LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS



2023年 MUSIC

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2023.1.12

ジェフ・ベック死す

享年78歳。
死因は、細菌性髄膜炎で、
今月10日に亡くなったとのこと。

昨年、「Jeff Beck & Johnny Depp」名義の
アルバム『18』を発表したばかりだし、ライヴも
やっていたみたいだし、エリック・クラプトンより
健康そうに見えたし、まだまだギタリストとして
進化しそうだったし、来日もしてくれると
思っていたので、突然の訃報は、あまりにショックだ。

そんな風に思うのは私だけではなく、
多くのロック・ファンの共通認識だったのではないかと
渋谷陽一氏のコメントを読んで思った。
曰く、「いわゆる3大ギタリストと言われる、
クラプトン、ベック、ペイジのなかで、
なんの根拠もないが一番長生きをしてくれるの
はジェフ・ベックだと思っていたので、
突然の訃報に受身がとれないでいる。
同じ思いの人は多いのではないか」。

そう、私もなんの根拠もなくジェフは、
もっと長生きしそうに思っていた。
本当かどうかは知らないけど、何かの記事で
彼はヴェジタリアンだと読んだこともあるし、
見ての通り、20代から変わらぬ体型、
そして色んな記事で目にする、
少年のような音楽やギターに対する眼差し。
それらは、全てジェフを死のイメージから
遠ざけていたように思う。

それって勘違いなんだよね。
そんなの長生きする根拠ではないんだ。
死なない人はいないし、真面目に考えれば
死に年齢は関係ない。
100歳まで生きる人もいれば、
0歳で死んでしまう人もいる。
平均寿命(余命?)などという統計が
人間を勘違いさせているだけなんだと、
時々、思い出す必要があるよね。

彼は、生きていれば、まだまだ新しい音楽を
生み出したに違いない。
私の中では、(ギターはめっちゃ上手いけど)
ちょっと不器用な面も感じたジェフ。
私の場合、彼の激しいロックより、
例えば スティービー・ワンダーの
『Cause We've Ended as Lovers』はもちろん、
BBA の『Sweet Sweet Surrender』や
ロッド・スチュワートとコラボしたカーティス・
メイフィールドのカヴァー『People Get Ready』、
ストラトのアームを征服したとも言える
『Where Were You』、ジョージ・マーティンの
アルバム『In My Life』に収録された
『A Day in the Life』(ビートルズのカヴァー)など、
バラード系でその演奏・表現力に大いに感銘を受けた。
ミスター・ストラトキャスターは、
私の中ではジェフなのです。
残念です。

合掌。


長年 私の部屋に飾っているジェフの
雑誌の切り抜き写真(左)。



右は、ジェフとも共演歴のある、
スティーヴィー・レイ・ヴォーン。
スティーヴィーは、1990年35歳という若さで
ヘリコプターの墜落事故で死んでしもた。
嗚呼。






2023.1.15

モリコーネ 映画が恋した音楽家
Ennio




2020年7月、91歳でこの世を去った
映画音楽の巨匠 エンニオ・モリコーネの
ドキュメンタリー映画を観てきた。
期待を大きく上回る感動作だった。

監督は、ジュゼッペ・トルナトーレ。
『ニュー・シネマ・パラダイス』、『明日を夢見て』、
『海の上のピアニスト』、『マレーナ』などで、
モリコーネと組んできた、こちらもイタリアの巨匠だ。
本作は、モリコーネが亡くなってから
製作されたのではなく、生前から5年以上に
わたる密着取材を敢行していた作品だという。
結果的に追悼的な映画になったというわけだ。

私は映画音楽も割と好きなので、
この映画は、公開を知って 絶対に観たいと思い、
手帳に公開日(1/13)を記入したほどだった。
1961年以来、500作品以上という驚異的な数の
映画と TV作品の音楽を手掛けてきたというモリコーネ。
中学生の頃、『夕陽のガンマン』(クリント・
イーストウッド主演のマカロニ・ウエスタン)の
テーマ曲のシングル盤(レコード)を買ったが、
思えばそれが私のモリコーネとの出会いだったわけだ。

1960年代当時、現代音楽の世界では
映画音楽は、芸術的価値が低かった。
そのためモリコーネは、何度も映画音楽を
やめようと思うが、映画界が彼を放さなかった。

その葛藤の中、映画音楽というジャンルを確立し、
芸術的価値をも高めていく数十年にわたる
その業績は、マエストロという敬称に相応しい。

作曲家としての妥協なき姿勢、誇りとこだわり、
溢れ続けるメロディとアイディア、
その仕事の歴史、モリコーネの人となりを
これまた凄いメンバーのインタビューで紡いでゆく。
クリント・イーストウッド、ジョン・ウィリアムズ、
ブルース・スプリングスティーン、ハンス・ジマー、
クエンティン・タランティーノ、ウォン・カーウァイ、
オリヴァー・ストーン、クインシー・ジョーンズ、
パット・メセニー、ジーン・バエズ、
セルジオ・レオーネ、ベルナルド・ベルトルッチなどなど
そうそうたるメンバーだ。
この登場人物を見るだけでも、モリコーネの
偉大さが分かろうというもの。

タランティーノは、「(モリコーネは)モーツァルト、
ベートーヴェン、シューベルトに匹敵する」と
言っていたよ。

157分とやや長尺なドキュメンタリーだが、
モリコーネの魅力がたっぷり。
彼の音楽が使われた映画のシーンも
たくさんあって映画ファンには嬉しい。
もう一度観たいぐらい。

90年代にビデオで観て、全く良さが
分からなかった『ミッション』や、観たけどもう
ほとんど忘れている、『アンタッチャブル』、
『海の上のピアニスト』『ワンス・アポン・ア・タイム
・イン・アメリカ』なども もう一度 観直したくなったよ。

モリコーネは、この映画の完成の前に亡くなった。
最後に、その旨や「モリコーネに捧ぐ」というようなことが
字幕で出てくるかなと思っていたら、なかった。
プログラムには、こうある。

本作の編集中にモリコーネは亡くなったが、
トルナトーレは、今日モリコーネがもう肉体的には
いないという事実を、観客に思い起こさせるような
作りにはしなかった。
トルナトーレは、その理由をこう説明する。
「私はエンニオについて語るというよりも、
彼の音楽と同じように、今も皆の中に
生きているエンニオを見せたかった。
生きていてまだ元気に作曲をしている
人物かのように、そして夜には一緒に出掛けて、
ワイン一杯を前に語り合うことができる存在かの
ように、現在形で語るほうが良いと思ったからだ」


★★★★★


ところで、映画の内容とは関係ないけど、
原題は『Ennio』なのに、邦題は『モリコーネ』。
日本では、どうも苗字の方が、一般的に
浸透している方が多いような気がする。

例えば先日亡くなったジェフ・ベックのことを
私は親しみを込めて、ジェフと書くし、
エリック・クラプトンのことも、エリックと書く。
しかし、世間一般には、ベック、クラプトンと
書かれることが多い。
まあ、ジェフ・ヒーリー、ジェフ・ゴラブ、
ジェフ・ポーカロとミュージシャンにジェフが多いし、
エリックなら、エリック・ゲイル、エリック・ジョンソン、
エリック・アンダースン、エリック・ドルフィーなど、
これまた多いので、区別のためということもあるだろう。
しかし、不思議なことに
マイケル・ジャクソンは、マイケルなんだな。
マイケル・シェンカー、マイケル・フランクス、
マイケル・センベロ、マイケル・ナイマン、
マイケル・マクドナルド など、マイケルも
いっぱいいるのにね。
まあ、ジャクソンというと、これまた多すぎて
誰のことか分からんということもあるかもね。
(ジャーメイン・ジャクソン、ジャネット・ジャクソン、
ラトーヤ・ジャクソン、ポール・ジャクソン、
ジョー・ジャクソン、ジャクソン・ブラウンなど。)
思うに、 エンニオ・モリコーネの場合、
「エンニオ」より「モリコーネ」の方が、
音的に日本人には語呂が良いこともあるのかも知れない。





2023.1.19

ドキュメンタリー・オブ・
エンニオ・モリコーネ

Documentary of ENNNIO MORRICONE




先日観たドキュメンタリー映画
『モリコーネ 映画が恋した音楽家
(以下、『モリコーネ』という)』が
あまりに素晴らしかったので、
エンニオについて、調べていたら、
『ドキュメンタリー・オブ・エンニオ・モリコーネ
(以下『ドキュメンタリー』という)』という
テレビのドキュメンタリーのDVD を発見。
すでに廃番だったが 中古品で入手した。

1995年の作品で、パッケージには
ドイツ・フランス・イギリス合作と記載があるが、
冒頭には、「a ZDF Arte - BBC Television
co - production」と表示される。
(ZDF は、ドイツの公共放送局、
BBC は、イギリスの公共放送局)

先日劇場で観た『モリコーネ』が、
157分もあったのに対し、こちらはテレビ用という
こともあってか、55分と短い。

一番の大きな違いは、『ドキュメンタリー』は、
エンニオの光の部分に焦点を当てているが、
『モリコーネ』の方は、光だけではなく、
彼の人生の陰の部分にもスポットを当てていた。
その結果、『モリコーネ』の方が、エンニオという
人物を深く描く結果になっていると思う。

あれだけの人物を描くのには、55分では足らんわな。
157分でも足らんけど。
そして、『ドキュメンタリー』が制作された
1995年時点では、エンニオはオスカーを獲っていない。
(オスカー受賞は、2006年と2015年。)
賞のために作曲をしているわけではないが、
エンニオを語る上では重要なパーツだ。
事実、『ドキュメンタリー』でも『ミッション』が
オスカーを獲らなかったことに出演者は言及している。

『ドキュメンタリー』に登場する映画は、
『モリコーネ』でもほとんど出てくるのだが、
『モリコーネ』では、触れられなかった作品も
いくつか紹介されるので、両方観たおかげで、
より理解が深まったね。
『モリコーネ』の監督、ジュゼッペ・トルナトーレも
もちろん登場するが、『モリコーネ』ほど
大物はたくさん登場しない。

しかし、『モリコーネ』には登場しなかった、
エンニオの息子(三男)アンドレア・モリコーネ
(作曲家)が、『ニュー・シネマ・パラダイス
愛のテーマ』の作曲家として、登場する。
あれは、エンニオの曲だと思い込んでいたものだから
驚いてしまった。
調べてみると、あの曲のクレジットは、
「Ennio Morricone & Andrea Morricone」。
親子の共作ということのようだ。

もう20年以上前に、ロバート・デニーロが、
出演しているという理由で『ミッション』を
ビデオで観た覚えがあるのだが、
「面白くなかった」という記憶しかなく、
音楽のことなど覚えていない。
たまに何かの機会に『ミッション』の曲を
誰かが演奏しているのを聴いたことはあるけど、
あまり印象に残っていない。
しかし、『ドキュメンタリー』では、
『ミッション』の音楽は「映画音楽を変えた」とか、
「史上最高のサントラ」とまで絶賛している。
またこの度色々読んでいる中には
『ミッション』に対し「映画は面白くないけど
音楽は素晴らしい」というものもあった。
これだけ『ミッション』の音楽が評価されて
いるのだから、もう一度観てみようかな。



(2023.1.21 追記)
一昨日のエントリーにちょっと補足。

『ドキュメンタリー』は1995年の製作でなので、
エンニオが亡くなる2020年までの約25年については、
当然、触れられていない。

『ドキュメンタリー』では、『ミッション』が
ピークとも思えるような描かれ方をしているが、
その後、ジュゼッペ・トルナトーレとのコンビで
『明日を夢見て』、『海の上のピアニスト』、
『鑑定士と顔のない依頼人』などの作品を生み続けた。
ペースは、60年代70年代ほどではないけど。
(むしろ、その時代が異常な数だった。)

2006年には、アカデミー賞名誉賞を受賞。
2015には、クエンティン・タランティーノ脚本・監督の
『ヘイトフル・エイト』で初のアカデミー賞作曲賞を受賞。
1995年以降の活躍も目覚ましいのだ。

そして、おそらく1995年以降、
『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988年)の音楽の
評価も上がり続けていたに違いない。
映画の公開から、35年が経ち
今やスタンダードと化しているのだから。
そんなわけで、『モリコーネ』でも『ミッション』に
ついても、もちろん取り上げられているが、
『モリコーネ』では、それがピークとしてではなく、
多くの偉業の一つとして扱われているのだと思う。






2023.1.21

高橋幸宏

1月11日に 高橋幸宏さんが亡くなった。
死因は誤嚥性肺炎。
享年70歳。
この数年、体調が良くなかったようだけど、
早すぎるなぁ。

高橋幸宏といえば、
「YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)」の
メンバーとして有名だが、それ以外にも
多くの活動をした。
私は、彼のことに詳しくないけど、
「サディスティック・ミカ・バンド」
「サディスティックス」にも参加していたし、
おそらくは知らず知らずに彼の演奏を
多く耳にしていたことだと思う。

記憶では、誰かのライヴのドラムが
高橋ユキヒロだったような気がするのだが、
誰のライヴだったか 思い出せない。

2020年に観たドキュメンタリー映画
『音響ハウス Melody-Go-Round』で
レコーディングのときでも
オシャレしてくる姿が印象的だった。

たくさんのミュージシャンが追悼の
コメントを発表している。
それだけ影響力があった人ということなんだけど
細野晴臣さんのコメントが素晴らしい。

「人の人生は一冊の本のようだ。
いま『高橋幸宏』という本を読み終え、
多くのファンがあとがきを書こうとしている。
物語は終わったが本は消えず、ずっとそこにある。
幸宏の死は世界に反響を及ぼした。
彼が海外のミュージシャンに与えた
影響の大きさを今更ながら知り、
高橋幸宏が実は大スターであることが判明した。
細野晴臣」


合掌。


* * * * *

ところで。
誤嚥性肺炎は、食物や唾液などが誤って
気道内に入ってしまうことから起きる肺炎らしいが、
近年日本人の死亡原因第3位だという。
特に後期高齢者の肺炎のほとんどは
誤嚥性肺炎だと考えられているらしい。

私も最近、飲み物を飲むのにゆっくり飲まないと
変なところに入りそうになることがある。
だんだん、飲み込む力が弱ってくるのかな。





2023.1.23

STEVE GADD BAND
10th ANNIVERSARY TOUR

featuring MICHAEL LANDAU,
TRAVIS CARLTON,
JEFF BABKO & WALT FOWLER




スティーヴ・ガッドの来日は、おそらく、
2019年12月以来の来日ではないだろうか。
今回が、スティーヴ・ガッド・バンド 10周年
アニバーサリー・ツアーということなので、
2013年のアルバム『ガッドの流儀』が
このバンドのスタートだったんだな。
このバンド、メンバーはやや流動的で、
2019年の来日と今回では、ガッドと
ウォルト・ファウラー以外は入替っている。
ちなみこの2019年のブルーノート公演は、
CDになっております。

今までの来日メンバーは、
キーボードは、ケヴィン・ヘイズだったり
ラリー・ゴールディングスだったりしたが、
今回はジェフ・バブコ。
この人も上手い!(当たり前やけど)
トロンボーンもステージに用意されていたけど、
今回のショーでは吹かず。

ベースは、ずっとジミー・ジョンソンだったけど
今回はちょっと意外なトラヴィス・カールトン。
ラリー・カールトン(gt)の息子ね。
このバンドでは、ベースはあまり派手なことを
やらないので、トラヴィスも地味目だったけど、
ガッドを見つめる目が凄かったね。
なんというかもう何一つ聞き逃すまいという
姿勢を感じたね。

ギターは、2019年だけはデヴィッド・スピノザ
だったけれど、今回は再び マイケル・ランドウ。
デヴィッド・スピノザも良かったけれど、
マイケル・ランドウの匠の技も素晴らしい。

ギターは、たぶん Fender のマイケル・ランドウ・
モデルだと思われるが、前に使っていたのは、
カバードのハムバッキング PU 2発だったけど、
今日はオープン・タイプのハムバッキング PU。
私が見落としていなければ、
ずっとフロント・ピックアップだけしか
使っていないように見えたけど、
ピッキングの位置、指引き、ピック引きを
使い分けて、多彩なトーンを出していた。
まさに匠の技。
久しぶりだったので、ちょっと髪の毛が薄くなってたね。

バンドの演奏は、大人のジャズ。
円熟の極みなのだけど、時折、熱い場面もあった。
素晴らしい演奏で、大盛り上がりでした。
前から2列目だったけど、メンバーが
楽しんでいる感じも伝わってきて良かった。
ガッドのドラム・ソロも素晴らしかった。
スタンディング・オベイションです。

曲目は、『Mercy on Your Soul』、『Sly Boots』、
『Watching The River Flow』(アンコール)など。


[ MEMBERS ]
Steve Gadd (ds)
Michael Landau (g)
Travis Carlton (b)
Jeff Babko (key)
Walt Fowler (flh,tp)

@ Blue Note TOKYO
2nd show





2023.1.24

STEVE GADD BAND
10th ANNIVERSARY TOUR
<配信>


昨日、ブルーノート東京で観てきた
スティーヴ・ガッド・バンドがあまりに
良かったので、今日は配信で観たよ。

今回の来日は、ブルーノートでは、
4日間8公演。
それ以外にも今度の日曜日に
高崎芸術劇場 スタジオシアターでの
ライヴがあるのと、スティーヴは、
ブルーノート・トーキョー・オール・スター・
ジャズ・オーケストラとの共演も
2日間4公演あった。

今日は、ブルーノート公演の最終日で
そのラストショーが配信された。
曲は、昨日とほとんど同じだと思うけど、
昨日は演らなかった
『I Can’t Turn You Loose』が嬉しかったな。
この曲でジェフは、昨日は吹かなかった
トロンボーンを吹いたよ。
でも、やっぱり配信より、ナマがええわ。

昨年録音され発売された、スティーヴ・ガッド、
エディ・ゴメス、ロニー・キューバーが
ドイツの WDR ビッグバンドと吹き込んだ
CD では、『I Can't Turn You Loose』、
『Signed Sealed Delivered』、
『Watching The River Flow』など、
スティーヴの長年のレパートリーが
収録されているのだが、ギターの
Bruno Muller(ブルーノ・ミュラー)と
いう人が(ドイツ人なのだけど)
まるでコーネル・デュープリー +
エリック・ゲイルみたいなプレイをしている。
それはもちろん嫌いじゃないのけど、
あんまりそれっぽ過ぎるとあかんやろと思ってしまう。
もちろん、影響を受けているだろうし、
リスペクトしているのは、間違いない。
同じく このアルバムに参加している、
Simon Oslender(ジモン・オスレンダー)と
いう(これまたドイツ人の)ピアニストも、
かなりリチャード・ティー的なプレイを
しているので、もうそういう世界なんかもな。
きっと、あえてそういう風に演奏したんだろうけど
嬉しいながらも微妙な感じ。

なぜ、このアルバムのことを持ち出したかというと
マイケル・ランドウは、全くコーネル・デュープリー
みたいにならないんだ。当たり前やけどな。
やっぱりプロは、シグネチャー・トーンというか
個性がないとね。

ジェフ・ベックや高橋幸宏と
70代のミュージシャンが続けて亡くなった。
さびしくなる一方やけど、今年78歳になる
スティーヴには まだまだ元気で
ゴキゲンなグルーヴを聴かせて欲しい。

そういえば、スティーヴはエリック・クラプトンと
同じ年なんだ。(1945年生まれ)
4月のエリックの武道館公演は、
結局6公演ともチケットを買ったぜ。


[ MEMBERS ]
Steve Gadd (ds)
Michael Landau (g)
Travis Carlton (b)
Jeff Babko (key)
Walt Fowler (flh,tp)

[ SETLST ]
1. Hidden Drive
2. I Can’t Turn You Loose
3. Does’t She Know By Now
4. De Volta Ao Samba
5. Mercy On Your Soul
6. Oh, Yeah!
7. Duke’s Anthem
8. Sly Boots
9. Watching The River Flow

@ Blue Note TOKYO
2nd show





2023.1.25

小島良喜
ソロアルバム発売記念ライブ




12月には発売予定だった、小島さんの
ニューアルバムだが、残念ながら発売が遅れている。
アルバムの発売を前に、
「ソロアルバム発売記念ライブ」はすでに
あちこちで開催されることになってしまった。

東京は、目黒ブルース・アレイ・ジャパン。
もしかしたら、今日会場で買えるかなぁと
淡い期待をしていたけど、開口一番、
「皆様に謝らなければならないことがあります」と
アルバムの発売が遅れていることの説明があった。
音源は、出来上がっているのだけど、
ジャケットが中々決まらなかったとかで、
あの様子では、まだ1~2ヶ月かかるかも知れない。
2枚組だというので、楽しみにしている。

今日の席は最前列だった。
1曲目がループを流してのエレピの演奏
だったのだけど、その真正面で小島さんまで
2メートルも離れていないような距離だった。

2曲目以降は、ピアノ。
毎度のことながら、素晴らしい演奏だった。
曲は、『Truth In My Eyes』、『Family』、
『Are You Happy』、『Dragon Fly』など。
小島さん、曲名を全部言ってくれないので
「これなんだっけ?」と思っても あとで
調べようがないことが多いねん。
アンコールは、『My Foolish Heart』。
短めの休憩を入れて2時間35分ぐらいかな。
今日もたっぷりでした。

休憩の時、トイレで小島さんとばったり。
ああいう時、なんか気の利いたことが
言えたら良いのだけど、シャイな私は
何も言えず、無言で過ごしてしまうのでした。
二人だけだったので話すチャンスだったのに。
「Facebook にアルバムいつ発売ですか?
と書き込んだのオレです」と言えばよかったと
あとで、気が付いて後悔。


[ MEMBERS ]
小島良喜 (pf)

@ Blues Alley Japan (目黒)





2023.1.30

鮎川誠 死去

すい臓癌だって。
享年74歳。
ちょっと若いなぁ・・・。
ミュージシャンの訃報が続くなぁ・・・。

シーナが死んじゃって、シーナに替わって
娘さんが唄ってる映像を観たことがある。

日本のロック・ギタリストの中でも
独特の雰囲気、オーラの人だった。
ライヴを観たことはないのだけど、
20年くらい前、三軒茶屋でちゃりんこに
乗ってるの見かけたことがあったなぁ。
(下北沢に住んでたらしい。)

トレードマークは、1969年製ギブソン、
ブラックのレスポール・カスタム。
塗装も剥がれて もの凄い貫禄。
あれだけ弾き込んでもらえたら、
ギターも幸せだと思う。

『ユー・メイ・ドリーム』はええ曲やった。
プロデュースは、細野晴臣さんで、
作曲も 鮎川誠, 細野晴臣 となっている。
なんとドラムは、先日亡くなった
高橋幸宏さんだったのだね。

合掌。


(2023.1.31 追記)
シーナ&ロケッツ には川嶋さんというドラマーが
いるけど、ウィキペディアには
『ユー・メイ・ドリーム』の参加ミュージシャンとして
ドラムに 高橋ユキヒロ とあったので、
レコーディングには高橋さんが参加していたのだと思われる。


2014年の鮎川さんのインタビューを見つけた。

鮎川誠 ロングインタビュー(2014年)





2023.2.10

Burt Bacharach
バート・バカラック


2月8日、ポピュラー音楽界の偉大な
作曲家、バート・バカラックが亡くなった。
享年94歳。
自然死(老衰)と発表されている。

バカラックは、『Walk On By』、『Close To You』、
『I Say A Little Prayer』、『Baby It's You』、
『Alfie』、『The Look Of Love』、
『Raindrops Keep Fallin' On My Head』、
『Arthur's Theme』などなど 今では
ポップスやジャズのスタンダードとなった数々の
名曲を作曲した。
彼の音楽は、間違いなくポップスの
クラシックとなって後世に残っていくだろう。

幸運にも私は、彼の2014年の
来日公演を観ることが出来た。
その時に彼はすでに85歳だったのだが、
記憶に残る素晴らしいライヴだった。
2020年にも来日の話があったのだが、
コロナの影響で「米国国務省より発令された
米国民に対する渡航中止勧告」のため、
来日は中止になった。
実現していたら、91歳での来日だったわけだが、
私が観た公演が、最後の来日公演に
なってしまったわけだ。

バカラックの曲の中では、超有名な
『(They Long to Be) Close to You』
(邦題『遥かなる影』)が一番好きだけど、
『Baby It’s You』も良い。
オリジナルは、シュレルズという黒人女性
コーラス・グループ(1961年)。
この曲は、ビートルズもカーペンターズも
カヴァーしていたね。
ビートルズのは、シュレルズのヴァージョンを
踏襲しているのが分かるけど、
カーペンターズのは、またずい分と違うテイストだ。
私は山根麻衣の1982年の
アルバム『will』に収録されている、
ロックな感じのカヴァー(Smith というバンドの
1969年のヴァージョンが元)がお気に入り。

山根麻衣 - Baby It's You


[ 関連エントリー ]
2014.4.14 An Evening with BURT BACHARACH 2014




ありがとう、ジェフ




ありがとう、ジェフ。
あなたが地球にいてくれて、
本当に楽しかった。
R.I.P. JEFF BECK 1944 - 2023



ギター・マガジン最新号(3月号)に
見開きでジェフ・ベックへの追悼文が
掲載されていた。
この文章がジェフへのリスペクト&愛満載で
泣かせてくれます。

ここのところ、あちこちで、
ジェフのことを目にする機会が増え、
訃報を聞いたときよりも、ジェフの死が
なんだかリアルになってきた。
どんどん喪失感が募っていく感じだ。

来月号のギター・マガジンは、追悼特集。





2023.2.18

浜田真理子の
有楽町で逢いましょう vol.1

ゲスト:Miuni




昨年12月、有楽町のマリオン(ルミネ)別館に
オープンした「I'M A SHOW」という劇場。
「I'M A SHOW(アイム・ア・ショー)」と
書いて「アイマショウ」と読ませるとは、シャレている。
その「I'M A SHOW」に初めて行ってきた。
音楽も演劇も出来る劇場として
作られたようで、キャパは392席。
ちょうどいい感じだな。

さて、今日のショーは、久しぶりの浜田真理子さん。
1部は、ゲストとして Miuni の登場。
Miuni というのは「御舟」のことで、
沖縄県宮古島の民謡をベースに演奏する
4人グループ。
なんでも、今日が東京での初ライブだったらしい。

2部は浜田さんのショー。
数曲 Miuni のサックス奏者、
池村真理野さんが参加。
ムード音楽をということで、むせび泣く
テナーサックスで『テンダリー』や
映画『あちらにいる鬼』で使われた『恋ごころ』、
『貝殻節』、『胸の小箱』など。
途中1曲、とんちピクルスさんという人が
『有楽町で逢いましょう』を唄うために登場。

16時開演だったのだけど、
遅いランチを食べ過ぎた上、
ちょっとアルコールも飲んだため、
残念ながら、1部の Miuni は、ほぼほぼ気絶。
2部は、大体 聴けたけど。

浜田さんのライヴはたぶん、2018年以来
5年ぶりだったと思うけど、
やっぱりこの人の歌は良いなぁ。
なんだか、素朴で心に染みる。


[ 出演 ]
浜田真理子(vo/pf)
Miuni:
與那城美和(唄三線)
川満七重(唄三線)
池村綾野(p/key)
池村真理野(sax)
Guest:とんちピクルス(vo)





2023.2.19

BLUE GIANT



「音が聞こえてくる漫画」と評価されていた
『BLUE GIANT』がアニメで映画化された。
実は5~6年前、友人に第1巻を借りて
読んだことがある。
面白かったら続きを読むつもりでいた。
面白くなかったわけではないけど、
なんとなく1巻だけで終わってしまった。
詳しくは覚えていないけど、第1巻では、
ストーリーが展開する前だったんだろうな。

映画化された本作は、ぜひ劇場で観なきゃと
思っていたのは、音楽を上原ひろみが
全面的に担当していることだった。

映画は、主人公の宮本大が、世界一の
サックス・プレーヤーを目指して、
河原でひとり、練習しているシーンから始まる。
仙台から東京に出てきて、
「JASS」というジャズ・トリオを組み、
日本最高のジャズクラブ「So Blue」の
ステージに10代で立つことを目標に活動を始める。

このトリオ、実際に演奏しているのメンバーが凄い。
ピアノ(沢辺雪祈)が上原ひろみ、
テナーサックス(宮本大)が馬場智章、
ドラム(玉田俊二)が石若駿という超一流の面々。
彼らが、18歳のアマチュア・バンドの演奏をするわけだ。
ドラムの玉田は初心者からスタートするのだが、
ちゃんとヘタに叩いている。
それでも上手いんだけどね。

楽器演奏、特にピアノやドラムは、アニメの動きと
演奏が合っていないと白けてしまいそうだが、
そこもかなりリアルに作り込まれていて感心した。
まあ、これは明らかにモーションキャプチャーも
使われているようだったけど、そのほかの演出も
含めて、ライヴの臨場感が素晴らしい。
何より演奏が良い。
演奏とアニメのコラボで飽きることなく、
スクリーンから目が離せなかったよ。
「JASS」のオリジナル曲(劇中3曲+
エンドロール1曲)も ひろみの書き下ろしだ。

登場するジャズクラブ「So Blue」と
その系列店として出てくる「Cottons」は、
それぞれ Blue Note、Cotton Club をモデルに
していることは、一目瞭然。
店内の描写もニクイ。
ひろみが関わっていることもあってか、
登場するピアノはすべて YAMAHA だったりと
マニアックな見所もあり。
ドラムとサックスのことはあまり分からないけど、
その辺のディテールにも製作者側の
こだわりが現れているんだろう。

ジャズの熱さ、激しさが十分に伝わってくる内容で、
この映画を機会に実際にジャズ・クラブに足を運ぶ
お客さんもきっといるだろうと思う。
また、メンバーの苦悩や人間的な成長も描かれていて、
ドラマとしても見応えがある。
漫画(原作)の方は、第3部まで進み、
現在も連載中とのこと。
ぜひ、アニメ映画の方も続編を観たいな。


★★★★▲




【サントラの情報】
(JASSメンバー演奏)
馬場智章(ts)
上原ひろみ(p)
石若 駿(ds)

(劇中バンド演奏)
上原ひろみ(p, key)
柴田 亮、井川 晃(ds)
田中晋吾、中林薫平(b)
田辺充邦(g)
村上 基(tp)
本間将人(ts, as)
馬場智章(ts)

(劇中音楽演奏)
上原ひろみ(p, el-p)
菅野知明、伊吹文裕(ds)
Marty Holoubek(b)
國田大輔、井上 銘(g)
石若 駿(per)
佐瀬悠輔、伊藤 駿(tp)
三原万里子(tb)
片山士駿、野津雄太(fl)
小林未侑(cl)
神農広樹(oboe)
西江辰郎、田村直貴、田中笑美子(1st violin)
ビルマン聡平、松崎千鶴(2nd violin)
中 恵菜、古屋聡見(viola)
向井 航、篠崎由紀、下島万乃(cello)
挾間美帆(cond)


ネット上のレビューを読むと「音がしょぼい」との声もある。
私は「T・ジョイ PRINCE 品川」で観たのだが、
とても迫力のある音だったので、これは
劇場によって差が出るのではないかと思う。





2023.2.22

AVISHAI COHEN TRIO
"Shifting Sands"




久しぶりのアヴィシャイ・コーエン!
今日もアヴィシャイは、ピアノ・トリオだ。
いや~素晴らしかった!
ドラムが、2000年生まれ、
まだ22歳の女性、ロ二・カスピ。
かわいらしい女の子だったのだけど、
そのプレイ、特にドラム・ソロはぶっ飛びだったね。

ライヴのタイトルに "Shifting Sands" と、
昨年リリースされたアルバム名が付いている。
そのアルバムのピアノは、2019年に一緒に
来日していたエルチン・シリノフ (p) なのだけど、
今回のピアノは、ガイ・モスコヴィッチ という
これまた26歳という若いピアニスト。
子供のような世代のふたりとのトリオなのだ。
(3人ともイスラエル人ね。)

2019年3月のライヴの感想に
「美しく、躍動的で、新しい」、そして、
「アヴィシャイはとてもセクシー」と書いた。
今日もそれは感じたけど、付け加えるなら
「エモーショナルで野性的なのにどこまでいっても知的」
そんな感じ。(どんな感じ?)

