2026年 MUSIC
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2026.1.13
LEE RITENOUR "Gentle Thoughts"
featuring PATRICE RUSHEN,
HARVEY MASON & MELVIN DAVIS
「ジェントル・ソウツ・リユニオン・ライヴ」と聞いて
楽しみにしていたライヴ。
『Gentle Thoughts』は、1977年に発売された
アルバムでレコーディング・メンバーは、
リー・リトナー (g)、アーニー・ワッツ (sax)、
デイヴ・グルーシン (key)、パトリース・ラッシェン (key)、
アンソニー・ジャクソン (b)、ハーヴィー・メイソン (dr)、
スティーヴ・フォアマン (per)。
2005年にもリユニオン・ライヴがあったのだけど
その時の来日メンバーは、リー・リトナー (g)、
パトリース・ラッシェン (key)、エイブ・ラボリエル (b)、
アレックス・アクーニャ (dr) 、アーニー・ワッツ (sax) だった。
今回はドラムがオリジナル・メンバーの
ハーヴィー・メイソン (dr) だというのは嬉しい。
ベースは、アンソニー・ジャクソンが
昨年10月に他界してしまったので、
もう共演は観られないんだなー。
今回のベースは、リトナーとは長い付き合いの
メルヴィン・デイヴィス。
さて、今年一発目のライヴ。
昨日、久しぶりに『Gentle Thoughts』を
2ヴァージョンとも聴いて臨んだよ。
でも結局、『Gentle Thoughts』からの曲は、
『Captain Caribe』とアンコールの
『Captain Fingers』だけだった。
サックスがいないので、『Captain Caribe』は
ちょいさびしかった。
『Captain Fingers』は、もうリーの指が
ついて行かず、本人も笑うしかないような
演奏だったけど、なんだか微笑ましかった。
もうおじいちゃんになってしもて、
若い頃みたいには、弾けないんだよな。
その他の曲は『The Village』、
『Stolen Moments』、『Etude』など。
全曲知っていたけど、曲名が言えない。
ハービー・メイスンのドラムは、良かったけど
途中キメが合わない場面もあった。
でも大きな事故にならないのはやっぱり一流。
アマチュアだと崩壊しているよ。
もう50年ぐらい一緒に演っている仲間だから
やっている方も安心なのだろうな。
なんだかそんな信頼関係も感じた。
リーのギターは、ここのところ数年のメインの
サドウスキーと後半はレスポール。
一昨年も感じたけど、リーの歩き方が、
歩幅が狭く、ちょっと身体が悪そうな感じ。
お腹も出ているし。
先日、74歳になったばかり。
健康には気を付けて欲しいです。
[ MEMBERS ]
Lee Ritenour (g)
Patrice Rushen (p,key)
Harvey Mason (dr)
Melvin Davis (b)
@ Blue Note Tokyo
* * * * * * *
レコード "Gentle Thoughts" について
ここで何度か触れて来たけれど、
リー・リトナーの『ジェントル・ソウツ』は、
高校時代の私にフュージョンのスリルと
気持ち良さを教えてくれた重要なアルバムだ。
このレコードは、ダイレクト・カッティングという
方法で録音された。
普通は、演奏をテープに録ってから
レコード盤にカッティングする。
そうすると、間違った部分だけやり直したり
できるわけだが、一回テープを通るために
ノイズが増えてしまう。
それで、演奏をテープに録らずに、そのまま
レコード盤にダイレクトにカッティングするという
方法が取られた。
つまり、A面1曲目が始まるとA面の終わりまで
約20分間 ノンストップで演奏をしなければならず、
当然ミスも許されない。
そんな風に録音されたのが、この『ジェントル・ソウツ』で、
1回の演奏で、カッティングできるレコードの数が
限られているので、「テイク2」もレコード化された。
私が高校生の時に買ったのは、この「テイク2」だった。
今では両方 CD 化されている。
[ 関連エントリー ]
2010.8.19 GENTLE THOUGHT
2011.11.2 GENTLE THOUGHT Take 2
(2026.2.7 追記)
1月13日のセットリスト(2nd show)
1. THE VILLAGE
2. STOLEN MOMENTS
3. IMPROVISATION
4. ETUDE
5. LIL BUMPIN’
6. WALTZ FOR CARMEN
7. STONE FLOWER
8. CAPTAIN CARIBE
EC. CAPTAIN FINGERS
Blue Note の LIVE REPORTS より
2026.1.15
Boone's Farm featuring
Steve Lukather, Michael Landau,
Keith Carlock, Jeff Babko, Tim Lefebvre
「Boone’s Farm」は、ルカサーとランドウによるプロジェクト。
彼ら二人は、12歳から友人だというが
まさかこのふたりのライヴが実現するとは!
