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2026年 MUSIC

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2026.1.13

LEE RITENOUR "Gentle Thoughts"
featuring PATRICE RUSHEN,
HARVEY MASON & MELVIN DAVIS




「ジェントル・ソウツ・リユニオン・ライヴ」と聞いて
楽しみにしていたライヴ。
『Gentle Thoughts』は、1977年に発売された
アルバムでレコーディング・メンバーは、
リー・リトナー (g)、アーニー・ワッツ (sax)、
デイヴ・グルーシン (key)、パトリース・ラッシェン (key)、
アンソニー・ジャクソン (b)、ハーヴィー・メイソン (dr)、
スティーヴ・フォアマン (per)。

2005年にもリユニオン・ライヴがあったのだけど
その時の来日メンバーは、リー・リトナー (g)、
パトリース・ラッシェン (key)、エイブ・ラボリエル (b)、
アレックス・アクーニャ (dr) 、アーニー・ワッツ (sax) だった。
今回はドラムがオリジナル・メンバーの
ハーヴィー・メイソン (dr) だというのは嬉しい。
ベースは、アンソニー・ジャクソンが
昨年10月に他界してしまったので、
もう共演は観られないんだなー。
今回のベースは、リトナーとは長い付き合いの
メルヴィン・デイヴィス。

さて、今年一発目のライヴ。
昨日、久しぶりに『Gentle Thoughts』を
2ヴァージョンとも聴いて臨んだよ。
でも結局、『Gentle Thoughts』からの曲は、
『Captain Caribe』とアンコールの
『Captain Fingers』だけだった。

サックスがいないので、『Captain Caribe』は
ちょいさびしかった。
『Captain Fingers』は、もうリーの指が
ついて行かず、本人も笑うしかないような
演奏だったけど、なんだか微笑ましかった。
もうおじいちゃんになってしもて、
若い頃みたいには、弾けないんだよな。

その他の曲は『The Village』、
『Stolen Moments』、『Etude』など。
全曲知っていたけど、曲名が言えない。

ハービー・メイスンのドラムは、良かったけど
途中キメが合わない場面もあった。
でも大きな事故にならないのはやっぱり一流。
アマチュアだと崩壊しているよ。
もう50年ぐらい一緒に演っている仲間だから
やっている方も安心なのだろうな。
なんだかそんな信頼関係も感じた。

リーのギターは、ここのところ数年のメインの
サドウスキーと後半はレスポール。
一昨年も感じたけど、リーの歩き方が、
歩幅が狭く、ちょっと身体が悪そうな感じ。
お腹も出ているし。
先日、74歳になったばかり。
健康には気を付けて欲しいです。


[ MEMBERS ]
Lee Ritenour (g)
Patrice Rushen (p,key)
Harvey Mason (dr)
Melvin Davis (b)

@ Blue Note Tokyo


* * * * * * *

レコード "Gentle Thoughts" について

ここで何度か触れて来たけれど、
リー・リトナーの『ジェントル・ソウツ』は、
高校時代の私にフュージョンのスリルと
気持ち良さを教えてくれた重要なアルバムだ。
このレコードは、ダイレクト・カッティングという
方法で録音された。
普通は、演奏をテープに録ってから
レコード盤にカッティングする。
そうすると、間違った部分だけやり直したり
できるわけだが、一回テープを通るために
ノイズが増えてしまう。
それで、演奏をテープに録らずに、そのまま
レコード盤にダイレクトにカッティングするという
方法が取られた。
つまり、A面1曲目が始まるとA面の終わりまで
約20分間 ノンストップで演奏をしなければならず、
当然ミスも許されない。
そんな風に録音されたのが、この『ジェントル・ソウツ』で、
1回の演奏で、カッティングできるレコードの数が
限られているので、「テイク2」もレコード化された。
私が高校生の時に買ったのは、この「テイク2」だった。
今では両方 CD 化されている。


[ 関連エントリー ]
2010.8.19 GENTLE THOUGHT
2011.11.2 GENTLE THOUGHT Take 2


(2026.2.7 追記)
1月13日のセットリスト(2nd show)
1. THE VILLAGE
2. STOLEN MOMENTS
3. IMPROVISATION
4. ETUDE
5. LIL BUMPIN’
6. WALTZ FOR CARMEN
7. STONE FLOWER
8. CAPTAIN CARIBE
EC. CAPTAIN FINGERS

Blue Note の LIVE REPORTS より





2026.1.15

Boone's Farm featuring
Steve Lukather, Michael Landau,

Keith Carlock, Jeff Babko, Tim Lefebvre




「Boone’s Farm」は、ルカサーとランドウによるプロジェクト。
彼ら二人は、12歳から友人だというが
まさかこのふたりのライヴが実現するとは!
3日間6公演(東京)のチケットは、
当然ソールド・アウトです。
その初日の 2nd ショーを観てきた。
9割がおっさんという観客。
この顔合わせを間近で観られるのは
人生で最初で最後かもしれない。

メンバーは、キーボードにスティーヴ・ガッド・バンドの
一員としても来日したことのある、ジェフ・バブコ。
ベースは、ティム・ルフェーヴル。
なんとこの人は、テデスキ・トラックス・バンドの
メンバーとしても来日している。
そして、ドラムのキース・カーロック。
マイク・スターンバンドや TOTO でも来日している。
サイモン・フィリップスやデイヴ・ウィックルに
比べるとなぜか幾分地味な印象。
ひたむきにドラムを叩いている感じ。

マイケル・ランドウは、昨年1月のスティーヴ・
ガッド・バンドの来日を、ロスの山火事の影響で
キャンセルしたが、元気そうでした。
今日はアディダスのジャージ姿に、2ハムの
サンバーストのストラトキャスター。

スティーヴ・ルカサーは、若い時はかわいらしい
顔をしていたのだけど、髪の毛は真っ白で、
ワイルドなオヤジです。
アニーボールのギターを3本使用。
たぶん、2ハム、SSH、3Sの3種類だったと思う。

曲は、スティーヴがヴォーカルを取ったロックナンバーや、
マイケルが唄ったブルースナンバーなど。
曲名が分からないのだけど、数曲イントロで
拍手が起こった曲があった。
それらは、おそらくマイケルの曲だろうと思う。
意外な選曲だったのは、マイルスの『TUTU』。
スティーヴが演ると完全にロックだ。
ラストは、スティーヴが「ジェフ・ベックと
ラリー・カールトンに捧げる」と言って、
『The Pump』(ジェフのカバー)。
約80分ぐらいかな。
アンコールは、なし。

このふたりが並んで楽しそうにギターを弾く絵は、
一見の価値があると思った。
ライヴだけで、CD や映像にはならないみたいだけど、
もたいないな。



[ MEMBERS ]
Steve Lukather(Gt,Vo)
Michael Landau(Gt)
Keith Carlock(Dr)
Jeff Babko(Key)
Tim Lefebvre(Ba)

@Billboard Live Tokyo





2026.1.16

THE RON CARTER QUARTET



今夜は、ジャズの重鎮、生きる伝説のひとり
ロン・カーターのカルテットを聴いてきた。
ロン・カーターは現在 88歳。
60年代にはマイルスのグループにいたのだから
まさに LIVING LEGEND。

ロン・カーターのライヴは数回観ているのだけど、
今日が今までで一番素晴らしかった。
上質で上品、礼儀正しくジェントル。
円熟というのは、こういうことを言うのだと思った。

1曲目から40分ほどノンストップでメドレーが続いた。
前の曲が完全に終わる前にロンが次の曲を弾き出す。
順番決まっているのか、その場その場で
思いついた曲を始めるのか分からないけど。
曲名が分かるのは、『Seven Steps to Heaven』と
『All Blues』ぐらいなのだが、
他にも聞き覚えのある曲もあった。

特に素晴らしかったのは、ピアノとのデュオによる
『My Funny Valentine』。
出だしはピアノだけで始まり、途中からロンのベースが
入って来るのだけど、まるで違う曲を弾いているような
感じなのにやがて一つになる。
そして、展開が美しい。
その次に演ったのが、ソロ・ベースによる
『You Are My Sunshine』。
これまた素晴らしかった。
途中で、バッハの『無伴奏チェロ組曲』も出てきた。

ラストは『You and the Night and the Music』。
アンコールは、なしで約90分。
演奏後の深いお辞儀にもなんだか感動。

今回のツアーは、ブルーノート2日4回公演に
加え、愛知、東京、群馬、山形を周る。
今年の5月で 89歳。
元気やなぁ。
背筋も伸びていて、ユーモアもあって、
健康そうに見えたけど、また来日してくれるかな。


[ MEMBERS ]
Ron Carter (b)
Jimmy Greene (ts)
Renee Rosnes (p)
Payton Crossley (ds)

@ すみだトリフォニーホール





2026.1.23

STEPHANE WREMBEL TRIO
A Celebration of the Birthday of Django Reinhardt




「ジプシー・スウィング」といえば、
ジャンゴ・ラインハルト。
(Django Reinhardt / 1910ー1953)
ジプシー・スウィングの創始者と言われる
ベルギーのギタリストだ。
ジャンゴは、1928年 火事で大やけどを負う。
左手の薬指と小指に障害が残り、
二度とギターは弾けないというほどの怪我だった。
しかし、残りの3本指で独自の弾き方を編み出したのだ。
今日1月23日は、そのジャンゴ・ラインハルトの誕生日。

その誕生日にジャンゴを敬愛する、
ステファン・レンベルのライヴを観てきた。
上海、北京を周って、東京で昨日と今日2日間4公演。
このあと韓国、インド。
そして2月はアメリカを周るようだ。

演奏は、ギターふたりとベースのトリオ。
もう一人のギター、Josh Kaye は
完全にリズムギターに徹していた。
ベースの Ari Folman-Cohen は
何かのライヴで見たことがあるような
気がしたけど、思い違いかもしれない。

まず、ステファンがソロ・ギターで
ジャンゴの曲を2曲。
それからトリオの演奏。

ジャンゴの曲はたくさん知らないし、
「ジプシー・スウィング」もそんなに聴いて
いないのだけど、やっぱり、ライヴで聴くと良いなぁ。
マカフェリ・ギターがが欲しくなったもん。(単純です)


ステファンのギター

「ジプシー・スウィング」って、
アメリカのジャズとは全く別もん。
とても哀愁に満ちている。

ジャンゴの曲『Dark Eyes』など以外には
(超有名曲『Minor Swing』は演らず)、
ステファンのオリジナルでウディ・アレンの映画
『ミッドナイト・イン・パリ』の挿入曲として
有名な『Bistro Fada』や、日本の東日本大震災を
題材にした『Tsunami』など。
『Tsunami』は、ジプシー・スウィングではなく、
なんというか哀しみと怒りを抱えた
鎮魂歌のように聞こえた。
この曲の前には「日本来るのが夢でした」というMC。
フランス人なので、割と聞きやすい英語だったけど、
それでも、半分も分かってないな。