今、世界に必要なのは、音楽だ!
聴きながら、そんなことを思ったよ。

スタンディング・オベイションでアンコール。
めちゃくちゃカッコいい アレンジで、『Summertime』。
アヴィシャイは、CD では歌を聴いたことが
あったけど、生歌は初めて聴いた。
これまたカッコいい。

前回、ライヴを観たのは、パンデミックの前だった。
一時は、もう外国人アーティストを国内で
観ることは出来ないんやないかと心配したけれど、
徐々に以前のように観られるようになってきて、
本当に良かった。


[ MEMBERS ]
Avishai Cohen (b,vo)
Guy Moskovich (p)
Roni Kaspi (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd show


[ 参考動画 ]
Avishai Cohen Trio - Shifting Sands Session - ARTE Concert





2023.2.26

沖仁×大萩康司×小沼ようすけ
"TRES Ⅱ"




フラメンコ・ギタリストの沖仁、
クラシック・ギタリストの大萩康司、
そして、ジャズ・ギタリストの小沼ようすけ、
昨年2月5日にこの3人の共演を初めて観た。
その日の感想に「また演って欲しい」と
書いたのだけど、一年経ってそれが叶った。
会場は、前回と同じ銀座ヤマハホール。
「今度はホールではなく、ジャズクラブで聴きたい」と
書いたけど、そうは行かないね。
このコンサートは、完全にヤマハのサポートで
成り立っている印象だったし、
色々大人の事情もあるだろうし。

ソロやデュオも、良かったけど、
やはり普段 観ることの出来ない、
この3人ならではのトリオの演奏が素晴らしかった。
3人の奏法の違い、音色の違いが現れて、
そのバックグラウンドの違いも楽しめる。

昨年は、3人ともナイロン弦だったけど、
今日は小沼さんは、ギブソンの
まだ新そうなスチール弦ギター。
ボディが大きく、音量もあるようだ。
沖さんはヤマハ製のフラメンコ・ギター。
今日が初お披露目の一本とのこと。
大萩さんは、1958年製だというクラシック・ギター。
ビルダーの名前も、言ってたけど忘れてしまった。
このギターの音が一番好きだったな。
甘く深みがあり、柔らかいのに
なんだか威厳と歴史を感じさせる感じ。
まあ、歴史を感じるなどというのは、
1958年製と聞いたから思うことだろうから、
当てにならないけど。

大萩さんは、一曲でヤマハのエレガツトを使用。
生音が良いとのことで、ラインではなくマイクで拾っていた。

スタート時の MC で、沖さんが
「このホールは、響きが素晴らしいので、
始めの3曲は、PA を使わず
生音だけでやります」と言っていた。
その後も、突然音量が上がったり、
聞こえ方が変わったりすることなく、
進んで行ったので、かなり繊細な
音響の調整がされていたんだと思う。
素晴らしい。

また、この3人でやりそうな話しだったので楽しみだ。
今日は2階席の最前列だったけど、
次回は同じヤマハホールでも、
1階席の前の方で聴きたいな。

タイトルの「TRES Ⅱ」。
「TRES」はスペイン語の「3」で、
「Ⅱ」は2回目のコンサートという意味だろう。
今日、聴きながら途中で気付いたのだけど、
名前が、おき、おおはぎ、おぬまと
3人とも「お(O)」が付くのね。
それで、ユニット名を「OOO(トリプル・オー)」
にしたら、どうかなと思った。
「OOO」というのは、マーティンのギターの
品番に付くアルファベットで、3人のうち誰も
マーティンを使ってないけど、ギター好きなら
分かるので、シャレでどうかなと思った。
あかんわな。


[ MEMBERS ]
沖仁 (gt)
大萩康司 (gt)
小沼ようすけ (gt)

@ YAMAHA HALL (銀座)


[ SETLIST ]
1. ススペ~フエゴ(沖)/沖ソロ
2. 「はかなき人生」よりスペイン舞曲第1番
  (マヌエル・デ・ファリャ)/沖・大萩デュオ
3. 暁の鐘(エドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサ)/大萩ソロ
4. 継承(小沼)/小沼ソロ
5. アルマンドのルンバ(チック・コリア)/沖・小沼デュオ
― 休憩 ―
6. ファンタスマⅣ(沖)/トリオ
7. ムン・カ・ヘレ(小沼)/トリオ
8. アランフェス協奏曲よりアダージョ(ロドリーゴ)/トリオ
9. リベルタンゴ(ピアソラ)/トリオ
EC. カヴァティーナ(スタンリー・マイヤーズ)/トリオ





2023.2.26

AVISHAI COHEN TRIO
"Shifting Sands"
and
The "Amity Duet"

小曽根真 & アヴィシャイ・コーエン
配信


先日(2/22)、ブルーノート東京で観た、
アヴィシャイ・コーエン・トリオの演奏が、
あまりに素晴らしかったので、
その翌日(2/23)の 2nd show と
そのまた翌日(2/24)の小曽根さんと
アヴィシャイとのデュエット(これも 2nd show)の
配信を観た。
リアル・タイムには観られなかったので、
アーカイブ配信で今日、2本続けて鑑賞。



まずは、AVISHAI COHEN TRIO。
3日間6公演の最終ショー。
何台かのカメラのおかげで、会場では
見えなかった表情などの様子も伺えた。
そして、ナマで観ていたおかげで、
配信でありながらも、より臨場感も
感じることが出来たよ。
約90分。

演奏は、本当に素晴らしい。
もう来日のたびに観に行くことが決定したな。
そういうアーティストが増え続けていて、
嬉しいけど(経済的に)困るね。

会場で観たとき以上に、ピアノの
ガイ・モスコヴィッチ と ドラムの
ロ二・カスピ の素晴らしさもより感じた。
3人ともなんだか、別次元の演奏。

そして、小曽根真(pf)と
アヴィシャイ・コーエン(b)のデュオ。



これまた凄い。
ナマで観たらもっと凄かっただろうな。
このデュオは、この日がワールドプレミア。
途中の MC で小曽根さんが発表したのだけど、
なんとこのデュオでワールド・ツアーに出るという。
当然、東京公演もあるだろうから、
これは絶対観にいかなあかん。

曲は、スタンダードや小曽根さんの曲、
そして、二人が出会ったきっかけだったという
チック・コリアの曲。
アヴィシャイは自身のトリオのときとは、
また違う味を出してた。
小曽根さんのピアノの魅力も再認識した感じ。
これまた別次元の演奏。
こちらは約80分。

ツアーに出るくらいだから、アルバムも
出すのかも知れないけど、ぜひとも、
ライヴ・ビデオも発売して欲しい。





2023.2.28

プレミアム・ステージ

来月、ブルーノート東京で
「ASKA featuring デイヴィッド・フォスター」
というライヴが開催される。
非常にレアな凄い組み合わせで、
おそらくは最初で最後なのではないかと思う。

私は30代の頃、一時期 CHAGE&ASKA を
好きな時期があって、彼らの本も読んだし、
一度だけだけど大阪城ホールのコンサートにも
行ったことがある。
当時はカラオケに行くと決まって
『太陽と埃の中で』、『WALK』、
『君が愛を語れ』(ASKAのソロ曲)などを
唄ったものだ。
(書いていて恥ずかしいのはなぜ?)

CHAGE よりは ASKA の方が好きだった。
最近は、ほとんど聴かなくなったのだけど
機会があればライヴも観てみたい。
件の事件のあとの ASKA の音楽は
聴いたことがないしね。

で、デイヴィッド・フォスターとの
ブルーノートでの公演。
ちょっと驚いたのはその料金。
¥79,000(税込)なり。

「特製フードプレート&グラスシャンパン付」で
全席指定席。
来場特典として Blu-ray (ASKA Premium
Symphonic Concert LIVE 2022年8月6日
名古屋公演)と 特製プログラムが付く。

う~ん、79,000円ねぇ。
1回限りの公演だし、かなりターゲットを
絞ってきてるね。
残念だけど、行かないなぁ、というか
79,000円は出せないな。

私が、ブルーノートに79,000円出して
観に行くとしたら、誰だろう?
あぁ、ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、
ポール・マッカートニーあたりなら、行くかな。
きっとチケットは、抽選制で当たる確率は低いけど。
その場合、全席同じ値段は不満だな。
通常でも差をつけているのだから、
せめて2~3種類のランクに分けて欲しい。
一番後ろの一番端と、ステージ正面の
前の方の席が同じ値段というのは、
どうも納得できないもんなぁ。

話を戻そう。
ASKA と デイヴィッド・フォスター。
ブルーノートのサイトには
「レジェンド二人が贈るプレミアム・ステージ」とある。
この場合の「プレミアム」は、「高級な」
「上等な」の意味と「初」の意味と両方だろう。
ASKA と デイヴィッド・フォスター、
それぞれ単独でのライヴであれば、
79,000円にはならないだろうから、
主催者側としては、この組み合わせに
かなりの価値を見込んでいることになる。
コロナの影響で、ライヴ業界は結構な
打撃だっただろう。
そのことと関係あるのかも知れないが
なんだか、音楽ビジネスも変わってきているんだなぁ。

ちなみに ASAKA は今月で65歳、
デイヴィッド・フォスターは、73歳。
彼、アメリカ人だと思っていたら、カナダ人なのね。





2023.3.8

小島良喜&山木秀夫 DUO



初めて聴く、小島さん(pf)と
山木さん(dr)のデュオ。
ドラムとのデュオというのは珍しい。
今までにライヴを観た覚えがあるドラムとの
デュオは「桑原あい(pf)×石若駿(dr)」と
「渡辺香津美(gt)×山木秀夫(dr)」だけかな。
これらの組合わせにベースが加わると、
ピアノ・トリオ、ギター・トリオとなるわけだが、
ベースがいない分、それぞれの自由度が
増えるとともに音楽として完成させる難易度は
上がるような気がする。
ふたりにセンスと技術が求められると思うのだ。

さて、本日のデュオ。
おそらく様々な場面で共演してきたであろう
お二人だが、一体、どの程度の打合せ、
リハーサルをやった上での、本番の演奏なのだろうか。
ジャンルで言えば、ジャズなので、
基本的には、Improvisation
(インプロビゼーション:即興演奏のこと)なのだろうけど。

印象としては、小島さんが好き勝手(失礼)に
演っているのに、山木さんが乗っかって
合わせていくというか、創作していくように
感じだのだけど、実際、あのふたりの
心理的な内面や、脳内で何が起こっているのかは
全く想像がつかない。
ただ言えるのは、「迷いのなさ」と「反応の早さ」だ。

演奏後、ふたりが「楽しかった」と言ってたけど、
ああいう境地で演奏が出来たら、
本当に楽しいんだろうなと思う。

山木さんとのデュオも素晴らしかったけど、
今度は、ぜひ鶴谷さん(dr)とのデュオも観たい。


[ MEMBERS ]
小島良喜(pf)
山木秀夫(dr)

@ BLUES ALLEY JAPAN
入替なし





2023.3.9

Generations On Da Table
ジェネレーションズ・オン・ダ・テーブル




昨年6月の「FAB4 featuring 山岸潤史」
以来の山岸さんを観てきた。
山岸さんは、日本人でありながら、
アメリカで活躍する数少ないギタリスト。
私が初めて観たのは、18歳の時だから
40年以上、聴き続けているギタリストだ。

今日のメンバーは、昨年の「FAB4」と
ベースの KenKen、ギターの TAKU が同じ。
KenKen のことは何度か書いたけど
素晴らしいベーシストだ。
そして、ギターの TAKU。
昨年「かなり好きなギター」と書いたけど、
今日も良かったなぁ。
黒いセミアコだったんだけど、トーンも良かったし、
フレーズも適度にジャジーで、ちょっとタイプは
違うねんけど、一瞬、弾いている顔が
石やんに似てると思ってしまった。
今日は、キーボードいなかった分、
ギターが聴けたのでギター好きには
これはこれで、嬉しいな。
ドラムはたぶん初めて観たんじゃないかな、
SATOKO という女性ドラマー。
なんだろう、他のメンバーが濃いい分、
この人のプレイだけ、入ってこなかった感じ。
このメンバーと演っているのだから、
十分上手いんだけど、他の人たちが
外に向かって演奏しているのに彼女だけは、
内側を向いているような印象だった。
上手く説明できないけど。

山岸さんは、(たぶん)moon の
サンバーストのシンライン・テレキャスター・タイプ。
フロントがハムバッキンで、太めのええ音でした。
控えで、いつもの Xotic の白いテレキャス・タイプも
置いてあったけど、出番はなし。

インストを2曲演ったあと、マリさんの登場。
石やん作の『最後の本音』、
ムッシュかまやつの『ゴロワーズを吸ったことがあるかい』
ジョニー吉長(マリさんの元夫)の『ありがとう』
と、ゆかりのある、故人の曲が続く。
あー、そういうことなんだよな。
順番にいなくなっていくけど、
音楽と故人の想い出は、こうして残っていくんだ。

マリさんは、ウエストロード・ブルースバンド
(山岸さんがデビューしたバンド)の1枚目の
レコーディングに19歳で参加していたらしい。
マリさんは、石やん(石田長生)とも
チャーさんともバンドを組んでいたけど、
山岸さんとは、何度も共演歴はあるのに
一緒にバンドをやるのは、これが初めてだという。
なるほど、そういえばそうだな。
そういうことが出会って50年目に
起きるんだから、人生って面白い。

マリさんが山岸さんを
「ギタリスト界の大谷翔平」と紹介していた。
なるほど、ジョー・サンプルのバンドに
入るなんて、まるでメジャーだわ。


[ MEMBER ]
山岸潤史 (g)
KenKen (b)
金子マリ (vo)
SATOKO (ds)
TAKU (g)

@ COTTON CLUB
2nd show





2023.3.17

ボビー・コールドウェル 死去

ミスターAORこと ボビー・コールドウェルが
3月14日に亡くなった。
この数年は、闘病生活だったようだ。
享年71歳。
ちょっと若いなぁ。



1st アルバム『イブニング・スキャンダル』(1978年)
からは、"What You Won't Do For Love"、
"Special To Me"、"Come To Me" と
ヒットを飛ばし、文字通り彼の代表アルバムとなった。
私と同年代なら、特に "What You Won't Do For
Love"(邦題『風のシルエット』)を聞いたことが
ない人は おそらくいないだろう。
多くの人がカヴァーしているが、
私もライヴで数回演奏したことがある。

合掌。


Bobby Caldwell - What You Won't Do for Love





2023.3.26

SIMON PHILLIPS
"Protocol V"




2019年6月以来、約4年ぶりの
サイモン・フィリップスのプロトコル。
今回は、"Protocol V(5)"。
昨年3月、アルバム『プロトコル V』を
リリースしていたのだが、知らなかった。
今回の来日メンバーは、2019年の来日
メンバーで、アルバムも同様と思われる。

ブルーノート東京、3日間公演
初日の2nd ショー。
例によって、ハイテンションなハード・フュージョン。
2014年、2015年の来日時の「プロトコル」の
ギターは、アンディ・ティモンズで、
2018年がグレッグ・ハウ。
2019年が今回と同じアレックス・シルだったが、
私はアンディのギターが一番好きだなぁ。
アレックスのプレイは、アンディに比べると現代的。
ギターはヘッドレス・タイプを2本使用。
1本は、スタンドに固定されたエレアコ的なもの。



会場は、満席でおおいに盛り上がっていた。
席が、ドラムに近かったので、
サイモンをたっぷり観られたのは良かったが、
途中2曲ほどあのハードな演奏の中、
なぜか睡魔に襲われて参った。

2014年のエントリーには、サイモンが
激しいドラミングのあとのMCで息が
乱れていないことを書いているが、
今日は、激しい曲のあとのMCで
「はぁ~はぁ~」いうてた。
あの時は 57歳やったけど、
今は 66歳やからなぁ。
健康に気を付けて、続けて欲しいけど、
80歳で あのプレイはちょっとイメージできない。
だから、これからどんな風になっていくのか
楽しみでもある。
80歳でもあんな風に演ってたりして。


[ MEMBERS ]
Simon Phillips (ds)
Otmaro Ruiz (key)
Ernest Tibbs(b)
Jacob Scesney (sax)
Alex Sill (g)

@ Blue Note Tokyo
2nd show


[ 関連エントリー ]
2019.6.5 SIMON PHILLIPS "Protocol" -30th Anniversary Tour-
2018.1.7 SIMON PHILLIPS "PROTOCOL IV"
2015.6.19 SIMON PHILLIPS “Protocol III”
2014.5.31 SIMON PHILLIPS "Protocol II"



(2023.6.4 追記)
Blue Note のサイト(Live Reports)
セットリストがアップされていたので、
こちらにも記しておく。

2023 3.26 SUN.
2nd show Setlist
1. NIMBUS
2. SOLITAIRE
3. PENTANGLE
4. WHEN THE CAT’S AWAY *
5. DARK STAR *
6. RED ROCKS
7. THE LONG ROAD HOME *
8. JAGANNATH *
EC. CELTIC RUN

* Protpcol V 収録曲





2023.3.28

JACKSON BROWNE
Japan Tour 2023




ジャクソン・ブラウン、6年ぶりのジャパンツアー。
3月20日大阪、22日広島、24日名古屋と
周ってきて、27、28日が東京。
その東京公演は、売り切れたようで
30日には、追加公演がある。

今日28日は、東京公演の2日目を観てきた。
会場は、前回(2017年)、前々回(2015年)と
同じ渋谷の Bunkamura オーチャードホール。

メンバーは、ギターのひとりが Val McCallum から
Mason Stoops に、キーボードが
Jeff Young から Jason Crosby に
変わっている以外は、前回と同じ。
ギターの Greg Leisz が変わらずいてくれたことは嬉しい。

現在74歳のジャクソン・ブラウン。
1972年にアルバム・デビューしているので、
もう芸歴(というのか?)は 50年を越えている。
74年のアルバム『Late For The Sky』は、
アメリカの国家保存重要録音登録制度
(National Recording Registry)に登録され、
米議会図書館に「文化遺産」として、
永久保存されているという。
その長いキャリアで今回が12回目の来日だという。

さて、そんなジャクソンのコンサート。
前回、「20分ほどの休憩を入れて、
2時間45分ほどのショー。
来年で70歳とは思えないパフォーマンスでした」と
書いたけど、今日は、15分ぐらいの休憩を入れて、
2回のアンコールを入れて約2時間50分!
74歳とは思えぬ声!
そして毎度のことながら、客席から飛び交う
リクエストの声に応えるシーンも幾度かあった。

今日も なんだか分からないけど、
心に突き刺さってくる歌声で、
何度かウルウルしてしまった。

ジャクソンはピアノも弾いたけど、基本的にはギター。
2人のギタリストと合わせると、
ギブソンやフェンダー、見たことのない物も含めて
ステージで弾かれたギターは、20本ぐらい
あったのではないだろうか。
Greg Leisz のペダル・スティールと
ラップ・スティールが素晴らしい。

昨年リリースされたアルバム
『Downhill From Everywhere』
からも『Downhill from Everywhere』
『Until Justice Is Real』『The Dreamer』
など数曲演奏。

『Doctor My Eyes』『Late For The Sky』
『Running On Empty』などはもちろん、
今日のハイライトは、前回 前々回は
聴けなかった『Stay』が聴けたことだな。

それから、今日ジャクソンのMCで知ったのだけど、
3月3日にデヴィッド・リンドレー(gt)が亡くなっていた。
それから、前回 前々回バンドメンバーだった
キーボードのジェフ・ヤングも2月27日に
亡くなっていたんだ。
ジャクソンは、今日のショーは、
彼らに捧げますと言っていた。

David Lindley、享年78歳。
Jeff Young、享年?歳。

合掌。


[ MEMBERS ]
Jackson Brown (Vocal/Guitar)
Bob Glaub(Bass)
Mason Stoops(Guitar)
Mauricio Lewak(Drums)
Greg Leisz(Guitar)
Jason Crosby(Piano/Violin)
Aletha Mills(Vocals)
Chavonne Stewart(Vocals)

@ Bunkamura オーチャードホール


--- Jackson Browne Japan Tour 2023 ---
3月20日(月)大阪・中之島 フェスティバルホール
3月22日(水)広島・JMSアステールプラザ 大ホール
3月24日(金)愛知・名古屋市公会堂
3月27日(月)東京・渋谷 Bunkamura オーチャードホール
3月28日(火)東京・渋谷 Bunkamura オーチャードホールT
3月30日(木)東京・渋谷 Bunkamura オーチャードホール〈追加公演〉


[ 関連エントリー ]
2015.3.13 JACKSON BROWNE
2017.10.17 JACKSON BROWNE


[ 参考 ]
memories of Jackson Browne in Japan

熱烈なファンの方が作ったと思われる、
ジャクソン・ブラウン日本公演セットリスト。
今年の分は、まだアップされていないけど。



(2023.4.3 追記)
ネットにセトリがアップされていた。

3月28日 @Bunkamuraオーチャードホール
[ SETLIST ]
1. Before the Deluge
2. World In Motion
3. Walls And Doors (Carlos Varela cover)
4. Never Stop
5. The Barricades Of Heaven
6. For A Dancer
7. Fountain of Sorrow (悲しみの泉)
8. Rock Me On The Water
9. Jamaica Say You Will
10. Downhill From Everywhere
11. These Days
12. For Everyman
-- Break --
13. Until Justice Is Real
14. The Dreamer
15. The Long Way Around
16. Your Bright Baby Blues
17. Sky Blue and Black
18. Doctor My Eyes
19. Late For The Sky
20. The Pretender
21. Running On Empty (孤独なランナー)
-- Encore --
22. The Load Out
23. Stay
24. Take It Easy/
25. Our Lady Of The Well (泉の聖母)





2023.4.4

坂本龍一 死す

3月28日に坂本龍一が亡くなった。
昨日の朝、TV をつけたら、
坂本龍一の写真が映し出された。
観た瞬間、「あ、死んだ」と思った。
朝のワイドショーで、彼の写真が映るということは
そういうことなんだ。

癌で闘病していたことは、知っていたが、
今年1月に 70歳で逝ってしまった高橋幸宏に続き、
坂本龍一は、71歳だった。
ちょっと若すぎるよな。

なぜだか分からないけど、訃報をただの報告か
記録のようには、ここに書きたくなくて、
何を書くか考えがまとまってから書こうと思った。

で、全然、まとまってない。
でも、書くことにする。
まとまらなくても思いつくままに書いて、
前に進むことにする。

2017年に坂本龍一を取材したドキュメンタリー映画、
『Ryuichi Sakamoto: CODA』を観た。
東日本大震災で津波を被り、当然、調律の
狂ったピアノを彼は、「狂っているのではない。
自然が調律したのだ」と言った。
なんだか、違う次元で音楽を向き合っているとしか
思えなかった。

今年1月に映画『戦場のメリークリスマス』
4K修正版で公開されたのも、なんだか
教授の最期を見送るかのようなロードショー
だったように思えてきた。

私が30代前半で、まだ音楽家になろう(なれる)と
思っていた頃、目標の一つに「映画音楽を作る」と
書いた覚えがある。
もともと映画音楽が好きだったのもあるが、
『戦場のメリークリスマス』はもちろん
1987年の教授の映画『ラストエンペラー』で、
教授が日本人として初めてアカデミー賞
作曲賞を受賞したことに影響を受けたことは
間違いない。

教授の訃報に YMO の『ライディーン』を流す
テレビ局があって、一部の人にひんしゅくを
買っているらしい。
『ライディーン』は、高橋幸宏の作曲だからだ。
誰かが書いていたけど、メロディは幸宏が
書いたかもしれないけど、あの重厚な和音は
教授のアレンジに違いないから、
別に『ライディーン』でも良いんじゃないかと。

まあ『Merry Christmas Mr. Lawrence』や
『The Last Emperor』を
流すのが無難に違いないだろう。(無難て何?)
しかし、私的には『Behind The Mask』だ。
Eric Clapton の1986年のアルバム『August』に
『Behind The Mask』(YMOの曲)が
入っていて、当時ぶっ飛んだ覚えがある。
だって、エリックが日本人の書いた曲
(作曲:坂本龍一,作詞:Chris Mosdell)
を演るなんて考えられなかったからね。
しかも原曲、テクノですぜ。

そうしたら、そののち、なんと
Michael Jackson が『Behind The Mask』
カヴァーしていたことを知って、これまた驚いたもんだ。
クインシー・ジョーンズが気にいってたらしく、
マイケルの『Thriller』(1982年)の制作中に
レコーディングされたけど、権利関係で
うまくいかずアルバムには収録されなかったらしい。
(のちにリリースされた。)
もし、『Thriller』に収録されてたら凄いことだったのにな。
でも、その流れもあり(マイケルのキーボディスト、
グレッグ・フィリンゲインズがエリックのバンドにも
いた)、エリックもカヴァーしたようなんだけどね。

私は、特に坂本龍一の熱烈なファンだったわけでは
なかったけれど、彼の生き方、発言に刺激を受け、
その音楽も(少しだけど)聴いてきた。
そういえば、ちょっと前には小池東京都知事に
送った神宮外苑再開発計画に反対の手紙に
感銘を受け、思わず反対プロジェクトに署名をしたよ。
亡くなる直前、共同通信の書面インタビューでは、
「音楽制作も難しいほど気力・体力ともに減衰している。
手紙を送る以上の発信や行動は難しい」と
明かしていたらしい。
「音楽に力はないけど、自分の有名性は使う」と
語っていたのを以前、何かで読んだ。
最期までそれを全うしたんだ。

昨日今日読んだ記事の中では、朝日新聞デジタルの
山内深紗子さんという方の記事に感動した。
有料記事です。

坂本龍一さんが語った死生観 がんで号泣…痛みに弱いから行動できた

この中では教授の言葉
「がんの究極の原因は『生きていること』」というのが
とても心に残った。

なんだか全てにおいて、違う次元で
ものごと、人生を捉えていたように思えてくる。
実際、そうなんだろうけど。

そして、変な言い方だけど、
『Merry Christmas Mr. Lawrence』は
安易にカヴァーされているような気がするんだ。
昨年12月に配信されたという
ピアノ・ソロ・コンサートの演奏を聴いて、
生半可な気持ちでは演奏できないと、
思ったのでした。

いつか弾きたい、いや、きっと弾くけどね。

あと、もうひとつ。
ドキュメンタリー映画、
『Ryuichi Sakamoto: CODA』の中で語られるエピソード。
映画『シェルタリング・スカイ』のベルナルド・
ベルトルッチ監督に、レコーディングの場になって、
「このイントロは気に入らないから変えてくれ」
と言われたらしい。
スタジオには40人のオーケストラが
レコーディングのスタンバイをしている。
教授が「今からそれは無理です」と言うと
監督は「そうなのか? エンニオ・モリコーネは
その場ですぐに書き換えたぞ」と言ったらしい。
で、そう言われてはやらないわけにはいかないので
30分で書き換えたという。

今年1月にエンニオ・モリコーネのドキュメンタリー
映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』
観たので、よく分かるが、モリコーネは、
ピアノで音を出さなくてもサクサクと譜面を
書き上げてしまう天才だったんだ。
そんなプレッシャーの中、30分で書き換えた
教授も間違いなく天才です。

合掌。





2023.4.7

The Other Side of Sooo Baad Revue



「ソー・バッド・レビュー」というのは、
1975年秋から76年11月まで、ほんの1年ほど
活動していたソウル・ファンク・バンド。

その「ソー・バッド・レビュー」の1976年未発表
ライブ音源が昨年リリースされていたことを
先日になって知った。
すぐ発注したよ。

1976年1月11日、東京高円寺は次郎吉での
ライブを録音したもので、6曲入り。
良い録音とは言えないけど、
貴重な音源で、当時の熱さが伝わってくる。
このライヴの時、石やん(石田長生)は23歳、
山岸さん(山岸潤史)は、22歳や。

石やんが、死んでしもてからもうすぐ8年。
来年、私は石やんが死んだ歳になってしまう。


[ TRACK LIST ]
1. Introduction(オープニングやで~! )
2. 最後の本音
3. Little R
4. Keep On ポテちん Brother
5. 悪名 On da Street
6. 何処行った

[ MEMBERS ]
北 京一 (vo)
砂川正和 (vo, per)
山岸潤史 (gt)
石田長生 (vo, gt)
永本 忠 (b)
ベーカー土居 (dr)
国府輝幸 (key)
チャールズ清水 (key)

ツイン・ボーカル、ツイン・ギター、
ツイン・キーボードという最強バンド。
このあと、石やんは「GAS」というバンド
(レコードデビュー前に解散)を組み、
そのあと「The Voice & Rhythm」を
結成するのだった。





2023.4.15

ERIC CLAPTON
LIVE at BUDOKAN

第一夜(武道館97回目公演)




いよいよエリック・クラプトンの
来日公演が始まった。
今夜は、6回公演のその第一回。

前回(2019年)の来日時、
これが最後かも知れないと思い、
5回公演のうち3回武道館へ観に行った。
今年、エリックも78歳になった。
ジェフ・ベックが逝ってしまったこともあり、
思い切って、6回全部のチケットを取った。
本当に最後かも知れないからね。

