LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS


 つつみしんやのひとりごと  2018年 3月
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2018.3.1

ボルトの気持ち 5
〜 肉離れから一週間


早いもので、右ふくらはぎの
肉離れから一週間が経った。
まだ完治はしていない。
足は肉離れだが、最近食事は
肉が多く、肉から離れられない。
なんのこっちゃ。

五十肩で左、右と順番に痛めた次は、肉離れ。
肩の方は、痛みはないが、
時折手がピリピリと痛むこともある。
素人考えだが、全ては筋肉のことのように思う。
肉離れになって、改めて筋肉が
緊張し固くなっている事を実感したのだ。

先日テレビでは、朝起きた時、
腰が痛い人と痛くない人の違いを
やっていたのだが、
それは、寝返りの回数だった。
寝返りが多い人は腰が痛くならない。
寝返りが少ないということは、
同じ姿勢で長時間寝ているということで、
当然、体重がかかっている部分の
筋肉や血管は、圧迫されているわけだ。

そして、筋肉が固い人は、
寝返りの回数が少ないのだという。
私も年を取ってきて、
寝返りが少なくなってきているような
実感がある。
私の場合は、それは腰痛ではなく、
肩に現れる。
朝起きた時、時折肩が痛いことがある。
五十肩の始まりも、肩の寝違えだった。

また別のテレビ番組では、
肩甲骨を柔らかくする簡単な
体操を紹介していた。
ベストセラーになっている、
「骨ストレッチ」の特集だった。

今日、注文していた本が届いた。
「演奏者のためのはじめてのアレクサンダー・
テクニーク」
という身体の使い方の本だ。
演奏者のために書かれた本で、
興味があったので買ってみた。
まだ、最初の方しか読んでいないけど、
ここ数日、連続で入ってくる情報、
「筋肉を緩める」ということが
共通しており、驚いた。

私は漠然とだが、筋肉を伸ばし、
身体を柔らかくするためには、
きついストレッチをする必要が
あると思っていたのだが、
どうやらそれは間違っているようだ。

「アレクサンダー・テクニーク」は、
演奏家に効果的なので、
ジュリアード音楽院などでも
取り入れられている。
冒頭にいきなり
ジュリアン・ラージが取り入れたと
出てきて、俄然興味が倍増した。

とはいっても、演奏家だけに
効果があるわけではない。
まだ、少ししか読んでいないけど、
真剣に取り組んでみる価値がありそうだ。
健康のためにも、音楽のためにもね。





2018.3.2

ほうろう
〜 小坂忠について


私は、19〜20歳の頃、
大阪ミナミの地下街にあった、
「HIP」という名の喫茶レストランで
アルバイトしていた。
そこは、いわゆるオシャレな人たちと、
ちょっと危ない人たちも出入する、
ヒップなお店だった。

その店の BGM は、有線ではなく、
カセットテープで音楽を流していた。
アルバイトの皆が、聴きたい音楽を
それぞれ持ってきて、
好き勝手にかけていたのだ。
時は、80年代前半。
テクノやニューウェイブが
流行っていた時代。
そこで私はたくさんの新しい音楽に
出会った。
例えば、Dexys Midnight Runners の
"Come On Eileen" なんかも、
モード学園に通う女の子が、
持ってきてかけていたので知った覚えがある。

ハッキリ覚えているのだが、
ある日、レコード会社の営業の人が、
サンプル・カセットテープを
「お店でかけてください」と持ってきた。

それが、桑名晴子(桑名正博の妹)の
『MOONLIGHT ISLAND』という
アルバム(1982年発売)だった。

『MOONLIGHT ISLAND』は、
日本のポップスのカヴァーアルバムで、
『夢で逢えたら』、『DOWN TOWN』、
『ムーンライト・サーファー』などの
名曲が収められていた。
特に私が気に入っていたのは、
兄である正博の曲のカヴァー『夜の海』
つのだ☆ひろのヒット曲、
『メリー・ジェーン』のB面だった
『I LOVE YOU』。
のちに つのだ☆ひろの
オリジナル・ヴァージョンも聴いたけど、
断然、晴子のカヴァーの方が私は好きだ。
バックは、AB'Sのメンバーが中心で
当時の私には、芳野藤丸や松下誠の
ギタープレイも刺激的だった。。

そのアルバムが気に入った私は、
アルバイト中、何度も何度も
店内で流していた。

アルバムの1曲目は、知らない曲だったが、
とても印象的だった。
それが『ほうろう』という、それまで
聞いたことのない、小坂忠という人の曲だった。

小坂忠は、1966年にデビューした、
日本の R&B の先駆者。
デビューは、「ザ・フローラル」という
GSグループだったが、
その後、ソロデビューを果たし、
1975年にアルバム『HORO』を発表した。
『HORO』は日本のポップス史に残る
名盤と言われている。

晴子がカヴァーしていたのは、
そのタイトル・チューンだったのだ。

晴子のカヴァーを聞いた、何年かのちに
小坂忠のアルバム『HORO』も聴いた。
その中では、『機関車』という曲が
強烈で印象的だった。
数年前、浜田真理子 がカヴァーしているのを
ライヴで聴いたが、ピアノの弾き語りで、
また違う味わいがあった。

どういうわけか小坂忠については、それ以上、
調べたり聴いたりすることもなかったが、
先日ライヴの情報を得たので、
急にナマで聴きたくなった。
「死ぬまでにナマで聴いておきたい
アーティスト・リスト」だ。

それで、彼のことを調べて初めて知った。
小坂忠は、1976年にクリスチャンになり、
ゴスペル・シンガーとして活動を始めたらしい。
2000年代に入って、またアルバムを
リリースするなどの活動を再開したようだが、
昨年8月に緊急入院・手術ということが
あったようだ。

今回、私が行く3月5日のライヴは、
『ほうろう』全曲再現ライブということで
楽しみにしている。

2016年にデビュー50周年記念で発売された
『CHU KOSAKA COVERS』
アマゾン・プライムで聴いたが、
"Knock On Wood" や "You Send Me"、
"You’ve Really Got A Hold On Me"
"(Sittin’ On) The Dock Of The Bay"、
"You Keep Me Hangin' On"、
"You Are So Beautiful" など
リズム&ブルースのど真ん中の選曲で
めちゃくちゃカッコ良い。

これまた、メンバーもよい。
鈴木茂(G)、小原礼(B)、佐橋佳幸(G)、
Dr.kyOn(Key)、屋敷豪太(Dr.)ら。

3月5日のライヴも鈴木茂、小原礼、
Dr.kyOn、屋敷豪太らがサポートする。
残念ながら佐橋さんの名前はなかったけど、
楽しみやな〜。





2018.3.4

明とのライヴ (その3)

3回目となる、シンガー和田明とのライヴ。
本日も満席のお客様で、楽しいライヴでした。
中には、約20年ぶりに私の演奏を
聴きに来てくれた方もいて、
ホント嬉しい楽しいライヴでした。

明とは25歳年の差があるのだけど、
親子ほど年が離れていても、
一緒に何かをクリエイトできる楽しみと
喜びを授かれるというのは、
音楽のおかげ以外の何ものでもない。
そういう意味では、今となっては
11歳の時にギターをチョイスした自分は
正解だったねと言ってあげたい。
若い時の夢だったプロ・ミュージシャンには
なれなかったけど、それは自分の
才能とセンスと努力の不足だということは、
十分わかっている。
それでも、プロにはならない(なれない)と
決めた時からも、ずっとプロ並みの
演奏を目標にして続けてきた結果、
少しはまともなギターを弾けるように
なってきた(と思う)。
と言っても、まだまだ自分でも
100点には程遠いのだけど。

プロとアマの間には、
楽器を演奏したことがない人には
想像できないような深い深い溝がある。
越えられそうで決して
越えられない溝がある。
その溝が見えた人は、プロになることを
潔く諦められるのだと思う。
その溝が見えない人は、
知らないうちにその溝を超えているか、
溝の存在さえ気づかずに自分がプロに
なれると勘違いしているかのどちらかだと思う。
私もずい分長い間、勘違いしていたくちで、
今となっては恥ずかしいのだけどね。

ライヴに話を戻そう。
明は音楽的にだけではなく、
人間的にも とても魅力のある人で、
なおさら、一緒に音楽を奏でることに
幸福を感じる。
それは回を重ねるごとに深まっていく感じ。
リハーサルで彼の歌を聴けることさえ、
特権に感じてしまう。

また、演りますので、今回来られなかった方も
ぜひお出で下さい。
詳細決まりましたら、発表します。


[ SETLIST ]
- 1st show -
1. All Around Me
2. Sweet Memories
3. パレード
4. Here There And Everywhere
5. Pink and Blue
6. A Song For You
- 2nd show -
1. Voices
2. Sunny
3. 猫の街 (明オリジナル)
5. Fly Me To The Moon [アカペラで]
6. あきらとしんやのテーマ(つつみオリジナル/インスト)
7. Stay with Me Tonight(つつみオリジナル)
8. 気絶するほど悩ましい
9. New York State Of Mind
- EC -
1. This Masquerade
2. 虹職人 (明オリジナル)

[ MEMBERS ]
和田明 (vo, gt, cajon)
つつみしんや (gt)
Guest : 麻生博文 (b) (This Masquerade)

@ bar dAZE(原宿)


(2018.3.10 写真追加)







2018.3.5

小坂忠
「HORO 2018」Special Live


先日、小坂忠について書いたが、
そのライヴに行ってきた。

今日のライヴは、1975年のアルバム
『HORO』の全曲演奏という企画。
それだけだと9曲で40分足らずで
終わってしまうというので、
MCを入れながら60分ほどかけて演奏。
アンコール3曲を入れて80分弱かな。

小坂忠は、アルバム『HORO』の
ジャケットを思わせるレンガ色の
スーツで登場。
ちょっと横山剣を思い出すような
ダンディな印象。

先日のエントリーに
「昨年8月に緊急入院・手術ということが
あったようだ」と書いたけど、
今日のご本人の話によると、
病名は言わなかったけれど、
10時間に及ぶ大手術だったらしい。

でも、歌声を聴く限り、
そんなことは感じられなかった。
生死の境を見るような体験をした人は、
それまでと何かが違っているんだろうな、
彼の歌を聴きながらそんなことを思った。

さかんに「生かされている」というようなことを
言っていたけど、それはクリスチャンだから
というだけではないような気がした。

曲は、『ほうろう』『ゆうがたラブ』
『しらけちまうぜ』も良かったけど、
レコードよりややスローな
『機関車』が一番良かったな。
この歌、歌詞の意味、よく分からないのだけど、
たぶん物凄いラヴソングなんやと思う。

アンコールは、カヴァー3曲。
Billy Preston の "You Are So Beautiful"、
坂本九の "上を向いて歩こう"、
Bob Dylan の "Forever Young"。
"You Are So Beautiful" も良かったなぁ。

メンバーは、ベテランばかり。
ギターは、75年のアルバムでも
プレイしていた鈴木茂。
職人です。
使用ギターは、テレキャスター、
SSHのストラトキャスター、
P-90の付いた ファイアーバード。
2曲目だったか、ボリュームペダルの
糸が切れるというトラブルが発生したけど
すぐに処置がされた。

ドラムは、Simply Red のメンバーでもあったし、
2012年には、Char とジャック・ブルースとの
トリオでも観た 屋敷豪太。

ベースは、サディスティック・ミカ・バンド、
カミーノの小原礼(66歳。見た目若い!)