3日間6公演(東京)のチケットは、
当然ソールド・アウトです。
その初日の 2nd ショーを観てきた。
9割がおっさんという観客。
この顔合わせを間近で観られるのは
人生で最初で最後かもしれない。
メンバーは、キーボードにスティーヴ・ガッド・バンドの
一員としても来日したことのある、ジェフ・バブコ。
ベースは、ティム・ルフェーヴル。
なんとこの人は、テデスキ・トラックス・バンドの
メンバーとしても来日している。
そして、ドラムのキース・カーロック。
マイク・スターンバンドや TOTO でも来日している。
サイモン・フィリップスやデイヴ・ウィックルに
比べるとなぜか幾分地味な印象。
ひたむきにドラムを叩いている感じ。
マイケル・ランドウは、昨年1月のスティーヴ・
ガッド・バンドの来日を、ロスの山火事の影響で
キャンセルしたが、元気そうでした。
今日はアディダスのジャージ姿に、2ハムの
サンバーストのストラトキャスター。
スティーヴ・ルカサーは、若い時はかわいらしい
顔をしていたのだけど、髪の毛は真っ白で、
ワイルドなオヤジです。
アニーボールのギターを3本使用。
たぶん、2ハム、SSH、3Sの3種類だったと思う。
曲は、スティーヴがヴォーカルを取ったロックナンバーや、
マイケルが唄ったブルースナンバーなど。
曲名が分からないのだけど、数曲イントロで
拍手が起こった曲があった。
それらは、おそらくマイケルの曲だろうと思う。
意外な選曲だったのは、マイルスの『TUTU』。
スティーヴが演ると完全にロックだ。
ラストは、スティーヴが「ジェフ・ベックと
ラリー・カールトンに捧げる」と言って、
『The Pump』(ジェフのカバー)。
約80分ぐらいかな。
アンコールは、なし。
このふたりが並んで楽しそうにギターを弾く絵は、
一見の価値があると思った。
ライヴだけで、CD や映像にはならないみたいだけど、
もたいないな。
[ MEMBERS ]
Steve Lukather(Gt,Vo)
Michael Landau(Gt)
Keith Carlock(Dr)
Jeff Babko(Key)
Tim Lefebvre(Ba)
@Billboard Live Tokyo
2026.1.16
THE RON CARTER QUARTET
今夜は、ジャズの重鎮、生きる伝説のひとり
ロン・カーターのカルテットを聴いてきた。
ロン・カーターは現在 88歳。
60年代にはマイルスのグループにいたのだから
まさに LIVING LEGEND。
ロン・カーターのライヴは数回観ているのだけど、
今日が今までで一番素晴らしかった。
上質で上品、礼儀正しくジェントル。
円熟というのは、こういうことを言うのだと思った。
1曲目から40分ほどノンストップでメドレーが続いた。
前の曲が完全に終わる前にロンが次の曲を弾き出す。
順番決まっているのか、その場その場で
思いついた曲を始めるのか分からないけど。
曲名が分かるのは、『Seven Steps to Heaven』と
『All Blues』ぐらいなのだが、
他にも聞き覚えのある曲もあった。
特に素晴らしかったのは、ピアノとのデュオによる
『My Funny Valentine』。
出だしはピアノだけで始まり、途中からロンのベースが
入って来るのだけど、まるで違う曲を弾いているような
感じなのにやがて一つになる。
そして、展開が美しい。