海外アーティストとして、武道館公演
歴代1位のエリックは、今回の来日で
武道館公演回数が 100回を超える。
1974年の1回目から数えて、
今日は 97回目の武道館だった。



今日はあいにくの雨だった。
早めに行ったので、グッズ販売の列に
並んだら、70分もかかったよ。


Tシャツとキャップ

席は、東側C列19番。
良い席とは言えないけど、まあまあかな。
もしかしたら、武道館では初めて見たのでは
ないかと思うのだけど、今回はステージ両サイドに
大きなモニターが設置されていた。
おかげで、オペラグラスを持って行ってたけど
必要なかったよ。
これは嬉しかったな。

開演定刻18時ピッタリに会場が暗くなり、
メンバーが登場した。
エリックの来日を待ちわびていた
観客の盛り上がりが、会場に響く。
ステージ中央まで進んだエリックが、
客席に向かって深々とお辞儀をした。
この時点で、私の涙腺は決壊寸前。

1曲目は、聴いたことがないような
スローなインスト。
あとでセットリストを検索してみたら
『Blue Rainbow』と書いてあった。

ギターは、濃い色のストラトのイメージが
あるエリックだが、今日のストラトは、
薄いクリーム色。
モニターにアップで映し出されると分かるが、
ボディにはうっすらと木目が透けている。
モニターのおかげで、ピックアップ・セレクターの
位置が良く見えて良かった。
ギターは、そのストラトとアコースティック・コーナーで
使ったマーティンの OOOタイプ
(000-28ECかな?)の2本のみ。

78歳とは思えぬ声量で、その声の張りには
驚いたけど、ギタープレイの方はミスが目立った。
それが、今日たまたまそうだったのか、
歳のせいで、そんな風になってきたのかが
分からないんだけど、そういうのもう関係ない。

以前、古今亭志ん朝が父親である志ん生に
ついて語っているのを聞いたことがある。
晩年の志ん生は、落語ができなくなっていても
高座に上がるだけで、客が喜んだという。
もう存在だけでありがたい、というような話しだった。

私にとってのエリックも、もうその域だ。
何度か意味不明に感動が込み上げてきて
心の中で「エリック、ありがとう」と
感謝の気持ちでいっぱいになった。
やっぱり、この人のおかげで
いっぱい夢見ることが出来たし、
ギターがもっと好きになったし、
なんだか感謝が溢れてきたんだ。
今、書いててもウルウルしてくる。
これって、私も歳を取ったということなんだろうな。

今日は、前回聴けなかったエレクトリック・
ヴァージョンの『Layla』が聴けたのは良かった。
アンコールは、2019年と同じくポール・キャラックの
ヴォーカルで『High Time We Went』。
もうアンコールは、これって決まってるみたいやなぁ。
あと5回あるので、違う曲を演る日が
あることを期待しよう。

ドイル・ブラムホール2世のギターなどについては、
また別の日に書こう。


[ SETLIST ]
( Electric set )
01. Blue Rainbow
02. Pretending
03. Key to the Highway
04. I’m Your Hoochie Coochie Man
05. I Shot the Sheriff
( Acoustic set )
06. Kindhearted Woman Blues
07. Nobody Knows You When You’re Down and Out
08. Call Me the Breeze
09. Sam Hall
10. Tears in Heaven
11. Kerry
( Electric set )
12. Badge
13. Wonderful Tonight
14. Cross Road Blues
15. Little Queen of Spades
16. Layla
( Encore )
17. High Time We Went

NME JAPANのサイトより)


[ MEMBERS ]
Eric Clapton - gt / vo
Nathan East - b / vo
Sonny Emory - dr
Doyle Bramhall II - gt / vol
Chris Stainton - key
Paul Carrack - or / vo
Katie Kissoon - vo
Sharon White - vo

@ 武道館





2023.4.17

THE DOOBIE BROTHERS
50th Anniversary Tour




武道館では、4月15日から24日までのうち、
6日間はエリック・クラプトンのコンサートが
行われているんだけど、その内の1日、
今日はドゥービー・ブラザーズのコンサートが
開催された。

エリックもドゥービーも同じウドー音楽事務所の
主催なので、ステージはエリックのまま
使うんだろうなと思っていたが、
明らかに照明は違っていた。
スピーカーはどうか分からない。
ステージ自体はたぶん使い回しだろうと思う。
でも、一昨日のエリックの公演ではあった
ステージ左右のモニターは、撤去されていた。
念のため、オペラグラスを持って行って正解でした。

2017年以来6年ぶりの来日で、
結成50周年のリユニオン・ツアーなのだが、
今回の目玉は何と言っても
マイケル・マクドナルドの参加!

ちょっと丸くなったマイケルは、髪も髭も真っ白。
『Minute by Minute』、
『What A fool Believes』、
『It Keeps You Runnin'』、
『Takin' It to the Streets』が
ナマで聴けただけで大満足だ。
欲を言えば、『I Keep Forgettin'』も
聴きたかったけど それは欲張り過ぎやな。

他にも聴きたかった曲、『Long Train Runnin'」、
『China Grove』、『Jesus Is Just Alright』、
『Without You』、『Listen to the Music』
などが聴けた。
本編1時間50分、アンコール3曲入れて
2時間10分強のステージは、大満足でした。

ジョン・マクフィーは、ギター、ペダル・スティール、
ハーモニカ、ヴァイオリンと芸達者。
マイケル・マクドナルドも1曲でマンドリンを弾いていたね。

マイケル・マクドナルドの存在は、
間違いなく大きのだけど、観ていて
ドゥービー・ブラザーズは、やっぱり
トム・ジョンストンのバンドなんだと思ったね。

そして、マイケルの唄うちょっとシェレオツな
ソフティケテッドされた AOR 路線と
『Black Water』みたいな、
いなたい曲の差が激しいわ。




[ SETLIST ]
1. Nobody
2. Take Me in Your Arms (Rock Me a Little While)
3. Here to Love You
4. Dependin' on You
5. Rockin' Down the Highway
6. You Belong to Me
7. Easy
8. South City Midnight Lady
9. Clear as the Driven Snow
10. It Keeps You Runnin'
11. Another Park, Another Sunday
12. Eyes of Silver
13. Better Days
14. Don't Ya Mess With Me
15. Real Love
16. World Gone Crazy
17. Minute by Minute
18. Without You
19. Jesus Is Just Alright
20. What a Fool Believes
21. Long Train Runnin'
22. China Grove
Ec1. Black Water
Ec2. Takin' It to the Streets
Ec3. Listen to the Music

setlistfm より


[ MEMBERS ]
トム・ジョンストン (gt, vo)
パトリック・シモンズ (gt, vo)
ジョン・マクフィー (gt, vn, hmc, vo)
マイケル・マクドナルド (key, mand, vo)
ジョン・コーワン (b, vo)
マーク・ルッソ (sax)
エド・トス (dr)
マーク・キニョーネス (perc)

スマホでの撮影はOK。



YouTube で、50周年ツアーでの『What A fool Believes』
発見した。
そこにあった視聴者のコメントを読んで、
なんだか言葉にできない気持ちになった。
50年の長さと意味、今、生きていることについて。

I saw this Group play in 1971 when I got home from Vietnam.
They were playing at a street fair in San Francisco.
It was a good day as I was thankful to be alive.
52 years is a long time.
I've learned a lot. Some good, some bad.
God Bless America because America needs it.

1971年、ベトナムから帰国した年にこのグループの演奏を観たよ。
彼らはサンフランシスコのストリートフェアで演奏していたんだ。
生きていて良かったと思えた一日だった。
52年は長い。
私は多くのことを学んだよ。良いことも悪いことも。
アメリカに神のご加護を。アメリカにはそれが必要なんだ。


【ドゥービー・ブラザーズ ジャパン・ツアー】
4/15(土) 盛岡 岩手県民会館
4/17(月) 東京 日本武道館
4/18(火) 横浜 パシフィコ横浜国立大ホール
4/20(木) 名古屋 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
4/22(土) 金沢 金沢歌劇座
4/24(月) 大阪 フェスティバルホール
4/25(火) 大阪 フェスティバルホール
4/27(木) 広島 広島上野学園ホール





2023.4.18

ERIC CLAPTON
LIVE at BUDOKAN

第二夜(武道館98回目公演)




今日はアリーナ席、C-7-29番。
ステージとの距離は縮まったが、
ステージサイドのモニターは、
見上げる感じになってやや観にくい。
これは2階席の方が観易かった。

2階席に比べて、アリーナは自分が
会場の真ん中にいるような感じがする。
そのせいか、土曜日よりも観客は
盛り上がっているように感じた。

今日も定刻19時ちょうどに会場が
暗くなりメンバーが登場した。
セットリストは、未確認だけど、
アンコールも含めて、土曜日と
全く同じであったと思う。

土曜日より今日の方が、エリックのミスは
少なくてギターソロもキレが良かったと思う。
今日は特に『Wonderful Tonight』が良かったな。
観客のスマホライトは、アリーナ席からの方が
1階席2階席が見渡せて、美しい。

エリックのギターは、土曜日と同じと思われる
薄いクリーム色の Fender ストラトキャスター。

ドイル・ブラムホール2世の
ギターについても書いておこう。
今日のメイン・ギターは、Gibson のセミアコ。
たぶん ES-335 だろうと思う。
土曜日の公演でメインに使用したのは、
Collings のセミアコだった(I-35 LC と思われる)。
この2本のギターは、おそらくカスタムモデルだろう。
ドイルは、左利きだけど右利き用のギターを
そのまま左利きで弾いて習得したようだ。
なので、1弦が上側、6弦が下側という
普通のギターと逆の弦の並びになる。
2本のセミアコは、ピックガードが弦の上に
着いているので、一見すると右利き用に見える。
だが、よく見るとボリューム、トーンのつまみは
下側に着いているんだ。
そんなギター、普通は作らないだろうから、
たぶん特注だと思うな。


[ MEMBERS ]
Eric Clapton - gt / vo
Nathan East - b / vo
Sonny Emory - dr
Doyle Bramhall II - gt / vol
Chris Stainton - key
Paul Carrack - or / vo
Katie Kissoon - vo
Sharon White - vo

@ 武道館




余談。
昨日の武道館のドゥービー・ブラザーズのコンサートで
ステージは、エリック・クラプトンのものと
使い回しだろうが、照明が違うと書いた。

ドゥービー・ブラザーズの照明



客席の位置が全然違うので、見え方が違うのだけど
エリック・クラプトンの照明



エリックの方は、赤色や青色はなく、
シンプルな照明だった。





2023.4.19

ERIC CLAPTON
LIVE at BUDOKAN

第三夜(武道館99回目公演)




本日もセットリストは、第一夜、第二夜と
同じだった。

1曲目に演奏されたスロー・ナンバー、
『Blue Rainbow』は、ジェフ・ベックへの
トリビュートだとか、未発表曲だとか、
ネットでいくつかの記事を読んだが、
確かなことは分からない。
おそらく、来日中にどこかの雑誌が
インタビューするかもしれないので、
この曲については、そこで
語られるんじゃないだろうかと思う

ジェフ・ベックへのトリビュートという意味では、
土曜日には聞き取れなかったけど、
昨日、今日の公演では『Sam Hall』
(アイリッシュのトラディショナル)を演るときに
「Jeff Beck」という単語が聞き取れた。
2月にジェリー・ダグラスのコンサートに
ゲスト出演したときに、この曲を
ジェフへの追悼として演奏したという記事も
読んだので間違いないだろう。

『Tears In Heaven』の間奏で、ポールが
『A Whiter Shade of Pale(青い影)』
(プロコル・ハルム/Procol Harum の曲)の
イントロのフレーズを弾く演出も3日間同じだ。
80年代に、エリックのブートレッグで、
この曲を演っているのを聴いた覚えがある。
昨年2月に亡くなったプロコル・ハルムの
ゲイリー・ブルッカー(Gary Brooker/76歳没)は、
エリックのバンドのメンバーであったこともあり、
友人だったというから、そういう想いもあるんだろう。

『Lady In The Balcony: Lockdown Sessions』にも
収められていた『Kerry』は長年、エリックの
ツアー・スタッフだったケリー・ルイス(2021年没)に
捧げられた曲だ。

エリックの同世代のミュージシャンやスタッフが、
年々亡くなっており、エリックのステージは、
その人たちへの想いの表現の場でもある。
聴衆である私もその人たちのことに想いを馳せて
今、音楽を聴ける幸福を噛みしめようと思う。

エリックのギターは、3公演同じ
薄いクリーム色のストラトキャスターと
アコースティック・セットでのマーティン。
この2本のみ。

今日は、『I Shot the Sheriff』のギターソロが
素晴らしかった。
曲終わりで、立ち上がって拍手していた人が
いたほど良かった。
全体的に今日のギターソロは、良かったと思うのだけど、
時々、ズッコケそうなミストーンもあった。
そういうのは、もう関係ないと初日に書いた通り
なんだけど、途中、「エリックがんばれ」と
応援している自分を発見したよ。

改めて『Badge』は、カッコイイ名曲だと思う。
『Wonderful Tonight』は、今日も良かった。
観客のスマホのライトは、3公演で一番
多かったように思う。

ドイル・ブラムホール2世は昨日と同じ Gibson。
何の曲だったか、1曲で違うセミアコ
(これもたぶん Gibson ES-335だと思う)を弾いた。

ネイザン・イーストは、白いヤマハの5弦ベース。
今日は、最後に「オツカレサマデシタ」と言ったよ。


[ MEMBERS ]
Eric Clapton - gt / vo
Nathan East - b / vo
Sonny Emory - dr
Doyle Bramhall II - gt / vol
Chris Stainton - key
Paul Carrack - or / vo
Katie Kissoon - vo
Sharon White - vo

@ 武道館





余談。
今日は、後ろの席の人が、手拍子もうるさいし
足踏みするのが響いてきてイヤだった。
この曲では、手拍子せんでええやろ、という曲でも
力いっぱい手拍子するんや。
しかも時々リズムがずれる。
「やめて」とも言えないし、毎度これには参る。





2023.4.20

Ahmad Jamal
アーマッド・ジャマル


4月16日、ジャズ・ピアニストのアーマッド・ジャマル
(Ahmad Jamal,米国人)が亡くなった。
癌だったらしい。
1930年生まれだから、私の父と同じ年だったんだ。
享年92歳。
92歳なら長生きだったなと思うけど、
やはり悲しいことに変わりない。

10代からプロとして活動していたというから、
そのキャリアは、70数年に及ぶ。
凄いよね、70年以上って。

私がアーマッドを知ったのは、2014年の
「東京JAZZ」だった。
たまたま東京国際フォーラムAホールの
最前列のチケットが取れたその日、
アーマッドのピアノ・カルテットを初めて聴いたのだ。
その日の感想 に彼らの演奏を
「幸せな演奏」と書いてる。
観たことさえも忘れてしまうライヴが多い中、
アーマッドのライヴは、しっかりと記憶に残っている。
それまでに思っていたジャズ・ピアノとは
イメージが違った覚えがある。

そのライヴを観たあと、アーマッドが気になりだし
何枚かCDを聴いた。
そして、その何年も前から、ライヴでも
演奏していた『Poinciana』という曲が、
アーマッドの代表曲であることを知った。
作曲は、アーマッドではなく、古い曲(1936年)
なのだけど、アーマッドの1958年発表の演奏が
人気を得て、ラテン・ジャズのスタンダードとなったらしい。
『Poinciana』は、今でも大好きな曲だ。
(Poinciana はカリブ海で好まれる草花)

『Poinciana』を知った当初は、
インスト曲だと思い込んでいた。
何年か後に、カルロス菅野さんのヴォーカル・アルバムに
歌が入っていて、もともと歌詞付きの曲だと知った。

前述の「東京JAZZ」のステージでは、
終演後に上原ひろみがアーマッドへ
花束を贈るために舞台に登場した。
その日は、ひろみも「ザ・トリオ・プロジェクト」で
出演する予定で、私のお目当ては、
「ザ・トリオ・プロジェクト」だったんだ。
その時は、ひろみとアーマッドの関係を知らなかったんだけど、
ふたりには深い結びつきがあったんだ。

ひろみが、バークリー音楽院に在学中、
その演奏を聴いた教授が
「アーマッドに聴かせたい」と言い出し、
演奏を聴いたアーマッドが、レコード会社を
紹介し、あれよあれよという間に契約に至り、
ひと月ぐらいでデビューが決まったのだという。

17歳の時には、チック・コリアに誘われ、
共演を果たしているし、ひろみほどの
才能の持ち主なら、必ず世の中に
出てきたのは、間違いない。

でも、アーマッドがきっかけだったんだ。
もっと言えば、アーマッドにつないだ教授も
キー・パーソンだけど。
ひろみにとっては、チック同様、
アーマッドはとても重要な時期に出会った
恩師だったんだな。

ハッピーでピースフルな演奏を聴かせてくれた
アーマッドに合掌です。


Ballades (2019年) - 最後のアルバム



Ahmad Jamal - Poinciana

歌入り Diane Schuur ・ Poinciana


[ 参考 ]
20歳で渡米。上原ひろみ、ジャズ界の大物に見いだされデビュー果たすまで





2023.4.21

ERIC CLAPTON
LIVE at BUDOKAN

第四夜(武道館
100回目!公演)



ついに今日は、エリック・クラプトンの
100回目の武道館公演だった。
開演前には、その旨のアナウンスもあった。
どうせ観るなら、100回目というファンもいただろう。
始まる前の歓声や、メンバー登場時の
盛り上がり方は、この4回で今日が
一番だったような気がする。

でも、100回目だからと、特別な風でもなく、
ショーは進んでいく。
周りが騒いでいるだけで、
アーティストにすれば、そんなことは
大したことではないのかも知れない。
エリックは、ロイヤル・アルバート・ホールでは
200回演っているしね。

火曜日、水曜日には、『Sam Hall』の前に
短いMCで、ジェフ・ベックの名前を
出したのだけど、今日は何も言わずに始めた。

『Little Queen of Spades』までは、
3日間と同じセットリストだった(と思う)。
『Little Queen of Spades』が終わったあと、
前回までは、エリックがちょこっと弾いて、
そのまま『Layla』のリフを弾き始めるのだが、
今日は、ネイザンがソロを弾き出した。
そして、あのフレーズが出ると、
『Cocaine』に突入だ!
今日は特別だから、一曲多いのかな、
このあと『Layla』演るのかなと思っていたら、
『Cocaine』で、本編は終了。
『Cocaine』では、「コケーン!」のところで
客席を照明で照らす演出あり。

メンバーがはけたあと(たぶん)ウドー音楽事務所の
人が登場し「コンサートの途中ではございますが」と、
今日が100回目の武道館であることをアナウンス。
メンバーが再び登場すると、
「武道館とウドーからです」と言って、
エリックに大きな花束を贈呈した。
それと「ウドーから」と言って記念の盾を手渡した。
エリックは、とても嬉しそうにしていて、
なんだか感動してしまった。

そして、アンコールは、3公演と同じく
『High Time We Went』。
このあと『Layla』を演るのかなと期待するも、
まさかの『Layla』なしの100回目公演だった。
まあ、『Layla』を演らなかったことは、
過去にもあっただろうけど、あれで、
『Layla』もやれば、お客さん大喜びだったのにな。

今回のツアー、今日まで4公演とも
本編が1時間35分前後で、
アンコールを入れて、1時間45分前後
(今日は花束贈呈の分、数分長かった)。
昔に比べるとちょっと短いよね。
今日は、ミスも少なかったように思うけど、
なんだか大したことない所で、
音を外すのは、やっぱり数回あったな。
やっぱり、78歳にはしんどいのかな。

エリックのギターは、同じクリーム色の
ストラトキャスターと、マーティンのエレアコ。

ドイルのギターは、今日もギブソンの ES-335 と
思われる赤いセミアコがメイン。
毎回、アコースティック・セットで一曲ギターを
持ち替えるのだけど、今日はブラウン・サンバーストの
ヘリテイジのセミアコ(335タイプ)だった。
一昨日、「たぶん Gibson ES-335」と書いたけど、
このヘリテイジだったかも知れない。
このギターは、完全にレフティタイプ。
後半、ストラトキャスターに持ち替えた。
これもレフティタイプだったけど、
「どんな弾き方したら、そんなに塗装が剥げるの?」
というほど、ボディの塗装が剥がれ、
塗装どころか木部を削っているように見えた。

ドイルは、左利きだけど右利き用のギターを
そのまま左利きで弾いて習得したようで、
上側に1弦、下側が6弦という
ギターを弾いている。
通常のギターと弦の並びが逆なのだ。
で、弾き方を見ていると、右利きのギタリストが、
ダウン・ピッキングで弾くところを
アップ・ピッキングで弾いているんだ。
もしかしたら、そのせいであのストラトの
塗装は剥げてしまっているのかもしれない。
だって、アップ・ピッキングで激しく弾いたら、
ピックガードない部分に当たるからね。
それで、コリングスやギブソンのセミアコは、
ピックガードを右利き用のようにつけたままに
しているのかも知れないと思った。

さあ、残すところあと2回。
もう、違う曲を聴けることは期待してないけど、
存分に満喫しようと思う。




[ MEMBERS ]
Eric Clapton - gt / vo
Nathan East - b / vo
Sonny Emory - dr
Doyle Bramhall II - gt / vol
Chris Stainton - key
Paul Carrack - or / vo
Katie Kissoon - vo
Sharon White - vo

@ 武道館





2023.4.22

ERIC CLAPTON
LIVE at BUDOKAN

第五夜(武道館101回目公演)




あっという間にもう今日が5日目のライヴ。
初日に「ギタープレイのミスが目立ったけど、
もうそういうの関係ない。存在だけでありがたい」
という主旨のことを書いた。
「存在だけでありがたい」のは間違いないのだけど、
5回目にして、今日は複雑な思いに駆られてしまった。

『Pretending』だったか、とても良い感じで
ギター・ソロが始まって「おおぉ~」と思っていると、
ずっこけそうなミストーンを出すんだ。
この5日間、そういうことが何度もあった。

そして、気付いたのだけど、アコースティック・
セットのブルースでは、そういうミスがないんだ。
エレクトリックのソロの時と、
『Pretending』『I Shot the Sheriff』
『Wonderful Tonight』『Layla』などのように
決まったフレーズを弾くときにミスがあるんだ。

で、一昨年の『Lady In The Balcony :
Lockdown Sessions』も 数曲でエレキも
弾いたけど基本的にアコースティック・セットだった。
つまり、78歳のエリックは、スタンディングで、
エレキギターでロックするスタイルでは
もうないんじゃないか、と思ったのです。
椅子に座って、マーティンで、
アコースティックなブルースを演る。
それが、今のエリックなのではないか、と。

だって、78歳やもんな。
20~50代のエリックを求めたらあかんよな、
と思ったのです。

でもね、聴きたいねんな。
エレキで、ぶわぁ~っと弾いて欲しいねんな。
実際、今回のツアーでも、『Badge』とか
めっちゃええもんな。
歌は、全然イケてるしな。

そして、今日はセットリストに変化があった。
4日間、アコースティック・セットの最後に
演ってた『Kerry』を演らなかったんだ。
その瞬間、「あ、今日は『Kerry』をやめて、
『Cocaine』と『Layla』両方演るんや」と
思ったのだが、本編は『Cocaine』で終わり、
アンコールは、4日間と同じ
『High Time We Went』のみ。
昨日に続いて、『Layla』なし。

なんと、第五夜にして、セットリストが
17曲から16曲に減ったのだった。
なので、今日はアンコールを入れて
1時間40分ほどで終わってしまった。

そして、アンコール終了後、メンバーが
ステージにまだいるのに、エリックは
疲れているのか、さっさとステージを
降りてしまった。

70代後半、ということは
そういうことなんだ、と、
いつまでも過去のイメージを
引きずっていてはいけないと
現実に直面した思いでした。

いよいよ、明後日が第六夜、
ツアー最終日だ。
本当に、エリックを観る最後になるかもしれない。
しっかり目に焼き付けておきたい。


[ SETLIST ]
( Electric set )
01. Blue Rainbow
02. Pretending
03. Key to the Highway
04. I’m Your Hoochie Coochie Man
05. I Shot the Sheriff
( Acoustic set )
06. Kindhearted Woman Blues
07. Nobody Knows You When You’re Down and Out
08. Call Me the Breeze
09. Sam Hall
10. Tears in Heaven
( Electric set )
11. Badge
12. Wonderful Tonight
13. Cross Road Blues
14. Little Queen of Spades
15. Cocaine
( Encore )
16. High Time We Went

[ MEMBERS ]
Eric Clapton - gt / vo
Nathan East - b / vo
Sonny Emory - dr
Doyle Bramhall II - gt / vol
Chris Stainton - key
Paul Carrack - or / vo
Katie Kissoon - vo
Sharon White - vo

@ 武道館


第二夜から四夜までアリーナ席だったけど、
今日の席は、スタンド2階 南東D列 27番。
まあまあ観やすかった。





2023.4.24

ERIC CLAPTON
LIVE at BUDOKAN

第六夜(武道館102回目公演)
最終日




もしかしたら、最後の来日公演かも
知れない 第六夜、最終日が終った。
初日から、ずっこけそうなミスが目立ち、
一昨日には、78歳のじいさんの演奏に
多くを求めてはいけないのかも知れないとまで
思ったけど、今日は、ご本人に向かって
「やればできるやないか」と
言ってあげたくなるようなライヴだった。

なんだか1曲目から、今日は行けるかもという
演奏で、『Pretending』のソロも
『I Shot the Sheriff』のソロも素晴らしかった。
数曲で、ミストーンはあったものの
あまり目立つようなミスではなく、
全体を通して、6回公演のうち
一番良かったのではないかと思う。
やはり、最終日ということでエリック自身も
何か違ったんじゃないだろうか。
その証拠と言っては何だが、
アコースティック・セットに入る前、
今までにないちょっと長めのMCをしたよ。
あいかわらず、ヒアリング力がないので、
聞き取れたのは、何やら感謝めいたコメントの後の
「I love Budokan, I love you guy」と
「time to say goobye」という言葉から、
何やら別れの言葉を言っているんだと思った。
意味も分からずグッと来たよ。

それと、本編最後の『Cocaine』が終わったあと、
メンバーひとりずつ全員にエリックが
お辞儀をしたのにもグッと来たな。
最終公演ということもあってか、
今日のお客さんが一番盛り上がっていたかも知れない。

でも、アンコールは、『High Time We Went』
のみで、『Layla』は、なし。
たぶん、そうだろうなとは思っていながらも、
最終日だからと淡い期待もしてたんやけどな。
セットリストは、一昨日と同じく
『Kerry』なしの16曲でした。

まあでも、6公演とも観れてとても満足。
こんなこと若い頃は出来なかったどころか
考えもしなかったからね。
もし、今回がホンマに最後の来日になったとしても
悔いがないよ。

ありがとう、エリック。





2023.4.29

渡辺貞夫
meets
新日本フィルハーモニー交響楽団




今年の2月1日で 90歳になった、
渡辺貞夫さんのコンサート、今回は 第1部が
「渡辺貞夫グループ」で、第2部が
「渡辺貞夫 meets 新日本フィルハーモニー
交響楽団」というプログラムだった。
新日本フィルとのコラボは、約35年ぶりだという。
おそらく、35年前に楽団にいた人は、
ひとりもいないんじゃないんだろうか。

第1部は、 クインテット(5人)でスタートし、
後半2曲では、エレキギターの養父 貴、
トロンボーンの村田陽一を加えて
セプテット(7人)での演奏となった。

1曲目は、ウクライナを想い『PEACE』。
この数年では、私が勝手に思っているだけかもしれないけれど、
貞夫さんが思い通りに吹けていないと感じることが、
何度かあったけど、今日は全くそういう場面はなく、
とてもとても 90歳とは思えぬ演奏だった。
自分の父を含めて、何人か90歳になった人に
会ったことがあるけど、あの演奏を聴いて、
もう奇跡のような人だと思った。

第1部も もちろん素晴らしかったけど、
今日の目玉はやはり、新日本フィルとの共演。
その第2部、1曲目『NICE SHOT』も
良かったけど、個人的には『TSUMAGOI』、
そして、何よりも『MY DEAR LIFE』が、
オーケストラとの共演で聴けたのは落涙ものだった。

指揮をされた村田陽一さんが、
ほとんどの曲をアレンジされたとのこと。
この公演は、「すみだトリフォニーホール開館
25周年特別企画」ということだったけど、
1日で終わるのはほんまにもったいないような
コンサートだった。

『NICE SHOT』や『MY DEAR LIFE』を
演ってくれたので、もしかしたら
『CALIFORNIA SHOWER』や
『ORANGE EXPRESS』も演らないかなぁと
期待したけど、それはなかったね。

アンコールは、ここのところの定番、平和を祈り
『IMAGINE / GIVE PEACE A CHANCE』の
メドレー、そしてとっても切ない『CARINHOSO』。
2度目のアンコールでは 『HARAMBEE』で
楽しく終わりました。

貞夫さんのサックスの音が、少し変わったような
気がしたのは、気のせいだろうか、
あるいは、ホールの音響のせいだろうか。
どう変わったのか、うまく言葉で説明できないのだけど、
アルトサックスっぽくなくなたっというのかな。
サックスのトーンって、ある程度雑味があるように
感じるのだけど、なんとなくだけど、
その雑味がなくなったとでも言えばよいのだろうか。
良い悪いの話しではないのだけど、
ちょっと変化を感じた。
でも、2部の後半には、その雑味も感じたので
よくは分からない。
もちろんソールドアウトの本公演、
席は、2階の最前列で、観やすかった。
次回は 6/25 (日)、大和市芸術文化ホール。


第1部 渡辺貞夫グループ
第2部 渡辺貞夫 meets 新日本フィル

[ SETLIST ]
-- 第1部 --
1. PEACE
2. TOKYO DATING
3. LAURA
4. SAMBA EM PRELUDIO
5. EARLY SPRING
6. I'M A FOOL TO WANT YOU
7. LOPIN'
8. TADD'S DELIGHT
-- 第2部 --
9. NICE SHOT
10. MZURI
11. TSUMAGOI
12. BOA NOITE
13. ONLY IN MY MIND
14. EYE TOUCH
15. REQUIEM FOR LOVE
16. SUN DANCE
17. MY DEAR LIFE
EC1. IMAGINE / GIVE PEACE A CHANCE
EC2. CARINHOSO
EC3. HARAMBEE

(早速 LIiveFans にセットリストがアップされていた)


