LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS


 つつみしんやのひとりごと  2016年 4月
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2016.4.1

TEDESCHI TRUCKS BAND
テデスキ・トラックス・バンド




楽しみにしていた テデスキ・トラックス・バンド(TTB)、
2年ぶりの来日である。
2年前は、渋谷公会堂、人見記念講堂の 2公演を
観に行ったが、今回は武道館ということで、
東京公演も一夜のみ。
それ以外は、3月30日の名古屋公演(名古屋市公会堂)、
昨日31日の大阪公演(オリックス劇場)と
全部で三夜のみの貴重な公演だ。

今年発売されたニュー・アルバム『Let Me Get By』は、
まるで何十年も聴き続けていたかのような感じがするほど
私の身体に馴染んでしまった。

そんなニューアルバムからの曲も楽しみな今日の公演。
オッパイがあふれそうな、お色気たっぷりのドレスで
登場のスーザンに対して、地味〜な いで立ちのデレク。
「世界一ギターが上手い夫婦」と言われる夫婦だ。

1曲目は、ニューアルバムからと思いきや、
『Made Up Mind』。
1曲目から、アリーナは総立ちだ。
その他、『I Pity The Fool』『Anyhow』
『Sky Is Crying』『Midnight In Harlem』
『Crying Over You』など。
ほとんど知っている曲だったが、
2〜3曲知らない曲もあった。
勉強不足です。

あい変わらずのデレクの神業スライド。
そして、聴くたびにソウルフルに、
なっていくスーザンのヴォーカル。
アンコールを入れて、135分。
堪能しました。




[ MEMBERS ]
Derek Trucks/デレク・トラックス(G.)
Susan Tedeschi/スーザン・テデスキ(G. & Vo.)
Kofi Burbridge/コフィ・バーブリッジ(Key. & Fl.)
Tyler Greenwell/タイラー・グリーンウェル(Dr. & Per.)
J.J. Johnson/J.J.ジョンソン(Dr. & Per.)
Tim Lefebvre/ティム・ ルフェーヴル(B.)
Mike Mattison/マイク・マティソン(Harmony Vo.)
Mark Rivers/マーク・リバーズ(Harmony Vo.)
Kebbi Williams/ケビ・ウィリアムズ(Sax.)
Elizabeth Lea/エリザベス・レア(Tb.)
Ephraim Owens/エフライム・オーウェンズ(Tp.)
Alecia Chakour/アリシア・シャコール(Harmony Vo.)

上記は、昨年ウドーが発表したものなので、
このメンバーだったかどうかは未確認。

@ 日本武道館





2016.4.2

MARI-SHIN

もう6年以上、共演を続けているのに
イベント以外で純粋なライヴとしては、
初めてだった今日のライヴ。
大勢に人にお越しいただき、
誠にありがとうございました。
おかげさまで大盛況(?)。
2回もアンコールをいただきました。

次回は、未定ですが、今回来れなかった方も
ぜひ聴きに来てください。







2016.4.3

桂米朝追善・米朝一門会

昨年3月19日に、米朝師匠が他界されてから
早いもので1年が経った。
今日は、米朝一門会の「桂米朝追善」落語会。
佐ん吉が「米朝と名前をつけると客が集まる」と
言ってたけど、確かにそうかもしれないな。

ざこば、南光、米團治による想い出トークでは、
米朝師匠とざこばさんの師弟愛を超えた、
もはや親子愛に感動。
米朝師匠って、ホンマにええ人やったんやなぁ。

「蜆(しじみ)売り」は、志の輔師匠の口演を
CD で聴いたことがあるだけだったが、
それとは少し違ったサゲで、
ややあっさりした印象。
これが上方版なのかもしれない。
志の輔師匠のは、結構重いからね。


【 演 目 】
「道具屋」 桂團治郎
「手水廻し」 桂佐ん吉
「つぼ算」 桂南光
〜 仲入り 〜
「想い出トーク」 ざこば、南光、米團治
「地獄八景亡者戯 (前半)」 桂米團治
「蜆売り」 桂ざこば

@ 紀伊國屋ホール






Tokyo Co(s)mic Orchestra Dancer Entertainer
Horoscape circus


ベースのヨッシーが出演するというので、
実は何かよくわからないままに観に行ってきた。
役者とダンサーとミュージシャンのチームで
芝居ありダンスありのパフォーマンスだった。
あんまり、観たことのないタイプの演劇(?)で、
客席が「コ」の字に舞台を囲み、
(狭いハコということもあって)ダンサーの手足が
客に触れそうな臨場感たっぷりのステージだった。
きっと、いっぱい練習しただろうに、
今日一日の公演だそうだ。
この世界で食っていくのはホンマに大変やろなぁ。


[ MEMBERS ]
-Tokyo Co(s)mic Orchestra-
北方寛丈 (pf)
古賀圭侑 (Bs)
森拓也(Dr)

-dancer-
森 紫
V4 (DACTparty)
吉田 隼人 (Proud JAPAN Project)
Lise

-Entertainer-
巴十一 (心理相談家)
SATOCO (パントマイムアーティスト)
しもがまちあき (声優/マペティア)
番長 (ヒューマンビートボクサー/MC)
石倉来輝 (actor、singer)

@ OMEGA TOKYO(荻窪)





2016.4.4

第65回 人形町らくだ亭

今日のお目当ては、一之輔とさん喬。
2人は、私のベスト5に入る噺家だ。
一之輔は、一昨年4月に初めて観て以来、
2年間でなんと20回目の高座。
今日の演目は、「お見立て」。
さん喬師匠が、「奇才」と呼んだけど、まさに。

さん喬師匠は、CD では繰り返し聴いているが、
高座を観るのは、今日が2回目だった。
「抜け雀」は、色んな人の口演を聴いているが、
さん喬師匠のは、落ち着いた中に笑いがある感じ。

トリは、五街道雲助。
弟子には、割と好きな白酒や馬石がいるのだが、
この雲助師匠は、前に聴いた演目が、
渋い、面白くない、マニアックな芝居噺だったもので
あまり良いイメージがなかった。
今日の「花見の仇討」では、明るい口調で
軽快に噺が進み面白く聴けた。
1回で先入観を持つのは行けませんな。


【 演 目 】
開口一番「手紙は笑う」 古今亭今いち
「松竹梅」 柳家やなぎ
「お見立て」 春風亭一之輔
「抜け雀」 柳家さん喬
〜 仲入り 〜
「花見の仇討」 五街道雲助

@ 日本橋公会堂(日本橋劇場)





2016.4.5

ライブ映像

先日のライヴの様子の一部を YouTube に
上げてくださった方がいるので、
聴いてみてください。

アナログライクなリズムを鳴らしてみた『接吻 Kiss』



本編ラスト『愛燦燦』



アンコール『ろくでなし』



それぞれ、曲の途中までか、途中からです。





2016.4.6

小学校 入学式

今日は、K さんの息子、H 君の入学式。
その撮影に行ってきた。
小学校の入学式に出席するのは、
自分の入学式以来だから、実に47年ぶりである。

私は、H 君が1歳になって間もなく、
一眼レフを始めたので、赤ちゃんの時から、
H 君を撮り続けている。
一番多くシャッターを押した被写体が、
H 君なのだ。

そういう H 君の入学式。
私には子供がいないので、こういう機会は、
写真を撮るだけではなく、貴重な体験の
機会でもある。

東京都某区の小学校。
入学したのは、60人足らずの2クラスで、
少子化を感じずにはいられない。
私の小学校入学時は、1クラス40人以上いて、
5組まであった。
昭和44年の話だ。
クラス名は、「いろは」で分けられており、
私は、1年「に組」だった。
子供が増え続けていた時代で、
翌年の1年生は、6クラスまで出来ることになった。
そうすると、1年「へ組」が出来ることになる。
さすがに「へ組」はまずかったのだろう、
その年から1組2組・・・と、番号で
クラス分けすることになった。

