”Wes Bound" "Fatback"
"Lay It Down" 等の他(曲名は言えないけど)
毎度のリーのレパートリーで、
聞いた事のないのは、1曲だけだった。

ギターは、いつもの Gibson L-5 リトナー・モデルと、
Gibson レスポール、チェリー・サンバースト。
このレスポールは、何度見ても
惚れ惚れするほど美しい。
芸術的。

70分ほどで本編を終了し、メンバーが楽屋にはけた。
通常、ブルーノートでは、アンコールがある場合、
モニターに映像は映し出されないが、
今日はスグに映像が映し出された。
あれ?今日はアンコールなし?と思ったけど、
お客さんが熱心だったので、拍手は鳴り止まず、
指笛も結構 鳴っていたこともあってか、
再度登場し1曲アンコール演奏があった。


[ MEMBERS ]
Lee Ritenour / リー・リトナー (g)
Otmaro Ruiz / オトマロ・ルイーズ (p,key)
Hadrien Feraud / アドリアン・フェロー (b)
Wesley Ritenour/ ウェスリー・リトナー (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show




(2016.9.18 追記)
Blue Note のサイトに セットリストが
発表された。

2016 9.12 MON. 2nd Show Set List
1. THE VILLAGE
2. WALTZ FOR CARMEN
3. WES BOUND
4. IMPROVISATION
5. STONE FLOWER
6. OOH YEAH
7. LAY IT DOWN
EC. A LITTLE BIT OF THIS

私が書いた "Fatback" がない。
私の思い違いか。





2016.9.14

昭和歌謡ブーム

先日、原田知世がカヴァーしたキャンディーズの
『年下の男の子』が素晴らしいと書いた。
2〜3日前、テレビの朝のワイドショーでやっていたのだが
この頃は、「昭和歌謡ブーム」らしい。
若者や子供が昭和歌謡を聴いているというのだ。
その理由が、「今時の歌より歌詞が伝わってくる」
「メロディが歌いやすい」「癒される」などと色々だ。
『いい日旅立ち』(山口百恵)や
『上を向いて歩こう』(坂本久)などのように
タイトルは明るいのに曲調には、哀愁があるというのも
最近の曲にはない要素かもしれない、と
興味深いコメントもあった。
今では、昭和歌謡専門のCD・レコード店まで
出現したようだ。

私は、1996年から99年までの3年数ヶ月、
日本の懐メロを専門に流すバーで働いた。
そこでは、本格的なオーディオ・スピーカーで
70年代80年代の歌謡曲、フォーク、
ニューミュージック、日本のロックを
中心に流していた。

オープンからしばらくはヒマだったが、
急に爆発的に売上が増えた。
最初の5ヶ月月間は、目標売上額の300万円に
届くことがなかったのだが、
6ヶ月目で突然、450万円を超えたのだ。

商売というのは、徐々に成功するのではなく、
ある時点で突破(Breakthrough)するのだということを
身を持って知った体験だった。

閑話休題。
その懐メロ・バー(店名もナッツ・バーだった)では、
客席で、イントロ当てクイズで盛り上がる
光景が良く見られた。
客の世代的にも特に「ザ・ベスト10」や
「夜のヒットスタジオ」で聴きなれた、
1980年前後のヒット曲が特に盛り上がっていた。

私は、日本の音楽も聴いていたけど、
どちらかというと洋楽派で歌謡曲、
それも特にアイドル物は、どこかで
音楽的にバカにしていた時代があったのだが、
この懐メロバー時代に改めて、
歌謡曲をじっくりと聴き直し、
その認識を改めることになった。

カッコ良いのである。
キャンディーズだって、山口百恵だって、
松田聖子だって、すごく良くできていて、
メロディもアレンジも素晴らしいということに、
気が付いたのだった。

そして、1984〜85年ぐらいを境に日本の
歌謡曲は、ちょっとつまらなくなる。
それは、技術の進歩の表れでもあるのだが、
いわゆる「打ち込み」という、
機械にドラムのパターンをプログラムする
手法の始まりとともに、
歌謡曲は、面白くなくなった。
というのが、私の自論なのだがどうだろう。

現代の「打ち込み」は、それはそれで、
音楽的な表現もできるようになったが、
当時は人間味のない、味気ない演奏に
なることを否めなかった。
でも、生身のドラマーに叩かせるより、
機械でやってしまった方が、
大幅に予算の節約になることと、
やはり、そういう世界の人たちは、
新しいテクノロジーを使いたいということも
打ち込みが多かった理由ではないだろうか。

今、ブームとなっている昭和歌謡は、
その歌謡曲が面白くなくなる前の、
黄金時代の歌謡曲なのではないかと
勝手な分析をしている。
それらは、おそらく、J-ポップスの
クラシックとなっていくのだろう。





2016.9.16

上田正樹 と 山岸潤史

めっちゃくちゃ久しぶりに
高円寺の ジロキチ に行ってきた。
ジロキチは、40年以上の歴史のある
ライヴハウスだ。

今日は、キー坊(上田正樹)と山岸さんのライヴ。
この共演を観るのは、昨年7月22日の
「有山岸 feat.上田正樹」以来。

大好きなギタリストと大好きなシンガーの
共演なので、悪かろうはずがないが、
やっぱり良かったなぁ。

2〜3曲、山岸さん抜きの4人で演った後、
山岸さんの登場。
Parliament-Funkadelic のTシャツに
ギターは Xotic の白いテレキャスター・タイプ。

"In the Midnight Hour"(Wilson Pickett)、
"Take These Chains From My Heart"
(Ray Charles)、
"Soul Shadows"(Joe Sample)、
"I'm So Glad I'm Standing Here Today"
(Joe Sample)、
" My Old Kentucky Home"、
"I've Been Working on the Railroad"、
"River Side Blues" などの他、
キー坊のオリジナルも数曲。

特に "I'm So Glad I'm Standing Here Today" は、
素晴らしかった。
途中でキー坊が構成を間違ったらしく、
バタバタする場面があったのだが、
それもライヴならではだし、
そんなことを含めても、
本日のベスト・テイクだった。

山岸さんのジョー・サンプルの思い出話や、
レイ・チャールズがリハーサルの時に
演奏を止めて、ギターの3弦の
チューニングが狂っていることを指摘した話、
"Take These Chains From My Heart" が、
『愛さずにはいられない』に続いて
『泣かずにはいられない』という邦題だっという
話など、いつまでも聞いていたいような
音楽よもやま話と演奏、そんなライヴだった。

山岸さんのギター・ソロは、
唸らされるほどの素晴らしさだったし、
ピアノの羽仁さん(ライヴを観るのは3年ぶり)の
ブルースも素晴らしかった。

そして、この5年ほどは、毎年キー坊の歌を
ナマで聴いているが、この人の歌は、
やっぱり、ナマで聴かなあかんと
あらためて思ったのだった。

満席で立ち見もいたけど、
ギリギリ席が取れて座って観ることができた。
珍しく休憩なしの1ステージというのも
良かった。
アンコールを含めて、2時間あまり。

山岸さんは、ニューオリンズ在住なので、
そうちょくちょくは演れないだろうけど、
また演って欲しい。


[ MEMBERS ]
上田正樹(vo)
山岸潤史(g)
樋沢達彦(b)
羽仁知治(key)
Yoshie.N(cho,vo)

@ JIROKICHI(高円寺)







2016.9.18

MARCUS MILLER
マーカス・ミラー


1年7ヶ月ぶりのマーカス・ミラー。
今回は、昨日、横浜赤レンガ倉庫の
野外ステージで行われた
"Blue Note JAZZ FESTIVAL" への
出演がメインだったようで、
クラブ公演は、今日の2ステージのみ。
どうも東京以外の公演はないようだ。

"Blue Note JAZZ FESTIVAL" は、
マーカス以外、ジョージ・ベンソン、
アース・ウィンド&ファイアーも
出演していたのだが、
S席が 26,000円とちょっとお高いので、
どうしたもんかと思っていたが、
マーカスのクラブ公演が発表されたので、
FES の方は、今年は見送ることにした。

一夜だけということで、当然ソールド・アウト。
満員のお客さんだった。

1曲目は、"Run For Cover" でご機嫌にスタート。
最新アルバムから、"Hylife"、"B's River"、
"Papa was A Rolling Stone" と続く。
その次の曲は、マーカスがバスクラを
吹いたので、"Preacher's Kid" だったかも
しれないけど、ちょっと自信がない。
本編ラストは、"Blast" で大盛り上り。

アンコールは、大サービスの2曲。
"Tutu"、そして "Come Together"。

2ndステージということもあってか、
2時間近いステージで、たっぷり堪能できた。

ええライヴやったなぁ。
バンドは、サックスのアレックス以外、
新しいメンバーやったけど、
このメンバーが全員良かった。
ドラムのアレックス・ベイリーも良かったし、
トランペットのマーキス・ヒルは、
メロディアスなソロを吹く人でグッド。
このメンバーで、ライヴ・アルバムを
出して欲しいと思ったね。

アンコールで、もう一人キーボードが入った。
マーカスが、なんとかのキーボードと
紹介したけど、聞き取れず。
今日のマーカスの MC は、
全体的に聞きやすく、
かなり聞き取れたんやけど。

終演後のステージのベース。



一番右は、"B's River" で使ったゲンブリという
北アフリカの弦楽器。

マーカス、あい変わらず カッコ良いです。
「See You Soon」と言っていたので、
またの来日をお待ちしてまっせ。


[ MEMBERS ]
Marcus Miller / マーカス・ミラー (b,bcl,vo)
Alex Han / アレックス・ハン (sax)
Marquis Hill / マーキス・ヒル (tp)
Alex Bailey / アレックス・ベイリー (ds)
Caleb McCampbell / カレブ・マッキャンベル (key)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show








2016.9.21

小曽根真ワークショップ
「自分で見つける音楽 Vol.4」


一昨年昨年に続き3回目の
小曽根真ワークショップ
「自分で見つける音楽」。

毎回、安いチケット代(¥1500)で
大変貴重な興味深いお話を聴ける機会だ。
この安いチケット代の意味は、
もしかしたら、
若いミュージシャンのためであって、
50過ぎたおっさんのためでは
ないのかもしれない、と思ったけど、
子供や学生らしき若者より、
おっさんやおばちゃんが圧倒的に多かった。

毎回、楽しいトークと目からウロコな
貴重な話が、お値打ちなこのイベント。
昨年、一昨年と同じ話が出てきても、
私の理解のレベルが深まっているのか、
以前は分かっていなかったのか、
いずれにしろ、ますます興味深い。

今日は、リハーモナイズや、
リズムの取り方などのデモンストレーションを
交えながら、おそらく楽器を演奏しない人でも
興味深く聴ける話だったのではないかと思う。

中でも、後半の質疑応答で、
ピアノを弾くというお客さんの
「綺麗な音で弾きたいのに弾けない。
どうしたら良いですか」という質問の
回答が素晴らしかった。

そのお客さん(若い女性)をステージに上げ、
小曽根さんが「なんでもいいから弾いてごらん」と
言うと彼女は、『アメイジング・グレイス』を
弾き始めた。
4小節ほどで演奏を止めた小曽根さん。
「どんな音で弾きたいか、イメージがあった?」
彼女は「ないです」と答えた。
小曽根さんは、
「弾きたい音をイメージして、
この辺(ピアノのハンマーと弦の辺り)を
見ながら、鳴っている音をよく聴いて
右手だけで弾いてごらん」と言った。

ひと呼吸おいた彼女が、
弾き始めた音を聴いて、
ぶったまげた。
とても、同じ人が、同じ楽器で弾いた
演奏とは思えないほど、"音楽的" に
豊かになっているのだ。
誰が聴いても分かるレベルで。
これには、会場から拍手が沸き起こった。

たった、あれだけのアドバイスで、
こんなにも演奏が変わるものなのか。

続いて、低音部の左手。
「左手の音のイメージは、
オーケストラで言うと、チェロなどの弦?
それともトロンボーンやユーフォニウムのような
金管楽器?」と小曽根さん。
彼女が「金管楽器です」と答えると、
「じゃあ、そのイメージで、弾いてみてください」

今度の左手も、素晴らしい。
ところが、3小節目で彼女がミスった。
ミスった途端、その素晴らしい音色が
消えた。
間違ったことで、イメージを失ったためだ。
これもまた興味深い。

最後に、右手と左手、
合わせての演奏。

う〜む。
最初に弾いたのとは別人の演奏だ。

自分が出したい音のイメージがあるのと
ないのとで、こんなにも違うものなのか。
「思い」とか「意図」といった、
技術と関係なさそうなところで、
こんなにも表現に違いが出るとはね。

もちろん、「気持ちを込めて」とか
演奏時に言うけれど、
あらためて「思い」の表現力を
目の当たりにした体験だった。
何十年も楽器を演奏していながら、
今更やけど。

ピアノ演奏は、3曲。
最後に演った "Where do we go from here" が
特に素晴らしかった。





@ 東京文化会館 小ホール





2016.9.23

Q U E E N
+ Adam Lambert


1979年以来、37年ぶりの QUEEN のコンサート。
今年は、フレディ・マーキュリー生誕70年、
没後25年となる年。
そして、武道館公演は、31年ぶりらしい。

フレディの死後、QUEEN は終わったと
思っていたのだけれど、
アダム・ランバートの歌を YouTube で聴いて、
今日のコンサートに行くことにしたのだった。
武道館3日間公演の最終日だ。



オリジナルメンバー、
ブライアン・メイ(Gt)(69歳)と
ロジャー・テイラー(Drs)(67歳)の
2人に加えて、アダム・ランバート(Vo)(34歳)。
そして、サポートにベース、キーボード、
パーカッション&ドラムの3人。
このパーカッション&ドラムは、
ロジャー・テイラーの息子、
ルーファス・タイガー・テイラー。
親子ドラム・バトルもあった。