その次に演ったのが、ソロ・ベースによる
『You Are My Sunshine』。
これまた素晴らしかった。
途中で、バッハの『無伴奏チェロ組曲』も出てきた。
ラストは『You and the Night and the Music』。
アンコールは、なしで約90分。
演奏後の深いお辞儀にもなんだか感動。
今回のツアーは、ブルーノート2日4回公演に
加え、愛知、東京、群馬、山形を周る。
今年の5月で 89歳。
元気やなぁ。
背筋も伸びていて、ユーモアもあって、
健康そうに見えたけど、また来日してくれるかな。
[ MEMBERS ]
Ron Carter (b)
Jimmy Greene (ts)
Renee Rosnes (p)
Payton Crossley (ds)
@ すみだトリフォニーホール
2026.1.23
STEPHANE WREMBEL TRIO
A Celebration of the Birthday of Django Reinhardt
「ジプシー・スウィング」といえば、
ジャンゴ・ラインハルト。
(Django Reinhardt / 1910ー1953)
ジプシー・スウィングの創始者と言われる
ベルギーのギタリストだ。
ジャンゴは、1928年 火事で大やけどを負う。
左手の薬指と小指に障害が残り、
二度とギターは弾けないというほどの怪我だった。
しかし、残りの3本指で独自の弾き方を編み出したのだ。
今日1月23日は、そのジャンゴ・ラインハルトの誕生日。
その誕生日にジャンゴを敬愛する、
ステファン・レンベルのライヴを観てきた。
上海、北京を周って、東京で昨日と今日2日間4公演。
このあと韓国、インド。
そして2月はアメリカを周るようだ。
演奏は、ギターふたりとベースのトリオ。
もう一人のギター、Josh Kaye は
完全にリズムギターに徹していた。
ベースの Ari Folman-Cohen は
何かのライヴで見たことがあるような
気がしたけど、思い違いかもしれない。
まず、ステファンがソロ・ギターで
ジャンゴの曲を2曲。
それからトリオの演奏。
ジャンゴの曲はたくさん知らないし、
「ジプシー・スウィング」もそんなに聴いて
いないのだけど、やっぱり、ライヴで聴くと良いなぁ。
マカフェリ・ギターがが欲しくなったもん。(単純です)
ステファンのギター
「ジプシー・スウィング」って、
アメリカのジャズとは全く別もん。
とても哀愁に満ちている。
ジャンゴの曲『Dark Eyes』など以外には
(超有名曲『Minor Swing』は演らず)、
ステファンのオリジナルでウディ・アレンの映画
『ミッドナイト・イン・パリ』の挿入曲として
有名な『Bistro Fada』や、日本の東日本大震災を
題材にした『Tsunami』など。
『Tsunami』は、ジプシー・スウィングではなく、
なんというか哀しみと怒りを抱えた
鎮魂歌のように聞こえた。
この曲の前には「日本来るのが夢でした」というMC。
フランス人なので、割と聞きやすい英語だったけど、
それでも、半分も分かってないな。
昨年リリースされた最新アルバム
『Django New Orleans II:Hors Serie』
収録の『La Javanaise』では
「I’m not a singer」と言いながら、
ええ感じの唄(シャンソン)を聴かせてくれた。
