2025年7月
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2025.7.3
Aria Custom Shop
NXG-01
身の回りの物を減らそうとしている。
古い使わなくなった機材をネット・オークションに出すと、
思わぬ値段がついて、ほくそ笑むこともある。
しかし、処分したのは小物が多く、部屋を
見渡したところ、モノが減ったようには感じられない。
そんなところへ、新しいギターがやって来た。
エレガットというのは、ナイロン弦ギターに
マイクを内蔵したもののことで、
これがエレキギター同様、終わりなき旅なのだな。
今まで手にしたエレガットは、シェクター、オベイション、
クルーズ、ヤマハ(サイレントギター)、マーティン、
アヌエヌエ、VG。
今も手元にあるのは、ヤマハ(サイレントギター)、
アヌエヌエ、VG。
今回入手したのは、Aria(アリア)という日本の
メーカーのもので、2000年前後に短期間だが
販売されていた「NXG-01」というモデル。
Aria は、荒井貿易という会社のギターブランド。
アコースティック(ARIA)から、
エレキギターやベース(Aria Pro II) まで作っており、
プロにも使用者は多い。
最後に買ったギターが、2023年8月購入の
Aria Pro II のテレキャスタータイプ、シンライン
(1976年製)だったので偶然 Aria 続きだ。
今回のギターは、前述の通り2000年前後に
製作されたものだと思われるが、指板のインレイに
「Aria Custom Shop」と記載がある。
Custom Shop というと、ハイエンドで高価なギターを
イメージするが、もともとが12万円(税別)なので
それほど高くはない。
現在の ARIA CUSTOM SHOP「APII」は、
2018年頃に始まっているので、
本機はそのカスタムショップとは違うと考えられる。
おそらく「APII」は「Aria Pro II」のカスタムショップで、
本機は「ARIA」のカスタムショップという位置づけだろう。
本機には、色んな工夫がされており、
以前から目にするたびに気にはなっていたが、
実物を見たことはなかったし、わざわざ探すほどでもなかった。
中古市場でも滅多にお目にかかることがないのは
絶対数が少ないからだろう。
今回見つけた時は、なぜか ちょっと気になり方が違った。
もちろん20年以上前のもので、中古品。
お値段は、まあこの値段なら、というところ。
20年以上前の物なので、それなりに傷はあるが、
そんなことは気にしない。
まず、見た目がユニーック。
他のメーカーの○○っぽさがない。これ大事。
ボディトップのスプルース(単板)の木目がきれい。
サウンドホールがユニーク。
このサウンドホールは、上手く出来ていて、
プレイヤーに向かって音が出るように設計されている。
手元に届いてすぐにアンプにつないで、
音出しのチェックを行った。
アンプの出音を大きくせずにチェックしたため、
ボリュームを絞ってもアンプから音が出ているように聞こえ、
ボリュームが故障していると勘違いしたほど、
生音も見た目以上に鳴る。
ハイポジションまで弾ききゃすい。
ナット幅は、私の好みの45ミリ。これも大事。
ピックアップは、ピエゾタイプとボディ内部の
コンデンサーマイクのデュアルミックス・タイプ。
このミックス具合は、ボディ裏の穴に
プラスドライバーを差し込んで調整できる。
3つのコントロールは、ボリューム、アクティヴのトレブル、
アクティヴのベースとなっている。
欲を言うなら、ボディ裏のピックアップの
ミックス・バランサーをボディの表に出して、
ボリュームやトーンと同じノブで、調整できるように
して欲しかったなぁ。
コントロールの3つのノブはトップの響きを損なわないよう、
トップ板には触れないよう穴をあけて、
一段下にマウントされている。
これは、結構な手間仕事だと思う。
そして、ノブが(たぶん)ローズウッド製という凝りよう。
25年前といえども、このスペックで 12万円なら
安かったんじゃないだろうかと思う。
持っている VG EAR-01 に比べると、
やや、弦高が高いのだが、慣れれば弾けないほどではない。
弦高を下げることも可能だが、今が限界で、
おそらくビビッてしまうだろう。
ラインの音も思った以上に十分に使える。
家で弾くなら、生音も VG より良い。
夜中に弾くなら、VG だけど。
VG EAR-01
ところで、一昨年の末で退職した際、
退職記念のギターを買おうと思ったが、
結局、買わずに今に至っている。
毎日とは言わないが、しょっちゅう、デジマートで
あれかな、これかな、と物色しているのだけど、
中々これというモノに出会わない。
今1本興味のあるヤツが池袋の楽器店にあるのだけど、
今までの経験から言って、試奏すると80%ぐらいの
確率で買ってしまうので、売り切れずに残っていて、
もうしばらく気持ちが変わらずにいたら、試奏に行こうかなと思う。
あ、今回のギターは、機材やCD、本、楽譜などを
処分したお金で買ったので、退職記念ではないです。
念のため。(何で?)
2025.7.4
Char 武道館LIVE 2025
Purple Phase Jam
"古希 Session Party"
2月の「Tribute to Jeff Beck」以来の Charさんのライヴ。
"古希 Session Party" ということで本日の会場は、武道館。
振り返ると、1995年に東京に出てきて、初めて武道館で
Charさんを観たのは、1996年、デビュー20周年の
「Electric guitar Concert」だった。
それから節目節目に開催される武道館公演を観てきた。
1999年の「Char ,Bogert & Appice」、
2001年、デビュー25周年の「Bamboo Joints」、
2015年、還暦ライヴの「ROCK十 EVE」、
2021年、デビュー45周年の「45th anniversary concert special」
あと、番外編で1997年に「高中正義 Tour '97
虹伝説II at 武道館」にゲスト出演したのも観たね。
そんな歴史があっての今日の古希ライヴ。
6月16日が誕生日なので、すでに70歳には
なっているんだけど、ついこの前、還暦ライヴだった
ような気がしてならない。
私自身も10歳年をとったということやな。
さて、「Purple Phase Jam」と称された本日のライヴ。
大変、豪華な古希祝いだった。
何人が出演したのか数えられないほど、
多くのミュージシャンが出てきた。
ギタリストは、Charさんを入れると13人かな。
(奥田民生や Jesse も含めてだけど。)
ベーシスト 3人、ドラマー 3人、
キーボーディスト 2人、コーラス 4人。
あと、なんだか戸越の地元民、ジェシーの同級生、
Charさんの中学の後輩(現在 高校生)など、
とにかく正確な人数は分からない。
途中休憩なしの、約2時間45分。
とても盛りだくさんで、楽しいライヴだった。
なくても良いと思うコーナーもあったけど、
それはCharさんの休憩と着替えのために必要な時間だっただろう。
個人的にハイライトだったのは、金子家の息子ふたりとの『からまわり』。
ジョニー吉長と金子マリの息子、金子ノブアキがドラムを、
弟の Kenken がベースというトリオ。
Kenken はマーちゃん(加部正義)にもらったというコートを着て演奏。
この曲が終わった時、Char さんが思わず涙を拭いた。
そうやろなぁ、このトリオで武道館で演奏するなんて、
スゴイことやもんなぁ。
マーちゃんの娘二人もコーラスで登場した。
「三人の侍」は、なかったけど、アコギ・コーナーで
奥田民生、西慎嗣、佐藤タイジと演った『かくれんぼ』
『籠の鳥』も良かった。