席は、2階ほぼ正面の
前から4列目というめちゃええ席。
ステージ中央が客席に出っ張っているため
先端まで来るとかなり近くに感じた。
おまけにステージ左右と中央に
モニターがあるおかげで、
オペラグラスは不要だった。

始まってしばらくは、アダムの歌に圧倒され、
まるでクィーンの2人が、
アダムのバックバンドを演っているかのように
錯覚しそうな瞬間があったほど。
アダムは、期待通りに素晴らしいシンガーだった。

本人は、「クィーンと演れて、
アイドルのフレディの歌を唄えて幸せ」
というようなことを言っていたけど、
このコラボは奇跡やなと思った。

そして、物凄くエンタテイメントなショー。
レコード通りに演奏するのではなく、
曲が、ドラマチックにアレンジされている。
これは、ライヴならでは。

特にアダムは、お客さんを楽しませることに
徹底しているように感じた。
帽子を変えたり、メガネを変えたり、
衣装を変えたり、見た目も楽しませるだけでなく、
お茶目な面を見せたり、
小道具を使った演出もあって、
飽きさせない。
そして、何より、声、歌がスゴイ。
ほんで、「華」がある。
ある種のカリスマ性とも言える。
声は、フレディより凄いんちゃうかな。
比べる必要ないねんけど。

途中、ブライアンの弾き語りコーナーや、
ロジャーのソロ・コーナーもあって
盛りだくさん。
曲によっては、フレディ・マーキュリーの
映像が映し出され、生演奏とフレディの
ビデオが共演するという演出もあった。

アンコールを入れて、130分ほど。
終わって会場を出るときに、あちこちから
「良かったぁ〜」という声が聞こえた。

私は、Queen のことをずっと好きで
追いかけてきたわけではないのだが、
本当に大好きなファンがいっぱい来ていて、
めちゃくちゃファンに愛されているんやな
ということを実感したコンサートだった。

早速、セットリストがネットに
アップされていたので、記しておこう。

1. Seven Seas of Rhye
2. Hammer to Fall
3. Stone Cold Crazy
4. Fat Bottomed Girls
5. Don't Stop Me Now
6. Killer Queen
7. Somebody to Love
8. Love of My Life
(Acoustic; Brian May on vocals)
9. Teo Torriatte (Let Us Cling Together)
(Acoustic; Brian May on vocals)
10. These Are the Days of Our Lives
(Roger Taylor on vocals)
11. Drum Battle
(Roger Taylor vs. Rufus Taylor)
12. Under Pressure
13. Crazy Little Thing Called Love
14. Another One Bites the Dust
15. I Want It All
16. Who Wants to Live Forever
17. Guitar Solo
18. Last Horizon
19. Tie Your Mother Down
20. I Want to Break Free
21. I Was Born to Love You
22. Bohemian Rhapsody
23. Radio Ga Ga
Encore:
24. We Will Rock You
25. We Are the Champions
God Save the Queen (Tape)

最後に金の紙吹雪が舞い、
感動的に幕を閉じた。

ブライアンのギターは、もちろん、
あのブライアン・メイ・モデルで、
途中色違い(濃いグリーンに見えた)も登場。
弾き語りコーナーでは、ギルド(?)の
12弦のエレアコ。
"Crazy Little Thing Called Love" では、
変わった形のエレアコ(?)を使用。

今日は、武道館の12回目だったらしい。
ブライアンが日本語で
「ジューニカイメ」って言うてた。



開演直前


[ MEMBERS ]
Brian May (Gt, Vo)
Roger Taylor (Drs, Vo)
Adam Lambert (Vo)
Spike Edney (Key)
Neil Fairclough (B)
Rufus Tiger Taylor (Perc, Drs)
(Key と B は多分です。)

@ 日本武道館


何度観ても素晴らしい。

Queen + Adam Lambert - Somebody To Love

関連エントリー(2016.6.28)





2016.9.25

ザ・ビートルズ
EIGHT DAYS A WEEK
The Touring Years


予告編を観た時から、
これは、マストやなと思っていた
ビートルズのドキュメンタリー映画。

まず驚いたのは、映像と音声の良さ。
現代のテクノロジーを駆使してのことだろうが、
半世紀以上前のものである。

新しく撮られたポールやリンゴの
インタビューとジョンやジョージの
古いインタビューが続けて出てきても、
何ら遜色がない。

本作は、タイトルに「ツアー・イヤーズ」と
あるように1963年から1966年までの
ビートルズが巨大になっていく
ツアーの日々を中心に描かれている。

当時、今のような音響システムがなかった時代に
世界で初めて野球場でコンサートを
行ったのがビートルズであったこと。
米国南部の黒人差別がまだまだ強かった時代、
黒人席と白人席を分けるなら、
コンサートをやらないと宣言し、
そのシステムを撤廃させたこと。
ジョンが「ビートルズはキリストより有名」と
発言したことで、アメリカでは、
ビートルズのボイコット運動が起こり、
コンサート会場に爆弾を仕掛けたと
脅迫事件まで起きたこと。
などなど、知らなかったエピソードが
満載で、あっという間に時間が過ぎた。

日本では50年前の1966年に武道館で
コンサートが行われた。
武道館は武道のための神聖な場所であるから、
不良の音楽(?)を演るなんて、
冒涜だと問題になったというのは、
以前に何かで読んで知っていたけど、
コンサートを中止させようと右翼が
街頭演説を行っていたことまでは知らなかった。
この時は、もの凄い警備をしたようで、
それは映画の中でも当時、
メンバーが警備に驚いて発言している。

コンサートをしても、ファンは絶叫するばかりで、
音楽を聴こうとしない状況に疑問を持ち始めたこと、
また、警備の厳しさのあまりコンサートが終わると
ステージ袖から装甲車に乗せられるなど、
そんな状況に疑問を持ち始めた彼らは、
1966年8月29日のサンフランシスコ公演
(キャンドルスティック・パーク)を
最後にライヴ活動をやめる。
その後は、レコーディングに専念するのだ。

映画は、そのあと一度だけ行われたライヴ、
1969年1月30日のアップル・ビル屋上の
"Don't Let Me Down" まで収録されている。

インタビューに登場するのは、
メンバー4人の他、エルヴィス・コステロ、
シガニー・ウィ−ヴァー、
ウーピー・ゴールドバーグなど。
日本人は、武道館公演の写真を撮った浅井慎平。

映画は、あっという間に終わった感じがしたが、
あとでチェックすると 109分もあった。
エンドロールまであり一旦終わったあと、
続けて、1965年の NY シェイ・スタジアムの
コンサートの映像(31分)が始まった。

近くの席のおっさんが、ドキュメンタリーの
エンドロールが始まると席を立ったので、
コンサート映像は、観ずに帰った。
いや、エンドロールの途中にも
1963年(64年やったかな?)の
クリスマスのファンへのメッセージが
流れたので、おっさんはそれも見逃したわけだ。
映画は、絶対エンドロールが終わり、
場内の照明が点くまで席を立ってはいかんのだ。
(私も過去におまけ映像を見逃したことがある。)

話を戻そう。
そのコンサートが、世界初のスタジアム・ロック・
コンサートで、前座を入れて 50分だったらしい。
その時の模様をリマスターしてあるのだが、
どうやったら、こんなに聞こえるのだろうと
思うほどの音声。
まともな録音ではなかっただろうし、
とにかく観客の歓声がえげつなのだ。
パンフレットには、音楽プロデューサーの
ジャイルズ・マーティン(ジョージ・マーティンの
息子)の「正直に言ってしまうと、
当時のライブ会場にいて聴くよりも、この映画で
聴いたほうがちゃんと聞こえるというような
レベルまでたどりついてしまったと思う」
という言葉がある。
テクノロジーの進歩と、それを駆使する
人たちのおかげで、51年も前のコンサートを
クリアに観ることができたのだった。

そして、日本版は、日本公演関連の映像が
長めに収録されているらしい。

途中、ビートルズの偉大さを語るのに
モーツァルトを引き合いに出す場面があるが、
本作を観てあらためて、彼らは世界を変えたと
再認識したのだった。

監督は、『アポロ13』、
アカデミー賞最優秀監督賞受賞の
『ビューティフル・マインド』
『ダ・ヴィンチ・コード』
『ラッシュ/プライドと友情』
などのロン・ハワード。

映画は、実質1966年までを描いているが、
ぜひ、その後のドキュメンタリーも
作って欲しいな。

本作を観て、
ビートルズのアルバムを1枚目から全部、
ゆっくり聴き直そうと思った。
映画も もう1回観たい。


THE BEATLES: EIGHT DAYS A WEEK


★★★★★





2016.10.2

ベーシスト変更 と チケット抽選

アンソニー・ジャクソン (b)、
サイモン・フィリップス (ds) 2人の
健康上の理由により9月4日の「東京JAZZ」は、
「上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト」から
「上原ひろみ × ミシェル・カミロ」の
ピアノ・デュオにプログラムの変更があった。
(関連エントリー 2016.8.20

上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクトの
12月の東京国際フォーラム3日間公演は、
くじ運が悪いからと3日とも
先行抽選に申し込んだところ、
なんと3日とも当選した。

3人が揃っての演奏を聴けることを
祈っていたのだが、残念ながら、
「ベーシスト変更」のお知らせ
発表された。

「上原ひろみとサイモン・フィリップスの両氏が
話し合った結果、当面は新たなベーシストを
迎えてツアーを継続」とあるので、
あくまでもピンチ・ヒッターということなのだが、
アンソニーの具合は、どんな風なんだろうか。

新たなベーシストというのは、
アドリアン・フェロー。
名前を見てすぐには思い出せなかったけど、
9月のリー・リトナーのブルー・ノート公演
ベースを弾いていたフランス人だ。
「ジャコの再来」とまで言われた人で、
もちろん実力には不足はない。
上原とサイモンが選んだのだから、
きっと、素晴らしい演奏になるだろう。

そのお知らせには、
「日本ツアー ベーシスト変更のお知らせ」とある。
日本ツアーは、11月に入ってからだが、
その前にヨーロッパや米国での公演もある。
それらは、どうなるんだろうと
チェックしていたら、上原の Facebook に、
2016/10/13 ~ 2016/11/5 Bassist: Jimmy Johnson
2016/11/7 ~ 2016/12/18 Bassist: Hadrien Feraud

とあった。
ジミー・ジョンソンだ。
う〜む、できれば両方観てみたい。

さて、12月の東京国際フォーラム3日間公演だが、
7月の終わり頃には抽選結果が発表され、
ようやく先日、発券できるようになった。

発券してみて驚いたのは、3日間のうち
1日目の座席。
なんと最前列のど真ん中!

以前、「東京JAZZ」でも最前列で
このトリオを観たことあったけど、
再びこの幸運に恵まれるとはね。
(くじ運が上向いてきたのかしら)
と、思ったけど、先日あった
山下達郎の抽選には外れた。
たぶん、20回目くらいかな。
ちょっと前に吉田拓郎の抽選も
2回続けて外れた。

3日間のうち、1日は最前列で、
残りの2日も13列目、14列目と
悪くない席だ。
東京国際フォーラムのAホールは、
21列目までが、前方のブロックなので
その中に入っていれば、まあ良い席なのだ。
(座席表)

ところで、先日、1月のジェフ・ベックの
チケットの発売があり、やはり先行抽選に
申込み当選した。
今日、そのチケットが届いてガッカリした。

同じ東京国際フォーラムのAホールなのだが、
43列目である。
後ろから6列目。
これは、ステージ横にモニターがなければ、
ステージ上の人物は、小さくて
なんやよう分からんなぁというレベルだ。

先行抽選は、「全対象席から無作為に席を選ぶもので、
良い席を確保するものではない」という内容の
注意書きがあり、それを承知で申し込んだのだが、
一般発売よりも手数料が高いのだ。
特別販売手数料というのが 812円、
コンビニ発券なら、かかったとしても 108円か
216円なのに、郵送しか選べないので、
この郵送料に 617円。
もちろん、それも承知で申し込んだのだが、
何となく釈然としない。

私が申し込み当選した、先行抽選のあと、
一般発売が始まったわけだが、
今日現在、その公演チケットは、
まだ売られており、つまりは、
まだ売られているチケットの中に、
私の席より良い席が含まれているのではないか
と思うのだな。
一般発売が始まって少し時間が経つので、
厳密には、良い席はかなり売れてしまって
残っているのは、あんまり良い席では
ないかもしれないけど。

一般発売より、高い手数料を払って、
買おうというファンには、もうちょっと
ええ席を振り当ててくれてもええんちゃうの?
と思うのだが、どうだろう。
それに最前列と43列目が同じ料金というのは、
あまりにも不公平ではないか。
これはずっと前から言われていることやけど。
関係者さん、なんかええ方法考えてくださいな。





2016.10.5

Norah Jones
Day Breaks


ノラ・ジョーンズの新作が届いた。
歌声がいく分、太くなった気がする。
そうか、アルバム『Come away with me』で
デビューしたのが 2002年、22歳だったノラも
37歳、2児の母親になったのだもの、
多少声に貫禄が現れたっておかしくない。

デビュー作『Come away with me』は、
確かタワーレコードかどこかで
視聴して買った。
たぶん、発売されてすぐだったんだろう。
まだ名前も知らなかった覚えがある。
その後、あれよあれよという間に
このアルバムは、日本でも大ヒットした。

それからもアルバムが出ると、
一応はチェックしてきたのだけど、
デビュー作ほど聴いたアルバムはなかった。

さて、4年ぶりのオリジナルアルバム。
CD の帯には、
「ノラ・ジョーンズがまた、ジャズに帰ってくる」
とあるが、私には本作も いわゆるジャズという
印象はない。
「本作も」と書いたのは、
『Come away with me』だって、
そんなにジャズな印象ではなかったからだ。
とはいうものの、新作には
ウェイン・ショーターやジョン・パティトゥッチも
参加していて、曲によってはジャズの匂いが
ぷんぷんしているが。