キーボードは、最近 Charさんとも
演っている Dr.kyOn 。

もう一人、キーボードに斎藤有太。
この人、ずい分前に佐橋佳幸さんの
ライヴで観たことがあって、
いいなぁと思った覚えがある。

コーラスの アイサ は、
ブレッド&バターの岩沢幸矢の娘。
なんか、地に足が付いてるって感じの人。

やっぱり観に行って良かったわ。


[ MEMBERS ]
小坂忠 (Vo)
鈴木茂 (G)
小原礼 (B)
Dr.kyOn (Key)
屋敷豪太 (Dr)
斎藤有太 (Key)
Aisa (Cho)

@ Billboard LIVE TOKYO
2nd Show

[ SETLIST ]
1. ほうろう
2. 機関車
3. ボンボヤージ波止場
4. 氷雨月のスケッチ
5. ゆうがたラブ
6. しらけちまうぜ
7. 流星都市
8. つるべ糸
9. ふうらい坊
EC
1. You Are So Beautiful
2. 上を向いて歩こう
3. Forever Young







2018.3.8

OZ NOY “OZONE SQUEEZE”
featuring RAI THISTLETHWAYTE
& DARREN STANLEY


Oz Noy のニューアルバムは、
なんと歌入りポップス・アルバム
『OZONE SQUEEZE』
これが良い!
昨年、Kurt Rosenwinkel が発表したアルバム
『Caipi』も同様に歌入りだったけど、
残念ながら私はあんまり良さが分からなかった。
でも、Oz Noy のニューアルバムは、
単純に楽しめる。
ビートルズの "Come Together" や
ボブ・マーリーの "Waiting In Vain" の
カヴァーの他、ジャズ・スタンダードの
"Skylark" が、斬新なアレンジで
生まれ変わっている。

特にご機嫌なのは、"Chase the Clouds"、
"Supernatural Man"。
カッコええ!
ヴォーカルの Rai Thistlethwayte
(レイ・ディットゥルスウェイ)の声も良い。
そして、Oz Noy のギター・ソロ!
クゥ〜ッ!

これは、ナマで聴かねばと思い、
ライヴに行ってきた。
Oz Noy のライヴは、2011年12月
2014年8月に続いて3度目。
前2回は、ベース、ドラムとのトリオだったが、
今回は、キーボード・ヴォーカルの
Rai Thistlethwayte とドラムの
Darren Stanley とのトリオ。
3日間公演、初日の 2nd ショー。

ライヴは、超ゴキゲン!
Rai は、ヴォーカルと右手エレピ、
左手ベースでひとり三役。
エフェクトを駆使した Oz のギターと
合わせてトリオとは思えないサウンド。

曲は、アルバム『OZONE SQUEEZE』から
8曲中6曲をプレイ。
それ以外にインスト2曲("Flashback"、"Come On")。
天気のせいもあったのか、
お客さんがちょっと少なめだったのは、
もったいない。
あと2日間あるので、もう一度観ても
いいぐらい。

Oz は、赤紫みたいな色のストラト。
アンプは、VOX とローランドの Blues Cube。



足元のエフェクト群。



足元と手元で、しょっちゅう音色を
変えていた。
ある意味、マジシャン。


[ MEMBERS ]
Oz Noy (g)
Rai Thistlethwayte (vo,key)
Darren Stanley (ds)

[ SETLIST ] たぶんこうだったと思う
1. Flashback
2. Come Together
3. Chase the Clouds
4. Supernatural Man
5. I'm Gonna Be (500 Miles)
6. Come On
7. Ebony Eyes
EC. Waiting in Vain

@ Cotton Club
2nd Show




Ozone Squeeze - Supernatural Man





2018.3.9

アマチュアとプロフェッショナル

最近、毎日のようにチェックしているブログに
「JAZZ GUITAR BLOG」があるのだが、
興味深いエントリーが多く、ためにもなる。

少し前のエントリーだが
「アマチュアとプロフェッショナルの違いとは」には、
唸らされること、耳が痛いこと、
なるほどと気付かされることが書いてあった。

例えば、

アマは何かを達成したらそこでやめる。
プロは最初の達成が
はじまりにすぎないことを知っている。


とか

アマは最初の失敗であきらめ、
自分が落伍者だと決めつける。
プロは失敗を成長と熟達への道筋の
一部であると捉える。


とか

アマは良い結果を生み出すと
それが自分の才能のおかげだと考える。
プロはそれが幸運の産物であると考える。


とか

アマチュアは願望ベースで考え、プロは
冷静に現実を見てそれに対処する術を模索する。
アマは傷付くことを恐れ、
自分と正直に向き合うことを恐れる。


とか。


プロの中にも、音楽を音楽としてではなく、
例えば有名になる手段であったり、
エゴの満足の道具としている人も
いないわけではなさそうだが、
私が、最近の自分の演奏から
感じとているのは、音楽とエゴの
バランスの悪さだ。

生きている限り、エゴはあるのだから、
エゴを全否定したり、ないもののように
抑え込むのは、それはそれで次なる問題を
生み出すのは知っている。

エゴが、良い音楽を生み出すことに
役立っているのか、それとも、
音楽を台無しにしているのか、
大事なのは、そのバランスだと思う。

ここぞという場面でトリッキーなフレイズ
(というほどのものでもないねんけど)を
入れてみたりする時、私の場合、
後でその演奏の録音を聞き直すと
十中八九は、「余計なことをしたな」
と思わざるを得ない。
もちろん、たまにカッコよく出来たと
満足出来ることもあるが、大体は良くない。
特に本番。

そして、もっと深く観てみると、
そのフレイズ自体が良くないわけではない。
その時、自分が「それを何のために弾いたか」が
その良し悪しを決定しているように思う。

例えば、「弾かない」という選択は、
非常にレベルが高いと思う。
人の話を黙って聴き続けるのが
難しいのと同じくらい。
「この人は、ただ話を聴いて欲しいだけなんだ」と
知っていても、つい、自分の考えや意見を
言いたくなるだろう?
同様に演奏中に弾かないというのも
自分をコントロールする高い能力と
音楽を深く知っている知恵と
音楽へのコミットが求められる。
「弾かない」のが音楽のためであったとして
「弾いてしまう」のはエゴであることが多い。

先に「自分がそれを何のために弾いたか」と
書いたが、同じフレイズを弾いても
「音楽のために弾いた」のと
「自分のため(自分がええかっこしたいため)に
弾いた」のとでは、全く違う。
それは、聴いている人にも
伝わるんじゃないかと思う。
それぐらい人間は繊細な感性を
持っているように思う。





2018.3.10

夢をあきらめない

3月は、卒業式のシーズン。
愛知県の70歳の大久保さんという男性が
定時制高校を卒業したニュースを
テレビで観た。

大久保さんは、事業を経営していらしたが、
66歳の時、一線を退き、残りの人生を
どうしようかと考えた時に、
どうしても高校に行きたくなったという。
学歴はどうでも良かったが、
中卒で学力がないために人生で
何度も恥ずかしい、悔しい思いを
してきたのだという。

友達は「今さら、高校に行って
何になる」と言った。
でも、それで諦めてしまえば、そこまで。
どうしても高校に行きたかった
大久保さんは、近所の学習塾に通い、
高校を受験し、見事に合格した。

それから4年経ち、
卒業式に臨む大久保さんの
晴れやかな笑顔は、
言葉で言い表せないほど
美しい人間の姿だった。
年下であろう校長先生(?)から、
卒業証書を授与される70歳の卒業生。
ニュースを見ながら思わず落涙してしまった。

ニュースでは、一部しか紹介されなかった
大久保さんの作文の全文が、NHKのサイトに
アップされていた。
素晴らしいので、ぜひ読んで下さい。

夢をあきらめない 四年生4番 大久保雅弘

年齢のせいになんかでけへんな。




AER Bingo U
たかがスポンジ、されどスポンジ


2005年に購入した AER というメーカーの
ギターアンプ "BINGO U"(Made in Germany)。
ライヴやイベントで時々使用しているが、
AAD の "CUB" を買ってからは、
出番がすっかり減ってしまっている。
ギターとマイクを入力したい時には、
"BINGO U" を使うけれど、
ギターだけの時は、 "CUB" の方が
小さくて軽量なので持ち運びが楽なのだ。
ただ、 "CUB" には、リバーヴが付いておらず、
別に持っていかなければならないのが面倒だけど。

"BINGO U" は、現在は、商品名が変わり、
"Compact 60/3" というのが
その後継機種となっている。
プロでも使っている人が多く、なんと
トミー・エマニュエル・モデルも出ている。
これは通常モデルよりちょい高だが、
DIアウトからはエフェクトがかかっている状態での
出力が可能になるなどの改良点があり魅力。

さて、私の "BINGO U" だが、
購入から13年近く経ち、フロントの
スポンジ(グリル・ガードというらしい)が
ボロボロになってきた。



触ると、ボロボロと粉のようになって
崩れてしまうのだ。
ああ、無常。





"BINGO U" の中古品の多くが
このグリル・ガードが欠品しているようだが、
そういう事情なのだな。

このグリル・ガードだけ売っていないかと
ググったところ、「AER」の文字の入った
純正品(?)を見つけたけれど
6,480円もする。高!
「AER」の文字が入っていなくてもよいから
安いものはないかと探したけど、
これがありそうでない。
スポンジのメーカーのサイトも見たけれど、
売っているものが大きすぎて、
また欲しい大きさに加工してもらうと
加工賃もかかって余計に高くなる。

同じ問題にぶち当たった人は、
やはり今までに何人もいたようで、
ホームセンターで売っている、
薄いスポンジを切って代用したという
ブログを発見した。
それなら1,000円でお釣りがくる。
音も変わらない、と書いてあった。
仮に多少変わったとしても、
たぶん、私の耳では分からないだろうと
思ったが、もっと調べていくと
スピーカーに使われるスポンジでは、
なんでも良いわけではないことも
分かってきた。
そうなると、気持ちの問題だけど、
ホームセンターのスポンジでは、
気に入らなくなってきてしまった。
(もしかしたら、同じかもしれないのに)

グリル・ガードなしで使うということも
考えたが、それもイヤなので、
結局、6,480円+送料で、
「AER」のロゴ入りのグリル・ガードを購入。
高くついたけど、これがダメになるのは、
また10年以上先だから、まあいいやと思って。



生まれ変わった My BINGO U。







2018.3.10

JEFF BECK
STILL ON THE RUN
THE JEFF BECK STORY


エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、
ロッド・スチュワート、ロニー・ウッド、
デヴィッド・ギルモア、スラッシュ、
ヤン・ハマー、ヴィニー・カリウタ、
タル・ウィルケンフェルド、
ロンダ・スミスらが、ジェフ・ベックという
ギタリストについて語るという内容のDVD
スティル・オン・ザ・ラン
ジェフ・ベック・ストーリー』
が発売された。

日本版は、テレギブの FENDER 公認
フィギュアとボーナス・ディスク
(2007年のモントルー・ジャズ・フェスの
ライヴ 7曲)が付いて、
DVD が 10,260円、Blu-ray が 10,800円。
ちょっとお高いが、Amazon で 発売前に
DVD を予約したら 7,828円だった。
今日 見たら、10,260円になってた!