昨年リリースされた最新アルバム
『Django New Orleans II:Hors Serie』
収録の『La Javanaise』では
「I’m not a singer」と言いながら、
ええ感じの唄(シャンソン)を聴かせてくれた。
フランス語なので、なおええ味でした。


[ MEMBERS ]
Stephane Wrembel (g)
Josh Kaye (g)
Ari Folman-Cohen (b)

@ Cotton Club
2nd show


[ 関連エントリー ]
2017.12.12 永遠のジャンゴ DJANG






2026.1.25

五十嵐紅トリオ シネマ 2026



このトリオを聴くのは初めて。
何かを見て今日の公演を知り、
興味が湧いてチケットを買ったのだけど、
数ヶ月前のことでなぜ聴きたいと思ったのかも
忘れてしまっていた。
今日になってチケットの「シネマ」という文字を見て、
映画音楽なので興味を持ったんだと思い出した。
それでもまだジャズのピアノトリオかと思っていたから、
私の記憶力はかなり衰えてしまった。
このトリオは、クラシックギター、ヴァイオリン、チェロ。
3人とも音大や芸大卒の演奏家で、
五十嵐紅さんはギタリストだ。

会場は横浜のみなとみらいホール(小ホール)。
初めてだったけど、こういう室内楽を演るのに
ちょうど良いサイズのホール。
驚いたのは、客層。
8割以上が女性だったと思う。
女性に人気のグループだったんだ。

楽曲はこのトリオのためにアレンジされており
今回のプログラムを演るのは、今日が初日とのこと。
技術的に難しいアレンジなのは、聴いていても
分かったけど、五十嵐さんは初めて楽譜を見た時
「絶望した」と言ってたよ。

気になったのは、ヴァイオリンやチェロに比べて
クラシックギターは音量的に弱いこと。
ギターは、弦を一回弾いたらあとは音が減衰していく
撥弦(はつげん)楽器なのに対し、ヴァイオリンや
チェロは弦を弓で擦って音を出す擦弦(さつげん)楽器。
擦弦は弓で擦っている間、音を発し続けるので
当然音量的に強いわけだ。
それに加えて、彼のギターが少し小ぶりなサイズで
あることも関係あるかも知れない。
だからといって、ピックアップを付けたり、
マイクで音を拾ったりすると、きっとコンセプトが
違ってしまうんだろうな。
聴く方も完全なアコースティックである方が
なんとなく贅沢に思ってしまうのは変か。
録音(CD)では、もちろんちゃんとバランスを取ってある。
興味のある方は、YouTubeで検索して欲しいが、
ギターのメロディの後ろで、ストリングスのハーモニーが
鳴っているのは、とても気持ち良い。
弦のふたりをギターで伴奏している演奏も
とてもリッチで重厚で良い。
私も演ってみたいが、なかなかそんなこと
叶わないわな。

本日のプログラムは次の通り。

1. ムーン・リバー(マンシーニ)
2. 組曲「サウンド・オブ・ミュージック」(ロジャース)
3. 戦場のメリークリスマス(坂本隆一)
4. タイタニック(ホーナー)
5. オブリビオン(ピアソラ)
6. リベルタンゴ(ピアソラ)
7. シンドラーのリズム(ウィリアムズ)
8. ハリーポッター(ウィリアムズ)

アンコールは、組曲「サウンド・オブ・ミュージック」から
『My Favorite Things』。
このときは撮影OK。



今日は、やたらと眠い日で、半分以上は
ウトウトしてしまい、勿体ないことをした。


[ MEMBERS ]
五十嵐紅 (Guitar)
倉冨亮太 (Violin)
広田勇樹 (Cello)

@ 横浜みなとみらいホール(小ホール)





2026.1.30

忌野清志郎
HAVE MERCY !

KIYOSHIRO IMAWANO
with BOOKER T. & THE MG'S




ずい分前に購入した清志郎のライヴDVDを
観直した。
1992年4月、BOOKER T. & THE MG'S と
MEMPHIS HORNS 合計7人のアメリカ人の
バンドと周ったツアーの日本武道館での演奏を
中心に、オフステージや武道館以外の会場の
映像も少し収められた作品だ。

何より、今となっては清志郎ご本人、
スティーヴ・クロッパー、 ドナルド・ダック・ダンが
鬼籍に入られ、本作が歴史的な記録だと
観ながらしみじみと思った。

当時、清志郎は 41歳。
クロッパー、ダック・ダンは 50歳で
今見るとまだまだ若い。

清志郎は、嬉しかっただろうなぁ。
このメンバーと同じステージに立てるなんて、
ソウル、R&B ファンなら夢のまた夢のような話しだ。
しかも自分のバックバンドだぜ。
このライヴの年、清志郎はテネシー州メンフィスの
名誉市民になっている。
そのことは、収録されたクロッパーとの共作
『MTN』(メンフィス・テネシーのこと)にも
歌われている。

圧巻は、『トランジスタラジオ』。
RCサクセションの演奏も良いが、強烈だ。
そして、『The Dock Of The Bay』。
この曲では清志郎とクロッパー、ブッカー・Tが
ヴォーカルを交互に取る。

また、ミュージシャンの奥さんたちやスタッフ、
清志郎のまだ小さい子供たち
(下の女の子は5カ月)もステージに登場する。
先日読んだ『忌野くんと仲井戸くん』が
94年から96年に書かれたもので、そこに
子どもたちの話がたくさん出て来ていたので、
なんだか初めて会った親戚の子供みたいに思えたよ。

クロッパーは、武道館では Peavey(?)の
テレキャスター・タイプだけど、違う会場では
Fender(?)のオール・ローズのような
テレキャスターを弾いている映像もあった。
『つ・き・あ・い・た・い』では、ダック・ダンの
演奏しながらのダンスも観られる。
メンバーも楽しそうだ。

DVD は 60分。
CDは 78分で、2023年に発売された
アナログ盤は清志郎の歌唱は全て収録し、
LP3枚組となっている。
できれば、映像でコンプリート版が
観てみたいなぁ。


[ 曲 目 ]
1 GREEN ONIONS
2 BOYS
3 カモナ・ベイビー
4 メドレー HOLD ON,I'M COMIN'~KNOCK ON WOOD~LAST NIGHT
5 石井さん
6 LIKE A DREAM
7 ぼくの目は猫の目
8 世間知らず
9 高齢化社会
10 つ・き・あ・い・た・い
11 トランジスタ・ラジオ
12 MTN
13 (SITTIN'ON) THE DOCK OF THE BAY
14 SHAKE

[ MEMBERS ]
忌野清志郎 (vo)
ブッカー・T・ジョーンズ (or)
スティーヴ・クロッパー (g)
ドナルド・ダック・ダン (b)
アントン・フィグ (dr)
ウェイン・ジャクソン (tp)
アンドリュー・ラヴ (t.sax)
ジム・ホーン (br.sax, s.sax)


BOOKER T. & THE MG'S の
60年代から70年代にかけての黄金期の
メンバーは、次の通り。
ブッカー・T・ジョーンズ、
スティーヴ・クロッパー、
ドナルド・ダック・ダン、
アル・ジャクソン

残念ながらドラムのアル・ジャクソンは、
1975年に殺人事件で殺されてしまった。


[ 関連エントリー ]
2009.5.4 ROCK の死

2012.5.13 STAX! featuring Steve Cropper,
Donald "Duck" Dunn & Eddie Floyd


2018.10.30 Memphis Meets Muscle Shoals
featuring Willie Hightower, Steve Cropper&Hi Rhythm


2025.12.3 忌野くんと仲井戸くん

2025.12.4 Steve Cropper スティーブ・クロッパー 逝く





2026.2.1

上原ひろみ
新日本フィルハーモニー交響楽団
第667回 定期演奏会




本日のコンサートは、新日本フィルハーモニー
交響楽団の定期演奏会。
客演ピアニストは上原ひろみ。
曲目は、ガーシュウィンのピアノ協奏曲ヘ調と
バルトークの管弦楽のための協奏曲。

開演前に指揮者の佐渡裕(さどゆたか)さんが
挨拶に登場し、少し話された。
このプログラムは今日で3日目
(一昨日は横浜のみなとみらいホール、
昨日はすみだトリフォニーホール、そして
本日のサントリーホール)ということだが、
佐渡さんはひろみとは初めての共演で、
そのあまりの凄さに「この人おかしいんじゃないか
と思うほど」と言っていたよ(最高の褒め言葉)。
確かに今日のひろみの演奏は、
まともじゃない演奏だった。
その上、オーケストラが後ろにいるから、
その非凡さが一層増したような気もする。

佐渡さんは、ひろみの話しと共に
バルトークの協奏曲も推しておられたが、
終わってみると完全にひろみのガーシュインの方が
オーディエンスの反応は良かったように思う。
私個人もひろみのガーシュインには感動した。
バルトークの方は、第5楽章はちょっと面白かった
けれど、もう一度聴きたいなと思う曲ではなかった。

バルトークもガーシュインも20世紀の作曲家で
所謂クラシックという感じではない。
現代音楽という意味では、バルトークは
映画のサウンドトラックのようだった。
場面によっては、ヒッチコックもイケるし
スターウォーズのような SF でもOK。
ガーシュインはジャズとクラシックの
橋渡しという感じだ。
まさかあの演奏の全てを、ガーシュインが作曲し、
全部楽譜になっているとは思えない。
どう聞いたって、ひろみのアドリブだろう。

通常は最後の曲(今日はバルトーク)が
終わってからアンコールがあるのだけど、
今日はガーシュインのあとにアンコール。
ひろみのオリジナル「The Trio Project」の『MOVE』。
オーケストラと演るとこんな風になるんだ。
これはこれで新しいジャンルではないのか。
ひろみのオーケストラ・ヴァージョン、もっと聴きたい。
そしてもう1曲アンコール。
ガーシュインの『I Got Rhythm』
途中でコンサートマスターの西江さん
(ヴァイオリン)が立ち上がり、ひろみとのデュオに。
西江さんは「上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット」の
メンバーなので、ひろみとの息はピッタリだ。

席は1階17列目の一番右端。
ひろみの顔が見える席で良かった。




[ 出 演 ]
指揮:佐渡裕
ピアノ:上原ひろみ
新日本フィルハーモニー交響楽団

[ プログラム ]
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ調
(アンコール)
MOVE(上原ひろみ)
I Got Rhythm(ガーシュイン)
--- 休憩 ---
バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz. 116, BB 123