[ 出 演 ]
渡辺貞夫(アルトサックス)
小野塚晃(ピアノ&キーボード)
養父 貴(E.ギター)
マルセロ木村(A.ギター)
コモブチ キイチロウ(ベース)
竹村一哲(ドラム)
村田陽一(トロンボーン・指揮)
新日本フィルハーモニー交響楽団

@ すみだトリフォニーホール





2023.5.2

KURT ROSENWINKEL
&
JEAN-PAUL BRODBECK
"The Chopin Project"




5年ぶりの カート・ローゼンウィンケル。
今回は、「ショパン・プロジェクト」。
そう、あのクラシック・ピアノのショパン。
スイス出身のピアニスト、ジャン=ポール・
ブロードベックとのコラボで、ショパンの楽曲を
ジャズへと再解釈するというプロジェクトだ。

私の場合、ショパンの曲も超有名な
数曲ぐらいしか知らない。
例えば、子供の頃、水谷豊がテレビドラマの
ピアニスト役で弾いていた『英雄ポロネーズ』
とか、やっぱりテレビドラマの『101回目の
プロポーズ』で流れる『別れの曲』とかね。
あと、 TV-CM などにも使われていて
誰でも知っているような曲でも
タイトルが言えなかったり、
ショパンだと認識していない曲もあるね。

そんなショパンをジャズにする。
クラシックをジャズに解釈するというのは、
別に新しいことじゃないけど、
このプロジェクトは、面白そうだと思いチケットを取った。

カート・ローゼンウィンケル & ジャン=ポール・
ブロードベック名義で『ショパン・プロジェクト』という
アルバムも発売されていたのは知っていたけど、
CD は聴かずに今日のライヴに臨んだ。

4人とも素晴らしくて、ご機嫌なええライヴだった。
今日 演奏された曲は、全曲ショパンの曲だったのだろうか。
聞き覚えがあったメロディは、
『ワルツ7番 C#minor』だけで、
それだって、これが "The Chopin Project" だと
知っているから気付くようなもので、
そのことを知らずに今日のライヴに臨んでいたら、
どこかで聞いたことのあるメロディだと思っても
ショパンだとは気付かなかったに違いない。
アンコールでやった曲なんて、
古いビバップだと言われたら信じてしまうよ。
それぐらい、ショパンは完全にジャズ化していた。
(全曲ショパンだったのか本当に分からないけど。)

もし今日の演奏を ショパン(1810-1849年)が
聴いたら何と言うんだろう。
200年後にアメリカ人とスイス人が、自分の曲を
新解釈して極東の小さな島国のジャズクラブ
(もちろん19世紀にそんなものないけど)で
演奏し、平たい顔族がそれを聴いて
歓喜しているなんて、想像がつかないどころか、
理解できないんじゃないだろうか。
なんだか壮大すぎるロマンだ。
「芸術は死なない」、まさに。

カートの今日のギターは、
日本製 westville のシグネチャーモデル。
ロビーには、ウェストヴィルのギターが
数本展示されていたし、観客全員の客席には、
ウェストヴィル・ギターのブローショアと
カートの名前の入ったピックが、
プレゼントで置かれていた。
これは、ギター弾く人は嬉しいわな。
そのブローショアにテレキャスター・シンライン・
タイプの新しいモデルが載っていた。
興味ありです。

カートは、ヤマハのSGも弾いていいて、
来日公演で弾いているのも観たことがある。
日本製のギターがお気に入りのようだ。
あいかわらず、時々シンセじゃないのかと
思うような角の取れたホーンライクなトーンだった。
長めのソロ・ギターのイントロの曲があって、
それは、とても美しい音色と演奏だったな。

足元のペダルをずっと踏みこんだり
緩めたりしていたんだけど、あれは何だろう。
ヴォリューム・ペダルではないことは間違いないと思う。

以前は、トレードマークのように
ワーキングキャップを被っていたカートだけど、
今日はベレー帽。
ちょっと身体も丸くなったみたい。
もう52歳なんだ。

アンコールを入れて約80分ぐらいだったと思う。
あっという間だった。

カートのライヴは、たぶん5回目だと思うのだけど、
初めて観た2011年新宿ピット・インでのライヴ
強烈で忘れられない。


[ MEMBERS ]
Kurt Rosenwinkel (g)
Jean-Paul Brodbeck (p)
Lukas Traxel (b)
Jorge Rossy (ds)

@ Blue Note TOKYO
2nd show


[参考動画]
カートが、ヤマハSGを弾いている、ショパンの『ワルツ7番 C#minor』。
Kurt Rosenwinkel & Jean-Paul Brodbeck - The Chopin Project






2023.5.11

About What Eric Said
エリックが言ったこと


先月、エリック・クラプトンの
武道館における来日公演を6回観た。
これが最後の来日になるだろうと思い、
6公演全てのチケットを取ったんだ。

4月24日の最終公演で、途中エリックは、
それまでにはなかった長めの挨拶をした。
私には、少ししか聞き取れなかったのだが、
「 I love you guy. I love Budokan」
「time to say goobye」といった言葉から、
意味も分からずグッとこみ上げるものがあった。

先日、「Eric Clapton History Book」という
Instagram のアカウントが、
その時のエリックのコメントを
載せてくれているのを見つけた。

"Thank you for your support, kindness
and appreciation for what we do.
It means so much.
I love you guys.
I love the Budokan.
I was thinking this would be the time to say goodbye.
But now I don’t think so.
I’m going to keep going.
There’s no stopping me now."

「ご支援、ご親切、そして、私達がやっていることへの
評価をありがとうございます。
それはとても大きな意味があります。
皆さんを愛しています。
武道館が大好きです。
私は、これでお別れの時が来るだろうと思っていました。
でも、今はそうは思いません。
私はやり続けます。
もう私を止めることはできません」

最終公演日にだけ、エリックがこういうことを
言ったということに、これらの言葉に
言葉以上の意味を感じてしまうのでした。


[ 関連エントリー ]
2023.4.24 ERIC CLAPTON 第六夜 最終日





2023.5.13

Moon River
Eric Clapton / Jeff Beck


Eric Clapton と Jeff Beck の "Moon River"。
ジェフは、あっち側に行ってしまう前に
エリックとこんなのを録音していたんだ。



これは、昨日リリースされたもので、
YouTube などで無料で視聴することが出来る。

ジェフのギターとエリックがヴォーカルが
交互に唄うのだが、どちらも素晴らしい。
ジェフのギターは、肉声に劣らないほど唄っている。
ただ、エンディングが何か処理されたような
ちょっと変な終わり方に聞こえるのは気になる。

Music Video のアニメーションも良い。
ジェフが一歩前を歩き、エリックがそれに
着いて行っている姿が、エリックもあっち側に
行ってしまうんやないかと、ちょっと悲しくなるけど。

こんなものが無料だなんて、
音楽の世界も変わったもんだ。
7月14日には、ジュディス・ヒル、サイモン・クライミー、
ダニエル・サンティアゴをフィーチャーした
新曲 “How Could We Know” と
両A面の7インチ・アナログ盤として リリースされる。
今のところ、CD のリリースのニュースは見てない。
たぶん、もう CD なんて、アメリカやイギリスでは、
誰も買わないのかもな。

5月22日、23日にロイヤル・アルバート・ホール
(ロンドン)でジェフ・ベック追悼ライヴが
開催されるらしい。
たぶん、DVD か CD で出るんじゃないかと
思うけど、観たいなぁ。


Eric Clapton / Jeff Beck - Moon River (Official Music Video)


追記
2010年2月14日のロンドンでライヴ映像
(オーディエンス・ショット)を発見。

Eric Clapton & Jeff Beck, Live, "Moon River"

今回リリースされたものとアレンジはほとんど同じなので、
この時の演奏が下敷きになっていると思われる。
エリックとジェフは、2009年から10年にかけて、
一緒にツアーを周り、来日もしたけど、
なぜか私は観ていないんだ。残念。





2023.5.13

Char LIVE 2023
― Smoky Medicine


今日は、日比谷野音 100周年を記念した
ライヴで、「Smoky Medicine」復活のライヴ。
昨年11月に予定されていた、Charさんの
2日間のライヴが、ご本人の体調不良により
延期になったため、Charさんのライヴは、
昨年の3月6日以来1年2カ月ぶりだった。

「Smoky Medicine」は、Char さんが、
デビュー前の1973年から74年にかけて
組んでいたバンドで、レコード・デビューは
しておらず、伝説のバンドとなっている。

今回のライヴでは、故人となってしまった
ドラムの藤井章司(ふじいしょうじ)以外、
オリジナル・メンバーが集まった。
ドラムは、古田たかし。
パーカッションもいる。
事前の情報では、パーカッションの名前はなかった。
見たことのない人だなと思っていたら、
オリジナル・メンバーであったドラムの
藤井章司の弟、藤井修さんと紹介があった。

「Smoky Medicine」は、以前にも
復活ライヴをしているけど、
もともとの活動時期は、50年前だという。
1曲目が始まった途端に感動してしまったよ。
野音には、数回出演しているけど、
前座だったので、暗くなってから演奏するのは、
初めてだと Char さんが言っていた。

マリさんの歌と Char さんのギターが
とても良いバランスの曲が多く聴きごたえがあったな。
今日の Char さんのギターは冴えてたし。

ジェフ・ベックの『Going Down』や
マリさんのアルバム『MARI FIRST』から
『Get To Paradise』、『Street Information』、
『Don’t Cry My Baby』、『Honey』、
Char さんのアルバム『MOON CHILD』から
『Show What You'Ve Got Inside Of You -Mama-』
ジェフ・ベックに捧げた新曲(インスト)など。

アンコールの『Joy To The World』では、
藤井修さんがシータカに代わってドラムを叩いた。
これもちょっと感動的。

そのあと、ゲストで沖縄のバンド、
紫のギタリスト比嘉清正さんが登場。
ジミ・ヘンドリックスの『Purple Haze』を演奏。
打ち合わせが不十分だったのか、
比嘉さんが弾きすぎないよう遠慮してたのか、
いまいち噛み合ってない印象だったのは残念。

最後は、Charさんがギターをマスタングに
持ち替えて 『Smoky』。
全部で125分ぐらいかな。

昨日の天気予報だと、今日の東京は雨。
大雨だったらイヤだなと思ったけど、
昼過ぎには、天気予報はくもりマークに変わっていた。
17時開演で、わずかに雨が降っていたけど、
始まる前からレインコートを着用したので、問題なかった。
たぶん1時間以上は、小雨が続いたと思うけど、
気が付いたら雨はあがっていた。

カメラが数台あったので、映像としてリリースされるだろう。
楽しみだ。

開演前



[ 出演者 ]
Char (G/Vo)
金子マリ (Vo)
鳴瀬喜博 (B)
佐藤 準 (Key)
古田たかし (Drs, Perc)
藤井修 (Perc, Drs)

@日比谷野外大音楽堂



(2023.5.14 追記)
Char さんのギターは、ラストの『Smoky』を
除いて、クリーム色のストラトキャスターだった。
奇しくも先月のエリック・クラプトンと
同じ色のようにも見えるが、エリックのそれは
微かに木目が見えていたのに対し、
Char さんのは、塗り潰しに見えた。
ナットの見た目からもしかしたら、
ジェフ・ベック・モデルかも知れない。
アンプは、ピラミッド型のヤツ。

ナルチョのベースは、私には TUNE のイメージが
あるのだけど、昨日メインで使っていたのは、
一見するとアレンビックのようにも見えた。
帰ってから調べてみると、やはり TUNE 製。
ナルチョのシグネチャーモデルで
「Phoenix SG Short Narucho」という
4弦、ショート・スケールのモデルだった。
確かにちょっと小ぶりに見えたね。
ナルチョ、73歳です。びっくり。





2023.5.17

渡辺貞夫
SAUDADE TO BRAZIL




渡辺貞夫さん、90歳。
4月29日にみだトリフォニーホールでの
コンサートを観たばかりで、
ひと月も経っていないのだが
今日は、ビルボードライブ横浜での
ライヴを観てきた。

先日のコンサートは、クインテットとオーケストラの
2本立てでしたが、今日は同じメンバーの
クインテットだ。
タイトルに「SAUDADE TO BRAZIL」と
あることからも、マルセロ木村さんが
参加していることからも、ブラジルに特化した
ライヴだと分かる。
ブラジル音楽のカヴァーばかりではなく、
オリジナル曲もブラジル音楽への
リスペクトのある曲。

1曲目は、先日と同じくホレス・シルバーの
『ピース』のボサノヴァ・ヴァージョンで始まった。
何曲かで、マルセロ木村さん(ギター)の
ソロがあったのだが、今日は今までで観た中でも
ダントツで素晴らしかった。
マルセロさん、遠目に見た目は、
まるでケンコバなんだけど。

今日は、貞夫さんが思い通りに吹けないのか
苦笑いするシーンもあったけど、
そういうのも含めて全て素晴らしくて、
最後には、立ち上がって拍手したよ。

何が面白いのか分からないけど、
メンバーが目を合わせて
微笑み合うシーンも何度かあり、
とても親密で、平和な演奏で、
このメンバーでのバンドとしての
絆のようなものも感じた。

本編最後、アンコールは、最近の定番、
『IMAGINE / GIVE PEACE A CHANCE』、
『HARAMBEE』、『CARINHOSO』。

来月、一部メンバーが変わっての
ブルーノート公演2日間があるのだけど、
残念ながら、『Char JLC & PINK CLOUD
トリビュートライブ』と重なってしまったので、
行けないんだ。
次は、いつ観られるかなぁ。


[ MEMBER ]
渡辺貞夫(Alto Saxophone)
小野塚晃(Piano)
マルセロ木村(Guitar)
コモブチキイチロウ(Bass)
竹村一哲(Drums)

[ SETLIST ] LiveFans より
1. PEACE (Bossa ver.)
2. A FELICIDADE
3. SAMBA EM PRELUDIO
4. WAITING SONG
5. BUTTERFLY
6. I THOUGHT OF YOU
7. REGRA TRES
8. SAMBA DA VOLTA
9. JUNTO COM VOCE
10. NOT QUITE A SAMBA
11. IMAGINE ~ GIVE PEACE A CHANCE
13. HARAMBEE
EC. CARINHOSO(渡辺貞夫, 小野塚晃)





2023.5.19

MAKOTO OZONE SUPER TRIO
featuring CHRISTIAN McBRIDE
& JEFF "TAIN" WATTS




小曽根真、クリスチャン・マクブライド、
ジェフ“テイン”ワッツ、このトリオの再集結は、
11年ぶりだという。
これが素晴らしかった。
なんというのか、日米混合ミュージシャン3人による、
非常に高度な、極上の、異次元の戯れを
目撃した、というのが感想だ。
スリリングで、美しくて、ダイナミックで繊細、
そして歓びに満ち溢れていた。
「奇跡の再演」とも言われているのがよく分かる、
プレミアムなライヴだった。
ジャズって、こうじゃなきゃ。

誰も何者にもなろうとしていない、
何の迷いもなく、
正しい演奏をしようともしていない、
(というか、そもそも間違いなんてものはない)
ただその時にあふれ出てくるものを
キャッチして音楽にしている。
音楽による、高次元のカンバセーション。
非常にスピリチュアルな体験。
ああ、これが本物なんだなと思った。

ジェフ“テイン”ワッツ を観たのは
初めてだと思うのだけど、
こんなに柔らかいリズムがあるのかと驚いた。
ステージ横、上手側の席でドラマーの背中を
見る感じだったので、叩いている姿が良く見えた。
「柔らかいリズム」と書いたけど、
そんな不思議な表現がピッタリなんだ。
もはや「演奏」ではない域。

小曽根さんは、こちらを向いているので、
表情が良く見えた。
小曽根さん自身が、この2人と演れることに
もの凄く歓びがあるのが観てとれた。
ホントに素晴らしかったよ。

小曽根さんの話しによると、
ジェフ“テイン”ワッツに初めて出会ったのは、
40年前、小曽根さんがボストンの
バークリー音楽院に留学していた時。
当時は、"I think so"、"I hope so"、"Maybe"
ぐらいしか英語が話せなかったという。
それが今では,MCで英語と日本語が
混ざって、というよりメンバーがアメリカ人のせいか、
英語の方が先に口をついて出てくる感じだった。

そのバークリー時代の貴重な話も聴けた。
ライヴのギャラがバンド5人で 20ドルだったから、
ひとり4ドルだったとか、小曽根さんがオルガンの
足鍵盤でベースを弾けたので、翌週 ベースをクビにして
ひとり5ドルになったとか。
そのライヴのドラムが、ジェフ“テイン”ワッツ だったんだ。
当時のバークリーには、ブランフォード・マルサリスの他、
何人か名前を言っていたけど、今でも活躍している
ミュージシャンが、まだ無名な学生として いたんだな。
なんだか、壮大なストーリーだ。

クリスチャン・マクブライドは、小曽根さんや
ジェフ“テイン”ワッツ よりは、ひと回りほど若い。

曲は、ほとんど小曽根さんのオリジナルのようだったけど、
アンコールは、チック・コリアの曲(タイトル失念)。
「今日は、3人とチックのスピリッツも一緒です」
と言っていたよ。
アンコールを入れて、約80分、大満足でした。

10月には、小曽根真 & アヴィシャイ・コーエンの
公演も控えている。
アヴィシャイ・コーエンとクリスチャン・マクブライドは、
またタイプが違うのでこちらも楽しみだ。


[ MEMBERS ]
小曽根真 (p)
Christian McBride (b)
Jeff "Tain" Watts (ds)

@ Blue Note TOKYO
2nd show





2023.5.25

CHRISTIAN McBRIDE'S
NEW JAWN

クリスチャン・マクブライド・ニュー・ジョーン




先週観た小曽根真、クリスチャン・マクブライド、
ジェフ“テイン”ワッツのトリオが
素晴らしかったのは記憶に新しいが、
今日は、クリスチャン・マクブライドの
グループのライブを観てきた。
ドラムは、ジェフ“テイン”ワッツに替わって
ナシート・ウェイツ。
そこにサックスとトランペットという編成で、
ピアノやギターといったコード(和音)を
鳴らす楽器は、いない。
もちろん、ホーンのふたりが違う音を
吹けばハーモニーが聞こえるし、
ベースとホーン2人が違う音を出せば、
コードが聞こえてくる。

このバンドのアルバムは、未聴でライヴに
臨んだもので、1曲目、いきなりフリージャズの
ようなことが始まって、ちょっと戸惑った。
先日のピアノ・トリオと違い過ぎるのだもの。
ピアノやギターがいない分、バンドに
自由度が増すのだろう。
「熱い」という言葉がピッタリの演奏だった。

聴いていると、とても複雑に聞こえる曲が、
何度もビシッ!合うのが凄い。
11小節のブルースもユニークだった。
クリスチャンのテクニックも堪能できたし、
ナシート・ウェイツのドラムも凄かった。

ブルーノートでは、メンバーになっていると
7回(だっだと思う)ライブに行くと
1回分の招待券を貰える。
今日のライブは、その招待券を使って予約していた。
電話で予約した時、プラス1,100円で
指定席(アリーナシート)にグレードアップ
してもらったのだが、どの席かは分かっていなかった。
今日、係りの人に案内されたのは、
ステージ中央正面の前から2列目、
クリスチャンまで、3メートル!

残念だったのは、席が前過ぎて、
スピーカーからの音があまり聞こえないせいか
ベースの音がちょっと小さかったな。
ドラムの生音が十分聞こえる為、
ややバランスが悪かった。
やっぱり、真ん中から後あたりが
聞きやすいかな。


[ MEMBERS ]
Christian McBride (b)
Josh Evans (tp)
Marcus Strickland (sax,bcl)
Nasheet Waits (ds)

@BLUE NOTE TOKYO
2nd show



ティナ・ターナー


ティナ・ターナーが亡くなった。
享年83歳。
今年は ジェフ・ベックに始まり、
高橋幸宏、鮎川誠、バート・バカラック、
ボビー・コールドウェル、坂本龍一、
アーマッド・ジャマルなど、なんだか、
アーティストの訃報が多いような気がするなあ。
まだ5月なのに・・・。

ティナ・ターナーのことは、あまり知らないのだけど、
私としては、エリック・クラプトンのアルバム
『August』(1986年)に収録された
『Tearing Us Apart』が印象的だ。
この曲で、ティナとエリックは、デュエットしているんだ。

ちなみに アルバム名『August』は、
エリックの息子が8月に生まれたことに由来する。
その息子コナーは、1991年に窓から転落する事故で
亡くなってしまい、そのことから
『Tears In Heaven』が生まれたのは有名な話。
コナーは、5歳だった。

(このアルバムには、ザ・バンドのリチャード・
マニュエルに捧げた『Holy Mother』や、
YMOの『Behind the Mask』(作曲/坂本龍一)も
収録されている。)

『Tearing Us Apart』、動画を探したら、
プリンシズ・トラスト・コンサートの動画があった。
フィル・コリンズ、マーク・ノップラー、
エルトン・ジョンなどメンバーが豪華。
1986年とあるから、エリックは 41歳、
ティナ・ターナーは、46歳だ。
若いね。

Eric Clapton & Tina Turner
Tearing Us Apart Live Prince's Trust 1986



合掌。





2023.5.31

Double Rainbow
小沼ようすけ×宮本貴奈

2ndアルバム「After the Rain」発売記念コンサート




ギターの小沼さんとピアノの宮本さんの
デュオ「Double Rainbow」。
1st アルバムが2013年の発売だったようで、
10年ぶりに 2nd アルバムが出てのレコ・発ライヴ。

2016年に一度、「西藤ヒロノブ &
Double Rainbow = 小沼ようすけ×宮本貴奈
スペシャルユニット」のライヴを観たことが
あるけど、デュオのライヴは初めてだ。
ちなみにアルバムは、2枚とも未聴で
YouTubeに上がっていたニューアルバムの
『Tell Me a Bedtime Story』は聴いた。
この曲、以前から好きなんだけど、
宮本さんの歌入りで、とても良かったので、
今日のライヴも期待して行った。
会場は、銀座のヤマハホール。
発売されてすぐにチケットを買ったので
最前列だったよ。

とてもふたりの個性が良く出たデュオだと思った。
ふたりは同じ年らしいが、互いに
リスペクトしているのもよく分かる、演奏だった。
ギターとピアノのデュオは、難しいという印象が
あって、実際、数もそんなに多くない。
しかし、断続的であれ、10年以上続いていて、
アルバム制作、発売に至るということは、
やはりそれだけの何かがあるということだろう。
ニューアルバムの発売日に実際に(横浜で)
ダブルレインボウが観られたという、
超常エピソードも素晴らしい。
小沼さんのMCの天然ぶり(何言ってるか
よくわかんない)を宮本さんが「オーガニック」と
表現したのが気に入ったね。

個人的にハイライトは、アンコールの
『Over the Rainbow』。
それから、アンコールの前に小沼さんが
FMがらみのコンピで今日、配信リリースされた
『Nostargia』という曲をソロで弾いたのだけど、
それもとても良かった。
早速、ダウンロードしたよ。
配信版では、ギターを重ねてあるのだけど
今日ナマで聴いた、ソロ・ギターの方が好きだな。

小沼さんのギターは、Abe Rivera だと
思い込んでいたけど、よく考えると
Nishigaki だったような気がしてきた。
上にリンクを張った『Tell Me a Bedtime Story』
では、フロント・ピック・アップのみの
タイプだが、今日のは2ピックアップだったので
違うギターだ。


[ MEMBERS ]
小沼ようすけ(ギター)
宮本貴奈(ピアノ、ヴォーカル)

@ ヤマハホール(銀座)

[ SETLIST ]
1. The Dolphin
2. The Unchanging Road
3. Tell Me a Bedtime Story
4. Stella By Starlight
5. Rachmaninoff Piano Concert No.2 1st Movement
6. Ying-Yang Fermata
(休憩)
7. Double Rainbow
8. Rainbow ~ Flyway
9. Sumiwataru ~ 澄渡
10. Five Hundred Miles High
11. Because It’s Friday
12. After the Rain
EC. Over the Rainbow





2023.6.7

ANTONIO SANCHEZ
"BAD HOMBRE"




アントニオ・サンチェスを観るのは、
2009年の Pat Metheny Group 以来かな。
今回は「バッド・オンブレ」という
ヴォーカル入りのバンドで来日。

最近は、観に行くライヴが多い上に、
記憶力の低下もあって、なぜこのライヴを
観たいと思ったのか覚えていないことも多い(汗)。
今日もそんな感じで、アントニオ・サンチェス
だから観ておこうと思ったのは不思議では
ないのだが、演奏が始まってちょっと戸惑った。

1曲目から JAZZ という感じではない。
なぜかオリエンタルなムードも感じる曲。
思っていたのと違う、という戸惑いだ。
2曲目、なんとラップ、ヒップホップだ。
3曲目は、スペイン語だったかな。
全体的な印象は(ジャズ的要素も含んだ)
エレクトロ・ポップとでもいうのだろうか。
その手の音楽は、あまり聴かないので、
3曲目ぐらいまでは「ちょっと好みではないなぁ、
失敗したかなぁ」と思いながら聴いていた。

ところが、この音楽、中毒性があるのか何のか、
途中からいつまででも聴いていたい状態に
トランスしてしまった。
何しろ、最後には立ち上がって拍手したほど
楽しんだよ。
アンコール入れて、90分近く。
もちろん、演奏は素晴らしかった。
やはりアントニオのドラミングは、
素晴らしかった。
特に本編最後の曲で、4小節に一度
3拍子が入るリフの上でのドラムソロは、
素晴らしかった。
スリップ・ビートというレベルを超えてたね。
めちゃくちゃ叩いてるんちゃうかと思っていたら、
ピタッと合わせて来るのには驚いたね。

ヴォーカルのタナ・アレクサは、
ヴォーカルのエフェクトやループを多用。
ルーパーを使い、その場でハーモニーを重ね、
バックトラックの一部を作るあたりなど、
21世紀のヴォーカル・パフォーマンスを聴かせてくれた。
途中のアントニオのMC、
「She is married to me. I’m very lucky」で、
タナ・アレクサがアントニオの奥さんだと知ったよ。

ベースのレックス・サドラーは、
「From Australia」と紹介されていた。
エレキ・ベースだけではなく、キーボード・ベース、
マニピュレーター的な仕事もしていたよ。

そして、キーボードのビッグユキ。
見るからに日本人っぽいな、と思っていたら
「Prime minister」「From Japan」と紹介された。

この人のこと、全く知らなかったのだけど、
調べてみると、2015年にアメリカの「JAZZ TIMES」誌が
行った読者投票の「ベスト・シンセサイザー奏者」部門で
ハービー・ハンコック、チック・コリア、
ロバート・グラスパーに次いで4位を獲得という
スゴイ日本人だった。
世界は広いなぁ。

昨日今日がブルーノートで2日間4公演。
明日はコットン・クラブで2公演、合計6公演。
ええもん観ました。


[ MEMBERS ]
Antonio Sanchez (ds)
Thana Alexa (vo)
BIGYUKI (key)
Lex Sadler (b)

@ Blue Note Tokyo
2nd show





2023.6.22

エリック・クラプトン
アクロス 24 ナイツ
Eric Clapton ACROSS 24 NIGHT




1991年に発表されたエリック・クラプトンの
『24ナイツ』というアルバムは、
エリックが、ロンドンのロイヤル・アルバート・
ホールで1990年1~2月に行った18回の
ライブと1991年2~3月に行った24回の
ライブからの音源を15曲収録したものだった。

演奏は、4ピース・バンド、9ピース・バンド、
ホーンセクション入りの13人編成、
ゲストを迎えたブルース・ナイト、
オーケストラとの共演と盛沢山だった。

90年と91年、合わせて42回もの公演は、
全てフィルムに記録されていたらしいが、
今年(あ、明日発売や)は、
『The Definitive 24 Nights /
ザ・ディフィニティヴ・24ナイツ』という
スーパー・デラックス・ボックスとして
なんと「6CD+3Blu-ray」という形で
発売される。
全47曲中36曲が未発表音源だという。

で、今日観てきた
『エリック・クラプトン アクロス 24 ナイツ』は、
そのダイジェストとも言える内容の
ライヴ映像の劇場版。

いやぁ、素晴らしかった。
期待以上に 良かった。
編集も選曲も良かった。
もちろん、他にも聴きたい曲はあったけどね。
当時、エリックは、44~45歳だけど、
一番カッコ良かった時ではないだろうか。
鋭い眼差しに精悍な顔つき。
長い髪にベルサーチのスーツ。
ベスト・テイクというだけあって、
演奏は、どれも素晴らしい。
(91年のライヴの直後、彼は息子コナーを
事故で亡くすという悲劇に見舞われるのです。)

特に印象に残ったのは、
4ピース・バンドによる、
『Knocking on Heaven’s Door』は、
泣きそうになってしまった。
4ピース・バンドは、90年と91では、ドラムが違うんだ。
90年がスティーブ・フェローンで、91年がフィル・コリンズ。
『Knocking on Heaven’s Door』では、
バンド・メンバー4人がステージに並んでの演奏で、
フィル・コリンズは、ハイハット・シンバルのみで
演奏しているのだが、これが素晴らしく良い。
とにかくこの曲の演奏には痺れたね。
ネイザン・イーストも若い。

ブルース・ナイトでの、アルバート・コリンズと
バディ・ガイの野生放し飼い度も良かった。
もうスクリーンからブルースのニオイが
して来そうだったよ。

実は、『24ナイツ』というアルバムは、
発売当時はあまり聴いていないんだ。
ライブ盤より新曲を聴きたいということもあったし。
『24ナイツ』が2枚組だったため、高くて手が出せず、
安い輸入版のカセット・テープを買ったような記憶がある。

しかし、今日の映像を観て、
「スーパー・デラックス・ボックス」の購入を決めたよ。

と書いて、買おうとしたら、アマゾンも
タワーレコードも、HMVも注文できない状態。
完全生産限定盤なので
もしかして、早々に売切れか?
仕方ない、ボックス・セットではなく
バラ売りもしてるのでそっちを買うか。
でも、バラ売りの方は、Blu-ray ではなく DVD なんだよな。


Eric Clapton ACROSS 24 NIGHT
[ SETLIST ]
1. 前奏
2. Crossroads
3. I Shot The Sheriff
4. White Room
5. Knocking on Heaven’s Door
6. Lay Down Sally
7. All Your Love
8. Black Cat Bone
9. My Time After A While
10. Edge of Darkness
11. Holy Mother
12. Tearing Us Apart
13. Cocaine
14. Wonderful Tonight
15. A Remark You made
16. Layla
17. Sunshine of Your Love





