LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS



2023年 MUSIC

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2023.1.12

ジェフ・ベック死す

享年78歳。
死因は、細菌性髄膜炎で、
今月10日に亡くなったとのこと。

昨年、「Jeff Beck & Johnny Depp」名義の
アルバム『18』を発表したばかりだし、ライヴも
やっていたみたいだし、エリック・クラプトンより
健康そうに見えたし、まだまだギタリストとして
進化しそうだったし、来日もしてくれると
思っていたので、突然の訃報は、あまりにショックだ。

そんな風に思うのは私だけではなく、
多くのロック・ファンの共通認識だったのではないかと
渋谷陽一氏のコメントを読んで思った。
曰く、「いわゆる3大ギタリストと言われる、
クラプトン、ベック、ペイジのなかで、
なんの根拠もないが一番長生きをしてくれるの
はジェフ・ベックだと思っていたので、
突然の訃報に受身がとれないでいる。
同じ思いの人は多いのではないか」。

そう、私もなんの根拠もなくジェフは、
もっと長生きしそうに思っていた。
本当かどうかは知らないけど、何かの記事で
彼はヴェジタリアンだと読んだこともあるし、
見ての通り、20代から変わらぬ体型、
そして色んな記事で目にする、
少年のような音楽やギターに対する眼差し。
それらは、全てジェフを死のイメージから
遠ざけていたように思う。

それって勘違いなんだよね。
そんなの長生きする根拠ではないんだ。
死なない人はいないし、真面目に考えれば
死に年齢は関係ない。
100歳まで生きる人もいれば、
0歳で死んでしまう人もいる。
平均寿命(余命?)などという統計が
人間を勘違いさせているだけなんだと、
時々、思い出す必要があるよね。

彼は、生きていれば、まだまだ新しい音楽を
生み出したに違いない。
私の中では、(ギターはめっちゃ上手いけど)
ちょっと不器用な面も感じたジェフ。
私の場合、彼の激しいロックより、
例えば スティービー・ワンダーの
『Cause We've Ended as Lovers』はもちろん、
BBA の『Sweet Sweet Surrender』や
ロッド・スチュワートとコラボしたカーティス・
メイフィールドのカヴァー『People Get Ready』、
ストラトのアームを征服したとも言える
『Where Were You』、ジョージ・マーティンの
アルバム『In My Life』に収録された
『A Day in the Life』(ビートルズのカヴァー)など、
バラード系でその演奏・表現力に大いに感銘を受けた。
ミスター・ストラトキャスターは、
私の中ではジェフなのです。
残念です。

合掌。


長年 私の部屋に飾っているジェフの
雑誌の切り抜き写真(左)。



右は、ジェフとも共演歴のある、
スティーヴィー・レイ・ヴォーン。
スティーヴィーは、1990年35歳という若さで
ヘリコプターの墜落事故で死んでしもた。
嗚呼。






2023.1.15

モリコーネ 映画が恋した音楽家
Ennio




2020年7月、91歳でこの世を去った
映画音楽の巨匠 エンニオ・モリコーネの
ドキュメンタリー映画を観てきた。
期待を大きく上回る感動作だった。

監督は、ジュゼッペ・トルナトーレ。
『ニュー・シネマ・パラダイス』、『明日を夢見て』、
『海の上のピアニスト』、『マレーナ』などで、
モリコーネと組んできた、こちらもイタリアの巨匠だ。
本作は、モリコーネが亡くなってから
製作されたのではなく、生前から5年以上に
わたる密着取材を敢行していた作品だという。
結果的に追悼的な映画になったというわけだ。

私は映画音楽も割と好きなので、
この映画は、公開を知って 絶対に観たいと思い、
手帳に公開日(1/13)を記入したほどだった。
1961年以来、500作品以上という驚異的な数の
映画と TV作品の音楽を手掛けてきたというモリコーネ。
中学生の頃、『夕陽のガンマン』(クリント・
イーストウッド主演のマカロニ・ウエスタン)の
テーマ曲のシングル盤(レコード)を買ったが、
思えばそれが私のモリコーネとの出会いだったわけだ。

1960年代当時、現代音楽の世界では
映画音楽は、芸術的価値が低かった。
そのためモリコーネは、何度も映画音楽を
やめようと思うが、映画界が彼を放さなかった。

その葛藤の中、映画音楽というジャンルを確立し、
芸術的価値をも高めていく数十年にわたる
その業績は、マエストロという敬称に相応しい。

作曲家としての妥協なき姿勢、誇りとこだわり、
溢れ続けるメロディとアイディア、
その仕事の歴史、モリコーネの人となりを
これまた凄いメンバーのインタビューで紡いでゆく。
クリント・イーストウッド、ジョン・ウィリアムズ、
ブルース・スプリングスティーン、ハンス・ジマー、
クエンティン・タランティーノ、ウォン・カーウァイ、
オリヴァー・ストーン、クインシー・ジョーンズ、
パット・メセニー、ジーン・バエズ、
セルジオ・レオーネ、ベルナルド・ベルトルッチなどなど
そうそうたるメンバーだ。
この登場人物を見るだけでも、モリコーネの
偉大さが分かろうというもの。

タランティーノは、「(モリコーネは)モーツァルト、
ベートーヴェン、シューベルトに匹敵する」と
言っていたよ。

157分とやや長尺なドキュメンタリーだが、
モリコーネの魅力がたっぷり。
彼の音楽が使われた映画のシーンも
たくさんあって映画ファンには嬉しい。
もう一度観たいぐらい。

90年代にビデオで観て、全く良さが
分からなかった『ミッション』や、観たけどもう
ほとんど忘れている、『アンタッチャブル』、
『海の上のピアニスト』『ワンス・アポン・ア・タイム
・イン・アメリカ』なども もう一度 観直したくなったよ。

モリコーネは、この映画の完成の前に亡くなった。
最後に、その旨や「モリコーネに捧ぐ」というようなことが
字幕で出てくるかなと思っていたら、なかった。
プログラムには、こうある。