フランス語なので、なおええ味でした。
[ MEMBERS ]
Stephane Wrembel (g)
Josh Kaye (g)
Ari Folman-Cohen (b)
@ Cotton Club
2nd show
[ 関連エントリー ]
2017.12.12 永遠のジャンゴ DJANG
2026.1.25
五十嵐紅トリオ シネマ 2026
このトリオを聴くのは初めて。
何かを見て今日の公演を知り、
興味が湧いてチケットを買ったのだけど、
数ヶ月前のことでなぜ聴きたいと思ったのかも
忘れてしまっていた。
今日になってチケットの「シネマ」という文字を見て、
映画音楽なので興味を持ったんだと思い出した。
それでもまだジャズのピアノトリオかと思っていたから、
私の記憶力はかなり衰えてしまった。
このトリオは、クラシックギター、ヴァイオリン、チェロ。
3人とも音大や芸大卒の演奏家で、
五十嵐紅さんはギタリストだ。
会場は横浜のみなとみらいホール(小ホール)。
初めてだったけど、こういう室内楽を演るのに
ちょうど良いサイズのホール。
驚いたのは、客層。
8割以上が女性だったと思う。
女性に人気のグループだったんだ。
楽曲はこのトリオのためにアレンジされており
今回のプログラムを演るのは、今日が初日とのこと。
技術的に難しいアレンジなのは、聴いていても
分かったけど、五十嵐さんは初めて楽譜を見た時
「絶望した」と言ってたよ。
気になったのは、ヴァイオリンやチェロに比べて
クラシックギターは音量的に弱いこと。
ギターは、弦を一回弾いたらあとは音が減衰していく
撥弦(はつげん)楽器なのに対し、ヴァイオリンや
チェロは弦を弓で擦って音を出す擦弦(さつげん)楽器。
擦弦は弓で擦っている間、音を発し続けるので
当然音量的に強いわけだ。
それに加えて、彼のギターが少し小ぶりなサイズで
あることも関係あるかも知れない。
だからといって、ピックアップを付けたり、
マイクで音を拾ったりすると、きっとコンセプトが
違ってしまうんだろうな。
聴く方も完全なアコースティックである方が
なんとなく贅沢に思ってしまうのは変か。
録音(CD)では、もちろんちゃんとバランスを取ってある。
興味のある方は、YouTubeで検索して欲しいが、
ギターのメロディの後ろで、ストリングスのハーモニーが
鳴っているのは、とても気持ち良い。
弦のふたりをギターで伴奏している演奏も
とてもリッチで重厚で良い。
私も演ってみたいが、なかなかそんなこと
叶わないわな。
本日のプログラムは次の通り。
1. ムーン・リバー(マンシーニ)
2. 組曲「サウンド・オブ・ミュージック」(ロジャース)
3. 戦場のメリークリスマス(坂本隆一)
4. タイタニック(ホーナー)
5. オブリビオン(ピアソラ)
6. リベルタンゴ(ピアソラ)
7. シンドラーのリズム(ウィリアムズ)
8. ハリーポッター(ウィリアムズ)
アンコールは、組曲「サウンド・オブ・ミュージック」から
『My Favorite Things』。
このときは撮影OK。
今日は、やたらと眠い日で、半分以上は
ウトウトしてしまい、勿体ないことをした。
[ MEMBERS ]
五十嵐紅 (Guitar)
倉冨亮太 (Violin)
広田勇樹 (Cello)
@ 横浜みなとみらいホール(小ホール)
2026.1.30
忌野清志郎
HAVE MERCY !