『かくれんぼ』は、忌野清志郎とChar の共作。
それから、別格扱いのスペシャルゲスト、布袋寅泰。
この人は華があるなぁ。
観るたびに書いているような気がするけど。
曲は『Side by Side』。
布袋寅泰 Feat. Char のシングル曲。
私は観なかったのだけど、ちょっと前(4月11日)に
「Mステ」で生放送に出演した際、リハーサルで
ギターを倒したことが原因で本番が始まった途端、
ギターのチューニングが狂ったらしい。
それで、Charさんはチューニングをしたらしいのね。
生放送の本番で。
しかも彼は、チューナーを使わないので、
音を出しながら耳で合わせるのだ。
そのことは、ネットでも色々騒がれたようなのだけど、
そのアクシデントのことを視聴者は知らないもんだから、
皆 勝手なことを言うんだわさ。
で、今日はそのリベンジをしたいと、
素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくれた。
アンコールでは、石やんの『ハピネス』も飛び出した。
「スペシャル・ゲスト、石田長生!」って。
そんなこんなで、何度かグッとくるシーンがあったよ。
ステージの下手には小さなステージがあって、
出演が終わった人は、そこでパーカッションを叩いたりしながら、
ステージを鑑賞する。
途中の戸越の人たちのコーナーでは、
そこでバンドの演奏をしたり、まさにパーティでした。
Charさんのギターは、ピンクペイズリーのマスタングがメインで、
レスポールのゴールドトップ(P-90ではなくハム×2)、
ヤマハのアコギ(いつもの)、バーガンディミストのストラトキャスター。
今日のライヴは、たぶんビデオが発売されるだろう。
そして、来年はなんとデビュー50周年だ。
[ 出 演 ]
Char
SPECIAL GUEST:布袋寅泰
Char Band:
小島良喜 (Key)/澤田浩史 (B)/Tully Ryan (Dr)/
佐橋佳幸 (G) /福原美穂 (Vo)
Smoky Medicine Jam:
金子マリ (Vo)/鳴瀬喜博 (B)/佐藤準 (Key)/古田たかし (Dr)
JLC/Pink Cloud Jam:
Jesse/金子ノブアキ (Dr)/KenKen (B)
Purple Phase Jam:
奥田民生 (G)/野村義男 (G)/西慎嗣 (G)/春畑道哉 (G)/
はたけ(シャ乱 Q) (G) /佐藤タイジ (G)/Rei (G)/
山内総一郎 (G)/山岸竜之介 (G)
会場:日本武道館
ステージの見え方(開演前)
(2025.7.7追記)
セットリストを見つけたので貼り付けておく。
出典はこちら。
〈セットリスト〉
【Smoky Medicine Jam】
1. Show What You've Got Inside Of You
2. TOKYO NIGHT
【Char Band +佐藤準】
3. 空模様のかげんが悪くなる前に
4. Tomorrow Is Coming For Me
5. The Leading of The Leaving(Withはたけ)
6. I FEEL FREE(With春畑道哉)
【Acuostic Guitar Jam with 奥田民生、西慎嗣、佐藤タイジ】
7. かくれんぼ
8. 籠の鳥
【Johnny, Louis & Char / Pink Cloud Jam with 金子ノブアキ(Dr)、KenKen(B)】
9. からまわり
10. Would You Like It(With 金子マリ / 加部姉妹)
11.ONE MORE TIME(With Jesse)
【Free Jam】
12. Why Aren't You Ready (猿やBAND(仮))
13. ZIP IT (SHIVALA)
【Purple Phase Jam / Char Band】
14. Uncle Jack(With野村義男、Rei、山内総一郎、ZAX(The BONEZ)
15. Side by Side(With布袋寅泰)
16. Smoky (With山岸竜之介、並木瑠璃)
アンコール
17. NOW NOW JUICE(With Def Tech and more...)
18. Shinin' You Shinin' Day
19. Natural Vibration
参加アーティスト (出演順不同)
【Char Band】
Char (Gt)/小島良喜 (Key)/澤田浩史 (B)/Tully Ryan (Dr)/佐橋佳幸 (G) /福原みほ (Vo)
【Smoky Medicine Jam】
金子マリ (Vo)/鳴瀬喜博 (Ba)/佐藤準 (Key)/古田たかし (Dr)
【JLC/Pink Cloud Jam】
Jesse (Vo.Gt)/金子ノブアキ (Dr)/KenKen (Ba) / 加部姉妹 (Vo)
【Purple Phase Jam】
野村義男 (Gt)/春畑道哉 (Gt/TUBE)/はたけ (Gt/シャ乱 Q)/山内総一郎 (Gt)/
Rei (Gt)/山岸竜之介 (Gt) / 並木瑠璃 (Gt)
【Acuostic Guitar Jam】
奥田民生 (Vo.Gt) / 西慎嗣( Gt)/ 佐藤タイジ (Gt)
【Free Jam】
猿やBAND(仮)/ SHIVALA
【Special Guest】
布袋寅泰 (Gt) Def Tech (Vo)
2025.7.7
ソエジマトシキ
TOSHIKI SOEJIMA Summer Night Notes
4月に来日したエリック・クラプトンの発言で
一挙に注目をあびたギタリストのソエジマトシキさん。
私はずいぶん前から彼の YouTube を見ていたので、
その存在は知っていたけれど、エリックの発言には驚いた。
エリックの音楽とソエジマさんの音楽に、
あまり接点を感じなかったからだ。
もちろん深い所ではそれらの音楽が
繋がっていることは知っているけれど。
驚きと同時に、ソエジマさんに対する
祝福の気持ちも大きかった。
機会があれば、彼のライヴも観てみたかったが、
彼は(たぶん)東京在住ではないので、
そんなにしょっちゅう機会があるわけでもない。
というわけで、ようやく今日のライヴを観てた。
会場は、オープンしてからしばらく経つと思うのだけど、
恵比寿ガーデンプレイス内にある BNP (BLUE NOTE PLACE) 。
初めて行ったよ。
2階席しか取れなかったのだけど、
2階は席に着いてステージを見ることができず、
演奏が始まると、立ち見で吹抜けから見下ろす感じなのだ。
ところが、案内された席は、座ったまま
ステージを観ることができる席だった。
ふたり以上だと座ってステージを観られる席はないのだけど、
ひとりで行ったおかけで、座りながら観ることができた。
正確には、椅子を見やすいところまで移動したけどね。
さて、ライヴ。
ソエジマさんのギターは最近、YouTube で紹介していた
自身のシグネチャーモデル。
写真の左のギター。
ストラトシェイプながら、ストラトではない
甘い太いトーンだった。
確かピックアップがシングルサイズながら、
P-90と同じ構造だと、YouTubeで言っていた
ような気がする。
私が彼の YouTube を観出した頃は
写真左の青いセミアコがメインだったように思う。
アンコールでは「昔よく弾いていたギターで、
昔の曲をやります」と言って、このギターを弾いた。
このギターも、私好みの甘いトーン。
ソエジマさんが登場したのは「ネオソウル・ギター」と
いう言葉が使われ出した頃だったと思う。
彼も自分の音楽を「ネオソウル」と呼んでいる。
聴いていて感じたのは、その心地良さ。
「チル(chill out)」という言葉も最近よく聞くが、
チルな音楽なんだな。
最近観に行った、VINCENT GARCIA や