本作の編集中にモリコーネは亡くなったが、
トルナトーレは、今日モリコーネがもう肉体的には
いないという事実を、観客に思い起こさせるような
作りにはしなかった。
トルナトーレは、その理由をこう説明する。
「私はエンニオについて語るというよりも、
彼の音楽と同じように、今も皆の中に
生きているエンニオを見せたかった。
生きていてまだ元気に作曲をしている
人物かのように、そして夜には一緒に出掛けて、
ワイン一杯を前に語り合うことができる存在かの
ように、現在形で語るほうが良いと思ったからだ」


★★★★★


ところで、映画の内容とは関係ないけど、
原題は『Ennio』なのに、邦題は『モリコーネ』。
日本では、どうも苗字の方が、一般的に
浸透している方が多いような気がする。

例えば先日亡くなったジェフ・ベックのことを
私は親しみを込めて、ジェフと書くし、
エリック・クラプトンのことも、エリックと書く。
しかし、世間一般には、ベック、クラプトンと
書かれることが多い。
まあ、ジェフ・ヒーリー、ジェフ・ゴラブ、
ジェフ・ポーカロとミュージシャンにジェフが多いし、
エリックなら、エリック・ゲイル、エリック・ジョンソン、
エリック・アンダースン、エリック・ドルフィーなど、
これまた多いので、区別のためということもあるだろう。
しかし、不思議なことに
マイケル・ジャクソンは、マイケルなんだな。
マイケル・シェンカー、マイケル・フランクス、
マイケル・センベロ、マイケル・ナイマン、
マイケル・マクドナルド など、マイケルも
いっぱいいるのにね。
まあ、ジャクソンというと、これまた多すぎて
誰のことか分からんということもあるかもね。
(ジャーメイン・ジャクソン、ジャネット・ジャクソン、
ラトーヤ・ジャクソン、ポール・ジャクソン、
ジョー・ジャクソン、ジャクソン・ブラウンなど。)
思うに、 エンニオ・モリコーネの場合、
「エンニオ」より「モリコーネ」の方が、
音的に日本人には語呂が良いこともあるのかも知れない。





2023.1.19

ドキュメンタリー・オブ・
エンニオ・モリコーネ

Documentary of ENNNIO MORRICONE




先日観たドキュメンタリー映画
『モリコーネ 映画が恋した音楽家
(以下、『モリコーネ』という)』が
あまりに素晴らしかったので、
エンニオについて、調べていたら、
『ドキュメンタリー・オブ・エンニオ・モリコーネ
(以下『ドキュメンタリー』という)』という
テレビのドキュメンタリーのDVD を発見。
すでに廃番だったが 中古品で入手した。

1995年の作品で、パッケージには
ドイツ・フランス・イギリス合作と記載があるが、
冒頭には、「a ZDF Arte - BBC Television
co - production」と表示される。
(ZDF は、ドイツの公共放送局、
BBC は、イギリスの公共放送局)

先日劇場で観た『モリコーネ』が、
157分もあったのに対し、こちらはテレビ用という
こともあってか、55分と短い。

一番の大きな違いは、『ドキュメンタリー』は、
エンニオの光の部分に焦点を当てているが、
『モリコーネ』の方は、光だけではなく、
彼の人生の陰の部分にもスポットを当てていた。
その結果、『モリコーネ』の方が、エンニオという
人物を深く描く結果になっていると思う。

あれだけの人物を描くのには、55分では足らんわな。
157分でも足らんけど。
そして、『ドキュメンタリー』が制作された
1995年時点では、エンニオはオスカーを獲っていない。
(オスカー受賞は、2006年と2015年。)
賞のために作曲をしているわけではないが、
エンニオを語る上では重要なパーツだ。
事実、『ドキュメンタリー』でも『ミッション』が
オスカーを獲らなかったことに出演者は言及している。

『ドキュメンタリー』に登場する映画は、
『モリコーネ』でもほとんど出てくるのだが、
『モリコーネ』では、触れられなかった作品も
いくつか紹介されるので、両方観たおかげで、
より理解が深まったね。
『モリコーネ』の監督、ジュゼッペ・トルナトーレも
もちろん登場するが、『モリコーネ』ほど
大物はたくさん登場しない。

しかし、『モリコーネ』には登場しなかった、
エンニオの息子(三男)アンドレア・モリコーネ
(作曲家)が、『ニュー・シネマ・パラダイス
愛のテーマ』の作曲家として、登場する。
あれは、エンニオの曲だと思い込んでいたものだから
驚いてしまった。
調べてみると、あの曲のクレジットは、
「Ennio Morricone & Andrea Morricone」。
親子の共作ということのようだ。

もう20年以上前に、ロバート・デニーロが、
出演しているという理由で『ミッション』を
ビデオで観た覚えがあるのだが、
「面白くなかった」という記憶しかなく、
音楽のことなど覚えていない。
たまに何かの機会に『ミッション』の曲を
誰かが演奏しているのを聴いたことはあるけど、
あまり印象に残っていない。
しかし、『ドキュメンタリー』では、
『ミッション』の音楽は「映画音楽を変えた」とか、
「史上最高のサントラ」とまで絶賛している。
またこの度色々読んでいる中には
『ミッション』に対し「映画は面白くないけど
音楽は素晴らしい」というものもあった。
これだけ『ミッション』の音楽が評価されて
いるのだから、もう一度観てみようかな。



(2023.1.21 追記)
一昨日のエントリーにちょっと補足。

『ドキュメンタリー』は1995年の製作でなので、
エンニオが亡くなる2020年までの約25年については、
当然、触れられていない。

『ドキュメンタリー』では、『ミッション』が
ピークとも思えるような描かれ方をしているが、
その後、ジュゼッペ・トルナトーレとのコンビで
『明日を夢見て』、『海の上のピアニスト』、
『鑑定士と顔のない依頼人』などの作品を生み続けた。
ペースは、60年代70年代ほどではないけど。
(むしろ、その時代が異常な数だった。)