@ サントリーホール





2026.2.4

辻井伸行 日本ツアー 2026
《抒情と熱情》




クラシックを聴くなら、東京オペラシティや
東京芸術劇場、すみだトリフォニーホール、
オーチャードホールなどより 断然サントリーホールが
お気に入りだ。
できれば今回もサントリーホールでと思ったのだが、
東京の公演は競争率型高く、取り損ねて
しまったので、大宮(埼玉)公演のチケットを取った。
大宮ソニックシティホールは、一昨年12月の
Hiromi's Sonicwonder 以来。
大宮なんて、電車で1時間ほどだから
思っているほど遠くはない。

さて、このツアーは1月9日から3月8日まで
2か月かけて全国16か所17公演を廻る。
おそらく全ての公演がソールドアウトだろう。
今日はその9公演目。

とにかく、凄まじい演奏だった。
特に、ベートーヴェンの『熱情』の第三楽章と
チャイコフスキー作曲、プレトニョフ編曲による
『くるみ割り人形 組曲』のラスト『アンダンテ・
マエストーソ』は、火傷するような熱いプレイで
自分が大金持ちだったら、この人が音楽に
専念できるようにパトロンになりたい、と思った。
こんな気持ちは初めてじゃないかと思う。

チャイコフスキーは、2、3箇所エンニオ・モリコーネ
みたいと思ったところがあったのだけど、それは逆で
影響を受けているとすれば当然モリコーネの方だわな。

ドイツのグラモフォンからもデビューした辻井は、
アンコール『アラベスク第一番』のあと、
しっかり CD の宣伝も怠らない。
最新版は今日の演目『くるみ割り人形』が
収録されているのだ。
続いてのアンコール(2曲目)は、
その CD にも収録されている『熊蜂の飛行』。
続いて自作曲、父親と散歩中に聞こえた
川のせせらぎを曲にしたという『川のせせらぎ』。
ああ、この人の心はなんて清らかなんだ、
という曲と演奏。
もうないだろうと思ったら4度目のアンコールは、
メインになってもおかしくないベートーヴェン。
『月光』の第三楽章。
これまた激しい。
鳴りやまぬ拍手についにピアノの蓋をしめました。


[ プログラム ]
モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K. 475
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 作品57《熱情》
グリーグ:抒情小曲集より
 第1集 作品12より 第1曲 アリエッタ
 第1集 作品12より 第2曲 ワルツ
 第3集 作品43より 第5曲 愛の歌
 第5集 作品54より 第3曲 小人の行進
 第5集 作品54より 第4曲 夜想曲
 第8集 作品65より 第6曲 トロルドハウゲンの婚礼の日
チャイコフスキー/プレトニョフ編曲:《くるみ割り人形》組曲
 行進曲 / 金平糖の精の踊り / タランテラ / 間奏曲
 トレパーク / 中国の踊り / アンダンテ・マエストーソ

アンコール
ドビュッシー:アラベスク第一番
リムスキー・コルサコフ/ラフマニノフ編曲:熊蜂の飛行
辻井伸行:川のささやき
ベートーヴェン:ピアノソナタ『月光』 第三楽章

@ 大宮ソニックシティ 大ホール


開演前


ピアノは、STEINWAY & SONS






2026.2.6

Avishai Cohen Residency
at Blue Note Tokyo
AVISHAI COHEN NEW TRIO



アヴィシャイ・コーエンが新しいトリオでやって来た。
23年24年のトリオ(ピアノ:ガイ・モスコビッチ、
ドラム:ロニ・カスピ)も良かったけれど、
今日のニュー・トリオも凄かった。
ピアノは、イタイ・シムホヴィッチに
ドラムは、エヴィアタール・スリヴニク。
ふたりともまだ若い。
(名前 覚えられそうにない。)

アヴィシャイは、多くのジャズ・ジャイアンツ同様、
新しい才能を世界に知らしめる。
イタイ・シムホヴィッチのピアノはメロディアス。
エヴィアタール・スリヴニクは変態(笑)。
何がどうなっているのか分からないまま、
3人は合っている。
新時代のジャズだ。

今日から5日間公演で、後半の3日間は
このトリオにサックスとトロンボーンが
加わったクインテットの公演がある。
もちろんそちらも観に行くよ。


[ MEMBERS ]
Avishai Cohen (b,vo)
Itay Simhovich (p)
Eviatar Slivnik (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd show


ところでライヴのタイトルは
「Avishai Cohen Residency
at Blue Note Tokyo」となっており、
ブルーノートの特設サイトには、
「アヴィシャイ・コーエンの最新プロジェクトを
堪能する5日間のレジデンシー公演が実現」
とある。
この「Residency」は、住居、居住地、住所
というような意味だが「レジデンシー公演」とは
どういう意味だろうか。
新しいアルバムやプロジェクトの名称なら
分からないでもないけど、そういう記述は
見当たらない。
で、調べてみた。
Google のAI による概要。

「レジデンシー公演(Residency Show/Concert)
とは、アーティストがツアーで各地を回る代わりに、
特定の都市・会場に数ケ月から数年間滞在し、
定期的にコンサートを行う滞在型公演形式。
ラスベガスのトップアーティストや、日本では
「籠城ライブ」とも称される連続公演が代表的。


数ケ月や数年の滞在ではないけれど、
2つのフォーマットで5日間にわたり、
ブルーノートに出演するので、
「レジデンシー公演」と呼んでいるということなのかな。





2026.2.10

Avishai Cohen Residency
at Blue Note Tokyo
AVISHAI COHEN QUINTET



来日の度に観るべきアーティスト、
アヴィシャイ・コーエン。
2019年に初めてライヴを観て以来、
パンデミックの3年間(20~22年)は、
来日が叶わず、昨年(25年)も来日していない。
それでもすでに今日で(4年で)9回目のライヴだから、
自分でもかなりの入れ込みようだと思う。
それぐらい素晴らしい演奏をいつも聴かせてくれる。
来日時に複数回、観に行くアーティストは
そんなに多くないのだけど、その一人。

さて、今夜はクインテット。
先週のトリオにサックスとトロンボーンが
加わった5人編成だ。
先週は、5日間公演の初日の2ndショーを
観たけれど、今日は公演最終日のラスト・ショー。

1曲目の後、アヴィシャイが
「ハッピーで悲しい」と言い出した。
以前にも書いたかもしれないが、
この人の英語は聞き取りやすい。
「今日がラスト・ショーだから。
でも、大体ラスト・ショーが一番良いんだ。
ブルーノート東京は世界で一番のクラブだ」
そして、メンバー紹介。
メンバーそれぞれに向けての言葉に
尊敬と愛が溢れている。

演奏は、カッコ良く、そして美しい。
おっさん5人の演奏がこんなにも美しいなんて。
そして、確かに先日より良いような気がした。
何曲目だったか、もの凄い演奏の後、
アヴィシャイが言った。
「I told you the last show is best one.」

ホーンのふたりも素晴らしかったけど、
やはり、ピアノのイタイ・シムホヴィッチ。
(メンバーの中で一番若い、と言っていた)
そして、ドラムのエヴィアタール・スリヴニク。
メンバー紹介のとき、アヴィシャイは
「ジャズで一番重要なのはドラムだ」と
言って、彼を紹介した。
エヴィアタールのドラミングに触発されて、
バンドがどんどん高次元に昇っていくように感じた。

アヴィシャイが、一番前に座る客に名前を聞いた。
「彼は全部のショーに来ていたよ」と紹介した。
その気持ちも分かる。
私も全部観たかったぐらい良かった。

カメラが入っていたので、もしかしたら
映像(DVD)が出るのかも知れない。
ぜひ出して欲しい。


[ MEMBERS ]
Avishai Cohen(b,vo)
Itay Simhovich(p)
Yuval Drabkin(sax)
Yonatan Voltzok(tb)
Eviatar Slivnik(ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show





2026.2.24

BUTCHER BROWN



「BUTCHER BROWN(ブッチャー・ブラウン)」の
ライヴを観てきた。
めちゃくちゃ気持ちの良いグルーヴで
最初から最後まで身体の揺れが止まらなかった。
演奏は、切れ目なし。
曲が終わるや否や次の曲が始まる。
どうかすると、かぶって始まる。
それもグルーヴを途切れさせないアイディアなのかも。

BUTCHER BROWN は、米国のバンド。
「ジャズ、ヒップホップ、ファンク、ロック等
あらゆるジャンルをシームレスに融合させた
ハイブリッド・サウンド」という謳い文句。
このバンドのことは先日まで知らなかったのだけど、
ブルーノートの招待券を頂いたので、
何を観ようかと迷っていて、見つけたんだ。
選んで正解ね。

知っている曲は、『Dinorah Dinorah』
(Ivan Lins のカバー)1曲だけだったけど、
なんだか意外なカバーだと思いつつハマっている。

途中何曲か、リズムボックスを鳴らしながら
演奏したのだけど、全く自然。
以前は、私はそういうの好きじゃなかったんだけど、
全く違和感がなかったのは、私の聴き方の
問題だろうか、それとも演奏が完全に
リズムボックスと同化しているからだろうかね。
あるいは、時代かね。

ギターは、モーガン・バース。
使用ギターは、見たことないソリッド・タイプ。
ヘッドの形状は、ERNIE BALL MUSIC MAN の
ように見えたけど、未確認。

当初は、キーボードが DJハリソン という人の
予定だったが、ライヴが決まったあとで、
アーティスト都合で、サム・フライブッシュ に変更。
全員良かったけど、ドラムが特に良かったなぁ。

「待望の来日公演」とあったので、初来日かも。


[ MEMBERS ]
Tennishu (sax,tp)
Morgan Burrs (g)
Andy Randazzo (b)
Corey Fonville (ds)
Sam Fribush (key)

@ Blue Note Tokyo
2nd show


[ 参考動画 ]
Butcher Brown: Select Cuts - “Dinorah Dinorah”

今日のメンバーの、ギター、キーボード、ドラムのトリオで
『Feel Like Makin' Love』を演っている動画を見つけた。
Corey Fonville & Sam Fribush & Morgan Burrs - Feel Like Makin' Love





2026.3.7

東西ジャズ・ギタリストの集い
ジャズ(ガチンコ)ライブ in 東京




大阪から3人、東京から3人の
ジャズ・ギタリストが小岩 Just in Time に集結。
「大阪 × ️東京」の9組のデュオが
2曲ずつ計18曲演るという企画。

出演は、大阪から
村山義光、大野こうじ、中野純。
東京勢は、鈴木直人、馬場孝喜、
菅野義孝の合計6人。

これは面白かった。
途中休憩を入れて、3時間45分ぐらい
あったけれど、全く飽きることなく、
あっという間に時間が過ぎた。
9組の組合せには、相性もあっただろうし、
曲による得意不得意(好き嫌い?)も
あったかも知れない。
なにしろステージに上がってから、曲を
決めるというから、何を演るのかも決まっていない。