CORY WONG 同様 インストゥルメンタルなのだけど、
ヴィンセントやコリーのように熱くノル音楽ではなく、
ゆったりリズムに身を任せて聴く感じ。
だからといって、踊れないわけでもない。
自然に身体が揺れる感じ。
そして、新進気鋭のジャズ・ギタリストなら、
難解なフレイズも飛び出すが、彼の奏でるフレイズが
メロディアスで聴きやすいんだな。
スムース・ジャズともちょっと違う。
ひとつ間違うと、BGM というかイージーリスニングに
なりかねないギリギリだけど。
奥方(ナオキママ)が、トランペット、キーボード、
ギターというマルチプレイヤーとして参加している。
このミュート・トランペットの音が、
とてもバンドの音楽性に寄与している。
彼女の存在は、バンドの個性を引き立たせている
一つの要素だと思う。
こういう音楽がもっと一般的になるといいなぁ。
ブームでなくね。
BNP 店内の雰囲気は、木を基調にした内装で
今風なシャレオツな空間。
ステージはあまり高くなく、客席との距離も近い。
上から見下ろすステージ
真上からも写真を取れる。
ソエジマさんのペダル群。
STRYMON が多いね。
[ MEMBERS ]
Toshiki Soejima (g)
Nahokimama (tp,g,p)
Yoshitaka Utano (keys)
Yoshua Yoshida (b)
Ryo Kanda (ds)
@ BLUE NOTE PLACE
1st show
2025.7.8
国 宝
久しぶりの映画。
大ヒット上映中との謳い文句の映画『国宝』。
公開から1カ月以上経った平日の昼間だというのに
8割以上の席が埋まっていたので、
大ヒット上映中は本当なのだろう。
本作、3時間近くあるが、その長さを感じさせない、
素晴らしい作品であった。
ただ感動したというだけでは済まない、
感想を言語化するのが難しいような
複雑な思いが湧いてくる。
歌舞伎という伝統芸能の世界に生きる男達、
芸と同時に世襲に翻弄される男達。
役者として日本一になるために
悪魔と取引する主人公。
その何百年も続く歌舞伎界の頂点を目指す若者を
出演する俳優が、一年半稽古を積み、文字通り、
命を懸けて、命を削って、歌舞伎役者を演じた作品である。
その本気度と覚悟が伝わってきて圧倒される。
辛口の歌舞伎ファンが観てどう思うのかは
分からないけど、喜久雄が演じる曽根崎心中の
お初のシーンは強烈でそこだけでも観る価値がある。
ほかの歌舞伎の舞台のシーンも全て素晴らしい。
しかし、それでも、本作は歌舞伎を見せる映画ではない。
歌舞伎を見せたいなら、歌舞伎役者を使えば良かったはずだ。
これは「歌舞伎界にいる人間」を描いた作品なのだと思う。
出演は、任侠の家に生まれた立花喜久雄役に吉沢亮。
この人、顔は見たことがあるな、という程度で
映画を観るのは初めてだったけど、本当に素晴らしい。
歌舞伎役者の御曹司として生まれ、喜久雄の
ライバルになる俊介役に横浜流星。
この人は、ダメ男から、ボクサー、歌舞伎役者と
何でも演れるね。
その俊介の父親であり、上方歌舞伎の名門の当主・
花井半二郎に渡辺謙。
その妻に寺島忍。
寺島忍の役は、彼女以外に思いつかないほどのハマり役。
そのほか、田中泯、永瀬正敏、高畑充希、森七菜、など。
監督は、『フラガール』『悪人』『怒り』の李相日(りさんいる)。
原作は、吉田修一の小説『国宝』。
気になったのは、喜久雄や俊介が歌舞伎の世界を
一旦離れ戻って来た時の歌舞伎界や関係者の
様子をもう少し描いて欲しかった。
(まあ、テーマからすれば重要ではないのだけどね。)
そうすると、もっと長くなるか。
おそらく原作には、細かく書かれているのだろうから
原作を読むかな。
★★★★▲
2025年製作/175分/PG12/日本
劇場公開日:2025年6月6日
2025.7.8
老化の始まりか その1
先日、友人と4人でドライブした際、
とある道の駅に立ち寄った。
その日は、小雨が振ったり止んだりの日で
その道の駅に到着した時も、傘をさすほどでは
ないぐらいの雨がパラついていた。
私は、車から降りる時、誰に向かって言うでもなく、
ひとりごとのように 声を出して「傘、持って行こ」と呟いた。
道の駅の店内を見て買い物をし、
車に戻ってから飲もうと思い自販機で缶コーヒーを
買ってから、トイレに行った。
車に戻ろうとした時、傘を持っていないことに気が付いた。
車を降りる際に「傘、持って行こ」と呟いたことを
明確に覚えていたので、レジでお金を払う時に
置いてきたんだなと思い、お店に戻った。
が、傘はお店にはなかった。
念のため、店員さんにも訊いてみたが
忘れ物の傘は、届けられていなかった。
トイレに行くときには、もう傘を持っていなかったことは
間違いない。
持っていれば小便をする時に傘の置場を
考えるから、覚えているはずだ。
車を降りる時に「傘、持って行こ」と呟いたけど、
結局持って降りなかったのかも知れない、
と思い車に戻った。
傘は車にもなかった。
「狐につままれた」という言葉があるが、
それがピッタリだった。
車を降りる時に「傘、持って行こ」と呟いたのは
友人の一人も聞いており、間違いないが、
店内を見廻っている時にも傘を持っていた
記憶が全くないのだ。
ということは、傘は持って降りなかったのではないか、
しかし、車内にも傘がない。
ということは、これは妖怪の仕業か。
私は「もう傘のことは諦めるから、出発しよう」と
言ったが、友人の一人が「もう一度見に行こう」と
車を降りた。
私ももう一度だけ確かめてみようと従った。
そして、最初にたどった通りの順番で、歩いてみた。
どこかに置いた傘を、誰かに取られたかもしれないと
思うと他人の持っている傘まで気になりだした。
しかし、やはり傘はやはりどこにもなかった。
その時、友人の一人が、私の傘を持って現れた。
「どこにあったの?」
「自動販売機の前のベンチ」
私は自販機で缶コーヒーを買った。
その際、財布を開けるのに傘が邪魔だから、
無意識にベンチに引っかけたのだ。
そして、缶コーヒーを買おうと自販機の前に立つと
その自販機には、ブラックコーヒーがなかったので、
その隣の自販機に移動した。
その自販機にもなかったので、もう一台隣の
自販機に移動した。
そうしている間に傘のことはすっかり忘れてしまった。
つまり、自販機に向かうまでは傘を持っていたんだ。
全く覚えていないし、傘を見つけてからも
思い出せないのだけど。
傘を探しに行った時も、缶コーヒーをを買った時には
すでに傘を持っていなかったと、信じ込んでいたため、
自販機のある所をチェックしようと思わなかった。
こういうことがあると、今までなら
「あーそうや! 缶コーヒー買う時にベンチに引っかけたわ!」
とか思い出すもんだけど、今回はそのシーンも
全く記憶になく、どうしても自分が傘を持っていたとは
思えないほど、「無意識」ならぬ「非意識」だった。
これって、老化の現象ですか。
まだ 62歳ですが。
2025.7.9
老化の始まりか その2
母の生命保険のことで手続きが必要で、
今年の2月に書類を取り寄せた。
母に直接会って、説明をしサインをもらう必要が
あったので、書類を保険会社に返送したのは、
4月の後半だった。
先日、その書面が保険会社には届いておらず、
手続きが完了していないとの連絡が、
実家に郵便で届いた。
私は、保険会社に電話をかけ、事情を説明した。
4月に母のサインをもらい、投函しました、と。
しかし、手続きが完了していないということは、
書類が届いていない、ということに他ならない。
仕方がなく、その手続きの書類を再発行して
もらうことになった。
次に母に会うのはたぶん8月の後半だろうから、
返送するのはそれからになる。
面倒だが仕方がない。
その保険会社への電話から、4、5日が経った。
外出用の眼鏡が見つからず、探していて、
時々使うかばんを開けた。
ひぇ〜!