2006年には、アカデミー賞名誉賞を受賞。
2015には、クエンティン・タランティーノ脚本・監督の
『ヘイトフル・エイト』で初のアカデミー賞作曲賞を受賞。
1995年以降の活躍も目覚ましいのだ。

そして、おそらく1995年以降、
『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988年)の音楽の
評価も上がり続けていたに違いない。
映画の公開から、35年が経ち
今やスタンダードと化しているのだから。
そんなわけで、『モリコーネ』でも『ミッション』に
ついても、もちろん取り上げられているが、
『モリコーネ』では、それがピークとしてではなく、
多くの偉業の一つとして扱われているのだと思う。






2023.1.21

高橋幸宏

1月11日に 高橋幸宏さんが亡くなった。
死因は誤嚥性肺炎。
享年70歳。
この数年、体調が良くなかったようだけど、
早すぎるなぁ。

高橋幸宏といえば、
「YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)」の
メンバーとして有名だが、それ以外にも
多くの活動をした。
私は、彼のことに詳しくないけど、
「サディスティック・ミカ・バンド」
「サディスティックス」にも参加していたし、
おそらくは知らず知らずに彼の演奏を
多く耳にしていたことだと思う。

記憶では、誰かのライヴのドラムが
高橋ユキヒロだったような気がするのだが、
誰のライヴだったか 思い出せない。

2020年に観たドキュメンタリー映画
『音響ハウス Melody-Go-Round』で
レコーディングのときでも
オシャレしてくる姿が印象的だった。

たくさんのミュージシャンが追悼の
コメントを発表している。
それだけ影響力があった人ということなんだけど
細野晴臣さんのコメントが素晴らしい。

「人の人生は一冊の本のようだ。
いま『高橋幸宏』という本を読み終え、
多くのファンがあとがきを書こうとしている。
物語は終わったが本は消えず、ずっとそこにある。
幸宏の死は世界に反響を及ぼした。
彼が海外のミュージシャンに与えた
影響の大きさを今更ながら知り、
高橋幸宏が実は大スターであることが判明した。
細野晴臣」


合掌。


* * * * *

ところで。
誤嚥性肺炎は、食物や唾液などが誤って
気道内に入ってしまうことから起きる肺炎らしいが、
近年日本人の死亡原因第3位だという。
特に後期高齢者の肺炎のほとんどは
誤嚥性肺炎だと考えられているらしい。

私も最近、飲み物を飲むのにゆっくり飲まないと
変なところに入りそうになることがある。
だんだん、飲み込む力が弱ってくるのかな。





2023.1.23

STEVE GADD BAND
10th ANNIVERSARY TOUR

featuring MICHAEL LANDAU,
TRAVIS CARLTON,
JEFF BABKO & WALT FOWLER




スティーヴ・ガッドの来日は、おそらく、
2019年12月以来の来日ではないだろうか。
今回が、スティーヴ・ガッド・バンド 10周年
アニバーサリー・ツアーということなので、
2013年のアルバム『ガッドの流儀』が
このバンドのスタートだったんだな。
このバンド、メンバーはやや流動的で、
2019年の来日と今回では、ガッドと
ウォルト・ファウラー以外は入替っている。
ちなみこの2019年のブルーノート公演は、
CDになっております。

今までの来日メンバーは、
キーボードは、ケヴィン・ヘイズだったり
ラリー・ゴールディングスだったりしたが、
今回はジェフ・バブコ。
この人も上手い!(当たり前やけど)
トロンボーンもステージに用意されていたけど、
今回のショーでは吹かず。

ベースは、ずっとジミー・ジョンソンだったけど
今回はちょっと意外なトラヴィス・カールトン。
ラリー・カールトン(gt)の息子ね。
このバンドでは、ベースはあまり派手なことを
やらないので、トラヴィスも地味目だったけど、
ガッドを見つめる目が凄かったね。
なんというかもう何一つ聞き逃すまいという
姿勢を感じたね。

ギターは、2019年だけはデヴィッド・スピノザ
だったけれど、今回は再び マイケル・ランドウ。
デヴィッド・スピノザも良かったけれど、
マイケル・ランドウの匠の技も素晴らしい。

ギターは、たぶん Fender のマイケル・ランドウ・
モデルだと思われるが、前に使っていたのは、
カバードのハムバッキング PU 2発だったけど、
今日はオープン・タイプのハムバッキング PU。
私が見落としていなければ、
ずっとフロント・ピックアップだけしか
使っていないように見えたけど、
ピッキングの位置、指引き、ピック引きを
使い分けて、多彩なトーンを出していた。
まさに匠の技。
久しぶりだったので、ちょっと髪の毛が薄くなってたね。

バンドの演奏は、大人のジャズ。
円熟の極みなのだけど、時折、熱い場面もあった。
素晴らしい演奏で、大盛り上がりでした。
前から2列目だったけど、メンバーが
楽しんでいる感じも伝わってきて良かった。
ガッドのドラム・ソロも素晴らしかった。
スタンディング・オベイションです。

曲目は、『Mercy on Your Soul』、『Sly Boots』、
『Watching The River Flow』(アンコール)など。


[ MEMBERS ]
Steve Gadd (ds)
Michael Landau (g)
Travis Carlton (b)
Jeff Babko (key)
Walt Fowler (flh,tp)

@ Blue Note TOKYO
2nd show





2023.1.24

STEVE GADD BAND
10th ANNIVERSARY TOUR
<配信>


昨日、ブルーノート東京で観てきた
スティーヴ・ガッド・バンドがあまりに
良かったので、今日は配信で観たよ。

今回の来日は、ブルーノートでは、
4日間8公演。
それ以外にも今度の日曜日に
高崎芸術劇場 スタジオシアターでの
ライヴがあるのと、スティーヴは、
ブルーノート・トーキョー・オール・スター・
ジャズ・オーケストラとの共演も
2日間4公演あった。

