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落語 2024-25年
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2024.2.9

鈴本演芸場
2月上席 昼の部




先日、久しぶりに寄席に行ってきた。
初の鈴本演芸場。
上野と御徒町の間にある寄席だ。
退職する前、あこがれていた平日の昼の部。
なんとも言えない、まったりした時間の流れが良い。
客は、ほとんどが老人だ。

私は落語を聴き出して10数年、結構な数の落語会に
足を運んだが、寄席には数えるほどしか行っていない。

今回のお目当ては、一之輔と白酒だったんだけど
白酒は体調不良とかで欠場だったのは残念だった。
でも、改めて寄席の魅力を感じたね。
落語だけでなく色物の面白さ、芸の深さは
もちろんのこと、結構知っていると思っていた
落語でさえ、まだまだ知らない噺家がいるんだ。

今回、良いなと思った噺家は、
五明樓玉の輔(ごめいろう たまのすけ)。
この方、1966年生まれとあるから、ほぼほぼ
私と同年代なんだけど、初めて観ました。
春風亭小朝の弟子。
その日のトリで、演目は『明烏』だったんだけど、
ぜひ他の演目も聴いてみたいと思った。
そう思える噺家って意外に少ないんだ。
だから、ついつい好きになった噺家の落語会に
足を運び、寄席に行く機会が減ってしまうのだけど、
これからは、もっと寄席に行こうと思ったね。
3千円で1日楽しめれば、コスパ最高でしょう。


[ 出演 / 演目 ]
三遊亭歌ん太(前座) 「狸の札」
春風亭一花 「子ほめ」
ストレート松浦 (ジャグリング)
林家正蔵 「松山鏡」
春風亭一之輔 「真田小僧」
おしどり (音曲漫才)
柳亭燕路 「時そば」
林家正雀 「 ? 」
柳家小菊 (粋曲)
橘家圓太郎 「野ざらし」
アサダ二世 (奇術)
三遊亭歌武蔵 「 ? 」
古今亭菊丸 「祇園会」
林家二楽 (紙切り)
五明樓玉の輔 「明烏」

@鈴本演芸場





2024.3.4

落語協会百年興行


先月、鈴本演芸場に足を運び、
改めて寄席の良さを感じた。
1924年に発足した落語協会が、
今年で100年を迎えたその記念興行を
演っているので、再び鈴本演芸場に行ってきた。

百年興行といったって、内容はほとんど普段と同じ。
違うのは、毎日落語協会の幹部が交代で
口上を述べるのと、『百年目』を前後半に分け、
10日間日替わりで、トリの噺家二人が
リレーで口演するという企画。

『百年目』は、結構好きな演目。
硬いと評判の番頭さんが、隠れて
遊んでいるところをお店(たな)の旦那に
見つかってしまうというストーリー。
旦那の素晴らしさに、噺家によっては、
泣かされてしまうこともあるよ。

今日は、三三とさん遊のリレーで、
それぞれの個性が際立つのも見所だった。

他には、先月初めて観て「また観たい」と
書いた五明樓玉の輔も出演していたのが
嬉しかったね。
初めて聴いた噺で、演目名が分からない。
古典風なんだけど、もしかしたら新作だろうか。
あと、鈴々舎美馬。
最近二つ目になったらしいけど、
かわいらしい女性で現代的な新作。
若い女性ならではの噺。
今後も期待できる噺家だと思った。

とにかく今日は、みんな良かったね。
正蔵の落語「おすわどん」も口上も。
さん喬師匠の「締め込み」も。
寄席はいいね。


[ 出演 / 演目 ]
入船亭扇橋 「高砂や」
翁家社中 <太神楽曲芸>
五明樓玉の輔 「?」
三遊亭白鳥 「ナースコール」
鈴々舎美馬 「アカの他人」?
柳家小菊 <粋曲>
林家正蔵 「おすわどん」
柳家さん喬 「締め込み」
--- 仲入り ---
<口上> 林家正蔵
林家楽一 <紙切り>
柳家三三 「百年目」リレー(前半)
柳家さん遊 「百年目」リレー(後半)

@ 鈴本演芸場





2024.3.23

立川談春芸歴40周年記念興行
「立川談春独演会2024」




1月から10月まで毎月2回(合計20回)
開催される芸歴40周年記念興行。
40席の演目が発表されているという
ネタ出しの独演会だ。

今日は、昼夜二部あったけど夜の部を鑑賞。
休憩を挟んで150分、
談春を、たっぷり堪能したよ。
通常、前座が上がるところの
開口一番も自分で演じる談春の姿勢。
自分の弟子を高座に上がらせても良いのに、
おそらくは、自分の芸を観に来たお客様に
100%応えたいという芸人根性の表れだと
私は解釈している。

