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2020年 MUSIC

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2020.1.4

STANLEY CLARKE TRIO
スタンリー・クラーク・トリオ


2020年、一発目のライヴは、
スタンリー・クラーク!
ブルーノート3日間6公演の
2日目の 2nd show。
いやぁ、新年早々、ええもん観たわ。

今回は、新トリオでの来日。
その編成もユニークだ。
ベース、鍵盤、に通常ならドラムと
来るところだが、ドラムではなくタブラ。
知らない人のために書いておくと
タブラというのは、インドの太鼓。
イメージとして、ボンゴぐらいの大きさだが
音はボンゴより硬質というのかな、
叩き方も違うし、鳴りもユニークだ。

お店の受付で、私の顔を覚えてくださっている
スタッフが「今日は、堤さん泣きますよ」と
言ってきた。
そんなに素晴らしいのかと思ったと同時に
いや期待すると裏切られるから、
あまり期待しないようにしよう、
などと思いながら席についた。

メンバーは定刻(20時)通りに登場。
結構な歓声だ。
スタンリーの人気が分かる。

ステージには、コントラバスもあるが、
1曲目、スタンリーはエレキベース。
トレードマークのアレンビックだ。
アレンビックは、ショートスケールなので
フェンダーなどに比べると小ぶりなのだが、
それにしても、楽器が小さく見える。
スタンリーがでかいからだ。
スタンリーには、あんなに細いネックでは
弾きにくいのではないかと思ってしまうが、
彼は(扱いにくいらしい)アレンビックを
完全に使いこなしている。
まあ、当たり前やろうけど。

そして、スタッフさんの予言通り、
その1曲目ですでにウルウル。
私は、特にスタンリーのファンと言うわけではないが、
素晴らしい演奏だった。
ああ、今年は良い年だ。
そんな感じ。(意味不明)

見た感じ、どうみてもロックバンドの
メンバーでしょうという感じのアメリカ人
キーボードのキャメロン・グレイヴス。
そして、両親がアフガニスタン人でドイツ生まれの
タブラのサラー・ナダー。
演奏はタブラだけでなく、エレクトリックの
パーカッションも使っていた。

曲名は『School Days』と
『Goodbye Pork Pie Hat』しか
分からなかったけど、どの曲も素晴らしく、
タブラのリズムが心地よくて、
一晩中聴いていられそうな
演奏だった。(軽いトランス状態?)

今、とても面白い、ためになる本を読んでいる。
ケニー・ワーナー というピアニストが書いた
『エフォートレス・マスタリー』という
楽器演奏者のための本だ。
もしかしたら、違う言葉で今までも
聞いていたことなのかもしれないが、
楽器をマスターするとはどういうことか、
この本を読んで初めて明確になった。
その本の背景から今日の演奏を
聴いたので、今までなら気が付かなかった
かも知れない、あるいは、感じていても
明確に言語化出来なかったかもしれないことを
非常に明確に掴むことが出来た。
「ああ、この人(スタンリー)は、
完全にベース(エレクトリックもコントラバスも)を
マスターしている」と明確に区別できたのだ。

あえて書いておくが、プロミュージシャンだからと言って、
全員が楽器を「マスターしている」わけではないのだ。
この区別は、私自身のギター演奏にも
おそらく今後影響が出てくると思う。
私がギターをマスターできるという意味ではないし、
練習しないとその影響も表現されないのだけどね。


[ MEMBERS ]
Stanley Clarke (b)
Cameron Graves (key,pf)
Salar Nader (tabla、perc)

@ BLUE NOTE TOKYO
2nd show







2020.1.17

The King Trio
「キングの誕生会」


昨日は、キングトリオのライヴ
(キングの32歳のバースデー・ライヴ)だった。
このトリオを観るのは、4度目だけど
なんと1年半ぶりだったよ。

弾語りあり、銘君とのデュオあり、トリオあり
ゲストの夏海ちゃんとのデュオあり、カルテットあり、
そして、アンコールでは、トランペットの
曽根麻央も参加というバラエティに富んだ構成で
とても楽しいライヴでした。

銘君のギターは、Gibson L-5S。
ねちょっとしたええ音してた。




[ MEMBERS ]
和田 明(vo,g)
井上 銘(g)
山本 連(b)
―Guest―
夏海(p,vo)
曽根麻央(to)(ECのみ)

[ SETLIST ]
- 1st -
1. 丸の内サディスティック
2. Sweet Memories
3. 接吻
4. But Not For Me
5. Don't Let Me Be Lonly Tonight
6. Street Walking Man
7. Love For Sale
8. Moanin'
- 2nd -
1. Voices
2. 小瓶の中の平和
3. Close To You
4. My Foolish Heart
5. 東京は夜の七時
6. 猫の街
7. 銀河鉄道999
8. スニーカー似合わない
9. Isn't She Lovely
EC. This Masquerade



@ JZ Brat
入替なし





2020.1.28

ベベウ・ジルベルト
Bebel Gilberto


昨年7月に亡くなった、ボサノヴァの父、
ジョアン・ジルベルトの娘であり、
一昨年12月に亡くなった シンガーの
ミウシャを母に持つ ベベウ・ジルベルト
ベベウのことは、全く知らなかったのだけど、
ちょうど「ぴあ」のポイントが貯まったので、
観に行くことにした。

昨年は、『ジョアン・ジルベルト ライブ・
イン・トーキョー』
を映画館で観たり、
映画『ジョアン・ジルベルトを探して』を観たり、
そして、ジョアンが亡くなったりした年。
そんな記憶も新しいうちのベベウの来日だ。

編成はバンドではなく、ギターとのデュオ。
ブラジルの女性シンガーというと、
この数年、ジョイス・モレーノは来日の度に
観に行っているが、ベベウはジョイスとは
また違う感じ。
変な言い方だが、ジョイスが高いところで
スピリチュアルだとすると、ベベウは低いところで
地球とつながっているとでも言えばいいかな。

1曲目は、"Wave"、そして "Disafinado"、
"Ela E Carioca"、"Corcovado" と
ボサノヴァのスタンダード、ジョビンの曲が続いた。
それから、知らない曲が数曲続いたので、
ベベウのオリジナルかもしれない。
"So Nice" とフランシス・レイの『男と女』を
メドレーで演ったあと、
ゲストにもう一人のギター、MASA清水が登場。
知らなかったけど、彼は 2000年代に
数年間、ベベウのバンドにいたようだ。
ニューヨークにいた頃は、日野"JINO"賢二と
バンドをやっていたような人なのだけど、
今日は、超控えめな演奏でバッキングに
徹していた。
まあベベウの音楽に派手なインプロは、
要らないのかもしれないな。

アンコールを入れて、80分強。
歌い終わると、「Thank You. アリガトウ」と
言って涙を流していた。
あいかわらず、MCが聞き取れなくて、
涙を流すほどの背景が、ちょっと分からなかった
のだけど、2日間4公演のラスト・ショーと
いうこともあって、泣いてしまったのかもな。

ベベウがお客さんも歌に参加させようとするが、
今日のお客さんは、ノリが悪いというか、
反応が良くないというか、おとなしい。
私の場合は、自分が歌うよりも聴いていたいと
いう感じもあって、なかなか参加しにくい。
これ、ブラジルやったら、めっちゃ盛り上がるんやろな
と思っていたら、終演後のお客さんの反応は、
結構良かったよ。


[ MEMBERS ]
ベベウ・ジルベルト / Bebel Gilberto (Vo)
ギレルミ・モンテイロ / Guilherme Monteiro (Gt)
Guest : マサ清水 / Masa Shimizu (Gt)

@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show





2020.1.29

僕の心臓

2007年生まれ。
7歳よりウクレレを始め、
9歳で大人も出場するコンテストで優勝。
ソニー・ミュージックと契約。
小学6年生にして、ジェイク・シマブクロの
初プロデュースでメジャーデビュー。
中学1年生にして史上最年少で
「フジロック・フェスティバル」に出演。

そんなウクレレプレーヤー、近藤利樹君の
記事を読んだ。

母親がフラダンスの講師をしていて、
家にはハワイアンが流れていたという環境のもと育った。
6歳のとき、コストコで初めてウクレレを観たとき、
「神様が『弾いてみなさい』と言ってる気がした」という。

「一日でも弾かないと心残りで苦しくなる。
ウクレレは僕の心臓のようなものです。」

12歳の少年の言葉に、57歳のおっさんは、
込み上げる熱いものを抑えられないのでした。


[動 画 ]
SEARCH LIGHT (近藤利樹オリジナル曲演奏MV)

歌も唄う。

デッカイばあちゃん
NHK みんなのうたで流れていたようだ。
このビデオのおばあちゃんは本当のおばあちゃんらしい。





2020.1.30

小倉博和
60th Anniversary LIVE
〜No Guitar , No Life〜


ギタリスト小倉さんの還暦記念ライヴに行ってきた。
小倉さんは、サザンオールスターズ、桑田佳祐、
福山雅治、槇原敬之、森山良子、大貫妙子、
渡辺美里、吉田拓郎、今井美樹などなどの
レコーディングやステージをサポートしてきたギタリスト。
時々、テレビの歌番組でも弾いているので、
皆さんもきっと耳にしているはず。

小倉さんを知ったのは、もう30年近く前になる。
まだ私が大阪にいた頃だから、90年代前半。
佐橋さんとギター2本で桑田佳祐さんの
ソロ・プロジェクトでのサポートをしているのを
テレビ番組で観た時だった。
明確に覚えているので、
結構インパクトがあったんだろうな。

私が上京して間もないころ(96〜98年頃)、
勤めていた BAR に一人でぶらりと来られて、
それから、何度も来られるようになった。
ちょうど佐橋佳幸さんと、「山弦」という
アコギ・デュオを始められた頃でもあり、
佐橋さんとも何度か来られた。
佐橋さんも好きなギタリストだし、嬉しかったな。
(佐橋さんが初めて来たときのエントリー)
おふたりのサイン入りの CD は今も持っているよ。
「山弦」では、ふたりのギターのコントラストが
好きだった。
佐橋さんは、ちょっと知性的な感じで、
小倉さんは、野性的な感じ。

そういえば、小倉さんが一人で来られて、
他のお客さんが誰もいなかったときに、
私の曲のデモを聞いていただいたこともあったな。
そんなときは、ギターの話もたくさんさせて頂いた。

前置きが長くなった。
そんな小倉さんの還暦記念ライヴ。
一夜限りのスペシャルライブということで
出演陣が超豪華なので楽しみにしていた。

[ MEMBERS ]
小倉博和(g)
佐橋佳幸(g)
今剛(g)
斎藤有太(key)
井上鑑(key)
有賀啓雄(b)
高水健司(b)
亀田誠治(b)
林立夫(ds)
山木秀夫(ds)
三沢またろう(perc)
大貫妙子(vo)
山本拓夫(sax)

中々、ドラムに林さん山木さん2人がいる
ライヴはないよ。
亀田さんは、1st show には出ておらず、
2nd show だけのゲストだったよう。

何よりも「山弦」が聴けたのは、嬉しかったね。
ライヴで聴くのは 何年ぶりだろう。
たぶん20年ぶりとちゃうかな。

佐橋さんから小倉さんへの還暦プレゼントは、
「還暦=12年×5」ということで、
12弦ギターの弦を5セット。
笑かしよる。

小倉さんは、白いマグネットピックアップの付いた
ソリッドのようなエレアコ(メーカー不明)と、
マーティンタイプのエレアコに、
エレキは赤いギブソン ES-335。
佐橋さんは、やはりマーティンタイプの
エレアコだったが、たぶんおふたりとも
マーティンではないように見えた。

アンコール入れて、全部で98分ぐらい。
凄く良かった〜。
また「山弦」やって欲しいなぁ。

ちなみに「還暦記念ライヴ」というのは、
私が言っているだけで、公式タイトルは
「60th Anniversary LIVE」。
サブタイトルが「No Guitar, No Life」。
いいねぇ。




@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show


[ SETLIST ](一部 曲名が分からないものあり)
1. 「 」 小倉ソロ
2. 「春」 小倉・佐橋・斎藤・亀田・三沢
3. 「 」 小倉・佐橋・斎藤・有賀・林・大貫
4. 「あなたを想うと」 同上
5. 「Joy Ride」 小倉・佐橋・斎藤・有賀・林・三沢
6. 「スプリング・ホイール」 小倉・井上
7. 「Clean Up」 小倉・井上・今、高水・山木・三沢・山本
8. 「Feliz Amigo」 同上
9. 「TQ Flower」 同上
10. 「No Guitar No Life」 全員
EC 1. 「Song For James」 小倉・佐橋
EC 2. 「Moon River」 小倉ソロ(ハープウクレレ)