今日は、ブルーノート公演の最終日で
そのラストショーが配信された。
曲は、昨日とほとんど同じだと思うけど、
昨日は演らなかった
『I Can’t Turn You Loose』が嬉しかったな。
この曲でジェフは、昨日は吹かなかった
トロンボーンを吹いたよ。
でも、やっぱり配信より、ナマがええわ。

昨年録音され発売された、スティーヴ・ガッド、
エディ・ゴメス、ロニー・キューバーが
ドイツの WDR ビッグバンドと吹き込んだ
CD では、『I Can't Turn You Loose』、
『Signed Sealed Delivered』、
『Watching The River Flow』など、
スティーヴの長年のレパートリーが
収録されているのだが、ギターの
Bruno Muller(ブルーノ・ミュラー)と
いう人が(ドイツ人なのだけど)
まるでコーネル・デュープリー +
エリック・ゲイルみたいなプレイをしている。
それはもちろん嫌いじゃないのけど、
あんまりそれっぽ過ぎるとあかんやろと思ってしまう。
もちろん、影響を受けているだろうし、
リスペクトしているのは、間違いない。
同じく このアルバムに参加している、
Simon Oslender(ジモン・オスレンダー)と
いう(これまたドイツ人の)ピアニストも、
かなりリチャード・ティー的なプレイを
しているので、もうそういう世界なんかもな。
きっと、あえてそういう風に演奏したんだろうけど
嬉しいながらも微妙な感じ。

なぜ、このアルバムのことを持ち出したかというと
マイケル・ランドウは、全くコーネル・デュープリー
みたいにならないんだ。当たり前やけどな。
やっぱりプロは、シグネチャー・トーンというか
個性がないとね。

ジェフ・ベックや高橋幸宏と
70代のミュージシャンが続けて亡くなった。
さびしくなる一方やけど、今年78歳になる
スティーヴには まだまだ元気で
ゴキゲンなグルーヴを聴かせて欲しい。

そういえば、スティーヴはエリック・クラプトンと
同じ年なんだ。(1945年生まれ)
4月のエリックの武道館公演は、
結局6公演ともチケットを買ったぜ。


[ MEMBERS ]
Steve Gadd (ds)
Michael Landau (g)
Travis Carlton (b)
Jeff Babko (key)
Walt Fowler (flh,tp)

[ SETLST ]
1. Hidden Drive
2. I Can’t Turn You Loose
3. Does’t She Know By Now
4. De Volta Ao Samba
5. Mercy On Your Soul
6. Oh, Yeah!
7. Duke’s Anthem
8. Sly Boots
9. Watching The River Flow

@ Blue Note TOKYO
2nd show





2023.1.25

小島良喜
ソロアルバム発売記念ライブ




12月には発売予定だった、小島さんの
ニューアルバムだが、残念ながら発売が遅れている。
アルバムの発売を前に、
「ソロアルバム発売記念ライブ」はすでに
あちこちで開催されることになってしまった。

東京は、目黒ブルース・アレイ・ジャパン。
もしかしたら、今日会場で買えるかなぁと
淡い期待をしていたけど、開口一番、
「皆様に謝らなければならないことがあります」と
アルバムの発売が遅れていることの説明があった。
音源は、出来上がっているのだけど、
ジャケットが中々決まらなかったとかで、
あの様子では、まだ1~2ヶ月かかるかも知れない。
2枚組だというので、楽しみにしている。

今日の席は最前列だった。
1曲目がループを流してのエレピの演奏
だったのだけど、その真正面で小島さんまで
2メートルも離れていないような距離だった。

2曲目以降は、ピアノ。
毎度のことながら、素晴らしい演奏だった。
曲は、『Truth In My Eyes』、『Family』、
『Are You Happy』、『Dragon Fly』など。
小島さん、曲名を全部言ってくれないので
「これなんだっけ?」と思っても あとで
調べようがないことが多いねん。
アンコールは、『My Foolish Heart』。
短めの休憩を入れて2時間35分ぐらいかな。
今日もたっぷりでした。

休憩の時、トイレで小島さんとばったり。
ああいう時、なんか気の利いたことが
言えたら良いのだけど、シャイな私は
何も言えず、無言で過ごしてしまうのでした。
二人だけだったので話すチャンスだったのに。
「Facebook にアルバムいつ発売ですか?
と書き込んだのオレです」と言えばよかったと
あとで、気が付いて後悔。


[ MEMBERS ]
小島良喜 (pf)

@ Blues Alley Japan (目黒)





2023.1.30

鮎川誠 死去

すい臓癌だって。
享年74歳。
ちょっと若いなぁ・・・。
ミュージシャンの訃報が続くなぁ・・・。

シーナが死んじゃって、シーナに替わって
娘さんが唄ってる映像を観たことがある。

日本のロック・ギタリストの中でも
独特の雰囲気、オーラの人だった。
ライヴを観たことはないのだけど、
20年くらい前、三軒茶屋でちゃりんこに
乗ってるの見かけたことがあったなぁ。
(下北沢に住んでたらしい。)

トレードマークは、1969年製ギブソン、
ブラックのレスポール・カスタム。
塗装も剥がれて もの凄い貫禄。
あれだけ弾き込んでもらえたら、
ギターも幸せだと思う。

『ユー・メイ・ドリーム』はええ曲やった。
プロデュースは、細野晴臣さんで、
作曲も 鮎川誠, 細野晴臣 となっている。
なんとドラムは、先日亡くなった
高橋幸宏さんだったのだね。

合掌。


(2023.1.31 追記)
シーナ&ロケッツ には川嶋さんというドラマーが
いるけど、ウィキペディアには
『ユー・メイ・ドリーム』の参加ミュージシャンとして
ドラムに 高橋ユキヒロ とあったので、
レコーディングには高橋さんが参加していたのだと思われる。


2014年の鮎川さんのインタビューを見つけた。

鮎川誠 ロングインタビュー(2014年)