昭和の時代のほのぼのした話である。


桜満開の校庭


入学式場である体育館の紅白の紐で結ばれたバスケットのゴール


校舎内の壁のディスプレイ






2016.4.7

高校 入学式

昨日の小学校入学式に続いて、
今日は、K 君の高校の入学式に撮影に行ってきた。
高校の入学式も自分の入学式以来だから、
38年ぶりだ。

K 君が進学したのは、
現役で東大に合格する生徒がいるような
進学校である都立高校。
昨日の小学校の入学式と比べて、
感じる印象が全く違うことが興味深かった。

小学校の入学式は、なんというか、
お祭り気分と言ってもいいような、
ただただ、おめでたい感じ。
でも、今日の高校の入学式は、
もっと厳格というのか、独特の緊張感があったな。
それは、親にしても子供にして同じだろう。

これから、立派な大人になっていく、いや、
なっていかなければならない、あるいは、
そんな期待を背負っている、15歳の少年少女の緊張は、
小学校に入学する6歳児のそれとは、
比べることが出来ないだろう。
もう、めでたいだけではない、重さとでも言おうか。

K 君の、今まで見たこともない神妙な表情も印象的だった。

昨日は、2クラス60人弱で、
少子化を感じたと書いたが、
今日の高校は8クラス × 40人で320人の新入生。

そう言えば、私の高校も同様に8クラスだったけど、
1クラスは、47人ぐらいだったように記憶している。
私たちの時代は、男子と女子とは別々に、
それぞれ出席番号順(苗字のあいうえお順)に
並んだものだが、今日の高校では、
男女混合で、あいうえお順に並んでいた。
これも、男と女、どちらを先にするかとか、
ややこしい問題を回避するためなのだろうかね。

参列しながら、一生懸命、自分の高校の入学式を
思い出そうとしたが、何も思い出せなかった。
入学式の前か後か、校庭に並んでいた時に
自分の前に立っていた T 君がやたら大きく、
オールバックの髪型が、丸坊主の中学から進学した
私には、ある種の脅威だったことだけは覚えている。
その後、その T 君とは、仲良くなるのだが。

残念ながら今日は、あいにくの雨だったので、
レポート写真はなし。





2016.4.8

蜜のあわれ

『地獄でなぜ悪い』『私の男』『この国の空』など
印象的な演技が記憶に残っている二階堂ふみと
大杉漣が主演の映画『蜜のあわれ』。

人間の姿に変貌する金魚と、老作家の物語。
4つの章からなっているのだが、
第2章の途中で強烈な睡魔に襲われ、
残念ながら、しばし気絶。
このあたりが、どうもストーリーの展開に
あたったような感じで、
その後のことが今いちよく分らなかった。

エロティックというほどではないが、
二階堂ふみの妖艶さと時代を感じさせる
古臭い台詞回しが良い。

また、出番は少なかったが、
芥川龍之介を演じる高良健吾がとても良かった。
その他の出演は、真木よう子、永瀬正敏ら。

ちゃんと観られなかったので★評価は控えます。





2016.4.9

Ibanez Talman TC530

先日、久しぶりにオークションでギターを落札した。
2ヶ月ほどウォッチしていたのだが、
安い価格でスタートするタイプのオークションではなく、
出品者が売りたい価格で出品していたので、
中々入札がなかった。
少しずつ価格を下げてきていたが、
それでも売れなかった。
ついに、この値段ならというところまで
下げてきたので、思わず入札(=落札)した。

Ibanez の Talman TC530。
今では、廃番になった機種で、これは、
1994年製ということなので、20年以上前のモノだ。
もともと45,000円のギターなので、
当時 楽器店では、きっと3万円台で売られていたことだろう。
今回の落札価格も、そんなもんです。



Talman、なんとなくレトロなデザインが好きで、
ずっと欲しいなと思っていた。
本当は、違う色のものが欲しかったが、
それは、割と高値で落札された。

「Ibanez」のロゴもよく見るタイプより、
私はこの方が好きだな。



今まで色んなメーカーのエレキ・ギターを
所有してきたが、アイバニーズは、初。

使いもんになるかどうかは、今後の調整と出音次第と
いったところだが、意外に軽いので
ぜひステージで弾いてみたい。
ペイルブルーという、サーフグリーンにも似た
さわやかな色で、私には似合わんかもしれんけど。







2016.4.10

家族はつらいよ

『東京家族』 『小さいおうち』 『母と暮らせば』
ここのところ、私としてはイマイチな作品が続いた、
山田洋次監督作品。

新作は、『東京家族』の一家8人と同じキャストで、
両親の離婚騒動を描いたコメディだ。
その家族に、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、
中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優。
そのほか、小林稔侍、風吹ジュン、笹野高史 、
笑福亭鶴瓶 と豪華な顔ぶれ。

コメディというには、笑いが少なかったけど、
前三作品の不発な感じはなかったな。
爆笑でもなく、大感動でもなかったので、
物足りないといえば物足りないのだけど、
楽しめる作品だった。
ここ数作は、どうも引っかかってしまうセリフが
多かったが、今回気になるのは1ヶ所だけだった。

主役は、橋爪功だと思うのだが、
ええ味を出してました。
その他の家族7人も、こんな人いてるよなぁ、
という共感がありました。
この家族でシリーズ化したらどうだろうね。
家族が8人もいれば、ネタには困らないだろう。

『東京家族』で、小津安二郎の『東京物語』への
リスペクトは十分に示しただろうに、本作では、
周造(橋爪功)が、家で観ている DVD が『東京物語』。
山田監督には、よほど特別な作品なのでしょうね。


★★★★☆





2016.4.11

クリエイティブの反対

興味深い記事を読んだ。
その中のアドビシステムズ、クリティビティ担当
バイスプレジデントのマーク・ランドールの言葉がこれ。

クリエイティブ(創造性があること)の反対は、
ボールド(退屈)という人もいるが、
僕は、「フィア(恐れること)」だと思っている。
失敗することを恐れれば、
クリエイティブなアイデアは生まれない。
そういう意味で、
「恐れ」はクリエイティブの最大の敵です。


【アドビは社員に「失敗してこい」と1000ドル渡す】より


確かに。
恐れは創造の最大の敵だ。





2016.4.12

リップヴァンウィンクルの花嫁

熱烈なファンを多く持つ、岩井俊二監督。
と書いたものの私は意外と彼の作品を観ていない。
観たのは『スワロウテイル』と『四月物語』の
2本でどちらもビデオをレンタルして鑑賞した。
観たのは両方とも、たぶん90年代で
細かいことは覚えていない。
『スワロウテイル』は面白かったように記憶しているが、
松たか子を観たくて借りた『四月物語』は、
なんとなくイマイチだったような覚えがある。

そんなわけで、私は岩井俊二監督(私と同じ年)に
特別な思い入れはないのだが、公開中の
『リップヴァンウィンクルの花嫁』は、職場近くの
五反田のホテルが撮影に使われたことは、
聞いていたし、評価もそれなりに高いようなので、
観てみることにした。

前半のイヤ〜なエピソードが終わると、
行ったいどこへ向かっているのか、
どういうラストになるか予想のつかない展開が続く。
飽きることなく、180分の時間を
全く長く感じさせないのは素晴らしい。