2023.6.25

SADAO WATANABE GROUP 2023



4月にはすみだトリフォニーホールで、
5月にはビルボードライブ横浜で、
貞夫さんのライブを観たので
3ヶ月連続のライヴ鑑賞だ。

5月のライヴのエントリーに
「2日間ある6月のブルーノート公演は、
他のライブと重なって行けない。
次はいつ観られるかなぁ」と書いた。
この時、すでに私は今日の貞夫さんの
ライブのチケットを取っていたんだけど、
最近はいちいち覚えていられなく
なっているので、そんな風に書いたんだ。
たぶん、ブルーノートに行けないことが
わかって、今日のチケットを取ったんだと思う。

今日の会場は、神奈川県大和市の
やまと芸術文化ホール。
初めて行ったホールだが、自宅からは
ドア・トゥ・ドアで1時間とそんなに遠くない。
おまけに自宅からだと乗り換えなしの
一本で行けるので便利だったよ。

実は、ジャズ・クラブで観るより、
ホールで観る方が演奏時間は
長いのでたっぷり聴ける。
入替なんてないからね。
そして、ジャズ・クラブよりホールの方が
チケット代はたいていの場合安い。
でも、ホールの場合、会場が広い分、
席によっては、ステージから遠い。

今日は、2階席の後ろから
2列目の一番端。
売切れの公演なのに、一番後ろの列は
何故かお客さんを入れていなかったので
実質、最後列だ。
料金は、全席指定の7000円。
うーむ、最前列とこの席が同じ料金というのは、
いつになっても解せんなぁ。
何度か最前列に当たったことがあるから、
人生はバランスだなとも思う。
まあ、キャパ1000人程度のホールなので、
一番後ろでもそんなに遠くはない。
すみだトリフォニーホールでは、2階の
最前列だったのだけど、それよりも
ステージは近かったかも知れない。

今日のメンバーは、ピアノの小野塚さん、
ドラムの竹村さんは変わらずで、
それ以外は、先月のライブから入れ替わっている。
といっても、他のメンバーも貞夫さんの
ライヴでは観ている人たちで
初めて観る人はいないんだけど。

ベース(須川崇志)がエレベだったせいか
ややフュージョン寄りで、セットリストが、
ここ最近とちょっと違う選曲に感じた。
『RENDEZVOUS』や『TEMBEA』が
聴けたのは良かったな。
貞夫さんのプレイは、相変わらず
年齢を感じさせない。
むしろ若返っているのではないかと
思ったほどだった。

ドラム(竹村一哲)とパーカッション
(ンジャセ・ニャン)のユニゾンが、
何度かあったけど、素晴らしかったね。
竹村さんのドラムは、どんどん好きになっていくね。

途中20分ほどの休憩を挟んで
約2時間10分ほど、
平和で素晴らしい演奏でした。


[ MEMBERS ]
渡辺貞夫(アルト・サックス)
小野塚晃(ピアノ、キーボード)
養父貴(ギター)
須川崇志(ベース)
竹村一哲(ドラムス)
ンジャセ・ニャン(パーカッション)

@やまと芸術文化ホール

[ SETLIST ]
第1部
1. PEACE
2. RENDEZVOUS
3. ONE MORE TIME
4. BASIE'S AT NIGHT(A NIGHT AT BASIE)
5. ONLY IN MY MIND
6. FIREFLY(蛍)
7. ALALAKE~LOPIN'
8. TEMBEA
第2部
9. QUILOMBO
10. SANGOMA
11. BUTTERFLY
12. I'M A FOOL TO WANT YOU
13. I THOUGHT OF YOU
14. SONG OF MAY
15. NOT QUITE A SAMBA
16. IMAGINE / GIVE PEACE A CHANCE
EC 1. HARAMBEE
EC 2. CARINHOSO

LiveFans より





2023.6.27

デビュー45周年企画
Char JLC & PINK CLOUD
トリビュートライブ
Day 1 ”JLC Session”




昨年11月18日・19日に予定されていた
Char さんのデビュー45周年記念ライヴ2Days、
1日目「Johnny, Louis & Char Session」、
2日目「PINK CLOUD Session」は、
ご本人の体調不良により延期になった。
もちろん2日間通し券を買っていた。

会場や出演者の調整等、大変だったんだろう、
半年以上延びて、やっと今日明日の開催が叶った。
会場は、昭和女子大学人見記念講堂から
LINE CUBE SHIBUYA に変更となった。

今日の座席は、下手側ブロック6列目10番
(実質4列目)とまあまあ悪くない。
オペラグラスの要らない距離だ。

今日は、”JLC session” ということで
ゲストは、金子マリさん。
うん?ここのところ、よくマリちゃんを
観ているなぁ。

ご存じでない方のために書いておくと、
「JLC」というのは、「Johnny, Louis & Char」
のことで、チャーさんがデビューした後、
1978年にジョニー吉長(dr)、
ルイズ・ルイス加部(b)と組んだトリオ・バンド。
ふたりともチャーさんより年上ですでに故人だ。
ゲストのマリちゃんはジョニーの元奥さん。

今日の Charさんは、声もよく出ていて、
若返ったみたいだった。
見た目は、だいぶん年取ってきたけどね。
ギターも冴えてた。
今日のギターは、クリーム色のムスタング。
アンコールで1曲か2曲 ピンク・ペイズリーの
ムスタングを弾いたけど、最後にまた元の
ムスタングに替えた。
このムスタングが良い音なんだなぁ。
ムスタングにコーラスかけたコードって
ホントにええなぁ。
『You Keep Snowin'』とか最高やったわ。
欲しいと思って買うときっとガッカリするんやろなぁ

曲は覚えているだけで『Kindesalter』、
『Wasted』、『Song In My Heart』、
『Finger』、『風に吹かれてみませんか』、
『籠の鳥』、『You Keep Snowin'』、
『You’Re Like A Doll Baby』などなど。
マリさんは途中で登場し、数曲参加。
ジョニーが唄っていた『Cloudy Sky』や
『Open Your Eyes』を Charさんと
ハモる姿は、なんとも言えないね。
『Don’t Cry My Baby』が聴けたのも
良かった。
この曲は、マリさんのアルバム収録だけど、
バックは、JL&C の3人なんだ。

アンコールは、『Apple Juice』、
『からまわり』、マリさんが再び登場して
『Natural Vibration』。

珍しく『Smoky』を演らなかったのは、
明日のためだと読んだ。
ゆくゆく2日間のライヴ映像を商品化するのに
1日目と2日目で曲が被らないように
配慮したのではないかと、勝手に想像している。

ロビーには、ベースやギターが展示されていた。
ベースは、加部さんのものかな。
加部さんの楽器に私は詳しくないのだけど、
今日、澤田君が弾いていたのは(Char さんが
「良いベースだね」「使用料かかるよ」とか
言っていたので)もしかしたら、
加部さんのベースなのかもしれない。



アンコールを入れて約100分は、
やや短めな印象だが、
期待以上に良かったので、明日も楽しみだ。
明日も同じ席なので、ありがたい。


[ MEMBERS ]
Char (vo, gt)
澤田浩史 (b)
ZAX (dr)
guest : 金子マリ (vo)

@ LINE CUBE SHIBUYA





2023.6.28

デビュー45周年企画
Char JLC & PINK CLOUD
トリビュートライブ
Day 2 ”PINK CLOUD Session”




2日目、行ってきました。
今夜は ”PINK CLOUD Session”。
昨日と被っている曲はなし。
素晴らしいね。
Char さんご本人も言ってたけど、
昨日と今日と全く違うセットリストを
準備しなければならなかったわけだから、
大変だわな。

曲は『B・Y』、『Pink Cloud』、
『Headsong』、『Sunset Blues』、
『Cross Road』、『Sing,Sing,Sing』、
『Uncle Jack』、『Without Love』、
『Future Child』などなど。
アンコールは、ゴールデン・カップスの
『長い髪の少女』、ジョニーが唄っていた
『Only For Love』、もう1曲ライヴで演るの
初めてと言ってた曲(曲名失念)、
そして、『Drive Me Nuts』。
2度目のアンコールで、
昨日の予想通りの『Smoky』!
今日は、昨日より10分ほど長く、
アンコールを入れて約1時間50分だった。

ゲストは、ゴダイゴのイメージが強いミッキー吉野。
ミッキーさんは、加部さんとゴールデン・カップスで
一緒だったんで、今日は加部さんの話しが
たくさん聴けた。
ゴールデン・カップスのオリジナル・メンバーは、
もうエディ藩しか生きていないんだって。
(ミッキーさんは途中参加のメンバー。)

Char さんのギターは『Smoky』で昨日と同じと
思われるムスタングを使った以外は、
バーガンディミストのストラトキャスター1本。
オリジナルかレプリカかは分からないけど、
たぶんオリジナルなんじゃないか。(推測)
ムスタングといい、ストラトキャスターといい
2日ともとても良い音だった。
(たまになんか違うなぁっていう日もあるです。)
そして、驚くほどにチューニングが狂わない。
素晴らしいセットアップなんだろうな。

昨日、コーラス(エフェクター)のことに
触れたけど、コーラスの音が良い。今日も然り。
Char さん(オフィシャル)のインスタの写真によると
コーラスは、BOSS CE-1 Chorus Ensemble。
もう40年以上前のアナログの機材だが、
これがとても暖かく太い音なんだな。
デジタルではかなわない。

他にも『Last Night』、『Wasted』、
『Restaurant』、『Would You Like It』、
『Everyday, Everynight』、『Life Of Mine』、
『金星のライオン』、『BB Joke』、『去年の雨』、
『Close Your Eyes』などなど、考え出すと
この2日間で聴きたかった曲がいっぱいあるある。
改めて、「JL&C = PINK CLOUD」という
バンドの偉大さ、素晴らしさ、魅力を
感じた2日間だった。

スモーキー・メディスン、JL&C、
PINK CLOUD と来たのだから、次はぜひとも、
"PSYCHEDELIX Night" をやって欲しいな。
これまた相棒の Jimmy Copley は、
すでに故人(2017年 63歳没)なんです。


[ MEMBERS ]
Char (vo, gt)
澤田浩史 (b)
ZAX (dr)
guest : ミッキー吉野 (key)

@ LINE CUBE SHIBUYA





2023.6.30

LARRY CARLTON
"Thru the decades"




約1年ぶりのラリー・カールトン。
昨年は、ビルボードライヴ東京で観たけど、
今年はブルーノート東京だ。
5日間10公演の最終公演を観てきた。
最終日最終公演、金曜日の夜ということも
あってか、超満員の観客席は、大盛況だった。

タイトルになっている「Thru the decades」は
「数十年にわたって」というような意味。
そういえば最近、何かの記事で
「デケイド」という言葉が出てきて、
意味が分からず調べた覚えがある。
デケイド(decade)は、一般的に
10年間のことを指す言葉だ。

今回のメンバーは、ドラムス以外は昨年と
同じセクステット。
今日のドラマー、ビリー・キルソンという人なのだが
もの凄く素晴らしかった。
ドラムにばかり耳がいくほどだったのだが、
メンバー紹介の時にラリーが、
「スペシャル・ゲスト」と言ったので、
やはりただ者ではないようだ。
若く見えたけど、調べてみると
1962年生まれだから私と同じ歳。

曲は、"My Mama Told Me So"、
"Put It Where You Want It"、
"It Was Only Yesterday"、
"Smiles And Smiles To Go"、
"Minute By Minute" などなど。
アンコールは、もちろん "Room 335"。
クルセイダーズやスティーリー・ダンの
曲も含めての選曲で、「この数十年」という
意味も分かったよ。
個人的には、"It Was Only Yesterday" が
今日のハイライトだな。
アンコール含めて約75分のショーだった。

ラリーのギターは、昨年同様ギブソンではなく、
自らプロデュースした Sire(サイアー)の
H7(335 タイプ)。
一時期、この H7 にも興味が湧いた。
きっとコスパは良いだろうと思う。
でも、ナット幅が 40ミリと知ってダメだと思った。
私には細すぎる。

隣の席の私と同年代と思わるおっさん
二人組のうちのひとりが、ギターのことを
「ギブソン 335、え~音してるなぁ」と
言っているのが、聞こえてきて、
「あれ、ギブソンちゃうで」と言いそうになった。
言わなかったけど。

どうしてもサイア―よりギブソンの方が、
良い(というか好きな)トーンに思ってしまうのは、
先入観か、バイアスだろうかね。
ブラインドテストしても当てられるような気がするけど、
どうだろう。

ラリーは、今年75歳になった。
元気そうで、楽しそうだった。
そういえば、トラヴィス・カールトン
(息子/ベース)は、あんまりソロを弾かない
イメージだったけど、今日はフューチャーされてた
曲があったよ。
そして、ビリー・キルソンのドラムソロ!
ぶっ飛びでした。


[ MEMBERS ]
Larry Carlton (g)
Travis Carlton (b)
Mark Douthit (sax)
Barry Green (tb)
Ruslan Sirota (key)
Billy Kilson (ds)

@ Blue Note TOKYO
2nd show





2023.7.5

Earl and The Ladies Grey LIVE



ずい分久しぶりに辻本明子さん (vo) の
ライヴに行ってきた。
いつ以来だろうと記録を見てみると、
2008年の(今はなき)Jay-J's Cafe での
ライヴ以来、なんと15年ぶりだった。
辻本さんとは、2006~08年あたりには
ライヴをしたり、辻本さんの生徒さんの発表会の
伴奏をお手伝いさせて頂いたりした。
この1~2年、またお会いする機会が増えてきている。

今日のライヴは、ピアノ、ベース、ヴォーカルというトリオ。
辻本さんが、ずっとやりたかったという、
ベースとヴォーカルのデュオも何曲も聴けた。
これはベースも歌も難しいだろうなぁ。
でもその分、取り組みがいがあろうというものだ。

詞の朗読、ピアノの連弾、ベースとのデュオ、
そしてトリオによる演奏とバラエティなプログラムでした。

ハコは、初めて行った Tonalite という
赤坂にあるお店。
Tonalite(トナリート)はフランス語で
「調性」とか「音色」という意味らしい。


[ MEMBERS ]
辻本明子(vo, pf)
東儀かな江(pf)
カイドーユタカ(b)

@ Tonalite(赤坂)





2023.7.10

ジョン・ウィリアムズ来日

9月に アメリカ映画音楽の巨匠、
ジョン・ウィリアムズが来日する。
「ドイツ・グラモフォン創立125周年
Special Gala Concert」だ。
「ドイツ・グラモフォン」は、世界No.1の
老舗クラシック・レーベル。

映画音楽好きの私だが、実は、
ジョン・ウィリアムズの曲で音楽として
好きだという曲は意外にない。
『スター・ウォーズ』、『スーパーマン』、
『E.T.』、『ジョーズ』など映画音楽として
素晴らしいと思うのだが、「音楽として好き」と
いうのは、単純に楽曲として聴きたいか、
ギターで演奏したいと思うかどうかなんだ。
そういう意味では、好きな曲は、
エンニオ・モリコーネが一番多くて、
チャーリー・チャップリン(スマイル/ライムライト)、
ニーノ・ロータ(太陽がいっぱい/ロミオとジュリエット)、
ミシェル・ルグラン(シェルブールの雨傘 )、
ジェリー・ゴールドスミス(パピヨン)、
ヘンリー・マンシーニ(ひまわり)など、
やはりメロディが美しいものが好きだ。
ジョン・ウィリアムズの曲が美しくないわけでは
ないのだが、同じ映画音楽でも、ちょっと毛色が
違う感じなんだ。
彼は、SF やアクション、パニックモノが多いから、
音楽が違うというより映画のジャンルかも知れないけど。

とはいえ、現在91歳のジョン・ウィリアムズ。
これが最後の機会だろうから、
彼がタクトを振る姿を一度は観ておきたい。
と思って、チケット料金を観たら・・・

VIP席:\50,000
S席:\37,000
A席:\30,000
B席:\25,000
P席:\20,000

会場は、サントリーホール。
オケは、サイトウ・キネン・オーケストラで
指揮は、ジョン・ウィリアムズ と
ステファン・ドゥネーヴ。
すでに プログラムも発表されている。
あまり、私が知っている曲はないのだが、
ジョン・ウィリアムズがタクトを振る
『スーパーマン・マーチ』は、聴いてみたい。
VIP席でなくても良いが、どうせ観るならS席かA席。
うーむ、どうしたものか。
思ったより高いやん・・・
しばし考え中。
久しぶりの「死ぬまでに観ておきたい
アーティスト・シリーズ」、悩ましい。


--- プログラム ---
(前半)
I.雅の鐘
II.Tributes (for Seiji)
III.『遥かなる大地へ』組曲(映画『遥かなる大地へ』から)
IV.『E.T.』交響組曲(映画『E.T.』から)
-遥か300万光年の彼方から
-スターゲイザー
-フライング・テーマ
【指揮:ステファン・ドゥネーヴ/サイトウ・キネン・オーケストラ】

(後半)
I.スーパーマン・マーチ(映画『スーパー・マン』から)
II.ヘドウィグのテーマ(映画『ハリー・ポッターと賢者の石』から)
III.不死鳥フォークス(映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』から)
IV.ハリーの不思議な世界(映画『ハリー・ポッターと賢者の石』から)
V.シンドラーのリストのテーマ(映画『シンドラーのリスト』から)
VI.レベリオン・イズ・リボーン(映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』から)
VII.王女レイアのテーマ(映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』から)
VIII.王座の間とエンドタイトル(映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』から)
【指揮:ジョン・ウィリアムズ/サイトウ・キネン・オーケストラ】





2023.7.21

T O T O



今から45年前、私が16歳の時に好きになった
アメリカのロック・バンド「TOTO」。
もう当時のメンバーは、ギターの
スティーヴ・ルカサーひとりになってしまった。
だから、今年の来日のニュースを知った時、
「もう観に行かなくていいかな」とも思った。
でも、やっぱり自分の青春時代(?)に
彩りを与えてくれたバンドだ。
これが最後になったら観ておけば良かったと
後悔するのは間違いない、と
思い直しチケットを取った。

福岡から始まったジャパン・ツアーは、
全国を周り、今日、東京武道館が
8日目で最終日だった。
来日は、4年ぶり 18回目だという。
私は、6回目。
初来日の1980年、1982年と続けて
観たあと、ずい分と間が空いて、
2011年、2014年、2016年と続けて
観たのだが、2019年はなぜか観に行っていない。

2016年には、デヴィッド・ペイチ(Vo/Key)も
スティーヴ・ポー力ロ(Key/Vo)も
いたのだけど、前述のように
今では、オリジナルメンバーは、
ルークひとりになってしまった。
ジョセフ・ウィリアムズは、長くバンドに
いるのだけど、私が好きだった初期(1982年まで)
にはいなかったので、あまり思い入れがないんだ。

ルークひとりだし、観に行くのを躊躇したと
書いたけど、観に行って良かった。
2~3年前から若いメンバーを入れて
活動しているみたいなのだけど、
この新生TOTO が素晴らしい。
とても力強い。
「今」のバンドという感じがした。

若い、スティーヴ・マッジオラ(key/vo)と
ドミニク “エグゼヴィア” タプリン(key)、
そして、ロバート “スパット” シーライト(dr)、
この3人の加入で TOTO は
完全に生まれ変わったと見たね。
ジョン・ピアース(b)は、ちょっと
おじさんだと思う。
この人、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの
ベーシストのようだ。
もう一人、ウォーレン・ハム(Sax etc)という
マルチプレイヤーも来日予定だったのだけど、
健康問題により不参加となった。

アンコール入れて1時間45分と
やや短めではあったが、本編14曲中
7曲が初期のアルバム4枚からだった。
驚いたのは『Georgy Porgy』のアレンジ。
歌に入るまで、それと気が付かない斬新な
アレンジで、オリジナルも好きだけど、
新生TOTO を象徴しているように感じた。
アンコールでは、ビートルズのカヴァーで、
『With A Little Help From My Friends』。
これが良かった。

できれば、『Child's Anthem』、『99』、
『Live for Today』、
『St. George and the Dragon』、
『I Won't Hold You Back』あたりも
聴きたかったな。

今日が、千秋楽ということもあったのか
終演時にメンバーが並んだ時に
なんだか感動があったなぁ。
スタンド2階席 南 F列で、
ステージ正面というのも良かった。


[ MEMBERS ]
スティーヴ・ルカサー(g/vo)
ジョセフ・ウィリアムズ(vo)
ジョン・ピアース(b)
ロバート “スパット” シーライト(dr)
ドミニク “エグゼヴィア” タプリン(key)
スティーヴ・マッジオラ(key/vo)

@ 武道館



[ SETLIST ]
1. Orphan
2. Afraid of Love
3. Hold the Line
4. Falling in Between
5. I’ll be Over You
( keyboard solo )
6. White Sister
7. Georgy Porgy
8. Pamela
9. Kingdom of Desire
( drum solo )
10. Waiting for Your Love
11. I’ll supply the Love
12. Home of the Brave
13. Rosanna
14. Africa
EC. With a Little Help from My Friend (The Beatles Cover)
引用元

TOTO 2023 ジャパン・ツアー
【福 岡】 7/10(月) 福岡サンパレスホテル&ホール
【金 沢】 7/12(水) 本多の森ホール
【名古屋】 7/14(金) 名古屋国際会議場センチュリーホール
【大 阪】 7/15(土) 丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
【広 島】 7/17(月・祝) JMSアステールプラザ 大ホール
【仙 台】 7/19(水) 仙台サンプラザホール
【盛 岡】 7/20(木) 岩手県民会館
【東 京】 7/21(金) 日本武道館


来年1月には、ビリー・ジョエルが16年ぶりに来日!





2023.7.29

コンサート・フォー・ジョージ
CONCERT FOR GEORGE




2001年11月29日、ジョージ・ハリスンが
この世を去ったのは、なんと58歳だった。
自分が60歳を過ぎるとその年齢の若さが、
改めて、身に沁みる。
そのちょうど一年後、ロンドンのロイヤル・
アルバート・ホールで、ジョージを偲んで
開催されたコンサートが、映画になって
公開されたので観てきた。
以前から、映像は流通していたようだが、
私はちゃんと観たことがなかった。

私は、特にジョージのファンというわけでは
なかったけれど、ビートルズの好きな
曲の中には『Something』、
『While My Guitar Gently Weeps』、
『Here Comes The Sun』など、
ジョージの曲も含まれている。
それらは、明らかにレノン&マッカートニーとは
違うテイストで、ジョージの才能を表現していると思う。
ソロになってからの『My Sweet Lord』も良い曲だと思う。

さて、このコンサート、ジョージとは
長年の付き合いのエリック・クラプトンが
音楽監督を務め中心になっているようだ。
出演は、ジョージと共演のある人達ばかりだろう。
エリック・クラプトン、ポール・マッカートニー、
リンゴ・スター、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、
ビリー・プレストン、アンディ・フェアウェザー=ロウ、
ジェフ・リン(ELO)、レイ・クーパー、アルバート・リー、
トム・スコット、ジム・ケルトナー、
ジョージのシタールの師匠・ラヴィ・シャンカール
(ノラ・ジョーンズのお父さん!)、その娘
アヌーシュカ・シャンカール、ビートルズが前座を
務めたというジョー・ブラウン(知らなかったけど
たぶんイギリスでは超有名なんでしょう)などなど。
ジョージがファンだっというモンティ・パイソンの
くだりには、トム・ハンクスも参加!
そして、ジョージの息子ジョージの若い頃に
そっくりのダニー・ハリスン。

素晴らしいコンサートだった。
個人的なハイライトは、ポール・マッカートニーが
ウクレレで『Something』を唄い出し、
そこにリング・スターがドラムを被せ、
エリックがオブリガードを乗せる。
後半は、バンド全体の演奏になり
エリックの歌にポールがハモるシーン。
こんなことないよね。
この2人のハモりは、
『While My Guitar Gently Weeps』
でも聴かれるのだが、この曲でエリックは、
自分のソロを丁寧に弾いていたよ。
エリックのこのコンサートへの真摯さを感じたね。
それから、ビリー・プレストンが唄う
『My Sweet Lord』も良かった。

こういう素晴らしいコンサートが、
ジョージの死によってのみ、
可能になるというのは
哀しくて皮肉な感じもするが、
ジョージの音楽の素晴らしさ、そして、
出演者のジョージへの尊敬と愛に
あふれた一夜だったと思う。
誰かがこのコンサートのことを
「感動的だが、感傷的ではない」
と評していたけどまさにそんな感じ。

メンバーや曲目のテロップが入らなかったので、
プログラムを買おうかと思ったら、
売っていなかった。
そういえば、入場時に何かくれたなと
カバンの中を見たら、表紙を入れて
8ページのプログラム的な小冊子だった。









2023.7.31

トランペット・ヴォランタリー

中学生時代、私は吹奏楽部に所属していた。
小学生の頃から楽器演奏に興味があり、
5年生でギターを始めた。
軽音楽部への入部も考えた。
でもギターは、独学でもできると思ったけど、
管楽器はクラブに入らないと
出来ないと思ったんだ。
担当楽器は、一年生の時はトロンボーン、
二年生の時はユーフォニウム、
三年生になるとトランペットだった。

あの頃は、今よりももっとクラシック音楽も聴いていた。
その頃聴いた、バロック音楽を集めたアルバム
(当時は LP)にトランペットがメロディを
吹く曲があって、そのメロディがとても好きだった。
しかし、曲名を覚えていなかった。

数年前、どうしてもその曲を聴きたくなった。
そのアルバムは、テレマン(ゲオルク・フィリップ・
テレマン、ドイツの作曲家 1681ー1767)の
曲を集めたものだと思い込んでいたので、
「テレマン トランペット協奏曲」などと
キーワードを入れて検索してみたのだが、
全く見つけられず、手がかりもなく諦めてしまった。

先日、テレビをつけたら、
ちょうど『題名のない音楽会』が始まった。
バロックの特集だった。
そこで、なんとあの曲が演奏されたのだ。
オルガンとチェンバロとピッコロ・トランペット
(途中からトランペット)による演奏だった。
私はあわてて曲名をメモした。

テレマンだと思い込んでいた作曲者は、
クラーク(ジェレマイア・クラーク、イングランドの
作曲家 1674ー1707)という人だった。
曲名は『トランペット・ヴォランタリー』。
45〜6年ぶりに聴いたそのメロディ。
なんとなく気品と威厳があり、
それでいてどことなく甘美な感じもする。
調べてみると『デンマーク王子の行進曲』とも
言われているようだ。
結婚式に演奏されることが多いと読んで、
なるほど結婚式なら気品と甘美の共存だと思ったのでした。

今なら「この曲を演りましょう」と吹奏楽部の
顧問の先生に提案するだろう。
全員でやらなくても、数人のアンサンブル用に
編曲することだって出来る。
でも、当時はそんなことは思いつきもしなかった。

その曲がこれ。
Trumpet Voluntary (トランペット・ヴォランタリー)

YouTubeにはいくつかのヴァージョンがあるけど、
このブラスのアレンジが気に入った。

Wikipedia によると、クラークは
「身分が上の美しい女性に恋したことから銃で自殺」
とある。(涙)

そして、野球に詳しくないので知らなかったけど、
この曲、近鉄バッファローズの村上選手の
応援歌になってるやん・・・。





2023.8.6

山下達郎
PERFORMANCE 2023




昨年から今年にかけて、山下達郎のコンサートの
抽選に先行発売、一般発売、キャンセル待ち
合わせて28回連続で外れた。
2017年、18年、19年は3年連続で
(それでも何回も応募して)当選したのだけど、
昨年からどうも運に見放されたような感じだった。

首都圏は、公演回数も多いのだけど
それ以上に競争率が高いと見た私は、
8月5日(昨日)の山形の公演に申し込んだ。
山形なら、昼間、妻の両親を訪ね、
夜コンサートを楽しむことが出来、一石二鳥なのだ。

見事に私の読みが的中し、
昨日のコンサートに当選したのだった。
しかも前から 11列目!
会場は、やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)。
残念ながら、妻の両親の面会は、
施設の都合で土日は、不可だったのだけど。

今年のツアーは、6月30日の埼玉に始まり、
11月6日の沖縄まで全国 18都市 39公演。
昨日は、12公演目だった。

達郎アニキは、今年70歳になった。
4年ぶりだったのだけど、以前よりさらに
パワーアップしているようなステージだった。
ご本人が「山形の人ってこんなだっけ?」と
言うほど、ノリの良いお客さんで、
とっても楽しいショーだった。

今年は、1976年から1982年までに
達郎が RCA/AIR YEARS にて発表したアルバム
8枚が5月から順に アナログ盤、カセットテープで
発売されている。
それらが、オリコンのベスト10に入っているのだという。
当時を知らない若いリスナーが増えているからだ。
もちろん「おなじみさん」も多い。
70歳になって全国ツアーを続けていることも
発表から40年以上経ったアルバムが、
再びチャートイン(それも当時の記録以上)
するなどという誰も想像しなかったことが
起きているんだ。

そんなわけで、今年のツアーでは、
RCA/AIR YEARS 時代の曲が多かった。
個人的には、『SILENT SCREAMER』から
『BOMBER』のメドレーには痺れたね。
そこからの『LET'S DANCE BABY』も最高。
そして、『蒼氓』には今回も落涙。
『Groovin'』(The Young Rascalsのカヴァー)
では、70歳にちなんで 8分音符70回のブレイク。

そうだ、大事なことを忘れていた。
開演前、ステージにセットされているギターが、
白い JAMES TYLER だったので、
佐橋さんらしくないなと思っていたら、
なんと長らくバンドにいたギターの佐橋(佳幸)さんが、
卒業され、新しいギターは鳥山(雄司)さん!
ちょっと意外な組合せな気もしたけど、
鳥山さんならなんでも弾けるもんね。

ギターは、前述の白い JAMES TYLER。
時々見かける(ギブソンではない)
335タイプのセミアコ(ペグが6連タイプ)。
ボトルネックを使う時は、
Fender のテレキャスター・デラックスだった。
個人的には、JAMES TYLER の音が
現代的過ぎて、それならレスポールの方が、
良かったのにと思ったけど、アームも
使っていたから仕方ないか。

アンコールでは、最近出たばかりのシングル
『Sync Of Summer』、そしてお決まりの
『Ride On Time』、
『恋のブギ・ウギ・トレイン』。
最後は、いつも通りしっとりと
『YOUR EYES』。
アンコールを入れて、2時間50分(休憩なし)。

15前、60歳を過ぎた小田(和正)さんの
コンサートに行って、2時間以上唄っても
声が変わらないことに驚いた覚えがあるけど、
もう 70歳の概念が変わってしまうね。
そういえば、2014年に観たローリング・ストーンズ。
あの時、ステージを端から端まで動き回りながら
唄っていたミック・ジャガーが70歳だった。

今回は、妻も同行したのだけど、
達郎初体験の彼女も大満足でした。


[ MEMBERS ]
山下達郎 (Vo, Gt, Key)
鳥山雄司 (Gt)
難波弘之 (Key)
柴田俊文 (Key)
伊藤広規 (B)
小笠原拓海 (Drs)
宮里陽太 (Sax)
三谷泰弘 (Cho)
ハルナ (Cho)
ENA (Cho)

@やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)



会場のやまぎん県民ホールは、2019年に
完成したホールでまだ新しく、良いホールだった。

ちなみに、この当選のあと東京でも観たいと思い
9月の NHKホールに申し込んだけど、ハズレました。




ジョン・ウィリアムズ
フルオーケストラコンサート




このコンサートのチケットを買ったときには、
ジョン・ウィリアムズが9月に来日することは
まだ発表されていなかった。
ジョン・ウィリアムズ本人は出ないけど、
彼の楽曲をフルオーケストラで聴こうという
コンサートで、私は興味を持ってチケットを買ったんだ。
9月の本人来日を知っていたら、
行こうと思わなかったかも知れない。

山形から戻ってきて、昼食。
そのままコンサート会場の東京国際フォーラムへ。

し、しかし旅の疲れか、コンサートが始まる
15分ぐらい前から、強烈な睡魔が・・・。
始まってもそれは続き、結局頭から最後まで
目を開けて聴いた曲は、終わりの2曲のみ。
(インディー・ジョーンズの『レイダース・マーチ』と
スター・ウォーズの『王座の間~エンド・タイトル』)

う~む、惜しいことをした。
目覚めて聴いたこの2曲だけでも
素晴らしかったので、できれば全曲
ちゃんと聴きたかった。
『スーパーマン・マーチ』、『ジョーズのテーマ』、
『未知との遭遇』なども部分的にしか
聴いてないけど良かったし。

これで9月のジョン・ウィリアムズ、
ご本人のコンサートに行く気になったので
チケットを買おうとしたら、売り切れてた。
なんだか、マヌケだ。
今日もらったチラシに10月の
「ジョン・ウィリアムズ・トリビュート」が
あったので、それを買ったよ。
演奏は、ボストン・ポップス・エスプラネード・オーケストラだ。


[ 出 演 ]
指揮: 佐々木新平
管弦楽: 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
「シンドラーのリスト」ヴァイオリン:荒井里桜
ナビゲーター:市川紗椰

<プログラム>
スーパーマン・マーチ 「スーパーマン」より
JFKのテーマ 「JFK」より
ジョーズのテーマ 「ジョーズ」より
ネバーランドへの飛行 「フック」より
追憶 「シンドラーのリスト」より(ヴァイオリン:荒井里桜)
さゆりのテーマ 「SAYURI」より
地上の冒険 「E.T.」より
--- 休憩 ---
ジュラシック・パークのテーマ 「ジュラシック・パーク」より
小惑星の原野 「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」より
レイア姫のテーマ 「スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望」より
未知との遭遇から抜粋 「未知との遭遇」より
ヘドウィグのテーマ 「ハリー・ポッターと賢者の石」より
ハリーの不思議な世界 「ハリー・ポッターと賢者の石」より
レイダース・マーチ 「インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》」より
王座の間~エンド・タイトル 「スター・ウォーズ」より


時間の都合で退場したが、アンコールにスター・ウォーズの
『帝国のマーチ(ダーズ・ベイダーのテーマ)』が演奏された。



@ 東京国際フォーラム・ホールA





2023.8.15

ロビー・ロバートソン 逝去
Robbie Robertson




8月9日、ロビー・ロバートソンが、
死んじゃった。
享年 80歳。

ロビー・ロバートソンは、カナダ出身の
ギタリスト。
ロニー・ホーキンスや、ボブ・ディランの
バックバンドを経て、THE BAND で
1968年に『Music From Big Pink』で
デビューした。

ニュース記事に「長い闘病の末」とあったけど
病名は見当たらない。
マーティン・スコセッシ監督の映画
『Killers of the Flower Moon』
(10月公開予定)の音楽を
仕上げたとの記述も読んだので、
仕事は最近までしていたんだろう。

ちなみに『Killers of the Flower Moon』は、
ジェシー・プレモンス、レオナルド・ディカプリオ、
ロバート・デ・ニーロらの出演。
アメリカ先住民が殺された実話を元にした
予告編を観た限りちょっとヘビーな作品のようだ。
ロビー・ロバートソンは、ユダヤ人とアメリカ
先住民族の血を引く。
彼の最後の仕事になったというのも
なんだか意味深だな。考え過ぎか?