これ、テレギブのフィギュアで3,000円以上は、
高くなってるような気がするなぁ。
たぶん初回限定生産とあるので、
後々フィギュアの付いてない、
通常盤がもうちょっと安く出回るんやろな。

テレギブというのは、セイモア・ダンカンが、
改造したギターで、FENDER の
テレキャスターに GIBSON の
ピックアップが 2基搭載されたもの。
1975年のアルバム『Blow by Blow』の
『哀しみの恋人達(Cause We've Ended as
Lovers)』で使用されたことで有名。

これが、おまけのフィギュア。



背景は、DVDのジャケット。
すごく良く出来ている。



大きさは、こんなんですう!



あれ、このパターン、どっかで知ってるぞ。
(→ これだ。

さて、DVD の内容は、中々に興味深いもので、
ジェフがいかに、他のミュージシャン達から
尊敬されているか、ミュージシャンとして、
いかにレベルが高いかが、
色んな人の口から語られる。
まさにミュージシャンズ・ミュージシャンである。

ロッド・スチュワートとのバンドが
短命に終わり、BBA も長続きせず、
結局、ジェフはシンガー抜きで、
ギターのみの孤高の世界を確立していく。
それは誰にも真似のできない世界。
ストラトキャスターを操らせたら、
世界一だということは、誰もが同意するだろう。

ジョー・ペリーの「ジェフのショーを観たら、
早く帰って練習しようと思う」という言葉が、
なんか微笑ましかった。

あと、ジミー・ペイジと「移民の歌」を
共演するシーンが少しだけ映るのだが、
その時の嬉しそうなジェフもとても印象的。

この DVD ではないけど、
以前、Char さんが ジェフんちに
遊びに行って、セッションをしたときに、
ギターを弾くジェフは、
まるで中学生のようだったみたいなことを
言ってたけど、ジェフのそんな純粋さが
音楽をあの高みにまで
持って行っているんだろうと思う。

エリック・クラプトンは、
ジェフの演奏の後に出番があって
(あんな名演の後に演るのは)イヤだった、
と言っていた。

あと、ヤン・ハマーの見た目、
ただのおっさんぶりにもちょっと驚き。

おまけのライヴ DVD は、ベースが
タル・ウィルケンフェルドの時のもので
とてもよろしい。





2018.3.10

LEGENDS
Live at Montreux 1997


久しぶりに家でゆっくり DVD 鑑賞。
先日、友人と話題になったので
『LEGENDS : Live at Montreux 1997』
観直すことにした。

『LEGENDS : Live at Montreux 1997』は、
エリック・クラプトン、スティーヴ・ガッド、
マーカス・ミラー、ジョー・サンプル、
デヴィッド・サンボーン という
5人によるバンドのライヴ映像作品。

タイトルの「1997」を観て、
(21年も前?そんなに昔やったかなぁ)
と思った。
ライヴ映像は、97年7月4日の
モントルー・ジャズ・フェスティヴァルでの
演奏だが、この DVD が発売されたのは、
2005年だったのだな。
それでも、もう13年前だけど。

Amazon のレビューを見ると
やれ「一体感がない」だの
「息が合っていない」だの
「まとまりがない」だの
「クラプトンの調子が悪い」だのと
書いている方々がいるが、
私は、このプロジェクトは、この5人が
一緒に演奏しているというだけで、満足だ。

確かにスリリングさには欠けると言えるし、
クラプトンのミス・トーンも残念だ。
しかし、彼らのスーパー・プレイを
聴きたいなら、それぞれの作品を聴けば良い。
演奏の中身ではなく、所々の音のバランスの悪さは、
ちょっと何とかしてほしかったけどね。

ジョー・サンプルは他界してしまい、
この5人が一緒にステージあがることは
二度とないわけで、そういう意味でも
非常に貴重は「記録」ともいえる。
このプロジェクトのあと、
ジョーとガッドは、クラプトンのバックを
長く演ることになるし、
マーカスのアルバムで、クラプトンは、
『シルヴァー・レイン』を歌う(共作)し、
それぞれの関係は発展していくのだな。

色んなインタビューや記事を読んでいると
クラプトンは、謙虚というより、
結構なコンプレックスを持っているんじゃないかと
思ってしまう。
このプロジェクトだって、
一流のジャズ・メンと一緒に演ることは、
彼にとってはプレッシャーだったんだろうと
思われる言葉を残している。

DVD では、クラプトンが歌っている曲より、
インストの方が、このバンドならではなので好きだな。
確かにこのメンツによる "Layla" も面白いけど。
私がベスト・トラックを選ぶなら
美しい "Ruthie"(クレジットがないので誰の曲か
分からない)と、ステージの後半、それぞれのソロが熱い
"Put It Where You Want it"(クルセイダーズのナンバー)
(マーカスはスラップのソロをしながら
チューニングしてますぜ)の2曲。

ライナーノーツによると、このツアーはヨーロッパの
ジャズ・フェスを廻る11日間のツアーで、
モントルーがその初日であったらしい。
オフィシャル作品は、これだけなのだが、
別の公演のブートレッグ(CD)もあるようなので、
聴いてみたい。


[ MEMBERS ]
Eric Clapton (guitar / vocals)
David Sanborn (saxophone)
Joe Sample (piano / keyboards)
Marcus Miller (bass / bass clarinet)
Steve Gadd (drums}

[ 曲目 リスト ]
1. Full House
2. Groovin’
3. Ruthie
4. Snakes
5. Going Down
6. The Peeper
7. In Case You Hadn’t Noticed
8. 3rd Degree
9. MEDLEY : 1st Song / Tango Blues
10. Put It Where You Want it
11. Shreeve Port Stomp
12. MEDLEY : In A Sentimental Mood / Layla
13. Everyday I Have The Blues





2018.3.12

15時17分、パリ行き
THE 15:17 TO PARIS


1月5日の『私が殺したリー・モーガン』以来
なんと今年2本目の映画。
2ヶ月以上も映画を観に行かなかったのは、
10年以上ぶりやないやろか。
今年は、なんだかバタバタしてて
行く機会を逃していた。
今日は「観るぞ!」と決めて、2本観賞。

まずは、クリント・イーストウッド監督の
『15時17分、パリ行き』。
アカデミー賞に何もノミネートも
されていないのかと思ったら、
米国でも今年公開の作品だった。

「列車の中でテロが起こる」ぐらいの
予備知識しか持たず、
実際にあった事件だとも知らずに観始めた。
(2015年8月21日 タリス銃乱射事件)

以下、ネタバレ含む。

簡単にまとめると、子供の頃からのアメリカ人
仲良し3人組が、ヨーロッパの旅に出て、
アムステルダム発パリ行きの高速鉄道
タリス内で無差別テロに遭い、銃を持つ
テロリストに素手で立ち向かい、
やっつけて乗客を救った、という話。

ところが、映画が始まっても、
主人公たち(3人)の子供のころからの
エピソードが続き、中々事件が起こらない。
テロが発生するのは、映画が始まってから
1時間以上経ってからだ。(映画は94分。)

そのせいで、この映画の賛否が分かれている。
テロリストと戦うアクション映画を
期待していた人達には、不評のようだ。

私は言いたい。
クリント・イーストウッドでっせ。
今年、88歳やで。
この数年、彼が撮ってきた映画を考えれば、
そんなただの娯楽映画的なハラハラドキドキの
アクション映画を作るわけがない。

「面白くなかった」というレビューを
書いている人は、残念ながら、
悲しいほど、この映画のポイントを
見落としているように思える。

3人は子供の頃、たびたび校長室に
呼び出されるようないわば問題児だった。
3人組の一人、スペンサーは軍隊に入るが、
自分の行きたかった部隊には入れなかった。
いわば落ちこぼれだ。
しかし、気が進まないままに配属された先で、
訓練され身に付けたことが、見事に
テロリストとの戦いと負傷した人の救助に
役立つという伏線になっている。
また、バカと言われるほど、
勇敢で正義感が強かったことも
描かれている。
子供の頃、問題児であろうと、
どこかで希望の道に進めなくても、
何一つ無駄なことはないのだと
教えてくれているようなストーリーだ。

この前半があってこそ、彼らがテロと
戦ったことが意味を持つのだと思う。
そうでなければ、ホントに
ただのアクション映画として、
列車の中の出来事だけを描けばよい。

後半、事件解決後、
フランソワ・オランド大統領が登場し、
彼らに勲章を授けるシーンあたりで、
やっと(これ、もしかしたら実話?)と気付いた。
最初に「Based on a True Story」と
出たのを見逃したのかもしれない。

それでも、オランド大統領は
そっくりさんだと思っていた。
そのあと、最後に3人が地元をパレードする
ニュース映像が流れる。
そこに映るご本人たちを観て、
(またえらい よう似た役者、探してきたなぁ)と
思ったら、なんと!
3人とも、ご本人がご本人役を演じていたのだ!