ロビーに飾られていた三木楽器から贈られたチョコレート・ケーキ





2020.2.23

AMY HANAIALI'I with JEFF PETERSON
エイミー・ハナイアリイ・ウィズ・ジェフ・ピーターソン




聴いているうちにこれは、
ハワイアン・ソウル・ミュージックだと思った。
初めてライヴに行った エイミー・ハナイアリイ。
黒人のように迫力のある歌声を
聴かせたかと思うと、とても優しい
美しいスピリチュアルな歌も聴かす。
ハワイのトラッドに、適度にブルースや
カントリーなどアメリカンミュージックが
ブレンドされている感じ。
1曲「サンバ」って言ってたけど、
ブラジリアンな曲もあった。
ハワイ語の曲が多かったけど、
意外なところで「枯葉」も。

「フラダンスが踊れる人は、ステージに上がって」
と、言うとどうやらフラの先生らしき女性が
ステージに出て1曲彼女らの演奏に合わせて踊った。
フラダンスって、平和です。

ジェフ・ピーターソンのギターは、James Goodall。
90〜00年台は、ハワイにてギターを
製作していたルシアーで、日本に入ってくる
本数も少なく新品であれば、
優に100万円を超えるギターだ。
楽器は素晴らしいのだろうが、
今日の出音は、私としてはやや不満。
システムを調整すれば、
もっと良いトーンが出るはずだ。

ジェフ・ピーターソンは、スラックキーギター
(ハワイアン・ギターのチューニングの総称)の
名手とも言われており、今日は、
2曲インストを演奏してくれた。
めったに聴かないけど、スラックキー・ギターも
独特のゆるさがあって良いね。


[ MEMBERS ]
Amy Hanaiali'i (vo)
Jeff Peterson (g)

@ Cotton Club
1st show

----------

ところで。
昼間に観た「東京グランド花月」の
お客さんは、半数ぐらいがマスクをしていて、
数人の芸人がそのことをいじったり、
マスクをして登場する芸人までいた。
後日読んだら、何のことか分からないと思うので
書いておくと、今日現在の日本(というか
世界数か国)では、新型コロナウイルスが深刻な
問題になっており、イベントが中止になったり、
国によって、入国の制限がされたりしている。
今日も大型クルーズ船に乗っていて感染した
80代の日本人男性が死亡し、日本での死者は
4人となった。
一昨日(2月21日)のデータだが、
世界の感染者数は、76,018人(うち75,465人が中国)、
死亡者数は、2,245人(うち2,236人が中国)と
なっており、この2日間で世界中で増え続けている。

そんなわけで、ドラッグストアに行っても
マスクが売り切れて入手困難なのだが、
皆さんは、マスクをして花月に来ていた。
夜のコットンクラブでは、音響スタッフが
一人マスクをしていただけで、
お客さんは誰一人マスクをしていなかっので、
その対比がなんだか興味深かった。
客層の違いなのか、イベントの質の違いなのか。





2020.2.26

Saigenji ソロ



約5年ぶりに Saigenji のライヴに行ってきた。
Saigenji のことは5年前、偶然知って
興味を持って、観に行った。

良かった記憶があるのだが、なにしろチェックしたい
ライヴが多すぎて、気が付くと5年も経っていた。
今日のハコは、初めて行く「公園通りクラシックス」。
渋谷の公園通りにある、
東京山手教会の地下にある、ライブハウスだ。
思ったよりも空いていて、一番前で聴くことが出来た。
まず、Saigenji のギター。



アップにすると



スゴイ貫禄だ。
塗装どころか、トップ材が剥がれている。
最初、このギターで弾き出した時、
なんか感動してしもた。
こいつは、きっと全部見てきたんだよ。
長年使っているのだろう、サウンドホールの中を
覗いたけど、暗いのと、文字が薄くなっているのとで
どこのメーカーか読めなかった。

ギターも上手い。
前回「ブラジリアンが日本人の血になっている」と
書いたけど、今回も同様なことを感じた。
この人は南米風の音楽を演っているという
感じではない。
完全に「doing」の域を超えて「being」の
次元で歌い、ギターを弾いていると感じたね。

MC で、時折挟まれる南米の話が、
その印象を確固たるものに変えていく。
「この曲歌っている人、日本でいないですよ。
いやアジアでもオレ一人だと思う」と言って
聞いたことのないフォルクローレの曲を歌う。
それが、「練習して覚えてきました」感がない。
昔から、ずっと歌っている感じ。
事実そういう曲が多いんだろう。

前回は、置いてあったけど吹かなかったフルート。
今夜は、本編最後とアンコールで吹いた。
一人きりなので、当然伴奏なしで。
こちらの腕も、本職並みと見たね。

1部2部アンコール(3曲)合わせて
120分以上は演った。
南米の匂いがプンプンするのだが、
日本語であることに違和感のないオリジナルや
"Close To You" などのカバー、南米の民族音楽と
多国籍なのに統一感のある音楽。
素晴らしいと思った。
凄く満足なライヴだった。
そんなわけで、すっかりファンになってしまった。
4月にもライヴがあるから、行こうかな。
弾き語りと、バンドと2つあるので悩ましい。

今日の会場は、詰めれば50人以上入りそう。
こういう(コロナウイルスのこと)時期だからか、
お客さんが20人くらいと、やや少なめだったのは残念。
大勢いれば、もっと熱くなったやろな。

「Saigenji」は、ご本人の本名(西元寺哲史)から。


[ MEMBER ]
Saigenji (gt, vo, fl)

@ 公園通りクラシックス(渋谷)







2020.2.28

ANDY McKEE
アンディ・マッキー




昨年5月、トミー・エマニュエルの来日ツアーで
サポートアクトを務めていたアンディ・マッキー。
残念ながら、私がトミーを観たブルーノート公演では、
サポートアクトのコーナーはなかったので、
私がアンディのライヴを観るのは2016年5月以来だ。

アンディは、トミーと同じくアコースティック・
ギタリストだが、タイプは全く違う。
若干、アンディの方がニューエイジっぽいかな。
トミ―の場合は、超絶技巧でもギターを
演奏している感じがするけど、
アンディの場合は、あまりにも奏法が違って、
もうギターではない、別の楽器だな。

今日も指の動きより多い音が聞こえてきて、
一体どうやって弾いているのか見当もつかない
場面もあった。
タッピングが正確で、美しい。
ギターは結構大きかったので、
前回同様、バリトンギターだろう。
曲の度にチューニングを変えていたけど、
いったい何種類のチューニングを
使い分けているのだろうな。



2本とも GREENFIELD GUITARS。
めちゃええ音でした。
高そうやなぁと思って 調べてみたら、
$12,000 とか $14,500 で、
アンディモデルは、$23,000 でした!
ひぇ〜!

アンディは、坊主頭に首に数珠をかけており、
見た目は、完全に僧侶です。

ほとんど曲名が分からないのだけど、
1曲目に演った曲は、「こんなん練習してたら
確実に腱鞘炎になるで」というタイトルを
付けたくなった。
"She" は、2016年には別れた彼女の曲と
聞こえたのだけど、今日は奥さんの話をした後に
演奏したので、別れた彼女というのは、
聴き間違いだったのかもしれない。
そのほか、TOTO の "Africa" や、
ダディに捧げた曲は、前回も演っていたので、
これらはライヴの定番なのかも。


[ MEMBER ]
Andy McKee (g)

@ Cotton Club
2nd show


********************

日本では、コロナウイルスの影響で
多くのイベントが中止になっている。
コンサートもドームなどの大きな会場のものほど
中止になっている状況だ。
来日アーティストも、あの311の時ほどではないが、
キャンセルが出ている。
昨日、Billboard Live は、今日(2月28日)から
3月11日までのビルボードライブ東京と大阪の
全公演を中止を発表した。
イベントの中止が、果たして効果があるのかどうかも
分からないけど、何もしない訳にもいかないのも分かる。
普段、ライヴをしてくれるアーティストがいて、
聴きに行ける健康と平和があることに
改めて感謝である。
これが、当たり前だと思ってはいけないのだけど
すぐに忘れてしまうねん。





2020.3.7

マッコイ・タイナー死去

3月6日、米国ジャズピアニストの
マッコイ・タイナー(McCoy Tyner)が亡くなった。
81歳だった。
マッコイ・タイナーは、ジョン・コルトレーンとも
演っていたジャズ界の巨人。

私はマッコイについて詳しくはないが、
10年以上前に『Guitars』という
タイトルのアルバムを買ったことがある。
(2008年発売)



マッコイ (pf)、ロン・カーター (b)、
ジャック・ディジョネット (dr) のトリオに
ゲストのギタリストを迎えて録音されたものだ。
ギタリストは、マーク・リボー、
ジョン・スコフィールド、ベラ・フレック(バンジョー)、
デレク・トラックス、ビル・フリゼールという布陣。
ちょっと癖のあるギタリストの選出は、
プロデューサーの手腕だろうか。
5人のギタリストの個性の違いが激しい。
5人中3人(ジョンスコ、デレク、ビル)は
複数回ライヴに行っている大好きなギタリストと
いうのも嬉しいアルバム。

合掌。


"FLY WITH THE WIND"
2009年の東京JAZZでの演奏。
マッコイ・タイナー(p), ジョン・スコフィールド(g)
ジェラルド・キャノン(b), エリック・カマウ・グラヴァット(ds)





2020.3.25

"ACOUSTIC WEATHER REPORT"
featuring ERIC MIYASHIRO, MASATO HONDA




コロナウイルスの影響で
多くのライヴやイベントが
中止(延期)になる中、
久しぶりのライヴに行ってきた。
なんと、ブルーノート東京で3月に
開催されるライヴは、今日だけだ!

お店の入り口では、スタッフが
観客一人一人の額に何やら
測定器を向けて体温を測定。
熱のある人は、入れない体制だろう。
私は、初めてのことだったので、
どうしてよいか分からず、
「どうすればいいの?」と訊いたら
「じっとしてください」って言われた。
そして、手をアルコール消毒。
スタッフは、全員マスク姿。

3月の公演は全て延期・中止になったのに
どうして今日のライヴはやるんだろう、と
若干不思議な感じがしていたが、
どうも撮影をしていたようなので、
そのせいもあったのかも知れない。

お店としては、消毒や換気など
かなり注意を払っている様子だったが、
観客の中に感染者が紛れていれば、
防ぎようのない部分もあるだろうな。

自粛して来なかったお客さんも
いたのかも知れないが、
客席を見渡すと、満席状態で、
マスクをしている人は、
10%に満たないように見えた。
ドリンクやフードを頼むのに、
マスクしてられへんわな。

さて、ライヴの方はというと、
ウェザー・リポート の曲を
アコースティックな編成で
演奏しようというコンセプトの
“アコースティック・ウェザー・リポート”
というユニット。
メンバーは、クリヤ・マコト(Pf)、
納浩一(B)、則竹裕之(Dr)という
ベテラン勢にゲストで エリック・ミヤシロ(Tp)、
本田雅人(Sax)が加わる。

実は私は、ウェザー・リポートは、
そんなに聴いてきたわけではなく、
数曲程度しか知らないのだけど、
ジャズ・ライヴを聴くのには
そんなことは関係ない。
これは面白そうだと思って
チケットを申し込んだ。

これは、正解やったね。
かなり、熱い演奏だった。
“アコースティック・ウェザー・リポート” は、
ピアノのクリヤさんがリーダーなのかも
知れないけど、クリヤさんのピアノ・トリオ
という感じではなく、3人のバンドという印象。
納さん、則竹さんは、それぞれ何度か
生演奏を体験しているが、誰かのバックでは
ないせいか、今日が今までで一番良かった。
(って比較でけへんねんけど、
そういう感じがしたってことね。)
則竹さんは、ソロで炸裂していたね。
納さんも、プレイはキレキレだったが、
ちょっとつらそうで具合が良くないように
見えたのだけど、気のせいなら良いのだが。

そしてこのトリオに エリック・ミヤシロ、
本田雅人の2人が加わるわけだから、
悪かろうはずがない。
本田さんは毎回聴くたびに、
ホンマに上手いと唸らされる。
吹いている姿は、いたってクールなのに。

あえて苦言を呈するならば、
エリックさんのペットの音がでかいので、
本田さんのボリュームをもう少し上げて欲しかったな。


[ MEMBERS ]
クリヤ・マコト(Pf)
納浩一(B)
則竹裕之(Dr)
エリック・ミヤシロ(Tp)
本田雅人(Sax)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show


(2020.4.2 SETLIST 追記)

[2020.3.25 WED. 2nd show SETLIST]
1. RIVER PEOPLE
2. DONNA LEE
3. DEEP INSIGHT
4. HAVONA
5. LUSITANOS
6. ELEGANT PEOPLE
EC. BIRDLAND

Blue Note LIVE REPORTS より





2020.3.31

ジャニス
リトル・ガール・ブルー
JANIS : LITTLE GIRL BLUE



2016年に公開された、
ジャニス・ジョプリンのドキュメンタリー映画
『ジャニス リトル・ガール・ブルー』。
劇場では観そびれてしまったが
気になっていた作品で、ようやく
DVD で鑑賞した。

観てから分かったことだが、
奇しくも今年は、ジャニスの没後50年。
10月4日が命日なので、夏から秋に向けて、
何か企画があるかも知れない。

私は、ジャニスについて詳しいわけではないが、
20代前半の頃、1枚だけ LP レコードを
買ったことがある。
どうして、その1枚を選んのだか
覚えていないのだが、そのアルバムは、
彼女の遺作となり、死後に発表された
『Pearl』というアルバム。
"Move Over" "Cry Baby"
"Half Moon" などが収録された、
めちゃくちゃカッコイイ作品だ。

たぶん、『Pearl』が遺作だということぐらいは
過去に知っていたと思うのだけど、
このドキュメンタリーを観て、改めて
『Pearl』が頂点の作品だったのだと感じた。

ジャニスの人生は、全く違うのだけど、
エリック・クラプトンと共通する。
この人も「人生がブルース」な人なのだ。

高校時代はいじめられ、成功してから、
同窓会に出席するも孤独。
だから、あんな歌が唄えたんやね。
あの歌は、練習して唄えるもんとちゃうもんな。
そういう意味では、この人は
天然、野生の天才ブルース・シンガーだったんだと思う。

そして、シンガーとしての成功は、
「多くの人からの愛を得るため」と、
本人が公言するほど、寂しい人だったんだな。

当然、寂しい人にはドラッグと
アルコールが付きまとう。
享年27歳の死因は、ヘロインだった。

残念。
合掌。


ジャニスを知らない人は、これを聴いてくれ!