そのかばんの中に、送っていない返送用の封筒があった。
4月に大阪に行った時にはこのかばんを持っていたのか
大阪で投函しなかった封筒を、このかばんに入れて
出そうと思い、そのままになっていたのか思い出せない。
でも、かばんを開ければ必ず目に付くはずなので、
2カ月以上、このかばんを使っていなかったことは
間違いない。(そんなことはどうでも良い)
すぐに保険会社に電話をし、事情を説明したが、
4月の日付では、時間が経ちすぎていて、
受け付けられない、と断られた。
それぐらい大目に見てよー、と頼んだけどダメだった。
結局、もう一度、母のサインをもらわねばならない。
こんなことは、以前にはなかったと思うねんけど。
これって、老化の現象ですか。
まだ 62歳ですが。
2025.7.10
義父93歳
山形の93歳の義父が入院した。
昨日は、老人ホームにいる義父に
面会に行く日だった。
山形新幹線では数週間前から障害が続いており、
昨日も福島駅乗り換えで米沢に向かった。
予定より10分ほど遅れて米沢駅に着いた。
「米沢に着いた」と、妻がお姉さんにLINEで
連絡を入れた。
すると、お姉さんから妻に電話がかかってきた。
「たった今、老人ホームから(義父の)具合が
良くないので病院に搬送したと連絡があった」
とのこと。
行き先を老人ホームから、病院に変更し向かった。
病院で院長先生の説明を聞く。
前日には、38度8分の熱があったらしく、
診断は肺炎だった。
昨日は熱は下がっていたが、
ずっと眠っているとのこと。
義父の部屋に会いに行くと、本当に眠っていて、
看護師さんがかなり大きな声で起こそうと
してくれたけれど、全く起きる気配はなかった。
15分ぐらいはいただろうか、妻やお姉さんも何度か
声をかけたが、義父は起きなかった。
面会に行く日に入院というタイミング。
たぶん、老人ホームで面会後、私達が帰った後に
入院となっていたなら、妻もお姉さんも
心持ちが違っただろう。
それよりも、入院してから病院での面会の方が、
妻にとっても気持ちの上で良かっただろうと思う。
そんなことを義父が考えて入院したわけではないと
思うが、ことのタイミングの完璧さに人生の不思議を
思わずにいられない。
義父と義母は同じ老人ホームに暮らし、
部屋は違えど食事は毎日向かい合って食べていた。
今年3月30日に義母が他界してから、
みるみる弱っていったらしい。
しかし、義父はひと言も義母のことを口にしないらしい。
それは、認知のことなのか、もっと人智の及ばない深い
レベルで全てを知っているからなのか、分からない。
いずれにしろ、義父の年齢、健康状態を考えると、
もしかしたら、このまま退院することはないかも知れない。
ゆっくりと家族に別れの準備の時間を
与えてくれることはありがたいことだ。
しかし、眠る義父の顔は、93歳とは思えぬ肌ツヤなのだ。
病院は、本人の現金や貴重品は病室に
置いていかないようにと言ったのだが、
すでに義父の持ち物は、何もない。
財布も携帯電話も腕時計もない。
10年前に義父が泊まりがけで東京に来た時、
知り合いの家へのお土産以外は着替えも持っておらず、
手ぶらであったことを思い出した。
モノが多く、断捨離しようと思っても中々処分できない私に、
何も持っては死ねないと、あるべき姿を見せてくれているようだ。
[ 関連エントリー ]
2015.10.11 渋すぎる義父
月給80万円
「電気代が支払われていないからお支払い下さい」
(東京電力)
「セキュリティのため電話番号を認証してください」
(SBI証券)
「荷物が届いているので配送日を指定してください」
(ヤマト運輸)
「ご利用料金明細の確認」
(東京ガス)
「ユニバーサル・スタジオ・ジャパンキャンペーン当選」
(三井住友カード)
これらは昨日、私が受信したEメールの一部。
ほかにもドコモ、ANAマイレージクラブ、イオンカード、
ETC利用照会、楽天証券、松井証券などなど
多くのスパムメールが毎日のように届く。
これらのスパムは実在の企業やサービスを名乗ってやってくる。
たまに、これ本物かな、と迷うものもあるが、
ほとんどは、一目でスパムだと見分けられる。
まずは契約や登録がない相手。
大体は、発信元のメールアドレスが偽物っぽい。
そして多くのメールは文章や作りが雑で、どこかに
「これ偽物ですぜ」という情報が漏れている。
分かりやすいものでは、これ日本人が作った文章じゃない、
というのもある。
最近は減ったかな。
10日ほど前だったか、スマホに電話がかかってきた。
相手は自動音声で「クレジットカードの不正使用の
疑いがあるので確認のため0(ゼロ)を押してください」
という内容だった。
1カ月ほど前、実際にクレジットカードの不正使用に
遭ったばかりだった私は、一瞬「また?」と思ったのだけど、
何か違和感があったので、かかってきた電話番号を
検索している間に電話は切れた。
件の番号の情報は見つけられなかったけれど、
「○○のために0(又は1)を押してください」
というのは、詐欺のやり口だと分かった。
絶対に押してはいけない。
本当にクレジットカードの不正使用があった場合、
私の経験(二度)では、自動音声で電話が
かかってくることはなかったし、実際もないだろう。
先日、Eメールではなく、私のスマホのショートメッセージに
こんなのが届いた。
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「取引先データを更新し、露出度や予約数を
向上させるお仕事」って、なんやねん。
そして、履歴書を見たのなら分かっているだろうが、
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など、突っ込みどころは満載。
それに私個人宛のメッセージのはずなのに
「皆様のご応募を心よりお待ちしております」と
締めくくっていることから、大手企業が公式に発する
文面とは思えない。
もちろん、私はターゲットではないだろう。
ターゲットは、このショートメッセージを読んで、
連絡してしまうリテラシーの人だ。
スパムメールから偽サイトに誘導し、個人情報を
盗み取ることを「フィッシング」という。
フィッシングに対し、これだけ注意喚起が
行われていても、フィッシング詐欺の数は、
年々増加しているようだ。
それだけ引っかかる人がいるということだ。
無知ほど怖いものはない。
2025.7.11
有山さん 骨折
ギタリスト、シンガーソングライターの
有山じゅんじさんが、7月6日に左手首を
骨折されたとのこと。
ギタリストにとって右手だろうが左手だろうが
骨折は大問題。
ケガが治ったあとのリハビリも大変だろうし
元通りに動くかどうかも不安だ。
日本の音楽界において、有山さんは
天然記念物のような人。
マイク・スターンの例もあるので、
ぜひとも復活を望む。
2025.7.12
クレジットカードが不正使用された!