そもそも彼女の音楽は、
「ジャズ+ポップス+カントリー+フォーク+R&B」。
ノラ流のごちゃ混ぜ音楽、
ノラ・ジョーンズというジャンルなのだと思う。
なので、ジャズに聞こえたり、カントリーに聞こえたり、
ポップスに聞こえたりするのは、 それで正解なのだ。

新作は、どこか懐かしくて、安心して身を委ねられる、
そんなアルバムだ。
これからの秋の夜長の必聴盤になりそう。

日本盤には、ボーナス・トラックで
最近のライヴ音源が4曲収録。
ラストは、"Don't Know Why"。

来年4月には、来日公演もあるようだ。
2005年の東京公演には行ったのだが、
会場が東京国際フォーラムのAホールだった。
私が思うに、ノラの音楽は5千人の会場で
聴くタイプではない。
もっと小さなハコで、じっくり、たっぷり
聴きたいのだが、無理やろなぁ。







2016.10.7

SHANTI x VOCI ANGELICA TRIO

今夜は、3ヶ月ぶりの SHANTI。
いつもとちょっと違う感じで。

「VOCI ANGELICA TRIO」という
アメリカはボストンを中心に活動しているらしい
トリオとの共演だった。
「VOCI ANGELICA TRIO」については、
全く知らなかったが、
「フォルクローレ」というキーワードがあった。
「フォルクローレ」というのは、
南米の民族音楽や大衆音楽を指す。
なので、SHANTI が、
「コンドルは飛んで行く」でも
歌うのかなと思っていた。

ライヴが始まってみると、
1部は VOCI ANGELICA TRIO のライヴに
SHANTI が数曲ゲスト参加し、
2部は SHANTI のライヴに 数曲
VOCI ANGELICA TRIO が参加するという、
いわばタイバンのライヴだった。

まずは、VOCI ANGELICA TRIO。
「フォルクローレ」なので、
南米の音楽と思っていたら、
1曲目が始まると、何やら中近東っぽい。
終わってみると、シリアの曲だという。
続いて、日本の『さくら』。
そのほか、メキシコ、アイルランド(ダニーボーイ)、
ベネズエラ、カナダなど世界中の音楽を駆け巡る。
そう、世界の音楽を美しいハーモニーで
紹介するトリオで、特にフォルクローレに
限ったグループでは なかったのだった。

トリオは、女声ヴォーカル2人とチェロという編成。
ヴォーカル2人は、曲によって
パーカッション、ピアノ、アコーディオン(みたいな楽器、
バンドネオンとも違う)も演奏する。
SHANTI が参加すると 女声が3声になり、
とてもリッチなハーモニーになる。
そこにチェロの男性もハモると4声だ。

チェロのアリステイデスは、
ベネズエラ出身。
女性の一人、ミーナは日本語を話したので
ビックリしたが、SHANTI とは、
高校時代からの付き合いだというので、
日本に住んでいたこともあるのだろう。
どこの国の人か分からなかったけど。
もう一人、ジョディ は、見た感じアメリカ人かな。
そんな3人のが世界中の音楽を奏で唄うのだ。
2013年の Japan Tour の映像が
YouTube にあったので興味のある方は、
観て欲しい。→ これ。


2部のSHANTI。
今日は、ギターの HANK西山 とデュオ。
この人は、観るたびに顔つきが違うというか、
色んな顔を持っているので、
街で見かけても SHANTI と気付かないかもと
思うほどだ。
曲は "Love matters "、"Yuyake"、
"Sunshine" など。
"そして僕は途方に暮れる(英語版)" が
良かったな。

アンコールでは、来年公開の映画(タイトル失念)の
エンディングテーマになったという曲を披露。
ライヴで演るのは、今日が初とのことで
ワールドプレミアでした。


[ MEMBERS ]
SHANTI (Vo)
HANK西山 (G)
Meena Malik (Vo.Perc)
Aristides Rivaz (Cello)
Jodi Hitzhusen (Vo.P)

@ 楽屋(中目黒)





2016.10.9

MARI KANEKO 60th BIRTHDAY LIVE
金子な理由


2014年12月1日、下北沢の GARDEN で
行われた金子マリの還暦ライブの DVD。
金子マリ関連の濃いミュージシャンが
数多く出演しとります。

このライヴの7ヶ月後、急逝してしもた
石やんも出演している。
これが公式に残っている最後の
映像かもしれない。
「10年後、また皆が集まるライヴが
出来たらと思います。その時は、
欠席の人もいると思いますが」という
石やんのコメントが収録されてるけど、
言うてる本人が一番に欠席決めて
しもたらあかんやんか。

さて、金子マリ、還暦ライヴである。
当日 観に行った人のブログを読んだが、
4時間ほどのライヴであったようで、
全曲がこの DVD に収録されたわけではないが、
十分に満足のいく見応えのある DVD だった。

私は、1983年にマリの『MARI FIRST』という
LPレコードを買っていて、その中で Char と
演っている数曲が大好きなのだが、
その中から ”Don't Cry My Baby" と
"Street Information" が歌われているのは
嬉しい。
同アルバムからは、Char とのデュオで
"Honey" も演奏。

そのほか、石やん、カルメン・マキとの
"アフリカの月"、小坂忠の "機関車" など
渋い曲が収録されております。

息子達との共演も見どころ。
アンコールの "ありがとう" は、
長男・金子ノブアキ (Drs)
次男・KenKen (B)、そして、Char (Gt) と
JESSE (Vo, Charの息子) という
金子家 & 竹中家 混合バンドで、
これには ちょっと感動。
この曲、マリの別れたダンナ、
ジョニー吉長の曲で、好きな曲だ。
ジョニーは、2012年に他界してしまったけど。

次男、KenKen がムッシュかまやつと
組んでいるバンド “LIFE IS GROOVE”。
そのギターの 山岸竜之介 も登場するが、
なんとこの時、15歳!
考えられないプレイです。



[ 収録曲 ]
1. Compared To What
2. On Your Mark
3. Give Get Peace
4. 抱きしめよう
5. みんなの願いはただひとつ
6. 恋はねずみ色
7. Dear Mr.Optimist
8. 青い空
9. ゴロワーズを吸ったことがあるかい?
10. そのままでいいよ
11. アフリカの月
12. Happiness
13. Taxi Driver
14. Honey
15. A Change Is Gonna Come
16. 機関車
17. 時代
18. セレナーデ
19. 最後の本音
20. アスベスト
21. Don't Cry My Baby
22. ドカドカうるさい R&R Band
23. Street Information
24. ありがとう

[ MEMBERS ]
金子マリ (Vo)
小川美潮 (Vo)
カルメン・マキ (Vo)
小坂忠 (Vo)
JESSE (Vo)
有山じゅんじ (Vo, Gt)
石田長生 (Vo, Gt)
Char (Vo, Gt)
高田エージ (Vo, Gt)
久米ジュンヤ (Gt)
仲井戸”CHABO”麗市 (Gt)
渋谷毅 (Pf)
金子ノブアキ (Drs)
DUTCH (Drs)
“5th element will”
北京一 (Vo)
大西真 (B)
石井為人 (Key)
松本照夫 (Drs)
窪田晴男 (Gt)
“Ban Ban Bazar”
福島康之 (Vo, Gt)
黒川修 (B)
“LIFE IS GROOVE”
KenKen (Vo, B)
ムッシュかまやつ (Vo, Gt)
山岸竜之介 (Gt)
“BUX BUNNY“
永井充男 (Gt)
鳴瀬喜博 (B)
難波弘之 (Key)
松本照夫 (Drs)





2016.10.11

井上陽水 コンサート
2016 秋「UNITED COVER 2」


死ぬまでに観ておきたいアーティスト。
今夜は、今年68歳になった 井上陽水。
1969年にデビューなので、
もう47年も現役でやっていることになる。
吉田拓郎の方が年上(70歳)だが、
デビューは陽水の方が先だ。(拓郎は1970年)

今年のツアーは、
昨年発売されたカバー・アルバム
"UNITED COVER 2" と同じタイトルで、
昨年、今年の春にも同名のツアーがあったようだ。

陽水の歌をナマで聴くのは、全くの初めて。
ご本人も MC で「(プライベートで)声で
(井上陽水だと)ばれる」と言っておられたが、
確かに、あの艶のある、
張りのある、独特の声は健在だった。

この人は、ビートルズを歌おうと、
吉田拓郎を歌おうと、ムード歌謡を歌おうと、
PUFFY を歌おうと、ホントに何を歌っても
素晴らしいほど、「井上陽水」でした。
MC も独特で 結構面白く、笑いをとってました。

MC と合わせて、新しいアルバムに収録されている
加藤和彦の『あの素晴らしい愛をもう一度』、
吉田拓郎の『リンゴ』が特に印象的だった。

アンコールは、PUFFY の『渚にまつわるエトセトラ』。
(陽水が作詞)
本編では、着席鑑賞だった中高年オーディエンスも
ついに立ち上がりました。
メンバー紹介からセカンド・ラインのリズムのまま、
『夢の中へ』。
最後は『夏の終わりのハーモニー』でしっとりと。

『少年時代』とか『リバーサイドホテル』なんかも
聴きたかったな。

バンド・メンバーは誰だろうと、
楽しみにしておったのだが、
なんとキーボードに小島さん!
リズム体は、山木秀夫&美久月千晴という
ベテラン陣営。
ギターは、長田進は名前は知っているけど、
今堀恒雄については、勉強不足でした。

ちょっと後ろの方の席(1階)だったので、
オペラグラスが活躍したけど、
次回は、もっと前の方で観てみたい。


[ MEMBERS ]
井上陽水(vo, gt)
小島良喜(pf & key)
美久月千春(b)
山木秀夫(drs)
今堀恒雄(gt)
長田進(gt)
Lyn(cho)
fasun(cho)

[ SETLIST ]
01. ラブレターの気分で
02. カナリア
03. Make-up Shadow
04. 娘がねじれる時
05. 移動電話
06. 有楽町で逢いましょう(フランク永井)
07. リンゴ(吉田拓郎)
08. 女神(NHK「ブラタモリ」オープニングテーマ)
09. 瞬き(NHK「ブラタモリ」エンディングテーマ)
10. あの素晴らしい愛をもう一度(加藤和彦と北山修)
〜 休憩 〜
12. Here, There, And Everywhere(The Beatles)
13. 映画に行こう
14. 愛されてばかりいると
15. バレリーナ
16. My House
17. 氷の世界
18. 海へ来なさい
〜 Encore 〜
21. 渚にまつわるエトセトラ(PUFFY)
22. 夢の中へ
23. 夏の終わりのハーモニー

(セットリストは、終演後に貼り出されてました。)

@ オーチャードホール(渋谷Bunkamura)







2016.10.12

井上陽水 と 吉田拓郎

昨日は、井上陽水のコンサートに初めて行った。
私がギターを始めた1975年前後は、
吉田拓郎、井上陽水、かぐや姫などの
フォークが全盛で、チューリップのような
バンドでさえどうかすると「フォーク」という
くくりの中に入れられていたように思う。

私が初めて買ったシングル盤が
チューリップの『心の旅』で、
LP盤が吉田拓郎の『元気です』だった。

陽水のレコードは買った覚えはないが、
1枚だけシングル盤を何かの景品で
もらったことがあった。
それが『夕立』だった。
調べてみると1974年のリリースだ。

『夕立』もインパクトのある曲だが、
私には B 面の『ゼンマイじかけのカブト虫』の方が
強烈だった。
こんな歌詞だ。

カブト虫 こわれた
一緒に楽しく遊んでいたのに
幸福に糸つけ
引ひきずりまわしていてこわれた


私は、たぶん小6か中1だったと思うが、
この歌の世界の何かが恐ろしく、
繰り返し聞けなかった覚えがある。

当時は(例え歌えなくても)歌いたくなる
歌に惹かれたんだと思う。
そういう意味では、『夕立』も
『ゼンマイじかけのカブト虫』も
歌いたいとは思えなかったのだな。

一方で『夢の中へ』はポップで
コード進行も簡単なことから、
ギターの入門曲のようになっていたように思う。

昨日の陽水のコンサート・チケットを
申し込む頃、拓郎のコンサートのチケットも
発売された。
今月、東京、横浜、大宮で
拓郎のコンサートがあるのだ。

拓郎も死ぬまでに一度は体験しておきたい。
で、抽選に申し込んだのだが、2度も落選した。

ちなみに今、ネット・オークションを覗いてみたが、
1万円のチケットが2万円前後で出品されている。
2階11列目で2万円を超えている。
2万円かぁ。
う〜む、次の機会に見送ろう。





2016.10.16

Nothing But The Funk

日米混合ファンク・バンド
"Nothing But The Funk"。
前回に観てから5年も経っていた。

メンバーをチェックしてみると、
ギターとトロンボーンが、
変わっているがその他の4人は、
前回と同じ。

今日は、ドラムの沼沢さんの正面、
3列目で観たので、ドラムの生音が
ビシビシと伝わってきた。
この人のドラミングは、
"This is the Groove" って感じ。
タイトでパワフルで気持ちええ。
ただの8ビートだけでも
ずっと聞いていられんちゃうかと思うほど。

そこにカールのパーカッションが絡む。
と、これまた気持ち良くなる。
パーカッションのカール・ペラッゾという人は、
80年代に シーラE やプリンスとやったあと、
サンタナにヘッド・ハンティングされたそうで、
それから25年間、サンタナに在籍しているという。
そんなに長いこといる人は、いてないそうだ。

会場は、六本木ミッドタウンにある、
ビルボードライブ東京。
アンコールでは、エディ・M が、
客席から乗りの良い観客を数人ステージに上げた。
ステージで踊っているオネエチャンが
ロッポンギを象徴しているように感じた。

アンコールが終わってメンバーは楽屋にはけたが、
沼沢さんとベースのレイモンドは、
客席で何やら話している。
2回目のアンコールを求める客の拍手は
鳴り止まない。
2人はステージに上がり、
演奏し始めた。
すると、他のメンバーも順に登場し
2回目のアンコールとなったのだった。