MOVE OVER by Janis Joplin
死ぬ約100日前です。
カッコ良すぎ。

27歳でいっぱい死んでるんよね。
ロバート・ジョンソン、ブライアン・ジョーンズ、
ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、
ジム・モリソン・・・みんな27歳。
この人たちには「J」が付くので、
「"J" の呪い」なんていう人もいるぐらい。
そして、カート・コバーン、尾崎豊も享年27歳。
実際には、27歳が特別多いわけでは
ないようだけどね。





2020.4.1

THE UNIVERSAL MIND OF BILL EVANS
ユニヴァーサル・マインド・オブ・ビル・エヴァンス




YouTube でも観られるのだけど、
YouTube では、字幕がないので DVD で鑑賞。
ジャズピアニストのビル・エバンスが、
ジャズについて語るインストラクション・ビデオ。

ビルの兄、ハリー・エヴァンスが
インタビュアーを務める。
1966年の制作で、演奏シーンはほんの少し。

タイトルの「The Universal Mind」は、
「普遍的な音楽の心」と訳され、本編は
ビルの「普遍的な音楽の心は、
誰の中にもある。私はそう信じている」
という言葉で始まる。

ビルのジャズ観、ジャズとクラシックの関係、
問題の大きさと自分の能力の関係など
興味深い話が満載だったが、1回観ただけでは、
おそらく半分も理解できていないだろうな。

ビル本人が自分は才能がないと
思っていなかったからこそ、努力した。
話の端々から伝わってくるのは、
とっても地味な練習の連続。
天才は一日にしてならずなのだ。





2020.4.30

コロナの影響 拡大 10
Stay Home & Listen To Jazz

世界中でライヴやコンサートが中止になる中、
新しい試みが行われている。
「JAZZ AUDITORIA ONLINE」では、
日本時間で今朝の10時から、明朝6時まで
80組を超える国内外のアーティストが
ライヴを生配信している。
視聴は無料だ。

仕事があって、残念ながら観たいアーティストを
全部観られたわけではないが、
いくつかチェックしたよ。
ヤマンドゥ・コスタのライヴ(YouTube)を
途中から観たので、終わってから、
最初から観ようとしたら、
生配信終了後は観られなくなっていた。
そこまでは甘くないらしい。

(2020.5.6追記)
その後、アーカイブとして再生できるようになってました。


21時から YouTubeで、小曽根真さんのライヴを
観ようとスタンバイして待っていたら、
中々始まらない。
どうやらトラブったらしく、
突然「動画を再生できません」と表示された。
しばらくしてから気が付いたのだが、
ここんとこ小曽根さんが
リビングルームから演奏を配信している
チャンネルで配信が始まっていた。
急遽、変更したのかな。

あと、ギラ・ジルカさん。
ギターの竹中さんとのデュオが良かったなぁ。
2曲デュオしたのやけど、最後の『サザエさん』!
まさか、サザエさんの歌で泣くと思えへんかった。
「お魚くわえたドラネコ〜」ってあれやで。
あの曲で泣くかぁ?
4人で演奏したやつは、生のギラさんだけ
わずかに遅れてしまうのが、惜しかった。
デュオだとそんなに気にならなかったんやけど、
ふたり同時に歌うと、どうしても無理があるんやな。
この辺は、技術的な問題なので
今後改善されていくのかもな。

どこまで行っても音楽は、
やっぱり目の前で演奏を聴くのが最高。
それは、間違いないけど、
録画されたものではなく、
生配信(放送)というのは、
ライヴに行けない時には、いいね。
一昔前には、テレビかラジオしか
生放送は出来なかったわけだから、
凄く限られたアーティストにしか
チャンスがなかったわけやけど、
インターネットのおかげで、
ほぼ誰もが発信できるようになった。
リアルに聴いている人のコメントにも
答えてくれることもできるしね。
私は、チャットに何か書き込んだりするタイプでは
ないけど、しっかり、声を出したり
拍手したりしています。

グローバル化、グローバル化と言われて
来たけど、コロナで分かったことは、
グローバル化してたのは、経済だけでだった、
というようなことを読んだけど、
そんなことないよなって、思った。

そして、当たり前のようにライヴに行ってたけど、
当たり前ではないということを噛みしめて、
コロナが明けたら、生演奏に浸りたいと思います。

ところで、3時から、ゴンザロ・ルバルカバ、
5時半から、チック・コリアが演るんやけど、
どうする?





2020.5.14

Bill Withers
ビル・ウィザーズ


ギターマガジン最新号に、
ビル・ウィザーズの追悼特集があった。
知らなかったけど、ビル・ウィザーズは
3月30日に亡くなっていた。
享年81歳。
思っていたより、高齢だった。

ビル・ウィザーズの声を初めて聴いたのは、
たぶん Grover Washington, Jr. の
アルバム『Winelight』(1982年)の
"Just The Two Of Us" 。
きっと多くの人が聴いたことがあるだろう。
The Crusaders の "Soul Shadows"
(1980年)も好きだし、Char さんが
『MOON CHILD』(1982年)で
カヴァーしていた "Lean on Me"(Vo は
金子マリ)のオリジナル(1972年)が、
その後、ビル・ウィザーズだったと知った。
この曲は、好きでライヴでも演ったことがある。

ちなみに "Just The Two Of Us" の
邦題は、『クリスタルの恋人たち』。
なんかスゴイな。
このアルバム『Winelight』に参加した、
Grover Washington, Jr.、
Eric Gale、
Richard Tee、
Ralph MacDonald、そして、
Bill Withers が亡くなってしまった。
寂しいなぁ。

合掌。


この数カ月にも多くのミュージシャンが
逝ってしまった。

3月6日 マッコイ・タイナー(ピアニスト)81歳
3月10日 ジョージ大塚(ドラマー)82歳
3月30日 ビル・ウィザーズ(シンガー)81歳
4月1日 バッキー・ピザレリ(ギタリスト)94歳
4月13日 川崎燎(ギタリスト)73歳
5月9日 リトル・リチャード(シンガー)87歳
5月12日 浅野孝已(ゴダイゴのギター)68歳

バッキー・ピザレリは、やはりジャズ・ギタリストの
ジョン・ピザレリのお父ちゃん。
スタジオ・ミュージシャンの仕事もしていて
レイ・チャールズのアルバム「我が心のジョージア」、
ロバータ・フラックのアルバム「愛は面影の中に」、
ジャニス・イアンのアルバム「愛の余韻」などに
参加していたらしい。

川崎燎は、ニューヨークでも活躍していた
日本人ギタリスト。
73歳は、ちょっと早いなぁ。

リトル・リチャードは、引退していたせいもあってか
生きていたとは知らなかった。
私には、チャック・ベリーと並ぶ、ロケンロールの父。

そして、昨日飛び込んできたニュースは、
ゴダイゴのギタリスト、浅野孝已氏の訃報。
死因は、「虚血性心不全」と発表されたが、
68歳は若いなぁ。
今、浅野さんのバンド「T.A.G.C TOKYO」の
2010年のアルバム『新月』を久しぶりに
聴きながら書いています。

合掌。





2020.5.27

ヨーコぶるーすばんど
『おっさん何するんや』


Amazon Music を契約して、
ずいぶんとたくさんの音楽を聴けるように
なったものの、いまだに CD を買ったり、
借りたりすることも多い。
できれば、所有物は増やしたくないので、
データで購入出来るものは、なるべく
データで買うようにはなってきたけれどね。
そのうち、CD はなくなるという話もあるけど、
今のところ、まだ先のことのようだ。

先日、宅配レンタルのサイトで
「ヨーコぶるーすばんど」という文字が
目に入ってきた。
「あっ!」と思った。
長らく思い出さなかったバンド名だが、
1978年にデビューした
日本のブルース・バンドだ。

デビュー曲は『おっさん何するんや』
歌詞は、こんな感じ。

おっさん何するんや ウチのどこさわってるんや
おっさん何するんや ウチのどこさわってるんや
何の権利あって ウチの体さわるんやおっさん
ドブネズミみたいな背広着て
趣味の悪いネクタイしめて
虫も殺せん顔をして
ウチのうしろでコソコソと
おっさん何するんや・・・


と、痴漢のことを大阪弁で唄ったブギ。
当時、おそらくそう何度も聞いたわけでは
ないだろうけど、1回聴いたら忘れられない
インパクトのある曲で、私の記憶に
しっかり残っていた。

2007年に CD 化されたようだが、
すでに廃盤になっていて、今、アマゾンでは
12,800円ですわ。

で、早速、借りて聴いてみた。

これが素晴らしい!
『おっさん何するんや』以外の曲は、
初めて聴いたのだけど、なんというか
予想以上に良い。
大阪弁のブルースというと、
上田正樹や憂歌団のイメージがあるけど、
どちらかというと大塚まさじを思い出したね。

調べてみると、ヴォーカルのヨーコさんは、
デビューのあと、数年日本で活動後、
本場のブルースを歌いたいと1984年に渡米。
シカゴで活動。
アメリカ人(たぶん)のサックス奏者と結婚。
時々、帰国して日本でもライヴをしていたようだが、
最近の情報は、ググっても中々ヒットしなかった。

ようやく見つけたのが、
昨年の8月の FORBES JAPAN の
インタビュー記事。
 ↓
「Who am I?」を探求して見えたもの。
シカゴと大阪をブルースでつなぐ経済記者


次に来日(帰国?)した時は
絶対ライヴに行くぞ!