曲は、スタンダードナンバーばかりなので、
ほぼ全曲知っていたけれど、曲名がわからない。
以前、ジャズを演奏していた頃なら、
言えたのだけど本当に記憶力が落ちたもんだ。
まあ、曲名が分かるかどうかなんて、
音楽を聴く上においてどうでも良いことだけど。

曲名が分かったのは次の通り。
Autumn Leaves(村山 × ️鈴木)
Georgia on my Mind( 〃 )
Sweet Lorraine(大野 × ️管野)
All the Things You Are(中野 × ️馬場)
Someday My Prince Will Come(中野 × ️鈴木)
Just Friends(大野 × ️鈴木)
Days of Wine and Roses(中野 × ️菅野)
When You Wish Upon a Star(村山 × ️馬場)
The Song is You( 〃 )

演奏前に曲名を話していたのが聞こえて
分かったのもあるし、私の思い違いで
間違いもあるかも知れない。

どの組合せも面白かったけれど、
個人的に良かったのは、中野 × ️馬場、
大野 × ️鈴木、中野 × ️菅野、
そして、村山 × ️馬場。
これは予想通り、一番強烈な組合せで、
トリでした。
この組合せは、今日の9組の中で
たぶん一番共演回数が多いのではないか。
もう10年以上前に馬場さんに村山さんの話しを
聴いて、YouTubeでは、そのデュオを観てきたけれど、
ようやく生で目の前で観ることができた。
やっぱり凄かった。
6人の中で一番個性が際立っているのが村山さん。
バッキングもソロも独創的過ぎるのだが、
馬場さんも負けていない。
互いに刺激し合い、反応し、
どんどん曲が展開されて行く。
展開され過ぎて、聴いている方が、
戻って来れるのかと不安になりそうだった。
100年経ってもあんなこと出来そうにないよ。

大阪勢は、村山さんしか存じ上げなかったが、
中野さん、大野さんも素晴らしかった。
中野さんはCDを持って来られていたので、
買いました。
知らなかったけど、2019年のジャズ・ギター・
コンテストの優勝者でした。

演奏しているご本人達が楽しそうなのも良かった。

ついに観た村山 × ️馬場デュオ


終演後、6人そろって


ギターは、6人中3人がフルアコ、
ふたりがセミアコ、ひとりがソリッド。
村山さん、トラベラー・ギター EG-2
(かなり改造されているらしい)、
大野さん、アイバニースのジョージベンソン・モデル、
中野純さん、同じくジョージベンソン・モデル、
鈴木さん、PRSのホローモデル(SE)、
馬場さん、ウエストビルのセミアコ・タイプ、
菅野さん、貫禄たっぷりのギブソンのES-175。
会場はギター好きで満席でした。


[ MEMBERS ]
村山義光
大野こうじ
中野純
鈴木直人
馬場孝喜
菅野義孝

@BACK IN TIME(小岩)





2026.3.10

CALIFORNIA SHOWER
SADAO WATANABE GROUP 2026

75周年記念 渡辺貞夫 グループ 2026
~ カリフォルニアシャワー




先月93歳になられた渡辺貞夫さん。
今日のライヴは『CALIFORNIA SHOWER』と
銘打って、ちょっと懐かしめのセットリスト。
まさか93歳の『California Shower』が
聴けるとは思わなかった。
2017年の東京ジャズでの "渡辺貞夫
CALIFORNIA SHOWER 2017” 以来だ。
あの時、貞夫さんは84歳だったけど、
93歳の今日の演奏は、全く衰えていない。
もう奇跡の人です。

メンバーに ンジャセ・ニャン(パーカッション)も
いるため、竹村一哲(ドラム)との
ユニゾン・プレイもあって、大盛り上がり。

曲は『Rendezvous』、『California Shower』、
『Elis』、『One More Time』、『Orange Express』、
『I Thought of You』、『Only in my Mind』、
『Lopen’』など。
『Shosholoza』は6人ステージに並んで、
アカペラで合唱。
いったんステージを降りてのアンコールは、
『My Dear Life』。
最高。
なぜか泣けます。


[ MEMBERS ]
渡辺貞夫 (as)
小野塚晃 (p)
養父貴 (g)
コモブチ キイチロウ (b)
竹村一哲 (ds)
ンジャセ・ニャン (per)

@ かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール





2026.3.18

The Allman Betts Band
オールマン・ベッツ・バンド




オールマン・ベッツ・バンド。
サザン・ロック好きには見逃せないライヴだ。
なにしろ、オールマン・ブラザーズ・バンド創設メンバー、
グレッグ・オールマン(Vo, Key, Gt)と
ディッキー・ベッツ(Vo, Gt)の息子たちのバンドだ。
さほどサザン・ロックに詳しくない私でも
これは観ておこうと思ったもの。

デヴォン・オールマンとデュアン・ベッツ。
彼らは父親に連れられ、子ども時代からツアーを経験。
それぞれ、ソロアーティストとして活動していたのだが
2018年からバンド活動が本格化したのだという。
以前は、オールマン・ブラザーズ・バンド創設メンバー、
ベリー・オークリー(b)の息子、ベリー・デュアン・
オークリー(b)も在籍していたようだが、
今回の来日メンバーには入っていない。

会場が暗くなると、映画『インディージョーンズ』の
テーマが流れて、メンバーの登場。
いでたちは、スタイリッシュとは言えないが、
ザ・アメリカン・バンドという感じ。

会場には、テンガロンハットの客が数人いたけど、
どうして日本人がかぶるとあんなにカッコ悪いんだろうね。
それはさておき。
ギターは、3人ともギブソン。
デュアン・ベッツが ゴールド・トップのレスポール、
デヴォン・オールマンが レスポール・ジュニア、
ジョン・スタチェラが SG だ。
デヴォンのアコギもギブソン。
「やっぱりサザン・ロックはギブソンが似合う」と
勝手なことを思う自分に気付く。
サザンロックだって、フェンダーを使うギタリストは、
いるだろうけど、デュエイン・オールマン、
ディッキー・ベッツ、デレク・トラックス、
ウォーレン・ヘインズ、マーカス・キングなど
印象としてはほとんどギブソンだ。
ベースは、フェンダーのプレジションだったし、
アンプは(ベースも合わせて)4人とも
フェンダーだったんだけどね。
ジョン・スタチェラは、スライドも担当。
ギターは3人の中ではこの人のプレイが一番好み。

演奏は、見た目と同じく「ザ・アメリカン・バンド」。
実はこのバンド、YouTubeで何曲か聴いただけで、
あまり詳しくは知らないのだけど、今日の演奏の
印象は、Blues・R&B色はあまり濃くなく、
白人のロックバンドという感じ。

オールマン・ブラザーズ・バンドもそうだったような
気がするけど、歌よりもインプロビゼーションが結構長い。
サザンロックの伝統を引き継いでいるんだろう。
テデスキ・トラックス・バンドの方が
黒い要素(実際黒人メンバーもいる)を感じて好きだな。
ま、比べるもんちゃうけどな。

デヴォンが、客席に向けて何枚もピックを投げた。
私の足元に落ちたので拾って来たよ。



約70分のステージ。
アンコールはなし。
終演後の写真。




[ MEMBERS ]
Devon Allman (Gt,Vo)
Duane Betts (Gt,Vo)
Justin Corgan (B)
Peter Levin (Key)
John Stachela (Gt)
Alexander Orbison (Dr,Perc)
Johnathan Lum (Dr)

@ Billboard LIVE Yokohama
2nd Show





2026.3.19

STEVE SMITH & VITAL INFORMATION
feat. Manuel Valera & Janek Gwizdala

スティーヴ・スミス & ヴァイタル・インフォメーション
feat. マニュエル・ヴァレラ & ヤネク・グウィズダーラ




スティーヴ・スミスは、1980年前後の
ジャーニーの絶頂期に在籍したドラマー。
"Don't Stop Believin'"、"Who's Crying Now"、
"Open Arms"、"Separate Ways" などは
スティーヴ・スミスが叩いている。
あの頃はロングヘア―だったけど、
今はすっかりスキンヘッドね。
また上原ひろみのザ・トリオ・プロジェクトで
叩いている映像も観たことがある。
そのトリオのドラマーはサイモン・フィリップス。
日本ではなかったが、海外公演では
スティーヴ・スミスがドラムだったこともあったようだ。

そのスティーヴ・スミスが80年代から続けている
「Vital Information」を観てきた。
このライヴは、2020年に予定されていたけど
パンデミックで延期となっていたもので
ようやく実現したらしい。

メンバーは、マニュエル・ヴァレラとヤネク・グウィズダーラ。
キーボードのマニュエル・ヴァレラのことは
今回初めて知った。
ベースのヤネク・グウィズダーラは、
2012年の渡辺香津美、
2014年のチャック・ローブ、
2019年の THIRD RAIL に続いて
なんと4回目だったけど、名前が覚えられない。
("THIRD RAIL"は、キーボードの魔術師と
いわれるジョージ・ウィッティ、
ベースのヤネク・グウィズダーラ、
ドラムのトム・ブレックラインによるトリオ。)

実は今日は元々は オールマン・ベッツ・バンドの
ライヴを予約していたのだけど、このライヴを知り、
そちらを昨日に変更して観てきたよ。

昨年リリースのニューアルバム『New Perspective』では、
以前に録音した曲を新しい解釈によるアレンジで
再レコーディング。
ジャーニーの "Don't Stop Believin'"、
"Who's Crying Now"、"Open Arms" などが
新解釈で 生まれ変わっている。
今日は、その中から "Don't Stop Believin'" が聴けた。
メロディは聞こえるが、もう別の曲です。

"Eight +Five" でスティーブは、ヘッドセットのマイクを
付けて、ドラミングとスキャットのユニゾン。
ギターやベースでは、ジョージ・ベンソンや
リチャード・ボナなどでお馴染みのプレイだが、
ドラムで演るのは初めて観たよ。

全体的な印象としては、CD で聴く以上に
ドラムがリーダーのトリオという感じでした。
ほかのふたりも素晴らしかったけど。
ドラミングは、ややロックな印象ね。

スティーヴ・スミスを、生で聴くのは初めてだと思う。
サイモン・フィリップスとスティーヴは、前述の通り
どちらも上原ひろみとトリオ歴があるけれど、
スティーヴはサイモンとはまた違う味のドラマーでした。

お客さん、ほぼ満席ではなかっただろうか。
終演後サインをもらうため、行列が出来ていたことからも
人気の高さがうかがえる。


[ MEMBERS ]
Steve Smith (ds)
Manuel Valera (key)
Janek Gwizdala (b)