2019年にドキュメンタリー映画
『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』を
観たときはとても感動して、
その映画の元になったロビーの自伝
『ロビー・ロバートソン自伝ザ・バンドの青春』まで
買って読み始めたのだけど
途中で止まってしまい、気になりながらも
そのままになっている。
読まなきゃね。

これで、ザ・バンドのメンバーは、
ガース・ハドソンひとりになってしもた。

合掌。


以前も紹介したけど、この動画最高です。
The Weight | Featuring Ringo Starr and Robbie Robertson


[ 関連エントリー ]
2020.11.12 ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった
2019.12.8 アイリッシュマン THE IRISHMAN
2018.5.1 ラスト・ワルツ THE LAST WALTZ





2023.8.21

山下達郎
PERFORMANCE 2023
その2


8月5日に山形県のやまぎん県民ホールで
山下達郎のコンサートを観たことは ここ に書いた。

実は、ずっと追加で書きたいことがあったのだけど、
書かなきゃ書かなきゃと思っているうちに
2週間以上経ってしまい、何を書きたかったのか
分からなくなってしまった。(汗)

ただ、あとから思い出しても凄いパフォーマンスだった
ということは間違いなく、今までに 1,000本以上の
コンサート、ライヴを観てきたがその中でも
ベスト10に入るステージだったと思う。

長らくファンを続けている人が多いのも、
新しくファンになる若い人が多いのも
納得なのだった。

ネットにセットリストがアップされていたので、
転記しておく。
このアップされていたセットリストが非常に細かく、
例えば、『ドーナツ・ソング』のイントロ部分で
『LOVELAND, ISLAND』を数小節唄ったあと
「今日はこの曲はやりません」なんて、
達郎氏が言ったことを『LOVELAND, ISLAND』と
『ドーナツ・ソング』のメドレーと書いている。
いやいや、これはメドレーとは言わんやろ、
というのが私の見解なので、元の情報を
私なりに、つまり別曲のフレーズを数小節
唄っただけというのは、記載せずにまとめた。
そして、確か『ドーナツ・ソング』では、
『Willie And The Hand Jive』のフレーズも
出てきたんだけど、それはなぜか書いてないんだな。


2023年8月5日 @やまぎん県民ホール
[ SETLIST ]
1. SPARKLE
2. 雨の女王 (RAIN QUEEN)
3. ドーナツ・ソング
4. 土曜日の恋人
5. SOLID SLIDER
6. FUTARI
7. 潮騒
8. Groovin' [The Young Rascals]
9. Bella Notte
10. Have Yourself A Merry Little Christmas [Judy Garland]
11. クリスマス・イブ
12. 蒼氓
13. SILENT SCREAMER~BOMBER~SILENT SCREAMER
14. LET'S DANCE BABY
15. CIRCUS TOWN
EC
16. Sync Of Summer
17. Ride On Time
18. 恋のブギ・ウギ・トレイン
19. YOUR EYES

LiveFans より





2023.9.7

MIKE STERN - JEFF LORBER FUSION



なんと2019年8月以来、4年ぶりの
マイク・スターン。
この20年ぐらい来日のたびに観に行っているので、
4年も空いたのは、初めてだと思う。
前回 2019年は、ドラムが神保さんだった。
2020年3月にジェフ・ローバーとのライヴが
組まれていたけど、コロナのために中止。
3年半を経ての実現となった。

ジェフ・ローバーのことは、良く知らなかったけど、
LAを中心に活動するキーボード奏者。
ドラムが、ゲイリー・ノヴァク。
ベースは、2016年、上原ひろみの
The Trio Project で、アンソニー・ジャクソンの
トラ(代わり)を務めたアドリアン・フェロー。
メンバー紹介の時、相変わらず寿司ざんまいの
社長のポーズとってたよ。
そして、スペシャル・ゲストとして、マイクの
奥方である、レ二・スターン。

ブルーノート4日間とコットンクラブ1日、
合わせて5日間10公演の初日。
その 2nd show を観てきたのだけど、
初日ということもあってか、演奏がちょっと
探り合いながらだなと感じた部分もあったが、
高度な技術とアンサンブルの妙を聴かせてくれた。

マイクは、2016年に神経の損傷も伴った
両手骨折の怪我をした。
それ以降、彼の演奏を聴くのは、2017年、
2018年、2019年と今回で4度目なのだけど、
やはり右手は、やや不自由に見える。
でも、もうあの形で完全にスタイルが
出来上がっているんだと思った。
ギターは、いつものヤマハ・パシフィカ。
そのギターのボディにステッカーのようなものが
貼ってあるように見えたので、終演後、
ステージ前まで観に行ったら、ピックが
貼り付けてあった。


(終演後、ステージが暗いので見にくい写真しか撮れなかった。)

おそらく、ピックを落としたときのための
予備ではないかと思われる。
それから、以前には使ってなかった、
フレットラップ(解放弦の振動を抑える道具)が、
ヘッドに装着されていた。



以前には使っていなかったことを考えると
右手による、ミュートが難しくなったんではないかと
推測する。
それにしても、ピックが持てなかったという
状態からのリハビリ、完全復帰には
あらためて感動する。
復帰して、もう何年も経っているのだけど、
今日聴きながら、その凄さに畏敬の念を抱いた。

マイクの足元(ペダル・エフェクター)には、
6個とチューナーが並んでいた。
チューナーと6個のうち5個が BOSSだったよ。

レニのギターは、ストラトキャスター
(ゴールドに見えた)。
1曲目では、「ンゴニ」という西アフリカの
伝統楽器を演奏した。
ギターソロもも数曲で披露。
ヴォーカルも2曲。
この歌が中々良かった。

アンコールは、"Wing And A Prayer" に
続いて "Red House"(ジミ・ヘン)。

久しぶりの公演だというのに、やや空席があった。
10回もあるからかな。


[ MEMBERS ]
Mike Stern (g)
Jeff Lorber (key)
Hadrien Feraud (b)
Gary Novak (ds)
Special Guest:Leni Stern (g,ngoni,vo)

@ BLUE NOTE TOKYO
2nd show





2023.9.13

渡辺翔太トリオ
with 若井俊也、石若駿

featuring Ruri Matsumura & 井上銘




2021年11月23日にコットン・クラブで観た
「渡辺翔太トリオ」を再び観てきた。

2021年には、日本の若いジャズメンたちの
熱い演奏を聴いて、「日本の未来のジャズの発展は、
安泰だ!」と その日のエントリーに書いた。
その時のメンバーは、トリオに加えて、
井上銘 (g) & 吉田沙良 (vo) だったが、
今日のゲストは、井上銘と
Ruri Matsumura というシンガーだった。

前回もドラムの石若駿に魅了されたが、
今日も然り。
ずっと目も耳も奪われる感じ。
ほかのメンバーも凄いんだけど、
石若がずば抜けているように感じるのは
私だけではないはず。
一緒に観に行ったK彦は、
「おれは生まれ変わったら、石若駿に
なりたい」とまで言っていたよ。
終演後、K彦とふたりで、石若の何が凄いか
言語化しようと努めたが、情けないことに
「あれは才能だ」という程度にしか
説明できなかった。

そうそうK彦に言わせると(彼もドラムを叩く)
「超、脱力している」そうだ。
そのことと関係あるんだろうけど、
私には彼のドラミングは、「柔らかく」聴こえるのだった。

1曲、石若がパーカッションというよりは、
ほぼほぼノイズ(セロテープを切る音など)を
出す曲があったのだけど、それさえ、
ソロを弾いているベースより、石若が全部
持って行っているように感じたのは、
偏見だろうか。

銘君の今日のギターは、なんとストラトキャスター。
動画では観たことがあったけど、たぶん
ナマでストラトを弾くのを観るのは初めて。
ストラトらしからぬ太い甘い、とてもモダンなトーンだった。

知らずに行ったのだけど、今日はレコ発ライブで、
そのアルバムの収録曲10曲と、アンコールは
一昨年と同じく『SMILE』でした。


[ MEMBERS ]
渡辺翔太 (p,key)
若井俊也 (b)
石若駿 (ds)
Guest:
Ruri Matsumura (vo)
井上銘 (g)


[ 参考エントリー ]
2021.11.23 渡辺翔太トリオ featuring 井上銘 & 吉田沙良





2023.9.29

アロルド・ロペス・ヌッサ
HAROLD LOPEZ-NUSSA




4年ぶりにキューバのピアニスト、
アロルド・ロペス・ヌッサを聴いてきた。
前回は、LA FAMILIA LOPEZ-NUSSA
(ラ・ファミリア・ロペス・ヌッサ)という名義で
アロルドの親父さん、弟、叔父さんに
トランペットとベースが加わったセクステットだった。
今回は、ドラムは前回と同じ、アロルドの弟、
ルイ・アドリアン・ロペス・ヌッサに
ベースとハーモニカが加わったカルテットだ。
ハーモニカは、マーカス・ミラーとの来日で
観たことのある、超絶なハーモニカを吹くグレゴア・マレ。
ベースのルケス・カーティスは、From NEW YORK。

いやいや、今回も素晴らしかった。
ラテンの血が騒いだよ。(流れているのか?)
なんだか感動して、ウルウルするほど素晴らしかった。
語彙が乏しくて、その素晴らしさを言語化
できないのが歯がゆいのだけど、
またキューバに行きたくなったよ。

遠くから来てくれてありがとう。


[ MEMBERS ]
Harold Lopez-Nussa (p)
Gregoire Maret (harmonica)
Luques Curtis (b)
Ruy Adrian Lopez-Nussa (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd show


[ 関連エントリー ]
2016.9.3 15th TOKYO JAZZ FESTIVAL
2019.10.3 LA FAMILIA LOPEZ-NUSSA





2023.9.30

高中正義
TAKANAKA SUPER BEST LIVE 2023
ULTRASEVEN-T




一年ぶりの野音の高中。
ツアータイトルになっている「ULTRASEVEN-T」は、
「ウルトラセブンティ」と読むんだろう。
高中は、今年70歳になったので、
古希記念ライヴなんだ。

この時期の野音のコンサートは、
明るいうちに始まって、気が付くと
照明が点いていて、辺りは暗くなっていて、
演奏が止むと、虫の音が聞こえてと、
とても風情があって良い。

今日は、立ち見のお客さんも一杯だった。
前の方は「古希席」ということでお土産付き。
私はもうお土産とかはいいので、
普通の指定席にしたので、結構後ろの方だった。
高中は、一時期、東京と大阪ぐらいでしか、
コンサートが出来ない時期もあったらしいけど、
最近は地方でもやれるようになったらしく、何よりだ。
(今年は、札幌から福岡まで 全国12公演)
かくいう私も80年代前半に二度コンサートに
行ってから、90年代中頃に一度、武道館を観て、
その後、すっかり高中から遠ざかっていた。
2011年にギター・マガジン・フェスティバルで、
15年ぶりぐらいに生で聴いて感動し、それから
また観に行くようになったんだけどね。

1曲目『Blue Lagoon』から、
アンコールの『Blue Stripe』、
『You Can Never Come To This Place』
まで、2時間10分ぐらい。
充実の内容だった。

『Blue Lagoon』では、途中、高中の指が
まわってない感じの場面があったり、
『Early Bird』では、テーマに戻る時、
拍を間違えるという珍しいミスもあったりしたが、
そういうのも含めて高中なんだな。
途中、ハッピー・バースデイが流れ、
メンバーと観客で高中の古希を祝うというシーンもあった。
野音は、アルコールを飲みながら観られるせいも
あってか、野次が多い。特におっさんの。
今日も後ろの席の二人組がやかましかった。

そのほか曲は、『Thunder Storm』、『SAUDADE』、
『渚 モデラート』、『Jumping Take Off』、
『Finger Dancin'』、『Guitar Wonder』、
『Ready To Fly』、『黒船』など。
いつもながら、オールタイムベスト的な選曲。

斉藤ノヴの口花火SE に風鈴。
そして高中のセリフ
「暑いなぁ、どこかへ行きたいなぁ」
これは、『ようこそ、夏の王国へ』のイントロ前の
セリフなんだけど、ベンチに腰かけてギターのヘッドに
その風鈴をぶら下げて始まったのは『伊豆甘夏納豆売り』。
これが、とても良かった。
イントロが始まった時、ジ~ンと来たもんね。
この曲、好きだなぁ。

ギターは、ストラトキャスターが、
サンバーストのもの、
青いペインティングのされたもの、
グリーンのラメ入りのものの3本。
ヤマハSG は、濃いブルーのものと、
ふりかけ模様のもの。
今日は、どのギターの良い音だったけど、
ラメ入りのストラトと、ふりかけSGが良かったな。

開演前、ベースの位置に椅子がないことに気付いた。
岡沢さんなら座ってい弾くはずなので椅子があるはず。
もしかして、今日は岡沢さんじゃないのかと
思っていたら、なんと登場したのは、澤田浩史。
もう何度も Char のバックで観ているベーシストだ。
ちょっと意外な感じがしたのだけど、
始まってみたら、とっても良い。
この人は、ロックよりこういう音楽(ラテン的な
フュージョンという感じ)の方が、合っているんやないかと
思ったほどマッチしてました。

あと、宮崎裕介 (key) のソロが良い。
この人のライヴがあったら観てみたいな。


開演前 17時前



[ MEMBERS ]
高中正義 (g)
宮崎裕介 (key)
井上薫 (key)
澤田浩史 (b)
宮崎まさひろ (ds)
斉藤ノヴ (perc)
AMAZONS 大滝裕子 (cho)
AMAZONS 吉川智子 (cho)
AMAZONS 斉藤久美 (cho)

@ 日比谷野外大音楽堂


YOUNG GUITAR のインタビュー





202310.1

山弦 2023 ツアー
「アナオリベスト・発売記念ツアーですって!」




2020年の小倉さんの還暦記念ライヴでの
再演がきっかけで復活した 山弦
(小倉博和と佐橋佳幸のギター・デュオ)。
昨年は、7月と10月にそのライヴを観たが、
約1年ぶりにライヴに行ってきた。
佐橋さんは、山下達郎バンドを卒業したので、
達郎のライヴでは観られなかったしね。

昨年のライヴのエントリーを読むと、
2回とも「小倉さんのギターの音の方が、
生っぽい」と感想を書いているのだけど、
今日は、ふたりとも良い音だったな。
小倉さんの方が、やや甘いというか丸い音、
佐橋さんは、シャープなキレの良い音という感じ。

曲は、全曲オリジナル曲。
『SONG FOR JAMES』、『春』、『Life』、
『島そだち / Island Made』、『Coast To Coast』、
『祇園の恋 (GION)』など。

あいかわらず、話し出すと暴走する小倉さんの
MCが面白い。
タイトルの「アナオリベスト」というのは、
最近発売された、アナログ(LP)の
オリジナル曲のベスト盤のこと。
聴いてみたいなぁ、アナログで。
でも、プレイヤーがないねん。
買っても良いけど置くとこがないねん。
悩ましいのぅ。


[ MEMBERS ]
山弦:
小倉博和 (gt)
佐橋佳幸 (gt)
(音響) 飯尾芳史

@ Billboard LIVE TOKYO
2nd show


[ 参考リンク ]
<公演開催記念インタビュー>山弦






2023.10.6

ボストン・ポップス
on the Tour 2023

ジョン・ウィリアムズ・トリビュート 日本公演




アメリカの名門オーケストラ、ボストン・ポップスの
コンサートに行ってきた。
総勢70名以上のフルオーケストラで、
20年ぶりの来日だという。
東京、大阪合わせて7公演。
今日は、その初日だった。

プログラムが「ジョン・ウィリアムズ・トリビュート」と
「スター・ウォーズ:ザ・ストーリー・イン・
ミュージック」と10月10日だけのプログラムと
3種類あり、日によって違うのだが、今日のプログラムは
「ジョン・ウィリアムズ・トリビュート」。

実は、9月にジョン・ウィリアムズ ご本人の
来日公演があったのだが、それを知る前に
8月6日の(ジョンは出演しない)
「ジョン・ウィリアムズ・フルオーケストラコンサート」
というタイトルのチケットを買っていた。
その後、9月の来日公演を知ったわけだが、
チケットがちょっと高くて、どうしようかと
迷っているうちに、売り切れてしまったんだ。
それで、この「ジョン・ウィリアムズ・トリビュート」の
チケットを買ったという経緯。

コンサートは、予想以上に素晴らしかった。
曲と曲の間に、ジョンが解説する映像が
スクリーンに映し出される。
ジョンの音楽への情熱と愛情が、
ビンビン伝わってくる。
そして、より音楽への理解が深まるんだ。

指揮者のスコアと並んでモニターが置いてあり、
映像が流れる曲では、曲始まりのキューや
テンポが表示されていた。
つまり、映像に合わせて演奏するという
正に映画音楽なライブ演奏だったわけだ。
その中でも『未知との遭遇』は、特に素晴らしかった。
映画を観たのはもう45年近く前で
あんまり覚えていないのだけど、
あの映像とオーケストラの生演奏だけで
ひとつの作品として完成しているかのようだったよ。

それと、『オリンピック・ファンファーレとマーチ』。
これまた感動的な映像と音楽で、素晴らしかった。

モニターにテンポまで表示されるのは、
音楽と映像をシンクロさせる必要があるからなんだ。
終わりの「ジャン!」っていう音との
映像の中の役者のしぐさが、
ピタッと合っている「生演奏」は、
初めて聴いたんじゃないかと思う。

そして、『スーパーマン・マーチ』、『未知との遭遇』、
『レイダース・マーチ(インディ・ジョーンズ)』、
『スター・ウォーズ・メイン・タイトル』などの
楽曲のパワーを改めて痛感した。

高校生の時、6つの高校の吹奏楽部が
集まって行う「六校祭」という合同演奏会があった。
その時、演奏したのが『スター・ウォーズ』だった。
でも、本番当日、どういうわけか途中で演奏が
止まってしまうというアクシデントがあり、
指揮をしていた他校の生徒が、気の毒だった覚えがある。
私は、トランペットだったけど、
出だしのファンファーレからして
トランペットの見せ場だったので、
『スター・ウォーズ』は思い出深いんだ。

アンコールは、やはり『スター・ウォーズ』から、
『カンティーナ・バンド』。
上原ひろみもカバーしてたあの曲。
オーケストラ・バージョンはまた違うね。

オーケストラのメンバーは、見たところ
若い人は少なくて、ある程度の年齢の人が
多いように見えた。
つまり、ベテランということかな。

指揮者のキース・ロックハートは、
1995年に第20代のボストン・ポップス・
オーケストラの指揮者に指名された。
その前任者は、(1980年から1993年まで)
ジョン・ウィリアムズだったんだ。

ゲストにヴァイオリンの服部百音。
彼女の音だけスピーカーから出てくることが、
やや違和感があって、慣れるまで少し時間がかかった。
「彼女の音だけ」と書いたけど、
実際は他の楽器の音も出てるんだけど、
ソロの時のヴァイオリンが、スピーカーから
出てくると、それだけ浮いたような感じに
聞こえてしまうんよね。
演奏は、素晴らしかったけどね。

8月の「ジョン・ウィリアムズ・フルオーケストラ
コンサート」、9月のご本人の来日公演、
10月のボストンポップスと、ジョン・ウィリアムズ、
そして、 今日配られていたチラシの中に、
1月6日の「ジョン・ウィリアムズ ウインド・
オーケストラ・コンサート」のものがあった。
ジョン・ウィリアムズ関連のコンサートが
こんなに多いのは、それだけ彼の音楽に
人気があるからなんだろう。
今日もほぼ満席だったよ。
国際フォーラムホールA ってキャパ5千人で、
3日間ですぜ。


[ 出 演 ]
指揮 キース・ロックハート
演奏 ボストン・ポップス・エスプラネード・オーケストラ
ヴァイオリン 服部百音

@ 東京国際フォーラム ホールA


【ジョン・ウィリアムズ・トリビュート】 プログラム
1. スーパーマン・マーチ
ビデオ [ジョーズについて]
2. 『ジョーズ』のテーマ
(ビデオ) [アーウィン・アレン/ タワーリング・インフェルノについて]
3. 『タワーリング・インフェルノ』メイン・タイトル
(ビデオ) [未知との遭遇について]
4. 『未知との遭遇』より”未知との遭遇”
5. 『遥かなる大地へ』より”Suite”(ヴァイオリン/服部百音)
(ビデオ) [SAYURIについて]
6. 『SAYURI』より”会長さんのワルツ”(ヴァイオリン/服部百音)
(ビデオ) [作曲過程について]
7. 『ハリー・ポッターと賢者の石』より”ハリーの不思議な世界”
--- 休憩 20分---
(ビデオ) [オリンピックについて]
8. オリンピックファンファーレとテーマ
(ビデオ) [シンドラーのリストについて
9. 『シンドラーのリスト』のテーマ(ヴァイオリン/服部百音)
10. 「Les enfants de la Terre ~地球のこどもたち~」
  作曲/服部隆之(ヴァイオリン/服部百音)
11. 『インディ・ジョーンズ』 より”レイダース・マーチ”
(ビデオ) [オーケストラへの感謝について]
12. 『イーストウィックの魔女たち』から「悪魔のダンス」
13. 『スター・ウォーズ エピソー55/帝国の逆襲』より”ダース・ベイダーのマーチ”
(ビデオ) [ヨーダについて]
14. 『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』より”ヨーダのテーマ”
(ビデオ) [スター・ウォーズ エピソード9について]
15. 『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』より”レイのテーマ”
(ビデオ) [最大の喜びについて]
16. 『スター・ウォーズ』 メイン・タイトル
EC. 『スター・ウォーズ』より"カンティーナ・バンド"





2023.10.8

小曽根真&アヴィシャイ・コーエン
The Amity Duet




チック・コリアを通して出会った、小曽根さんと
アヴィシャイ・コーエンは、その出会いから
20年を経てようやく共演が実現した。
今年から来年にかけて、
このデュオでワールド・ツアーを周る。

このデュオのワールド・プレミアが
今年2月にブルーノートであったのだけど、
それを私は配信で観た。
その時に「ワールドツアーに出る」という
アナウンスが小曽根さん自身からされたのだが、
私は「東京公演もあるだろうから、
これは絶対観にいかなあかん」と書いた。

昨日は、そのツアーの3日目だという公演を
埼玉県川口市にある川口総合文化センター
リリアに観に行ってきた。
メインホールではなく、パイプオルガンの設置された
600席ほどの音楽ホール。
ソールドアウトの公演だ。

右端の方だったけど、F列(前から6列目)で
演奏中の小曽根さんの顔も良く見える
良い席だった。

1曲目スタンダード・ナンバー
『On Green Dolphin St』に始まり、
途中休憩を挟んで、アンコール、
アビシャイのヴォーカルをフューチャーした
『I Didn't Know What Time It Was』まで
130分ぐらいかな。
最後は、スタンディング・オベイションの
素晴らしい演奏だった。

2部の1曲目で演奏した、小曽根さんの
新しい曲のピアノ・ソロ『Origin of Star』
(と言ったと思う)も良かった。
タイトルの通り、星野源さんに捧げた曲。

小曽根さんは(いつもだけど)その演奏を
とても楽しんでいるのが伝わってくる。
アビシャイとの演奏は「とてもインスパイアされる」と
ご本人も言っていたけど、あのレベルになると
もう、どこへでも行けるんだろうなと感じた。

アビシャイはベースの音も良かった。
PAのこともあるだろうけど、とてもクリアで
聴きやすい。
そして、1曲しか唄わなかったけど、
ヴォーカルも良い。

ぜひ、ライヴCD、DVDの発売を!