2023.2.10

Burt Bacharach
バート・バカラック


2月8日、ポピュラー音楽界の偉大な
作曲家、バート・バカラックが亡くなった。
享年94歳。
自然死(老衰)と発表されている。

バカラックは、『Walk On By』、『Close To You』、
『I Say A Little Prayer』、『Baby It's You』、
『Alfie』、『The Look Of Love』、
『Raindrops Keep Fallin' On My Head』、
『Arthur's Theme』などなど 今では
ポップスやジャズのスタンダードとなった数々の
名曲を作曲した。
彼の音楽は、間違いなくポップスの
クラシックとなって後世に残っていくだろう。

幸運にも私は、彼の2014年の
来日公演を観ることが出来た。
その時に彼はすでに85歳だったのだが、
記憶に残る素晴らしいライヴだった。
2020年にも来日の話があったのだが、
コロナの影響で「米国国務省より発令された
米国民に対する渡航中止勧告」のため、
来日は中止になった。
実現していたら、91歳での来日だったわけだが、
私が観た公演が、最後の来日公演に
なってしまったわけだ。

バカラックの曲の中では、超有名な
『(They Long to Be) Close to You』
(邦題『遥かなる影』)が一番好きだけど、
『Baby It’s You』も良い。
オリジナルは、シュレルズという黒人女性
コーラス・グループ(1961年)。
この曲は、ビートルズもカーペンターズも
カヴァーしていたね。
ビートルズのは、シュレルズのヴァージョンを
踏襲しているのが分かるけど、
カーペンターズのは、またずい分と違うテイストだ。
私は山根麻衣の1982年の
アルバム『will』に収録されている、
ロックな感じのカヴァー(Smith というバンドの
1969年のヴァージョンが元)がお気に入り。

山根麻衣 - Baby It's You


[ 関連エントリー ]
2014.4.14 An Evening with BURT BACHARACH 2014




ありがとう、ジェフ




ありがとう、ジェフ。
あなたが地球にいてくれて、
本当に楽しかった。
R.I.P. JEFF BECK 1944 - 2023



ギター・マガジン最新号(3月号)に
見開きでジェフ・ベックへの追悼文が
掲載されていた。
この文章がジェフへのリスペクト&愛満載で
泣かせてくれます。

ここのところ、あちこちで、
ジェフのことを目にする機会が増え、
訃報を聞いたときよりも、ジェフの死が
なんだかリアルになってきた。
どんどん喪失感が募っていく感じだ。

来月号のギター・マガジンは、追悼特集。





2023.2.18

浜田真理子の
有楽町で逢いましょう vol.1

ゲスト:Miuni




昨年12月、有楽町のマリオン(ルミネ)別館に
オープンした「I'M A SHOW」という劇場。
「I'M A SHOW(アイム・ア・ショー)」と
書いて「アイマショウ」と読ませるとは、シャレている。
その「I'M A SHOW」に初めて行ってきた。
音楽も演劇も出来る劇場として
作られたようで、キャパは392席。
ちょうどいい感じだな。

さて、今日のショーは、久しぶりの浜田真理子さん。
1部は、ゲストとして Miuni の登場。
Miuni というのは「御舟」のことで、
沖縄県宮古島の民謡をベースに演奏する
4人グループ。
なんでも、今日が東京での初ライブだったらしい。

2部は浜田さんのショー。
数曲 Miuni のサックス奏者、
池村真理野さんが参加。
ムード音楽をということで、むせび泣く
テナーサックスで『テンダリー』や
映画『あちらにいる鬼』で使われた『恋ごころ』、
『貝殻節』、『胸の小箱』など。
途中1曲、とんちピクルスさんという人が
『有楽町で逢いましょう』を唄うために登場。

16時開演だったのだけど、
遅いランチを食べ過ぎた上、
ちょっとアルコールも飲んだため、
残念ながら、1部の Miuni は、ほぼほぼ気絶。
2部は、大体 聴けたけど。

浜田さんのライヴはたぶん、2018年以来
5年ぶりだったと思うけど、
やっぱりこの人の歌は良いなぁ。
なんだか、素朴で心に染みる。


[ 出演 ]
浜田真理子(vo/pf)
Miuni:
與那城美和(唄三線)
川満七重(唄三線)
池村綾野(p/key)
池村真理野(sax)
Guest:とんちピクルス(vo)





2023.2.19

BLUE GIANT



「音が聞こえてくる漫画」と評価されていた
『BLUE GIANT』がアニメで映画化された。
実は5~6年前、友人に第1巻を借りて
読んだことがある。
面白かったら続きを読むつもりでいた。
面白くなかったわけではないけど、
なんとなく1巻だけで終わってしまった。
詳しくは覚えていないけど、第1巻では、
ストーリーが展開する前だったんだろうな。

映画化された本作は、ぜひ劇場で観なきゃと
思っていたのは、音楽を上原ひろみが
全面的に担当していることだった。

映画は、主人公の宮本大が、世界一の
サックス・プレーヤーを目指して、
河原でひとり、練習しているシーンから始まる。
仙台から東京に出てきて、
「JASS」というジャズ・トリオを組み、
日本最高のジャズクラブ「So Blue」の
ステージに10代で立つことを目標に活動を始める。

このトリオ、実際に演奏しているのメンバーが凄い。
ピアノ(沢辺雪祈)が上原ひろみ、
テナーサックス(宮本大)が馬場智章、
ドラム(玉田俊二)が石若駿という超一流の面々。
彼らが、18歳のアマチュア・バンドの演奏をするわけだ。
ドラムの玉田は初心者からスタートするのだが、
ちゃんとヘタに叩いている。
それでも上手いんだけどね。

楽器演奏、特にピアノやドラムは、アニメの動きと
演奏が合っていないと白けてしまいそうだが、
そこもかなりリアルに作り込まれていて感心した。
まあ、これは明らかにモーションキャプチャーも
使われているようだったけど、そのほかの演出も
含めて、ライヴの臨場感が素晴らしい。
何より演奏が良い。
演奏とアニメのコラボで飽きることなく、
スクリーンから目が離せなかったよ。
「JASS」のオリジナル曲(劇中3曲+
エンドロール1曲)も ひろみの書き下ろしだ。