@ Blue Note Tokyo
2nd show





2026.3.22

高中正義
TAKANAKA SUPER WORLD LIVE 2026
“Guitar Breeze 出発前夜”




昨年のロサンゼルス公演の成功もあって、今年は
大きなワールドツアーが組まれている高中正義。
今月の終わりから、イギリス(ロンドン)、
アメリカ(ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、
ロスアンジェルス)、オーストラリア(シドニー、
メルボルン)、ニュージーランド(オークランド)と
8都市13公演が予定されている。
この数年の海外における日本のシティ・ポップスの
ブームは、ウタモノだけではなく、インストにも拡がり、
高中や日本の80年代のフュージョンにまで広がっている。
今年のワールドツアーもイギリス、アメリカの5公演の
チケットが昨年11月に発売されると即日ソールドアウトで、
現在、全13公演のうち 12公演がソールドアウトになっている。
人生何が起きるか分からない。
70歳を過ぎて、こんなワールド・ツアーが
可能になるなんて、ご本人も誰も思わなかっただろう。

さて、今日はそのワールドツアーの「出発前夜」と
題されたコンサートを観てきた。
@ NHKホール。
席は3階の7列目。
ステージまでちょっと遠い。

前回同様、客電が落ちると「タカナカー」という
掛け声が始まり会場が熱くなる。
赤いスーツに白いシャツ、黒い蝶ネクタイの高中氏。
ギターは、ヤマハでもギブソンでもない SG タイプ。
オペラグラスを用いても私の席からは、
ヘッドのロゴが読み取れないけど、
左右非対称の SG っぽいシェイプで、
ヘッドの形状から ESP のようにも見えたが、
ヘッドのロゴはもう少し長い文字列に見えた。

そのギターで、1曲目は『Blue Lagoon』。
『Radio Rio』と続く。
ギターをブラウン・サンバーストのストラトキャスターに
持ち替えて数曲(曲名が覚えられない)。
ヤマハの SG で『哀愁のヨーロッパ』(サンタナのカバー)。
そのほか、『Oh! Tengo Suerte』、『TAJ MAHAL』、
『渚・モデラート』、『Ready To Fly』、『黒船』など。
ギターは、ジャズマスタータイプの物も使用。
(これもヘッドのロゴが見えない。)

アンコールは、サーフボードギターを
持って登場し『Jumping Take Off』。
オーラスはドラマティックに
『You Can Never Come To This Place』。
ここの流れは、昨年と同じだ。
アンコールまで入れて1時間50分と
昨年より、やや短めだった。

数年前に比べて、外国人のお客さんが増えた。
それだけでも海外の人気の上昇を感じる。
来週日曜日にロンドンに向けて出発とのこと。
冒険の旅だと言って『インディー・ジョーンズ』の
テーマも演奏してた。
3月27日で、73歳になる高中。
ワールドツアーの成功を祈る。


[ MEMBERS ]
高中正義(Gt)
斉藤ノヴ(Perc)
岡沢章(Ba)
宮崎まさひろ(Dr)
井上薫(Key)
高本りな(Key)
AMAZONS(Cho)
(AMAZONS 吉川智子は体調不良により
出演をキャンセル)

@NHKホール





2026.4.5

高中正義 in London



3月22日にワールドツアーに出る前の
“Guitar Breeze 出発前夜” と題された
高中正義のライヴを NHK ホールで観た。

3月31日のロンドン公演から
ワールドツアーはスタートし、イギリス(ロンドン)、
アメリカ(ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、
ロスアンジェルス)、オーストラリア(シドニー、
メルボルン)、ニュージーランド(オークランド)と
8都市13公演が予定されている。

高中のロンドン公演は、1975年、
サディスティック・ミカ・バンドとして、
ロキシーミュージックのイギリス・ツアーの
オープニングアクト以来50年ぶりで、
ソロ・アーティストとしては 73歳にして初だ。

早速、YouTube にはオーディエンスが撮影した
ロンドン公演の様子がアップされている。
これがスゴイ。
盛り上がり方が日本以上ではないかと
感じるほどの熱狂ぶりなのだ、
会場はスタンディングのようで、どうやら
日本との大きな違いは、客層の年齢では
ないかと思う。
日本のコンサートの客は、若い人ももちろん
いるのだけど、大半は私のような昔からの
お馴染みさん。
簡単に言うとおっさんが多い。
しかし、ロンドン公演の雰囲気は明らかに
若者の空気なのだ。
そして驚いたことに、インスト曲のメロディを
観客が唄うのだ。
例えばこの動画。

Ready To Fly - LIVE in London 31.03.26

『Ready To Fly』のメロディを合唱している!
こんなことは日本ではないことだ。

こちらの YOUNG GUITAR のレポートにも
そのことが詳しく書かれている。

それから、「クーリエ(COURRiER )」にも
ガーディアン(英国)の記事が紹介されていた。
タイトルは「レジェンドギタリスト、高中正義が英紙に
語る『70代での世界的ブレイク』」

(有料会員でしか読めないかも知れない。)
インタビュー形式の記事ではないが、
高中が英国でブレイク(!)している様子が
書かれており、ご本人の言葉として、
「日本のライブでは、お客さんのほとんどが50~70代です。
でもロサンゼルスでは、ほとんどが20代でした。
彼らのエネルギーを肌で感じ、彼らの大きな歓声を
聞きました。本当に胸が熱くなりましたよ」
と書かれている。

記事では、日本では「シティ・ポップ」と呼ばれている
70~80年代の J-Pop を「レトロ・ポップ」と
表現している。
その日本のレトロ・ポップの人気が再燃している
理由を米国のライト・イン・ジ・アティック・レコーズの
レッグ・ゴウティは、「経済成長へと向かっていた
70年代後半から 80年代の日本の精神が、
そこに凝縮されているからだと考えている」
と語っている。
この観点は、興味深い。
戦後の廃墟から高度成長を遂げた、
日本のポジティヴな精神、エネルギーが
音楽に宿っているというわけだ。

その記事で、ひとつだけ気になったのは、
高中の 1981年の公演のライヴ映像で
「高中とバンドメンバーは天狗のお面を被った」
という記述がある。
これは、武道館で行われた「虹伝説
(THE RAINBOW GOBLINS)コンサート」での
ことを指しているが、被ったお面は「天狗」でなく
「ゴブリン(goblin)」なんだ。
ゴブリンは、ヨーロッパ伝承の鬼・妖精のような
存在で、伝説の生き物という意味では
天狗に通じる部分もあるけど、日本人的には
天狗ではない。
天狗と訳すならまだ「鬼」の方がいいのに。



それは余談だけど、とにかく高中の海外での
ブレイクは私の想像以上のようなのだ。

3月22日のエントリー
「ワールドツアーの成功を祈る」と書いたけど、
熱狂的なライヴでスタートしたようで何よりだ。
昨日と今日はニューヨーク。
彼らは、これからアメリカを周るよ。
5月の「WORLD TOUR FINAL ー 凱旋帰還」も
観に行きたくなってきて、チケット取ったよ。
もう残り僅かのようだったので、あんまり良い席では
ないかも知れないけど。


[ 参考動画 ] そのほかのロンドン公演の様子
You Can Never Come To This Place
Brixton Academy 2026





Paul McCartney
"Days We Left Behind"




今年の誕生日(6/18)で 84歳になる
ポール・マッカートニー。
そのポールの新曲『Days We Left Behind』が
発表された。
5月29日にリリースされる、
『ダンジョン・レインの少年たち』
(原題:The Boys of Dungeon Lane)
からの1曲。

まず、83歳でニューアルバムを出すことがスゴイ。
そして、この新曲がとても良い。
若い頃とは、違う枯れた声も良い。
オジサンには染みるよ。
年老いたポールの声には否定的な意見もあるらしい。
若い時と違うのは当たり前。
83歳の歌声の良さが分からないのは不憫だね。

和訳付きの動画が発表されているので、
ぜひ聴いて欲しいな。

【和訳】Paul McCartney - Days We Left Behind

先日、2日間に渡って、米ロサンゼルスの
フォンダ・シアターでスペシャル・ライヴが行われたみたい。
1,200人ほどのキャパの会場だというから、
かなり濃密なライヴだったんだろうな。
もう、日本には来てくれないのかな……。





2026.4.6

山下達郎 公開リハーサル

4月2日に「山下達郎 公開リハーサル
抽選受付中」というメールが届いた。
今週末11日、12日、SGCホール有明の
こけら落としとしてライヴのある達郎。
そのライヴには申込まなかった。
行くとしたら、今年のツアーが始まってからだと
思ったし、こけら落としなんて冠が付くと
一層当選しにくいだろうと思ったからだ。
今回抽選受付中と案内された
公開リハーサルは、そのリハーサルだ。
これも「どうせ、落選するだろう」と思いながら
申込んだら、なんと、当選した。
急な告知だったので、申込者が少なかったのかな。
とにかくラッキーだ。

会場は、Zepp Diver City。
スタンディングだとしんどいなと思ったけど、
「指定席」とあったので、安心した。
同じ金額で「2F後方立見」というのも
第二希望で選べたけど、「指定席」一択で申込んだ。
Zepp Diver City は、椅子使用時のキャパは
1階2階合わせて 1,102人とあるから、
その規模の箱で達郎を観られるのはまたとない機会だ。

昨年のツアーも今週末のこけら落としもチケット代は
13,000円だが、この公開リハーサルは、11,000円。
公開リハーサルだからと、本番のライヴより
質が落ちるわけはないだろうが、本番ではないのて
2,000円安いのだろうか。
むしろ、普段観られないリハーサルが観られる方が
マニアックなファンには価値があると思うのだけど。

さて、その公開リハーサル、まず会場に行ってから
初めて席を知ったのだが、前から6列目!
達郎ご本人までの距離はわずか10メートルほど。
オペラグラス不要です。

ご本人のお話しでは、今日のライヴは
本当に急遽決まったようで、たまたま Zepp
Diver City が空いていたのでここになったとのこと。
もうリハーサルはバッチリだけど、全員揃うのに
演らないのも勿体ないから、それならお客さんを
入れてやろう、ということになったそうな。
そして、内容は週末のSGCホール有明と
全く同じと聞いて、会場は湧いた。
週末の SGCホール有明のこけら落としの
抽選には、22万もの申込みがあったそうだ。
おそらく、そっちに申込んで落選した人も
多くいたのではないだろうか。
週末の当選は、 たぶん7~8千人だと思う。
約30倍や。スゴイ競争率。
やっぱり応募していても当選してなかっただろうし、
むしろ今日の方が近くで観られて良かった。