主演は、黒木華。
『小さいおうち』の黒木も良かったが、
『ソロモンの偽証』も『母と暮せば』も
地味な女性の印象だった。
本作でも薄幸な弱気な女性を演じているのだが、
何度か美しいと感じる場面があったのは新鮮だった。

そして、綾野剛、Cocco 。
綾野剛は、つかみどころのない怪しい
何でも屋を好演。
Cocco は、初めて女優として観たが、
インパクトがありました。
この人が出演するシーンは、
現実から離れているように感じた。

あと(『私は泣いています』の)リリィも良かった。

さて、本作、ネットでレビューを読むと、
色んな所に突っ込んでいる人がいて、
(なるほど、そう言われればそうやなぁ)とは
思うものの、鑑賞中はほとんど気にならなかった。
いくつか、(そんなことあるかなぁ)と
気になったことはあったけど、
それほど重要ではなかった。

というのも、私は大人の童話のように
感じたからかもしれない。
つまりは、リアリティには欠けるのだ。
そんな奴、おるかい。
そんなこと、するかい。
と引っかかっていたら、この手の作品は楽しめないだろう。
まあ、私もどうしても引っかかってしまうことが
あるので、この辺は作品との相性かもしれない。

綾野剛演じる、何でも屋の安室が、
大泣きするシーンがある。
その泣き出すシーンが、一瞬、笑いを堪えられずに
吹き出したように見えた。
そのあとで、大泣きするのだ。
(あれ、笑ったんとちゃうんか)と思っていたら、
何人もの人がレビューに、「あれは安室が、
笑ったのをごまかすために、
大泣きしたんだと思う」と書いていた。
なるほど、そう言われればそう見える。
一方で、純粋に泣いているんだと
書いている人もいる。

監督や綾野剛に訊けば(訊けないけど)本当のことが
分かるだろうが、観客各々の解釈がある方が
作品の幅というか、器の大きさのようにも思う。
ぜひ、ご覧になって
どう見えるか確かめていただきたい。

ちなみに、そのシーンで私はかなり泣きました。
いえ、笑いながら泣きました。

そのシーンに限らず、
全体的に何通りも解釈をできるように
作られているように感じた。
何度か観ると違った風に理解が深まるかもしれない。

音楽は、バッハやモーツァルトなど
クラシックがヴォリュームやや大きめで使われ、
効果的だと思った。
アイディアは、新しくないけど。

原作も岩井監督の筆によるもので、
黒木華の主演をイメージして、書かれたという。
原作も読んでみたくなった。


★★★★▲





2016.4.13

ERIC CLAPTON
エリック・クラプトン


2014年2月、最後かもしれないという
来日公演を観た。
昨年5月には、大規模なワールドツアーは
引退すると宣言したファイナル公演が、
ロンドンのロイヤル・アルバートホールで
行われた。

しかし、日本贔屓のエリックは、
今年も来日してくれた。
4月13日、15日、16日、18日、19日の
東京(武道館)の 5公演のみ。



今日は、その初日。
でも。
なんだろう。
一昨年の落涙コンサートに比べて、
この不完全燃焼感。

選曲のせいか、時間が短かったからか、
メンバーのせいか、座席が悪かったからか、
いや違う。
何か分からない。
変な言い方だが、僕のクラプトンではなかった、
そんな感じだ。

観客から大きな声援は飛んでいたけど、
本編最後の曲『Cocaine』でも
アリーナの客が立ち上がっていなかったことが、
なんとなく象徴的な気がする。

最後かもしれないと、今週土曜日16日の
チケットも買っているので、
その日に期待しよう。

曲目は、ゆったりめのブルースに始まり、
"Key to the Highway" "Hoochie Coochie Man"
"Crossroads" "Wonderful Tonight"
"I Shot The Sheriff" "Circus"
"Nobody Knows You When You're Down and Out"
"Cocaine" など。
"Layla" なし、"Tears In Heaven" なしは、
別に構わないし、70歳を過ぎたエリックに
多くを求めてはいけないようにも思うのだけど、
アンディやポールの歌を聴きたいわけでは
ないねんな。
それと、途中の若手のゲストは誰だったんだろう。

[ MEMBERS ]
ERIC CLAPTON(G. / Vo.)
ANDY FAIRWEATHER-LOW(G. / Vo.)
PAUL CARRACK(Key. / Vo.)
HENRY SPINETTI(Dr.)
CHRIS STAINTON(Key.)
DAVE BRONZE(B.)
DIRK POWELL(Banjo / Vl.)
MICHELLE JOHN(Backing Vo.)
SHARON WHITE(Backing Vo.)

@ 武道館

上記メンバーは、昨年11月発表のメンバーなので、
全員この通りだったか分からないが、
多分、この通りだったように思う。
ダーク・パウエルは、バンジョー、ヴァイオリンと
なっているが、この人はマルチ・プレイヤーのようで、
演奏したのは、バンドネオン、アコーディオン、
ギター、マンドリンだった。

エリックのコンサートは、1985年に初めて観て以来、
13回目か14回目だと思う。



と、ここまで書いて、ネットをチェックしたら、
セットリストをアップしている人がいたので転記。
若手のゲストは、エド・シーランという人だった。

1. Somebody's Knocking
2. Key to the Highway
3. Hoochie Coochie Man
4. Next Time You See Me (Paul Carrack on Vocal)
5. I Shot the Sheriff
6. Circus Left Town
7. Nobody Knows You When You're Down and Out
8. I Dreamed I Saw St. Augustine
9. I Will Be There (with Ed Sheeran)
10. Cypress Grove (with Ed Sheeran)
11. Sunshine State (by Dirk Powell)
12. Gin House (by Andy Fairweather Low)
13. Wonderful Tonight
14. Crossroads
15. Little Queen of Spades
16. Cocaine
En. High Time We Went (Paul Carrack on Vocal)








2016.4.14

人生の不思議

友人 K の話。
彼は、三重県松阪で育った。
子供の頃は、親父さんの勤務先の社宅に住んでいたらしい。
その社宅内にKと同じ年のAがいた。
Aの親父さんは、Kの親父さんの同僚で、
家族ぐるみの付き合いだったという。

KとAは、同じ小中高校に通った。
Kは大学進学で松阪を離れ、それからAとも
会うこともなかったらしい。

現在、K の両親は山口県在住で、
数年前、山口の実家に帰った際に、
両親や子供たちと秋吉台へ観光に出かけた。

その際、秋吉台の駐車場で、偶然、
AとAの親父さんに会ったというのだ。
親父さん同士もおそらくずい分久しぶりだっただろうが、
KとAは、実に30年ぶりの再会だったという。

それからは、連絡を取り合うようになったらしいが、
約半年後、Aの親父さんは他界した。
まるで、亡くなる前にKの家族に会っておきたかったかのような
再会だったという。

実は、人生は奇跡に満ちているのかも知れない。





2016.4.15

九州で地震

昨夜、テレビを観ていたら、
突然番組が地震速報に切り替わった。
熊本で震度7の地震があったのだ。

叔母夫婦の住む宮崎も揺れたらしいが、
家の中の物が落ちるほどではなかったらしい。

当初流れた、熊本市内の繁華街の映像では、
それほど大した被害があるようには、
思えなかったが、一夜明けて、
死者は9人、避難者は4万人を超えた。

倒壊した家屋に閉じ込められた赤ちゃんが
救出される一方で、けが人、交通、停電、
家屋の倒壊など、被害は明らかになるほど
大きくなっていった。
現在は、避難者の数は7千人ほどに
落ち着いたようだ。