<その続き>
先月、私のクレジットカードに不正使用があった。
(そのときのエントリーはこちら。)
不正使用はカード会社の不正検知システムで、
発見され、カードは利用停止となった。
私に被害はなかったが、カードの再発行となり、
番号が変わったため、カード支払いにしている
支払先の登録変更に時間を費やすことになった。
利用停止になった古い番号への請求は、
新しい番号のカードに引き継がれている。
今月の28日に今月分の引き落としがあるのだが、
その金額が確定したとのメールが届いた。
明細を見ると、心当たりのない請求が1件あった。
請求元は「アップルドットコム」で2千円。
日付は、6月4日となっている。
アップルでは、時々音楽を購入するし、
サブスクで毎月料金を支払っているサービスもある。
しかし、その2千円には覚えがなかった。
アップルからは、購入後数日以内にメールで
領収書が届くので、探してみたがそれもなかった。
次にアップルのアカウントにログインし、
購入履歴を見たけれど、そこにもその2千円の
記録は残っていなかった。
利用していないのに、請求だけが来ている。
どういうこと?
次にアップルに電話をして問い合わせた。
私のアカウントに購入履歴がないということは私ではない。
私はアップルにひとつしかアカウントを持っていない。
家族の利用もない。
これらのことを考え合わせると結論は
「私ではない誰かが私のカードを使って買い物をした」
ということになった。
不正検知システムが不正を発見したのは、
6月10日だったのだが、その6日前にすでに
不正使用がされていたのだ。
そして、その2千円のカード使用は、
不正検知システムの針にも触れなかった。
私は、カードの明細を毎月チェックしているので
今回の2千円のことも発見できたけれど、
そうでなければ、見落としていただろう。
すでにその番号のカードは停止されているので、
これ以上の不正使用はないが、危ない所だった。
皆さんもご注意されたし。
ちなみに不正使用の2千円は、アップル、
カード会社ともにキャンセル対象なので、私の被害はない。
2025.7.13
カレーはスポーツだ! #87
ブラックチキンカレー/ スパイスカレー食堂(五反田)
★★★▲☆
西五反田にある「スパイスカレー食堂」。
以前から気になっていたのだけどやっと行ってきた。
メニューに「はじめての方は、こちらからどうぞ」と
あったブラックチキンカレー(税込1,300円)。
スリランカのカレーらしい。
あまり辛くはなく、爽やかな辛さ。
自分でも時々使うけど「爽やかな辛さ」って何だろうね?
小麦粉を使っておらず、脂も控えめでヘルシーとのこと。
写真右側の黄色いのは、パリップというレンズ豆のカレー。
豆ということだけど、なんとなく芋っぽい感じ。
こちらはほとんど辛くない。
ライスにトッピングされた紫色キャベツや
ニンジンなどの野菜と混ぜながら食す。
辛さ、甘さ、スパイス、色んな味が混ざり合う。
日本のカレーとはひと味違うが、これはこれでアリだ。
次回は違うカレーを試したい。
2025.7.14
MONTY ALEXANDER
昨年に続いて、ジャマイカ出身のジャズ・ピアニスト、
モンティ・アレキサンダーのライヴを観てきた。
今回で三度目。
初めて観たとき、モンティは78歳だったけど、
今年6月6日で、81歳になった。
でも、全く年を感じさせないほどに若々しい。
ピアニストで観たことのある最高齢のライヴは
2022年に観た穐吉敏子さん、92歳。
シンガーなら 2016年に観たシャルル・アズナヴールが
同じく92歳。
サックス・プレイヤーでは、渡辺貞夫さんが
今年92歳でまだまだ現役。
クラシック界のレジェンド、舘野泉さんは88歳。
そう考えると、81歳はまだ若いか。
さて、モンティ・アレキサンダー、
3日間6公演の最終公演。
今回のメンバーは、昨年のトリオに
ハンドドラムのロバート・トーマス・ジュニアを
加えてのカルテット。
ブルーノートのサイトには「ハンドドラム」と書いて
あったので、何だろうと思っていたら、
パーカッションのことね。
なるほどコンガやボンゴは、手で叩くドラムだわな。
最近は、ドラムパッドを指で叩く、
フィンガードラムというのもあるけどね。
ライヴは、メンバーも楽しそうでとても感動するほど平和。
モンティが長年の友人だと紹介したハンドドラムの
ロバートは、見るからにレジェンド。
ウェザー・レポートに在籍していた人だった。
そのロバートがとにかく渋い。カッコ良い。
この人もジャマイカの人かなと思ったら、
アメリカ人でした。
ルーク・セリック(ベース)、
ジェイソン・ブラウン(ドラムス)もとても良い。
曲はジャマイカの民謡『Banana Boat』、
チャップリンの『Smile』、ガーシュウィンの『Summertime』、
『007 Dr. No』は『Dr. Yes』と言ってプレイした。
「ジェームズ・ボンドは、ショーン・コネリーが一番」と言ってた。
『007 Dr. No(邦題:007は殺しの番号)』は、
ジャマイカが舞台だったんだな。
そのほか、ボブ・マーリーの『No Woman, No Cry /
Get Up, Stand Up』のメドレーなど。
おそらくセットリストは決まっておらず、その場で
決めて行っている印象。
ピアノ以外にシンセサイザーや鍵盤ハーモニカも演奏。
モンティの遊び心も満載。
やはりジャズとレゲエの融合は心地良い。
そういえば、天地真理の『水色の恋』だと
思われるメロディを鍵盤ハーモニカで吹きながら
「ジャパニーズなんとか」と言ったので、私は
てっきり『水色の恋』だと思って聴いていたら、
サビのメロディが違った。
『水色の恋』は『Gran Hotel Victoria』という
タンゴの曲と似ている部分があるというのは
真理ファンには有名な話のようだが、
それでもないような気がする。
あの曲は何だったのだろう。気になるな。
アンコールを入れて80分ほど。
最後はスタンディング・オベイションでした。
来年も元気で、来日して欲しい。
[ MEMBERS ]
Monty Alexander (p)
Luke Sellick (b)
Jason Brown (ds)
Robert Thomas Jr. (hand ds)
@Blue Note Tokyo
2nd show
2025.7.15
カレーはスポーツだ! #88
復刻版リオ挽肉カレー / カレーハウス リオ(大崎)
★★★☆☆
JR大崎駅改札内にあるカレー店。
たぶん以前にも食べたことがあると思うのだけど、
どんな味だったか全く覚えてないなと思いながら、