[ MEMBERS ]
Eddie M (Sax, Vo)
Karl Perazzo (Per, Vo)
Raymond McKinley (B)
沼澤 尚 (Dr, Vo)
Joel Behrman(Tp, Tb, Vo)
Nate Mercereau (Gt)
森 俊之 (Key)

@ Bollboard LIVE Tokyo
ぴあポイントをチケットに交換し鑑賞





2016.10.24

竹中俊二 Birthday Week Special!
Super Guitar Summit 2016!
アコースティックギター編


ギタリスト9人が出演するというので、
ギター好きとしては観ないわけにはいかない
ライヴ "Super Guitar Summit 2016"。

10月23日がギタリスト竹中俊二さんの
誕生日らしく、生誕祭ということで、
16日から25日までの10日間、
都内の色んなライブハウスで、
日替わりで色んな人と出演するという
特別な企画。
その中でも今日は、
目黒の ブルース・アレイ・ジャパンで、
9人のギタリストによるギター・サミット。

竹中さんは、幅広いジャンルのユニットを
いくつも組んでいる。
今日は、そんなギター仲間たちとの共演なのだ。

では、演奏曲とともに編成を紹介。
曲名後のカッコ内は分かる範囲での作曲者。

まずは、竹中俊二、鬼怒無月、有田純弘の
ブルーグラスなんかもやっているという
トリオ「FRET LAND」で2曲。

1. Once In Heaven(と言ったと思う)
2. Rhythm Future (Django Reinhardt)

続いては、竹中俊二、高木潤一、宮野弘紀の
フラメンコなイメージのトリオ
「TRIANGLE MAX TONES」で2曲。

3. メランコリー(高木潤一)
4. サンダンス(竹中俊二)

その次は、コンテンポラリー・ジャズなトリオ。
竹中俊二、道下和彦、布川俊樹の3人で2曲。

5. Falling Grace(Steve Swallow)
6. All The Things You Are(Jerome Kern)

3人同時ソロの『All The Things You Are』が
面白かった。
そのトリオに、有田純弘が加わった
カルテットで1曲。

7. Francisca(Toninho Horta)

そして、竹中俊二&増崎孝司デュオ。

8. Imagine(John Lennon)

1st Show ラストにもう一度、
「FRET LAND」で1曲。

9. 魚のウロコ(と言ったと思う)

休憩の後、2nd Show。
1st には出演しなかった、小畑和彦とのデュオで。

1. Samambaia(と言ったと思う)
2. Song For Obata(竹中俊二)

コンテンポラリー・ジャズ・トリオで。

3. Solar (Miles Davis)

竹中&増崎デュオで。

4. Led Boots(Jeff Beck)

「TRIANGLE MAX TONES」のトリオに
鬼怒無月が加わったカルテットで。

5. 地中海の舞踏(Al Di Meola)

アンコールは、なんと9人そろって。

EC. Spain(Chick Corea)

9人のユニゾンは圧巻。


面白かったぁ。
ジャズ、ブルース、ロック、スパニッシュ、
ブラジリアンと盛りだくさん。
初めて観るギタリストもいたけど、
いちばん好きやな〜と思ったのは、増埼さん。
竹中&増崎デュオの『イマジン』と
『レッド・ブーツ』は竹中さんもホントに
楽しそうだったし、聴いてても面白かった。

過去にもギタートリオは聴いたことがあるけど、
ギターはトリオよりやっぱりデュオの方がええな、
というのが私の感想です。

ギターは、鉄弦とナイロン弦で、
テイラー、ゴダン、オベイション以外は、
あんまり分かりやすいメーカーのものは
なかったけど、有田さんのギターは、
James Goodall かな。
増埼さんのは、Santa Cruz かな?
その2本(鉄弦)は、めちゃ太い音してた。
竹中さんのギターは、メーカー分からんけど、
鉄弦もナイロン弦も中低音があんまり
鳴っておらず、その2本とやると
音量がちょっと負けている感じがして、
PAでなんとかならんのかなぁと思いました。


[ MEMBERS ]
竹中俊二 (Gt)、鬼怒無月 (Gt)、有田純弘 (Gt)、
高木潤一 (Gt)、宮野弘紀 (Gt)、道下和彦 (Gt)、
布川俊樹 (Gt)、小畑和彦 (Gt)、増崎孝司 (Gt)

@ BLUES ALLEY JAPAN







2016.10.26

トニーニョ・オルタ & 小野リサ

トニーニョ・オルタは、ブラジルの
ギタリスト、シンガー・ソングライター。
ライヴは、6年前にジャック・リーとの
デュオを観て以来、二度目。
小野リサはナマで聴くのは初めてだ。

8月に観た Joyce Moreno と Ivan Lins の
ライヴでブラジル音楽の素晴らしさを体験し、
先月の 東京JAZZ で観た Sergio Mendes も
良かったので、このライヴも観たくなったのだ。

まずは、トニーニョひとりによる弾き語りで3曲。
ギター1本でも自然に体が動いてしまう。
ピアノの林正樹を招き入れ、デュオで1曲。
続いて、エレキ・ギターに持ち替え、
"Francisca"。
この曲、一昨日の竹中俊二さんのライヴでも
演っていたなぁ。シンクロです。
エレキ・ギターは、ちょっと遠くて
メーカー確認できず。

続いて やや長い MC。
ほとんど分からんかったけど、
何言っていたか知りたかったなぁ。
「シンカンセン」とか言うてたので、
6年前のライヴで演ってた「シンカンセン」の
歌の話とかしてたんやと思う。
やはり、英会話習おうかなぁ、と
この瞬間は思う。

MC のあと、小野リサ登場。
小野リサは、ギターを持たず。
トニーニョの伴奏で "Moon River"。
ゆったりと、美しい演奏です。

続いて、3人でミルトン・ナシメントの
"横断旅行(Travessia)" という曲。
この ミルトン・ナシメント のことは
不勉強で知らなかったけど、
「ブラジルの声」の異名を持つ、
大物アーティストのようだ。

それから、ビートルズのカバー。
"Across the Universe"。
これがまた良い。
Nothing's gonna change my world・・・
何ものも僕の世界を変えることはできないんだ。
偉大なり、ジョン・レノン。

そのあと、2曲演って、本編は終了。
アンコールで、再び ミルトン・ナシメント の
曲で締めくくった。

次回は、ぜひバンドで来日してほしいな。



[ MEMBERS ]
Toninho Horta (Vo,Gt)
小野リサ (Vo)
林正樹 (Pf)

@ Bollboard LIVE Tokyo
2nd Show





2016.11.5

チューリップ
TULIP


死ぬまでに観ておきたいアーティスト。
今夜は、1971年に福岡で結成、1972年にデビュー、
1989年に解散、そして、1997年からは、
数年おきに全国ツアーを行っている
バンド、チューリップを観てきた。

私が、人生で初めて買ったレコード(シングル盤)が
チューリップの『心の旅』だったこともあり、
2007年に、35年の活動に幕を下ろすとした
ファイナル・ツアーを知った時には、
すでにチケットが売り切れていて、
残念な思いをしたことを ここ に書いている。

チューリップは、2012年には40周年を記念して、
全国ツアーを開催したようだが、知らなかった。
今年は結成45周年、来年はデビュー45周年。
45th Memorial Tour ”it remembers” と称して、
今年 9月から来年 5月にかけて全国34か所で
ツアーが行われてることを5日前に知った。

もうチケットはないだろうと思って見てみると、
今日の東京公演のチケットがまだ売れ残っていた。
東京国際フォーラムの A ホールで、
2階の後ろの方だったらやめとこかな、と
思って見てみると、1階の21列目!
1階の比較的前方で、悪くない席だ。

東京国際フォーラムの A ホールは、
1階が約3000席、2階が約2000席ある。
行ってみると、ほぼ満席に見えた。
こんなええ席が、5日前にあるというのは、
キャンセルか何かだったんだろう。
ホントにラッキーだが、
長年ファンの方々には申し訳ない感じ。
私の席より、後ろの方の人たちの
歓声がいっぱい聞こえていたもん。

さて、この2〜3日、久しぶりに チューリップの
ベスト盤を聴き直していたのだが、
もう懐かしい、懐かしい。
今更やけど、ホンマに音楽って凄いなぁと思う。
『銀の指環』とか『ぼくがつくった愛のうた
〜いとしのEmily〜』 とか聴くと
なんか、甘酸っぱいもんがこみ上げてくるもんなぁ。
あ、気持ち悪いんちゃうで。

今日の演奏曲は、『夏色のおもいで』、
『セプテンバー』、『青春の影』
『ぼくがつくった愛のうた〜いとしのEmily〜』
『悲しきレイン・トレイン』 、『風のメロディ』
『エジプトの風』、『思い出のフリスビー』、
『虹とスニーカーの頃』など。
本編最後は、『心の旅』。
アンコールで、『銀の指環』、
『あの娘は魔法使い』『夢中さ君に』。
2回目のアンコールで
『魔法の黄色い靴』を客席とともに大合唱。
途中、休憩をはさんで2時間半ぐらい。

チューリップの曲を全て知っているわけではないので、
知らない曲もあったけど、十分に楽しめた。
できれば、『サボテンの花』も聞きたかったけど。

チューリップは、ビートルズの影響が大きいが、
ビートルズ同様、皆が歌えるというのは強いな。
『風のメロディ』など 姫野・財津の
ツイン・ヴォーカルも良いしね。

メンバーは、1997年の再結成時からの
財津和夫、安部俊幸、上田雅利、姫野達也、
宮城伸一郎というメンバー、
と言いたいところだが、安部俊幸は、
残念ながら 2014年に 64歳で他界。

今日は、追悼のコーナーがあり、
安部愛用のギター(Gibson ES-335)が、
ステージに置かれ、安部の曲『夏に別れを』が
演奏され、モニターに安倍の写真が映し出された。

お客さんは、想像通りやや高齢。
若い人もチラホラいたけど。

財津さんの MCで、
若い頃、ツアーに出るとお客さんが入るのに、
レコードの売り上げが悪いのは、
なぜだろうと思っていた、という話があった。
コンサートのお客さんは、
同じ人が来ていた というオチだったのだけど、
今日のお客さんの多くも、チューリップを
30年40年と支えてきた人たちなんだろうな。
ファンってありがたいよなぁ。
もちろん、ファンにとっては、
チューリップが青春そのものだったりする人も
いるわけで。
最後には、客席から
「ありがとう〜!」って歓声が飛んでたもんね。

4人とも60代だけど、頭の毛が薄い人が
一人もいないのはスゴイな、と
変なところに感心したのでした。



[ MEMBERS ]
財津和夫 (vo, key, gt)
姫野達也 (vo, key, gt)
宮城伸一郎 (vo, b, gt)
上田雅利 (vo, drs)
他にサポートメンバーが3人。
メンバー紹介はあったけど名前を覚えられず。
ギターは、尾上サトシだったと思うが、
キーボードとドラムは不明。

@ 東京国際フォーラム ホール A







2016.11.10

THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016
+ LIVE PERFORMANCE
前夜


明日は、日本で初開催となる「クラシックロックアワード」。
「クラシックロックアワード」について詳しくは、
こちら をお読みいただくとして、

今日、そのサイトを見て
「えっ〜!」となってしまった。
私がこのチケットを申し込んだのは、
もう4ヶ月も前のことなのだが、その時点では、
下記の出演者が発表されていた。

ジェフ・ベック
ジョー・ウォルシュ
チープ・トリック
リッチー・サンボラ
オリアンティ
スロット・マシーン

私の目当ては、ジェフ・ベック、
ジョー・ウォルシュ、チープ・トリックだった。

ところが、今日チェックしてみると、
ジミー・ペイジ、ジョー・ペリー、ジョニー・デップなど
大物の出演者も増えてはいるものの
どういうわけか、ジョー・ウォルシュの名前が
消えている。
よくよく観ていくと、11月7日にジョーの
出演中止が発表されていた。
う〜ん、ショック。

とはいえ、3大ギタリストの2人、
ジェフ・ベックとジミー・ペイジの共演は
日本では初ということで、これは非常に貴重な機会だ。
もっとも、私はジミー・ペイジには
それほど興味がないのだけど、
もし、ジェフと一緒に演奏するのなら
何を演るのか楽しみだ。

会場は、両国国技館。
初めて行くのでどんな風なのか分からないけど
良い席だといいなぁ。


関連エントリー : 2016.7.12 "参拾萬円"





2016.11.11

訃 報


先日観た 宮沢りえ主演の映画
『湯を沸かすほどの熱い愛』で、
その宮沢りえの母親役で、ちらっとだけ
出演していた りりィ。
肺癌で闘病中だったらしいが、
今朝、永眠したとの報道があった。
享年64歳。
若すぎるなぁ。

りりィといえば70年代後半の
『私は泣いています』や
『ベッドで煙草を吸わないで』など
シブイ歌が思い浮かぶが、彼女は女優としても
たくさんの映画やテレビドラマに出演していた。
昨年観た映画 『エイプリルフールズ』の
胡散臭い占い老婆役は、印象的やったなぁ。

合掌。

もう一人、これまた激シブの
シンガー・ソングライター、
レナード・コーエンが死去。
享年82歳。

この人のことは、あんまり知らなかったのだけど、
浜田真理子が『Hallelujah』を歌っていたり、
タル・ウィルケンフェルドが『Chelsea Hotel』を
歌っていたりと、カバーを先に聴いて、
ご本人へたどり着いた。
でも、『Hallelujah』は、浜田真理子のを聴いたとき、
初めてのような気がしなかったので、
どこかで耳にしていたんだろうな。

合掌。


今年は、いや、今年「も」か、
大勢のアーティストが亡くなっております。
ナタリー・コール(65歳)、デビッド・ボウイ(69歳)、
グレン・フライ(67歳)、モーリス・ホワイト(74歳)、
ジョージ・マーティン(90歳)、松原正樹(61歳)、
キース・エマーソン(71歳)、プリンス(57歳)、
冨田勲(84歳)、トゥーツ・シールマンス(94歳)、
中村紘子(72歳)、柳家喜多八(66歳)・・・