昨夜、テレビの速報を観ている時の
言葉にできないあの感情は、何だったのだろう。
もう観たくない、というか、
やめて欲しい、というか(報道をではないよ)、
しんどい、というか、
直視したくない感じ、とでも言おうか。
その自分の内面の反応に戸惑った。

何か5年前の震災のショックが
心の中にあるのだろうか。
現地の人々は、そんなこと言っていられない
状況なのに。

震度7って、気象庁が震度7を新設した1949年以降、
阪神大震災(1995年)、新潟県中越地震(2004年)、
東日本大震災(2011年)に続いて、4回目だという。
それだけでも、地震の大きさが分かる。

現地で被害に遭われた方々には、
心よりお見舞い申し上げます。

そして、
今一度、首都圏大地震の備えもしておかねば。




フォトレビュー講座


先月、写真への迷い(?)を書いた。
写真集を買ったり、写真展へ行こうと計画したり、
とにかく動くことにしたのだが、
その一環として、久しぶりに ニコンの講座を
受講してきた。

ニコンの講座には、撮影実習を含んだ全5回の
講座や3回の講座などいくつかのタイプがあり、
講師も色々な方が務められている。

今日の講座は、1回きり(120分)の講座で、
生徒が自分の作品を持ち寄り、講師に技術的、
表現的なアドバイスを受けるというもの。

講師は、先日読んだ『ノーツ オン フォトグラフィー』の
著書、大和田良さん。
この講座に申し込んだので、その著書を読んだのか、
読んでから申し込んだのか、忘れてしまったけど。

まずは、大和田さんの作品を10数点、
どんな点に注意を払ったかという解説を
聴きながらの鑑賞。

その後、生徒一人につき3点の写真を発表し、
大和田さんのアドバイスを受けた。
生徒は、10人。
男性8人に女性2人で、平均年齢は、
50代だろうか。
若者はいない。

何より、大和田さんのコメントに感服。
素人の私が、「おもろない写真」などと、
つい思ってしまうような作品にも、
まず、その作品の優れた点を指摘。
そして、次に試してみるべき課題、
もっと作品が良くなる可能性の提供をする。
大和田さんは、大学の非常勤講師も務めておられるようで
なるほど、教育者でもあるわけだ。

アドバイスも的確。
ほとんど、私には思いつかなかいような内容。
心の中は、「なるほど〜」の連続だった。

私は、10人中8番目の発表だったのだが、
それまでに発表された生徒さんたちが、
どうも、過去に大和田さんの講座に参加したことの
あるような口ぶりで、発表する作品は、
風景や物、実験的なものなどが多く、
人物を写したものは、孫を撮ったという
1枚しかなかった。
私が準備していた3枚は、全て人物だったので、
どうかなぁ、とやや不安になったが、
もともとこの講座に参加した動機が、
自分の作品についてのプロの講評を聴くことだったので、
ほかに風景写真も持っていたけど、
当初、選択した3点のままいくことにした。

私の3枚は、友人の娘の七五三の時の
親子3人の写真、妻のぼっ〜としてる時の写真、
H 君が3歳か4歳の時のふざけた表情を捉えた写真。
この3枚だった。

言われるまで、自分では気がつかなかったのだが、
3枚とも被写体は、カメラを見ていない。
レンズを気にしていないのだ。
その点は、「自分(私)を消している」と評価された。
(実は、H 君はカメラを意識していたのだけど。)
一方で、課題は撮影時の構図などのことではなく、
仕上げ(RAW現像時の設定)のことだった。

大変、参考になった満足のいく講座だった。
講師である大和田さんも、撮影実習の写真ではなく、
生徒が普段、撮りたくて撮っている写真を
観ることができたのは、とても良かったと言っていた。

来月から再来月にかけては、
撮影実習も含んだ5回の講座に参加するぞ。





2016.4.16

ERIC CLAPTON Again
エリック・クラプトン 再び

一昨々日(さきおととい)13日に続いて
今回の来日2度目の公演に行ってきた。
(公演は5回公演の3回目。)

一昨々日は、不完全燃焼だったと書いたが、
今日は、満足のある公演だった。
曲目は、(順番は一部違ったけど)同じなのに。

私はライヴやコンサートに行くと
たいていの場合、自然にリズムに反応して身体が動く。
今日は、その反応があったけど、
一昨昨日は、全くと言って良いほど
身体が動かなかったように思う。

何が違うのか明確ではないが、
エリックの歌もギター・プレイも
一昨々日より切れているように感じた。
やはり、初日にはナーバスな要素が
あったのかもしれない。
それプラス、ふと思ったのは、
座席のせいもあったのかもしれない。
一昨々日は、1階スタンド席の最後列で、
2回スタンド席が視界を邪魔しており、
閉塞感があったのは否めないのだった。

次回の来日公演があるのかどうかは、
分からないけど、今日は今のエリックを
受け入れることができて、良かったと思う。

一昨々日同様、エリックのズボンは、
アディダスのジャージでした。


[ MEMBERS ]
ERIC CLAPTON(G. / Vo.)
ANDY FAIRWEATHER-LOW(G. / Vo.)
PAUL CARRACK(Key. / Vo.)
HENRY SPINETTI(Dr.)
CHRIS STAINTON(Key.)
DAVE BRONZE(B.)
DIRK POWELL(Banjo / Vl.)
MICHELLE JOHN(Backing Vo.)
SHARON WHITE(Backing Vo.)

@ 武道館

[ SETLIST ]
1. Somebody's Knocking
2. Key to the Highway
3. Hoochie Coochie Man
4. Next Time You See Me (Paul Carrack on Vocal)
5. I Shot the Sheriff
6. Circus Left Town
7. I Dreamed I Saw St. Augustine
8. Nobody Knows You When You're Down and Out
9. I Will Be There
10. Cypress Grove
11. Sunshine State (by Dirk Powell)
12. Gin House (by Andy Fairweather Low)
13. Wonderful Tonight
14. Crossroads
15. Little Queen of Spades
16. Cocaine
En. High Time We Went (Paul Carrack on Vocal)

今日は、若手ゲストはなし。

「満足のある公演」とは書いたけど、
アンコールがエリックの曲ではないことは
やはり不満ですな。







2016.4.17

水からの伝言

15年以上前になると思うが、『水からの伝言』という
写真集を買った覚えがある。
江本勝という人が著者で、水を入れた容器に
「ありがとう」など きれいな言葉と
「バカ」や「死ね」など汚い言葉を書いた紙を貼り、
それらの水を結晶化させた写真や、
クラシック音楽とヘビーメタルを水に聴かせた結果の
水の結晶の写真集だった。

きれいな言葉を貼ったもの、
きれいな音楽を聴かせたものは、
美しい結晶ができ、
汚い言葉のもの、ヘビーメタルのような
音楽のものは、崩れた形の結晶になっていた。

今となっては、言葉自体には「きれい」も「きたない」も
ないと思うし、本書のネット・レビューにあった
「『SHINE』と書いたらどうなるんですか」という
指摘も興味深い。
「SHINE」は英語だと「光」だが、
ローマ字読みの日本語では「死ね」だからね。
水は、その言葉の背景も判断するのだろうか。
そうなると、両方の言葉を貼ると
どうなるのかにも興味がわく。

とは言うものの、「言霊」などという言葉があるし、
当時の私は、素直に信じていた。
20代後半から30代の私は、今から思うと
結構スピリチュアルなもの、
ニューエイジなものに惹かれていた。
今では、それらが自分を幸福にするものではないことにも
気づき、そういうものは一通り卒業したような感じだ。