本日の演目は、お楽しみで 『たらちね』、
そしてネタ出しの『宿屋の仇』、『たちきれ』。
私的本日のハイライトは、最後の演目『たちきれ』。
何度も聴いているが、涙が出たのは
初めてではないかと思う。
その前の『宿屋の仇』も良かったけれど、
談春の良さは人情噺の方が
際立つのではないかと思う。
人情噺に入るのかどうかよく分からないけど、
以前独演会で聴いた『居残り佐平次』が
素晴らしかった覚えもある。

今日は、昼夜2回公演のあと、
深夜にNHKの生放送『今夜も生でさだまさし』に、
出演するそうな。
すごいね。
独演会のあとだからと、断ろうと思ったら、
さだまさしのスケジュールの方が大変で断れなかったとか。
芸人だな。


[ 演目 ]
「たらちね」
「宿屋の仇討」
--- 仲入り ---
「たちきり」

@ 有楽町朝日ホール


40席の演目






2024.4.12

文春落語
柳家喬太郎・柳家小ゑん二人会




一時は年に30本以上の落語会に足を運び、
CDを聴き、DVDを観て、と落語にずっぽり
ハマっていたのだが、この数年は落語会も
年に10回前後と、やや落ち着いていた。
2020年などは、コロナのせいで
観に行った落語会2回だった。
(まあ、この年は観客を入れて
ほとんど演っていなかったけどね。)
ところが、今年はまだ4月なのに来週も行く予定で
6回(うち2回は寄席)になる。
なんだか、落語熱が再度高まっている感がある。

今日は柳家喬太郎、柳家小ゑんの二人会。
柳家喬太郎は、好きな落語家ベスト10に入る。
誰が一番かというのは決めにくいけど、
10人選べと言われたら、必ず入るね。
古典も新作も両方OKで、自由な芸風が魅力。
柳家小ゑんは、一昨年、初めて寄席で観て
印象に残った噺家。
この人も新作を演る人なんだ。

さて、本日の感想。
少し前から喬太郎は、正座が出来ないようで、
見台を置いての口演になった。
座ったり立ったりが、辛そうだけど、
噺に入った途端にそんなことは忘れてしまう。

終演後 貼り出された演目を見ると、
喬太郎の一席目は「毒蛇小噺」となっていたが、
15分話したうち小噺は、1分か2分であとはマクラ。
今日は生配信もしていたようだが、そのことも
ネタに取り入れ相変わらずの爆笑を取っていた。

2席目は、小ゑんの「ぐつぐつ」。
居酒屋のおでんの鍋の中の具が話すという
超シュールなネタ。
ナンセンス過ぎて笑えない部分もあるのだが、
時々ツボにハマって爆笑してしまう。
この人の魅力はこれだな。

仲入りを挟んで、喬太郎の「やとわれ幽霊」。
初めて聴いた新作。
これまた、破天荒な爆笑噺なのだが、
最後にはしんみりさせられた。
上手いね。

そして、最後はおふたりのトーク。
オタク(マニア?)なふたりの
ディープなトークで、楽しめました。


[ 演目 ]
「毒蛇小噺」 柳家喬太郎
「ぐつぐつ」 柳家小ゑん
--- 仲入り ---
「やとわれ幽霊」 柳家喬太郎
<トーク> 小ゑん・喬太郎

@ 文藝春秋西館地下ホール





2024.4.20

五街道雲助一門会
〜 雲助祭り的な 〜




昨年、落語家の五街道雲助師匠(76)が、
重要無形文化財保持者に認定された。
人間国宝だ。
落語家の人間国宝は、柳家小さん、
桂米朝、柳家小三治に続いて4人目。
3人はすでに故人なので、現役落語家では
ただ一人となる。