諸行無常は定めとはいえ
寂しい限りです。




THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016
+ LIVE PERFORMANCE


楽しみにしていたジョー・ウォルシュの
出演キャンセルを昨日知り、ショックを受けた、
「クラシックロックアワード2016」に行ってきた。



会場は、初めて行く両国国技館。
中に入ってみると、会場の感じは
武道館を思わせる作り。
武道館よりは、ひと回り小さいかな。

席は、2階の9列目でステージに向かって
正面の左寄り。
アリーナを見ると、ステージの真正面の
ブロックが特別な感じがする。
あれが、30万円の席だろうか。



「クラシックロックアワード」は、
1年間活躍したロック・アーティストの
表彰とパフォーマンスで構成される。
アワードの方は、誰が何を受賞したかとか
全部を覚えてないので割愛。

オープニングは、和太鼓のパフォーマンス。
そのあと、歌舞伎の尾上松也が
裃(かみしも)着けて登場し、口上。

司会は、デイヴ・ムステイン(メガデス)と
尾上松也とアシスタント(?)に
チェリストの女性(名前失念)。

まずは、チープ・トリックが何かを受賞し、
トップバッターで4曲演奏。
1曲目、" I Want You to Want Me" だ!
実は、チープ・トリックの曲は
そんなにたくさん知らないけど、この曲は
切ないメロディに適度にポップで大好きだった。
"Dream Police" も演りました。

ロビン・ザンダーってカッコよくて、
高校時代、下敷きに雑誌の切り抜きを
入れていたの思い出した。
裏面は、ブライアン・メイだったよ。

ドラムが変わっていて、オリジナル・メンバーの
バン・E・カルロス でないのは残念だけど、
(今のドラムは、リック・ニールセンの
息子らしい)初めて、チープ・トリックを
観られたのは良かった。
4曲だけやけど。

リックは、「武道館に帰ってきた」って
ジョークを言ってました。
(彼らの "Cheap Trick at Budokan" は、
初の全米トップ10入りを果たしたアルバム。)

それから、リッチー・サンボラが何かを
受賞して、オリアンティとハーモニカの人と
3人でボン・ジョヴィの曲(?)とか数曲演奏。
オリアンティは出番がここだけで、
ちょっと残念。

たくさん出てきたので
あとは印象に残っているのだけ書いておく。

アジアのアーティストということで、
タイの「スロット・マシーン」というバンド。
これはカッコ良かった。
世界で売れているというのも分かる。
そして、日本からガールズ・バンドで
「バンド-メイド」。
フィリピンの「サラ・ヘロニモ」と
「バンブー」。
それぞれ1曲ずつ演奏。

日本のバンドとしては、「ONE OK ROCK」も
受賞したのだけど、今日は会場に来られず、
ビデオ・メッセージのみ。
このバンドは、ナマで聴きたかったなあ。
(「ONE OK ROCK」は、森進一&昌子の息子が
ヴォーカルの、世界に進出したバンド。)

小林克也さんも何かを受賞。
会場に来られてたけど、客席に座っていて
なぜか(時間の都合やろか)挨拶はなし。

それから、YOSHIKI。
挨拶が、英語。
そら、世界的なアーティストか知らんけど、
日本語でしゃべれよって思った。
YOSHIKI は、ピアノと弦楽4重奏で
2曲演奏。

ほんで、デフ・レパードが何かを受賞
この後かな、セッション・コーナーに入ったの。

ロックはロックやねんけど、
私の好きなロックとは微妙に違っていて、
ちょっとハード気味というのか、
ルドルフ・シェンカーとか、
デフ・レパードとか、
リッチー・サンボラとか、
名前は知ってるけど、
音楽は知らないので演るのも
知らない曲が多かった。
でも、結構客席から、一緒に歌う声が
聞こえてたので、コアなロックファンも
多かったんでしょうね。

ディープ・パープルの "Mistreated"
(ヴォーカルは、フィル・コリン)と
途中でロビン・ザンダーが再登場し歌った、
ビートルズの "Come Together" ぐらいかな、
私が知ってたのは。

このセッションで、ジョニー・デップ、
ジョー・ペリーも登場。
ジョー・ペリー(エアロスミス)は、
なんか貫禄あったなぁ。
ジョニー・デップは、
完全にミュージシャンに見えたね。
映画『ブラック・スキャンダル』では、
めちゃくちゃ髪の毛 減ってたけど、
あれ、メイクやってんな、
今日は普通にあったもん。
腕に彫り物があったけど、
あれ本物かなぁ。
あんなんあったら、映画に出るのに
役によっては 困るんちゃうかな。

セッションが終わって、いよいよ
ジミー・ペイジが紹介された。
ジミーは、プレゼンターで、
トロフィーをジェフ・ベックに手渡した。

そして、ジェフのパフォーマンスへ。
"Bolero"、"Superstition"、"Going Down" の
3曲だけ。
なんと ジミー・ペイジ は、演奏せず!
なんじゃそりゃ〜!

ラストの締めのあいさつもなんとなく
中途半端で、
「本日の公演はすべて終了しました」的な
館内放送もなく、アンコールもなし。

まあ、大変なイベントであったことは、
十分に分かる。
パフォーマンスが、次々に出来るように
ステージを3つに分けていたり、
もう準備だけでも気が遠くなるような
作業だっただろうから、
少しぐらいは仕方ないか。
初の開催やし。

前半、音はとても聴きやすく、バランスも良く
え〜やん、と思っていたのだが、
途中、ジョー・ペリーが出てきたあたりから、
バランスが悪くなり、
ヴォーカルが聞こえにくくなった。
なんでしょね。
確かにジョー・ペリーの音は、
デカかったけど。

ジェフ・ベックは、1月にまた来るので、
その時は、たっぷり聴かせてもらおう。


ロビーに展示されていた JEFF BECK のディスプレイ

18時20分ごろに始まって、
終わったら、22時20分でした。
4時間!



[ 司 会 ]
尾上松也
デイヴ・ムステイン (メガデス)

[ 参加アーティスト ]
ジョニー・デップ
ジェフ・ベック
ジミー・ペイジ
ジョー・ペリー
YOSHIKI
ジョー・エリオット
フィル・コリン(デフ・レパード)
チープ・トリック
リッチー・サンボラ
オリアンティ
スロット・マシーン
サラ・ヘロニモ
バンブー
テスラ
バンド-メイド
ルドルフ・シェンカー

ジェフ・ベック・スペシャルバンド
Gt : ディーン・ディレオ (ストーン・テンプル・パイロッツ)
Ba : ロバート・ディレオ (ストーン・テンプル・パイロッツ)
Gt : トミー・ヘンリクセン
   (ハリウッド・ヴァンパイアーズ、アリス・クーパー)
Dr : レイ・ルジアー (コーン)

@ 両国国技館







2016.11.12

冨田勲 追悼特別公演
冨田勲×初音ミク「Dr. Coppelius」


今年5月に冨田勲が亡くなった。
そのことを知った時、
ここに書いたように、私は中学時代の
シンセサイザー初体験を思い出した。

今日は、冨田勲 追悼特別公演。
もともとは、
「冨田勲 生誕85周年記念 新作世界初演
冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』
として、予定されていたものが、
追悼特別公演となったのだ。
渋谷のオーチャードホールで、
昨日と今日の昼夜、3回公演。



84歳の冨田勲が、何をしようとしていたのか、
この耳で確かめたくなって、
チケットを取ったのだった。
席は11列目とまあまあ良いところ。

初音ミクというのは、実在の人間ではなく、
音声合成システムで創られた
バーチャル・シンガー。

1部は、冨田勲作曲の『イーハトーヴ交響曲』。
合唱とオーケストラにバーチャル・シンガーの共演。
『イーハトーヴ交響曲』は、宮沢賢治の作品世界を
題材にした交響曲で、2012年に初演されている。
途中、映画『あなたへ』の中で 田中裕子が
歌っていた『星めぐりの歌』が出てきた。
これ、宮沢賢治の作だったんやね、知らんかった。

続いて、『惑星』のダブミックス。
オーケストラ演奏とのギャップが激しいためか、
演奏前に
「この曲に限り、演奏中の出入りは自由です。
ご気分にそぐわない方は、ロビーでお過ごしください」
という異例のアナウンスが流れた。
まあ、クラシックしか聴かないという方には、
このビートは、キツイかもね。

休憩をはさんで、『ドクター・コッペリウス』。
これは、冨田氏が制作の途中で、
亡くなってしまった作品。
残念ながら、第1、第2楽章は完成しておらず、
欠番となり、残されたチームメンバーで、
作られた第0楽章を冒頭に、
そのあと第3楽章から第7楽章が演奏された。

オーケストラと電子音(シンセサイザー)、
バーチャル・シンガー、ダンサーと
リアルのバレエ・ダンサー。
それらの融合で演奏されたのは壮大な
「宇宙への夢と希望」という
スペース・バレエ・シンフォニー。

ラストにはステージに冨田氏の写真が映し出され、
会場にもご家族だろうか、氏の遺影を持った方が。

不思議なことにバーチャル・シンガー、
初音ミクの歌は思ったより無機質に感じなかった。
また、バレエ・ダンサーとミクのダンスにも
変な違和感がなかったことが驚きだった。

冨田氏は、40年前から最先端のことを
取り組んでいた。
今日のプログラムに冨田氏は逝去の1時間前まで
『ドクター・コッペリウス』の打ち合わせをしていたと
書いてあった。
死の間際まで、新しい世界を生み出すことに
コミットしていたのですね。
その意志は、間違いなく引き継がれ
今日、世界に生み出されましたよ。
合掌。


[ PROGRAM ]
第1部
■ イーハトーヴ交響曲(作曲 : 冨田勲)
■ 惑星 Planets Live Dub Mix
〜 休 憩 〜
第2部
■ スペース・バレエ・シンフォニー
  『ドクター・コッペリウス』
制作・ストーリー原案 : 冨田勲
振付 : 辻本知彦

[ 出 演 ]
指揮 : 渡辺一正
バーチャルシンガー : 初音ミク
エレクトロニクス : ことぶき光
キーボード : 氏家克典、高橋ドレミ
管弦楽 : 東京フィルハーモニー交響楽団
合唱 : 混声合唱団イーハトーヴシンガーズ
   シンフォニーヒルズ少年少女合唱団

Dub Mix : エイドリアン・シャーウッド
パーカッション : 松本正
ダブストリングス : 神田珠美、穴田貴也、大庭芙由子、宗村北斗

コッペリウス役 : 風間無限
小江役 : 秋山桃子
博士役 : 和中和央
ラグランジュの子供たち : 佐々木三夏バレエアカデミー

@ Bunkamuraオーチャードホール





前述の宮沢賢治の『星めぐりの歌』の動画を見つけた。
歌詞の意味がよく分かる動画で、
あまりにも大きなこと(宇宙)を
歌っていることを知り、感動してしもた。

星めぐりの歌




RON CARTER NONET

ロン・カーター 79歳。
今回は、4本のチェロを含む
9人編成のユニットで来日。
昨日11日から15日まで、5日間 10公演だ。
その2日目、2nd Showを観てきた。

「ピッコロベースを携えて」とあったので
どんな楽器かなと思っていたが、
見た目は通常のウッド・ベースと変わらず、
どうもチューニングが高いようだった。

1曲目、4本のチェロのハーモニーが
鳴り出すとゾクゾクッとした。
美しい。
プレイヤーが4人とも女性というのも良い。
結構、ご高齢に見える方もいたが、
普段はクラシックを演奏しているのだろうか。

曲は、"Song For You" と
「9人だけど『エイト』です」と
曲目紹介をした "Eight" ほか。
その他、聴いたことのある曲もあったけど、
曲名は分からず。
MCで、言うてたんかもな。

ロンのソロの時、時々、ピッチが気になった。
あのレベルの人が、そんな演奏をするわけが
ないと思うのだが、私の耳が悪いのか、
楽器のせいでそういう風に聞こえてしまうのか、
なんなのだろうな。

ところで、昨日11月11日は、「チンアナゴの日」だと
テレビで言っていた。
「チンアナゴ」って、砂の中から体を出して
ゆらゆらしているあれね。
水族館で観たことがある。
形が「1」に似ているからという単純な理由のようだが、
同様な理由で、「立ち呑みの日」とか
「ポッキー&プリッツの日」とか
11月11日は、「○○の日」というのが
いっぱいあるみたい。
音楽界では、4つの「1」を4本の弦に見立てて、
「ベースの日(The Bass Day)」になっている。
昨日は、各所でベースを主役にした
イベントが行われたようだが、
昨日から始まった、ロン・カーターの公演も
その一環のようだ。


[ MEMBERS ]
Ron Carter ロン・カーター (piccolo b)
Leon Maleson レオン・メイルソン (b)
Donald Vega ドナルド・ベガ (p)
Payton Crossley ペイントン・クロスリー (ds)
Rolando Morales-Matos ローランド・モラレス・マトス (per)
Carol Buck キャロル・バック (cello)
Zoe Hassman ゾーイー・ハスマン (cello)
Maxine Neumanマキシーン・ ヌーマン (cello)
Claire Bryant クレア・ブライアント (cello)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show







2016.11.14

レオン・ラッセル 死去


一昨日、ロン・カーターが
"A Song For You" を演奏したのは
ただの偶然だったのか。

その作者、レオン・ラッセルが亡くなった。
レオン・ラッセルは、"A Song For You" のほか
カーペンターズで有名な "Superstar" や
"This Masquerade" の作者でもある。
"This Masquerade" は、ジョージ・ベンソンの
カバーも有名だ。

報道では、「現地時間2016年11月13日に
米テネシー州ナッシュビルの自宅で死去した」とある。
7月に心臓の手術を受け、快方に向かっており、
来年のツアーの予定もあったらしい。
享年74歳。