登場するジャズクラブ「So Blue」と
その系列店として出てくる「Cottons」は、
それぞれ Blue Note、Cotton Club をモデルに
していることは、一目瞭然。
店内の描写もニクイ。
ひろみが関わっていることもあってか、
登場するピアノはすべて YAMAHA だったりと
マニアックな見所もあり。
ドラムとサックスのことはあまり分からないけど、
その辺のディテールにも製作者側の
こだわりが現れているんだろう。

ジャズの熱さ、激しさが十分に伝わってくる内容で、
この映画を機会に実際にジャズ・クラブに足を運ぶ
お客さんもきっといるだろうと思う。
また、メンバーの苦悩や人間的な成長も描かれていて、
ドラマとしても見応えがある。
漫画(原作)の方は、第3部まで進み、
現在も連載中とのこと。
ぜひ、アニメ映画の方も続編を観たいな。


★★★★▲




【サントラの情報】
(JASSメンバー演奏)
馬場智章(ts)
上原ひろみ(p)
石若 駿(ds)

(劇中バンド演奏)
上原ひろみ(p, key)
柴田 亮、井川 晃(ds)
田中晋吾、中林薫平(b)
田辺充邦(g)
村上 基(tp)
本間将人(ts, as)
馬場智章(ts)

(劇中音楽演奏)
上原ひろみ(p, el-p)
菅野知明、伊吹文裕(ds)
Marty Holoubek(b)
國田大輔、井上 銘(g)
石若 駿(per)
佐瀬悠輔、伊藤 駿(tp)
三原万里子(tb)
片山士駿、野津雄太(fl)
小林未侑(cl)
神農広樹(oboe)
西江辰郎、田村直貴、田中笑美子(1st violin)
ビルマン聡平、松崎千鶴(2nd violin)
中 恵菜、古屋聡見(viola)
向井 航、篠崎由紀、下島万乃(cello)
挾間美帆(cond)


ネット上のレビューを読むと「音がしょぼい」との声もある。
私は「T・ジョイ PRINCE 品川」で観たのだが、
とても迫力のある音だったので、これは
劇場によって差が出るのではないかと思う。





2023.2.22

AVISHAI COHEN TRIO
"Shifting Sands"




久しぶりのアヴィシャイ・コーエン!
今日もアヴィシャイは、ピアノ・トリオだ。
いや~素晴らしかった!
ドラムが、2000年生まれ、
まだ22歳の女性、ロ二・カスピ。
かわいらしい女の子だったのだけど、
そのプレイ、特にドラム・ソロはぶっ飛びだったね。

ライヴのタイトルに "Shifting Sands" と、
昨年リリースされたアルバム名が付いている。
そのアルバムのピアノは、2019年に一緒に
来日していたエルチン・シリノフ (p) なのだけど、
今回のピアノは、ガイ・モスコヴィッチ という
これまた26歳という若いピアニスト。
子供のような世代のふたりとのトリオなのだ。
(3人ともイスラエル人ね。)

2019年3月のライヴの感想に
「美しく、躍動的で、新しい」、そして、
「アヴィシャイはとてもセクシー」と書いた。
今日もそれは感じたけど、付け加えるなら
「エモーショナルで野性的なのにどこまでいっても知的」
そんな感じ。(どんな感じ?)

今、世界に必要なのは、音楽だ!
聴きながら、そんなことを思ったよ。

スタンディング・オベイションでアンコール。
めちゃくちゃカッコいい アレンジで、『Summertime』。
アヴィシャイは、CD では歌を聴いたことが
あったけど、生歌は初めて聴いた。
これまたカッコいい。

前回、ライヴを観たのは、パンデミックの前だった。
一時は、もう外国人アーティストを国内で
観ることは出来ないんやないかと心配したけれど、
徐々に以前のように観られるようになってきて、
本当に良かった。


[ MEMBERS ]
Avishai Cohen (b,vo)
Guy Moskovich (p)
Roni Kaspi (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd show


[ 参考動画 ]
Avishai Cohen Trio - Shifting Sands Session - ARTE Concert





2023.2.26

沖仁×大萩康司×小沼ようすけ
"TRES Ⅱ"




フラメンコ・ギタリストの沖仁、
クラシック・ギタリストの大萩康司、
そして、ジャズ・ギタリストの小沼ようすけ、
昨年2月5日にこの3人の共演を初めて観た。
その日の感想に「また演って欲しい」と
書いたのだけど、一年経ってそれが叶った。
会場は、前回と同じ銀座ヤマハホール。
「今度はホールではなく、ジャズクラブで聴きたい」と
書いたけど、そうは行かないね。
このコンサートは、完全にヤマハのサポートで
成り立っている印象だったし、
色々大人の事情もあるだろうし。

ソロやデュオも、良かったけど、
やはり普段 観ることの出来ない、
この3人ならではのトリオの演奏が素晴らしかった。
3人の奏法の違い、音色の違いが現れて、
そのバックグラウンドの違いも楽しめる。

昨年は、3人ともナイロン弦だったけど、
今日は小沼さんは、ギブソンの
まだ新そうなスチール弦ギター。
ボディが大きく、音量もあるようだ。
沖さんはヤマハ製のフラメンコ・ギター。
今日が初お披露目の一本とのこと。
大萩さんは、1958年製だというクラシック・ギター。
ビルダーの名前も、言ってたけど忘れてしまった。
このギターの音が一番好きだったな。
甘く深みがあり、柔らかいのに
なんだか威厳と歴史を感じさせる感じ。
まあ、歴史を感じるなどというのは、
1958年製と聞いたから思うことだろうから、
当てにならないけど。

大萩さんは、一曲でヤマハのエレガツトを使用。
生音が良いとのことで、ラインではなくマイクで拾っていた。

スタート時の MC で、沖さんが
「このホールは、響きが素晴らしいので、
始めの3曲は、PA を使わず
生音だけでやります」と言っていた。
その後も、突然音量が上がったり、
聞こえ方が変わったりすることなく、
進んで行ったので、かなり繊細な
音響の調整がされていたんだと思う。
素晴らしい。