終わってみると、アンコールも入れてたっぷり3時間。
演奏曲について書きたいけれど、ご本人から
週末のライヴが終わるまでは控えてください、と
言われているので、やめておく。
週末の SGCホール有明に行く人が、
これを読んでいるとは思えないけどね。

基本的には昨年のツアーの流れで、
数曲入れ替わりがあって、聴きたかった
『○○〇』や『△□▽』が聴けたのは良かった。
毎度のことながら、最後にはウルウル感動。
この人は期待を絶対裏切らないね。

達郎は73歳。
昨年がシュガーベイブでデビュー50周年だったが、
今年はソロデビュー50周年。
今月8日には、1stアルバムである『CIRCUS TOWN』が
24年ぶりの最新リマスタリングで発売される。
今年はライヴアルバム『JOY 2』も発売予定とのこと。
最近は新しいコマーシャルソングもテレビから
流れているし、ますます忙しいようだ。

達郎は、Zepp のことを「ライブハウス」と呼んでいたけれど、
私にとっては、ライブハウスは、座ってお酒を飲みながら
演奏を聴くお店で、せいぜい200人位まで。
1,000人も入るのは私にとってはホールだけど、
彼にとっては普段演っている2,000人、3,000人のホールとは
違うようで、今日はリハーサルということもあってか、
ご本人が「今日はしゃべりすぎ」というほど、大きな会場では、
おそらくは言わないようなことも、色々しゃべって面白かった。

メンバーは、昨年と同じ。
18年このバンドです、と言っていたけれど、
厳密には、ギターは佐橋さんから鳥山さんに替わっている。。

達郎にも英国や米国からライヴのオファーがあるらしい。
海外での 日本のシティ・ポップ・ブームを考えると
そうだろうなと思う。
でも、以前から言っている通り、彼は行かないのだけどね。

夏の終わりごろから、今年のツアーは始まるとのこと。
それにも行きたいな。


[ MEMBERS ]
山下達郎(ヴォーカル/ギター)
柴田俊文(キーボード)
難波弘之(キーボード)
鳥山雄司(ギター)
伊藤広規(ベース)
小笠原拓海(ドラムス)
宮里陽太(サックス/フルート)
ハルナ(コーラス)
ENA(コーラス)
三谷泰弘(コーラス)

@ 東京・Zepp Diver City


* * * * * * *

音楽を始めた10代の頃は、当たり前だけど、
全員自分より年上の人が創った音楽を聴いていた。
そのうち、エリック・クラプトンが22歳で録音した
というレコードを聴く私の年齢が、そのエリックの
演奏時の年齢を超えるようになった。
20代半ばになると自分より年下のミュージシャンが
活躍し始めた。
60歳を過ぎると巷に流れている音楽の多くは、
年下の人が創ったものであり、年上のミュージシャンは
年々少なくなっていっている。
そういう中、達郎や高中正義、Char、上田正樹、
そして、エリック・クラプトンやポール・マッカートニーなど
私が10代から聴いている人達が現役で
第一線で活躍していてくれていることは、
大きな大きな励みだと実感しております。
そういう年齢になったんですな。しみじみ。





2026.4.7

JAMES GADSON
ジェームズ・ギャドソン


昨日、年上のミュージシャンは、年々少なく
なっていっていると書いた矢先に訃報だ。

4月2日(現地)、ジェームズ・ギャドソンが亡くなった。
享年 86。

ギャドソンは、アメリカの伝説的ドラマー。
大阪在住だった1992年、ギャドソンがドラムを
叩いていた、日米混合のバンド、
「BAND OF PLEASURE」のライヴを
心斎橋のクラブクアトロで観た。
メンバーは次の通り。
デヴィッド・T.ウォーカー (gt)
山岸潤史 (gt)
ジェイムズ・ギャドソン (drs, vo)
続木徹 (key)
清水興 (b)
記憶に残る強烈なライヴだった。

その後、2016年のリユニオン(2公演観に行った)
でも、ギャドソンのドラムを生で聴いている。
このバンドでは、ギャドソンは歌も唄ってたよ。

マーヴィン・ゲイ、マイケル・ジャクソン、
レイ・チャールズ、ジョー・コッカー、
ビル・ウィザース、デビット T. ウォーカー、
ナタリー・コール、ランディ・クロフォード、
ミニ・リパートン、シェリル・リン、
ボビー・ウーマック、アレサ・フランクリン、
ベン E. キング、スモーキー・ロビンソン
ダイアナ・ロスなどなど、とんでもない数のレコードで
ドラムを叩いてきた人で、まさに伝説の人。

R.I.P.


Marvin Gaye - I Want You (1976)





2026.4.7

ウィーン チェロ・アンサンブル5+1
Wiener Cello Ensemble 5+1




チェロが5人とファゴットがひとりという
アンサンブルを聴いてきた。
ウィーン チェロ・アンサンブルの5人は、
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団員ふたり、、
元ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団員、
ウィーン放送交響楽団員、
ウィーン国立歌劇場管弦楽団員という超一流の5人。
ファゴットのソフィー・デルヴォーも
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団員だ。

チェロの響きは、好きなので
この公演を知ったとき、ぜひ聴きたいと思ったのだ。
ウィーン チェロ・アンサンブルは、2008年に
ゲルハルト・カウフマンが結成した。
カウフマンは、1943年生まれとあるから今年83歳。
ウィーン チェロ・アンサンブルは、3年ぶりの来日で
カウフマンの来日はこれが最後かもと言われているようだ。

コンサートは、日本人には耳馴染みのある
「ウィリアム・テル序曲」からスタート。
(運動会で流れてたアレです。)
メンバーにふたりも日本語が話せる人がいたのには驚いた。
東京生まれのラファエル・ドレツァルと
ザルツブルク生まれのベルンハルト直樹ヘーデンボルク。
直樹というお名前から察するに両親のどちらかが、
日本人だろうか。
彼らのおかげで、曲の説明やジョークなども交えながら、
コンサートはとても楽しく進んでいった。
演奏は、世界トップレベルだが、演奏だけではなく、
エンタメとしてもユーモアがたっぷりで面白かった。

前述の「ウィリアム・テル序曲」以外、知っている曲は
なかったけれど、チェロの魅力とファゴットの魅力を
たっぷり堪能できた。
ファゴットは、地味な印象だったけど、
ヴィヴァルディはファゴットが好きだったらしく、
39曲もファゴット協奏曲を書いていた。
今日は、その中から2曲(1曲は第2楽章のみ)聴けたよ。
ちなみに「ファゴット」はドイツ語で、英語では「バスーン」。

印象に残ったのは、ヴィヴァルディの
「ファゴット協奏曲 RV493より 第2楽章 ラルゴ」。
とても重く厳かで暗いのだけど、美しい。
それからレハールの「君こそ我が心のすべて」。
これはオペラの曲なので元々は歌がある。
題名からも分かる通り、とてもロマンチックな曲。
5人の男(チェロ)が、ひとりの女性(ファゴット)に
恋を打ち明けるような設定で演奏されたが、
とても甘く美しかった。

本編最後に演奏された「ドヴォルザーク/チェロ協奏曲
ロ短調 Op.104より 第1楽章 アレグロ」。
ドヴォルザークなんて「新世界より」しかまともに
聴いたことがないのだけど、それでもメロディや展開など
そこここにドヴォルザークらしさが感じられ、
知らずに聴いても「これ、ドヴォルザークちゃう?」と
思うだろうと思った。
それだけ個性があるというのは凄い。

アンコールで演った『ボレロ』は最高なので
ぜひご覧ください。

Wiener Cello Ensemble 5+1: Bolero


[ MEMBERS ]
ソフィー・デルヴォー / Sophie Dervaux
(ファゴット / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団員)
ラファエル・ドレツァル / Raffael Dolezal
(チェロ / ウィーン放送交響楽団員)
ヴォルフガング・ヘルテル / Wolfgang Haertel
(チェロ / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団員)
ゲルハルト・カウフマン / Gerhard KAUFMANN
(チェロ / 元ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団員)
ベルンハルト直樹ヘーデンボルク / Bernhard Naoki HEDENBORG
(チェロ / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団員)
ヤン・リスカ / Jan Ryska
(チェロ / ウィーン国立歌劇場管弦楽団員)

@ すみだトリフォニーホール

[ 曲 目 ]
(1) ロッシーニ/「ウィリアム・テル」序曲
(2) ヴィヴァルディ/2つのファゴットのための協奏曲 ト短調 RV.531
(ソロ:デルヴォー、ドレシャル)
(3) ラロ/チェロ協奏曲 ニ短調より
第2楽章 間奏曲(ソロ:ドレシャル、へーデンボルク)
(4) モーツァルト/ファゴット協奏曲 変ロ長調 K.191より
第3楽章 ロンド:テンポ・ディ・メヌエット(ソロ:デルヴォー)
(5) ハイドン/チェロ協奏曲第1番 ハ長調
第3楽章 アレグロ・モルト(ソロ:ヘルテル)
(6) フォーレ/3つの歌 Op.7 第1番「夢のあとに」
(ソロ:へーデンボルク)
(7) ヴィヴァルディ/ファゴット協奏曲 RV493より
第2楽章 ラルゴ(ソロ:デルヴォー)
(8) シュトラウス 2/無窮動 Op.257(ソロ:デルヴォー、リスカ)
(9) カウフマン/テニス・ポルカ
--- 休 憩 ---
(10) ガングルベルガー/私のテディ・ベア(ソロ:デルヴォー)
(11) シュトラウス 2:ヨーゼフ・シュトラウス/ピツィカート・ポルカ
(12) ロッシーニ/ファゴット協奏曲より
第3楽章 ロンド:アレグレット(ソロ:デルヴォー)
(13) レハール/オペラ「微笑みの国」より 君こそ我が心のすべて
(14) フランセ/ファゴットと弦楽五重奏のためのディヴェルティスマン
第1楽章 ヴィヴァーチェ(ソロ:デルヴォー)
(15) ドヴォルザーク/チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104より
第1楽章 アレグロ(ソロ:ヘルテル)
(EC.1) ラヴェル/ボレロ
(EC.2) 滝廉太郎/花





2026.4.10

MARI KANEKO 60th BIRTHDAY LIVE
金子な理由




2014年12月1日に金子マリの還暦を
記念して行われたライブの模様を収めた
DVD『金子な理由』。(2015年8月発売)

私は 2016年に購入して観たのだけど、
10年ぶりに観てみた。
何より観てから10年経っていたことに驚いたよ。

大勢のアーティスト、ミュージシャンが
出演しているのだけど、10年も経つと、
残念ながら いなくなってしまった人もいる。
石やん(石田長生)、
ムッシュかまやつ、
小坂忠。
私の知る限りこの3人。