1985年アメリカ旅行中、サンフランシスコで
レオン・ラッセルのライヴがあることを知り、
当日ライブハウスへ行ったら、
キャンセルされていた。
そして、2011年4月17日の来日公演の
チケットを取ったが、震災の影響で
来日中止になった。
あの年は、たくさんの公演がキャンセルされた。

そして、翌年 2012年3月7日、
ようやくナマのレオンを観ることができた。
観ておいてよかった。
死ぬまでに一度は観ておくべきアーティストだった。

合掌。


Leon Russell - A Song For You




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2016.11.16

ジミー・ペイジが演奏しなかった件

先週木曜日(11日)、両国国技館で行われた
THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016
+ LIVE PERFORMANCE
」。

私は、ジョー・ウォルシュのキャンセルを
前日に知り、ショックを受けた。

事前の告知では、
「ジェフ・ベックとジミー・ペイジは
日本初共演」と謳われていた。

ジミー・ペイジは、それほど好きでは
ないのだが、ベックとの共演を
ナマで観られるのは貴重な機会なので
それはそれで楽しみにしていた。

当日のエントリー
「なんと ジミー・ペイジ は、演奏せず!
なんじゃそりゃ〜!」
と書いたが、ジミー・ペイジは、
ほんの1〜2分ステージにいただけで、
ギターを弾かなかったのだ。

考えてみたら「共演」と告知しておきながら、
演奏しなかったのだから、主催者から
何らかの説明があっても良かったのだが、
その場では何もなかった。

私は、イベントのちょっと尻切れトンボな
終わり方に、少し不満を感じつつ、
終わったらすぐに会場を後にしたのだが、
当日、会場では終演後、ジミー・ペイジが
演奏しなかったことを主催者に抗議していた
お客さんが数十名いたらしい。

考えてみたら、そりゃそうだ。
一番高い席のチケットは、30万円ですぜ。
私が買ったチケットだって、1万8千円。
けっして安くない。
ジェフとジミーの共演が目当てだった人は、
納得できまい。

で、主催者の社長が出てきて、
謝罪したらしい。
そして、月曜日にウェブサイトに
謝罪文を載せた。

その謝罪文は、主催者のウェブサイトからは、
すでに削除されているのだが、
ネット上で読むことができる
なんで、削除せなあかんような
謝罪文を載せたんやろか。

謝罪文の内容は、まとめると こう。

ジミー・ペイジのためにギターを用意していたけど、
本人が弾かなかった。
弾かなかった理由は、ジミー・ペイジ側に
問合せ中だけど回答がない。
でも、券売時に告知していなかった
ジョニー・デップやジョー・ペリーが出たから
いいでしょ。
チケット代は返金しません。

・・・あかんやろ、これ。
一応、「お詫び申し上げます」と
謝罪の言葉はあるけど、
完全にジミー・ペイジ側のせいに
してしもとるやん。

これは、感情逆撫で以外何ものでもないで。
そら、みんな怒るで。
で、削除となったんでしょうな。

主催者側の言い分では、
さもジミー・ペイジは演奏するはずだったかの
ようなのだが、その後、もともと演奏する予定は
なかったというイギリス側の公式声明もあったようだ。
が、どういうわけか、今ではその公式声明も
削除されたようで、なんかよう分からん。

もし、最初から演奏はしない契約だったとしたら、
ちょっとややこしいことになるぞ。
完全に演奏をするような告知をしてたんやから。

で、一昨日、奥山さんという弁護士の方が、
主催者に「質問状」を送ったと公表した。

奥山さん自身が、ジェフとジミーの共演を目当てに
当日、観客として会場にいたロック・ファンなのだ。
さすが、法律家だ。
するどい質問状や。
どうなるか見守ろう。


こんなことになったから書くようでイヤなのだが、
(こんなことになったから書くねんけど)
なんかね、ポール・マッカートニーや
ローリング・ストーンズに 1万8千円出したのは、
疑問がなかったんやけど、このイベントは、
当日会場で、2階席やったから上からアリーナ席を
見下ろして、(あのあたりが30万円の席かな)とか
思って見てたら、ちょっと冷めてしもてんな。
なんかお金の臭いがしてて。
何かに幻滅したというのか。

それに加えて、ジョー・ウォルシュのキャンセル、
書かないけど他にもいくつか不満があって
そういう小さい不満が重なった上に
ジミー・ペイジの一件なので、
ちょっと残念なのです。

もちろん、チープ・トリックとかジェフ・ベックとか
短時間でも観れて良かったアーティストもいてるけど、
残念な面も多かったってことね。


主催者側が、イベント発表時にビジネスモデルについて、
「購買力のある中高年をターゲットにしたコンサートは、
流行に左右されること無く安定しているため
市場が拡大しています」って発表していたらしい。
カモですな、中高年。





2016.11.20

THE ANDY TIMMONS BAND
アンディ・ティモンズ・バンド


好きなギタリストはたくさんいるのだけど、
ロック系のギター・インストでというと、
エリック・ジョンソン、ジョニー・A、
そして、 アンディ・ティモンズが好き。
ジェフ・ベックは、ちょっと別。

アンディは、適度にハード、適度にポップなメロディ、
歌心のあるソロ、そして、ギターのトーンが好き。
これ、結構大事やねん。

今日は、そのアンディのライヴ。
アンディは、サイモン・フィリップスのバンドで
2回観たけど、彼のリーダー・ライヴは初めて。

コットン・クラブで 18日から明日21日まで
4日間あるんやけど、毎日 1st show と
2nd show で違う内容のライヴを行う。

1st show では、先日発売された最新作
『Theme From A Perfect World』からの
楽曲を中心に演奏し、そして、
2nd show では、- Classics - と銘打って
2011年にリリースされたビートルズの
カバーアルバム『Plays Sgt. Pepper』の楽曲や
アンディ・ティモンズ・バンドの
歴代人気レパートリーを演奏するという。

う〜ん、どっち観るかねぇと 思案するも、
そういうファンのためか、「2show 通し券」と
いうものが発売された。
1show 6,800円のところ、両方の show を
予約すると 9,800円で観られるというサービスなのだ。
これはありがたい。
ということで、通しで 観てきたのだ。


■ 1st Show

途中、アンディが「2nd Show まで残る人、
どれくらいいるの?」って訊いたのだけど、
半分以上の人が手を挙げてたように見えた。
思った以上に、日本で人気があるようだ。
考えてみれば、そうでなきゃ4日もライブでけへんわな。

演奏曲は、たぶん全曲ニューアルバムからかな。
本編ラストは、アルバムでも最後の曲
"On Your Way Sweet Soul"。
この曲、アルバム中一番好き。
素晴らしくドラマチックで感動的。

お客さんの入れ替えのためだろう、
ステージを降りずにそのまま
アンコールだと思われる曲を演奏。
なんと『スキヤキ』。
そう、坂本九の『上を向いて歩こう』だ。
この曲で、アンディはヴォーカルも披露。
しかも、日本語で歌ったよ。
若い頃は、そういうのなんかイヤやったけど
感動してしもたね。
彼の日本のお客さんに対するハートを感じて。

ギターは、アイバニーズの
シグネチャーモデル(サンバースト、メイプル指板)。
ステージには、ホワイトのローズ指板も
控えで置いてあったけど、これは使わず。


■ 2nd Show

1st Show から 2nd Show が始まるまで、
2時間近く間が空くというのは、
ちょっとつらかったけど、
待つだけの甲斐があった 2nd Show だった。

曲は、"Super '70s"、"Electric Gypsy" など。
『Plays Sgt. Pepper』からは、
"Lucy in the Sky with Diamonds"、
"Strawberry Fields Forever" 。
"A Day In The Life" を期待したが演らず。
途中で、美しいベース・ソロで1曲。
本編最後は、"Cry For You"。
もうなんかが 憑いているかのようなソロ。
あんなの毎晩 演ってるんやろか。

アンコールは、一瞬 "Hey Joe" かと思いきや、
"Little Wing"(ジミ・ヘン)。
これまた、素晴らしい。

アンディのソロは、エモーショナルで、
分かりやすく、今日のライヴで
一層好きになった。
明日も観に来たいくらいだ。

同じギターを持ってもあんな風に弾けるわけないけど、
アンディ・モデル欲しいなぁ。


[ MEMBERS ]
Andy Timmons (g,vo)
Mike Daane (b)
Rob Avsharian (ds)

@ COTTON CLUB




[ 関連エントリー ]
2014.5.31 SIMON PHILLIPS "Protocol II"
2015.6.19 SIMON PHILLIPS “Protocol III”





2016.11.21

ジミー・ペイジが演奏しなかった件
その2


今月11日に日本で初めて開催された、
"THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016"。
(以下、CRA 2016。)
ジェフ・べックとジミー・ペイジの日本初共演と
宣伝していたにも関わらず、ジミー・ペイジは、
演奏をしなかった。

そのことで、ジミー・ペイジの演奏目当てで
チケットを購入した、一部の観客が
主催者に抗議をしていた。

当初、主催者は謝罪はしつつも、
「イベント自体は成立している」と、
返金はしない旨を発表していたが、
弁護士による公開質問が効いたのか、
もともとジミー・ペイジは演奏する予定では
なかったことが明るみに出たためか、
今回の観客全員に来年の「CRA 2017」の
チケットの先行販売(割引価格で)と、
希望者へのチケット代金返金を発表した。


返金についての対象は、
「CRA 2016に失望されたご来場者様」とある。

う〜ん、悩ましい。
「がっかり」した面はあるものの「失望」と
いうほどではないし、そもそもジミー・ペイジが
演奏しなかったことを「なんやねん!」とは
思ったけど、主催者に「金返せ」と文句を言うほど
私は怒っていない。
元々がジミー・ペイジ目当てではなかったからだ。

私にとっては、むしろ、ジョー・ウォルシュの
キャンセルの方が、ショックだった。
これで「チープ・トリック も ジェフ・べック も
演奏しませんでした」とか「来ませんでした」なら
迷うことなく返金を申し出るんやけどね。

ジョー・ウォルシュの件では、
「全額返せ」というほどでもないので、
半分ぐらい返してくれたら ええねんけど、
そういう中途半端な対応はない。
まあ、生きていれば、ええコンサートもあるし、
おもんないコンサートもいくつも行ってるし、
そういうもんやと思うしな。
なので、返金の申し出はしないことにした。
なんかこれで返金してもろたら、
便乗しただけな感じがするから。

来年の「CRA 2017」に観たい人が出るなら、
その特別ご優待価格でチケットを買うことにしよう。
どれくらい安くしてくれるかにもよるけどな。

あと、弁護士の公開質問に対する
明確な回答はして欲しいな。
主催者は当初、「ギターを準備していたのに、
ジミー・ペイジが演奏をしなかった」と
説明していたけど、結局、「ジミー・ペイジは、
最初から演奏する予定はなかった」らしいから、
そこをキッチリ説明して欲しいな。
これも、ただの興味本位で、
半ばどっちでもええねんけど。

今回の騒動は、ネット上でそれほど大きく
ならなかったらしい。
その理由は、
「若者がジミー・ペイジを知らんから」やて。

スゴイおちやな。


ちょっと気になったんで書いておく。
ネットで「CRA 2016」について
ラーメンズ・片桐仁が、テレビ番組で
「イベント当日の客席が
ガラガラだったようだと指摘した」
という記事があった。
ええかげんなこと言うたらあかんで。
誰に聞いたか知らんけど、ガラガラちゃうで。
18時の開演予定時刻には、ステージ前の
アリーナ席は確かに空席が目立ったけど、
19時ぐらいには、もう結構埋まってた。
1階2階席も、それなりに客入っとった。
あれは、「ガラガラ」とは言わん。


[ 関連ニュース ]
ジミー・ペイジさん演奏なしで不満爆発 チケット代返金へ

[ 関連エントリー ]
2016.11.11 THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016
2016.11.16 ジミー・ペイジが演奏しなかった件





2016.11.27

Make Like A Tree(Sergey from Ukraine)
メガロドン with すずかちはや


年に2回、まりあさんのサポートで
共演しているドラマーの斉藤りょうが、
出演するというので、
蒲田の CATFISH TOKYO という
ライヴハウスに行ってきた。

1部は、ウクライナから来たという
Sergey(セルゲイ)という人。
アコースティック・ギターと、
エフェクターを使って独特の世界を
作り上げていた。
パーカッションや簡単な楽器を
その場で観客に持たせ、
即興で演奏に参加させる手法は、
世界を周っている人らしい演奏に感じた。
会場には数十枚の写真が壁に吊るされて
いたのだが、その写真はセルゲイが
世界中で撮ってきたものだという。
プロが撮ったと言われても疑わないだろう
質の写真ばかりで、驚いた。
3か月ほど日本にいるそうだが、
またどこかで演奏するのだろう。
彼の演奏、歌は YouTube でも聴ける。
Example



2部は、メガロドン with すずかちはや。
アトミック山中というパワフルな
ギター&ヴォーカルのバンド。
このバンドに斉藤りょうも参加。
ゲストに すずかちはや さんという
これまたパワフルな女性ヴォーカルが参加。
曲は、Grand Funk Railroad、
Stevie Wonder、CCR、Bette Midler、
八神純子、渡辺真知子などのカバー。
楽しいライヴでした。

[ 出演 ]
1st : Sergey from Ukraine
2nd : メガロドン with すずかちはや

@ CATFISH TOKYO(蒲田)







2016.11.28

残念。
ASKA 再逮捕


2年前、覚醒剤取締法違反の疑いで
逮捕された ASKA。
その時の残念な思いは、ここに書いた。

2014.5.18 残念 ASKA

2〜3か月前、偶然、ASKA のブログに
たどり着いた。
読んでみて、何か分からないけど
少しの違和感を感じた覚えがある。
うまく書けないけど、ASKA の言葉が
すっと入ってこなかったとでも言おうか。
読者のコメントにも、
何か良く分からないものもあった。
何かが不安定で落ち着かない印象だった。

でも、芸能人のブログなんて(あんまり
読んだことないけど)そんなものかも知れない。
そのブログからは、ASKA が、新しく音楽制作に
打ち込んでいる様子は窺えた。