かといって、今でも神秘的なことを
否定する気は全くないし、
世界は不思議と神秘にあふれていると思っている。
基本的に嫌いじゃないのだ。

先日、何かを調べていて、
「水からの伝言」を信じないでください
というサイトに行きついた。
面白そうなので読んでみると、
(へぇ〜、そうなの?なるほど〜)と
思うような内容だった。

他にもあちこちの関連サイトを読んでいると、
問題になっていたのは、その結晶の写真を科学的実験の
結果(科学的ではないようです)だと
信じている人たちがいることであったり、
「水からの伝言」を教育の場で道徳の授業に
使ったということであったり、
「人を見た目で判断しない」と教えている道徳の
授業への矛盾であったり、
「水からの伝言」が波動ビジネスにつながっている
ことであったりと、多岐にわたる。

なぜ、道徳の授業に使うことが問題視されるのかは、
長くなるので書かないので、
興味のある方は、ググってみてください。

「料理を作る時は、美味しくなれ〜と
声をかけています」という人が、
それでも「水からの伝言」を
批判しているのも、人間と科学と神秘の関係を
表わしていて面白いと思う。

私は、野菜や果物にモーツァルトを聴かして
栽培すると美味しくなるとかいうことも、
あってもおかしくないと思っている。

水の結晶の話も全否定する気はない。
というか、それぐらいのロマンはあった方が良いと思う。
でも、科学で証明されていないことを
"さも科学的であるかのように" 教育の現場に
持ち込むことには反対だ。
この辺のさじ加減を間違うと
ややこしいことになるんやと思う。
「江戸しぐさ」の問題にも似てるよな。

本当だというのなら、
科学者が納得するような方法で実験をすれば
良いと思うけど、それはやらない。
やらないので、ニセ科学って言われてしまう。
で、「科学で解明されていることが全てじゃない」という。

ウィキペディアには、
著者の釈明として、このように記載されていた。

江本は『AERA』のインタビューに対して、
『水からの伝言』のことを
「<<ファンタジー>>あるいは<<ポエム>>である」、
即ち 「(科学ではなく)物語である」 と述べた。


え〜っ。
ホンモンやないですって、認めてしもたんかいな。

そして、こう続いている。

ただし物語のリアリティーへの配慮からか、
いずれは証明されるものとして語られており、
事実でないことには触れられない
(物語であるので、証明要素はない)。


「いずれは証明される」か・・・。
なんかちょっと残念。

その江本氏も2014年に亡くなっていた。





2016.4.18

地震被害拡大

4月14日の夜に九州・熊本地方で地震があった。
翌15日、そのことを書いたが、その夜にも
大きな地震があり、被害は大きく拡大した。

今日の時点で、死者は41人なり、
とにかく被害は大きくなった。
余震は今日も続いており、
今夜も熊本で震度5強の余震があった。

これ以上、被害が拡がらないことを
祈るだけです。





2016.4.18

イチロー

現在、マイアミ・マーリンズに所属するイチロー。
野球に詳しくない、普段 野球を観ない私でも、
日本人として彼のことは気になる。

マリナーズ時代に比べ、報道もやや地味になった感が
あるのは否めないが、プロ野球選手の
平均引退年齢が、29歳と言われる中、
42歳でメジャーで活躍しているのは、
凄いことだ。
42歳というのは、メジャーの野手としては、
現在最高齢だという。

今年、メジャーでの 3000本安打が
注目されるイチロー。

メジャーでの安打数は、2937本で、
日米通算では、4215本(4月13日現在)。

メジャーの通算安打記録1位が、
ピート・ローズという人で、4256本なので、
日米通算で考えると、それに迫る数字になる。

記録が重要ではないかもしれないけど、
3000本安打は、達成してほしいな。
そうすると日米通算で、ピート・ローズの
記録を上回ることになる。

YouTube でイチロー関連の動画を観ていて、
2012年にマリナーズからヤンキースに移籍後の
「マリナーズ VS ヤンキーズ」の動画を発見。

これ。

ヤンキーズのユニフォームを着たイチローに
マリナーズのファンが、声援を送る。
どれだけマリナーズのファンに彼が愛されていたかが
よく分かる泣ける動画です。
その声援の大きさに、ちょっと半泣きにも見えるイチロー。
それでも、ヒットを打つあたりがやっぱり凄い。





2016.4.19

天使に“アイム・ファイン”

学校でイジメにあっている小学生と天使が
登場する、それぐらいの予備知識しかなかったが、
Movie Walker では高評価に見えたので、
疑問もなく鑑賞することにした映画
『天使に“アイム・ファイン”』。

主演は、雲母っていう若手女優。
「うんも」ってスゴイ芸名やな、と思ったら、
「きらら」って読むそうな。

それはさておき、始まって間もなく、
作り手の素人っぽさというか、
B級感が目白押しでちょっと引いた。
演出も陳腐。
主役の演技も微妙。
それはそれでええやろ。
B級映画でも おもろいもんはあるやろ、と
思い直して 観続けていると、どうも、
楽しめる程度の B級さを超えている。
も、もしかして、これって・・・と
思っていると案の定の展開。

天使が人間を救おうとするのだが、
自分の力が及ばず、神様に祈ると
神様に力を与えられ、天使はその力を使って、
人間に働きかけ、それでもって人間が問題を
乗り越えていくという、どこかで観たような
「必殺 神頼み解決法」な展開。
あ、昨年観た『UFO学園の秘密』や!
と思ったら、来ましたエンドロールで、
「製作総指揮 大川隆法」
「原作」も大川さん。

私はね、偏見を持ちたくないねん。
実際、偏見なしで観たんよ。
「幸福の科学」に恨みも文句も批判もないねん。
私は、ただの映画ファンやねん。
だから、大川さん、信者以外にも観せるんやったら、
それなりのクオリティの作品を作ってよ。
でなけりゃ、信者にビデオで配ればいいよ。
お金を取って観せる作品としては、
アカンでしょ、これ。
そう言いたくなるレベルです。
それとも高評価のレビューにあったように
「この作品に感動するのは、心が清い人」とでも
言うのかね。
どういうつもりで、世の中に公開したのか、
訊いてみたいね。

雲母(きらら)が歌うエンディング曲、
『天使に“I'm fine.”』っていう曲も
微妙やなぁ〜って思っていたら、
作詞・作曲が大川隆法って、もう残念でしょうがないね。
だって、自ら評価下げてるんやもん。
自ら、信者じゃない人に、偏見、植え付けてるんやもん。

で、帰ってきてから、Yahoo! 映画でチェックしたら、
評価低かった〜。
ここのレビュー読んでたら、絶対観なかったのにな。

でも、映画を観る前はなるべく
予備知識なしで観たいねんなぁ。

で、Movie Walker の高評価のレビュー読むと、
あんまり映画の内容のこと書いてないやん!
そういうことやったんかぁ。


★★☆☆☆




リリーのすべて
THE DANISH GIRL


実話を元にしている映画とはいえ、
結婚している男性が、自分の中の女性に目覚め、
性転換手術まで受ける話と聞くと、
正直あんまり食指が動かなかったのだが、昨年、
『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞
主演男優賞を受賞したエディ・レッドメイン主演だし、
『英国王のスピーチ』『レ・ミゼラブル』の
トム・フーパー監督作だし、
今年のアカデミー賞で4部門ノミネートの上、
アリシア・ヴィキャンデルが、助演女優賞を受賞したし。
これだけ揃うと、やっぱり観といた方が、
ええような気がするもんな。

で、観ました。
これは、見応えのある映画でした。
世界で初めて性転換手術を受けた画家アイナー・ヴェイナー
(女性名は、リリー・エルベ)というデンマーク人と
その妻の苦悩の物語。
1930年代、同性愛にさえ大きな偏見があった時代だろうし、
トランスジェンダーなんて、全く認知されていなかった
時代だろう。
映画の中でも、医者にかかると精神分裂と診断され、
精神病棟に入れられそうになるシーンもある。