入ってみた。
食後に調べてみたら、カレーハウス リオは、
今年の3月にオープンしたようで、以前入った店は
スパイスファクトリーというカレー店だったようだ。
カレーハウス リオは横浜が本店のようだ。
トンカツやコロッケなど揚げ物が乗ったカレーは
避けたいので「復刻版リオ挽肉カレー税込880円」に
ルー増量200円をチョイス。
ルーは甘めで辛くない。
子供でも食べられるんじゃないかと思うぐらい。
フルーティな感じがしなくもないが何か物足りない。
そして挽肉が、たまにしか入っていない感じ。
これは残念。
珍しく福神漬けもあまり美味しくない。
ファストフード店、チェーン店のカレーで
満足できるものは少ないね。
良い点は、駅中ということで、
待ち時間のないことだろうか。
券売機で食券を買うシステムだが、
食券を出したら、すぐにカレーが出てきたよ。
もしかしたら、カツカレーとか頼むと少し時間が
かかるかも知れないけど。
2025.7.16
フルマラソン6時間切りへの道 その1
今年もフルマラソンに出場すると決め、4月に
11月9日開催の福岡マラソンの抽選に申し込んだ。
なんでわざわざ福岡と思うかも知れないが、
日本で開催されるマラソン大会は、
ほとんど 制限時間が6時間。
それで昨年は制限時間7時間の富山マラソンを
走り、6時間44分14秒という記録でゴールした。
今年の目標は6時間を切ることだが、
今のところ、これが中々手ごわそうだ。
6時間を切れずに途中で失格になることはイヤだし、
今回は妻も走るというので制限時間7時間の
大会を探し、福岡マラソンに申込んだというわけだ。
(富山マラソンでも良かったけど、日程が合わなかった。)
先日、その抽選発表があり、当選の連絡が来た。
ホテルも予約したし、福岡往復の航空券も予約した。
あとは、準備、練習を積むだけだ。
ちょうど1年前、7月15日に練習を始めた。
何十年も走っていなかった私が、
その日走ることが出来たのは、10分。
距離にして1キロちょっとだった。
11月にフルマラソンを完走した後も、週一ぐらいで
走っていたのだけど、12月に寒くなってやめてしまった。
4月からぼちぼち練習を始め、3か月経って
ようやく体力もスタミナも戻ってきた感じだ。
昨年7月15日にはたった1キロしか走れなった私が、
1年後の昨日は、10キロを 91分で走った。
それだけでも、昨年に比べるとかなり心強いが、
そのペースでは6時間は切れない。
富山マラソンは、1キロあたり9分34秒で走って
6時間44分14秒。
6時間を切るためには、1キロを8分30秒で
走らなければならない。
つまり、昨年より1キロにつき1分以上、
時間を縮めなければならない。
言ってみれば、1キロあたり9分34秒で走ったのは
ベストを尽くしてのことだ。
それを1分縮めるというのは、中々手ごわいことなのだ。
ポジティブにとらえれば、1キロ3分で走る選手が
2分に縮めるのは現実的ではないが、
9分半を8分半に縮めるのは、充分に可能なことだけどね。
今のところ、あまり暑くなかった先日、調子も良く、
6キロを1キロあたり8分25秒で走れた日があった。
しかし、そのペースで42キロ走ることは、今の私には
まだまだできそうにない。
あと3か月半ほどでどこまでやれるかの挑戦なのでした。
ただ、面白いなと思うのは、昨年は練習中走りながら、
「42キロ完走できるやろか」
「いける!できそうや!」
「あかん、無理かも」
と完走できるかどうかを考えながら走っていたけど、
今年は完走できるかどうかは考えない自分に驚いた。
考えるのは「6時間を切れるかどうか」であって、
完走する前提でいるのだ。
でも、今年だって、完走できるかどうか分からんのだよ。
42キロをなめたらあかんのだよ。
人間の心理というものは、面白いなぁと思う。
あと、昨年もそうだったけど、この時期は暑い。
暑くて湿度も高い日は、本当に体力が奪われるのが分かる。
これも走ってみてよく分かったことだ。
本番まであと116日。
福岡マラソン 2025 公式サイト
2025.7.17
ANDREA MOTIS Duo
featuring JOSEP TRAVER
スペイン・バルセロナ出身のトランペット奏者、
シンガーのアンドレア・モティスと、彼女が
デビュー当時から共演するギタリスト、
ジョセップ・トレイバーとのデュオを観てきた。
このデュオでの来日は初。
歌だけでなくトランペットも吹けるというのは、
彼女の強みだろう。
小さな身体で吹かれるトランペットのトーンは、
男性のそれとは違い、甘く優しい。
フリューゲルホルンとまではいかなくとも
コルネットを思わせる音だった。
曲は、スタンダードから
『Someone to Watch Over Me』、
『My Favorite Things』、
Nancy Wilson の『Old Country』など。
リクエスト・コーナー (?) では、数人のリクエストを
聞いた結果『All Of Me』に決定。
これがまた良かったな。
でも、彼女はスペイン語で唄う方が魅力的だなと思った。
彼女は、カタルーニャ語、スペイン語、
ポルトガル語、英語で歌唱するらしいので、
スペイン語かどうかも怪しいけどね。
ギターのジョセップ・トレイバーは、
来日してすぐに渋谷に買いに行ったという
ニューギター、Sadowsky のフルアコを使用。
面白いもので、そう言われると途端に
新品のギターの音に聞こえてきた。
わざわざ来日して買ったのは、スペインでは
入手しにくいということなのだろうか。
もしかしたらだけど、それだけ日本(東京)には
良い品が集まっているということなのかな。
一曲、ジョセップが構成を間違えたような場面があった。
本当に間違えたかどうかは、分からないのだけど、
私には、歌がまだあるのに歌終わりのリプを
ジョセップが弾き始めたように聞こえた。
彼は、一拍弾いただけで何事もなかったかの様に
プレイをバッキングに修正した。
あまりの速さにおそらく殆どの人が気づかなかったと思う。
その反応の速さにしびれてしまったよ。
ああいうところで、歴然とプロとアマの差が表れると思うな。
先月観たグレッチェン・パーラト&リオネル・ルエケの
デュオとは全く違うタイプで、デュオ好きの私には、
楽しく、刺激的で、学びのあるライヴでした。
[ MEMBERS ]
Andrea Motis (vo,tp)
Josep Traver (g)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
2025.7.22
街中で見つけた諸行無常
連続千日アップ達成!