雲助師匠を観るのは、今日が4回目だったが、
人間国宝になられてからは初めて。
まず、弟子3人とともにトーク。
ここだけ写真を撮ってOKだった。



雲助師匠等身大パネルとご本人。



もう人間国宝になって大分時が経つので、
お祝い的な会もそろそろ終わりのようだ。

弟子の桃月庵白酒と隅田川馬石は、
好きで良く聴く。
もう一人の弟子、蜃気楼龍玉も面白いが
兄弟子ふたりの個性が強いため、
やや目立たない印象。

龍玉の演目は「鹿政談」。
上方の古典落語で、過去に米團治の口演しか
聴いたことがなく、東京の噺家では初めて。
オチが「マメで帰ります」というのだが、
この「マメ」が調べると「身体が丈夫なこと」なんだけど、
ほとんどの人が「?」ではないかな。
こうやって、意味の分からないオチの意味を
知っていくのも落語の勉強ね。

続いて馬石の「締め付け」。
最近、寄席で柳家さん喬師匠のを聴いた。
正統派なさん喬師匠と、
いく分オーバーではち切れた馬石と
芸風の違いを観るのも落語の楽しみだ。

休憩を挟んで、白酒の「犬の災難」。
トリは、雲助師匠の「幾代餅」。
なぜか、この噺だけ睡魔に襲われて、
まともに聴けなかった。残念。


[ 演 目 ]
<トーク> 雲助・白酒・馬石・龍玉
「鹿政談」 蜃気楼龍玉
「締め込み」 隅田川馬石
--- 仲入り ---
「犬の災難」 桃月庵白酒
「幾代餅」 五街道雲助

@ 渋谷区文化総合センターさくらホール





2024.5.3

文藝春秋 講座 文春落語
喬太郎と大師匠五代目小さん




先日(4月12日)、文藝春秋社が
主催する「文春落語 柳家喬太郎・
柳家小ゑん二人会」を観に行った。
その時に知った今日の「文藝春秋 講座」、
喬太郎師匠が、大師匠五代目小さんについて
語るというのは、ぜひ聴いてみたいと思い、
行ってきた。
講師は、このふたり。
柳家喬太郎(落語家)
長井好弘(演芸評論家)

長井さんのことは、存じ上げなかったが、
演芸評論家ということで、この世界にかなり
通じていらっしゃる方と見た。

今日のテーマは、五代目小さん師匠。
小さん師匠の落語は、私はナマでは
聴いたことがなく、映像と音声でしか知らない。
永谷園のCMのおかげで、大阪出身の
私でも顔を知っている。
テレビの力は偉大だ。
落語ファンになって以来、落語家のことを
色々知っていくうちに、小さん師匠が、
1936年の226事件に決死部隊として
出動していた(本人は計画を知らされず、
訳が分からず出動したらしい)ことや
剣道家でもあったことなどは知っていたけど、
今日は、孫弟子である喬太郎の口から、
たくさんの思いで話を聴けた。

小さん師匠は、太平洋戦争でも
ベトナムに出陣していたんだな。
226事件や東南アジア(ベトナム)の戦線で
戦っていた人が、噺家として人間国宝に
選ばれるという、なんだかスゴイ世界なんだ。

もっとも、226事件の出動の直前にも
命令で隊員相手に落語をしたらしいし、
ベトナムでもご本人は「慰問に行っていた」と
語ったぐらい落語をしていたようで、
復員後すぐに高座に上がれたというから驚きだ。

今日は、喬太郎師匠の口から、
たっぷり大師匠小さんの思い出話と柳家愛に
溢れるエピソードを聴けたのでとても良かった。
ただ、現代の噺家なら、全員とは言わないが
大体分かるけれど、戦前、戦後の落語界と
なると、まだまだ勉強不足を感じる講座でもあった。

次から次へと喬太郎師匠の記憶がよみがえり、
時間は押しまくり、最後の落語は20分ほど
だっただろうか。
それでも、今日の会に相応しく『強情灸』で、
小さんへのリスペクトを表現するという、
喬太郎師匠の小さん愛でした。
予定時間を20分以上超過しての講座でした。

印象的だったのは、
会場からの質問で、弟子との関係に
答える喬太郎師匠。
その発言には、簡単には割り切れない
微妙な関係を強く強く感じたのでした。
最近、落語界の師匠と弟子の関係が
裁判にまでなったでしょ。
裁判の判決は、ある面では正しいけど、
ある面では正しくないのかも知れないと思う。
なんだか答えのない難しい問題なんだ。


[ プログラム ]
【第一部】
長井さんによる
「10分で学ぶ、歴代の小さん師匠」
【第二部】
喬太郎が見た、聞いた、感じた
大師匠五代目小さん
質疑応答
--- 休憩 ---
【落語】
「強情灸」 柳家喬太郎

@ 文藝春秋本社 西館地下ホール







ひとりごと