よう、そんなんで映画撮ったなぁ、
クリント・イーストウッド。
こんな映画は、前代未聞やで。
でも、この3人がとても素人とは、
思えない演技なのだ。
スゴイよ。

テロリストは、300 発近くの弾丸と
たくさんの銃を持っていたらしく、
もしかしたら、彼らがいなかったら、
大惨事になっていたかもしれない。

どういうわけか、エンドロールで、
意味の分からない涙が止まらなかったよ。


★★★★★




シェイプ・オブ・ウォーター
THE SHAPE OF WATER


2本目は、アカデミー賞 作品賞、
監督賞(ギレルモ・デル・トロ)、作曲賞、
美術賞の4部門で受賞。
主演女優賞(サリー・ホーキンス)、
助演男優賞(リチャード・ジェンキンス)、
助演女優賞(オクタヴィア・スペンサー)、
脚本賞、撮影賞、編集賞、衣装デザイン賞、
録音賞、音響編集賞、とノミネートは9部門。

そんな話題作で期待したけど、
ちょっと、これは私にはハマらなかった。
こういうの好きな人は、
大好きなんでしょうけどね。

アマゾンの半魚人と人間の女性の
ラヴ・ストーリー。
完全にファンタジー。
しかも大人の。
セックスシーンにボカシが入って、
R15+ 指定なのだけど、
性的な描写をなしに子供でも観られるように
作ってしまうと、これはディズニー映画に
なってしまうわな。

以下、ネタバレ。
ファンタジーやから、突っ込んだら
あかんのやろうけど、陸の生活が続き、
衰弱した半魚人が、海に帰ろうとしたところで、
ピストルで撃たれる。
死んだのかと思ったら、立ち上がり、
手を当てるとみるみるピストルに
撃たれた傷が治ってしまう。
そんな力残ってるんやったら、
なんで、あんなにウロコがボロボロ
剥がれるほど衰弱しててん、と
突っ込みたくなった。

でも、半魚人は(特に顔)上手く
出来てたし、半魚人に恋をする主人公が、
どんどん艶っぽくなっていく様は、
良かったよ。
後半のミュージカル展開は、
唐突に感じたけど。


★★★★☆





2018.3.13

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス
MAUDIE


モード・ルイスというカナダの実在した
画家のことを描いた映画、
『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』

主役 モード役にサリー・ホーキンス。
昨日観た『シェイプ・オブ・ウォーター』でも
主役を演じており、アカデミー書主演女優賞に
ノミネートされていた、サリー・ホーキンスだ。

まさか、同じ女優の主演作を2日続けて
観るとは思っておらず、映画が始まっても
すぐにはサリーだとは気が付かなかった。
それは、この映画は数か月前に予告編を
観た時に、観ようと決めていて、
出演者を気にしていなかったこともあるし、
サリーのことをよく知らないということもあるが、
彼女の演じるモードが、
『シェイプ・オブ・ウォーター』のイライザとは
あまりにも違うキャラクターだったと
いうことも大きい。

始まって、数分してから、
(あれ?この人、昨日の人?)と思ったが、
それでも、自信を持てなかったほど、
別人を演じていた。

そして、モードの夫エベレット役に
イーサン・ホーク。
いいねぇ、イーサン。

美しい映像、
美しい音楽、
美しい物語、
それに良い役者が揃えば、
良い映画なのだな。

予告編だけで、良い映画を十分に
感じさせてくれていたが、観ても正解。
私としては、本作が主演男優賞、
主演女優賞ものだった。
アカデミー賞にはノミネートされていないけど、
あちらこちらの映画祭で観客賞を
受賞している。

音楽も良かった。
昨日観た『シェイプ・オブ・ウォーター』は、
作曲賞も受賞しているけど、
あんまり音楽が印象にない。
比べる必要はないねんけど。

さて、ストーリー。
孤児院で育った無骨な男エベレットが
家政婦を募集する。
その募集を知ったのが、
子供の頃からリュウマチを患い、
手足が不自由で、家族からも
厄介者扱いされてきたモード。
最初は、モードに冷たく当たる
エベレットだが、徐々に2人の関係は
変わっていき、やがて結婚する。
このエベレットの変化が良い。

モードが趣味で描いていた絵が売れ始め、
話題になり、テレビにも出演し、
ニクソン大統領からも注文が来るほどになる。
エベレットは、絵を描くモードを
支え続けるのだ。
この2人の暮らしが、何ということは
ないのだけど、心に沁みる。
2人の関係の変化が、細かいところに
表現されていて素晴らしい。

劇中のセリフにもあるが、
モードの絵は子供でも描けそうだ。
だが、描けない。
ましてや、大人はこんな絵は描けない。

彼女は、絵を売ろうとか思っていなかった。
ただ、描きたいものだけを描きたいように
描いていた。
その才能を見抜く人が現れるのだな。

彼女は、1970年に67歳で亡くなった。
現在では、彼女の絵は 500万円の値が付くという。
それはそれで、複雑な心持になる。
だって、2人はガスも水道も来ていない
小屋で質素に暮らし続けたんだもの。
別に派手に暮らす必要はないけどね。

モードの絵







プリントだけど、部屋に飾りたくて
1枚買いました。(A4サイズぐらい)




★★★★★





2018.3.14

STRATOCASTER
ストラトキャスター


年と共に、好きなギタリストが
増え続けていて、困ります。
別に困らんでもええねんけど。

この10年以内なら、初めてナマで聴いた時の
Kurt Rosenwinkel や Tommy Emmanuel は、
強烈に衝撃的だった。
先日の Oz Noy も良かったし、
昨年は、Julian Lage を2回観たけど、
2回とも もの凄く良かった。
例えば、こういうの 聴くと、私は
もうどうしてよいのか分からなくなる。

Julian Lage - "Look Book" (Live in Nashville)

それから、最近知ったこの人。

Nir Felder - Bandits (live @Bimhuis Amsterdam)

こういうのも好きやなぁ。
もう JAZZ とちゃう。
ジャンルなんかどうでもええよね。

それにしても、最近、JAZZ 系でも
ストラトキャスターを使う人増えたような気がする。
20〜30年前は、JAZZ・FUSION 界で
ストラト使う人って
あんまりおれへんかったと思うねん。

先日、観た Oz Noy も、前述の Nir Felder も、
最近の Adam Rogers も ストラト。
まあ、故 Hiram Bullock、Michael Landau、
Wayne Krantz、Scott Henderson あたりは、
ストラトのイメージが強いけど、
ちょっと最近の傾向はそれらの人達とは、
違うタイプの人達がストラトを
使い出しているような気がする。

Fender 系ということに範囲を広げれば、
Mike Stern や 故 Cornel Dupree は
ずっとテレキャス(or テレキャス・タイプ)。
そして、Julian Lage や Bill Frisell も
テレキャス(or テレキャス・タイプ)を
使うことが多い。
Robben Ford や John Scofield も
テレキャス使うしね。

こういう現状は Gibson 社の経営の
行き詰まりと関係ないだろうかね。
考えすぎ?

ところで、新しく出た Eric Jonson モデルの
ストラトが欲しい。



Eric Johnson - Stratagem

Michael Landau モデルぐらい高かったら
(約100万円)、諦め付くけど、
手が届く範囲(27万円程度)というのが悩ましい。
これで、JAZZ を弾いてみたいなぁ。
ろくに弾けないけど。





2018.3.15

LEGENDS
Bootleg


1997年に期間限定で結成された、
Eric Clapton、 David Sanborn、
Joe Sample、 Marcus Miller、
Steve Gadd によるスーパー・バンド
"LEGENDS" 。

いくらスーパー・バンドとはいえ
自分たちのことを「LEGENDS(伝説)」と
呼ぶのはいかがなものか、
という意見もあったようだが、
名付け親のジョー・サンプルによると
自分たちを育ててくれた、
自分たちにとってのレジェンズ、
すなわちチャーリー・パーカーだったり、
ジャコだったり、そういう偉大な先達に
リスペクトと感謝をこめて
レジェンズという名前にしたらしい。
つまり、自分たちを指していたわけでは
なかったのだな。

さて、"LEGENDS" によるライヴは、
1997年、ヨーロッパで11公演行われたようだが、
公式に発表されているのは、初日、
モントルー・ジャズ・フェスでの
ライヴ DVD のみ。
もちろん、スタジオ録音作品はない。
DVD のことは、先日書いた通り

モントルー以外のライヴも
ブートレッグで出回っているようなので、
ぜひ、聴いてみたと思ってググっていると、
モントルーの翌日、フランスのヴィエンヌでの
公演を収めたブートレッグ(CD)を発見。
モントルーは、初日だったので、
多少のぎこちなさがあったのかも
しれないが、こちらはリラックスした中にも
凄まじいプレイが収められているとのこと。
う〜む、聴いてみたいが、5,500円。
高いなぁと思っていると、
ほかのショップで、3,800円で発見。
さすがにブートレッグ、値段も勝手に
決めて売られているようだ。

そして、また別のショップで
なんとヨーロッパに行く前にハリウッドで
行われたセッション(リハーサル?)の
音源を発見。
ライヴでは演らなかった曲も
収められている。
これは、聴かねばと注文。
こちらは、1,880円。

というわけで、両方入手。

まずは、フランスのヴィエンヌでライヴ。
DVD に収録されたライヴの翌日ということだが、
宣伝文句通り、こちらの演奏の方が、
勢いがあるというか、
伸び伸びしているというか、
ゴキゲン度が高いように思う。
やはり、2日目になり初日の固さが
取れたということなのだろうか。
曲目は、DVD と全く同じ。

オーディエンス録音だが、音質、
バランスもそれほど悪くない。
もちろん、オフィシャルの音源とは、
比べられないが、ブートレッグは、
たまに最低な音源もあるので、
そういうのに比べれば、十分許容範囲。



スタジオ・セッションの方は、
1997年 6月にハリウッドのS.I.R.スタジオで
行われたというセッション。
さすがにスタジオでちゃんと録音された
だけあって、クリアで聴きやすい。
でも、多少ラフな仕上がり(演奏ではなく録音)の
印象があるのは、やはり CD にするほどの
手間暇をかけたマスタリングではないからかな。
にしても、これはお宝音源だ。
ただ、全16曲中 David が2曲しか
吹いていないのは残念だ。
そのせいで、カラオケっぽいパートも
何か所かある。

とはいうものの演奏は、
落ち着いた感じだで、
十分に鑑賞に値する。
細かいところがキッチリと
出来上がってないところが、
リハーサルらしくて、また良い。

なにしろ、ライヴでは演奏されなかった
"Silver Rain" や "I Got You I Feel Good"、
"Rock Me Baby" も収録されている。

"Silver Rain" は、2005年に Marcus Miller の
アルバムに収録され(Eric Clapton on vocal)、
私は初めて聴いたわけだが、それよりも
8年も前にこうやって演奏されていたのだ。
しかし、2005年にリリースされたヴァージョンに
比べると、手探り感が強くまだ完成とは言えない。
途中、Marcus が「Cm(シーマイナー)」とか
次のコードを言う場面もある。
エンディングも決まらない。
Eric でも Marcus でもない人も
歌っているように聞こえるが、
これは Marcus の声か?