2020.6.21

Hey Jude

あらためて、
バンドってええなぁ、
エレキギターってええなぁ、
ビートルズってええなぁ、
と思います。

Martin Miller & Paul Gilbert - Hey Jude
(The Beatles Cover) - Live in Studio






2020.6.27

ザ・ビートルズ
EIGHT DAYS A WEEK
The Touring Years




2016年9月に劇場公開された
ビートルズのドキュメンタリー映画、
『EIGHT DAYS A WEEK』を
DVD で観た。

公開されてすぐに劇場で観たのだが、
とても良かったことを覚えている。
その時のエントリー。)

「本作を観て、
ビートルズのアルバムを1枚目から全部、
ゆっくり聴き直そうと思った。
映画も もう1回観たい」と書いているのだが、
アルバム全部は聴き返していないなぁ。
たぶん、直後は数枚聴いたような
気がするけど。
「もう一回観たい」というのも
4年近く経ってやっと観たよ。
でも、これぐらい時間が経っている方が、
新鮮でいい。
かなり忘れているからね。

感想のポイントは、2016年に書いたことと
ほぼ同じだけど、やはり楽曲の素晴らしさ、
そして、その影響力の大きさだな。
もう世界を変えてしまったわけやからね。
ホントに素晴らしいバンドです。

当時の4人の結束力も素晴らしい。
スタジアムで、まともな PA もモニターも
なく、ステージ上ではメンバーの音も
(たぶん自分の音も)聞こえていないのに
演奏はバッチリ合っている。
リンゴは、前の3人の後ろ姿を見て、
見当をつけてドラムを叩いていたという。
今では、イヤホンでモニターをする時代に
なってしまった。
あんなワイルドな環境で
演奏できるバンドは もういないかもな。

劇場公開時は、本編の後に
1965年の NY シェイ・スタジアムの
コンサートの映像(31分)が
続けて上映されたので、
楽しみにしていたら、
DVD には、コンサート映像は、
収録されていなかったよ。
残念。





2020.8.25

"SAVE LIVE MUSIC"
上原ひろみ 〜Spectrum〜




5か月ぶりのライヴは、上原ひろみのピアノ。
@ Blue Note Tokyo。

ひろみは、今月から来月にかけて、ブルーノートで
"SAVE LIVE MUSIC" と題して、
4つのプログラムで 合計 16 日間 32 公演を行う。

8月25〜29日 SPECTRUM
9月4〜7日 PLACE TO BE
9月10〜11日 BALLADS
9月12〜16日 Since 2003

今日は、その初日の 2nd show を観てきた。
ひろみのピアノは、昨年12月の
“SPECTRUM” ツアー以来だ。
2011年に初めてライヴで聴いて以来、
もう、20回ぐらい彼女のピアノを生で聴いてきたが、
毎回毎回、その素晴らしさに感動する。
今日は、ピアノの音が「立体」に聞こえたよ。
時折、ピアノではないような、どうやって
出しているんやろというような音も聞こえる。

アンコールを入れて75分。
アルバム『SPECTRUM』からの曲が中心で、
"Kaleidoscope"、"Yellow Wurlitzer Blues"、
"Blackbird"、"Once In A Blue Moon" など。
圧巻は "Rhapsody In Various Shades Of Blue"。

残りの3つのプログラムもそれぞれ1公演ずつ
なんとか予約に成功したので行くよ!
4つのプログラム、それぞれ1公演だけ、
配信もされるので、4プログラムセットも申し込んだよ。


ブルーノートは、ほぼ4か月ぐらい営業を
出来なかった時期もあったようだ。
今日の会場は、座席を3分の1ぐらいに
減らしているように見えた。
フードのサービスはなく、ドリンクのみ。
入場時に検温と手の除菌。
各テーブルにはひとつずつ除菌ジェルが置いてあった。

ライヴは5か月ぶりと書いたが、
前回は、3月25日のブルーノート、
ACOUSTIC WEATHER REPORT だった。
新型コロナウイルスの影響で、3月からライヴの
キャンセルが続いた。
私の場合、予約していた3〜4月のライヴが、
12もキャンセルになった。
その後も もともと予約していたものが5つ、
コロナが始まってから新たに予約したライヴ2つも
キャンセルになり、とうとうライブに行かなくなってしまった。
キャンセルが続く中、3月25日のライヴだけは
なぜか行われたのだった。
この日のライヴは、まだ客席数も平常時と同様で、
つまり結構「密」な状態で、しかも
観客もほとんどの人がマスクをしていなかった。
でも、今日は、ほぼ観客の全員が演奏中も
マスクを着用していた。
私は、マスクは嫌いだし、飛沫防止にはなっても
感染予防になるのかどうかは、ちょっと懐疑的なのだけど、
「ここ(ブルーノート)から、感染者を出したくない」
という演奏者、スタッフ、観客の想いを感じて、
おとなしくマスクをしたまま聴き入りました。


[ MEMBER ]
上原ひろみ (pf)

@ Blue Note Tokyo
2nd show





2020.8.30

"SAVE LIVE MUSIC"
上原ひろみ 〜Spectrum〜
動画配信


一昨日(8/28)は、上原ひろみの
ブルーノート公演のライヴ配信を観た。
ひろみは、今月から来月にかけて、ブルーノートで
"SAVE LIVE MUSIC" と題して、
4つのプログラムで 合計 16 日間 32 公演を行う。

その4つの公演それぞれに1公演だけ、
ライヴ配信が行われるのだが、
「Spectrum」と題された 8/25〜29 の
ライヴ配信が一昨日にあったのだ。

全曲アルバム『スペクトラム』からの演奏。
生で観るのとは違い、ひろみの表情や
手元が映るのは良い。
でも、家で飲みながら観ていたので、
ついつい飲み過ぎるのは玉に瑕やな。

プロのピアニストでも、やりたいことを全て
表現できるテクニックを持っている人ばかりではない。
どうしてもテクニックが付いていかず、
音が濁ったり、雑になったりすることも
聴いていて 珍しくない。

しかし、いつもひろみは完璧な演奏を聴かせてくれる。


[ SETLIST ]
1. Kaleidoscope
2. Yellow Wurlitzer Blues
3. Once In A Blue Moon
4. Blackbird
5. Rhapsody In Various Shades Of Blue
EC. Spectrum

@ Blue Note Tokyo





2020.9.6

"SAVE LIVE MUSIC"
Hiromi 〜PLACE TO BE〜




いやいや、今日も素晴らしかった。
何度もウルウルしたよ。

上原ひろみは、今月から来月にかけて、
"SAVE LIVE MUSIC" と題して、
ブルーノート東京にて4つのプログラムで
合計 16 日間 32 公演を行う。

9月4日から7日までは、
その2つ目のプログラム「PLACE TO BE」。
今日は、その2nd ショーを観てきた。
『PLACE TO BE』は、2009年発表の
ひろみの初のピアノ・ソロ作アルバムのタイトル。
アルバム発売時にツアーを周ったけど、
11年ぶりの『PLACE TO BE』の公演だ。

先日の公演と同じく、座席数は減らされ、
フードの提供もない。
コロナ感染対策が取られた、
客もスタッフも全員マスク着用の公演だ。

今日は、この人は完全にあっち側の世界に
コネクトしているなと確信したね。
曲を弾き始める前、儀式のように毎回、
うつむいて数秒間じっとするのだけど、
その沈黙の時間は、1曲目の始まる前が、
いつも一番長い。

初めの頃は、精神集中のためか、
心を落ち着かせるためのように見えたのだけど、
あれは、完全にあちら側とのコネクトの時間だと思う。

文明が発達する以前は、多くの人が簡単に
あちら側と繋がることができていたのだけど、
現代の人間は、その方法も、ともすれば
繋がりがあったことも忘れてしまった。
あちら側というのは、私も良く分かっていないのだけど、
たぶん、争いや憎悪はなくて、
美と愛に満たされた世界のこと。

繋がりを忘れた現代人は、優れた音楽家が、
あちら側とコネクトし創造する音楽に、
その昔、自分も繋がっていた記憶をくすぐられ、
感動し、懐かしみ、満たされるのではないか。
音楽は、悠久の昔からあちら側の世界と繋がる
ツールでもあったのだしね。

ひろみの演奏中、何かが降りてきていると
感じたことも何度もあったけど、
今日は、「降りてきている」というより、
彼女がある種のトランス状態で、
あちら側と繋がって演奏しているように見えた。
それは、「降りてきている」とか
誤解を恐れず言えば、「何かが憑依している」
とも言えるわけだけどもね。

とにかく、演奏中のひろみは、何の制限もなく、
つまり、上手く弾こうとか、失敗しちゃだめだとか、
そんなエゴは全くなく、それどころか
技術的な制約さえからも完全に開放(解放)されて
いるように見えた。
スゴイです。


ひろみはMCで「『PLACE TO BE』は、
11年前のアルバムなので
曲たちも11歳になりました。
アルバムとは、大分変化を遂げているけど、
聴いていると分かります」
というようなことを言った。
私は、トリオ・ザ・プロジェクト以降にファンに
なったので、『PLACE TO BE』はそんなに
聴きこんでいない。
だから、そんなに分からなかったのだけど、
タイトル曲『PLACE TO BE』はとても
美しい、どことなく日本の原風景を
思い出させるようなメロディで好きな曲だ。
本編で演らなかったので、アンコールかなと
思っていたら、アンコールでは、全く違う
イントロが始まった。
が、聴いていると、なんと『PLACE TO BE』の
メロディが!
変奏し過ぎ!
もう別の曲やん。
でも、これがひろみだし、ジャズなのだよな。

今日は、ステージ真横の席で、
バンドを観るならあまり良い席とは言えないけど、
ピアノ奏者の正面に位置していたため、
ひろみの表情が良く見えて、とても良い席でした。

開演前



[ MEMBER ]
上原ひろみ (pf)

@ Blue Note Tokyo
2nd show





2020.9.8

"SAVE LIVE MUSIC"
Hiromi 〜PLACE TO BE〜
動画配信


一昨日、上原ひろみの素晴らしいライヴに
行ってきたが、昨夜はそのライヴ配信があった。
昨夜は観れなかったので、
今日、その見逃し配信を鑑賞した。
見逃し配信は、今夜の24時までの限定だ。

一昨日のライヴとセットリストは(たぶん)同じで、
全曲アルバム "PLACE TO BE" からだ。

17世紀に作曲されたパッヘルベルの『カノン』。
ピアノ弦の上に棒状の何かを置いて、
チェンバロのような音を出していた。
パッヘルベルが聴いたら何というんだろうな。
『Viva! Vegas: The Gambler』では、
照明と合わせての遊び心満載の演奏。
アンコールの『Place To Be』は、
一昨日とは全く違う曲調で演奏された。

毎回、こうやってその場その場で
出てくる音楽を探して演奏しているんだな。
でも、やっぱり生で聴くのがいいなぁ。

次は、明後日のバラード曲中心のライヴ、
「BALLADS」。
これまた楽しみだ。


[ SETLIST ](2020.9.7 2nd show)
1. BQE
2. Sicilian Blue
3. Choux A La Creme
4. Pachelbel's Canon
5. Viva! Vegas: Show Cuty, Show Girl
6. Viva! Vegas: Daytime In Las Vegas
7. Viva! Vegas: The Gambler
EC. Place To Be

@ Blue Note Tokyo





2020.9.10

"SAVE LIVE MUSIC"
Hiromi 〜BALLADS〜




なんだか続けて上原ひろみのライヴ・
レビューばかりだ。

ブルーノート東京にて4つのプログラムで
合計 16 日間 32 公演を行っているひろみ。
今日と明日の2日間は「BALLADS」と
題された公演で、その名の通り、
バラードしか演奏しないというライヴだった。

MC で「4つの公演の中で、
もっともマニアックな公演です」と
ひろみ自身が言っていたけど、
確かにそうかも知れない。

9月6日のライヴでは、演奏するひろみの
正面の席だったが、今日は反対側。
ひろみの背中を観ながらの鑑賞だった。


開演前

しかし、これが予想に反して良い。
時折、弾きながら横を向いた時の
横顔がチラリと見えたけど、
顔の表情は全く見えない。
顔の表情を見なくても、その背中と
首の動きだけで、顔の表情に匹敵する
だけのもを感じた。
これは、新発見だったね。
演奏に応じて、クネクネ動く背中、
肩、首の角度。
バラードに合わせたのか、シックな黒いドレスに、
髪をアップにしていたので、首というか うなじ が
良く見えたのもある意味、音楽をより官能的に
聴こえさせたように思う。

今更だけど、音楽に重要なのは、
「表現力」だと思った。
テクニックは、音楽表現のための道具だ。
そして、音楽は、テクニックを披露するための
場ではない。

そして、その「表現力」を支えるもの、
「表現力」が表現するものが「歌心」だと思う。
どんなにテクニックがあっても、
歌心のない演奏に心は動かされない。

有名なプロの中にも、「この人、なんで
こんな弾き方するんやろう、歌心ないなぁ」と
思う人がいる。
でも、音楽家として成功している。
ファンも大勢いる。
ということは、「歌心」さえも個人の好みと
いうことになる。

私は「歌心」という言葉が好きなのだが、
英語に「アーティキュレーション(articulation)」
という言葉があって、音楽の世界では、
音の強弱やつながりなど、その表情の付け方を指す。
「歌心」では抽象的過ぎるかもしれないが、
「アーティキュレーション」は、もう少し具体的だ。
「歌心」を表現するための区別が、
「アーティキュレーション」とも言えるだろう。

どんなに美しいメロディであっても、
奏者に歌心がなければ、良い音楽にはなりえない。
ひろみのバラードを聴きながら、
その完璧ともいえる「アーティキュレーション」に
酔いしれた。

バラードを演るんだったら、ベートーベンの
ピアノ・ソナタ(第8番「悲愴」第2楽章)を
聴きたいなぁと思っていたら、演ってくれました。
ベートーベンとブルースの融合ですわ。


[ MEMBER ]
上原ひろみ (pf)

@ Blue Note Tokyo
2nd show


参考音源
Hiromi THE TRIO PROJECT Beethoven's Piano Sonata Patnetique 2





2020.9.14

"SAVE LIVE MUSIC"
Hiromi 〜Since 2003〜




ブルーノート東京にて4つのプログラムで
合計 16 日間 32 公演を行っている、
上原ひろみのいよいよ4つ目のプログラムを
観てきた。
4つ目のプログラムは「Since 2003」という
テーマで、9月12日から16日まで5日間行われる。
今日はそのちょうど中日に当たる。
「2003」というのは、ひろみがデビューした年。
それから17年、世界中の Blue Note で
演奏をしてきたという。