自分の身体は男だけど、内面は女だったということに
気付いたアイナーの苦悩も大変だっただろうが、
映画は、どちらかというと、
妻のゲルダの愛の大きさを描いている。

性転換手術を知ったとき、過去に成功例もなく、
ゲルダは「危険すぎる」と言うが、
リリーは、「希望」だという。

自分が自分らしく生きることに、
命をかけるリリーに対し、
全てを受け入れ、男でなくなった夫をも
愛し続けるゲルダは、
もう涙なしでは観られまへん。
ゲルダちゃん、抱きしめてあげたくなります。

同性愛の映画ではなく、
今まで味わったことのない、
夫婦の、いえ、人間の愛の物語です。

私の心配は、エディ・レッドメインが、
次回作でもオネエっぽく見えないかということ。
それほど、リアルです。

原題の『THE DANISH GIRL』は、
デンマークの女という意味。


★★★★★


疑問。
なんでアリシアは、主演女優ではなく、
助演なんやろう?
主演と助演の違いがわからん。





2016.4.20

ときどき写真展 51

もうすぐ歩く




2015.6.28 1歳になる前の C 君のあんよ





2016.4.21

あやしい彼女

73歳のおばあちゃんが、突然20歳の身体に
戻ってしまうというコメディ映画『あやしい彼女』。

オリジナルは、韓国映画らしいが観ていない。
韓国で大ヒットのあと、中国、ベトナムでも
リメイクされ、それぞれ自国で大ヒットしたらしい。
これから、ドイツやインド、アメリカでも
リメイクされるという人気のストーリーだ。

さて、その日本版。
出演は、73歳のおばあちゃん、
瀬山カツ役に倍賞美津子、
20歳になったカツ役に多部未華子。
その娘役に小林聡美。
幼馴染役に志賀廣太郎、など。

コメディとしては、結構、面白く楽しめたし、
笑いだけでなく、しっかり泣かされるシーンもあった。
また、若返ったカツ(多部未華子)が、
自分の孫とバンドを組み、歌を唄うのだが、これが中々良い。
多部の歌は、けして上手いわけではないのに味がある。
『悲しくてやりきれない』は、演出の効果もあって
じんわり心に染みたね。

バンドはギター・トリオに多部のヴォーカルなのだが、
『真赤な太陽』などアレンジも中々ええなぁと
思っていたら、エンドロールで、
「劇中歌プロデュース 小林武史」と見て妙に納得。

ここから、ややネタバレ。
そんなわけで、全体に良かったんやけど、
3つ、どうも引っかかってしまったなぁ。

一つは、要潤 演じる音楽プロデューサー小林が、
ジョギング中に偶然、のど自慢会場から聞こえる
若返ったカツの歌声を耳にするのだが、
ジョギング中、小林はイヤホンをしてるねん。
ほな、会場から漏れてくる歌なんか、
聞こえへんやろ、と思うねんな。
なんで、あそこでイヤホン付けさせたんかなぁ。
付けてない方が、自然やと思うねんけど、
音楽プロデューサーはジョギング中も
音楽を手放さないということかね。
まあ、これは引っかかったというても、許容範囲。

でも、これはアカンかった。
後半、バンドがロック・フェスに
出演するんやけど、バンドのギター(カツの孫)が
事故に遭ってステージに出られへんわけや。
けど、カツは「私、歌います」言うてステージに上がる。
ここまでは、ええ。
けど、ステージ上がったら、
誰か分からんヤツがギター弾いてるねん。
誰やねん、あれ!

ほんで、バンドはまだデビュー前で売れてないし、
その曲、作ったばかりの新曲で初披露のはずやのに、
お客さん、めっちゃ盛り上がってるし、
一緒に歌うねん。
聞いたことない歌やで。ありえへん!

いやいや、元々コメディでありえへん設定やから、
突っ込んだらアカンのやろうけど、
私は、こういうのはあかんなぁ。
あそこで、一気に白けたわ。
そういうとこ、雑にして欲しくなかったなぁ。

で、本作のオフィシャルサイトを見ていたら、
こう書いてあった。

劇中歌プロデュースの小林武史のアイディアで、
当初は予定されていなかった観客との
コール&レスポンスが急きょ付け加えられることになった。


ああ、その場の思いつきでやってしもたんかぁ、って感じ。

「一気に白けたわ」って書いたけど、
その後のシーンで泣かされるねんけどな。

まあそういうわけで、私としては、
多部未華子も魅力的やったし、
上記3点がなければ大変良かったんですが、
ちょっと惜しい映画でした。


★★★★☆





2016.4.22

ERIC CLAPTON
CELEBRATES THE 200TH SHOWS


19日(火)が最終公演だったエリック・クラプトン。
もう帰国したのでしょうか。
日本のどこかでのんびり過ごしているのでしょうか。

今回の来日で、私は 5公演中 2回観に行ったけど、
5回とも観に行った人のサイトによると、
5公演ともセットリストは、(多少順番が
違ったけど)同じだったようだ。

もう、来ないのかな。
日本にだけは、また来てくれるのかな。
来るたびに、公演回数は減っていくのかな。
これだけは、分からんけど、
これが最後だとは思いたくないなぁ。
こんなこと書いてたら、
なんか、泣けてきてしもたぞ。

さて、気を取り直して。
前回 2014年 2月の来日は、
1974年の初来日から数えて20回目の来日で、
200回目の日本での公演を迎えた。
私が観た 2月21日は、202回目だったのだけど、
招聘元であるウドー音楽事務所の社長(?)が、
200回目の公演のお祝いと感謝に
ストラトキャスターの形をした楯を贈り、
感謝の辞を述べる動画を発見した。
エリックの家族(娘たち)もいる。
娘が「皆、なんで拍手してるのかと思った」って
言うのが、お父さんの偉大さを分かっていないようで
微笑ましい。

Eric Clapton and his daughters 2014 in Japan
(celebrates the 200th shows with his family)






2016.4.23

プリンス 死去

4月21日(現地時間)、米ミネソタ州の自宅兼スタジオで
プリンスが亡くなった。
57歳だった。
若いなぁ。

死因は、まだはっきりとはしていないようだが、
自殺の様子はなく、重篤な病気でもなかったようだ。
近いうちになんらかの発表があるだろう。

私は、プリンスの曲はたくさん知らないのだけど、
『パープル・レイン』は、ギター・デュオで
何度かライヴでも演奏したことがある。

合掌。




ルーム
ROOM


今日は、アカデミー賞受賞の映画 2本を鑑賞。
まずは『ルーム』。

女子中学生が誘拐され、2年ぶりに保護された事件が、
日本でもあったせいか、主演のブリー・ラーソンが
アカデミー賞主演女優賞を受賞したせいか、
TOHOシネマズシャンテの 15:40からの回は、
満席だった。

予告編を観て、狭い部屋で何年も監禁されていた
母子が誘拐犯から脱出するドキドキハラハラの
映画かと思っていたら、全然違った。

ここからネタバレです。

確かに脱出はするけど、
ほとんどドキドキハラハラはなく、
意外にあっさり一度で成功する。

本作が描いているのは、その脱出劇や
誘拐・監禁の犯罪ではない。
犯人のことにもほとんど触れられていない。

監禁されていた部屋で生まれ育った、
その部屋の中が世界だと信じている
5歳の男の子と、その母親の脱出後の
戸惑いと苦悩、そして親子の愛、家族の愛を
描いたヒューマン・ドラマだ。