KIYOSHIRO IMAWANO
with BOOKER T. & THE MG'S
ずい分前に購入した清志郎のライヴDVDを
観直した。
1992年4月、BOOKER T. & THE MG'S と
MEMPHIS HORNS 合計7人のアメリカ人の
バンドと周ったツアーの日本武道館での演奏を
中心に、オフステージや武道館以外の会場の
映像も少し収められた作品だ。
何より、今となっては清志郎ご本人、
スティーヴ・クロッパー、 ドナルド・ダック・ダンが
鬼籍に入られ、本作が歴史的な記録だと
観ながらしみじみと思った。
当時、清志郎は 41歳。
クロッパー、ダック・ダンは 50歳で
今見るとまだまだ若い。
清志郎は、嬉しかっただろうなぁ。
このメンバーと同じステージに立てるなんて、
ソウル、R&B ファンなら夢のまた夢のような話しだ。
しかも自分のバックバンドだぜ。
このライヴの年、清志郎はテネシー州メンフィスの
名誉市民になっている。
そのことは、収録されたクロッパーとの共作
『MTN』(メンフィス・テネシーのこと)にも
歌われている。
圧巻は、『トランジスタラジオ』。
RCサクセションの演奏も良いが、強烈だ。
そして、『The Dock Of The Bay』。
この曲では清志郎とクロッパー、ブッカー・Tが
ヴォーカルを交互に取る。
また、ミュージシャンの奥さんたちやスタッフ、
清志郎のまだ小さい子供たち
(下の女の子は5カ月)もステージに登場する。
先日読んだ『忌野くんと仲井戸くん』が
94年から96年に書かれたもので、そこに
子どもたちの話がたくさん出て来ていたので、
なんだか初めて会った親戚の子供みたいに思えたよ。
クロッパーは、武道館では Peavey(?)の
テレキャスター・タイプだけど、違う会場では
Fender(?)のオール・ローズのような
テレキャスターを弾いている映像もあった。
『つ・き・あ・い・た・い』では、ダック・ダンの
演奏しながらのダンスも観られる。
メンバーも楽しそうだ。
DVD は 60分。
CDは 78分で、2023年に発売された
アナログ盤は清志郎の歌唱は全て収録し、
LP3枚組となっている。
できれば、映像でコンプリート版が
観てみたいなぁ。
[ 曲 目 ]
1 GREEN ONIONS
2 BOYS
3 カモナ・ベイビー
4 メドレー HOLD ON,I'M COMIN'~KNOCK ON WOOD~LAST NIGHT
5 石井さん
6 LIKE A DREAM
7 ぼくの目は猫の目
8 世間知らず
9 高齢化社会
10 つ・き・あ・い・た・い
11 トランジスタ・ラジオ
12 MTN
13 (SITTIN'ON) THE DOCK OF THE BAY
14 SHAKE
[ MEMBERS ]
忌野清志郎 (vo)
ブッカー・T・ジョーンズ (or)
スティーヴ・クロッパー (g)
ドナルド・ダック・ダン (b)
アントン・フィグ (dr)
ウェイン・ジャクソン (tp)
アンドリュー・ラヴ (t.sax)
ジム・ホーン (br.sax, s.sax)
BOOKER T. & THE MG'S の
60年代から70年代にかけての黄金期の
メンバーは、次の通り。
ブッカー・T・ジョーンズ、
スティーヴ・クロッパー、
ドナルド・ダック・ダン、
アル・ジャクソン
残念ながらドラムのアル・ジャクソンは、
1975年に殺人事件で殺されてしまった。
[ 関連エントリー ]
2009.5.4 ROCK の死
2012.5.13 STAX! featuring Steve Cropper,
Donald "Duck" Dunn & Eddie Floyd
2018.10.30 Memphis Meets Muscle Shoals
featuring Willie Hightower, Steve Cropper&Hi Rhythm
2025.12.3 忌野くんと仲井戸くん
2025.12.4 Steve Cropper スティーブ・クロッパー 逝く
2026.2.1
上原ひろみ
新日本フィルハーモニー交響楽団
第667回 定期演奏会
本日のコンサートは、新日本フィルハーモニー
交響楽団の定期演奏会。
客演ピアニストは上原ひろみ。
曲目は、ガーシュウィンのピアノ協奏曲ヘ調と
バルトークの管弦楽のための協奏曲。
開演前に指揮者の佐渡裕(さどゆたか)さんが
挨拶に登場し、少し話された。
このプログラムは今日で3日目
(一昨日は横浜のみなとみらいホール、