このセットでは、ぜひ "Seeker" を
演って欲しいな、と淡い期待を抱いていた。
"My Favorite Things" が終わって、
何故か頭の中に "Seeker" のイントロが鳴った。
ここで "Seeker" 来たらええのにな、と思った。
始まった曲は、全然違う曲だった。
が、しばらくして聞き覚えのあるメロディが!
"Seeker" だ!
なんというアレンジ。
あの印象的な8ビートは、ほんの少ししか
登場せず、しっかり "Seeker"。
ああ、録音が欲しい。

映画『スターウォーズ』の酒場のシーンで
演奏される "Cantina Band" は、
ラグタイム風なのに途中カリブ海に行ってしまったよ。

圧巻は、本編ラスト。
曲名が分からないけど、弾き出したら
拍手が起こったので、初期の人気曲なのだろう。
(私は、初期の曲には明るくない。)
もう、笑ってしまうような神業演奏だった。

アンコールは、"上を向いて歩こう"。
2011年4月、震災で外国人アーティストの
キャンセルが続く中、初めてナマのひろみを
体験したのが、コットンクラブでのピアノソロだった。
忘れもしない、その日に聴いて涙したのが、
"上を向いて歩こう" だった。
あの時は、日本中が震災のショックで
動揺している最中、犠牲者への鎮魂と、
残った人々への癒しと力づけの演奏だったと思う。

しかし、今日の "上を向いて歩こう" は、
観客へのメッセージはもちろん、この32回に
及ぶ特別公演のテーマ
「SAVE LIVE MUSIC」 を象徴しているように
感じたのでした。
ブラボー。


[ MEMBER ]
上原ひろみ (pf)

@ Blue Note Tokyo
2nd show





2020.9.16

"SAVE LIVE MUSIC"
Hiromi 〜Since 2003〜
ライヴ動画配信


ブルーノート東京にて行われてきた
合計 16 日間の千秋楽の 2nd show、
32公演目となるライヴの配信だ。

4つのプログラム計 32 公演中、
私は、それぞれ、会場と配信と合わせて
8回のライヴを堪能した。
毎度のことながら、彼女の演奏の
技術の素晴らしさ、表現の幅、
その全てのクオリティの高さには感服せざるを得ない。

この人のピアノの音は、立っている。
曖昧なところがない。
粒立ちが良いというのか、
音が「速い」という感じだ。
おそらくだけど、指が鍵盤に触れてから、
押し込まれて、ハンマーが弦を叩くまでの
時間が相当速いのではないかと思う。
それは、音の力強さとなっても現れるが、
「強い」のではなく「速い」のだと思う。

おそらく、一昨日観たライヴと同じセットリスト
だったと思うが、今夜も、『Seeker』が良かったな。
この曲、好きだなぁ。
他の曲もそれぞれ、この日この時だけの
演奏で、ぜひとも4つの配信公演の
ブルーレイの発売を望む!
映像ダメなら CD だけでも!


(2020.9.16 2nd show)
[ SETLIST ]
1. Haze
2. What Will Be, Will Be
3. My Favorite Things
4. Seeker
5. Cantina Band
6. Love and Laughter
7. Dancando No Paraiso
EC. 上を向いて歩こう

@ Blue Note Tokyo





2020.9.21

AI KUWABARA THE PROJECT
桑原あい ザ・プロジェクト




コロナのおかげで、4〜7月までライヴに行くことを
自粛していたが、ようやくライヴに行くようになってきた。
ライヴハウスの運営を見ると元通りに
戻ったとは言えないけれどね。
今日は、一昨年9月以来の桑原あい。
2年連続で「with STEVE GADD & WILL LEE」の
ライヴを堪能させてもらったけど、
今日は日本人とのトリオ。

このひと月の間に、ライヴ4回配信4回の
上原ひろみソロ・ピアノを体験したので、
ピアノのトーンの違い、その個性の違いも
よく分かって興味深かった。

1曲目、エンニオ・モリコーネの『デボラのテーマ』。
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の
ためにモリコーネが書いた曲で、とても美しく、
ドラマチックな演奏だった。
なぜか、全く知らずミスしていたのだけど、
モリコーネは、今年7月に他界していた。
モリコーネといえば、『ニュー・シネマ・パラダイス』や
『海の上のピアニスト』、そして、
『荒野の用心棒』、『夕陽のガンマン』など
マカロニウェスタンなどの映画音楽を手掛けてきた巨匠。
『デボラのテーマ』のエンディング近く、
桑原は、『アマポーラ』のモチーフを織り交ぜた。
(なぜに、アマポーラ?)と思ったのけど、
『アマポーラ』は、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・
アメリカ』の挿入歌だったのね。

アンコールの『Dear Family』も良かったなぁ。

少しずつ、ライヴの世界でも日常を取り戻しつつある。
「このままピアノを弾けなくなるんじゃないか」と
不安だったという桑原。
ライヴは、「観客とのエネルギーの交換」だと言う。
正にそういう素晴らしいライヴでした。


[ SETLIST ]
1. Deborah's Theme (Ennio Morricone)
2. MAMA
3. All life will end someday, only the sea will remain
4. Money jungle (Duke Ellington)
5. March Comes in Like a Lion
6. That's The Ball Game (新曲)
7. The Day You Came Home
8. 919
EC. Dear Family


[ MEMBERS ]
桑原あい(ピアノ)
鳥越啓介(ベース)
千住宗臣(ドラムス)

@ Blue note Tokyo
2nd show





2020.9.29

Sam Wilson
"Into A Heart"


最近知ったカナダの女性ギタリスト、
サム・ウィルソン。



美人がギターを抱えているというだけで、
私は OK だ。(何が?)
日本デビュー作となるアルバム
『イントゥ・ア・ハート 〜ギターと私』は、
その名の通り、「ギターと私」だけで録音された
つまり、ソロギターによるアルバムだ。
3曲を除いては、彼女のオリジナルで、
ジャズというより、ちょっと環境音楽的な
面もあり、秋の夜長にはピッタリだ。

ジャケットで抱えているギターは、
Gibson 社の ES-339 。
335より小ぶりなセミアコ・ギターだ。
録音にもこのギターが使用されたかどうかまでは
分からないが、ネットで見つけた動画でも、
やはりサンバーストの ES-339 と思われるギターを
弾いていたので、これが彼女の
メインギターなのかもな。

女流ジャズ・ギタリストといえば、真っ先に
Emily Remler(エミリー・レムラー)を
思い出す。
Gibson ES-330 を弾く、アメリカのギタリスト。
私より5歳年上なのだけど、
1990年、32歳という若さで、亡くなった。
私がエミリーを知った時には、もうあの世の人だった。



サム・ウィルソンに話を戻そう。
彼女のデビュー作は、2017年録音の
"Into A Heart" という同じタイトルの 自主リリースに
よる5曲入り EP だったらしい。
この度、その5曲の再録に
4曲のオリジナルと3曲のカバーを加えてのリリース。

録音は、今年6月28日29日。
コロナの真っただ中に録音されたわけだ。
ちょうど3カ月前に録音されたばかり。
コロナのおかげで人の行き来が抑えられている。
特に外国からは、人が来にくくなっているのに、
カナダで録音された音楽が、CD になって、
今、自分の手元にあるのは、何とも不思議。

ライナーノーツの本人のメッセージ。(一部抜粋)

世界中に大きな変化と人々の孤立がもたされた今、
ここに収められた音楽が聴く人の心に
安らぎと落ち着きを届けることができればと願います。
私もこのアルバムを制作することで
穏やかな気持ちになることができました。



私は、いつも身近にギターと音楽があるおかげで、
助けられているのかも知れない。





2020.10.1

SADAO WATANABE QUARTET 2020
渡辺貞夫カルテット 2020



なんと御年87歳の渡辺貞夫さんの
ライヴに行ってきた。
コットンクラブで今日から3日間6公演。
その初日の 2nd show だ。
コットンクラブは、7ヵ月ぶり。
やはりコロナ対策のため、座席数を減らし、
メニューも減らしての営業だった。
予約開始受付すぐに申し込んだため、
ほぼ中央の最前列だった。

4月18日の東京文化会館小ホールの
Sadao with Friends 2020[渡辺貞夫 (as)、
ラッセル・フェランテ (p)、エドウイン・リヴィングストン (b)、
竹村一哲 (ds)]のチケットを取っていたけど、
キャンセルになり、6月11日〜14日にブルーノート東京で
予定されていた[渡辺貞夫 with リチャード・ボナ (b)、
マイク・スターン (gt)、イサム・マグレガー (key)、
ナサニエル・タウンスレー (ds)]も中止なった。
久しぶりのボナとの共演だし、ライヴでマイクと演るのを
観るのは初めてなので、2公演も予約していたのに。

そういうわけで、昨年8月のスティーブ・ガッドとのライヴ
以来の貞夫さんライヴ。
ほぼ定刻通りにメンバーが登場。
87歳とは思えないいでたち。
貞夫さん、今日は8ヶ月ぶりのステージだそうだ。

指を気にしたり、ステージ中にリードを2度も
交換したり、表情を見ていると、ご本人的には、
思い通りに演奏出来ていないような場面も
あるのだけど、関係ないね。
もう存在自体が素晴らしい。

息子のような歳の小野塚晃 (p)、
孫のような歳の粟谷巧 (b) と竹村一哲 (ds)。
竹村一哲のドラムは、初めてだと思うが好きなタイプ。
特に『MANHATTAN PAULISTA』の時が良かったな。
ハードなフュージョンとか叩くの観てみたい。
調べてみると、井上銘君とも演っている。

曲名が全部は分からないけど
『COME TODAY』、『EPISODE』、
阪神大震災の後に作ったという『I'M WITH YOU』など。
本編最後は、いつも通り『花は咲く』。
そして、アンコールを3曲も演ってくれたよ。
ラストは、ピアノとデュオで『CARINHOSO』。
全部で80分ほど、素晴らしかったです。

来週は、ブルーノートで「渡辺貞夫オーケストラ」
名義でビッグバンドのライヴがある。
どっちにしようかと迷って、今日のカルテットを
選んだけど、やっぱり来週も観たくなってしもた。
でも、4日間8公演もあるのに、ほとんど売り切れている。
1st show が少しあるようだけど、18時開演は
ちょっとせわしないな。
8日の 2ndshow はライヴ配信されるので、
それで我慢するか。
12月に Bunkamura オーチャードホール もあるので、
それに行こう!


[ MEMBERS ]
渡辺貞夫 (sax)
小野塚晃 (p)
粟谷巧 (b)
竹村一哲 (ds)

@ COTTON CLUB
2nd show





2020.10.7

エディ 逝く

昨日、エドワード・ヴァン・ヘイレンが
亡くなった。
闘病していたのは、知っていたけど
65歳は、ちょっと早いなぁ。

私が高校に進学する年(1978年)に
ロックバンド「ヴァン・ヘイレン」はデビューした。
デビュー・アルバム『(邦題)炎の導火線』は、
友人から借りて聴いた覚えがある。
『ユー・リアリー・ガット・ミー』は、キンクスの
カヴァーだと知らずに聴いたんじゃなかったかな。
『暗闇の爆撃(Eruption)』という短い
ほぼギターだけの曲で、初めてライトハンド奏法
なるものを聴いた。

当時のギター雑誌(たぶん『ヤングギター』)で
その奏法の解説を読み、少しだけ真似をしたものの
全く習得には至らなかったね。
この「ライトハンド奏法」というのは、今では
「タッピング」と呼ばれかなり一般的な
奏法になっている。
エディ以前にも演っていた人はいるようだが、
ギター界においてエディの出現は、革命的と言ってよい。
「ライトハンド奏法」という呼び方は、
日本独特で、当時から米国では「タッピング」と
呼ばれていたようだ。
そもそもエディの奏法は、右手だけでなく、
左手も交えて弾いているので「ライトハンド奏法」と
いう呼び方はちょっと変なんやけどな。

当時、何よりも新鮮で印象に残っているのは、
エディがギターを弾く姿だ。
リッチー・ブラックモアにしろ、エリック・クラプトンにしろ、
ジミー・ペイジにしろ、ロック・ギターは、しかめっ面で
弾くもんだと何の疑問もなく信じ込んでいた時に、
とっても明るく、楽しそうに、嬉しそうに、
ギターを弾くエディの姿は、
「え〜っ?そんなに楽しそうにギターを
弾いてもいいのぉ?」と声を出したくなるぐらいに
強烈だった。
もう既成概念をひっくり返されたもんね。
間違いなく、ロックギターの歴史を変えた一人だと思う。

そして、M.ジャクソンの『Beat It』(1983年)のギター・ソロ。
ブラコンにハードロック・ギター、という組合せも
当時の音楽ファンの度肝を抜いた演奏だった。
プロデューサーは、クインシー・ジョーンズ。