"Rock Me Baby" は、このセッションのあと
"Everyday I Have The Blues" に
変更したんだろうな。

"I Got You I Feel Good" は、
David が登場しないので、
ほとんどカラオケっぽい。
David がメロディを吹く予定だったんだろうな。

"Full House"、"Groovin'"、"Ruthie" は、
2テイク収められているのも嬉しい。
(David が参加しているのは、
"Groovin'" のテイク2と
"Full House" のテイク2のみ。)
"Ruthie" はストリングスをかぶせた
ヴァージョンが入っている。
ライヴよりも Eric の音は好きだな。



ところで、ちょっと疑問がある。
公式にリリースされた DVD と
この2つのブートレッグで、
同じ曲なのに曲名が違うのだ。

DVD では、"Groovin’"、
"In Case You Hadn’t Noticed " と
なっている曲が、ブートレッグでは、
それぞれ "Marcus #1"、"Suggestions" と
なっている。
"Marcus #1" は、まだ曲名が決まって
いなかったのだろうかね。

また、アンコールで演奏される
Joe Sample のピアノ・ソロ曲も
DVD では、"Shreeve Port Stomp" と
なっているが、ブートレッグでは、
"Jerry Roll" なっている。

DVD のライナーノーツには、
Jelly Roll Morton の "Shreeve Port Stomp"
という曲だと書いてあったので、
どこかで、タイトルが "Jerry Roll" と
なってしまったんだろうか。
(Jelly Roll Morton は、1890年生まれの
JAZZ 初期の作曲家・ピアニスト。
1941年没。)

1枚だけなら、何かの間違いかと思うけど、
2枚とも同じように曲名が違うのだ。
もしかしたら、DVD が公式に出る前に
ブートレッグは出回っていた可能性があるので、
そういうタイトルになっているのかも知れない。

それから、YouTube で、
Vitoria-Gasteiz(Spain)での
ライヴ映像を発見!
7月17日とある。
ツアー初日のモントルーが、7月4日だったので、
これは、かなり後半でもしかしたら、
最終公演ぐらいだったかも。
なんと1時間50分、たっぷりあります。
まだ全部観てないけど、ゆっくり観よう。

LEGENDS Spain, 1997-07-17


― おまけ ―
Silver Rain (Marcus Miller, Eric Clapton on vocal)
Silver Rain - LIVE - Marcus Miller on vocal & bass





2018.3.16

あたり前田の

友人にもらったお土産。
なぜか九州土産。



あたり前田のクラッカー。
今でもあったんやなぁ。
何十年ぶりかに見たような気がする。
それとも、東京でも普通に
売ってるんやろか。

製造者を見ると大阪は堺市の
前田製菓(株)。
そうか、大阪の会社やったんか。
なんとなく納得。
ググってみると、やっぱりあった。

【懐かCM】年代不明 あたり前田のクラッカー

このテレビ CM、大阪ローカルかと思ったら、
山形育ちの妻が知っていたので、
全国に流れていたみたい。
調べてみると、『てなもんや三度笠』は、
大阪、朝日放送制作だったけど、
TBS系列で放送されていたようだ。

インスタにも写真をアップしたら、
「マヨ付けて食べてた」なんて
コメントが入ったよ。





2018.3.18

OMARA PORTUONDO
オマーラ・ポルトゥオンド


なんやろ、オマーラが歌い出して
2小節で泣けてきた。
ラテン音楽を聴いて、
心が浄化される体験なんて、
想像もしていなかった。

キューバの歌手、オマーラ・ポルトゥオンドは、
1930年生まれとあるから、Clint Eastwood や
私の父と同じ年で 今年88歳、米寿。
キューバに米寿はないやろけど。

オマーラのことは、2000年の映画
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』で知った。
そして、2013年の Buena Vista Social Club の
来日公演
で、数曲オマーラの歌を
ナマで聴いたのだが、彼女が登場しただけで、
ステージの雰囲気、世界が変わってしまう、
そんな存在感のある人だった。
あれから5年、再びオマーラの歌を
聴くことが出来た。

実は、オマーラのことは何も知らない。
5年前のライヴが強烈だったこと、
今年秋についにキューバへの旅行を
計画中であることなどから、
どうしても観ておきたくなった。
もう最後の来日かもしれないし。

今日のブルーノートは、超満員。
公演は、ブルーノート(1公演のみ)と
20日の EX THEATER(六本木)の2回のみ。

歩くのもやっとという感じで登場した
オマーラは、イスに座って歌ったが、
途中何度か立ち上がり軽く踊って見せた。

スペイン語は全く分からず、
キューバ音楽にも詳しくなく、
知っている曲は、超有名曲の
『ベサメムーチョ』ぐらい。
それでも、何度も何度も落涙した。

時々、こういうライヴに出会えるけど、
今日はその日。
オマールは、歌を唄っていない。
ただ、そこにいて、自分を表現している。
「琴線に触れる」とはこういうことを
言うのだろう。
陽気なラテンを聴きながら、
涙が流れてくる。
「キューバの至宝」と紹介されているが、
まさにそんな感じ。
その至宝が、わずか5メートルの
目の前で歌っている。
特にアンコールで、オマーラと目が合った
(と私は思っている)ままの数小節は、
強烈だった。
勝手に涙が出て、なんか分からん体験。
でも、こういうの、ビデオや CD では、
分からんのよね。
ライヴでしか味わえんのです。

話は、前後するが、
オマーラが、ステージに登場して
すぐ客席に誰か(知り合い?)を
見つけたようだった。
途中でその人(おじさん)が
ステージに呼ばれて上がった。
私は誰か知らない人だったけど、
シンガーのようで、
「いつもオマーラにステージに上がって
歌えと言われても、断ってきたけど、
今日は歌います。
シャルル・アズナヴールは、前回
最後の来日と言っていたけど、
94歳で今年も来日します。
オマーラの方が若いんだし、
また、来てくれるでしょう」
というようなことを言った後、
スペイン語で、オマーラに通訳し、
そして、歌い出した。
1本のマイクで、オマーラとの
デュオになったのだが、
これが素晴らしかった。
あのおじさんは、誰だろう?

今日のメンバーは、当初は全員
キューバからのミュージシャンだったが、
公演が決まったあと、ピアニストが
ロランド・ルナから、奥山勝に
変わったと発表があった。
(3月20日の公演にはロランド・ルナが
参加するようだ。)

「え〜せっかく聴くのに、日本人?」と
思ったのだが、そんなこと吹っ飛ぶような
素晴らしいピアノだった。
ああ、この人かなり本格的にラテンを
演ってきた人だなと思った。
帰ってから、調べてみると奥山さん
自身のプロフィール
にはこうあった。

YOSHIRO&東京サルサボール(SalsaBand)に参加、
過去3回にわたりUSAツアーを行う。
1997年から1999年まで「ブエナビスタ・
ソシアルクラブ」の女性歌手、
オマーラ・ポルトゥオンドの日本公演の
メンバーを務める。
1998年にはキューバの音楽祭
「キューバ・ボレロ・フェスティバル」に出演。


ひぇ〜!
オマーラのバックをすでに20年も前に
演ってたんや!
二重に驚いたのは「にもかかわらず」
オマーラは、奥山さんの名前を覚えていなかったこと。
「Piano Player!」と何度も紹介していたら、
しまいには、客席(飛入りで歌ったおじさん?)から
名前を教えてもらってたよ。
まあ、オマールにしたら外国人名だし、
覚えにくいのだろうけど。

奥山さん、きっと凄いプレッシャーだったろうな。
でも、ピアノ・ソロの時の
メンバーやオマーラの表情を観ていると、
とても嬉しそうだったので、
キューバ人にも認められるような
プレイだったんだろう。

歌い出しのキューを
(バンマスらしき孫ほどの年の)ベーシストが
オマールに出したり、歌詞もオマールに、
時々教えたりしているように見えた。
オマールは譜面台に歌詞置いてたんやけどね。
そういう「ちょっと大丈夫か」的な部分も
含めて、突き抜けたショーだった。
凄かったのは、オマールのロングトーン。
うそやろ? というほどの長いロングトーン。
声だけ聴いていると、とても88歳には思えないよ。

アンコール入れて、95分ほど。
これは、凄いもん観たよ。
次回来日があったら、必ず行くこと。(自分に)


[ MEMBERS ]
Omara Portuondo (vo)
奥山勝 (p)
Rodney Barreto (ds)
Gaston Joya Perellada (b)
Andres Coayo (per)

@ Blue Note Tokyo



なんとなく、いつものジャズのライヴとは
違う感じの客層。
2〜3曲目で手拍子が自然に「2-3」に
なっている人が多くいたのにも驚いた。
ラテン好き、キューバ好きな人ばっかり
だったんだろうな。
私と相席だった3人組のひとりは、
「死んだらキューバに散骨して」と
言ってるのが聞こえてきたもん。

(補足)
「2-3(two-three)」というのは、
クラーベといわれるキューバのリズムのこと。

前後の小節が入れ替わると「3-2」という。


(余談)
途中、登場したおじさんが
「シャルル・アズナヴールは、前回
最後の来日と言っていたけど、94歳で
今年も来日します」と言ったと書いた。
私も何かでその来日情報を見て、驚いた。
2016年、その「最後の来日」と言われた
公演を観に行った
からね。
93歳最後の公演(5月21日)を大阪で、
94歳最初の公演(5月23日)を東京で
行うとのこと。(誕生日は、5月22日)
凄いなぁ、94歳。
私にしたら、あと40年近くやれるっちゅうことや。


-----(2018.3.30 追記)-----
ブルーノートのサイトにセットリストが
アップされていたので、転載しておく。

[ SETLIST ] 2018 3.18 SUN.
1. NOCHE CUBANA
2. LO QUE ME QUEDA POR VIVIR
3. TAL VEZ
4. DUELE
5. DRUME NEGRITA
6. LAGRIMAS NEGRAS
7. PALABRAS
8. ADIOS FELICIDAD
9. BESAME MUCHO
10. DOS GARDENIAS
11. SI TE CONTARA
12. SILENCIO
13. LA SITIERA
EC. 20 ANOS





2018.3.19

blank13

『Cu-Bop across the border』という
キューバの音楽ドキュメンタリーが
観たかったのだが、 21:05 からの
上映だったので、何かもう1本、
時間的にうまい具合に観られないかと
調べてみると『blank13』という映画が
ちょうど良い。

本作のことは、知らなかったのだけど、
俳優の斎藤工が「齊藤工」名義で
初めて長編監督を務めた作品。
斎藤工が長男役、次男役に高橋一生、
父親役にリリー・フランキー、
母親役に神野三鈴。

どうしようもないダメ親父が借金を作り、
ふらっと失踪し、13年ぶりに居場所が
分かった時には、末期癌で余命3か月と
いう状態だった。
タイトルの「blank13」は、空白の
13年間を指す。