[ MEMBERS ]
Makoto Ozone (Pf)
Avishai Cohen (B, Vo)

@ 川口総合文化センター リリア 音楽ホール
(埼玉県川口市)


開演前


アヴィシャイのベース



[ 関連エントリー ]
2019.3.2 AVISHAI COHEN TRIO
2019.8.31 TOKYO JAZZ 2019
2023.2.26 AVISHAI COHEN TRIO "Shifting Sands"





2023.10.11

小曽根真&アヴィシャイ・コーエン
The Amity Duet




先日、埼玉の川口総合文化センター音楽ホールで
観た、小曽根真&アヴィシャイ・コーエンの
デュオを再び観てきた。
今夜は、東京四谷の紀尾井ホール。
川口総合文化センター音楽ホール同様、
クラシックがよく演奏されるホールだ。

アヴィシャイ・コーエンはイスラエル出身なのだが、
自国が大変なことになっていることに
心を痛めていることだろう。
今日は、小曽根さんもそのことに少しだけど
言及したよ。
音楽は、平和の象徴だ。
武器ではなく、楽器を持とう。

さて、本日のライヴ、セットリストは
先日(10月7日)と全く同じ。
同じ曲だとは言え、当然、演奏は違う。
やるたびに新しいケミストリーが生まれるんだろう。
できれば、違う曲も聴きたかったけど、
同じ曲を演っていても、本人たちは
新しく演奏しているので、楽しいんだろうな。
今日も小曽根さんは、幸せそうだった。

10月7日の川口総合文化センターも
今日も前から6列目という良い席で
聴くことが出来た。
今日、バルコニー席だった友人は、
かなり聴き辛かったようで残念だった。
クラシック用に設計されたホールでの
PAを入れたコンサートは、席によって
かなり聴こえ方が違う。
同じ料金なのに難しいところだ。

ちなみに川口総合文化センターでの
チケットは、7,000円だったけど、
今日は、12,000円。
同じ内容なのに 5,000円も違うねん。

もう一つ、ちなみに、10月7日のライヴでは、
終演後ロビーに貼り出されたセットリストに
2部のスタンダードが、
『Polka Dots and Moonbeams』と
書かれていたのだけど、実際にプレイされたのは
『Everything Happens to Me』だった。
あれは、直前に本人たちが変更したのかな。
また、小曽根さんのソロ曲もタイトルが
書かれていなかった。
今日は、ちゃんと書いてあったよ。


[ SETLIST ]
1. On Green Dolphin Street
2. Gesture#2 (Avishai)
3. Snap Shot (Makoto)
4. Remembering (Avishai)
5. O'berek (Makoto)
--- 休憩 ---
6. Origin of The Stars (Piano Solo)(Makoto)
7. Lazy Uncle (Makoto)
8. Everything Happens to Me
9. Martrix (Chick Corea)
10. The Ever Evolving Etude (Avishai)
Ec. I Didn't Know What Time It Was


[ MEMBERS ]
Makoto Ozone (Pf)
Avishai Cohen (B, Vo)

@ 紀尾井ホール


The Amity Duet 小曽根真&アヴィシャイ・コーエン
--- 日本ツアー・スケジュール (全8公演) ---
2023年10月5日(木) 名古屋・メニコンシアターAoi
2023年10月6日(金) 松本市音楽文化ホール ザ・ハーモニーホール
2023年10月7日(土) 川口リリア・音楽ホール
2023年10月9日(月・祝) あわぎんホール(徳島県郷土文化会館) 1階ホール
2023年10月10日(火) 武蔵野市民文化会館 小ホール
2023年10月11日(水) 紀尾井ホール
2023年10月13日(金) 住友生命いずみホール(大阪)
2023年10月14日(土) 北九州市立響ホール





2023.10.13

渡辺貞夫オーケストラ公演
公演中止


明日は、宇都宮市文化会館(埼玉県)へ、
「渡辺貞夫オーケストラ」の公演を
観に行く予定だった。
来週、ブルーノート東京でも2日間の
公演があるのだが、両日とも予定が
埋まっていたため、宇都宮まで行くことにしたんだ。

しかし、今日のお昼過ぎに
「公演中止」のメールが届いた。
「渡辺貞夫氏の体調不良のため」とある。

調べてみると、今日の高崎芸術劇場
(群馬県)の公演も中止になっている。

うーむ。
どんな具合なんだろう。
なにしろ、90歳だからな。

来週のブルーノートについては、
まだ中止の発表はされていないけど、
ちょっと心配なのでした。





2023.10.16

谷村新司 逝去

10月8日に谷村新司が永眠したと発表された。
腸炎で療養中だったらしい。
享年 74歳。
ちょっと若いな。

6月からのアリスのツアーを延期していたらしい。
やりたかっただろうなぁ。

中学生か高校生だったころ、
チンペイ(谷村新司)のラジオ
(MBS ヤングタウンだったと思う)は
時々聞いた覚えがある。
チンペイのちょっとエロい話が、中高生には
刺激的で面白かったような記憶がある。

谷村新司といえば、私には
『昴』や『サライ』ではなく、アリス、
それもブレイク前のアリスが印象深い。

唯一買ったアリスの LP は、
高校生の時に買った『ALICE VI』だった。
『冬の稲妻』の収録されていたな。
あの曲でなんだか路線変更をしたような
感じで、そのあと、『ジョニーの子守唄』とか
『チャンピオン』とかヒット曲を出したんだ。
でも私は、そういうヒット曲よりも、
そんなに売れなかった『さらば青春の時』とか
『帰らざる日々』とかの方が好きだったな。
あと『遠くで汽笛を聞きながら』もね。
あのイントロと間奏、エンディングの
ギター・ソロはコピーしたよ。
オリジナルで弾いていたのは、矢島賢だったんだな。
それから『今はもう誰も』。
あの時代、この曲で、「Csus4」という
ギターのコードを覚えた人も多いはずだ。

なんだか、どんどんと昭和が遠い時代に
なっていくね。
でも、音楽は唄われ続け、聴かれ続けるから
素晴らしいなと改めて思う。

毎年思うことなのかも知れないけど、
今年は訃報が多いと感じる。
今年、私がここに書いただけでもこんなにいるよ。
(カッコ内は享年)

ジェフ・ベック (78)
高橋幸宏 (70)
バート・バカラック (94)
ボビー・コールドウェル (71)
坂本龍一 (71)
アーマッド・ジャマル (92)
ティナ・ターナー (83)
ロビー・ロバートソン (80)
谷村新司 (74)

合掌。





2023.10.18

TEDESCHI TRUCKS BAND
テデスキ・トラックス・バンド




2019年以来約4年ぶりの
テデスキ・トラックス・バンド。
2019年6月の TOKYO DOME CITY HALL
公演は、3日あったうち2日観に行った。
「今回は、全部観てやる!」と、発売早々に
今日と 20日、21日のチケット3日分を
取ったのだけど、その後、100キロウォークの
日程発表があり、21日が重なってしまった
前日20日もちょっと厳しい。
というわけで苦渋の決断で、
20日と21日は、諦めたんだ。
その後、22日に追加公演が決まったんだけど、
100キロ歩いた日にライヴに行く自信がないので
これも涙をのんだ。
というわけで、今回は1回だけの TTB。

今日は、ジャパン・ツアーの初日。
会場は、2019年と同じ TOKYO DOME CITY HALL。
ここは、観やすくて好きだな。
もちろん席によるけど、今日はアリーナの15列目。
端っこの方だったけど、まあまあかな。
音もとても聞きやすかった。

4年前とメンバーは、少し入れ替わっているように
思うが、ウドー音楽事務所のサイトって、
メンバーのこと書いてないのよね。
ググっても今のところ発見できず。
来日前のデレクのインタビューを読むと、
ドラムの一人(TTB はツインドラム)が
J.J.ジョンソンから アイザック・イーディ に
替わっている。
他にも新しく参加したメンバーもいるようだが、
詳しくは、分からない。

演奏は、あいかわらず超ゴキゲンで、
最強のライブ・バンド、ここにありって感じだった。

デレクは長いインスト(『Pasaquan』?)で、
ブロックインレイ、ブランコテールピースの
チェリーレッドのES-335を使用。
スーザンは、濃いグリーンのテレキャスター
(いつものかな)と、数曲でサンバーストの
レスポールを使用。
前回も感じたけど、スーザンはかなり上手くなったと思う。
何年か前に観たときは、どうしてもデレクの
ソロに比べて しょぼい感じがしたけど、
今日なんかは、もう全く引けを取らないもんね。
毎日、デレクとステージに立っていれば、
そうなるんやなぁ。
もちろん、デレクのプレイは別格だけどね。

1曲目は『Hear My Dear』だったかな。
そのほか『Midnight in Harlem』、
『Part Of Me』、『Made Up Mind』など。
(曲名が言えない。)
『Bell Bottom Blues』が聴けたのは、良かったなぁ。
『Beck's Bolero』からの『Freeway Jam』は、
感動したなぁ。

アンコール2曲を入れて 130分ぐらい。
かなり、ゴキケンなライブでした。
あー、20日、21日も観たいなぁ。


@ TOKYO DOME CITY HALL


[ 関連エントリー ]
2019.6.16 TEDESCHI TRUCKS BAND 2
2019.6.14 TEDESCHI TRUCKS BAND
2016.4.1 TEDESCHI TRUCKS BAND
2014.2.11 TEDESCHI TRUCKS BAND その2
2014.2.6 TEDESCHI TRUCKS BAND
2013.2.3 神業 DEREK TRUCKS
2012.2.8 TEDESCHI TRUCKS BAND

[ 参考記事 ]
テデスキ・トラックス・バンドが語る来日の抱負、夫婦の絆、クラプトンやジェフ・ベックへの敬意



2023.10.25 追記)
setlist.fm のサイトにセットリストが
アップされていたのでここに記載しておく。


1. Hear My Dear
2. Fall In
3. I Am the Moon
4. Circles 'Round the Sun
5. Pasaquan
6. Just Won't Burn (Susan Tedeschi song)
7. Part of Me
8. Bell Bottom Blues (Derek and the Dominos cover)
9. Outside Woman Blues (Blind Joe Reynolds cover)
10. Let Me Get By
11. I Walk on Guilded Splinters (Dr. John cover)
12. Swamp Raga (The Derek Trucks Band cover)
13. Midnight in Harlem
14. I Want More ー Beck's Bolero (Jeff Beck cover)
Encore:
15. Soul Sweet Song
16. Made Up Mind

他の日のセットリストも見てみると、
日替わりのセットリストで、あらためて
このライヴ・バンドの凄さを知った。
『Why Does Love Got to Be So Sad?』や
『Keep On Growing』(ともに Derek and
the Dominosのカバー)を演た日もあった。
観たかったなぁ。





2023.10.19

Blicher Hemmer Gadd
Japan Tour 2023

スティーヴ・ガッド BHG プロジェクト




スティーヴ・ガッド(Dr)、
ミカエル・ブリッチャー(Sax)、
ダン・ヘマー(H.Org)3人による
ライヴを観てきた。

ガッドは、今年1月にも「STEVE GADD
BAND 10th ANNIVERSARY TOUR」で来日。
素晴らしい演奏を体験したことも
記憶に新しいが、今回は全く違う
メンバーとの来日だ。
ガッド以外のふたりのことは、
今回の来日でその名前を知ったほど、
私は何も知らなかった。
サックスのミカエルとオルガンのダンは
ふたりともデンマーク人らしい。
そのせいか、ミカエルの英語は、とても
聞き取りやすかった。
珍しく7~8割は意味が分かったよ。
だけど、彼が自己紹介した時は、
「ミカエル・ブリッチャー」とは聞こえず、
「マイケル・ブレッカー」って聞こえたので、
ギャグかと思ったよ。

何の予習も知識もなく、観に行ったライヴだったが
とても素晴らしかった。
上品で上質、ファンキーでソウルフルなジャズ。
ミカエルのサックスは、とても柔らかい音。
好きだな、彼のトーン。
アルトとテナーと吹いたけど、特にテナーが良い。

それから、ダンのオルガン。
ハモンドオルガンって時々、ジョワン ジョワ~ンって
鳴らす人がいるけど、ダンの演奏はとても上品。
こんなトーンなら、いつまででも聴いていたいと
思ったほど 包み込むようで優しい感じ。

そして、そこにガッドのドラム。
3人だけなので音の絡みの立体感が際立つ。
なんだか誰と演っても、ガッドが叩くと
ガッド・ワールドだなぁ、と彼の個性の
ユニークさを改めて感じたのでした。

アンコールを入れて、70分ぐらいかな。
曲は、ニューアルバム収録の
『It will be alright』、『Susanna』、『Snow』など。
ミカエルがティーンエイジャーの娘との
難しさを曲にした(と言ったと思う)
『I Love It When You Smile』は、
美しい曲だった。

このトリオはまた観たい。
CD も聴こう。

それにしても、スティーヴ・ガッド、
78歳ですぜ。


[ MEMBERS ]
Steve Gadd (Drums)
Michael Blicher (Saxophone)
Dan Hemmer (Hammond organ)

@ Billboard Live Tokyo
2nd show


Blicher Hemmer Gadd オフィシャルサイト





2023.10.27

Yamaha Drums and Zildjian Presents
STEVE GADD Drum Clinic 2023



先週、スティーヴ・ガッド BHG プロジェクトの
ライヴを観てきたが、今日はそのスティーヴの
ドラム・クリニックに行ってきた。

ドラマーでもない私がドラム・クリニックになぜ?
という感じだが、超一流のミュージシャンの話は
楽器が何であろうと、ためになるものなのだ。
ましてや大好きなスティーヴのクリニック。
ライヴでは観られない姿が観られることは
間違いない。

会場は、初めて行った渋谷ストリームホール。
キャパは、200人強という感じか。
ステージの中央にドラムセットが配置され、
その左右(ステージ上)にも10席ずつぐらい
特等席が設けられていた。

スティーヴのドラミングは、真上から、
横から、そして、足元を後ろからと、
3つのカメラで映しているのを
後ろのスクリーンに映し出されたので、
とてもよく見えたよ。

で、どうだったかというと、とても面白かった。
78歳のスティーヴの語る、音楽への
愛と情熱は、感動さえ覚えた。
70年代にスタッフで来日して以来の
YAMAHA との関係も素晴らしいと思った。
コロナで練習時間が増えたので
新しいスティッキングを考え、それを本にして
出す計画だという。
どこまでもいっても探求、改善の精神は、
どんな分野の人であれ、見習うべきだろう。

そのスティッキングは、あるフレイズを
少しずつずらしていく(ディプレイスメントと
言っていたように思う)。
これがスゴイ。
もうなにやってるか分からん。
とてもじゃないが、ギターで あんなこと
出来そうにない。

ギターで思い出した。
質疑応答で「ギタリスト、ベーシストに
望むことはありますか?」と聞かれ、
ギタリストに対してはひとこと
「tone down(音を下げろ)」
これには場内爆笑。
世界中どこでもギタリストの音は
でかいと見える。
ベーシストに対しては、「ベースは、
ギターのようにも弾けるし、パーカッションの
ようにも弾けるけど、ベースを弾いてくれ」
そして、「他の人の音を聴くように」と。
場内には、ギタリストもベーシストも
少数だけどいたので、
「ギタリスト、ベーシストともめたくはないんだ。
I Love Guitarist, Bass Player」って
気を遣ってたのも面白かった。

気を付けていることは、食事。
野菜を食べ、肉、パスタ、パンは
食べ過ぎないようにしている。
運動も大事。
2年前までは、走っていたけど奥さんが
腰を痛めて一緒に走れなくなってからは
走っていないけど、また再開したいとのこと。
やっぱり健康。足腰やな。

そして、これからの夢(ヴィジョン)は?と
聞かれ「生きていたい。毎日目が覚めるように」
「音楽は、エネルギーをくれるので、
音楽をしていれば睡眠は要らない」
とまで言っていた。
とにかく、ドラムを叩き音楽をクリエイトすることが
生きている、ということなんだなと聴こえたよ。

私ももっとギターを練習するよ。

開演前


11月は、マイケル・ランドウらとの
Steve Gadd Band でヨーロッパツアーだ。
また来日して欲しい。
必ず観に行くから。





2023.11.9

JULIAN LAGE
Duo Show with Jorge Roeder

ジュリアン・ラージ with ホルヘ・ローダー




2020年3月に予定されていた、
ジュリアンの来日公演は、
もちろんチケットを買っていたのだけど、
コロナのために中止になった。
なので、ジュリアンのライヴは、
2018年12月以来約5年ぶりだ。

当初は、デイヴ・キング (ds) を含めた
トリオでの予定だったが、9月に
デイヴ・キングの来日のキャンセルが
発表され、ホルヘ・ローダー (b) との
デュオ公演となった。

ブルーノート1日、コットンクラブ3日、
合計4日間8公演はソールドアウト。
今日は、初日のブルーノート(2nd show)を
観てきたけど、素晴らしい演奏だった。

ベースのホルヘ・ローダーとの相性がとても良い。
当然だけど、ホルヘもかなりの腕前の上、
ふたりの息が恐ろしいほどに合っている。
時々、目を合わせて微笑み合う。
ふたりの魂の交流が見て取れる。

数々のライヴを観ていると、プレイヤーが
思い通りに弾けなかったんだろうな、と
感じる場面に出会うことがある。
ジュリアンも、声を出し、フレイズを
仕切り直すような場面が何度かあったが、
それらの全てが、意図的に聴こえるほどの演奏。
指は、フィンガーボードを縦横無尽に
動き回るが、弾き損ないのトーンなどない。
ハーモニクスも完璧に出す。

テクニックや、フィジカルや、メンタルが、
表現の足かせになることなどないんだろうな。
完璧に自由なプレイに聴こえた。
あまりの素晴らしさに3曲目で、
ウルウルしてしまったが、
そのあと4曲目か5曲目で恐怖の睡魔に襲われ、
聴いているのか聴いていないのか、
分からないような状態が数曲続いたのは悔しい。
(ここのところ睡眠不足)
もう一度、観に行きたいけど、全日売切れだ。

私が、ジュリアンを初めて聴いたのは、
2005年の東京JAZZ 、彼がまだ17歳で
ゲイリー・バートンのバンドの一員として
来日した時だった。
(もしかしたら、初来日だったのかな。)
その日のお目当ては、マーカス・ミラーで、
ジュリアンのプレイは、全く印象に残っていない。
もちろん、ゲイリー・バートンがリーダーと
いうこともあっただろうけど。
それから、12年後2017年 29歳の
ジュリアンの来日公演を観て、
完全にノックアウトされたんだ。

たくさんのギタリストを観ているけれど、
この人は、スペシャルなプレイヤーの一人。
「現代ジャズ・ギターの最高峰」と
言われるのも分かる。

本日のギターは、テレキャスタータイプ。



写真は、開演前に撮影。
終演後は、ステージ前に写真を撮ろうと
するお客さんがいっぱいだったよ。
紫色っぽいが実際は、ホワイトかクリーム色。
ヘッドのロゴがなかったので、メーカー不明。
フロントPUは、ミニハムバッキング。
ああ、欲しい。





2023.11.10

Omara Portuondo
Live at SONY HALL in New York City




11月2日から7日まで、4泊6日で
アメリカに行ってきた。
ニューヨーク2泊とメンフィス2泊。
そのレポートは、また別に書くとして、
今日は11月3日にニューヨークの
ソニーホールで観た オマーラ・ポルトゥオンド に
ついて書いておきたい。

せっかく、ニューヨークに行くのだから、
ジャズ・クラブに行きたいなと思い、
事前に調べたら、3日にオマーラのライヴが
あることを発見した。
オマーラは、キューバの国民的シンガー。
来日公演は、二度観たことがあるが、
2018年3月に観た時には、88歳で
それが最後の来日かも知れないと思って
いたので、こんなチャンスはもうないと思い、
初めて海外のライヴのチケットを購入した。



ソニーホールはホールと名が付くけど、
日本で言うと、ちょっと大きめの飲食が
出来るライヴハウス的なハコ。
ロック、ポップスからジャズまで、
色んなジャンルの人が、出演している。
ざっと見たところ、500人程入るだろうか。
今回のショーは、Blue Note Presents で
ニューヨークのブルーノートのサイトに広告が
あったので見つけることができた。

チケットの予約と支払いは済ませたが、
英語の説明を読むと、席の確保は保証しないと
いうようなことが書いてあった。
立ち見はイヤなので、開場時間の18時過ぎに
会場に到着。
食事をしながら開演(20時)を待った。

ちなみにチケット代は、一人当たり
ミュージック・チャージ65ドル
+サービスフィー 7.65ドル。
150円換算で、11,317円。
円安のせいで日本で観るのと
変わらないような値段だった。



ほぼ定刻にバンドがステージに登場。
ピアノ、ベース、ドラム、パーカッションの
4人で皆んなまだ若そうに見えた。
1曲インストを演奏した後、
オマーラがふたりのスタッフに支えながら
登場した。
2018年の来日時もスタッフに支えられて
ステージに上がったような記憶があるが、
あの時は念のためひとりのスタッフが
付き添っているような印象だったけど、
今回は、ふたりに両脇を抱えられての
登場で、もう自力では歩けない様に見えた。



しかし、歌い出したその歌声は、
とても介助されながら歩く93歳の老婆の
声とは思えなかった。
気がつくと会場は、後ろの方まで
立ち見客で埋め尽くされていた。
隣のテーブルの3人組は、キューバ人の様だった。
その人たちを含め多くの観客がオマーラと
一緒に歌っていたので、たくさんの
キューバ人が来ていたのかも知れない。
その観客の歌声を聴きながら、
オマーラの人気の高さを感じた。

途中、オマーラが、何度も涙を拭うように見えた。
私なんぞには想像もつかない様々な
想いがあるのだろうと思った。

オマーラのライヴは、この日1日だったので
ニューヨーク在住のキューバ人にとっては
特別な夜だったのかも知れない。



オマーラは、どこで歌い出して良いのか
分からないのか、ピアニストが合図を
出していた。
そんな風なのに、歌い出すととんでもない
世界に連れて行ってくれるのだった。

途中、オマーラは一旦ブレイクで退場。
休憩があるのかと思ったが、
バンドの演奏が続いたあと、
再びステージに上がった。
トータルで90分ぐらいだっただろうか。
なんだか奇跡のようなショーだった。


[ 関連エントリー ]
2013.9.7 Buena Vista Social Club
2018.3.18 Omara Portuondo





2023.11.12

Yamaha Grand Concert
ヤマハクラシックギター スペシャルコンサート




ヤマハのクラシック・ギターを愛用する
ギタリストによるコンサート。
ヤマハのクラシック・ギターの歴史は古く、
1966年からというから、もう半世紀以上になるんだ。

出演は、鈴木大介、
樋浦靖晃(ひうらやすあき)、
フランスから ジュディカエル・ペロワ。
以上3名は、クラシック・ギタリスト。
そして、フラメンコ・ギタリストの沖仁。

沖は、ヤマハにそのシグネチャーモデルもあるが、
フラメンコギター国際コンクールで優勝した時も
ヤマハを弾いていたという。

演奏者の入替に時間がかかったこともあって、
終わったら、2時間50分ほど過ぎていた。
定刻どおりに始まったかどうか時計を
見ていなかったんだけど。

4人のギタリストを聴けるという、とても
良い機会であったが、今日は残念な
最悪の睡魔の日だった。
たぶん、最初から最後まで、覚醒して聴いたのは、
ほとんどなかったんじゃないかと思う。
まれにこういう日があるんだ。

イントロから前半は、全曲聴いたし、
ウトウトしながらも、演奏が素晴らしいことは、
分かるんだけど なんとももったいない。
まあ、魂が聴いていたということで良しとしよう。
そうそう、沖の『禁じられた遊び』は、
トレモロ奏法を取り入れ、素晴らしかった。

フランス人のジュディカエル・ペロワは、
ちょっとひょうきんな感じで、面白かった。

アンコールは、4人で演るレパートリーがないので、
本編最後に演った『序曲とファンダンゴ』を
もう一度演りました。


[ 出演 ]
鈴木大介
沖仁
樋浦靖晃
ジュディカエル・ペロワ

@ ヤマハホール


[ 演奏曲目 ]---(事前に発表されていたプログラム)---

鈴木大介(使用ギター GC82S、GC82C)
1.『プラテーロと私』よりプラテーロ/マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ
2.波の盆/武満徹、鈴木大介編
3.燃える秋/武満徹、鈴木大介編
4.ピンク・パンサー/ヘンリー・マンシーニ、鈴木大介編

沖仁(使用ギター FC50、GC82C)
5.禁じられた遊び/作者不詳
6.“グリママ” グラナイーナ/沖仁
7.“レスペート・イ・オルグージョ 誇りと敬意” ファルーカ/沖仁

鈴木大介 & 沖仁
8.Volver(ボルベール)/カルロス・ガルデル

休憩

樋浦靖晃(使用ギター CG-TA、GC82C)
9.Merry Christmas Mr.Lawrence(戦場のメリークリスマスより)/坂本龍一、押尾コータロー編
10.Thatness and thereness/坂本龍一、樋浦靖晃編

ジュディカエル・ペロワ(使用ギター GC82C)
11.リュート組曲第3番 ト短調 全曲/J.S.バッハ 
12.リベルタンゴ/アストル・ピアソラ
13.ハンガリー幻想曲/ヨハン・カスパル・メルツ
(実際は、この順ではなく演奏された。)

樋浦靖晃 & ジュディカエル・ペロワ
14.The Fool on the Hill/Lennon & McCartney
15.Penny Lane/Lennon & McCartney

鈴木大介 & 沖仁 & 樋浦靖晃 & ジュディカエル・ペロワ
16.序曲とファンダンゴ/ボッケリーニ、J.スパークス編

----

17.(EC) 序曲とファンダンゴ/ボッケリーニ、J.スパークス編





2023.11.17

KAN

今年は例年になくミュージシャンの訃報が
多いような気がするのは気のせいだろうか。
先月は、谷村新司(享年74歳)、
もんたよしのり(享年72歳)、
今月に入って、大橋純子(73歳)、
今日は『愛は勝つ』のヒットを持つ
KAN の訃報が報じられた。
享年61歳。
私と同じ年だ。

昨年秋から、体調が悪かったようだが、
今年に入って『メッケル憩室癌』と診断され、
活動を休止し、治療に取り組んでいたらしい。
癌の診断から1年も持たなかったんだ。

『メッケル憩室癌』というのは、聞いたこともなかった。
「メッケル憩室」というのは、
「小腸の下部(回腸)に先天的にできた
袋状の突起物」のことで、そこに癌ができたというのだ。
とても珍しい癌で、KANもいくつかの検査を
しても中々見つけられなかったようだ。

自分の年齢で死ぬことを考えると、
ましてやアーティストとなると、
まだまだやりたかったことがあるだろうと
無念さを想像します。

合掌。





2023.11.17

ROD STEWART 来日決定!



ロッドがやって来る!
13年ぶりの来日らしいが、
公演は、来年3月20日、一夜限り。
ロッドは、来年1月には79歳になる。
もう来日は、ないんじゃないかと半ば
諦めていたので、メッチャうれしい。
ロッドのコンサートを観るのは、1981年、
大阪フェスティバル・ホール以来
43年ぶりとなるからこれまたスゴイ。
確か1979年の来日時は、抽選に外れたんだ。
友人とふたりで高校の授業をサボって、
チケットの申込書を大阪中央郵便局まで
出しに行った覚えがあるよ。制服で。
あの時は『Da Ya Think I'm Sexy ?』が
大ヒットだったから、競争率が凄かったんだろう。

今回のコンサート会場は、有明アリーナ。
東京ドームでなかったことだけ良しとしよう。
公演は、一夜限りでチケット代は、次の通り。

GOLD(グッズ付) 35,000円
S席 20,000円
A席 19,000円

グッズは、いらんから(そういう物欲は
かなり減退している)S席でいいかなと
思ってよくサイトを見ていると、
これは、ほとんどがS席で、どこになるか
わかれへんやん、というレイアウト。



もちろん、どこになるかはわからないのは
当然なのでけど、申し訳程度にA席が少し。
(黄緑色の部分ね)
昔は、B席とかC席とかあったのにな。
このS席が全部2万円は、解せん。
「GOLD席のすぐ隣のS席と、4階スタンドの
一番後ろの席と同じ2万円なんですぜ。
それはひでぇんじゃありませんか、ダンナ」
と思った私は、張り込んで GOLD 席を
申し込んだ。(抽選)
どうせ、2日間あったら2日とも行こうと
思っただろうから、まあいいや。
でも追加公演があるかも知れんけどな。

2015年に亡くなったギタリストの
Jeff Golub は、ロッドのバンドの
ギタリストだった時代があった。
私は、Jeff Golub のアルバムを全て
買うほど好きだったので、一度は、
生で聴きたいと思っていたのだが、
叶わなかった。
もし、彼が生きていたら、
ツアーメンバーに入っていたかも知れない、
なんて考えても仕方のないことを
思ってしまうのでした。


Rod Stewart - Sailing (Live at Royal Albert Hall)
Jeff のエモーショナルなソロが炸裂してます。
ロッド、59歳、2004年のライヴ。


1981年に私が観た日の公演では、
『Sailing』を演らなかったんだ。
アンコールで唄うのかなと思っていたら。
15分ぐらい拍手を続けた結果、
アンコールなしだった。
ロッドの曲の中には、『Sailing』以外にも
大好きな曲が何曲もあるのだけど、
それでも、生で聴いたら、泣いてしまうかもな。


Rod Stewart - I Can't Imagine (Official Video)
こちらは、2021年のアルバムから
『I Can't Imagine』のミュージックビデオ。
すっかりジジイになっているけど、
あいかわらず、ご婦人方をはべらせるのは好きなんだな。
というか必須だね。





2023.11.18

上原ひろみ ソロ



今日は、上原ひろみのソロ・ピアノを
聴きに行ってきた。
11月に入って、彼女は新しいプロジェクト
「Hiromi’s Sonicwonder」のツアーで
ヨーロッパを周っていたのだけど、
その「Hiromi’s Sonicwonder」の
日本のツアーの前に急遽ソロ公演が決まったのだ。

ブルーノート東京では、今月16日から18日まで、
イリアーヌ・イリアスの公演が予定されいたのだが、
彼女が足に重大な怪我を負い、医師から
渡航及び演奏の停止を言い渡されたとのことで
来日が中止になった。

17,18日は、その代替公演として、
上原ひろみのソロ・ピアノ・ライヴが決まった。
発表されたのが、今月の9日のことで
たまたまブルーノートのサイトで見つけたから、
良かったけど、気付かずに終わってしまう
可能性も大きかった。

発売は、12日(土)の12時だった。
即時完売が予想されたが、やはり、
12時ちょうどに予約のバナーをクリックするも
中々つながらない。
数回目にやっとつながった。
ブルーノートのネット予約は、
日と公演を選択 > 会員番号の確認 >
予約内容確認 > カード情報の確認 >予約決定
と、何度もクリックし、そのたびにページが変わるのだが、
アクセスが殺到しているため、いつもより
ページが変わるのに時間がかかった。
その間に売り切れてしまうのではないかと
やきもきしたながら、予約決定のボタンを押し、
予約が取れたと喜んだのもつかの間、
そのままエラーになってしまった。
アクセスが集中しているせいだ。
もしかしたら、予約は完了しているかもしれないと、
マイページの予約状況を見てみるが、記載がない。
あわてて、再度挑戦。
行きたかった、18日の 2ndショーは
すでに売り切れていたので、
なんとか、1st ショーのチケットの予約完了の
ページまでたどり着き、ボタンを押したものの、
再びエラー。もうお手上げだ。
きっと全部売り切れただろうと、諦めたところ、
「予約完了のお知らせ」メールが届いた。
二度目の決済、1st ショーの方は、
予約が成立していたんだ。ラッキー。
というわけで、大変貴重なライヴを観ることが
できたのでした。

さて、肝心のライヴのレポート。
本日もキレキレの演奏で、何度聴いても、
私はまだ音楽を知らないんだと思わせられる。
ピアノという楽器のポテンシャルについても。
これって凄いよな。
そして、「音楽」というものの美しさと
力強さにも感嘆させられる。

特に印象的だったのは、『Mr. C.C.』や
『Spectrum』におけるスピード感。
pp と ff のダイナミクスの違い。
毎度のことながら、音の粒立ちの美しさ。
大好きな『Seeker』が聴けたのも嬉しい。
もう原曲と違う曲やけど。

約60分で本編終了。
アンコールでしっとりと『Haze』を演ったあと、
またピアノに座り、弾き出した。
「あれ?もう1曲演るのかな」と思っていると
スタッフが、ステージにマイクスタンドを
セットし出した。
「おお、これはゲストがいるぞ。
誰だろう?」と思っていると、トランペットを
持ったアダム・オファリルが登場。
アダムは、ひろみの最新のバンド
「Hiromi's Sonicwonde」のメンバーだ。
(キューバ人です!)