おそらくヴァン・ヘイレンの一番の有名曲は、
ヴォーカルがデイヴィッド・リー・ロス時代の
『Jump』(1984年)だと思う。
これまた、ギターではなくシンセサイザーを多用した
楽曲で、驚いたものだ。
確かにポップで、インパクトのある曲だったが、
私は、楽曲的にはサミー・ヘイガー時代の
『Why Can't This Be Love』(1986年)が好き。
聴くと力が湧いてくる曲だ。
あと『Can't Stop Lovin' You』(1995年)ね。

長髪で、ニコニコしてる印象のエディ。
いつ頃だったか忘れたけど、短髪に髭を生やした
写真を雑誌で見て、エディだと気づかなかった覚えがある。



写真は、私がファイルしている古い音楽雑誌のグラビア。
左がエディ、右はスティーヴ・ルカサー。
二人とも若いね。
まだ20代前半かな。

合掌。





2020.10.8

渡辺貞夫オーケストラ
ライヴ配信


先日、コットンクラブで渡辺貞夫カルテットのライヴを
観たばかりだが、今日はブルノートでの
ビッグバンドの公演をライヴ配信で観た。

ピアノ、ベース、ドラムスは、先日のカルテットと
同じメンバーで、そこに13人のホーンが
加わった編成だ。

貞夫さんがビッグバンドを始めて、25年ほど
経つらしいのだが、今日のバンドには、
25年前のメンバーが全員いるのだという。
全員といっても、ホーンの人たちのことで、
若いベースやドラムは含んでいないだろうけど、
昨日書いたヴァン・ヘイレンのことなんか思うと
奇跡のようなバンドです。

ブルーノートでビッグバンドの公演をやる時は、
20人近い人がけして広いとは言えないステージに
ギチギチに並ぶのだけど、コロナの影響で、
「密」を避けるためだろう、ステージ前の客席を
何席もつぶしてステージを広げていたよ。
ピアノ、ベース、ドラム、村田陽一さんと貞夫さんは、
ステージの前で演奏。
それでなくても、客席を減らして営業しているのに、
お店もホンマにしんどいやろなぁ。

10月1〜3日にコットンクラブで6公演やって、
5日から今日まで4日間8公演のラストショー。
87歳の貞夫さん、もう疲れているんじゃないかと
心配していたけど、疲れなんて感じさせない、
素晴らしい80分のショーだった。


[ SETLIST ]
1. Kitch
2. Cycling
3. Three in One
4. Tree Tops
5. I'm With You
6. Vitoria
7. Shimpatico
8. Airy
9. Not Quite A Samba
10. Seventh High
11. Home Meeting
12.  (?)
13. My Dear Life
14. 花は咲く

12曲目は、時々聴く曲だけどタイトル分からず。

[ MEMBERS ]
渡辺貞夫(アルトサックス)
西村浩二(トランペット)
奥村晶(トランペット)
佐久間勲(トランペット)
松島啓之(トランペット)
村田陽一(トロンボーン)
辻冬樹(トロンボーン)
奥村晃(トロンボーン)
山城純子(バストロンボーン)
吉田治(アルトサックス)
近藤和彦(アルトサックス)
小池修(テナーサックス)
竹野昌邦(テナーサックス)
山本拓夫(バリトンサックス)
小野塚晃(ピアノ)
粟谷巧(ベース)
竹村一哲(ドラムス)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show





2020.10.12

「職業作曲家」筒美京平

自分で曲を創るアーティストが増えて、
「職業作曲家」なんて言葉は死語になりつつ
あるのかも知れないが、昭和の職業作家が
また一人逝った。

作曲家、筒美京平(つつみきょうへい)。
漢字は違うが私と同じ苗字だ。
平尾昌晃、いずみたく、都倉俊一らと並んで
昭和の音楽を創った作曲家の一人だ。
なんと、歴代作曲家総売上ランキングの第1位だという。
総売上枚数、7,560万枚(ウィキペディアより)。

もう、昭和に活躍した人たちの誰が生きていいて、
誰が鬼籍に入ったのか、いちいち覚えていられなくなり、
失礼ながら、筒美京平さんについても、
昨日訊かれれば自信がなかった。

あらためてその仕事を見てみる。

『ブルー・ライト・ヨコハマ』(いしだあゆみ)
『雨がやんだら』(朝丘雪路)
『真夏の出来事』(平山三紀)
『17才』(南沙織)
『わたしの彼は左きき』『芽ばえ』(麻丘めぐみ)
『赤い風船』(浅田美代子)などなど・・・

そして、大ヒット曲、『魅せられて』(ジュディ・オング)。
意外なところでは、『Romanticが止まらない』(C-C-B)、
『飛んでイスタンブール』(庄野真代)、
『東京ららばい』(中原理恵)、
ニューミュージック系も書いてはったんやね。

そして、私的には、美メロという観点では何と言っても
『また逢う日まで』(尾崎紀世彦)、
『さらば恋人』(堺正章)だな。
王道 歌謡曲です。

享年80歳。
合掌。





2020.10.28

9歳の天才ベーシスト

YouTube で、たまたま見つけた動画。
9歳の少年のベースプレイ。

(9yrs) AronTheBassist plays GOSPEL MUSIC

素晴らしい。
演奏だけ聴いたら、絶対に9歳だと思えない!
テクニックも、グルーヴも!

スケールの短い子供用の楽器を使っているせいで
低音が鳴り切っていないのだけど、
この子があと何年か後にフルスケールのベースを
弾いたら、もう大人は完敗やな。

プレイも間違いなく素晴らしいけど、
何より演奏中の顔が、良い!
完全におっさんベーシストの表情や。

この顔は、音楽が分かっているおっさんの顔ですわ。

練習して身に着いたというより、
もう誰かの生まれ変わりでしょうな。
こういうのをギフトと呼ぶんやないか。

この歳にして、もうベースを「弾いていません」。
アメイジング。


8歳の時のリチャード・ボナとの共演は、
『The Chicken』!

2分54秒あたりで、飛び出す少年のフレーズに
ボナが一瞬、手を止めてしまう場面が最高。
ボナが終わろうとしても弾き続けるのも傑作。
そして、8歳の時より9歳のプレイの
進化もスゴイ。





2020.11.6

西村ケント まだ17歳!

浅田真央、藤井聡太が、中学生で
トップレベルの活躍をしていたたように
音楽の世界でも、一昔前には、
考えられなかったような子供たちが
どんどん出現している。
先日、ここで紹介した9歳の天才ベーシストも
凄かったけど、今日は日本人、西村ケントを紹介しよう。

先日、たまたま YouTube で見つけてぶっ飛んだ。
そして、アルバムを聴いて またまた ぶっ飛んだ。
なにしろ、彼が15歳の時のアルバムなのだ。

いやいや参った。
2003年3月生まれだから、現在17歳、高校3年生。
5歳の時から、ギターを弾き始め、
12歳でインディーズ・レーベルからデビュー。
14歳でフィンガースタイルギターコンクールで
全国大会史上最年少のグランドチャンピオン。
などということは、彼のウェブサイトを読んで
知ったことなのだが、彼のプロフィールには
こんなことが書かれていた。
(英文の自動翻訳なのでやや不自然。)

2017年8月、ケントは1回目と2回目のショーの間に
トミー・エマニュエルに会うよう招待されました。
ケントはトミーにトミーの楽屋でギターを弾くように頼み、
ケントはビートルズのアルバム「ラバーソウル」の
オリジナル曲「ドライブマイカー」を演奏しました。
トミーはケントの演奏を聞いた後、2回目のショーで
ケントに曲を再生するように要求しました。
トミーは2回目のショーの終わりに特別ゲストとして
ケントを紹介し、ケントはその夜、
定員の聴衆のために曲を演奏しました。


トミー・エマニュエルのライヴで「ドライブマイカー」・・・。
あれ?なんか記憶がうずく。

あっ!
2017年8月のコットンクラブのトミーのライヴで、
中学生らしき少年が、「ドライブマイカー」を
弾いたのを思い出した。

その日のエントリーにはこう書いている。

途中、ゲストがあるというので
誰だろうと思ったら、
ケンと呼ばれて客席からステージに
上がったのは、中学生だろうか
少年(日本人)だった。
そして、トミーのギターを借りると
ビートルズの "Drive My Car" を
「僕がアレンジした」と言って演奏しだした。
これが、トミーのあとに聴いても
全く遜色のない演奏で、びっくりした。
アレンジも素晴らしく、音だけ聴いたら、
とてもじゃないが少年の演奏とは
思えないクオリティ。
しかも、堂々としている。
そのへんの大人の方が、
ビビってしまうような状況なのに
舞台度胸も満点。
一体 何者なんでしょ。
末恐ろしい。


ひぇ〜、ナマで聴いたことがあったんや。
確かにあの時、何者か分からんかったけど、
えげつない(誉めてます)子供やと
思ったのを覚えてる。
まあ、15歳とは思えない演奏だった。
10歳のころには、大阪では有名だったらしい。
この人も、誰かの生まれ変わりでしょうな。

トミー・エマニュエルやアンディ・マッキーに
認められた日本人中学生ギタリストがいたとは!
また選曲がおっさん好み!

Michael Jackson - Cover by Kent Nishimura
Isn’t She Lovely - Arranged By Kent Nishimura
What a Wonderful World - Arranged by Kent Nishimura
Fly Me To The Moon - Arranged By Kent Nishimura

"Fly Me To The Moon" を観ると、
左手小指が恐ろしく長く、遠くまで伸びるのが分かる。
やはり、5歳から弾いていると身体が、
ギターに合わせて激しく変化したんだろうな。
おまけに色んなチューニングで弾いているという
恐ろしい事実です。





2020.11.8

Beautiful
The Carole King Musical




2017年8月に帝国劇場で鑑賞したミュージカル、
『ビューティフル キャロル・キング・ミュージカル』

初演キャストそのままに再演されている。

10日ほど前にその再演を知ったのだが、
今回はオーバー50チケット(50歳以上対象)で
なんと、半額でチケットを取ることが出来た。
一応S席とはなっていたけど、あまり期待せずに
行ったら、とても良い席でラッキーだった。

キャロル・キング役は、平原綾香・水樹奈々の
ダブルキャストなのだが、前回とても良かったので、
今回も平原綾香の公演をチョイス。

どんなに良い脚本でも演者がダメならダメだろうし、
ミュージカルの場合、楽曲が素晴らしくなければ
良い作品にはならないだろう。
本作は、ストーリーも演者も楽曲も演奏も歌も
全て素晴らしい。
今日もとても満足でした。

前回も印象に残ったのだけど、特に好きなのは、
キャロルが、ライバルであり友人でもある
バリーとシンシアに "You've Got a Friend" を
歌うシーン。
ああ、こうやってこの曲が生まれたんだな、
ということがとてもよく分かるシーンだ。
この曲に限らず、音楽は個人的な体験が
多くの人に共感を呼び、普遍的なスタンダードへと
変化していくのだな。

2017年と違ったのは、あの時は確かステージ前の
オケピットでバンドが演奏していたけど、
今日は、ステージの後ろで演奏していた。


[ CAST ]
キャロル・キング / 平原綾香
ジェリー・ゴフィン / 伊礼彼方
バリー・マン / 中川晃教
シンシア・ワイル / ソニン
ドニー・カーシュナー / 武田真治
ジニー・クライン / 剣 幸

@ 帝国劇場


Beautiful : The Carole King Musical





2020.11.12

ザ・バンド  かつて僕らは兄弟だった
ONCE WERE BROTHERS :
ROBBIE ROBERTSON AND THE BAND




ザ・バンドのドキュメンタリー映画
『ザ・バンド  かつて僕らは兄弟だった』を観てきた。

2016年にロビー・ロバートソンが出版した、
『ロビー・ロバートソン自伝 ザ・バンドの青春』を
元に映画化したもので、エリック・クラプトン、
ブルース・スプリングスティーン、ボブ・ディラン、
ヴァン・モリソン、ジョージ・ハリスン、
ピーター・ガブリエル、タジ・マハール、
ロニー・ホーキンス、マーティン・スコセッシらの
インタビューと当時の貴重な映像を交えた
興味深い内容だったが、これが期待以上に良かった。

独自の音楽を創り上げた男達の美しい物語。
こんな風にバンドを組めたら、どんなに素晴らしいだろう。
冗談か本気だったのか分からないけど、
(あまりバンドに恵まれなかった)エリック
(クラプトン)は、「リズムギターで良いから、
バンドに入れてくれ」と言って断られたそうな。
そんな話は、初めて聞いた。

ザ・バンドは、ロニー・ホーキンスのバックバンドとして
スタートし、ボブ・ディランのバックバンドを経て、
『Music From Big Pink』でデビューしたことは、
有名だけど、ロビーが16歳(15歳だったかも)の
時にロニーに曲を提供し、レコーディングされていたことや
ロニーに誘われ、アメリカに出たのも16歳だったとは
知らなかった。