映画の冒頭、息子ジャックが監禁されていた
部屋の中の家具や色々に「おはよう」を
言うシーンから始まった。
そして、ラストシーン、
親子は監禁されていた部屋を見に戻る。
外の世界で生き始めたジャックは、部屋を見て
「こんなに狭かった?」と言う。
そして、ジャックは、部屋の中の家具や色々に
別れを告げ、母親にも部屋に別れを告げるように言う。
このシーンは、とても印象的で秀逸。
この時、ジャックは部屋と完全な決別をしたのだ。
ジャックは監禁されていた 5年間、
監禁されていたと知らなかったし、
母親には愛されていたので、
新しい世界に馴染んでいくのも早いのだろうな。

一方、母親のジョイは17歳で監禁され、
その部屋で犯人の子供を産んだ。
「この子の父親は犯人じゃない。
親は私一人だ」とインタビューに答えるシーンが
あるが、助かって自由になったはずなのに
大人の方が、精神的なダメージは大きく、
立ち直るのに時間がかかるのだろう。

主演女優賞を受賞した母親役のブリー・ラーソンも
良かったが、ジャック役の
ジェイコブ・トレンブレイが素晴らしい。
主演男優賞でもおかしくない。

ドキドキハラハラもなく、
大感動でもないのだけど、
何かがじんわり染みてくる映画です。


★★★★☆




スポットライト 世紀のスクープ
SPOTLIGHT


2本目は、アカデミー賞作品賞&脚本賞 W受賞の
『スポットライト 世紀のスクープ』。

タイトルの『スポットライト』は、
アメリカ、ボストンの新聞「ボストン・グローブ」の
特集記事欄の名称。

その「スポットライト」チームが、2002年1月に
とんでもないスキャンダルを新聞の第1面に掲載した。
それは、何年にもわたり、カトリック教会が
組織ぐるみで 神父による児童への性的虐待を
隠蔽してきたという事実だった。
しかも、その犯人(神父)の数は、
数十人にのぼり、被害者は1000人以上と推定される。

本作は、その実話に基づいた映画で、
ジャーナリズム魂を貫く新聞記者達を
描いた映画。

腐った教会のシステムには、ゾッとすると同時に、
神に仕える仕事に就く者の、
神への冒涜ぶりにもひっくり返りそうになるが、
これが人間っちゅうもんなのか。

「教会」や「神父」というものが
信者にとってどういう存在であるか、
私のような無宗教の人間にはわからないが、
これは、人の弱みにつけ込んだ、
卑劣極まりない犯罪だ。

この記事が出たおかげで、
世界中で神父による児童への性的虐待が
明るみに出たらしいが、今だってどうだか
分からない。

そして、マスコミというと、芸能人のどうでも良い、
くだらない記事をメシのネタにしている人もいるが、
こういう社会派の人たちもいるんだと思うと
安心する。

出演は、グローブ社の記者役にマーク・ラファロ、
マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス等。
マーク・ラファロとレイチェル・マクアダムスは、
それぞれアカデミー賞助演男優賞、助演女優賞に
ノミネートされた。
チーム・リーダー役のマイケル・キートンは、
『バードマン』より良かったな。

印象に残ったセリフ。
リーヴ・シュレイバー 演じる編集局長、
マーティ・バロンが言う。

私たちは、暗闇の道を歩いている。
光が当たった時に
その道が間違っていると気付くんだ。


★★★★▲





2016.4.24

レヴェナント:蘇えりし者
THE REVENANT


昨日に続いてアカデミー賞受賞作だ。
今回最多12部門のノミネートで、
監督賞(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)、
主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)、
撮影賞(エマニュエル・ルベツキ)の3冠を達成。

映画を観ての感想は、ディカプリオの
主演男優賞には、納得だし、
撮影も素晴らしく、撮影賞も納得。

監督賞は、『バードマン あるいは(無知がもたらす
予期せぬ奇跡)』に続いて2年連続の快挙なのだが、
作品賞を受賞しなかったことは、
なんとなく頷ける。

なんというか、「撮影大変だっただろうな」とか
「ディカプリオ、頑張ったなぁ」とか、
そんな感想はあるのだけど、
「ええ映画やったなぁ」というような
作品に魅せられた感じはない。

息子を殺された男が、復讐のために、
死んでもおかしくないような怪我だらけの
身体を引きずり、執念の塊になって、
仇を追いかける。
ただ、それだけの映画。
ネイティブ・アメリカンへの虐殺など
アメリカの負の歴史も描かれているけど、
それは本作のテーマではないように思う。

なので、この作品を通じて、
一体何を言いたかったのかが、
全く分からないのだ。

唯一、推測できるのは、
「息子(家族)を命懸けで守る、
偉大な父」を描きたかったのかな、
という程度。

アメリカ映画って、
例えばトム・クルーズ主演の『宇宙戦争』
みたいな娯楽映画にさえ、
父と子の絆のような要素を絡ませてくる。
どうも、「大いなる父」ってアメリカには、
重要な象徴なのかなと思うねん。

ここからややネタバレ。
グラス(レオナルド・ディカプリオ)が、
グリズリー(熊)に襲われるシーンは、
もの凄い迫力で、見所の一つやと思うねんけど、
あんなデカイ グリズリーに何度も
前足でやられたら、体中の骨が折れただろうと思う。
実際、足が変な方向に曲がっているぐらいの
大怪我だった。
ネイティブ・アメリカンの一人がグラスを助けて、
木の枝を組んで小屋を作り、
「スウェットロッジ」のようにするシーンがあるが、
治療と言えば、それぐらいのもの。
大した治療もせずにいつの間にか杖をついて
歩けるようになっていたり、
川の中で泳いだりするのは、ちょっとどうかなと思った。

事実に基づく話ということだが、
一体、誰が見ていたんだろう。
グラス本人の手記か何かが、原作なのだろうか。
実話に基づいた映画といっても、
昨日観た『スポットライト』とは、
種類が違うように思う。

映像は、圧巻なので劇場で観るべき作品だし、
157分を長く感じないのも素晴らしい。
でも、何が言いたいのか分からない。

この監督の作品、『バベル』、『ビューティフル』、
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と
観てきたけど、私には難しいのかもしれないな。

辞書によると「revenant」の意味は、
「帰ってきたもの, (特に) 亡霊」とあったが、
なるほど、死んだはずの奴が、生きた亡霊になって
帰ってくる話だった。


★★★☆☆





2016.4.26

ときどき写真展 52

そのまま



2015.10.24 某小学校にて





2016.4.27

写真がもっと好きになる。
写真を観る編。


先月、「写真に飢えている」と書いた。
その飢えを満たすため、写真に関する本を
読んだり、写真集を買ったり、講座へ参加したり、
写真展へ行こうとしたり(まだ行っていないけど)、
始めてみると面白いもので、
飢えは満たされるのかもしれないが、
「欲」が増幅され始めた。
「欲」というより、「好奇心」とか「興味」と
いった方が良いのかもしれないけど。

今日のタイトルの
『写真がもっと好きになる。写真を観る編。』は、
菅原一剛という写真家が、
19世紀から20世紀にかけて活躍した、
世界の16人の写真家を紹介した本。
16人のうち、3人は名前を知っていたし、
うち2人は、最近、写真集も購入したところだったが、
あとの13人は、名前さえも聞いたことがなかった。

そんな状態で読み始めたのだが、
読み始めてすぐに
「これはええ本に出会った」と思った。
実際、Amazonのレビュー評価が高いから
購入したのだけど。

著者が個人的に尊敬している、
好きな16人の写真家について書いているのだが、
押し付けがましくなく、文章が読みやすく、
写真とそれぞれの写真家への愛と尊敬が感じられ、
私は、16人全ての写真家に興味を持った。