また、この3人でやりそうな話しだったので楽しみだ。
今日は2階席の最前列だったけど、
次回は同じヤマハホールでも、
1階席の前の方で聴きたいな。

タイトルの「TRES Ⅱ」。
「TRES」はスペイン語の「3」で、
「Ⅱ」は2回目のコンサートという意味だろう。
今日、聴きながら途中で気付いたのだけど、
名前が、おき、おおはぎ、おぬまと
3人とも「お(O)」が付くのね。
それで、ユニット名を「OOO(トリプル・オー)」
にしたら、どうかなと思った。
「OOO」というのは、マーティンのギターの
品番に付くアルファベットで、3人のうち誰も
マーティンを使ってないけど、ギター好きなら
分かるので、シャレでどうかなと思った。
あかんわな。


[ MEMBERS ]
沖仁 (gt)
大萩康司 (gt)
小沼ようすけ (gt)

@ YAMAHA HALL (銀座)


[ SETLIST ]
1. ススペ~フエゴ(沖)/沖ソロ
2. 「はかなき人生」よりスペイン舞曲第1番
  (マヌエル・デ・ファリャ)/沖・大萩デュオ
3. 暁の鐘(エドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサ)/大萩ソロ
4. 継承(小沼)/小沼ソロ
5. アルマンドのルンバ(チック・コリア)/沖・小沼デュオ
― 休憩 ―
6. ファンタスマⅣ(沖)/トリオ
7. ムン・カ・ヘレ(小沼)/トリオ
8. アランフェス協奏曲よりアダージョ(ロドリーゴ)/トリオ
9. リベルタンゴ(ピアソラ)/トリオ
EC. カヴァティーナ(スタンリー・マイヤーズ)/トリオ





2023.2.26

AVISHAI COHEN TRIO
"Shifting Sands"
and
The "Amity Duet"

小曽根真 & アヴィシャイ・コーエン
配信


先日(2/22)、ブルーノート東京で観た、
アヴィシャイ・コーエン・トリオの演奏が、
あまりに素晴らしかったので、
その翌日(2/23)の 2nd show と
そのまた翌日(2/24)の小曽根さんと
アヴィシャイとのデュエット(これも 2nd show)の
配信を観た。
リアル・タイムには観られなかったので、
アーカイブ配信で今日、2本続けて鑑賞。



まずは、AVISHAI COHEN TRIO。
3日間6公演の最終ショー。
何台かのカメラのおかげで、会場では
見えなかった表情などの様子も伺えた。
そして、ナマで観ていたおかげで、
配信でありながらも、より臨場感も
感じることが出来たよ。
約90分。

演奏は、本当に素晴らしい。
もう来日のたびに観に行くことが決定したな。
そういうアーティストが増え続けていて、
嬉しいけど(経済的に)困るね。

会場で観たとき以上に、ピアノの
ガイ・モスコヴィッチ と ドラムの
ロ二・カスピ の素晴らしさもより感じた。
3人ともなんだか、別次元の演奏。

そして、小曽根真(pf)と
アヴィシャイ・コーエン(b)のデュオ。



これまた凄い。
ナマで観たらもっと凄かっただろうな。
このデュオは、この日がワールドプレミア。
途中の MC で小曽根さんが発表したのだけど、
なんとこのデュオでワールド・ツアーに出るという。
当然、東京公演もあるだろうから、
これは絶対観にいかなあかん。

曲は、スタンダードや小曽根さんの曲、
そして、二人が出会ったきっかけだったという
チック・コリアの曲。
アヴィシャイは自身のトリオのときとは、
また違う味を出してた。
小曽根さんのピアノの魅力も再認識した感じ。
これまた別次元の演奏。
こちらは約80分。

ツアーに出るくらいだから、アルバムも
出すのかも知れないけど、ぜひとも、
ライヴ・ビデオも発売して欲しい。





2023.2.28

プレミアム・ステージ

来月、ブルーノート東京で
「ASKA featuring デイヴィッド・フォスター」
というライヴが開催される。
非常にレアな凄い組み合わせで、
おそらくは最初で最後なのではないかと思う。

私は30代の頃、一時期 CHAGE&ASKA を
好きな時期があって、彼らの本も読んだし、
一度だけだけど大阪城ホールのコンサートにも
行ったことがある。
当時はカラオケに行くと決まって
『太陽と埃の中で』、『WALK』、
『君が愛を語れ』(ASKAのソロ曲)などを
唄ったものだ。
(書いていて恥ずかしいのはなぜ?)

CHAGE よりは ASKA の方が好きだった。
最近は、ほとんど聴かなくなったのだけど
機会があればライヴも観てみたい。
件の事件のあとの ASKA の音楽は
聴いたことがないしね。

で、デイヴィッド・フォスターとの
ブルーノートでの公演。
ちょっと驚いたのはその料金。
¥79,000(税込)なり。

「特製フードプレート&グラスシャンパン付」で
全席指定席。
来場特典として Blu-ray (ASKA Premium
Symphonic Concert LIVE 2022年8月6日
名古屋公演)と 特製プログラムが付く。

う~ん、79,000円ねぇ。
1回限りの公演だし、かなりターゲットを
絞ってきてるね。
残念だけど、行かないなぁ、というか
79,000円は出せないな。

私が、ブルーノートに79,000円出して
観に行くとしたら、誰だろう?
あぁ、ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、
ポール・マッカートニーあたりなら、行くかな。
きっとチケットは、抽選制で当たる確率は低いけど。
その場合、全席同じ値段は不満だな。
通常でも差をつけているのだから、
せめて2~3種類のランクに分けて欲しい。
一番後ろの一番端と、ステージ正面の
前の方の席が同じ値段というのは、
どうも納得できないもんなぁ。