そのあと、ASKA のソロ・アルバムを久しぶりに聴いた。
『君が愛を語れ』や『はじまりはいつも雨』は
今でも好きな曲だ。

今日。
二度目の逮捕。
執行猶予中だった。
新しいアルバムの完成も間近だったようで、
昨日の ASKA のブログには、

プロモーションを行えない現況、
みなさんには、来月の終わり頃、
Youtubeにおいて、数曲発表させてください。
ありがとう。


とある。

報道によると、今月25日、
「盗撮されている」と 自ら 110番通報。
警察官が駆け付けたが、言動が不明瞭だったため、
任意で尿検査を実施。
その尿検査が陽性だった。

ということは、
もう覚せい剤使用は、
間違いないということだろうか。

今度は、実刑だろうなぁ。
アルバムは、幻のアルバムになるのだろうか。

ホントに覚せい剤は恐ろしい。
50代の逮捕者の80%が再犯だという。

もうひとつ。
ASKA のブログを覗いたが、
動揺するファンのコメントに交じって、
よくもこんなこと書き込めるなぁ、というような
悪意のある、ひどいコメントもある。
読んで気分が悪くなるような。

覚せい剤と同様に
人間の心の悪も恐ろしい。





2016.12.2

上原ひろみ
ザ・トリオ・プロジェクト

feat. アドリアン・フェロー & サイモン・フィリップス
『SPARK』日本ツアー 2016
[ 東京国際フォーラム Hall A, Day 1 ]


上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクトの
『SPARK』日本ツアー 2016。
残念ながらベーシストの
アンソニー・ジャクソンは健康上の理由で、
出られなくなった。

代打は、今年9月のリー・リトナーの
来日時のメンバーだったフランス人ベーシスト。
当然、アンソニーとは違う演奏なので
それはそれで、楽しみにしていた。

上原ひろみのスケジュールは、
10月は、南米(ソロ)〜ヨーロッパ、
11月に入ってからは、カナダ、アメリカ。
そして、日本ツアーは、
11月16日から12月18日まで、全23公演。
そのあと、韓国、中国と続く。
家に帰ってないんやろなぁ。
今日から3日間は、
東京国際フォーラム ホール A での公演だ。

7月に、オフィシャルサイトの
先行抽選販売があった。
くじ運があまり良くない私は、
3日間とも申し込んだら、
なんと3日とも当選してしまった。

なので、今日から上原ひろみ3Days なのだ。
その初日。
驚くなかれ、最前列!
しかもセンターブロックの左寄りで、
上原までの距離は4メートル!
サイモンでも6〜7メートルぐらい。

東京国際フォーラム ホール A は、
約5000人のキャパなので、
これは非常〜に幸運だ。
最前列(1列目)は、20席しかないのだ。

上原トリオを観るのは、今日で7回目なのだが
2014年の TOKYO JAZZ の時も
同じ東京国際フォーラム ホールA で
最前列で観たので、これで2回目なのだ。
あれ?
もしかしたら、オレ、運強い?

前置きが長くなった。

定刻を10分ほど過ぎて、
ステージにメンバーが登場。
すでにスゴイ歓声だ。

面白いことに「ひろみ〜」という声より
「サイモーン!」「アドリアーン!」という
掛け声の方が多い。
しかも男の声で。

1曲目は、ニューアルバム『SPARK』でも
オープニングの曲 "SPARK"。
ソロになると立ち上がって弾くひろみ。
1曲目からそんなに飛ばして大丈夫かと
思うほどの渾身のプレイだ。

そのほか、曲は『SPARK』から全曲と
旧作からは "PLAYER" と "LABYRINTH"。
休憩をはさんで 2時間35〜40分ぐらいかな。
ホントに全曲素晴らしかった。

ソロ・ピアノ曲 "WAKE UP AND DREAM" では、
最前列のおかげで スピーカーからではなく、
ピアノから生の音が聞こえたよ。
この曲では、ちょっとウルウルしてしまった。

"IN A TRANCE" は、CD より長めの
サイモンのドラムソロの後、
ひろみの戻って来かたが凄かった。
ぶっ飛び。

サイモンとひろみは、演奏中、しょっちゅう
アイコンタクトを取っていて、
微笑みあうというより、
なにが面白いのか、もう明らかに笑っている。
全く幸せそうだ。

MC で本人も言ってたけどね。
毎日夢がかなって(ピアノで世界を旅すること)
幸せだと。

アドリアンのプレイは、音色のせいか
柔らかいが適度に粘っこいという印象。
アンソニーとは タイプが違うが、
すでに何公演も終えてきたからだろうか、
意外なほどハマっていたね。
アンソニーは、いわゆるソロをあんまり
演らないけど、アドリアンは、
指弾きの高速ソロをバリバリ演る。
それもどうもソフトなタッチで、
まったくもってフレンチな感じ(意味不明)。
さすがフランス人。

アンソニーがキャンセルになって、
チケットを払い戻したお客さんも
いたようだが、これはこれで、
観ておかないともったいないよ。

明日も楽しみだ〜。





[ SET LIST ]
1. SPARK
2. PLAYER
3. TAKE ME AWAY
4. INDULGENCE
5. DILEMMA
ー 休憩 ―
6. WHAT WILL BE, WILL BE
7. WONDERLAND
8. LABYRINTH
9. WAKE UP AND DREAM
10. IN A TRANCE
Ec. ALL'S WELL

[ MEMBERS ]
上原ひろみ(Pf)
アドリアン・フェロー(B)
サイモン・フィリップス(Dr)

@ 東京国際フォーラム ホールA



パンフレット 1,700円





2016.12.3

上原ひろみ
ザ・トリオ・プロジェクト

feat. アドリアン・フェロー & サイモン・フィリップス
『SPARK』日本ツアー 2016
[ 東京国際フォーラム Hall A, Day 2 ]


昨夜のエントリーをアップした後、
コンサート・パンフを読んだ。
パンフには、15,000字に及ぶ
ロング・インタビューが掲載されている。
インタビューは、9月5日に行われたもので
前日 9月4日が、東京JAZZ での
ミシェル・カミロとのデュオの日だった。

もともと、東京JAZZ には、
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト で
出演の予定だったのが、
アンソニー・ジャクソンと
サイモン・フィリップスが
健康上の理由により キャンセルとなった。
2人がキャンセルしたのは、
7月中旬から10月初旬まで、
東京JAZZ だけでなく、世界中で
全部で20公演以上あった。

インタビューには、まずアンソニーが
出られなくなって、それからサイモンも
ドクターストップがかかって、と
状況が悪くなっていく中、
ひろみがどんな風にその20数公演を
乗り越えてきたかが語られている。
彼女は、公演キャンセルという選択をしなかった。
その真摯さというか 命の賭け具合は、
彼女の演奏と同じく、
感動的で思わず落涙してしまう内容だった。

彼女が乗り越えてきた
壮絶なストーリーを読んで、
昨日感じた、鬼気迫る演奏と、
見たこともないような幸せそうな笑顔のわけが、
少しだけ分かったような気がした。

以前、「負けず嫌いとは負けない人のことです」と
聞いたことがある。
ひろみは、インタビューの中で
自分のことを負けず嫌いと言っているけど、
その負けず嫌いが、彼女を今のレベルに
引き上げているのは間違いない。

最近「グリット(GRIT)」という言葉を
目にするようになった。
「GRIT」は、Guts、Resilience、Initiative、
Tenacity の頭文字を並べた言葉で、
訳によっては、「度胸」「復元力」
「自発性」「執念」となるが、
日本的に言うと、
「努力」「根性」「忍耐」「情熱」。
ひと言でいうと「やりぬく力」。
人生で成功するには、
生まれつきの才能や IQ ではなく、
このグリットが最重要だという。

ひろみのピンチの乗り越え方は、
「根性」と「情熱」そして「忍耐」。
「負けず嫌い」に支えられた、
まさに「グリット」だと思ったのだった。

そういえば、以前にもメキシコへ移動する際の
凄まじいエピソードを読んだことがあるなと、
探してみた。
「メキシコへの長い長い旅」
今、読み直しても涙が出る。

さて、彼女のこのツアーの背景の片鱗を知った上で
臨んだ今日のライヴ。
昨日は最前列だったが、今日は13列目。
それでも十分良い席だ。
なにしろ 東京国際フォーラム ホール A の
1階席は、49列目まであるのだから。
昨日は、ステージに近すぎて
3人同時に視界に入れることができなかったが、
今日は3人を同時に観ることができ、
またステージ全体を観られるおかげで
昨日は気が付けなかった照明の効果も
感じることができた。
そして、聞こえてくる音の違いも
ハッキリ感じた。
1列目だと各々のステージ上の生音も
聞こえるが、13列目だと PA を
通したまとまったサウンドになる。
どちらが良いというわけではないが、
同じコンサートであっても
違う体験が出来た貴重な機会だった。

昨夜、パンフレットを読んで
「昨日感じた、鬼気迫る演奏と、
見たこともないような幸せそうな笑顔のわけが、
少しだけ分かったような気がした」と
書いたが、1曲目 "SPARK" に
昨日とは違う感動をしてしまった。

激しいソロを一心不乱に弾くひろみを観ていて
感じたことがある。
前述したようにひろみには「GRIT」がある。
しかし、彼女は「頑張っている」とか
「情熱をもって取り組んでいる」という
レベルではないと思った。

うまく言葉に出来ないのだが。
例えば、鳥が空を飛ぶのを観て、
頑張って飛んでいるようには見えない。
トビウオが海面を飛ぶのを観ても、
努力のたまものだとは思わないし
情熱は感じないだろう。
ただ、そのものがそのものとして、
生きているとでも言えばよいのだろうか。

また、美しい夕陽を見て感動したとき、
夕陽がその美しさを表現しているとは感じない。
それは、人が勝手に意味や価値を付けているだけだ。

ひろみはピアノで音楽を「表現して」いるのではない。
彼女自身が音楽なのだ。
「情熱を持って」いるのではない。
彼女自身が「情熱」なのだ。

パンフレットに書いてあった、
「私に "やらない" という選択肢は
ありません」という言葉は、その証しでもある。
音楽が好き、というレベルではなく、
ライヴをしていないと "飢え" を感じるという。

彼女の音楽がこれほど人の心を
掴むのは完全にピュアな、
「音楽という人」に触れるからだと思った。


今日のセットリストは、昨日同様、
アルバム『SPARK』から全曲と
旧作からの2曲は、昨日と違い、
"DESIRE" と "SEEKER"。
旧作からの2曲は、日替わりなのかもしれない。
"SEEKER" は、単純な8分音符の伴奏が
非常に印象的。
そこに、ポップなメロディが乗ってくる。
彼女の曲の中でも特に好きな曲だ。
後半のピアノとベースの8バース、
4バースも、楽しく素晴らしかった。

演奏も MC も昨日とは少しずつ違う。
今日は、週末の上に17時開演。
お子さんのお客さんもチラホラ見えたので
MC で言っていた。
世界中で子供たちが聴きに来てくれるが、
(出待ちとかだろうか)直接会いに来たときは、
質問するのは、子供ではなくお母さんだという。
そして、世界中どこのお母さんも子供に
「もっと(ピアノを)練習するように
言ってください」と言うらしい。
そんな時、ひろみは必ずこう答えるという。
「やればやるほど楽しくなるよ」と。

30年以上 ピアノを弾いてきて、
やればやるほど、知らないことに気づくという。
やればやるほど、出来ないことが増えるのだという。
だからこそ、楽しいと。

「やればやるほど楽しくなる」
誰もが言いそうな言葉なのに、
ひろみが言うと、なんと重く含蓄があるのだろう。





[ SET LIST ]
1. SPARK
2. DESIRE
3. TAKE ME AWAY
4. INDULGENCE
5. DILEMMA
ー 休憩 ―
6. WHAT WILL BE, WILL BE
7. WONDERLAND
8. SEEKER
9. WAKE UP AND DREAM
10. IN A TRANCE
Ec. ALL'S WELL

[ MEMBERS ]
上原ひろみ(Pf)
アドリアン・フェロー(B)
サイモン・フィリップス(Dr)

@ 東京国際フォーラム ホールA





2016.12.4

上原ひろみ
ザ・トリオ・プロジェクト

feat. アドリアン・フェロー & サイモン・フィリップス
『SPARK』日本ツアー 2016
[ 東京国際フォーラム Hall A, Day 3 ]




上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト、
3デイズ、いよいよ3日目。

今日は、日曜日だからか、
16時開演というプログラム。
(一昨日(金曜日)は平日だったので 19時、
昨日(土曜日)は、17時開演。)

毎日毎日、ホントに凄いクオリティの演奏。
プロとはこういうものだ、と
思い知らされる。

ひろみの MC は、昨日一昨日には
触れなかった楽器の話題。
今日3人の使っている楽器が、
Made in Japan だという。
ひろみのピアノは、もちろんヤマハ。
彼女の生まれ故郷でもある浜松の、
日本が世界に誇る楽器メーカーだ。
サイモンのドラムは、
名古屋の星野楽器のブランド、TAMA。
そして、意外だったのは、
アドリアンのベース。
Ken Smith というアメリカの
ハンドメイドのブランドなのだが、
彼のモデルは日本製だという。
Ken Smith の工房が
日本にあるのだろうか。
もしかしたら、
日本の優秀な工房に Ken Smith が、
発注したのかも知れない。(未確認)
とにかく、3人の楽器が、
Made in Japan だということに
ひろみは、日本のモノ作りの
素晴らしさを誇りに思うという話だった。

セットリストは、昨日一昨日同様、
アルバム『SPARK』の全曲と、
旧作から今日は ”PLAYER” と ”MOVE”。
この3日間で、『SPARK』の9曲以外に
5曲聴いたわけだが、アドリアンは、
このトリオの曲を一体何曲演れるのだろう。
あのキメだらけの曲を譜面なしで
演るのは、ホントに凄い。
一流ですな。