以下、ネタバレ含む。

ダメ親父のせいで、大変な苦労をした
母親を見てきた長男ヨシユキは、
父親を許すことが出来ず、
見舞いにもいかない。

次男のコウジもダメ親父のことは、
嫌いだったはずだが、父親との楽しい
思い出もあったコウジは、病院を訪ねる。
しかし、何も変わっていない父に幻滅する。

数カ月後、葬式に訪れたのは、
この数年間、ダメ親父が付き合っていた
一風変わった人達が数人のみ。

その人達の父の思い出話を聴き、
ヨシユキとコウジは、自分の知らない
父親を知ることになる。

葬式会場の隣の大きなお寺では、
奇しくも同じ苗字の人の葬式が
営まれており、大勢の人たちが
参列している。
ダメ親父の葬式には、ほんの数人。
葬式に参列する人の数が、
まるでその人の人生の価値のような、
始まり方をするが、映画を観終えると
そうではないことに気づく。

家族を捨てた、ダメ親父の気持ち、
喪服を着ても、葬式に参列しなかった
妻の気持ち、喪主の挨拶を途中で
投げ出さなければならなかった、
長男の気持ち。
最後に親父に小遣いをもらった、
次男の気持ち。
それら一つ一つ、どの人生も重く切なく、
そして儚いのだと考えさせられた。

音楽は、金子ノブアキ(映画にも出演)。
エンドロールに流れる 笹川美和 の歌う
『家族の風景』が良い。
この曲、ハナレグミ(永積タカシ)の曲で、
数ヶ月前にカー・ラジオから流れてきて
知ったのだけど、とても良い曲です。
ジーンときます。

斎藤工のことはよく知らないけど、
最近ではインディードの CM の印象が強い。
本作を見ての感想は、監督として
今後も楽しみと思った。
70分の短い作品だったが、短いとは
感じさせられず、言いたいことは、
十分伝わってきたという体験が残り好印象だ。
また、シリアスとコミカルのバランスも良い。

本作は、放送作家・はしもとこうじ氏の
実話を基にしているとのこと。

それにしても、リリー・フランキーの
ダメ親父ぶりは素晴らしい。
変な褒め方やけど。
『幼な子われらに生まれ』での
宮藤官九郎のダメ親父も良かったけど、
甲乙つけがたいダメっぷり。


★★★★▲


blank13




Cu-Bop across the border

昨日のオマーラ・ポルトゥオンドに
続き、今日も キューバ です。
日本・キューバ合作 音楽ドキュメンタリー映画
『Cu-Bop across the border』を観てきた。
明日のオマーラの EX THEATER での
公演は、この映画の公開記念コンサートという
位置づけのようだ。

この映画は、2015年に公開された
『Cu-bop CUBA〜New York music documentary』
に再撮影と再編集を施した新作ということだが、
そちらの方は、私は観ていなかった。
その2015年版は、高橋慎一監督が、
自主製作で大変な苦労をされ撮影したらしいが、
音楽ドキュメンタリーとしては、
異例のロングラン上映となったらしい。
その作品を観た、プロの映画関係者や
色んな人たちが、これは商業作品として
完成させるべきだと、高橋監督に進言したらしく、
それで、世界公開版を作ることになったと、
今日の上映後、挨拶に登場した高橋監督が
言っていた。

私は、音楽ドキュメンタリーを観ると、
とても観たいのに強烈な睡魔が訪れるという
変な癖があって、今日も映画が始まってすぐに
眠気が襲ってきたのだが、本作は、
3月18日から23日の6日間、
1日1回しか上映されない。
今日観ておかないと、もう一度、
観ることはできないかも知れないので、
必死で起きて観たよ。

アメリカに奴隷で連れてこられた黒人たちは、
ドラムを禁じられた。
そのおかげで、タップダンスが生まれたと、
ちょうど昨夜観た『情熱大陸』が、
タップダンサー熊谷和徳の特集で、
知ったところだったが、キューバに連れて
来られた黒人たちは、ドラムを禁止されなかった。
だから、アメリカ本土とは違う文化(音楽)の
発展の仕方をした。
というような、興味深い話から始まった。

キューバの音楽と聞くとラテン音楽の
ドキュメンタリーかと想像したが、
本作は JAZZ にスポットを当ていた。
タイトルの「Cu-Bop」は、
キューバのリズムとバップが結びついた言葉で、
1940年代の Dizzy Gillespie らの
ラテン・ジャズを指すが、
ただラテンのリズムだけをジャズに
取り入れたものとは一線を画するようだ。

映画は、キューバからアメリカに亡命した
ピアニスト、Axel Tosca(アクセル・トスカ)と
キューバに残り活動を続ける、キューバの
ナンバーワン・サックス奏者、
Cesar Lopez(セサル・ロペス)の
共演まで実現させる。

本作が撮影されたのは、まだアメリカと
キューバが国交を再開する以前で、
アメリカに亡命したアクセルを
キューバに入国させるのは、違法なルートで
しかも成功するかどうか五分五分の
賭けであったようだ。

そんな、キューバ愛と情熱一杯の映画だ。
高橋監督の想いのいっぱい詰まった
パンフレットは、劇中に収録されたライヴの
CD と 未公開シーンの DVD まで付いて、
2,800円というので、思わず買いました。
A4 サイズ 28ページで、、『Cu-Bop』完成秘話、
セサル・ロペス、アクセル・トスカへの
最新インタビューなどが収められている。
特に監督の完成秘話、ホントよく撮ったね。

映画の中で、素晴らしい "Moon River" を
ピアニストが自宅らしきところで弾く。
その人が、ロランド・ルナ。
昨日のオマーラ・ポルトゥオンドの
ライヴで当初予定されていたピアニスト。
明日の EX THEATER での公演には、
参加するらしいが、あの "Moon River" を
聴かされると、やっぱり聴きたかったなと思ったね。
昨日書いた通り、奥山勝さんも素晴らしかったけど。

2013年の Buena Vista Social Club は、
ピアノが ロランド・ルナ だったのだけど、
14名のバンドだったし、注意していなかったので
印象に残っていない。

ラテンだからか、彼らミュージシャンの苦悩は
深刻には描かれておらず、実際は色々もっと
大変なことがあったんだろうと 想像した。
映画は、演奏シーンが多く、
秋のキューバ旅行では、ぜひ、現地の
ジャズクラブに足を運びたいと思ったのでした。

それまでにキューバの歴史や文化について、
もっと勉強しなければ。


★★★★☆


[参考記事]
傑作音楽ドキュメンタリー映画の新作『 Cu-Bop across the border 』
2018年3月、東京から全国上映決定! 公開記念コンサートも開催決定!!






2018.3.20

リフレット(初)

指でギターの弦を押さえる板のことを
指板(Fingerboard)という。
その指板には、フレットという金属の
棒状のものが打ち込まれている。
押さえる位置によって、そのフレットが
弦を区切り、音程を決定する役目をする。
ヴァイオリンやヴィオラなどは、
そのフレットがないため、正確な位置で、
弦を押さえないと音程が狂ってしまう。

エレキ・ギターやスチール弦の
アコースティック・ギターの弦は、
金属製であるため、フレットは、
長年の使用で徐々に減ってしまう。

私の moon のストラトモデルのフレット。



フレットが、削れて減ってしまっている。
特に弦が当たる部分は、
溝のようにへこんでいる

こういう状態がもう少し進行すると、
音詰まりが起こり、演奏に支障を
きたすことになる。
フレットが減り過ぎると、
弦を押さえてもまともに音が鳴らないと
いう事態にもなる。

それで、このフレットを全部抜いて、
新しいフレットに付けかえる作業を
リフレット(Refret)という。
この作業は素人には難しく、専門の
リペアマンに依頼するのが通常である。

私は、今までギターを合計で30本ほど
所有してきたが、リフレットが
必要な状態まで行ったことがなく、
一度もリフレットしたことがなかった。
また、リフレットするほどではなくても、
波打ったフレットをフラットにする
「すり合わせ」という作業があるが、
それもやったことがなかった。

1985年にニューヨークで買ってきた、
St Blues の Bluesmaster が、
ちょっと弾きづらくなってきたので、
このたび、ついにリフレットを決意。
知る人ぞ知る 石井正人さんに依頼した。
石井さんによると、そのギターの状態では
すり合わせではなく、リフレットすべき
レベルということだった。

そのギターが、先日戻ってきた。
非常に丁寧な仕上げで満足。





リフレット前のフレットの写真も
撮っておけばよかったが、
そこまで気が回らなかった。

次は、上の(減ったフレットの)写真の
moon のストラトモデルの大幅な改造を
計画中なのだ。





2018.3.21

安ヵ川大樹
コントラバス ソロ&DUOライブ
スペシャルゲスト 吉田秀


クラシックでは「コントラバス」と
呼ばれているが、ジャズの世界では、
「ウッド・ベース(和製英語らしい)」
「ダブル・ベース」と呼ばれることが多い。
また「アップライト・ベース」と
呼ばれることもある。

安ヵ川さんは、「コントラバス」と
言われているようで、私も
「コントラバス」の方が「ウッド・ベース」
より格調があって好きだな。
たぶん「ウッド・ベース」は、
「エレキ・ベース」に対する呼称なんだろう。

そのコントラバスだけ(ソロや合奏)で
プレイされるライヴが、
時々あることは知っていたが、
なかなか観る機会がなかった。

今日は、ベーシストの古賀圭侑
(こがよしゆき・よっしー)の師匠である、
安ヵ川大樹氏のソロ&デュオ・ライヴがあり、
よっしーも出演するというので、観に行ってきた。

ゲストに安ヵ川さんの師匠でもある、
NHK交響楽団首席コントラバス奏者の吉田秀さん。
ジャズとクラシックのベース奏者のデュオという
珍しい組み合わせだ。

ハコは、初めて行く「音や金時」という
西荻窪の店で、予約を受け付けていないので、
直接行くしかない。

まあベースだけのライヴって、
どちらかというとマイナーだし、
今日は雨も降っているから、
余裕で座れるだろうと思い、
開演直前にお店に着くと、なんと満席!
立っている人もいる状態。
ひえ〜立ち見かぁと思っていると、
追加でイスを出してくださったので、
ラッキーなことに最前列で観ることが出来た。
(2nd show ではもっと人が増えて、
前に人が座ったので、2列目になったけど。)

お店の人の話によると、こんなに混むのは、
1年に一回程度で、今日は大人気の
ライヴであったようだ。

まずは、安ヵ川さんのソロ。
即興と言って始められたが、
これが即興なのか。
一応、なんとなくでも準備していたと
言って欲しい。
そんな演奏。

続いて、吉田さんのソロ。
クラシックだ。
名前忘れたけど、
ベートーベンの時代のコントラバス奏者の
曲らしく、その人がクラシックの
コントラバスを難しくしたのだとか。
アルコ(弓を使った奏法)の音が美しい。