話を戻そう。
ASKA と デイヴィッド・フォスター。
ブルーノートのサイトには
「レジェンド二人が贈るプレミアム・ステージ」とある。
この場合の「プレミアム」は、「高級な」
「上等な」の意味と「初」の意味と両方だろう。
ASKA と デイヴィッド・フォスター、
それぞれ単独でのライヴであれば、
79,000円にはならないだろうから、
主催者側としては、この組み合わせに
かなりの価値を見込んでいることになる。
コロナの影響で、ライヴ業界は結構な
打撃だっただろう。
そのことと関係あるのかも知れないが
なんだか、音楽ビジネスも変わってきているんだなぁ。

ちなみに ASAKA は今月で65歳、
デイヴィッド・フォスターは、73歳。
彼、アメリカ人だと思っていたら、カナダ人なのね。





2023.3.8

小島良喜&山木秀夫 DUO



初めて聴く、小島さん(pf)と
山木さん(dr)のデュオ。
ドラムとのデュオというのは珍しい。
今までにライヴを観た覚えがあるドラムとの
デュオは「桑原あい(pf)×石若駿(dr)」と
「渡辺香津美(gt)×山木秀夫(dr)」だけかな。
これらの組合わせにベースが加わると、
ピアノ・トリオ、ギター・トリオとなるわけだが、
ベースがいない分、それぞれの自由度が
増えるとともに音楽として完成させる難易度は
上がるような気がする。
ふたりにセンスと技術が求められると思うのだ。

さて、本日のデュオ。
おそらく様々な場面で共演してきたであろう
お二人だが、一体、どの程度の打合せ、
リハーサルをやった上での、本番の演奏なのだろうか。
ジャンルで言えば、ジャズなので、
基本的には、Improvisation
(インプロビゼーション:即興演奏のこと)なのだろうけど。

印象としては、小島さんが好き勝手(失礼)に
演っているのに、山木さんが乗っかって
合わせていくというか、創作していくように
感じだのだけど、実際、あのふたりの
心理的な内面や、脳内で何が起こっているのかは
全く想像がつかない。
ただ言えるのは、「迷いのなさ」と「反応の早さ」だ。

演奏後、ふたりが「楽しかった」と言ってたけど、
ああいう境地で演奏が出来たら、
本当に楽しいんだろうなと思う。

山木さんとのデュオも素晴らしかったけど、
今度は、ぜひ鶴谷さん(dr)とのデュオも観たい。


[ MEMBERS ]
小島良喜(pf)
山木秀夫(dr)

@ BLUES ALLEY JAPAN
入替なし





2023.3.9

Generations On Da Table
ジェネレーションズ・オン・ダ・テーブル




昨年6月の「FAB4 featuring 山岸潤史」
以来の山岸さんを観てきた。
山岸さんは、日本人でありながら、
アメリカで活躍する数少ないギタリスト。
私が初めて観たのは、18歳の時だから
40年以上、聴き続けているギタリストだ。

今日のメンバーは、昨年の「FAB4」と
ベースの KenKen、ギターの TAKU が同じ。
KenKen のことは何度か書いたけど
素晴らしいベーシストだ。
そして、ギターの TAKU。
昨年「かなり好きなギター」と書いたけど、
今日も良かったなぁ。
黒いセミアコだったんだけど、トーンも良かったし、
フレーズも適度にジャジーで、ちょっとタイプは
違うねんけど、一瞬、弾いている顔が
石やんに似てると思ってしまった。
今日は、キーボードいなかった分、
ギターが聴けたのでギター好きには
これはこれで、嬉しいな。
ドラムはたぶん初めて観たんじゃないかな、
SATOKO という女性ドラマー。
なんだろう、他のメンバーが濃いい分、
この人のプレイだけ、入ってこなかった感じ。
このメンバーと演っているのだから、
十分上手いんだけど、他の人たちが
外に向かって演奏しているのに彼女だけは、
内側を向いているような印象だった。
上手く説明できないけど。

山岸さんは、(たぶん)moon の
サンバーストのシンライン・テレキャスター・タイプ。
フロントがハムバッキンで、太めのええ音でした。
控えで、いつもの Xotic の白いテレキャス・タイプも
置いてあったけど、出番はなし。

インストを2曲演ったあと、マリさんの登場。
石やん作の『最後の本音』、
ムッシュかまやつの『ゴロワーズを吸ったことがあるかい』
ジョニー吉長(マリさんの元夫)の『ありがとう』
と、ゆかりのある、故人の曲が続く。
あー、そういうことなんだよな。
順番にいなくなっていくけど、
音楽と故人の想い出は、こうして残っていくんだ。

マリさんは、ウエストロード・ブルースバンド
(山岸さんがデビューしたバンド)の1枚目の
レコーディングに19歳で参加していたらしい。
マリさんは、石やん(石田長生)とも
チャーさんともバンドを組んでいたけど、
山岸さんとは、何度も共演歴はあるのに
一緒にバンドをやるのは、これが初めてだという。
なるほど、そういえばそうだな。
そういうことが出会って50年目に
起きるんだから、人生って面白い。

マリさんが山岸さんを
「ギタリスト界の大谷翔平」と紹介していた。
なるほど、ジョー・サンプルのバンドに
入るなんて、まるでメジャーだわ。


[ MEMBER ]
山岸潤史 (g)
KenKen (b)
金子マリ (vo)
SATOKO (ds)
TAKU (g)

@ COTTON CLUB
2nd show





2023.3.17

ボビー・コールドウェル 死去

ミスターAORこと ボビー・コールドウェルが
3月14日に亡くなった。
この数年は、闘病生活だったようだ。
享年71歳。
ちょっと若いなぁ。



1st アルバム『イブニング・スキャンダル』(1978年)
からは、"What You Won't Do For Love"、
"Special To Me"、"Come To Me" と
ヒットを飛ばし、文字通り彼の代表アルバムとなった。
私と同年代なら、特に "What You Won't Do For
Love"(邦題『風のシルエット』)を聞いたことが
ない人は おそらくいないだろう。
多くの人がカヴァーしているが、
私もライヴで数回演奏したことがある。

合掌。


Bobby Caldwell - What You Won't Do for Love







ひとりごと