3日間、彼らの音楽を満喫できて
本当に幸せ。大満足。
勇気を与えられる音楽って素晴らしい。


[ SET LIST ]
1. SPARK
2. PLAYER
3. TAKE ME AWAY
4. INDULGENCE
5. DILEMMA
ー 休憩 ―
6. WHAT WILL BE, WILL BE
7. WONDERLAND
8. MOVE
9. WAKE UP AND DREAM
10. IN A TRANCE
Ec. ALL'S WELL

[ MEMBERS ]
上原ひろみ(Pf)
アドリアン・フェロー(B)
サイモン・フィリップス(Dr)

@ 東京国際フォーラム ホールA







2016.12.7

STEVE GADD BAND
"WAY BACK HOME" Tour

featuring
MICHAEL LANDAU, KEVIN HAYS,
JIMMY JOHNSON & WALT FOWLER


スティーヴ・ガッド・バンド。
昨年9月、東京JAZZ で観たときは、
キーボードがラリー・ゴールディングス
だったけど、今回の来日では、
ケヴィン・ヘイズに替わっている。
他のメンバーは、昨年と同じ。

2〜3日前に ニューアルバム、
『ウェイ・バック・ホーム〜生誕70年凱旋ライヴ!』を
買ったばかりなのだが、
これは昨年6月26日、ガッドの生誕70年を記念して、
彼の故郷のニューヨーク、ロチェスターで行われた
ライヴ盤で、CD と DVD のセットだ。
まだ DVD は観ていないのだが、
CD の拍手や歓声の大きさに
ガッドの地元での人気の高さが伝わってくる。
演奏は、非常に質の高い、大人の
ジャズ・R&B・フュージョンとなっており、
ガッドのグルーヴをたっぷり楽しめる。

さて、ライヴの方は、ブルーノート4日間公演の
最終日最終セットということもあってか、
満員のお客さんだった。
ガッドの人気はもちろんだが、
マイケル・ランドウの紹介時の歓声も多い。

演奏は、先日観た 上原ひろみトリオとは、
別の意味のアンサンブルの妙。
匠の域です。

ガッドのドラムソロもたっぷりあって、
素晴らし過ぎて、泣きそうになった。
今年、71歳。
もう酒もたばこもやらず、ヘルシーな食事に
ジョギングを欠かさないらしい。

以前、一緒に演っていたリチャード・ティー、
エリック・ゲイル、コーネル・デュプリーが
すでに鬼籍に入ったことを思うと、
元気で演奏できていることは、本当に素晴らしい。
そして、まだまだ、もっともっと
続けて欲しい。

マイケルは、昨年同様2ハムの Fender ストラト。
前から4列目で、マイケルに近かったため、
良く見えたが、足元、手元で、弾き方で
物凄く細かく音色を変えていた。
あぁ、2ハムのストラト・タイプが欲しい。

今日は、ジミー・ジョンソンも良く見えた。
アレンビックの5弦。
自身の作曲のバラード1曲だけしか、
ベース・ソロは弾かなかったのだけど、
プレイも弾いている姿も良かった。

演奏曲は、"Green Foam"、"Bye Bye Blackbird"
"Desu"、"Oh, Yeah!"、"Them Changes" など。
アンコールは、"Watching The River Flow" が
いいなぁと思ったら、
ホントに "Watching The River Flow" が始まった。
メロはギターではなく、キーボードの
ケヴィンがヴォーカルを取った。

70分ぐらいだったと思うけど、
もっと聴きたいなぁ。

[ MEMBERS ]
Steve Gadd (ds)
Michael Landau (g)
Kevin Hays (key)
Jimmy Johnson (b)
Walt Fowler (flh,tp)

@ BLUE NOTE TOKYO
2nd Show







2016.12.11

グレッグ・レイク 逝く

12月7日に グレッグ・レイク が亡くなった。
癌だったようだ。
享年69歳。
う〜ん、若いなぁ。

今年3月、ELP で一緒だった
キース・エマーソン(Key)が
71歳で自殺というショッキングな
最期を迎えて9カ月のことだった。

高校時代、友人にキングクリムゾンの
『クリムゾン・キングの宮殿』という
アルバム(当時はLPレコード)を
借りて聞き、ショックを受けた。

その1曲目『21世紀の精神異常者』という
タイトルもインパクトのある曲は、
一度聴いたら忘れられない、
旋律とサウンドを持っていた。
このアルバムは、1969年の発表で、
当時「10年も前にこんな凄いロックが
あったのか」と驚いたことも覚えている。
ジャケットも一度見たら忘れられない。



そのアルバムで、ボーカルとベースを
担当していたのがグレッグ・レイクだった。
キングクリムゾン脱退後、
エマーソン・レイク&パーマー(ELP)を結成。

「プログレッシブ・ロックの父 」という
表記を見たが、まさに。

合掌。


(補足)
『21世紀の精神異常者』の現在の邦題は、
『21世紀のスキッツォイド・マン』に
改められている。





2016.12.12

J A C O

エレキベースの革命児と呼ばれる、
ジャコ・パストリアスのドキュメンタリー映画
『JACO』

生きていれば、彼はまだ65歳なのだが、
1987年、わずか35歳で
その天才プレイヤーの幕を閉じた。
酔っぱらって店に入ろうとして
ガードマンと乱闘になり、
意識不明の状態に陥り、
その後、死亡という、
なんとも言えない死に方。
その数年間は、アルコールやドラッグで
奇行が目立っていたのは有名な話。

私は、ジャコの来日公演は観ていないのだが、
1985年12月20日、 NY の Lone Star Cafe という
クラブでライヴを観た。

その時のメンバーは、
ギターがハイラム・ブロック、
ベースがジャコ、あとドラムと
トランペットという編成だった。

開演前、カウンターで酒を飲んでいる男がいた。
私が「ジャコに似てるなぁ、まさか」と思い、
ジロジロ見ていると、
その男は私の視線に気づき、
「Hi」と挨拶をくれた。
私は、思わぬ彼の言動に驚き、
ぎこちなく、「あ、ハ、ハイ」と答えた。

それが、ジャコだった。
たったそれだけだったけど、
私はジャコと言葉を交わしたのだった。
ああ、一緒に写真を撮ってもらえば良かったな。


1985.12.20 Jaco & Hiram @Lone Star Cafe, photo by SHIN223

それから2年も経たないうちに
ジャコは悲劇に見舞われ、
この世を去ってしまった。

ジャコは、1982〜3年頃には、
問題を抱えていたようだなので、
私が観た1985年のジャコは、
すでにドラッグとアルコールにハマっていたと
思うのだが、あの日のジャコは、
そんなに変った様子は感じられなかった。
といっても、当時の私は、今よりももっと
音楽のことも人間のことも分かっていなかったし、
ジャコについても
詳しく知っているわけではなかったので、
何も気づけなかったのかも知れない。

いまだに世界中のベーシストに
影響を与え続けているジャコ。
昨日、スタジオでリハをしたベーシストの
よっしーなどは、大のジャコ・ファン。
一昨年、私とよっしーのデュオ・ライヴでは、
ジャコがらみの曲を3曲 演奏した。

さて、そのジャコのドキュメンタリー映画。
この映画は、2015年にアメリカで公開されたらしいが、
どいうわけか、日本での公開が今頃になってしまったようだ。

制作総指揮が、メタリカのロバート・トゥルージロ。
スラッシュ・メタルとジャズという意外な組み合わせ。
いや、ロバートは元々ジャコのファンだったので、
意外でも何でもないのだろうが。

貴重な映像とインタビューの数々。
インタビューに登場するのは、
ジェリー・ジェモット、カルロス・サンタナ、
ハービー・ハンコック、ゲディー・リー(ラッシュ)、
ジョニ・ミッチェル、スティング、ウェイン・ショーター、
フリー (レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、
ブーツィー・コリンズ、マイク・スターン、
ボブ・ミンツァー、アルフォンソ・ジョンソン、
ピーター・アースキン、ヴィクター・ウッテンなど、
そうそうたるメンバーだ。

ジャコは、NY に進出する前、
フロリダにいた頃から、自分のことを
「世界一のベーシスト」と公言していた。
実際、エレキ・ベースにおいては、
その歴史を変えてしまった天才だ。
映画を観て痛感したのは、
ホントに天才だったんだなということ、
とても良い父親でもあったこと、
天才であるがゆえに、
生きにくかったであろうということ。

そして、最期の数年に関しては、
つらい人生だったんだなと思った。
ラストは、悲しい。

でも、死後30年経とうとしているが、
彼の音楽は、生き続けている。
これからも彼を超えるベーシストは
もう出ないだろう。


★★★★★




音楽ドキュメンタリー映画と睡魔


8月に『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』を
観に行った時にも書いたのだが、
なぜか音楽ドキュメンタリー映画は
強烈な睡魔に襲われる。
観たいのに起きていられないのだ。
今まで観た音楽ドキュメンタリー映画 全てでは
ないのだが、他の映画に比べると
寝てしまう確率が断トツなのだ。

で、それでもやっぱり観たいので、
2回観に行く羽目になる。
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』、
『シュガーマン』、
『バックコーラスの歌姫 (ディーバ) たち』、
『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』
これらは、1回目途中で起きていられなくなり、
寝てしまったがために 2回観に行った映画だ。
(『シュガーマン』は、2回寝てしまい、
3回観に行った。)

なので、今回『JACO』を観に行くときも
(どうか眠くなりませんように)という思いで
劇場に足を運んだ。

白状しよう。
実は、本作の鑑賞、今日が2回目だった。
1回目は、一昨日の土曜日。
混んでいそうなので、前日の夜から
ネットでチケットを予約し、
観る気満々で臨んだ、午前11:45の回。
劇場に着くと、満席で売り切れ。
おぉ、前日に買っておいて良かった。

席に着き、眠くなりそうな
気配のないことを確かめる。
映画が始まる。
30〜40分経ったころ、軽い眠気がやってきた。
(くっそぅ、寝えへんぞ)と気合を入れる。
50〜60分経ったころ、本気の睡魔。
起きているのが、つらい。
もう無理。
降参。
爆睡。

気が付くと映画は終わりかけている。
ああ、またや!
また、寝てしもたがな。
なんでやねん!

というわけで、今日が2回目だったのだ。
もう完全に「音楽ドキュメンタリー映画は寝る」
というジンクスを自分で強化しているようだ。
(今日は、眠らずにちゃんと観ました。)

実は、(まだあるんかい)
本作、チケットを買ったのは3回目だった。
先週の火曜日の 20:35 の回のチケットを
やはり混んでいたらイヤだからと
前日に予約をしたのだが、
当日 17:30 から始まった打合せが、
思っていた以上に長引き、結局、行けなかったのだ。
なので、この映画は3回チケットを買っており、
めちゃ高くついてしまったのだった。

それにしても。
この音楽ドキュメンタリーと睡魔の関係は
なんだろう。

例えば、今年だけを観てみても
ドキュメンタリー映画を8本観たのだが、
そのうち音楽ドキュメンタリー映画が
『パコ・デ・ルシア』『ビートルズ』『ジャコ』の3本。
『ビートルズ』は眠くならなかったけど、
あとの2本は、1回目は寝てしまったのだ。
音楽ドキュメンタリーでない他の5本は、
寝ていない。
(『もしも建物が話せたら』は、
酔っぱらって観たせいもあって少し寝たかな。)

音楽ドキュメンタリー以外では、
こんなに眠くなれへん。
どういうことや。
不思議。





2016.12.25

"Beyond the Sea"

聞くと、ずい分と前から知ってるのだけど、
曲名も、誰が歌っているのかも
分からないという曲がある。
"Beyond the Sea" もそんな1曲。

少し前、ニッキ・パロットの動画を
YouTubeで観ていて、彼女の歌う
"Beyond the Sea" にたどり着いた。
絶対聞いたことがあって、
知っている曲なのに、
誰が歌っていたのか分からなくて、
調べてみたら、ボビー・ダーリンという人が
アメリカで1960年にヒットさせていた。

ボビー・ダーリンのことは、
全く知らなかったけど、1936年生まれで、
50年代から60年代にかけて、アメリカで
多くのヒット曲を出したシンガーだった。

"Beyond the Sea" は、
今やスタンダードともいえる曲で、
フランク・シナトラ、ジョージ・ベンソン、
ロッド・スチュワート、マイケル・ブーブレなど
多くのシンガーがカバーしてる。

色々調べているとケビン・スペイシーが、
ボビー役を演じたその名も
"Beyond the Sea" という映画があった。
(邦題:『ビヨンド the シー 夢見るように歌えば』)

興味がわいたのでレンタルして観てみた。
映画の中で、ケビン・スペイシーは、
本当に歌い踊っているのだが、これがスゴイ。
歌手でだって十分やっていけるでしょう、
というような歌なのだ。
これには驚いた。
アメリカのショービジネスの凄さやね。

映画では、ボビーが子供のころ、体が弱く、
15歳まで生きられないだろうと言われたのを
母親が音楽の楽しさを教えたところから、
映画で共演した女優サンドラ・ディーと結婚し、
その後、夫婦関係が難しくなったり、
少し落ち目になる時代があったり、
母親だと思っていた人が実は祖母で、
本当の母親は姉だったこととか、
リアルに描かれてます。
カツラを被っていたことなんかも。

ケビン・スペイシーの踊りとスィングする歌だけでも
十分、鑑賞の価値があるが、
ボビーの人生もヒューマン・ドラマとして
見ごたえがある。

映画では死までは描かれていないが、
ボビーは、37歳という若さで他界している。


★★★★☆


Bobby Darin - Beyond the sea

本家に負けていません。

Kevin Spacey Sings - "Beyond the Sea"

なお、"Beyond the Sea" は、ボビー・ダーリンの
オリジナル曲ではなく、元々は "La Mer(ラ・メール)"
という古いシャンソンに英語の歌詞を付けたもの。


ネットで見つけた ELVIS と BOBBY の2ショット。



 ひとりごと