昨日はすみだトリフォニーホール、そして
本日のサントリーホール)ということだが、
佐渡さんはひろみとは初めての共演で、
そのあまりの凄さに「この人おかしいんじゃないか
と思うほど」と言っていたよ(最高の褒め言葉)。
確かに今日のひろみの演奏は、
まともじゃない演奏だった。
その上、オーケストラが後ろにいるから、
その非凡さが一層増したような気もする。
佐渡さんは、ひろみの話しと共に
バルトークの協奏曲も推しておられたが、
終わってみると完全にひろみのガーシュインの方が
オーディエンスの反応は良かったように思う。
私個人もひろみのガーシュインには感動した。
バルトークの方は、第5楽章はちょっと面白かった
けれど、もう一度聴きたいなと思う曲ではなかった。
バルトークもガーシュインも20世紀の作曲家で
所謂クラシックという感じではない。
現代音楽という意味では、バルトークは
映画のサウンドトラックのようだった。
場面によっては、ヒッチコックもイケるし
スターウォーズのような SF でもOK。
ガーシュインはジャズとクラシックの
橋渡しという感じだ。
まさかあの演奏の全てを、ガーシュインが作曲し、
全部楽譜になっているとは思えない。
どう聞いたって、ひろみのアドリブだろう。
通常は最後の曲(今日はバルトーク)が
終わってからアンコールがあるのだけど、
今日はガーシュインのあとにアンコール。
ひろみのオリジナル「The Trio Project」の『MOVE』。
オーケストラと演るとこんな風になるんだ。
これはこれで新しいジャンルではないのか。
ひろみのオーケストラ・ヴァージョン、もっと聴きたい。
そしてもう1曲アンコール。
ガーシュインの『I Got Rhythm』
途中でコンサートマスターの西江さん
(ヴァイオリン)が立ち上がり、ひろみとのデュオに。
西江さんは「上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット」の
メンバーなので、ひろみとの息はピッタリだ。
席は1階17列目の一番右端。
ひろみの顔が見える席で良かった。
[ 出 演 ]
指揮:佐渡裕
ピアノ:上原ひろみ
新日本フィルハーモニー交響楽団
[ プログラム ]
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ調
(アンコール)
MOVE(上原ひろみ)
I Got Rhythm(ガーシュイン)
--- 休憩 ---
バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz. 116, BB 123
@ サントリーホール
2026.2.4
辻井伸行 日本ツアー 2026
《抒情と熱情》
クラシックを聴くなら、東京オペラシティや
東京芸術劇場、すみだトリフォニーホール、
オーチャードホールなどより 断然サントリーホールが
お気に入りだ。
できれば今回もサントリーホールでと思ったのだが、
東京の公演は競争率型高く、取り損ねて
しまったので、大宮(埼玉)公演のチケットを取った。
大宮ソニックシティホールは、一昨年12月の
Hiromi's Sonicwonder 以来。
大宮なんて、電車で1時間ほどだから
思っているほど遠くはない。
さて、このツアーは1月9日から3月8日まで
2か月かけて全国16か所17公演を廻る。
おそらく全ての公演がソールドアウトだろう。
今日はその9公演目。
とにかく、凄まじい演奏だった。
特に、ベートーヴェンの『熱情』の第三楽章と
チャイコフスキー作曲、プレトニョフ編曲による
『くるみ割り人形 組曲』のラスト『アンダンテ・
マエストーソ』は、火傷するような熱いプレイで
自分が大金持ちだったら、この人が音楽に
専念できるようにパトロンになりたい、と思った。
こんな気持ちは初めてじゃないかと思う。
チャイコフスキーは、2、3箇所エンニオ・モリコーネ
みたいと思ったところがあったのだけど、それは逆で
影響を受けているとすれば当然モリコーネの方だわな。
ドイツのグラモフォンからもデビューした辻井は、
アンコール『アラベスク第一番』のあと、
しっかり CD の宣伝も怠らない。
最新版は今日の演目『くるみ割り人形』が
収録されているのだ。
続いてのアンコール(2曲目)は、
その CD にも収録されている『熊蜂の飛行』。
続いて自作曲、父親と散歩中に聞こえた
川のせせらぎを曲にしたという『川のせせらぎ』。
ああ、この人の心はなんて清らかなんだ、