ロビーってなぜか寡黙な印象だったけど、
あんな風に喋る人だったというのも新鮮に映った。
正面から撮影していて、そのカメラ目線が
途中ちょっとだけ可笑しかったけど。

ロビーの奥さんがまた美人。
ふたりともカナダ人なのにパリで出逢った
というのもロマンティック〜。

バンドが売れ、メンバーがアルコールやドラッグに
おぼれていく中、ロビー(とガース・ハドソン)は、
まともだったようだ。

一番印象に残ったのは、名曲 "The Weight" が
できた時の話。
ちょっと感動してしもた。
歌の冒頭「ナザレに着いた時
(I pulled into Nazareth)」って始まるんやけど、
それは マーティンのギターのサウンドホールの中を
覗いたら、「ペンシルバニア州ナザレ」って
書いてあったのが、歌詞になったんやと。

タイトルにあるように、兄弟同様だった
リヴォン・ヘルムとは、いい別れ方はしなかったのだけど、
ロビーが今もリヴォンを愛していることは、
この映画から痛いほど伝わって来た。
ラストはまるで、リヴォンに捧げる映画のようでもあったよ。

ザ・バンド、最後のコンサート、『ラスト・ワルツ』に
繋がるあたりは、ちょっと駆け足になった感じがして、
もっと詳しく知りたかったけど、
それは、ロビーの書籍を読むことにしよう。

監督は、まだ若い(製作時26歳)ダニエル・ロアーと
いう人だが、『ラスト・ワルツ』の監督でもある
マーティン・スコセッシ、『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS
A WEEK-The Touring Years
』の監督、
ロン・ハワードも製作総指揮として名を連ねている。

本作を観てから、『ラスト・ワルツ』を観ると
また違って観えると思う。


★★★★★


オフィシャルサイト





2020.11.16

音響ハウス Melody-Go-Round



先日の『ザ・バンド / かつて僕らは兄弟だった』に
続いて、またまた音楽ドキュメンタリー映画を観てきた。

銀座にある録音スタジオのドキュメンタリー、
『音響ハウス Melody-Go-Round』。
昨年、創立45周年を迎え、撮られた映画だ。

というと、かなりマニアックな印象を持たれるだろうが、
スタジオや録音に興味がなくても、
どんな風に音楽が生み出されていくのかは
音楽が好きならば、十分に楽しめる。

印象に残ったのは、忌野清志郎と坂本龍一の
コラボ『い・け・な・いルージュマジック』の誕生秘話。
これはスゴイなぁ。
そして、1981年(?)スタジオにいよいよデジタルが
導入された時の、松任谷正隆氏のショック。
この辺りは、その後どんな風にデジタルを受け入れて
行ったのか、もっと話が聞きたかったなぁ。

そして、スタジオのドキュメンタリーであるからには
音楽を創らねばならない。
ということで、この映画のために佐橋(佳幸)さんが
作曲し、大貫(妙子)さんが作詞した曲の
レコーディング風景がたっぷり観られる。
リズム・セクションの録音に始まり、
ヴァイオリンのオーバーダビング、
ホーン・セクションやコーラスのオーバーダビング、
そして、歌入れ。
半分は、佐橋さんとエンジニアの飯尾さんの
ドキュメンタリーのようでもあった。

インタビューに登場するのは、
高橋幸宏、井上艦、坂本龍一、矢野顕子、
佐野元春、綾戸智恵、松任谷由実、
葉加瀬太郎、村田陽一、本田雅人、
西村浩二、山本拓夫、大貫妙子、鈴木慶一、
笹路正徳ら。
名前はたびたび出てくるのに山下達郎さんが
登場しないのは、残念。

何人かが同じようなことを言っていたけど、
スタジオが新しければ良いわけじゃない。
機材が最新であれば良いわけじゃない。
そういうことではない、その「場」が、
音楽を創らせる。
奇跡を起こす。
その「場」としての意義と意味を改めて
認識したね。
DTMがどんなに進んでも、所詮、
自分の枠の中でしかない。
スタジオで音を出すということは、
自分ひとりではないということだ。
創り出す音楽が、自分の枠の外へ
飛び出すということだ。

さあ、スタジオへ行こう。

そんな映画でした。

最後にたぶん「良い音とは?」という
質問をしたのだろうと思われる、
各ミュージシャンの色んな答えを聞ける。
教授の答えは、もはや哲学でした。

それにしても、高橋幸宏さんって、
普段の録音の時でもあんなにオシャレしてくるのか。


★★★★★


オフィシャルサイト





2020.12.4

ルイズルイス加部

ずいぶん久しぶりの更新になってしまった。

今日まで知らなかったけど、
ルイズルイス加部さんが9月26日に
亡くなっていた。
71歳だった。

加部さんは、元ゴールデンカップスのベーシスト。
ギターを弾いていた時期もあるようだ。
私にとっては、ジョニー、ルイス&チャー
(後のピンククラウド)のベーシスト。
チャーとふたりでギターとベースのダブルネックを持ち
かわりばんこに弾いていたこともあった。
『からまわり』のギターとベースのユニゾン
バンドでコピーしたなぁ。

私は、ピンククラウド (1994年活動停止) のライヴを
1990年頃に2回しか観ていないけど、
2回とも、ほとんどMCなしのライヴだった。
チャーさんもマーちゃん(加部さん)も寡黙な印象だったな。
今のチャーさんは違うけどね。

ピンククラウドの解散時(1994年)のドキュメンタリーで
マーちゃんが解散に対して不服そうだったのが
印象に残っている。

ジョニー(吉長)が逝ったのが、
もう8年も前になってしまった。

ピンククラウドは、
ホンマにかっこええバンドやった。

合掌。


からまわり / PINK CLOUD





2020.12.9

テオドール・クルレンツィス

哲学者である 武田康弘 先生が、
妻の著書『サルトルの教え』のレビューを
アマゾンに書いてくださったご縁から、
武田先生の哲学の勉強会に参加してきた。

武田先生は、哲学者という(私の勝手な)
イメージから程遠い、明るく楽しい方で、
とにかく、もの凄い知識の量。
よくあんなに人の名前がスラスラと出てくるもんだ、と
変なところに感心してしまった。
私なんぞは、この頃は好きなミュージシャンの名前さえ、
すぐに出てこないことが多いのだが、
先生は私より10歳も年上なのに。

哲学の知識がない私には、全部が全部
理解できたわけではないけど、妻は大そう面白かったようで
来年始める予定の哲学塾のゲストに
来てください、と申し出ていたよ。

先生は、音楽(クラシック)にも明るく、
最近のお気に入りだという
テオドール・クルレンツィスという指揮者の『運命』
(ベートーヴェン)の CD を聴かせてくださった。
オーケストラは、ムジカエテルナという楽団。

これが、凄かった。
今更『運命』を聴いて感動するなどとは、
夢にも思わなかったが、その既成概念を
見事に粉砕してくれた。

聴いたのは、第1楽章だけだけど、
クルレンツィスは、伝統的なクラシックの解釈ではなく、
全く新しい解釈で『運命』を演奏した。
テンポが速く、そして力強く、聴く者に有無を言わせぬエネルギー。
内面を鷲掴みにされたような体験だった。
これは「21世紀の『運命』」だと思ったね。

CD は、録音は2018年だが、ベートーヴェン生誕
250年に当たる今年4月に発売されたもの。
CD でこんなに衝撃なのだから、
コンサートならもっとスゴイのだろう。

昨年初来日し、今年4月に2度目の来日が決定していた。
そのチケットは、ほんの数分で売り切れたのだという。
残念ながら、コロナの影響でキャンセルになったようだけど。

まさか、哲学の勉強に行って、
音楽でぶっ飛ぶとは思わなかった。
面白いもんだな。
早速 CD を 注文したよ。
次回の来日は、要チェックだ。
クラシックでこんなに興奮したのは、何年ぶりだろう。
でも、テオドール・クルレンツィスという名前、
明日になっても覚えている自信がない。





2020.12.10

P Y R A M I D



2ヶ月ぶりのライヴは、「PYRAMID」。
「PYRAMID」のライヴは、3年半ぶりの3回目。

演奏が始まったとたん、
「ああ、やっぱりナマの音楽はええなぁ」と思った。
なんか、身体の中を血が流れだすような感じ。
この数年は、週一ペースでライヴに行っていたのに
今年は、すっかりライヴに行く回数が
激減してしまったからなぁ。
でも、年内にあと6回も行くのだけどね。
(気が付いたら、そんなに予約していた。)

さて、PYRAMID。
鳥山雄司(G)、神保彰(Dr)、
和泉宏隆(Key)のベテラン3人のバンドだが、
ソロを弾きまくるというような演奏ではなく、
アンサンブルを聴かせるような上質フュージョン。
今日は、「アレンジしたカバーでなく『完コピ』を
演ります」と言って、アール・クルーの
『Dance With Me』を演奏。
この人たちは、1970年代後半から80年代
前半のフュージョンやAORが大好きなんだ。

鳥山さんには、ジェームス・タイラーのイメージが
強いのだけど、今日は、ギブソン2本
(バードランド、ゴールドトップのレスポール・デラックス)
と 335タイプのセミアコ(メーカー不詳)と
エレガット(メーカー不詳)を使用。

セミアコは、ヘッドのロゴの形を見ても
メーカーが分からなかった。
見たことあるようなロゴの形だったけど、
読み取れず。

バードランドは、ちょっとメローすぎる印象。
一番、いい音やなぁと思ったのは、
ミニハムのレスポール・デラックス。
鳥山さんのウェブサイトにあった個体だとすると、
1976年製だ。
きっと重いんだろうけど、ああいう音を聴くと
レスポールも欲しくなるなぁ。
ゴールドトップ、いいなぁ。
レスポールほど金色が似合うギターほかにない。(断言)

曲は、前述の『Dance With Me』のほか、
『Feel Like Makin' Love』、『Night Stream』、
『Tornado』、『Sun Goddess』など。

体型の変わらない、鳥山さん、神保さんに対し、
見るからに太った和泉さんは、コロナの自粛で
10キロ太り、ピアノの黒鍵の間に指が挟まって
変な音がすると、自虐ネタで笑いを取ってました。

2月には、ヴォーカルをゲストに入れての
ディスコ・チューンのライヴを演るらしい。
面白そうや。


[ MEMBERS ]
鳥山雄司(ギター)
神保彰(ドラムス)
和泉宏隆(ピアノ)
須長和広(ベース)
加藤裕一(マニピュレーター)

@ BLUE NOTE TOKYO
2nd Show





2020.12.13

渡辺貞夫 Bop Night
Christmas Concert 2020




まいったな。
楽しみにしていた、渡辺貞夫さんの
クリスマスコンサート。
この数日間の睡眠不足の上、
昨日今日と緊張感のある仕事だったため、
思った以上に疲れていたのか、
開演前に席についてすぐに睡魔に襲われ、落ちた。

開演後、時々目が覚めるのだが、
起きていられず、初めから終わりまで
起きて聴けた曲が1曲もなかった。
2回目のアンコールでやっと、
起きていられるようになった。
情けない。

途中20分ほどの休憩を挟んで、
2時間50分。
正味 150分ほど演ったわけだ。
87歳ですぜ、貞夫さん。


[ MEMBERS ]
渡辺貞夫 (sax)
小野塚晃 (p)
粟谷巧 (b)
竹村一哲 (ds)
村田陽一(tb, horn arr.)
西村浩二 (tp)
奥村晶 (tp)
小池修 (ts)

@ Bunkamura ORCHARD HALL





2020.12.19

paris match
winter special X’mas concert 2020




今年になって知った paris match という
ユニットのライブに行って来た。
今年でデビュー20年だというのに
今までどうして知らなかったんだろうと
考えたけど、その時その時によって
耳にしていても引っかかる音楽と
通り過ぎてしまう音楽があるのだろうと思う。
曲にもよるしね。

さて、このコロナ禍の中、ミュージシャンは
生きていくのが大変だろう。
ヴォーカルのミズノマリは、ライブが
開催出来たことに触れると何度も
泣きそうになっていた。
お客さんあってのライブだもんね。

paris match は、ひとことで言うと
上質なシティポップ。
いつまでも聴いていられるような
心地よいサウンドだ。
今日のバンドは、paris match の
2人も合わせると10人。
ホーンが3人いることでサウンドが
リッチになり、ナマな感じも増すね。
最近は、マニュピレーターとかいう人が、
事前に準備した音を流すライブも珍しくない。
それは、それで演者の理想の音に
近づくのかも知れないけど、
私はステージ上にいない楽器の音が
鳴るのは好まない。
今日のライブは、本当にナマ演奏だけで、
素晴らしいアンサンブルでした。
あえて苦言を言うなら、ヴォーカルの音が
小さくて聴きづらかったらこと。
まあ、これはシンガーやバンドの
責任ではないけど、そこだけは残念。

ライブは、配信もされていたようで、
時間通りに始まって、本編約100分に
アンコールが、2曲でプラス15分ぐらい。

そのあとピアノとデュオで
『Christmas Time Is Here』。
これが、グッと来た。
実は、このライヴは配信のため、
大人の事情(楽曲の権利関係でしょうな)
急遽演奏が出来なくなった曲があり、
セットリストを変更せざるを得なかったらしい。
『Christmas Time Is Here』は、
もともと演る予定だった曲のようで、
この時には、配信はされていない。
会場に来た人へのみの正に
クリスマスプレゼントだった。

メンバーは、paris match の
ミズノマリ(vo)、杉山洋介(gt,key)の
他に8人。
ギターの樋口直彦は、ゴールドトップの
レスポールでええ音出してました。


[ MEMBERS ]
ミズノマリ(paris match)(Vo)
杉山洋介(paris match) (G, Key)
樋口直彦 (G)
坂本竜太(B)
濱田尚哉 (Dr)
堀秀彰 (Key)
春名正治(Sax, Fl, Perc)
佐々木史郎 (Tp, F.Hr)
佐野聡 (Tb, Fl, Harm)
黒沢綾 (Cho)

@ 日本橋三井ホール





2020.12.21

上田正樹 R&B Band
“この熱い魂はあの頃のまま2020”




今日は、久しぶりにキー坊こと上田正樹の
ライヴに行ってきた。
いやぁ〜やっぱりええわぁ、キー坊。
めちゃくちゃ、カッコ良かった。
ファンキー、グルーヴィ、ソウルフル、ダンサブル、
パワフル、たまりません!