こんな本は、珍しいんちゃうか。

16人の写真家を知るための写真集も
2〜3冊ずつ紹介されているのだが、
全部観たいと思った。
残念ながら、入手困難なものも含まれているのだけど。

そして、これから写真を撮るのに、
ヒントになるような言葉も散りばめられていて、
繰り返し読んでみたい一冊となった。

例えば、こういうの。

「写真には自分の見えないものも、
自分の感じないもの、自分の考えないものは、
写らないということです。
自分のよく知っているものが、
知っているようにしか映らないんですね。」


これは、土門拳の言葉だが、
自分の被写体を見る力を問われる重い言葉だ。
また、著者の言葉では、こういうの。

「写真を撮るということは、必ず目の前に、
残しておきたいと思う何かが存在している、
ということです。」


ああ、そうか、
と思った。
残しておきたいから撮るんや、と
妙に腑に落ちた。

タイトル通り、「写真がもっと好きになる」本だった。
お見事。

著者 菅原一剛は、1960年生まれの写真家。
著者の写真は、ネットでチラッと見ただけなのだけど、
解説にジョン・レノンを引き合いに出したり、
「写真を撮る」ことと「楽曲を演奏する」行為を
「似ているところがある」と言ってみたり、
『DUST MY BROOM』なんてタイトルの写真集を
出したりするあたりから、音楽も好きな人とみたね。
("DUST MY BROOM" は、ブルースの有名曲。)





2016.4.28

土門拳 腕白小僧がいた

昨日レビューを書いた、菅原一剛 著
『写真がもっと好きになる。写真を観る編。』にも
紹介されていた写真家、土門拳。
私は、つい2ヶ月ほど前までその名前すら
知らなかったのだが、土門は日本を代表する
写真家のひとりだ。
1909年(明治42年)生まれで、
1990年(平成2年)に没。

この人は、仏像と子供の写真が有名なようだ。
『土門拳 腕白小僧がいた』は、主に1940年代、
1950年代の子供を捉えた文庫版の写真集。
数冊の作品集の中から選ばれた写真と
土門自身のエッセイで構成されている。

まず、写真が力強い。
「まっすぐ」だ。
その時代の子供達だから、ということも
あるだろうが、誰が撮ってもこんな風に
撮れるわけではないのは、一目瞭然。
撮影者が、被写体に何を見ているかが、
ハッキリ出る写真だろう。

特に1959〜60年の、
筑豊の炭坑が閉山したあとに撮られた
写真集『筑豊のこどもたち』と
『るみえちゃんはお父さんが死んだ』の
子供達の写真は、強烈だ。
炭鉱の閉山で大勢の労働者が失業し、
その家族も大変な生活難に追い込まれた。
その姿を報道し、社会に訴えることが、
報道写真の役目だという強い使命感と
信念を持っての撮影だったようで、
撮影のあと過労で倒れた、とあるので、
その熱情もよほどのものであったのだろう。

50年代の路地でチャンバラ、メンコ、落書きをする
子供達の姿は、もう今では見られなくなった、
時代の記録でもある。
その子供達の笑顔と眼差しを見ていると、
現代には失われてしまった何かを
思わずにはいられない。
私は1962年生まれで、3〜4歳ぐらいまでの
記憶がギリギリこの50年代の風景に重なり、
何とも言えぬ、ノスタルジーがそこにある。
実際は、この頃の10年は世の中が大きく変わる
高度成長の時代であったわけで、50年代と
60年代とでは違ったのだろうけど。

生き生きとした子供達の姿を
カメラに収めることができたのは、
土門自身が、子供好きであったことは
要因の一つに間違いはないだろうが、
1947年に彼が事故で子供を亡くしていることも
関係があるような気がしてならない。

ノンフィクション作家 やなぎだ・くにお氏の
あとがきに「土門氏の写真集が体温を失わないのは〜」
という表現があった。
「体温を失わない」写真。
ええ表現やなぁ。
そんな写真を私も撮りたい。

今年の1月には、ゴールデン・ウィークの、
山形庄内地方の旅行を計画した。
2泊3日で、2泊目は酒田に泊まる予定を立てた。
その後、土門拳のことを知ったのだが、
彼は、山形県酒田市の出身で、
酒田には土門拳記念館があることが分かった。

"来たなシンクロニシティ" と思っていたら、
記念館のウェブサイトにイベント情報が。
5月3日に「土門拳のリアリズム」というタイトルで
ギャラリートークが開催されるのだが、
トークするのは「土門拳の内弟子である 堤 勝雄氏」。
う〜ん、重ねてきたシンクロが、堤さんかぁ。
聴きたかったけど、3日は無理やねん。
惜しい!




ボーダーライン
SICARIO


エミリー・ブラントが、エリートFBI捜査官を
演じる映画『ボーダーライン』。
日本でのコピーが「その善悪にボーダーはあるのか」
ってことで、邦題が『ボーダーライン』なんでしょうが、
原題の『SICARIO』は、スペイン語で
ヒットマン(殺し屋)のこと。

映画を観終わると分かるこのタイトルの意味。
あい変わらず配給会社は邦題に苦労しているようですな。

ちょいネタバレです。
エミリー・ブラントが主役なのだが、
途中からベニチオ・デル・トロに持って行かれます。
エミリー・ブラントが演じるケイトは、
エリート捜査官で、ある任務に抜擢されるんやけど、
そこでは、あんまりええ働きができません。
ケイトは、真面目なんです。
舞台は、無法地帯のようなアメリカとメキシコの国境部。
敵は、麻薬組織。
警察官も麻薬組織に通じているし、
法なんて守っていたら、
悪者をやっつけられないような世界。
そんな中で、ケイトが就いたのは、
実はとんでもない任務の片棒だった。

結局は、復讐の話で、
監督が、あの、私が今まで観た映画の中で一番強烈だった
『灼熱の魂』のドゥニ・ヴィルヌーヴと聞いて、妙に納得。

どのあたりまでが、実際のメキシコの姿なのか
分からんけど、極力、フィクションであることを
望むような えげつない内容です。

アカデミー賞の撮影賞、作曲賞、音響編集賞にノミネート。
確かに内容とは裏腹に映像には美しいシーンもあり、
暗闇の攻撃シーンも効果的。
音楽も重厚です。

ただ、テンポが速く、予備知識がないと、
途中でちょっと、何がどうなってんだか、
筋が混乱する。
終わってみると大体理解できるけど、
平和な日本人には考えられない世界。
オフィシャルサイトを読み直して、
ようやく、納得でした。


★★★★☆





2016.4.30

イチロー 500盗塁

500盗塁の記録は、メジャー史上38人目で、
500盗塁、2900安打を達成したのは、
わずか 8人だという。

すごい記録だけど、本人のコメントは、
「まあ、特別な感慨はないですけどね。
ずいぶん時間がかかってしまったな、
という印象です」というもの。
これがイチローなんでしょうな。

500盗塁は、現役選手では、最多。
安打の方は、メジャー通算2945安打で、
歴代32位だそうな。
(現役選手では、アレックス・ロドリゲスの
3077本に次いで 2位。)

42歳のイチローはキャンプ中にこう言ったそうな。
「『自分は若手ではない』と言っていない。」

つまり、自分は「若手ではないとは思っていない」ということ。
出来ないことを年のせいにはしないということでしょうな。

私は41〜42歳の頃、ギックリ腰で苦しんでましたよ。
比べるな!



ひとりごと