という曲と演奏。
もうないだろうと思ったら4度目のアンコールは、
メインになってもおかしくないベートーヴェン。
『月光』の第三楽章。
これまた激しい。
鳴りやまぬ拍手についにピアノの蓋をしめました。
[ プログラム ]
モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K. 475
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 作品57《熱情》
グリーグ:抒情小曲集より
第1集 作品12より 第1曲 アリエッタ
第1集 作品12より 第2曲 ワルツ
第3集 作品43より 第5曲 愛の歌
第5集 作品54より 第3曲 小人の行進
第5集 作品54より 第4曲 夜想曲
第8集 作品65より 第6曲 トロルドハウゲンの婚礼の日
チャイコフスキー/プレトニョフ編曲:《くるみ割り人形》組曲
行進曲 / 金平糖の精の踊り / タランテラ / 間奏曲
トレパーク / 中国の踊り / アンダンテ・マエストーソ
アンコール
ドビュッシー:アラベスク第一番
リムスキー・コルサコフ/ラフマニノフ編曲:熊蜂の飛行
辻井伸行:川のささやき
ベートーヴェン:ピアノソナタ『月光』 第三楽章
@ 大宮ソニックシティ 大ホール
開演前
ピアノは、STEINWAY & SONS
2026.2.6
Avishai Cohen Residency
at Blue Note Tokyo
AVISHAI COHEN NEW TRIO
アヴィシャイ・コーエンが新しいトリオでやって来た。
23年24年のトリオ(ピアノ:ガイ・モスコビッチ、
ドラム:ロニ・カスピ)も良かったけれど、
今日のニュー・トリオも凄かった。
ピアノは、イタイ・シムホヴィッチに
ドラムは、エヴィアタール・スリヴニク。
ふたりともまだ若い。
(名前 覚えられそうにない。)
アヴィシャイは、多くのジャズ・ジャイアンツ同様、
新しい才能を世界に知らしめる。
イタイ・シムホヴィッチのピアノはメロディアス。
エヴィアタール・スリヴニクは変態(笑)。
何がどうなっているのか分からないまま、
3人は合っている。
新時代のジャズだ。
今日から5日間公演で、後半の3日間は
このトリオにサックスとトロンボーンが
加わったクインテットの公演がある。
もちろんそちらも観に行くよ。
[ MEMBERS ]
Avishai Cohen (b,vo)
Itay Simhovich (p)
Eviatar Slivnik (ds)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
ところでライヴのタイトルは
「Avishai Cohen Residency
at Blue Note Tokyo」となっており、
ブルーノートの特設サイトには、
「アヴィシャイ・コーエンの最新プロジェクトを
堪能する5日間のレジデンシー公演が実現」
とある。
この「Residency」は、住居、居住地、住所
というような意味だが「レジデンシー公演」とは
どういう意味だろうか。
新しいアルバムやプロジェクトの名称なら
分からないでもないけど、そういう記述は
見当たらない。
で、調べてみた。
Google のAI による概要。
↓
「レジデンシー公演(Residency Show/Concert)
とは、アーティストがツアーで各地を回る代わりに、
特定の都市・会場に数ケ月から数年間滞在し、
定期的にコンサートを行う滞在型公演形式。
ラスベガスのトップアーティストや、日本では
「籠城ライブ」とも称される連続公演が代表的。
数ケ月や数年の滞在ではないけれど、
2つのフォーマットで5日間にわたり、
ブルーノートに出演するので、
「レジデンシー公演」と呼んでいるということなのかな。
2026.2.10
Avishai Cohen Residency
at Blue Note Tokyo
AVISHAI COHEN QUINTET
来日の度に観るべきアーティスト、
アヴィシャイ・コーエン。
2019年に初めてライヴを観て以来、
パンデミックの3年間(20~22年)は、
来日が叶わず、昨年(25年)も来日していない。
それでもすでに今日で(4年で)9回目のライヴだから、
自分でもかなりの入れ込みようだと思う。
それぐらい素晴らしい演奏をいつも聴かせてくれる。
来日時に複数回、観に行くアーティストは
そんなに多くないのだけど、その一人。