コロナのおかげで、目黒のブルースアレイ
ジャパンは、ガラガラですわ。
お客さん、30人もいなかったんちゃうかな。
でも、生配信もしてたみたいなので、
たくさんの人が、自宅で観ていたんだろう。
しかし、やはり音楽は、配信よりライヴだ。
もうこれだけは、どうしようもないくらいの
差がある。
配信でしか観られないのなら仕方がないし、
地方の人が、ライヴを観られるのは良いこと
だけど、ナマで聴けるのならそれに越したことない。
生でも配信でも変わらないでしょ、
などと思っている人は、本物のライヴを
体験したことがないに違いない。

それはさておき、ライヴ。
まさか『梅田からナンバまで』で泣くとは
思わんかったなぁ。
なんか、この人の歌、やっぱりスゴイわ。
毎回、書いているような気もするけど。
ほんで、今年71歳になっていたと知って、
またビックリ。
いやぁ、変わらんわぁ。

『悲しい色やね』もウルウルしてしもたなぁ。
かなりアレンジされてて、キー坊
「もう、原曲忘れた」って言うてたよ。

その『悲しい色やね』の途中で、ベースに
トラブル発生。
ベースアンプが逝ってしもたらしい。
ベースが復活するまでの間、
『買い物にでも行きまへんか』
『とったらあかん』が聴けたのはラッキー。

有山さんの『ウー・ラ・ラ』も良かったし、
コーラスの Yoshie.N も以前より良いし、
バンドも全員素晴らしい。
キー坊曰く「アジアの最高のバンド」というのも
なるほどという感じだった。

『500 Miles』では、故 妹尾隆一郎のハープを
イントロ、アウトロにつなげての演奏。
アンコールの『We Are The World』も
これまた素晴らくウルウル。


We need love, peace, happiness, and music!


[ MEMBERS ]
上田正樹 (Vo/G)
有山じゅんじ (G/Vo)
樋沢達彦 (B)
堺敦生 (Pf/Key/Cho) 
Kenny Mosley (Ds)
Yoshie.N (Vo/Cho)

[ SETLIST ]
1st show---
1.  ?
2. In The Midnight Hour
3. 悲しい色やね
4. 買い物にでも行きまへんか
5. とったらあかん
6. あこがれの北新地
7. 梅田からナンバまで
8. Nobody Knows You When You're Down and Out
9. 500 Miles(with 妹尾隆一郎)

2nd show---
1. Gimme Some Lovin'
2. Lean On Me
3. Soul To Soul
4. ウー・ラ・ラ
5. 地球が危ない
6. おまえを救けにゆく
7. Proud Mary - Rollin' On A River
8. We Shall Overcome
EC1. わがまま
EC2. We Are The World

@ Blues Alley Japan





2020.12.23

高中正義
TAKANAKA SUPER LIVE 2020
Rainbow Finger Dancin
'



2年ぶりの高中です。
会場は、LINE CUBE SHIBUYA。
昨年リニューアル・オープンした渋谷公会堂だ。
新しくなって行くのは初めて。
建替え前の渋谷公会堂で最後に観たのは、
奇しくも高中だった。
「渋谷公会堂 FINAL」というタイトルが
付いていたので、よく覚えていて、
ついこの前のことのように思っていたら、
2015年10月のこと。
5年も前のことだったよ。びっくり。
今日は2階席6列目だったけど、
まあまあ見やすかった。

さて、コンサート。
斉藤ノヴ(Perc)、岡沢章(B)、
宮崎まさひろ(Drs)はこの数年の
鉄板メンバーだが、キーボードは入替るんだな。
この数年のキーボードは、重実徹 、
河野啓三、小島良喜、青柳誠、
大島俊一、井上薫、宮崎裕介など。
今日のは井上薫と松本圭司。
松本はたぶん初めてだ。

1曲目、"Finger Dancin'"でスタート。
ここのところの平日の慢性的睡眠不足が
たたって、2曲目途中から意識朦朧。
先日の渡辺貞夫さんのコンサートでは、
寝てしまってほとんどまともに聴けなかった。
今日はそこまでひどくはなかったけど、
ちゃんと起きて聴けたの半分ぐらいでしょうか。
困ったもんです。

1階前方席も含め全体的に所々空席が
見えたのはコロナのせいでしょうな。
この状態なら、チケットを買っていても
自粛する人もいるでしょう。

高中は、MC で開口一番、
「タカナカです」と言うところを
「コロナカです」とボケていた。
コンサートが出来るのは、「奇跡」と言うてはりました。

ギターは、グリーンのシグネチャー・ストラト、
サンバーストのストラト、ヤマハのSG、
もう1本ストラトタイプの濃い紺色のギター
(vestax かな?)。

毎回のことだけど、"Blue Lagoon"、
"Ready To Fly" あたりは盛り上がるねえ。
アンコールのメドレーは、短めにどんどん曲が
変わっていって、楽しくて、いつまででも
聴いていられるような感じでした。

最後にメンバー全員が、ステージに並んで
お辞儀をするのは、色んなコンサートやライヴの
定番になっているけれど、今年は
並んでも手をつないだり、肩を組んだりしない。
そんなところにもコロナの影響があるんだ。

2年ぶりだったけど、高中のコンサートは、
1年に一度はナマで聴きたいね。
1953年生まれだから、達郎(山下)と同じ年。
67歳。


[ MEMBERS ]
高中正義(Gt)
斉藤ノヴ(Perc)
岡沢章(B)
宮崎まさひろ(Drs)
松本圭司(Key)
井上薫(Key)
AMAZONS 大滝裕子(Cho)
AMAZONS 吉川智子(Cho)
AMAZONS 斉藤久美(Cho)

@ LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)


2015年の渋谷公会堂

1964年開業。昭和ですな。

新しいLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

2019年OPEN。オシャレですな。





2020.12.25

山下達郎
Special Acoustic Live 展




池袋PARCOの7階で開催中の
山下達郎 Special Acoustic Live展に
行って来た。

小さな会場なので、展示物は多くないが、
達郎が実際にステージで着た衣装(シャツ)や、
ステージ、レコーディングに使用したギター、
歴代の『クリスマス・イブ』のレコード・CDの
ジャケットなどが展示されていた。
『クリスマス・イブ』は、オリコンチャートに今年で
35年連続でトップ100入りをしており、
これはギネス世界記録に認定されている。

トレードマークともいえる、Fender のテレキャスター
(通称「ブラウン」)を間近で見られるかなと
期待したが、展示されていたギターはアコギのみ。
そうか「Acoustic Live展」やもんな、と納得。

展示されていた3本のギターの1本、
Gibson の チェット・アスキンス・モデルの
サウンドホール付近の、ピッキングで激しく
えぐられた傷を見たら、なんだか泣けてきた。
ピックで、こんなに削れるもんなのか。
なんというか、その演奏の凄まじさと、
熱情と本物さに触れた気がした。
残念ながら、撮影禁止だったので写真はない。
あと2本のギターは、Martin D-28 と
GUILD D-50。

それから、ライヴ映像の上映。
2016年10月4日 新宿LOFT ライブより
『PAPER DOLL』、『RIDE ON TIME』。
2014年10月10日 名古屋BOTTOM LINE ライブより
『THE WAR SONG』。
3曲だけだけど貴重だ。

達郎は、映像作品がほとんどないのだけど、
こういう映像があるのなら、
ぜひ売り出してほしいもんだと思う。

明日12月26日の21時から、達郎のライヴ映像
(事前に無観客で収録されたもの)が
配信される予定なのだが、
私は、大きなミスを犯してしまった。

少し前にその配信のことは、キャッチしていた。
7月30日に初の配信ライヴが行われたのだが、
その日は、あいにく大事な会食が入っており、
観ることが出来なかったので、
今回は絶対に観ようと思っていた。
2、3日前にそろそろ申し込もうと思って、
チェックして、ビックリ!
なんと、12月20日18時で、
配信の申込受付が終わっていたのだ!
配信なので、売り切れることはないだろうし、
ギリギリまで売っているものと
決めてかかっていたのが災いした。
大失敗だ。

おまけにもともと12月26日は、
別のライヴ(山中千尋フィーメイル・トリオ)の
チケットを取っていたので、わざわざ、
それ(2nd show)をキャンセルして、
1st show に買い替えたのにだ。
二重にショック。
もう、日が近かったのでこちらはキャンセル料も
かかったのに、アホみたい。

ぜひ、もう一度、配信ライヴやって欲しいな。
っていうか、ほかの配信ライヴみたいに
しばらくの間、アーカイブで観られるように
してくれたらええと思うねんけど、
そういうのしないねんな〜、あの方は。

ところで最近、朝日新聞の達郎の記事を読んだ。
『クリスマス・イブ』は、もともと竹内まりやに
書いたけど、使われなかったとか、
その他もとても興味深い内容です。

山下達郎の「クリスマス・イブ」 本人が語る時代と思い





2020.12.28

"SAVE LIVE MUSIC RETURNS"
上原ひろみ 〜ピアノ・クインテット〜




今年最後のライヴ鑑賞。
今年は、コロナのおかげで例年よりグッと
ライヴを観に行った数が減ってしまった。
コロナが広がり始め、予約していたライヴは
ほとんどがキャンセルになり、
3月は1本、4〜7月は1本も観に行っていない。
夏あたりからは、コロナ禍でもなんとかライヴを
始めるお店も出てきた。

外国人アーティストの出演が多かった
ブルーノートは、今は日本人しか出演していない。
8月から9月にかけて
「SAVE LIVE MUSIC」と題して 16日間
32公演を行った上原ひろみが、
再びブルーノートのステージに立つ。
今回は、18日間に及ぶロングラン公演だ。

今日は、その初日(2nd show)に行ってきた。
「ピアノ・クインテット」だが、ベースやドラムのいる
クインテット(五重奏)ではない。
編成は、ピアノにヴァイオリン2人、
ヴィオラ、チェロという編成。
クラシックの弦楽四重奏+ピアノの5人で、
クラシックの世界では、珍しくない編成だ。

このクインテットでどんな曲を演るんだろう、
以前の曲をアレンジして演るのかなと
思っていたら、このライヴのための書き下ろしの曲。

コロナのおかげで作曲の時間は、たっぷりあったので
大作になってしまったという組曲など、
どれも聴きごたえ十分のハイパーな演奏。
どんな状況にあっても、音楽は希望を与えてくれる、
いや希望を失わない、という
力強いメッセージを受け取りました。

ジャズでもクラシックでもない、HIROMI という音楽。
人数が増え、アレンジが決まると、音楽の自由度が
奪われるような思い込みがあったけど、
そんなことは私のちっぽけな既成概念でした。

チケットは、売り切れているけど、
1月4日は、配信ライヴもあるので、
興味のある方はぜひ。

弦楽器の4人は、クラシックの世界で活躍している
一流の方々なのだが、このライヴは、クラシックの
プレイヤーとしてどんな体験なのかを
ぜひインタビューしてみたいな。


[ MEMBERS ]
上原ひろみ(ピアノ)
西江辰郎(ヴァイオリン)
ビルマン聡平(ヴァイオリン)
東条 慧(ヴィオラ)
向井 航(チェロ)

@ BLUE NOTE TOKYO
2nd show



 ひとりごと