「10年後、また皆が集まるライヴが
出来たらと思います。その時は、
欠席の人もいると思いますが」という
石やんのコメントが収録されている。
10年前のエントリーに私は、
「言うてる本人が一番に欠席決めて
しもたらあかんやんか」と書いた。
しかし、今回石やんの演奏する姿
(たぶん生前の最後の映像だと思う)を
観ながら、この発言はいかにも暗喩的だと感じた。
もしかしたら、この時すでに石やんは
非意識かも知れないが自分の寿命を
知っていたんじゃないかと思った。
というのも、このライヴのわずか7か月後に
石やんは他界しているんだ。
それを思うと、この時点では、すでに病気のことも
知っていて、もしかしたらと思っていたのかも知れない。
まさか7か月後とは思っていなかったかも知れないけど。
これは、10年前には思いもつかない観点だった。

小さなハコで演っているせいか、
リラックスしたライヴで、なんというか暖かい。
息子ふたり(金子ノブアキ、KenKen)や、
何十年も付き合いのある人達の祝福に
囲まれていることもあるだろう。

全曲については書けないが、数曲印象に
残っている曲について書いておこう。

「5th element will+有山じゅんじ」との
『Give Get Peace』は、この数年の世界情勢を
考えると、怖いね。

高田エージ、KenKen、DUTCH、久米ジュンヤ
との『そのままでいいよ』。

石やん、マリちゃん、カルメン・マキによる
『アフリカの月』。
この曲、私は大塚まさじのアルバム
『遠い昔ぼくは・・・』で知っていた。
(KURO 作詞 / 西岡恭蔵 作曲)
そのアルバムには、石やんも参加してた。

石やんの最後の映像の『ハッピネス』は、
BAHO(Char & 石田長生)と。

Char とのデュオ、『Taxi Driver』も良い。

サム・クック、オーティス・レディングの
『A Change Is Gonna Come』は、
「5th element will」と日本語で。

そして、小坂忠の『機関車』。
これも貴重な映像だと思う。
窪田晴男(パール兄弟)のギターが良いです。

石やん作詞作曲のソー・バッド・レビュー時代の
『最後の本音』は、マリちゃんは「金子マリ&
BUX BUNNY」時代にカバーしてたんだな。
この曲は、「BUX BUNNY+石田長生」で。
BUX BUNNY のキーボードが、難波(弘之)さん
なのだけど、つい3日前に山下達郎氏の
難波さんの演奏を聴いたところなので、
そのあまりに違う世界観での演奏にプロを見たね。
この曲の
「オレはけして悪い人間じゃない。
ただ考えが甘いだけ」
という歌詞、好きだな。

そして、親子3人で演る『アスベスト』。
ドラムに金子ノブアキ、ベースにKenKen。
曲前の MC で、この曲は、KenKenへの
メッセージだったと明かす母。
私が若い頃には、親子で一緒にロックを
演るなんて、想像もつかなかったことだ。
それにしても、KenKen ホンマに上手い。
DVD を観ながら「イェイ」です。

そこに Char が加わっての
『Don't Cry My Baby』。
これは、マリちゃんのアルバムで
JL&C がバックを務めた曲。
何人もギタリストが登場するのだが、
なぜ Char さんだけ、カッコいいんだろう。
(ほかのギタリストに失礼)

そして、そこにチャボも加わっての
RC サクセションの『ドカドカうるさいR&Rバンド』と
Char の『Street Information』。
チャボの MC を聞くたび思うけど、
この人は、ホントにいい人だな。

とにかく、こんなバンド(金子マリ、Char、
チャボ、KenKen、金子ノブアキ)は
これでしか観られないよ。

最後(たぶんアンコール)は、
金子家(マリちゃん、ノブアキ、KenKen)と
竹中家(Char、JESSE)の5人で
ジョニー吉長(マりちゃんの元ダンナ)の
『ありがとう』。
これは泣かせよる。

10年前も「見応えのある DVD だった」と書いた。
実は、終活というわけではないけど、
モノを減らす目的で この DVD も、処分する前に
もう一度観ておこうと思って観たのだけど、
手放すのが惜しくなるほどホントに素晴らしかった。


[ 収録曲 ]
1. Compared To What
2. On Your Mark
3. Give Get Peace
4. 抱きしめよう
5. みんなの願いはただひとつ
6. 恋はねずみ色
7. Dear Mr.Optimist
8. 青い空
9. ゴロワーズを吸ったことがあるかい?
10. そのままでいいよ
11. アフリカの月
12. Happiness
13. Taxi Driver
14. Honey
15. A Change Is Gonna Come
16. 機関車
17. 時代
18. セレナーデ
19. 最後の本音
20. アスベスト
21. Don't Cry My Baby
22. ドカドカうるさい R&R Band
23. Street Information
24. ありがとう

[ MEMBERS ]
金子マリ (Vo)
小川美潮 (Vo)
カルメン・マキ (Vo)
小坂忠 (Vo)
JESSE (Vo)
有山じゅんじ (Vo, Gt)
石田長生 (Vo, Gt)
Char (Vo, Gt)
高田エージ (Vo, Gt)
久米ジュンヤ (Gt)
仲井戸”CHABO”麗市 (Gt)
渋谷毅 (Pf)
金子ノブアキ (Drs)
DUTCH (Drs)
“5th element will”
北京一 (Vo)
大西真 (B)
石井為人 (Key)
松本照夫 (Drs)
窪田晴男 (Gt)
“Ban Ban Bazar”
福島康之 (Vo, Gt)
黒川修 (B)
“LIFE IS GROOVE”
KenKen (Vo, B)
ムッシュかまやつ (Vo, Gt)
山岸竜之介 (Gt)
“BUX BUNNY“
永井充男 (Gt)
鳴瀬喜博 (B)
難波弘之 (Key)
松本照夫 (Drs)


[ 金子マリ 関連エントリー ]
2012.7.25 石田長生 “Kanreki" Birthday Special LIVE!!
2013.6.6 山岸潤史・芸歴40周年&還暦記念ライブ in 東京
2015.7.16 略して「ボイス」
2015.7.22 有山岸 feat.上田正樹~Bitter Sweet Soul~
2016.7.25 “ 石田長生展 ハッピネス!! ”
2016.10.9 MARI KANEKO 60th BIRTHDAY LIVE 金子な理由
2019.9.22 石田長生展 2019 SONGS Of Ishiyan
2022.6.10 スチャラカ





2026.4.12

DEEP PURPLE
ディープ・パープル


ディープ・パープルが来日中で、
昨日は武道館でのライヴがあった。
デビューから58年、17回目の来日だという。

ディープ・パープルに武道館と言えば、
1972年に発表されたライブ・アルバム
『LIVE IN JAPAN』を思い出す。
(あのアルバムは、ジャケットは武道館の
公演の写真だが、中身は大阪公演の
録音も含まれているらしい。)

さて、今回の来日は事前に知っていたものの、
23,000円というチケット代を考えると、
どうしても観たいというほどではなかったので、
行かない選択をした。
もし、ギターがリッチー・ブラックモアだったら
行ったかも知れない。

メンバーは、次の通り。
イアン・ギラン (vo) 80歳
ロジャー・グローヴァー (b) 80歳
イアン・ペイス (drs) 77歳
ドン・エイリー (key) 77歳
サイモン・マクブライド (gt) 47歳

ちなみに リッチー・ブラックモアも 80歳です。

80歳で活動しているミュージシャンは
ほかにもいるので、それ自体は驚くほどでは
ないのかも知れないけど、YouTube に
アップされた昨日のライヴの様子を観て、
何か書かずにはいられなくなった。

ギターのサイモン・マクブライド(47歳)
以外は、4人とも後期高齢者。
そんな言葉は彼らには似合わないけど。

80歳のイアン・ギラン。
凄いです。
"Highway Star" (1曲目だったようだ)の
シャウト。
もちろん50年前のようには唄えないけれど、
ハードロックは、若者の音楽ではないのだと
思い知ります。
サイモンのギター・ソロが、リッチーのそれを
なぞっているのもなんだか嬉しい。

思えばディープ・パープルは、私が中高生の頃、
洋楽の入口で出会っている音楽。
いまだに上手く弾けないけれど、"Highway Star" の
ギターソロは、練習したよ。
その後、ディープ・パープルを深くは追いかけて
いないけど、 "Highway Star" はもちろん、
"Burn"、"Smoke on the Water"、
"Black Night"、"Child in Time" など
記憶に残っている曲も多い。
当時、アマチュア・ギター弾きは、彼らの曲を
バンドで演りたいのだけど、唄えるシンガーが
中々いないというのが悩みの種だった。

先日から、高齢で頑張っているアーティストのことを
取り上げているが、それに続く感じになった。

最近読んだ記事にこんなことが書いてあった。
日本人の平均「寿命」は女性が87・45歳、男性は81・41歳。
しかし、60歳の人にとっての平均「余命」は、
女性が89・17歳、男性が83・97歳。
平均寿命より数年長生きすることになる。
60歳における平均余命は、60歳以前に
亡くなった人を除いて、計算するからだ。
「60歳まで生きた人は、それぐらい生きますよ」
ということになるわけだ。
仮に85歳まで生きた男性の平均余命は
6・46年あり、91・46歳まで平均で生きる計算になる。
90歳の平均余命は、4・41年で平均で
94・41歳まで生きることになる。
もちろん、該当する人数は少なくなるのだけど。

渡辺貞夫さんみたいに 93歳になっても
ステージに立ち続けられる人は稀だけれど、
長生きしてもやりたいことができないような
状態だったらつらいので、健康寿命が大事だ。
こういう話題が増えたなぁ。


[ 参考動画 ]
Deep Purple “Highway Star” at Budokan 11 April 2026

2026年4月11日 ディープ・パープルの武道館ライブ





2026.4.14

1975年のケルン・コンサート
KöLN 75




キース・ジャレットを初めて聴いたのは、
1995年 33歳で上京した冬だった。
バーテンダーの修行(というと大げさだけど)の
ために週末、自由が丘にあったバーで
アルバイトをさせてもらっていた。
シガー(葉巻)も吸えるオーセンティック・バー。
そこで流れる音楽(バーのマスターの選曲)は、
マドレデウス(ポルトガル)、エンヤ(アイルランド)、
マイク・オールドフィールド(イングランド)など
それまで私が聴いてこなかった音楽だった。

そんな CD の中にキース・ジャレット
(アメリカ)の『ザ・ケルン・コンサート』もあった。
ケルンでのコンサートのライヴ録音盤だ。
初めてそれを聴いた時は、ケルンがドイツの
街の名だということさえ知らなかった。
『ザ・ケルン・コンサート』は、ソロ・ピアノの
アルバムだったのだが、全編が即興だと
聞いても信じられなかった。
2枚組の CD で1枚に2曲ずつ、合計4曲。
曲のクレジットは、「Part I」、「Part IIa」、
「Part IIb」、「Part IIc」と曲名もない。
そもそも即興なのだから、はなから曲名などないのだ。
後にこのアルバムは、ジャズの中でも重要な1枚だと知った。