2022年10月26日に毎日インスタグラムに
写真をアップするプロジェクトを始めた。
当初は「移ろいゆくものをシリーズで撮影する」
というアイディアだった。
それで「街中で見つけた諸行無常・生生流転」
というテーマにしたのだけど
すぐにそんなことは言ってられなくなって
街中だろうが山の中だろうが何でもアップするようになった。
スタート時は、1年間は毎日続けてみようと思ったが、
1年が過ぎ、500回を過ぎ、2年を過ぎると
千回を目指すしかなくなった。
私の記憶では、3回か4回、24時を過ぎてしまったことが
あったけど、ついに今日、千日連続を達成した。
インスタのアップなんて、別にしんどいことでもないし、
同じ千日でも「千日回峰行」のような修行に比べると
全く大したことはないのだが、それでも私のように
三日坊主の典型のような人間が、一日も忘れることなく、
連続で千日を達成したことは個人的には充分意義があることだ。
アップした写真は、基本的にスマホで撮影し、
スマホ内で編集したもの。
毎日毎日、アップするネタを探す行為は、被写体を探し、
被写体を観る訓練になっただろうと肯定的に考えている。
もうひとつ、構図を考える良い機会にもなった。
4月にモノクロ写真展に出展したが、
その出展を決めてから、モノクロ写真の投稿を増やした。
それまではモノクロで投稿しようなどとは
思わなかった写真もモノクロにすることは、
これまた新しいチャレンジでもあった。
最近のインスタは、スクエアでなくても良いみたいだし、
動画の方が多くなったけど、アップするのは
スクエアのスチールに限定した。
毎日アップしていると、自分で納得できる写真がなく、
正直に言うとやっつけ仕事的な日があったことも否めない。
しかしおかげで「自分で納得できる」そのラインというか
レベルは、上昇したのではないかと思う。
さて、このインスタを今後どうするかだが「毎日連続」には、
一区切りをつけて、今後は、自分が納得できる写真に絞って
アップしようかと思っている。
アップする数は、減るよね。
1年9カ月間も続けていたので、結構、
このインスタについて書いたエントリーも多く、
たくさんの写真をここでも紹介している。
今日は、インスタにアップした写真の中から
今までここで紹介していない数枚を選んでみた。
静寂が聞こえるなぁ。
ECMレーベルのジャケットのようで気に入っている。
これはもうソール・ライターだな。
カフェで撮った冷蔵ショーケースの中のビール瓶。
夜の街で見つけた、ミラー。
シャッターが下りていたけど、車庫なのだろう。
シャッターが扇のようにも見えるし、
シェルのようにも見えて面白い。
港区高輪にあるマンション入口の少女像と飛行機。
少女像は、本郷新という彫刻家の『花束』という作品。
顔に電線の影があるのが悔しい。
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つつみしんや Instagram
2025.7.25
国 宝
映画『国宝』を観てきた。2回目。
邦画でも洋画でも2回か3回観た方が良い。
2回観るなら、何年も経ってからではなく、
公開中に続けて観る方が良いんだな。
1回目の記憶があるうちに観ると、
より深く理解できるし、新しい発見がある。
何年も経ってから観るとほとんど覚えていないことも
あるし、「良かった」という記憶だけで観ると
知らずにハードルを上げてしまっていて、
それほどでもなかったりするんだよな。
さて、本作は続けて観たので2回目の方が良かった。
というのも、1回目はどういう意味なのか、
どうなっていくのか分からないで観ているわけだけど、
2回目は背景が分かって観るので、
観方も1回目とは違うわけだ。
例えば、永瀬正敏がヤクザの親分役で出演しているが、
1回目は何者か分からず、途中でヤクザだと分かったが、
2回目は最初からヤクザだと知って観ているわけだ。
すると、永瀬のヤクザっぷりが最初から
凄いことに気付く。
1回目観た時より迫力があって驚いた。
そんな風に背景を知って観るのと、
「これ、どういうことやろ?」と探りながら観るのとでは、
映画への没入度も違うことに気付いた。
その他、1回目には見過ごしていた細かい演出にも
気付いたりして、1回目観たときより、
これはスゴイ映画だと思ったよ。
1回目は思わなかったけど、原作も読みたくなった。
★★★★★
2025年製作/175分/PG12/日本
劇場公開日:2025年6月6日
OZ NOY ORGAN TRIO
with DAVE WECKL & BRIAN CHARETTE
ジョン・パティトゥッチ、キース・カーロックとの
トリオで来日した2019年12月以来
約5年半ぶりの来日のオズ・ノイ。
今回のドラムは、デイヴ・ウィックル。
そしてベースではなくオルガンの
ブライアン・シャレットとのトリオだ。
オルガン・プレイヤーについては、
私は明るくないので、ブライアン・シャレットの
ことも今回のライヴで知った。
あいかわらず変幻自在なオス・ノイのギターと
デイヴのグルーヴの組合せが心地良い。
デイヴのメンバー紹介の時、ひと際歓声が
多かったので、彼目当ての観客も多かったんじゃないかな。
ジミー・スミスとウェス・モンゴメリーが代表だと思うけど
ギターとオルガンは、相性が良い。
オズ・ノイのギターは薄いグリーンのストラトキャスター。
アンコール『Chocolate Souffle』は、ステージを降りずに。
全部で75分ぐらいかな。
[ MEMBERS ]
Oz Noy (g)
Dave Weckl (ds)
Brian Charette (org)
@Cotton Club
2nd show
2025.7.26
木の上の軍隊
1945年、沖縄県の伊江島で、
戦争が終わったことを知らないまま、
約2年もの間ガジュマルの木の上に隠れて
生き延びた日本兵ふたりいた。
その実話から着想を得た井上ひさしが、
原案を作った舞台「木の上の軍隊」が
映画化された。
沖縄県では、6月に先行公開されたが、
全国では昨日公開された。
終戦を知らずにジャングルで生きたと言えば
グアム島のジャングルに28年間潜伏した
横井庄一さん、フィリピン・ルバング島の
ジャングルに29年間潜伏した小野田寛郎さんを思い出す。
実際には、横井さんや小野田さん以外にも
何人もの日本兵が、終戦を知らずに
ジャングルの中で飢えや病気で亡くなったのだと思う。
木の上で闘い続けたふたりの兵士のことは、
伊江島では誰もが知っている話のようだが、
私はこまつ座(井上ひさし関係の作品を上演する
劇団)の「木の上の軍隊」も知らなかったので、
今回の映画で知った。
映画では、実話をもとに創作も含まれているので、
お名前や細かいことは事実と違う点もあるようだが、
沖縄戦から80年の節目の年に公開された
映画のメッセージとしては、充分でずい分と
心を揺さぶられる映画だった。
そのふたりの兵隊、宮崎県出身の厳格な
少尉役に 堤真一。
伊江島で生まれ育った、新兵に山田裕貴。
ふたりとも素晴らしかった。
実際に痩せていく姿が痛々しく、
きっと撮影もハードだったことだろう。
虫が苦手で、虫関係はNGにしていたという
山田裕貴が、食べるものがなくなり、
ウジ虫を食べるほどの魂のこもった演技を見せる。
反戦の意味はもちろん、
あの戦争を忘れないこと。
生きることを諦めないこと。
先人たちが生き延びたから、
尊い命が続いていること。
平和が大事というのは、
言葉にすると陳腐だけど
人間は、愚かにも闘い続けている。
これは過去の話ではなく、現代にも通じる話だと思う。
昨日観た「国宝」とは違う意味で、
涙腺決壊だった。
監督・脚本を手がけたのは、
沖縄出身の平一紘(たいらかずひろ)。
★★★★★
2025年製作/128分/G/日本
劇場公開日:2025年7月25日
[ 参考動画 ]
『木の上の軍隊』メイキングドキュメンタリー(語り 山田裕貴)
『木の上の軍隊』公開記念舞台あいさつ
ところで、井上ひさし関係の作品を上演する
劇団は「こまつ座」という。
山形県出身の今年亡くなった妻の母は、
井上ひさしと小中学校の同級生だった。
妻の実家の近くのシャッターや壁には、
井上ひさし原作の「ひょっこりひょうたん島」の
イラストがいくつも見られる。
その町の名が「小松」なので「こまつ座」と