そして、安ヵ川さんと吉田さんのデュオ。
吉田さんは、クラシックの人だから
当然普段アドリブなんて演らないのだろうけど、
アドリブ・パートでは、『運命』や
『白鳥も湖』などのメロディを弾いて、
楽しませてくれた。
この人、弾いている時の表情もいい。
そして、アーティキュレーションが美しい。

1部の最後によっしーも加わってトリオ。
John Clayton, Ray Brown, Christian McBride
というベースの名手3人が、SuperBass という
トリオでやっている "Mysterioso"。

2部も同様に、それぞれのソロ、デュオ、
そしてトリオで "Summertime"。
アンコールは、しっとりとデュオ。
それぞれ全部、曲名も言うてくれはってんけど、
知っている曲以外は、失念です。

コントラバス2本による低音のハーモニーが、
こんなにもリッチで美しいとは、
初めて知った。
なんか厳かで、激しくて、優しい、そんな感じ。
コントラバスだけのクラシックの CD を
探して買おうと思ったもん。

安ヵ川さん、吉田さん、お二人の
テクニックはもちろん素晴らしく、
全く違うタイプのデュオというのも
興味深かった。
よっしーもお二人の中で、
互角に演奏していた。
素晴らしかったよ。

3本の楽器もそれぞれ違っていた。
私は、吉田さんのアルコの音が一番好きだったな。


[ MEMBERS ]
安ヵ川大樹 (b)
吉田秀 (b)
古賀圭侑 (b)

@ 音や金時(西荻窪)







2018.3.22

スリー・ビルボード
THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI


フランシス・マクドーマンドが、
アカデミー賞主演女優賞を
サム・ロックウェルが、
助演男優賞を受賞。
作品賞、助演男優賞(ウディ・ハレルソン)、
脚本賞、編集賞、作曲賞でノミネートされていた
映画『スリー・ビルボード』。

フランシス・マクドーマンドは、
アカデミー賞の授賞式の後、
オスカー像を失くすというお騒がせ事件が
あったところを見ると、
結構、おっちょこちょいなのかもね。
私には、同じく主演女優賞を受賞した
『ファーゴ』の印象が強かったが、
本作でその印象は、上書きされた。

助演男優賞のサム・ロックウェルは、
『グリーンマイル』でどうしようもない
イヤな囚人を演じていた人。
助演男優賞受賞は、納得の演技。

さて本作、アカデミー賞作品賞は
逃したけれど、私は作品賞を獲った
『シェイプ・オブ・ウォーター』より好き。

ミズーリ州のエビング(架空の町らしい)という
田舎町で、娘をレイプされ殺された母親
(ミルドレッド)が、7ヶ月たっても犯人が
捕まらないことに業を煮やし、警察署長を
批判する3枚の看板(ビルボード)を設置する。
看板の設置に反対する人々から脅されても、
ミルドレッドはけっして屈しない。
看板をめぐって、次々と事件が起こる。

以下、ネタバレ含む。

映画の前半では、ミルドレッドと対立する、
警察署長が「ワル」なのかと思うが、
そんなことはない。
この警察署長は、めちゃくちゃええ人なのだ。

しかし、物語はハッピーエンドでもなく、
救いがあるのかないのか、分からないような
解決感のないエンディングで終る。

ミルドレッドの最後の選択が、
正義なのかどうかも私には分からない。

感じたのは、ミルドレッドの何をも恐れぬ強さ。
頑固さと言ってもいい。

救いを見るとしたら、サム・ロックウェル演じる
警察官ディクソンの変化だろうか。
ディクソンは、こんな警察官がいるのかと
思うような(アメリカにはいてそう)
クソみたいな警察官。
でも、あることをきっかけに彼は変わる。

ミルドレッドもディクソンも
悪人ではないのに、結果的に悪事を
働くというあたりが、人間の弱さ、
暗なのだと思う。

「『マンチェスター・バイ・ザ・シー』と
共通する視点を持っている」と
書いている人がいたが、そんな風にも思える。
その人は「悲劇と喜劇、悲哀と笑いが
常に背中合わせで、いつどちらの顔を
見せるのかわからないという点で」と
書いていたけど、私には、
人間のどうしようもないダークサイドを
扱っているという点において。

人種差別や偏見など、いつまでも
なくならないアメリカの問題も
まるで当たり前のように描かれおり、
ことの根深さも感じる。


★★★★▲


JAZZ GUITAR BLOG の
この映画に関するエントリーが
興味深いことを書いていたので、
合わせてリンクをしておくので
興味のある方は、読んでみてください。

映画「スリー・ビルボード」を観て

その起源が明白でない不幸に悩まされる人々





2018.3.25

SHANTI x RYO OGIHARA
〜 INTIMATE GUITAR NiTE 〜


ちょっと久しぶりの SHANTI。
今夜は、ギタリスト 荻原亮とのデュオだった。
SHANTIは、いままでに6〜7回観ているけど、
ギターとデュオというのは初めて。
ギター2人(西山"HANK"史翁 と 木原良輔)との
トリオというのはあったけど。

ハコは、初めて行った六本木の
キーストンクラブ東京。
本格ジャズが聞けるレストランと
いうことで、タンドリーチキンや
カレーが中心のインド料理が楽しめる。
客席は、ゆったりとしており、
音も聴きやすく中々良いです。

タイトルに「INTIMATE GUITAR NiTE」と
ある通り、2人の付き合いは十数年に
なるようだが、デュオは初めてらしい。
そのせいか、荻原の方に幾分手さぐり感を
感じたのは、私の思い過ごしか。
ギターは、Sadowsky Semi-Hollow Model。
私の持っているのの色違い。

SHANTI は、相変らず見た目も声も美しかった。
まだ歌詞のついていないオリジナル曲を
スキャットで歌ったのだけど、
その曲がとてもブラジリアンな感じで
気に入った。
1曲スペイン語で歌ったワルツも良かった。
昨年、スペインに行って、
スペイン語のレパートリーを
増やそうとしているとのこと。
彼女の場合は、バイリンガルのせいか
スペイン語も日本人のそれより、
らしく聞こえると思うのは、
私の先入観ではないと思うのだがどうだろう。


[ MEMBERS ]
SHANTI (vo)
荻原亮 (gt)

@ キーストンクラブ東京





2018.3.28

レイ・パーカーJr.&レイディオ
Ray Parker Jr. & Raydio


レイ・パーカーJr. のヒット曲
"A Woman Needs Love"
1981年に全米R&Bチャートで1位とったみたいやけど、
日本でも流行ったよな〜。
男が聴いても、セクシー(というかエッチ)やと
思う甘〜い声。
80年代おしゃれブラ・コンの代表や。

そのあと、84年に映画『ゴーストバスターズ』の
主題歌がバカ売れするんやけど、
これは私はあんまり好きじゃないねん、この曲。
強烈にキャッチ―な曲であることは認めるけどね。

そんな レイ・パーカーJr. のライブに行ってきた。
10,800円のところ、今回は、
ぴあのポイントでチケットを入手。

レイは 2008年の「THE CRUSADERS」の来日公演
(JVC Jazz Festival) と 2011年の
「JOE SAMPLE & THE CREOLE JOE BAND」 の
来日公演
で観ているが、ご本人名義のライブは初めて。
どういうわけか、その2回ともレイの印象は薄い。
まあ、THE CRUSADERS の時はドラムが
STEVE GADD だったし、CREOLE JOE BAND の
時は、半分以上、山岸さん(Gt)目当てだったし、
何よりも2回とも 主役は JOE SAMPLE だったからかな。

で、今回はバンドのギターが、
Paul Jackson Jr. ということもあって、
期待して行ったのだ。
なんと、Paul Jackson Jr. は、
ライブで観るのは(確か)初めて。

レイは、若い頃と比べると見た目、
別人のようにええオッチャンになっていて、
今日はウイスキーを飲みながら、超ゴキゲン。
ひょうきんで茶目っ気たっぷり。
声は少し太くなったような気もするが、
セクシーさは変わらず。

1曲、ポールをフューチャーして、
インストをやったり、レイもアコギで、
インストを2曲(1曲は "Human Nature")を
やったり、ギタリストとしても存在感あり。
MCの途中で、JB の "I Got You" を歌い出したり、
楽しいライヴでした。
コーラス、キーボードの Dominique Toney も
リード・ヴォーカルを取った曲があった。
キーボードの Kevin Toney はお父さん。

レイのギターは、LSL INSTRUMENTS(たぶん)の
テレキャスタイプと、ヘッドの形状は見覚えあるけど
何というメーカーか思い出せないエレアコ。

ポールのギターは、PRS のセミアコ2本。
以前のシグネチャーモデルではなく、
もう少し小ぶり(レスポールぐらいか)の
fホール付のセミアコ。
以前のシグネチャーモデルは、絶対カッコ悪いと
思っていたので、今日のギターの方が、
断然良いと思う。

レイもポールもスタジオの仕事をしてきた人だから、
当然やけど、弾き方がきれい。
ワイルドなフレーズでもきれいに弾きます。
スティーヴ・ルカサーなんかとは、
また違う感じで。

曲は、"A Woman Needs Love" は、
もちろんのこと、"The Other Woman" や
"It's Time To Party Now" など。
アンコールは、当然(?)"Ghost Busters"。
私の隣のテーブルに座っていた、
映画『ゴーストバスターズ』の恰好をした
4人組がステージに上げられていた。
あの人たちは、なんなんだろう、
ただのファンなのだろうか。
すごい装備のコスチュームだったよ。

アンコール入れて、たっぷり90分ほど。

[ MEMBERS ]
レイ・パーカーJr. / Ray Parker Jr. (Vo, Gt)
アーネル・カーマイケル / Arnell Carmichae l(Vo, Perc)
チャールズ・グリーン / Charles Green (Sax, Key)
ケビン・トニー / Kevin Toney (Pf)
ドミニク・トニー / Dominique Toney (Vo, Key)
ポール・ジャクソンJr / Paul Jackson Jr. (Gt)
レディー・フレディー / Ready Freddie (B)
ドネル・スペンサー Jr / Donnell Spencer Jr (Drs)

@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show


[ 余談 ]
ウィキペディアに書いてあったのだけど、
『ゴーストバスターズ』は、
ヒューイ・ルイス & ザ・ニュース の
" I Want A New Drug" に酷似していたため
裁判となり、レイが敗訴したらしい。
どんな曲かと聴いてみると
" I Want A New Drug" Huey Lewis & The News