キースは現在80歳で、すでに音楽界から引退している。
脳卒中を発症し、その後遺症で残念ながら
演奏ができなくなったようだ。

前置きが長くなった。
今日は映画『1975年のケルン・コンサート』を観てきた。
前述のキースのアルバム『ザ・ケルン・コンサート』に
関する映画だ。
しかし、これはキースの映画であって、
キースの映画ではない。

主人公は、ケルンの女子高校生のヴェラ。
ひょんなきっかけから、ミュージシャンのツアーを
ブッキングすることを始めたヴェラは、
ベルリンのジャズ・フェスティバルで、
キース・ジャレットの演奏を聴き、衝撃を受け、
キースのケルン公演の開催を決意する。
当時18歳だったヴェラが、キースをケルンに
呼ぶまでも簡単な道ではなかったのだが、
当日になって、会場に用意されていたのは、
壊れた小さなピアノ。
キースは「このピアノでは弾かない」という。
さて、どう乗り切るか。
その日のコンサートの裏側で、こんなドラマが
あったとは知らなった。

ジャーナリストの質問に答える、キースの言葉が
深くて、そのシーンだけでももう一度観たいぐらい。
そして、この日キースは疲れていて、睡眠不足で
腰が痛くて、演奏をしたくなかった。
録音にも反対だったとは。

冒頭に「Inspired on true story」とテロップが出る。
「Based on」ではないし、オフィシャルサイトにも
「その舞台裏をドラマチックに映画化した」と
あるので、創作部分も多いと推測する。
できればどこが事実で、どこが創作か知りたいが、
それは無理だろうか。
でも、とにかく面白かった。

「全編が即興だと聞いても信じられなかった」と
書いた通り、私はある程度、モチーフぐらいは、
準備してステージに挙がっているんじゃないか、
こんな即興ができるわけない、と思っていた。
特に「Part IIc」は、『Memories of Tomorrow』
というタイトルでスタンダードになってしまっている。
それほど完成されたメロディなのだ。
しかし、この映画のキースを観る限り、
あれは本当に即興なのだと思った。
異常なほどの集中力で演奏しているので、
観客の咳で演奏が止まってしまう(来日公演での
実話)んだろう。

そして、驚くべきことは この映画でキースの
演奏音源が1曲も使われていないこと。
許諾が得られなかったという事情のようだ。
しかし、ちゃんとキースがピアノを弾いている
映画になっているのが 素晴らしい。
途中流れるキースの演奏は、ステファン・ルスコーニ
というスイスのピアニストがキースを模して
演奏しているらしい。
マイルス・デイヴィスの実際の演奏などは
流れるんだけどね。
鑑賞時にはキースの音源を使っていないなんて
事情を知らなかったので、原題が「KöLN 75」なのに
そのコンサートのキースのピアノ演奏が一音もなく
終わるのは 逆に斬新!と思ったよ。
これは音源を使えなかった怪我の功名じゃないだろうか。

キースを演じるジョン・マガロ、キースの
マネージャーのマンフレート・アイヒャー役の
アレクサンダー・シェアーがとても良い。

主役 ヴェラ を演じたドイツの女優
マラ・エムデは、映画の中で16歳から18歳を演じる。
どうみてもティーンには見えないので
そこは「ちょっと無理があるで」と思ったが、
1996年生まれとあるから、やはり撮影時には
28歳か29歳だったということだな。

この手の映画で、役がドイツ人なのに
全員英語を話すというのも珍しくないが、
本作ではちゃんとドイツ語と英語が
使い分けられており、そこは好感が持てた。

18歳の女性が、アメリカ人ジャズピアニストの
しかも1000人のオペラ・ホールのブッキングを
したなんて、1970年代ならではだろう。
現代ならシステムが出来上がっていて
そんなことは、無理なんじゃないだろうか。

今、『ザ・ケルン・コンサート』を聴きながら
これを書いているが、51年前の演奏であること、
そして、あの背景があったと思うと
また一味違って、感慨もひとしおです。
素晴らしい。
これ、ジャズ・ソロ・ピアノで一番売れた
アルバムだそうです。
こうなると、一度も生でキースを聴いていないのは、
とてもとても残念。

監督はイスラエル出身のイド・フルーク。


★★★★▲


2025年製作/116分/PG12/ドイツ・ポーランド・ベルギー合作
原題:Köln 75
劇場公開日:2026年4月10日

恵比寿ガーデンシネマにて鑑賞



ところで、驚いたことに本作が
今年初めて映画館で観る映画だった。
もう4月の半ばなのに。
コロナ禍の前は、年間50本から60本、
映画館で観ていたのに何かが変わってしまったようだ。
コンサートやライヴの数は、2022年には
コロナ前の数に戻ったのだけど、どういうわけだろう。
別に映画に興味がなくなったわけではないのだけど。





2026.4.16

馬場孝喜
SOLO GUITAR
LIVE



池袋の P’s Bar。
ここにはずい分前(2009年)に
加藤泉(gt)さんを聴きに来たことがある。

開場時間の19時に到着すると、まだお客さんは
来ておらず、私は一番乗りで、馬場さんは
サウンドチェックをしていた。
この数年すっかり回数が減ってしまったけれど、
以前(2009年頃)は、よく馬場さんの
ギターを聴きに行ったものだ。
その全てが、誰かとのデュオかバンドのライヴで
完全なソロ・ギターのライヴは、今日が初めて。
ソロ・ギターでのライヴはあまりやらないらしい。

今日は満席。
小さなお店なのだが、どうやら常連さんが
多いようでお客さんは皆知り合いのようだ。
今日はミュージシャンも多かったようで、
私が認識しただけでも、シンガー、ピアニスト、
ベーシストともう一人、ミュージシャンらしき人がいた。
そのうちライヴを聴いたことのある人もふたりいたよ。
ミュージシャン仲間にも馬場さんの人気があるのが分かる。

今日のギターは、エレキ(Westville のセミアコ )と
最近入手したというエレガット(Martinez)。
この Martinez、ちょっと触らせていただいたのだけど
恐ろしく軽い!
ネックも細く弾きやすい。
やばい、やばい。

LINE6のマルチ・エフェクターのループを使って
ひとりとは思えぬサウンドを出していたよ。
一体どういう訳で、あんな風に演奏を
展開できるのか、可能なら脳の中を
覗いてみたいものだ。
とても刺激的で、あんな風には弾けないにしろ
プレイの幅を広げるヒントを頂きました。

曲は、スタンダードからブラジルもの、
アニメ・ソングまで。


@ P's Bar(池袋)





2026.4.18

Man on the Run
マン・オン・ザ・ラン




ザ・ビートルズ解散後のポール・マッカートニーの
数年間を描いたドキュメンタリ―『マン・オン・ザ・ラン』。
タイトルは、1973年に発売された、
ポール・マッカートニー&ウイングスのアルバム
『バンド・オン・ザ・ラン』から来ているのだろう。
製作は、Amazon MGM スタジオ。
全世界で今年2月19日、1日限定上映し、
2月27日から Amazon Prime Video による
世界配信が始まった。

本作を観て、私はポール(というかビートルズの
メンバ―全員だけど)が、ビートルズを解散して
どんな気持ちだったのかとか考えたことがなかった
ことに気付いた。
ビートルズで大成功し、解散し、それからも
苦労することなく、世界の音楽の第一線に
君臨し続けている、そんな勝手なイメージを持っていた。
もちろんビートルズ時代に観客が音楽を
聴かないのでライヴができなくなったり、
解散前後でジョンとの不仲説とかがあったのは
知っていたけど。

以下、ネタバレ含みます。
ビートルズの解散は、ジョンが脱退を言い出した
ことが始まりだったのに、ポールの脱退が先に
報道されたために、ポールが悪者になったとか、
ウイングスでは、リンダが叩かれたりとか、
何よりもポールが、ビートルズ解散後に
自分を立て直すのに、ずい分と時間がかかって
いることを恥ずかしながらこれを観て初めて知った。
なんだかそういう苦悩とポールのイメージが
結びつかなかったんだ。
でも、考えてみれば、いや考えるまでもなく、
ポールも人間だ。
もとビートルズの中心人物であっただけに、
その後のプレッシャーも半端なものではなかっただろう。
いつもいつも、ジョンと比較され、「ビートルズの
再結成は?」とうんざりするほどマイクを
向けられてきたことだろう。

ビートルズの解散が、正式に落ち着くのに
何年もかかっていることも知らなかった。

1975年の日本の法務省によるビザ発給拒否で、
来日公演が中止になったことや、
1980年のウイングスとして来日した際、成田空港で
大麻取締法違反により逮捕され、公演が全て
中止になった、あの事件のこともしっかり描かれている。
事前に「日本は厳しいから大麻を絶対に持って行くな」と
聞かされていたのに、やっちまったポールの心境。
もしかしたら、7年刑務所に入らなければならないと思い、
娘たちが東京の郊外で育つ姿を想像したという。

印象に残ったのは、ビートルズ解散の発表時に
配られた書面に書かれていたこと。
「今後の計画は?」の質問の答えは
「My only plan is to grow up.」

ジョンがポールのソロアルバム『マッカ―トニー』を
かなりすり減るぐらい聴き込んでいたこと。

ポールが、「僕の人生で大きな恵みは、
(ジョンと)和解できたこと」と語っていること。

1980年、ジョンの事件の当日、マイクを
向けられたポールが、とても冷たく応えており、
途中で「じゃこれで、以上だ」と話しを切る。
見ている者には、あまりにつれない態度に映る。
実際、そういう批判があったようだ。
しかし、ショーン(ジョンの息子)が、こう語る。
「僕には分かってた。
彼の目や声のトーンが物語っている。
ポールはこの出来事を受け止めきれてない。
あの時の彼の様子はまるで、ロボットだ。
冷酷だという人もいるが、当時から
そう思っていなかった。
ひどいことが起きるとああいう反応は当然だ」

ポールの娘は、その日の父ポールのことを
「あんなに驚いた姿を初めて見た」と語っている。

ビートルズ解散後もポールには名曲が多い。
『My Love』、『Silly Love Songs』、
『No More Lonely Nights』、『Let ’Em In』、
『Listen To What The Man Said』、
『Band On The Run』など
これらは、私が好きな曲だ。


★★★★▲


2025年製作/115分/イギリス・アメリカ合作
原題:Man on the Run


Amazon Prime Video で鑑賞







 ひとりごと