名付けたらしい。
郷土愛やな。
F1 エフワン
「トップガン マーヴェリック」に続く
ジョセフ・コシンスキー監督の作品と聞いて
きっと面白いだろうと思っていた映画『F1』。
年老いたカーレーサー、ソニー・ヘイズ役に
ブラッド・ピット。
若いルーキーのレーサー、ジョシュア・ピアス役に
イングランドのダムソン・イドリス。
F1 チームのオーナーで、ソニー・ヘイズの旧友
ルーベン役にスペインのハビエル・バルデム。
チームのマシン開発担当ケイト役に
アイルランドのケリー・コンドン。
という風に出演者は国際色豊かだが、
映画は、とてもアメリカ的。
レースシーンは、結構な迫力でドキドキハラハラ。
ラヴ・ロマンスは控えめで、レース展開と
人間模様に重点を置いた感じ。
まあ、ブラピがカッコ良い。
もう61歳ですぜ。
ソニー・ヘイズは、走る理由を(正確ではないけど)
「レース中、静寂に包まれ、時間が遅く感じ、
空を飛んでいるように感じる瞬間があって
その瞬間を味わいたくて走る」と言う。
これってレースの映画、『ラッシュ/プライドと友情』、
『フォードVSフェラーリ』、『グランツーリスモ』の
どれかで似たようなセリフがあったと思う。
本物の F1レーサーが何人も本人役で
出演しており、レース会場も世界を周る。
(鈴鹿もチラッと出て来る)
とにかくお金がかかってます。
(製作費は3億ドルを超えるという話もある。)
音楽は今や映画音楽の巨匠ハンス・ジマー。
音楽でももの凄く盛り上げます。
レッド・ツェッペリンやクィーン、
(詳しくないけど)ヒップ・ホップなどの
挿入歌も楽しめる。
★★★★☆
2025年製作/155分/G/アメリカ
原題:F1 The Movie
劇場公開日:2025年6月27日
2025.7.29
『木の上の軍隊』と 山田裕貴
俳優、山田裕貴(やまだ ゆうき)、34歳。
この数年、テレビではドラマやコマーシャルで、
よく顔を見るようになった。
「目」が印象的な人だなと思っていたが、
映画『木の上の軍隊』を見て、俳優として興味が湧いた。
『木の上の軍隊』の感想を書いたエントリーにも
映画関連の YouTube 動画をふたつ紹介したけれど、
それ以外にも何本もこの映画に関する、
山田裕貴のインタビューなどを見て、
すっかりファンになってしまった。
発言を聞いていると、頭の良い人だと思った。
(完全に上から目線だけど。)
何本か動画を観ていて、彼がオールナイトニッポンの
パーソナリティ(月曜深夜)を務めていることを知った。
そして、昨夜のゲストが『木の上の軍隊』で
上官役として初共演した堤真一だと知り、
これは聴かなあかんと思い、数十年ぶりに
オールナイトニッポンを聴いたよ。
今は、ラジオがなくてもインターネットで聴けるんやね。
番組は、ふだん聴けないような話が満載で
とても面白かった。
堤真一って、坂東玉三郎の黒子をしてたんだ。
山田がぶつける質問の、堤の回答がいちいち深い。
堤真一が、坂東玉三郎に言われたらしい。
「上手い役者になりなさんな。
良い役者になりなさい」
これは、ミュージシャンはもちろん、
色んな職業に当てはまるなぁ。
山田は『木の上の軍隊』で、実在した、
沖縄県出身の佐次田秀順さんをモデルにした
安慶名(あげな)セイジュン という役演じている。
何かの動画で、虫が苦手で、虫NG だった彼が、
ウジ虫を食べるまでにいたる心境の変化を語っていた。
それは、撮影中にアリが自分の身体に登ってくるのを
見て、平和な普段の生活の中でなら、イヤだと
思っただろうけど、銃弾が飛び交い、いつ爆弾が
降ってくるか分からない環境では、虫のことなんて
なんでもない、どうでもよい、と思ったという言葉を聴いた。
虫がこわいと言えるなんて、なんて安全で幸福な
生活を送っているのかと、思い知ったという。
実際、メイキング映像には、撮影前半に
虫に触れず NGを出す彼が残っている。
たぶん誰もがウジ虫を食べられないけど、
本当に空腹になって、死ぬかもしれないとなったら、
食べるのが人間なんだと思った。
ちなみに、味はアサリの薄い味のような感じらしい。
(一部の民族では、重要なタンパク源だと
聞いた覚えがある。)
いや、虫を食べられることが重要なのではなく、
今の日本がいかに平和であるか、そして、
戦争が起きるとこの当たり前がすべて失われてしまう、
そのことへの意識を常に高めておかねばならないと思ったんだ。
戦争することのメリットって、誰にもない。
武器商人は儲かるのかも知れないけど、
それさえ、深い意味では、不幸でしょう。
『木の上の軍隊』は多くの人に観て欲しいと思う。
日本人だけではなく、外国の人も。
2025.7.29
最後の戦斗機
終戦後アメリカ軍が日本に上陸し、
我が国を占領したことは多くの日本人が
知っていることだろう。
マッカーサー元帥が厚木に降り立った、レイバンの
サングラスとパイプを加えた写真は有名だ。
沖縄の占領は、1972年まで続いた。
私は当時10歳だったが、薄っすらと
沖縄返還のニュースを観た覚えが残っている。
また、小学生の頃少しだけでど、
切手を集めていたことがあり、集めた切手の
中には小笠原諸島復帰(1968年)の
切手を持っていた覚えがある。
しかし、本州がいつまで米軍の占領下だったのかと
問われると、明確に知らない自分がいた。
調べてみると、1952年(昭和27年)4月28日の
サンフランシスコ講和条約発効で、GHQ は
活動を終了し解体された。
さて、1956年に製作された日活映画
『最後の戦斗機』。
終戦から11年後に作られた映画だ。
この時代、映画製作に関わる人々は
GHQ の監視はなくなったとはいえ、
どんな思いでこの映画を製作したのだろう。
明らかに、戦争・帝国日本軍に対する
アンチなセリフもある。
なぜ死なねばならないのか、という問いは、
同時になぜ戦うのかという問いでもある。
主人公の「死ぬのが恐いのではないのです。
犬死にしたくないのです」という言葉は、
当時、国に命を捧げた多くの兵士の本音では
なかっただろうか。
もちろん、そんなこと上官に向かって
口には出来なかっただろうけど。
戦闘シーンは、本物のニュース映像だろう。
画質は悪いものの迫力はある。
一部模型らしきシーンもあるが。
特攻に出撃するも、二度も生還してしまう
葉山良二演じる白井中尉。
特攻に出撃するということは、生きて帰って来るな、
ということでもあった。
彼の心の葛藤は、あまり細かく描写されておらず、
ストーリーは淡々と描かれている印象を受けるのは、
70年近い時代の感覚の差か。
感情を最も吐露するのは、白井に想いをよせる
海軍士官倶楽部「ちよもと」の女中、あきこ。
彼らは、何のために命を捧げたのか。
何のためにほとんど効果のない作戦に出向き
何のために海に散ったのか。
これは、人類がずっと向き合うべき課題だと思う。
そして過ちは繰り返され続けている。
今年は終戦80年。
★★★▲☆
1956年製作/90分/日本
公開年月日:1956/10/17
Amazon Prime Video で鑑賞
2025.7.30
Ichiro Suzuki's Hall of Fame
induction speech in English
ふだんは野球の試合中継を観るほどの
野球ファンではないけれど、今の大谷翔平や
イチローの活躍には、日本人として
関心を持たずにはいられない。
そのイチローが、日本人選手として初めて
アメリカ野球殿堂入りを果たした。
先日、ニューヨーク州クーパーズタウンで、
その表彰式典が行われ、イチローが英語でスピーチした。
テレビでは、ほんの一部を観たけれど、
YouTube ではノーカットで観ることができる。
約20分ほどのスピーチだけど、
「素晴らしい」以外の言葉が見つからない。
あれだけの記録・プレイを残して来た人だからこその
説得力のあるスピーチ。
プロであることの責任。
一切の妥協のない野球へのコミットと愛。
そして、ユーモア。
スピーチの途中で、何度も何度も拍手が起きる。
全編英語なのだけど、ひと言だけ日本語を使う。
これまた素晴らしい。
野球だけではない、とてつもない人間力を感じるね。
日本人として誇りです。
こちらで日本語字幕付きで観られます。
↓
最高!イチロー殿堂セレモニーのスピーチで大喝采
さて、大谷翔平がスピーチする時まで
生きていられるかな。