ふむふむ、確かに似ているが、
クリソツというほどではないんちゃうか。
この程度の似方なら、世の中にいっぱいあるやろ。
映画制作側が、ヒューイ・ルイスにこの曲を
映画に使わせて欲しいと依頼したところ、
断られたので、レイに似た曲を作らせたという
経緯があるようだ。

私は、ヒューイ・ルイスの曲より、
こっちの方がやばいと思うねん。
→ "Pop Muzik" M

こちらも『ゴーストバスターズ』よりも前、
1979年のリリース。
こっちの方があかんやろ、と思ったら、
やはり盗作で裁判になったようです。

なんか最大のヒット曲が、盗作で敗訴と
いうのは、微妙やなぁと思たのでした。
レイにしたら、「似たような曲作って」と
依頼されたから作っただけなんやろうけど。








2018.3.30

DuoRama feat. 和田明

ギター 布川俊樹、ベース 納浩一によるデュオ、
「DuoRama」にフィーチャリング 和田明。
このトリオは、昨年7月に観て以来2度目だ。

今日は、少し遅れたので 1部の最後の曲
"This Masquerade" から、2部を鑑賞。

前回も書いたけど、布川さん 納さんお2人の
リズムというか息の合いようは素晴らしいね。
2部の最初にデュオラマのオリジナル曲
"KUPU KUPU" と もう1曲 演奏。
曲目を失念したけど、2曲目の曲が凄く良かった。
ギターは、ヤマオカギターのフルアコ Art D-50。
布川さんの特注品のようだ。
ウォームでめちゃ甘いトーン。
アンプは、DV Mark Jazz 12。
う〜む、両方 欲しい。

そして、明が登場し、"Just Squeeze Me"。
自由やなぁ〜。
続いて、"Don't Let Me Be Lonely Tonight"、
"小瓶の中の平和"、"Gee Baby Ain't I Good To You"、
"Love for Sale"、"Skylark"、だったかな。
あんな風に音楽を創ることが出来たら、
どんなに気持ち良いだろうね。
精進あるのみぢゃ。


[ MEMBERS ]
DuoRama:布川俊樹 (gt), 納浩一 (b)
和田明 (vo)

@ Lydian(神田)







2018.3.31

鈴木 茂 SPECIAL LIVE 2018

鈴木茂は、今年67歳。
はっぴいえんど、ハックルバック、
ティン・パン・アレー などで活躍し、
多くのアーティストの録音やステージに
関わってきたギタリスト・作曲家・編曲家だ。
私は、荒井由実の『卒業写真』(1975年)の
ワウを使ったプレイが特に好きだ。
あの頃のユーミンのギターは、
ほとんど 鈴木茂です。

25年くらい前、大阪で玉置浩二の
ソロ・コンサートで初めて 観たのだが、
その時、ウィル・リーを彷彿とさせるような
元気いっぱいの演奏姿に驚いた覚えがある。
私の記憶違いでなければ、
飛び跳ねていたんじゃないかな。

その次に観たのは、20年以上経って、
"FUSION FESTIVAL in Tokyo"
松原正樹が、体調不良だったため
代打で登場した時。
鈴木茂(Gt)、佐藤準(Key)、
村上”ポンタ”秀一(Drs)、後藤次利(B)、
小林香織(Sax)というメンバーで
『100ワットの恋人』や、
松原正樹の『スナイパー』などを演奏。

そして今月5日には、小坂忠のライヴ
観たのは記憶に新しい。
最近は、「鈴木茂商店」と称して
手作りの革製のギター型キーホルダーなどを
ライヴ会場で販売している。

さて、そんな鈴木茂氏のライヴに行ってきた。
メンバーは、ベースに
山下達郎、大滝詠一、高中正義、井上陽水らの
サポートで知られ、ハックルバックの
メンバーでもあった 田中章弘(63歳)。
キーボードは、昨年観た山下達郎バンドの
メンバーでもあった 柴田俊文(56歳)。
ドラムに元 THE SQUARE の長谷部徹(54歳)と
超ベテラン揃い。

1曲目始まって、どうも音が聴きづらいと思った。
何か音が団子になっているような印象。
2曲目だったか3曲目だったかで、気付いたのだが、
ステージにいない楽器の音が鳴っている。
そのうち、耳が慣れたのか、音響を調整したのか
幾分聴きやすくはなったけど。

「ステージにいない楽器の音が鳴っている」と
書いたが、このことは、途中の MC で明らかにされた。
『8分音符の詩』(1976年)という曲があるのだが、
そのレコードのストリングス・アレンジを
ステージでも再現したくて、
ハードディスクに取り込み、
何年か前から、ステージで鳴らすように
なったのだとか。
当時の録音は、クリックを使っておらず、
テンポが揺れるので、1小節ずつ手作業で
調整したらしい。
その話は、興味深かったのだけど、
(後述するが)私にはライヴとしては残念だった。

1978年発売のアルバム『Caution!』を今年、
リミックスして発売したので、
『Caution!』からの曲が多かったのだが、
それらも一部の音をハードディスクで流していた。

鈴木氏にすれば、レコードと同じ音を
ステージでも再現したいという思いが
あるのだろう。
一方で、レコードとライヴは別物と
する考え方もある。

これは、好みの問題だから
どちらが良いとか悪いはないのだけど、
私はどちらかというと後者だ。
レコードと違っても、アレンジが変わっても、
ステージにいる4人で演奏して欲しいと思う。

でも、今日はステージにいない、
オルガンが鳴り、ピアノが鳴り、
ホーンが鳴り、コーラスが聞こえた。
そして、一番興ざめだったのは、
ギターが聞こえた時だ。
鈴木氏が弾いていない、ギターの音だ。
これでは、もうほとんどカラオケやん。

鈴木氏の演奏(ギターの音は抜群)も
バンドの演奏も良かったけど、
私は4人だけの音で聴きたかったな。

ご本人は、20代に作った歌は(キーが高いので)
続けて歌うとしんどいと言ってたけど、
私には、ずい分声が良く出てるように聞こえた。
色々ケアが大変なようでしたが。

鈴木氏は、アーティストの中でも
たぶんにエンジニア的なのだろうな。
若い頃からミキシングに興味があったとか、
そういう話からも伺えるが、
ハンドメイドでエフェクターを作って
販売していることでもそれは分かる。
今日の MC で実家が自動車整備工場と聞いて、
妙に腑に落ちた。
革製品を自分で作る手先の器用さにも
通じるものがあるよね。

ギターは、赤というかオレンジというか
鈴木氏のトレードマーク的な
オールドのストラトキャスターと、
P-90の付いた ファイアーバード。
アンコールで、サンバーストの
ストラトキャスター(SSHS)を使った。
テレキャスターとレスポールも 置いて
あったけど(私の観た 1st showでは)使わず。

曲は(あんまり曲名が分からないのだけど)
『100ワットの恋人』、『レイニー・ステイション』
『8分音符の詩』、『Wood Pecker』、『砂の女』など。
アルバム『Caution!』に収録されなかった
未発表曲『涙の糸と銀の針』も披露。
アンコールまで入れて、80分ぐらいかな。


ギター



エフェクター群



アンプの上には、通信機のような機材
手前右の機材はHDレコーダーと思われる



キーホルダー買いました。



[ MEMBERS ]
鈴木 茂 (vo,g)
柴田俊文 (key)
田中章弘 (b)
長谷部 徹 (ds)

@ Motion Blue (横浜)
1st show






小林克也&ザ・ナンバーワン・バンド
鯛!最後の晩餐ライブ!!


今日は、ライヴのハシゴ。

先日(3月27日)77歳になった小林克也。
小林克也といえば、私たちの年代では、
なんといっても『ベストヒット・イン・USA』。
80年代、毎週土曜日(やったっけ)深夜、
新しい音楽を仕入れられる重要な情報番組だった。

その小林克也が、
「小林克也&ザ・ナンバーワン・バンド」名義で
1982年にアルバム『もも』でデビューした。
当時、レンタルレコードで借りて聴いた覚えがある。

その小林克也が、先日、ニューアルバム
『鯛〜最後の晩餐〜』をリリース。
で、その凱旋ライヴに行ってきた。
小林克也のライヴは、もちろん初めて。

ザ・ナンバーワン・バンドでのライブは
なんと34年ぶりだそうで、
メンバーは、ザ・ナンバーワン・バンドの
オリジナルメンバー。
埼玉、東京、広島、福山、愛知、
全国5か所のライヴ・ツアーだ。

まず、小林克也氏が登場。
緊張でお腹が痛いと、軽く挨拶のあと、
自分と音楽の出会いを語りながら、
メンバーを一人ずつ招き入れ、
思い出の曲の一節を歌うという始まりで、
プレスリー『Heartbreak Hotel』や
ビートルズ(あれ?何やったけ、
『A Hard Day's Night』やったかな?)を歌った。
『ダイアナ』は、ポール・アンカではなく、
山下敬二郎の日本語 version で。

ニューアルバム『鯛〜最後の晩餐〜』から、
『SHOWA WOMAN』
『LET'S MAKE LOVE 〜REGGAE ONDO〜』
『ナムアミダブツ IN 九品仏』
『あるパティシエの愛』
『FUKUYAMA』『FUNKY KISS』など。

アルバム『もも』からは、
『六本木のベンちゃん』『ケンタッキーの東 』など。

どの曲も強烈です。
35年ぶりに聴いたのに、『ケンタッキーの東 』では、
「I don't wanna be a fried chicken、
フライになりたくな〜い」って一緒に歌ったよ。
覚えてるんや〜って、自分でも驚いた。

途中、ゲストで鮎川誠(69歳)が登場。
1969年製のあのレスポールを持って登場。
"(I Can't Get No) Satisfaction" を歌った。

アンコールで、『ハッピー・バースデイ』で
喜寿をお祝いしたあと、
『ザ・ナンバーワン・バンドのテーマ 』
『うわさのカム・トゥ・ハワイ 』。

「今度は、傘寿で」と言っていたけど、
ぜひ実現してほしいな。

小林克也は、いっぱい間違ってた(風に見えた)けど、
ライヴって、正しく演る(間違わない)ことが
重要なのではないねんな、と改めて認識したね。
先に観た、鈴木茂氏のライヴが、完璧を
目指す演奏(悪く言えば予定調和が過ぎる)
だったのに対し、ザ・ナンバーワン・バンドは、
小林克也が、歌が本職ではないということも
あるけど、なんか「ライヴ!」って感じがしたよ。


[ MEMBERS ]
小林克也 (vo)
佐藤輝夫 (gt)
成田昭彦 (dr)
深町栄 (key)
琢磨仁 (b)
斉藤誠 (gt)
ゲスト:鮎川誠 (vo, gt)

@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show




アーティストからのお花









ひとりごと