曲は、『Sonicwonderland』収録の
『Reminiscence』だったのけど、
ルバートのイントロ付きで、これが美しかった。
落涙ものでした。

アンコールまで、約80分。
今日は、体調が悪いので直前まで迷っていたけど、
行って良かった。
音楽のおかげで、身体も回復している感じ。
来月の「Hiromi's Sonicwonde」も楽しみだ。


[ MEMBERS ]
上原ひろみ(pf)
guest:Adam O’Farrill(tp)

@Blue Note TOKYO
1st Show


[ SETLIST ]
1. Mr. C.C.
2. Once In A Blue Moon
3. Seeker
4.
5.
6. Spectrum
EC.1. Haze
EC.2. Reminiscence


(2023.11.19 追記)
今朝というか昨夜遅くアップされた
ひろみのインスタを観て驚いた。
なんと2日間4公演のゲストが
全公演で違っていたようなのだ。
アップされた写真には、私が観た
アダム・オファリル のほか、同じく
「Hiromi's Sonicwonde」のメンバー、
ベーシストのアドリアン・フェロー、
「The Piano Quintet」の1st ヴァイオリン、
西江辰郎、タップの熊谷和徳。
もちろん全てシークレット・ゲストだったわけで、
急遽決まった、イリアーヌ・イリアスの
代替公演にも関わらず、こんなことが
出来てしまうのもひろみならでは、
ひろみマジックなのだ、と思うのでした。





2023.11.21

JESSE VAN RULLER TRIO
with SEBASTIAAN KAPTEIN & SATSUKI KUSUI
ジェシ・ヴァン・ルーラー・トリオ
with セバスティアン・カプテイン & 楠井五月




オランダ人ギタリスト、ジェシ・ヴァン・ルーラーの
久しぶりのライヴ。
ジャシのライヴは、2005年、2012年、2015年と
観ているが、なんと8年ぶりだった。
始めて観たときには、30代で若手な感じだった
ジェシも今や50代で、ちょっぴり髪の毛が
寂しくなっていたよ。
今回は、日本人ベーシスト 楠井五月
(かすいさつき)を迎えてのトリオ。

先日、観たジュリアン・ラージとは
全く違うタイプのギター。
誤解を恐れずに書くと、そんなに盛り上がらない。
ジュリアンの方が、分かりやすいと言えばよいのかな。
私はどちらも好きで、今日は特に後半、
どんどん良くなっていた感じがする。
演奏が、というよりは、曲の好みだと思うけど。

ジェシのギターは、日本製 Westville の
美しいフルアコ。
ロビーにも展示されていたし、ジェシが
MCでも紹介していたので、
サポートしているんだろうな。
それにしても、凄いです、Westville。
そうそうたるメンバーが、使っているもんね。
私はどうも形が好きになれなくて、
欲しいとは思わないんだけど。
音は、素晴らしいね。
もう、何人ものプロの演奏を聴いているよ。

ジェシは、ペダルも使って、リバース音を出したり、
新しいテクノロジーも取り入れている感じ。

セバスティアンは、結構派手に叩いているのに
全くうるさくないドラムで好感度アップ。

ベースの楠井五月は、名前は観たことがあったけど、
顔を見たら、たぶん初めてだったと思った。
やや控えめな印象も感じたけど、さすがに
メンバーに選ばれるだけのことは、ある。
当たり前やけど。
ジェシのソロよりも彼のソロで、何度か歓声が
上がっていたので、仲間やファンが観に来て
いたんだろうな。
メンバー紹介では、「数日前に会った
新しい友達」と言っていたので、来日して
初めて音合わせをしたということかな。


[ MEMBERS ]
Jesse van Ruller (g)
Sebastiaan Kaptein (ds)
Satsuki Kusui/楠井五月 (b)

@COTTON CLUB
2nd show





2023.11.23

DARYL HALL and
THE DARYL’S HOUSE BAND

with Special Guest TODD RUDGTEN
ダリル・ホール アンド・ザ・ダリルズ・ハウス・バンド
ウィズ スペシャルゲスト トッド・ラングレン




行ってきたよー。
人生初、ダリル・ホール(77歳)。
死ぬまでに観ておくべきアーティスト・リストの一人だ。
出来ることなら、ホール&オーツとして
観たかったけど、贅沢は言うまい。
今回は、スペシャル・ゲストとして、
トッド・ラングレンも一緒だからね。
とは言うものの。
ホール&オーツは、好きな曲が
『Sara Smile』、『Wait For Me』、
『Everytime You Go Away』、
『I Can’t Go For That』、『Private Eyes』、
『Kiss On My List』などいっぱい
思い浮かぶのだけど、トッド・ラングレン(75歳)は、
1978年の『Can We Still Be Friends』しか
思い浮かばなかった。
でも、この曲がええのです。
超美メロです。
何度聴いても切ないです。

会場は、有明の東京ガーデンシアター。
事前に発表されたタイムテーブルでは、
17:00 Cornelius
18:15 Todd Rundgren
19:35 Daryl Hall and The daryl’s House Band
となっており、オープニングアクトに
小山田圭吾のソロプロジェクト「Cornelius」まで
加わり、ちょっとたっぷりな内容だった。

席は、3階スタンド席Cブロックの1列目。
東京ガーデンシアターの席は、アリーナ、
スタンド3階、スタンド4階、スタンド5階と、
四層になっているのだが、今日の私の席、
あまり高い位置から見下ろす感じでもなく、
視界に障害物もないため、
とても観やすい良い席だったよ。
チケット、18,000円ですからね。

開演前


17:00ちょうどに開演。
Cornelius は、約40分演奏。
バンドは、4人。
彼らのことは、良く知らない上に、
さほど好きなタイプの音楽じゃなかったため、
3曲目ぐらいから、寝てしまった。

ステージのセッティングのための休憩があり、
続いて、トッド・ラングレン の出番。
75歳とは思えぬ、歌声。
結局、知っている曲は
『I Saw The Light』とカバーの3曲。
『I'm So Proud (The Impressions cover)』
『Ooo Baby Baby (The Miracles cover)』
『I Want You (Marvin Gaye cover)』
だけだった。
トッドは、ソウル・ミュージック好きなのだな。
私の席の両隣のおじさんはそれぞれ、
何曲かのイントロで反応していたので、
ファンなんだろうな。
演奏時間は、60分強。

休憩を挟んでいよいよダリル・ホールの登場。
1曲目からアリーナは総立ちです。
良かった、スタンド席で。
この人も77歳だというのに、結構な歌声。
確かに高音部は出なくなっているのは
分かるけど、衰えているという感じはない。



個人的ハイライトは、次の数曲。
まず、『Everytime You Go Away』。
80年代、アポロシアターでのライヴのビデオで、
「イギリスのアーティストが唄っているけど、
これがオリジナルだ」と言って、唄い出したのと
同様にポール・ヤングの名前を出し、
「これがオリジナルだ」と言って唄い出したよ。
そして、『Sara Smile』。
大好きな曲です。
『I Can't Go for That (No Can Do)』が
本編最後で、アンコールには
トッドも交えて、『Wait for Me』。
そして、ここでトッドの『Can We Still Be Friends』。
ダリルが、大好きな曲だという The Delfonics の
カバーで『Didn't I (Blow Your Mind This Time)』
アンコール最後は、『Private Eyes』。
これらの曲が聴けたので、満足です。

終演は、21時を過ぎていたので、
開演から4時間以上が経っていたよ。


ギターはテレキャスターを数本使用。


[ MEMBERS ]
Cornelius
Todd Rundgren
Daryl Hall
<The Daryl’s House Band>
・Shane Theriot (Guitar)
・Greg Mayo (Key)
・Klyde Jones (Bass)
・Brian Dunne (Drums)
・Porter Carroll (Percussions)
・Charlie DeChant (Sax)

@ 東京ガーデンシアター


[ SETLIST ] Daryl Hall
01. Dreamtime
02. oolish Pride
03. Out of Touch
04. Say It Isn't So
05. I'm in a Philly Mood
06. Everytime You Go Away
07. Babs and Babs
08. Here Comes the Rain Again (Eurythmics cover)
09. Sara Smile
10. I Can't Go for That (No Can Do)
Encore :
11. Wait for Me [with Todd Rundgren]
12. Can We Still Be Friends (Todd Rundgren cover) [with Todd Rundgren]
13. Didn't I (Blow Your Mind This Time) (The Delfonics cover) [with Todd Rundgren]
14. Private Eyes



ダリルのYouTube「Live From Daryl's House」
でもふたり一緒に『Can We Still Be Friends』を
演っております。

Daryl Hall - Can We Still Be Friends





2023.11.30

末原康志

「末原名人」こと 末原康志というギタリストがいる。
いや、いた。
一時期、雑誌「ギターマガジン」で良く名前を
見たものだけど、そういえば最近見ないな、
どうしてはるんやろ、とググってみた。

2021年7月4日に亡くなっていた。
食道癌だったらしい。
享年 65歳。
ちょっと若い。

リットーミュージックの『アコースティックギター』という
雑誌に載っていた、末原氏のアレンジの
『Desperado』が好きで、一時期取り組んだ。
8割方弾けるようになって、完成まで行かずに
そのままになってしまっている。


[関連記事]
追悼 末原康志 ギター・マガジンを支えてくれた恩人へ


今年は、特にミュージシャンの、
それも国内のアーティストの訃報が
続いているような印象が強い。
高橋幸宏、坂本龍一、谷村新司、
もんたよしのり、大橋純子、KAN・・・。

海外では、ジェフ・ベック、
バート・バカラック、ボビー・コールドウェル、
アーマッド・ジャマル、ティナ・ターナー、
ロビー・ロバートソン・・・。

訃報新聞というサイトを見つけたので
見ていたら、知っているミュージシャンが
他にも何人も亡くなっていた。

三浦徳子(作詞家)
2023年 11月6日 死去 享年75歳

Carla Bley(ジャズピアニスト)
2023年 10月17日 死去 享年88歳

Jimmy Buffett(ミュージシャン)
2023年 9月1日 死去 享年78歳

Bernie Marsden(ギタリスト)
2023年 8月24日 死去 享年73歳

桑原和男(喜劇俳優)ミュージシャンちゃうけど
2023年 8月10日 死去 享年88歳

Randy Meisner(ベーシスト/元 Eagles)
2023年 7月26日 死去 享年78歳

Tony Bennett(シンガー)
2023年 7月21日 死去 享年98歳

この数カ月だけでこんなに。

合掌。


作詞家の三浦徳子(よしこ)さんは、
『モニカ』(吉川晃司)、『CAT'S EYE』(杏里)、
『お嫁サンバ』(郷ひろみ)、『風を感じて』(浜田省吾)、
『ス・ト・リ・ッ・パ・ー』『6番目のユ・ウ・ウ・ツ』(沢田研二)、
『青い珊瑚礁』『チェリーブラッサム』(松田聖子)、
『真夜中のドア Stay With Me』(松原みき)、
『みずいろの雨』『パープルタウン』(八神純子)
など、たくさんの昭和のヒット曲を作詞された。





2023.12.2

Char Live Tour 2023
---Soliloquy---




Char さんの秋の全国ツアー。
今日明日は、2デイズで 六本木 EXシアターだ。
5月にスモーキーメディスン、
6月に JLC & PINK CLOUD トリビュートライブを
2日間観たので、今年は 今日で4回目のライヴだ。

1曲目『Beyond The Beyond』で始まった。
VOX のモデリングギター(というのかな)
Starstream で ビョンビョンというシンセ風の音で
弾くのだけど、素のエレキギターの音が好きな
私としては、あんまり好ましくないんだ。
2曲目も Starstream で『Infant Elephant』。
その途中で、バーガンディミストの
ストラトキャスターに持ち替えた。
気が付くと、始まってから 30分以上インスト曲が続いた。
『Infant Elephant』や『I Feel Free』のように
少しだけ声を出す部分もあったのだけど、
30分以上、まともに歌わないということは
珍しかったので、もしかしたら、声の調子が
悪いのかと余計な心配をしてしまった。
でも、そんなことはなかった。
考えてみたら、ニューアルバム『SOLILOQUY』が
インストゥルメンタル・アルバムなんだよな。

そんなわけで、ツアーのタイトルにもなっている通り、
ニューアルバム『SOLILOQUY』から、
前述の『Beyond The Beyond』、
『Infant Elephant』、『I Feel Free』の
ほかにも『Jeff-Soliloquy』、
『Star-Pole-Page12-』などを演った。

あとは、『All Around Me』、
『Moving Again』、
『Shinin' You, Shinin' Day』など。
1曲、新曲っぽいのがあったけど、
それも良かったな。
『Smoky』を演ったので、えらい今日は
早いなぁ、と思ったら、なんと、それが本編最後。
『Smoky』終了で、まだ75分しか経っていなかった。
「短いな」と、ちょっと会場がざわついた。

アンコールは、『Rainbow Shoes』。
いったん引っ込んで、2回目のアンコールは
『You’re Like A Doll Baby』。
また引っ込んで、3回目のアンコールは、
座ってアコギで、キーボードとふたりで
『Kindesalter』と『Layla』のコーダ部分のメドレー。
これもニューアルバムからの曲。
トータルで、1時間40分ぐらい。
やっぱりちょい短い。
明日もあるからかな。
アンコールで3曲演るにしても、以前なら、
一気に演っていたのに、度に出入りするのは、
時間稼ぎのようにも思えてしまった。

ギターは、VOX のスタ―ストリーム、
バーガンディミストのストラトキャスター
ピンクペイズリーのムスタング、
ゴールドトップのレスポール、
そして、ヤマハのアコギ。

メンバーに、新しい人が加わっていた。
ドラムが オーストラリア人の Tully Ryan、
キーボードは、今年、夏の山下達郎でも
観た柴田俊文。
なんだか意外な感じもしたけど、
柴田さんは、佐橋佳幸さんとも演っているから、
そう考えると意外でもないのか。
でも、共演は今回の初めてのようだ。
ベースは、長年変わらずの澤田浩史。

Char さんは、外国人ドラマーとの
相性が良いんだな。
ロバート・ブリル、ジム・コウプリー、
そして、今回のタリー・ライアンとも、
相性が良いと思ったね。


[ MEMBERS ]
Char (vo, gt)
澤田浩史 (b)
Tully Ryan (dr)
柴田俊文 (key)

@ EX THEATER ROPPONGI


Char Live Tour 2023 <Soliloquy>
11月17日(金)群馬 高崎芸術劇場スタジオシアター
11月18日(土)Zepp Nagoya
11月23日(木・祝)Zepp Namba
12月2日(土)EX THEATER ROPPONGI
12月3日(日)EX THEATER ROPPONGI
12月16日(土)KT ZEPP YOKOHAMA


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2023.12.3

TOKYO DATING
渡辺貞夫

SHISEIDO presents Christmas Gift vol. 30




10月の渡辺貞夫オーケストラ公演が、
ご本人の体調不良のため、中止になった。
なにしろ 90歳なので、体調不良と聞くと、
ヒヤリとする。
10月は、いくつかの公演が中止になったが、
11月からは、また九州や中国地方を周られたようだ。
凄いなぁ。
そして、昨日は横浜(関内ホール)、
今日が東京(サントリーホール)なのだ。
例年、オーチャードホールで行われている
クリスマスコンサートが、今年はサントリーホールなんだ。
この資生堂プレゼンツのコンサート、
vol. 30 とあったから、30年続いているんだろうな。
すごいパートナーシップだ。
毎年、資生堂からのお土産もあってそれも楽しみ。
今年は、化粧品とチョコレートと、
『My Dear Life』の楽譜が印刷されたポーチだったよ。

さて、ライヴは1部がカルテット。
メンバーが嬉しい。
ピアノに ラッセル・フェランテ、
ベースが ベン・ウィリアムスだ。
そしてドラムは、竹村一哲。
良いねー、竹村一哲。
とても良いよ。

2部は、ホーン4人[村田陽一(tb),
西村浩二(tp), 奧村晶(tp), 小池修(ts)]を
加えての8人編成。
アレンジは、村田陽一。
きっちりアレンジされたホーンが加わると
なんだか映画音楽のようになるんだ。
(本当は、そういう音楽を映画に使ったわけで、
逆なんだけどね。)

1曲終わるたびの貞夫さんの楽しそうな
幸せそうな満面の笑み。
メンバーがソロしている姿を見つめる
嬉しそうな笑顔。
全くもってピースフルな時間です。
最後は、もうその存在に感動してしまって
落涙でした。
この人、人間国宝にすべき、日本。


[ MEMBERS ]
渡辺貞夫 (as)
Russell Ferrante (p)
Ben Williams (b)
竹村一哲 (ds)
村田陽一(tb)
西村浩二(tp, flh)
佐久間勲(tp, flh)
小池修(ts)

[ SETLIST ]
第1部
1. PEACE
2. TOKYO DATING
3. LAURA
4. TREE TOPS
5. ONE FOR JOJO
6. I'M A FOOL TO WANT YOU
7. LAMENT
8. AIRY
第2部
9. COME TODAY
10. I MISS YOU WHEN I THINK OF YOU
11. FOREST SONG
12. WHAT SECOND LINE
13. ONLY IN MY MIND
14. SAMBA EM PRELUDIO
15. GEMMATION
16. LIFE IS ALL LIKE THAT
17. SONHO DE NATAL(CHRISTMAS DREAM)
18. HARAMBEE
19. GIVE PEACE A CHANCE
EC. CARINHOSO

@ サントリーホール





2023.12.7

上原ひろみ
Hiromi’s Sonicwonder

JAPAN TOUR 2023 “Sonicwonderland”




11月前半には、Hiromi's Sonicwonder の
ヨーロッパ・ツアーでノルウェー、イタリア、
スペイン、イギリス、フランス、スロヴァキアを
周り、11月17-18日に ブルーノート東京で
ソロ公演(4公演)を行い、
11月20日の東京コットンクラブを皮きりに
北海道から九州まで全国を周るという
ハードなツアー中の Hiromi's Sonicwonder を
観てきた。
実は、とある事情で今日は観に行けないと
昨夜の時点で諦めていたんだけど、
なんとか観に行くことが出来たんだ。
会場は、東京国際フォーラム ホールA。

この Hiromi's Sonicwonder の
ニューアルバム、もちろん発売時に
購入したのだけど、実はまだ良く
聴き込んでいない。
でも、そんなこととは関係なく、
素晴らしい演奏だった。
先日、ソロ・ピアノを聴いたところなので
余計に感じるのかも知れないが、
バンド感が強かったな。
考えてみれば、ヨーロッパを周ったあとの
ジャパン・ツアーも10日目だ。
バンドとしてどんどん育っていくわな。
4人誰かが突出してるわけではなく、
もの凄くバランスの取れた、
アンサンブルでのプレイに感じた。

先日のブルーノート東京でのソロ公演にも
ゲストとしてアンコールに登場した、
トランペットのアダム・オファリル。
とても柔らかいトーンで、目を閉じて聴くと、
コルネットか、どうかするとフリューゲルホルン
じゃないかと思うほどの優しい音色。
特にバラードの演奏で、それは際立った。

過去にトリオ・ザ・プロジェクトの時、
体調不良により降板した アンソニー・ジャクソンの
代役を務めたこともある、ベースの
アドリアン・フェロー 。
高音域でのアルペジオなど、かなりギター的な
演奏も随所に観られ、所謂、ベーシスト的な
プレイより進化した現代のベーシストだと
感じたね。
あいかわらず、寿司ざんまいの社長の
ポーズで笑いを取っていたよ。

そして、ドラムのジーン・コイ。
トリオ・ザ・プロジェクトの
サイモン・フィリップスに比べると
幾分地味な印象のプレイだが、
今日の長い目のドラム・ソロには、
ただ者じゃない感がにじみ出てたよ。

千秋楽12月21日の東京国際フォーラムも
チケットをゲットしておりますので、
もう一度聴いてきますぜ。


[ MEMBERS ]
Hiromi's Sonicwonder:
上原ひろみ (p, key)
アドリアン・フェロー (b)
ジーン・コイ (ds)
アダム・オファリル (tp)

@ 東京国際フォーラム ホールA


JAPAN TOUR 2023 “Sonicwonderland”
11月20日(月) 東京:コットンクラブ
11月22日(水) 渋谷:Spotify O-EAST *スタンディング公演
11月23日(木・祝) 三重:四日市市文化会館 第1ホール
11月25日(土) 静岡:アクトシティ浜松 大ホール
11月28日(火) 宮城:SENDAI GIGS
11月30日(木) 福岡:福岡市民会館
12月1日(金) 鳥取:米子市公会堂
12月3日(日) 静岡:静岡市清水文化会館 マリナート
12月5日(火) 石川:金沢市文化ホール
12月7日(木) 東京:東京国際フォーラム ホールA
12月9日(土) 岡山:岡山芸術創造劇場ハレノワ 大劇場
12月10日(日) 広島:JMSアステールプラザ 大ホール
12月12日(火) 大阪:フェスティバルホール
12月13日(水) 名古屋:日本特殊陶業市民会館 (名古屋市民会館)
12月15日(金) 北海道:札幌文化芸術劇場 hitaru
12月17日(日) 岩手:盛岡市民文化ホール
12月19日(火) 大阪:なんばHatch *スタンディング公演
12月21日(木) 東京:東京国際フォーラム ホールA





2023.12.16

小曽根真
クリスマス・ジャズナイト2023
“Beyond Generations”




小曽根さんが、ずっと演っている
ピッグバンド「No Name Horses」の
ライブは、観たことがなかったんだけど、
今日のクリスマス・コンサートは、
特別メンバーのようだった。
今日と明日、2日間公演のチケットは、
ソールドアウトだ。

タイトルになっている「Beyond Generations」は、
「世代を超えて音楽を紡ぐ」という
小曽根さんの気持ちが込められているんだろう。
自信もゲイリー・バートン、クインシー・ジョーンズ、
チック・コリアといったレジェンド達に見出されたと
思っている小曽根さんは、才能ある若手の
起用にも積極的。
結局、小曽根さん自身が若手との演奏で
刺激をもらい、「自分でも知らない新しい表現が
自分の中から沸き上がってくる」と言っている。

今回は、アメリカ、NY を拠点として
活動している外国人プレイヤー
ジョーイ・クレリ(アメリカ人)、
ニコラ・カミニティ(イタリア人)
タル・カルマン(イスラエル人)
の3人も参加。

開演時のメンバーの登場の仕方から
凝っており、また、アレンジがとても
バラエティに富んでいて、1部と2部では
ちょっとコンセプトも変えていて、聴く者を
楽しませるまさにエンタテインメントだった。

音楽には年齢も国籍も関係ないな、と
改めて感じさせられるステージ。
メンバーは、全員素晴らしいが、
特にリズムの2人が素晴らしい。
小曽根さんとトリオ状態になることが
何度かあったが、この3人のライブを
観てみたいなと思ったら、最新アルバム
『Trinfinity』(1月24日発売)の
メンバーは、このトリオだったよ。

アンコールでは、石川紅奈(ベーシスト・
ヴォーカリスト)をサプライズ・ゲストに迎えて
ジョン・レノンの『Happy Xmas (War Is Over)』。
なんだか感動してしまった。
何で人類は、平和が一番大切だと
学ばないのだろうかね。

今年は、小曽根さんを4回も観に行った。
(小曽根真 SUPER TRIO、
小曽根真&アヴィシャイ・コーエンを2回と今日)
実は、先週の土曜日の舞台「ある都市の死」
(小曽根さんはピアニスト役で出演)の
チケットも買っていたんだけど、前日に伯母が
亡くなり、観に行けなかったんだ。
これは残念だったけど仕方ないね。


[ MEMBERS ]
小曽根真 (pf)
エリック・ミヤシロ (tp)
岡崎好朗 (tp)
松井秀太郎 (tp)
ジョーイ・クレリ/Joey Curreri (tp)
中川英二郎 (tb)
半田信英 (tb)
藤村尚輝 (tb)
小椋瑞季 (tb)
岡崎正典 (sax)
馬場智章 (sax)
岩持芳宏 (sax)
ニコラ・カミニティ/Nicola Caminiti (sax)
タル・カルマン/Tal Kalman (sax)
小川晋平 (b)
きたいくにと (dr)
EC:石川紅奈 (vo)

@ Bunkamuraオーチャードホール





2023.12.18

PATTI AUSTIN
パティ・オースティン




20代の頃、パティ・オースティンの
『Say You Love Me』が大好きだった。
デビューアルバム『End Of A Rainbow』に
収録のヴァージョンではなく、私が聴いたのは
『Groove presents CTI』というコンピに
収められたヴァージョンだった。
そのコード進行が好きだった上に、パティの歌、
そしてパキパキにコンプレッサーの効いた
ギター・ソロも好きで、若い頃 繰り返し聴いたもんだ。

『Say You Love Me』のコード進行は、
4-3-2-1と言われるコード進行で、
誰もが知っているミニー・リバートンの
『Lovin' You』の Aメロ と同じなんだ。
まあ、このコード進行を使っている曲は、
本当に多くて、ラリー・カールトンの
『Room 335』だって出だしはこの進行だ。

そのパティ(73歳)のライブに初めて行って来たよ。
数日前に、ギターのジェイムス・ハラーの
来日がキャンセルになり、トラ(代役)に
増崎孝司がアサインされた。
私は、増崎さんのギターも好きなんだけど、
どうせならアメリカ人のバンドで観たかったと
思っていたのだけど、いやいや増崎さん、
素晴らしかったね。
何日前に言われたのか、分からないけど、
本当に楽しそうで、気持ちよさそうに
弾いていたよ。

さて、パティ・オースティン。
欧米の女性シンガーは、ジャケ写のイメージより
実際に観てみるとふくよかな方が多いのだが、
パティは違った。
いや、80年代のパティのふくよかな時代の
印象のままで いたからだろうか。
とてもキュートで、美しかった。
登場するなり、客席にいっぱい投げキッスを
送るサービスっぷり。
ブルーノートの4日間8公演のラスト・ショー。
疲れているかも知れないのに、
歌声は、73歳とは思えないパワー。
身のこなしにも年を全く感じなかったよ。

1曲目は、ジョージ・ベンソンの
『Give Me the Night』。
これ、プロデューサーがクインシー・ジョーンズだったんだな。
パティは、子供の頃から歌っていたみたいだけど、
やっぱりクインシーに見出されたイメージがあるもんね。

2曲目に『Say You Love Me』。
これが生で聴けただけでも大大満足。
私の聞き間違いでなければ、
16歳の時に初めて書いた曲だと言っていたよ。
この曲での増崎さんのギター・ソロも良かった。

パティは、良く喋る。
ステージの半分は言い過ぎでも
4割ぐらいは、トークだった。
何を言っているのかは、断片的にしか
分からないのだけど、自身のデビュー時、
クインシー・ジョーンズとの出会いや、
クインシーが、ジェームス・イングラムを
見つけた時の話、ジェームス・イングラムと
アカデミー賞の授賞式に出た時の話、
何とかという作曲家の話、渡辺貞夫さんの話、

『Baby, Come To Me』。
ジェームス・イングラムの話はたっぷりしていたなぁ。
たぶん、言っていることが全部分かれば、
もの凄く貴重な話がパティの口から
聴けたんだろうなぁ。残念。

渡辺貞夫さんの89年のアルバム『FRONT SEAT』に
収録された『Any Other Fool』。
貞夫さんも今回の公演に顔を出されたようで
「彼は90歳だけど、60歳に見える」
なんて言っていたよ。
そういえば、先日(12/3)の貞夫さんの
コンサートでは、同じアルバム収録の
『Only In My Mind』を「パティ・オースティンに
書いた曲です」と言って、演奏してたね。

そして、愛と平和の話。
細かいことは分からなくても言葉を越えて
パティのメッセージが伝わって来て、感動したよ。
私の聞き間違いでなければ
「The Secret Weapon Is Music」
と言っていた。
『What The World Needs Now』では、
観客をコーラスに巻き込んでの大合唱。
What the world needs now,
Is love, sweet love
の歌詞を唄いながら、ウルウルしてしまったよ。

アンコールは、2曲クリスマス・ソングでした。
『Winter Wonderland』、
『Have Yourself a Merry Little Christmas』

バンドも素晴らしかった。
キーボードのノリコ・オリングも
日本人(または日系人?)のようで、
増崎さんは、「私が見つけた」と言っていた。

増崎さんのギターは、サドウスキー(たぶん)の
ストラトタイプ、セイモアダンカンのミニハムを
装備したテレ・タイプ(見たことのあるヘッドの
形状だったけどメーカー不明)、そして、
サドウスキー(たぶん)のビグスビー付きホローモデル。
この3本を曲によって弾きわけていた。




[ MEMBERS ]
Patti Austin (vo)
Kim Hansen (key)
Noriko Olling (key)
Takashi Masuzaki (g)
Eric Sittner (b)
Land Richards (ds)

@ BLUE NOTE Tokyo
2nd Show


今年は、すでに50本以上のライヴを観たけど、
5本の指に入るライヴだった。
次に来日した時も絶対に観に行くこと。
(俺にリマインド)





2023.12.21

上原ひろみ
Hiromi’s Sonicwonder

JAPAN TOUR 2023 “Sonicwonderland”




東京国際フォーラム ホールA での
ひろみのライヴは、最前列でも観たことがあるほど
割りと何度も前の方の席で観てきたんだけど、
先日(12月7日)は、1階の38列だったし、
今日は、2階の21列だった。
まあ、いつもいつも良い席が当たるわけでは
ないわな、と思いながら会場に向かったのだけど、
これが、ステージ全体を見下ろせて、
先日とは違う感じで鑑賞することが出来、
初めて「2階もええな」と思ったのだった。
ステージに対し、ど真ん中だったのも良かった。

さて、今年のライヴの見納めは、
Hiromi’s Sonicwonder ジャパン・ツアーの
千秋楽だ。
残念ながら、1部の2曲目で、強烈な睡魔に
襲われ、そのあと1部は気絶状態だった。
しかし、休憩を挟んで2部は完全に覚醒して
観ることができた。
休憩(20分ぐらい)を挟んで、
2時間45分ぐらいあっただろうか。

感想はね、「壮大」。

ひろみは国際フォーラム Aホールのことを
「宇宙船のよう」と言っていたけど、
音楽も宇宙サイズだと思った。
SF 映画のサントラのようにも感じたね。

トリオ・ザ・プロジェクトは、サイモンの
派手なドラミングが魅力的だったけど、
ソニックワンダーのドラム、ジーンは、
サイモンのような派手さはない。
その分、ベースのアドリアンが、
ウネウネとプレイする。
そして、ピアノトリオにプラス、トランペットが
いるおかげで、グッと世界が広がるんだな。
ぜひ、このメンバーで2枚目3枚目も
創って欲しい。


[ MEMBERS ]
Hiromi's Sonicwonder:
上原ひろみ (p, key)
アドリアン・フェロー (b)
ジーン・コイ (ds)
アダム・オファリル (tp)

@ 東京国際フォーラム ホールA



ひとりごと