さて、今夜はクインテット。
先週のトリオにサックスとトロンボーンが
加わった5人編成だ。
先週は、5日間公演の初日の2ndショーを
観たけれど、今日は公演最終日のラスト・ショー。
1曲目の後、アヴィシャイが
「ハッピーで悲しい」と言い出した。
以前にも書いたかもしれないが、
この人の英語は聞き取りやすい。
「今日がラスト・ショーだから。
でも、大体ラスト・ショーが一番良いんだ。
ブルーノート東京は世界で一番のクラブだ」
そして、メンバー紹介。
メンバーそれぞれに向けての言葉に
尊敬と愛が溢れている。
演奏は、カッコ良く、そして美しい。
おっさん5人の演奏がこんなにも美しいなんて。
そして、確かに先日より良いような気がした。
何曲目だったか、もの凄い演奏の後、
アヴィシャイが言った。
「I told you the last show is best one.」
ホーンのふたりも素晴らしかったけど、
やはり、ピアノのイタイ・シムホヴィッチ。
(メンバーの中で一番若い、と言っていた)
そして、ドラムのエヴィアタール・スリヴニク。
メンバー紹介のとき、アヴィシャイは
「ジャズで一番重要なのはドラムだ」と
言って、彼を紹介した。
エヴィアタールのドラミングに触発されて、
バンドがどんどん高次元に昇っていくように感じた。
アヴィシャイが、一番前に座る客に名前を聞いた。
「彼は全部のショーに来ていたよ」と紹介した。
その気持ちも分かる。
私も全部観たかったぐらい良かった。
カメラが入っていたので、もしかしたら
映像(DVD)が出るのかも知れない。
ぜひ出して欲しい。
[ MEMBERS ]
Avishai Cohen(b,vo)
Itay Simhovich(p)
Yuval Drabkin(sax)
Yonatan Voltzok(tb)
Eviatar Slivnik(ds)
@ Blue Note Tokyo
2nd Show
2026.2.24
BUTCHER BROWN
「BUTCHER BROWN(ブッチャー・ブラウン)」の
ライヴを観てきた。
めちゃくちゃ気持ちの良いグルーヴで
最初から最後まで身体の揺れが止まらなかった。
演奏は、切れ目なし。
曲が終わるや否や次の曲が始まる。
どうかすると、かぶって始まる。
それもグルーヴを途切れさせないアイディアなのかも。
BUTCHER BROWN は、米国のバンド。
「ジャズ、ヒップホップ、ファンク、ロック等
あらゆるジャンルをシームレスに融合させた
ハイブリッド・サウンド」という謳い文句。
このバンドのことは先日まで知らなかったのだけど、
ブルーノートの招待券を頂いたので、
何を観ようかと迷っていて、見つけたんだ。
選んで正解ね。
知っている曲は、『Dinorah Dinorah』
(Ivan Lins のカバー)1曲だけだったけど、
なんだか意外なカバーだと思いつつハマっている。
途中何曲か、リズムボックスを鳴らしながら
演奏したのだけど、全く自然。
以前は、私はそういうの好きじゃなかったんだけど、
全く違和感がなかったのは、私の聴き方の
問題だろうか、それとも演奏が完全に
リズムボックスと同化しているからだろうかね。
あるいは、時代かね。
ギターは、モーガン・バース。
使用ギターは、見たことないソリッド・タイプ。
ヘッドの形状は、ERNIE BALL MUSIC MAN の
ように見えたけど、未確認。
当初は、キーボードが DJハリソン という人の
予定だったが、ライヴが決まったあとで、
アーティスト都合で、サム・フライブッシュ に変更。
全員良かったけど、ドラムが特に良かったなぁ。
「待望の来日公演」とあったので、初来日かも。
[ MEMBERS ]
Tennishu (sax,tp)
Morgan Burrs (g)
Andy Randazzo (b)
Corey Fonville (ds)
Sam Fribush (key)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
[ 参考動画 ]
Butcher Brown: Select Cuts - “Dinorah Dinorah”
今日のメンバーの、ギター、キーボード、ドラムのトリオで
『Feel Like Makin' Love』を演っている動画を見つけた。
Corey Fonville & Sam Fribush & Morgan Burrs - Feel Like Makin' Love